JP2015033375A - エラグ酸組成物の製造方法 - Google Patents

エラグ酸組成物の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2015033375A
JP2015033375A JP2014122000A JP2014122000A JP2015033375A JP 2015033375 A JP2015033375 A JP 2015033375A JP 2014122000 A JP2014122000 A JP 2014122000A JP 2014122000 A JP2014122000 A JP 2014122000A JP 2015033375 A JP2015033375 A JP 2015033375A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ellagic acid
raw material
acid composition
heat treatment
heat
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2014122000A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6454094B2 (ja
JP2015033375A5 (ja
Inventor
山田 泰司
Taiji Yamada
泰司 山田
阿部 哲也
Tetsuya Abe
哲也 阿部
晶宏 宇田
Akihiro Uda
晶宏 宇田
正憲 松浦
Masanori Matsuura
正憲 松浦
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kao Corp filed Critical Kao Corp
Priority to JP2014122000A priority Critical patent/JP6454094B2/ja
Publication of JP2015033375A publication Critical patent/JP2015033375A/ja
Publication of JP2015033375A5 publication Critical patent/JP2015033375A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6454094B2 publication Critical patent/JP6454094B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D311/00Heterocyclic compounds containing six-membered rings having one oxygen atom as the only hetero atom, condensed with other rings
    • C07D311/02Heterocyclic compounds containing six-membered rings having one oxygen atom as the only hetero atom, condensed with other rings ortho- or peri-condensed with carbocyclic rings or ring systems
    • C07D311/78Ring systems having three or more relevant rings
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A23FOODS OR FOODSTUFFS; TREATMENT THEREOF, NOT COVERED BY OTHER CLASSES
    • A23LFOODS, FOODSTUFFS, OR NON-ALCOHOLIC BEVERAGES, NOT COVERED BY SUBCLASSES A21D OR A23B-A23J; THEIR PREPARATION OR TREATMENT, e.g. COOKING, MODIFICATION OF NUTRITIVE QUALITIES, PHYSICAL TREATMENT; PRESERVATION OF FOODS OR FOODSTUFFS, IN GENERAL
    • A23L2/00Non-alcoholic beverages; Dry compositions or concentrates therefor; Their preparation
    • A23L2/52Adding ingredients
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A23FOODS OR FOODSTUFFS; TREATMENT THEREOF, NOT COVERED BY OTHER CLASSES
    • A23LFOODS, FOODSTUFFS, OR NON-ALCOHOLIC BEVERAGES, NOT COVERED BY SUBCLASSES A21D OR A23B-A23J; THEIR PREPARATION OR TREATMENT, e.g. COOKING, MODIFICATION OF NUTRITIVE QUALITIES, PHYSICAL TREATMENT; PRESERVATION OF FOODS OR FOODSTUFFS, IN GENERAL
    • A23L33/00Modifying nutritive qualities of foods; Dietetic products; Preparation or treatment thereof
    • A23L33/10Modifying nutritive qualities of foods; Dietetic products; Preparation or treatment thereof using additives
    • A23L33/105Plant extracts, their artificial duplicates or their derivatives
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K31/00Medicinal preparations containing organic active ingredients
    • A61K31/33Heterocyclic compounds
    • A61K31/335Heterocyclic compounds having oxygen as the only ring hetero atom, e.g. fungichromin
    • A61K31/365Lactones
    • A61K31/366Lactones having six-membered rings, e.g. delta-lactones
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P39/00General protective or antinoxious agents
    • A61P39/06Free radical scavengers or antioxidants
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A23FOODS OR FOODSTUFFS; TREATMENT THEREOF, NOT COVERED BY OTHER CLASSES
    • A23VINDEXING SCHEME RELATING TO FOODS, FOODSTUFFS OR NON-ALCOHOLIC BEVERAGES AND LACTIC OR PROPIONIC ACID BACTERIA USED IN FOODSTUFFS OR FOOD PREPARATION
    • A23V2002/00Food compositions, function of food ingredients or processes for food or foodstuffs

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Food Science & Technology (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Nutrition Science (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Epidemiology (AREA)
  • Botany (AREA)
  • Mycology (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Toxicology (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Coloring Foods And Improving Nutritive Qualities (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Cosmetics (AREA)

Abstract

【課題】水への溶解性に優れるエラグ酸組成物を製造する方法の提供。
【解決手段】グァバ葉抽出物を含有し、かつ、固形分中に遊離のエラグ酸を1〜5質量%含有する原料と水性媒体とを混合し加熱処理原料を調製する工程、及び、
前記加熱処理原料を100〜180℃で加熱処理する工程を含む、エラグ酸組成物の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、エラグ酸組成物の製造方法に関する。
エラグ酸は、イチゴ、リンゴ、グァバ、タラ等の植物に含まれているポリフェノール構造を有する化合物である。エラグ酸は、美白効果を始め、抗酸化効果等の生理機能を有することが明らかになっている。
しかしながら、エラグ酸は、水に対する溶解性が低く、水性の製品へ使用することは難しい。そこで、エラグ酸を水に可溶化させる技術が検討され、例えば、エラグ酸に1分子以上の糖を結合させたα−配糖体(特許文献1)が報告されている。また、結晶成長抑制剤及び水溶性高分子と混合してエラグ酸を微粒子化し、安定に分散させる方法(特許文献2)が報告されている。
一方、近年の健康指向を背景に、グァバ葉抽出液のα−アミラーゼ阻害作用が注目され、グァバ葉抽出液を含む清涼飲料等が開発されている(例えば、特許文献3及び4)。
グァバ葉抽出液にはエラグ酸が含まれるが、その難水溶性の性質から室温下で析出してしまう。そのため、飲料の外観が損なわれるのを抑制するために、グァバ葉抽出液から遊離エラグ酸の微小な結晶の核を精密濾過により除去する方法(特許文献3)、グァバ葉を90〜98℃の熱水で抽出し、得られたエキスをブリックス糖度20〜30の範囲となるまで濃縮した後、凍結乾燥する方法(特許文献4)等が提案されている。
特開2005−281204号公報 特開2003−81826号公報 特開2003−208号公報 国際公開第2007/135767号
エラグ酸のα−配糖体は水への溶解性が高いものの、製造工程が煩雑であるためコストが高い。また、リン酸塩等の結晶成長抑制剤を使用する特許文献2の方法は、風味の低下により使用用途が限定されるといった問題が考えられる。
一方で、グァバ葉抽出液を処理する特許文献3及び4の方法では、抽出溶媒に溶解していない遊離のエラグ酸が除去されてしまいエラグ酸自体を有効に利用できないか、得られたエラグ酸の水溶性が不十分といった問題が考えられる。
したがって、本発明は、水への溶解性に優れるエラグ酸組成物を製造する方法を提供することに関する。
本発明者らは、エラグ酸の可溶化技術について種々検討したところ、水性媒体の存在下、遊離のエラグ酸のみを100℃以上で加熱処理しても水への溶解性が向上しないものの、遊離のエラグ酸をグァバ葉抽出物と共に100℃以上で加熱処理することで、飛躍的にエラグ酸の水への溶解濃度が増加することを見出した。また、斯かる加熱処理を経た組成物を噴霧乾燥又は凍結乾燥すると、水への高溶解性を維持したまま乾燥することができ、水溶性に優れたエラグ酸組成物を得られることを見出した。
すなわち、本発明は、グァバ葉抽出物を含有し、かつ、固形分中に遊離のエラグ酸を1〜5質量%含有する原料と水性媒体とを混合し加熱処理原料を調製する工程、及び、前記加熱処理原料を100〜180℃で加熱処理する工程を含む、エラグ酸組成物の製造方法、及び該製造方法により得られるエラグ酸組成物を提供するものである。
本発明によれば、遊離のエラグ酸の水に対する溶解濃度を増加させることができ、溶解性に優れるエラグ酸組成物を安価に製造することができる。
本発明は、グァバ葉抽出物を含有し、かつ、固形分中に遊離のエラグ酸を1〜5質量%含有する原料と水性媒体とを混合し加熱処理原料を調製する工程、及び、前記加熱処理原料を100〜180℃で加熱処理する工程を含む、エラグ酸組成物の製造方法である。
本発明に用いられるグァバ葉抽出物は、グァバ(Psidium guajava)の葉の抽出物である。
グァバ葉抽出物は、グァバの葉をそのままもしくは乾燥させ、又はこれらを処理した後に抽出工程に付すことによって得ることができる。処理としては、例えば、切断、破砕、磨砕、粉砕等が挙げられる。グァバ葉抽出物としては、市販されているもの、例えばグァバ葉エキス末(松浦産業(株))、グァバフェノン(備前化成(株))や、常法により得られる各種溶剤抽出物であってもよい。
グァバ葉抽出物中の遊離のエラグ酸の含有量は、特に限定されるものではないが、1〜5質量%(以下、単に「%」とする)、更に1〜3%が好ましい。
抽出のための溶剤としては、特に限定されるものではなく、例えば、水;水蒸気;メタノール、エタノール等のアルコール類;亜臨界又は超臨界二酸化炭素;大豆油、ナタネ油、ヒマワリ油、パーム油、ラード等の食用油脂類;並びにこれらの混合物が挙げられる。なかでも、水、アルコール類、これらの混合物が好ましく、更に水、炭素数4以下のアルコール、これらの混合物が好ましい。
グァバ葉抽出物を得る抽出手段としては、例えば、固液抽出、液液抽出、浸漬、煎出、浸出、水蒸気蒸留、還流抽出、超音波抽出、マイクロ波抽出、撹拌等の任意の手段を用いることができる。
抽出の条件は、特に限定されるものではないが、抽出温度は、抽出効率を高める点から、0℃以上が好ましく、更に20℃以上、更に50℃以上、更に60℃以上が好ましい。また、溶媒沸点以下が好ましく、100℃以下が好ましい。
このようにして得られるグァバ葉抽出物は、粗精製物であってもよく、さらに粗精製物を公知の分離精製方法を適宜組み合わせて精製したものであってもよい。精製手段としては、有機溶剤沈殿、遠心分離、限外濾過、吸着剤処理、高速液体クロマトグラフやカラムクロマトグラフ等が挙げられる。
また、グァバ葉抽出物は、抽出液や画分をそのまま用いてもよく、適宜な溶媒で希釈した希釈液として用いてもよく、或いは濃縮エキスや乾燥粉末としたものや、ペースト状に調製したものでもよい。
本発明の製造方法においては、グァバ葉抽出物を含有し、かつ、固形分中に遊離のエラグ酸を1〜5%含有する原料と水性媒体を混合することで加熱処理原料を調製し、加熱処理を行う。
本発明で用いられる水性媒体とは、水、または、水及び有機溶媒の水溶液をいう。水としては、水道水、蒸留水、イオン交換水、精製水が例示される。有機溶媒としては、水と均一に混合するものであれば特に限定されない。有機溶媒としては炭素数4以下のアルコールが好ましく、プロパノール及びエタノールがより好ましく、食品に適用可能であるという観点よりエタノールが更に好ましい。水溶液中の有機溶媒の濃度は、0〜60%が好ましく、0〜30%がより好ましく、0〜25%が更に好ましく、0〜20%が更に好ましく、0〜10%が更に好ましく、0〜5%が更に好ましく、0〜2%が更に好ましい。
原料と水性媒体との混合は、攪拌等の周知の方法で行うことができる。
本発明の製造方法において、遊離のエラグ酸の溶解性を向上させる点から、原料中のグァバ葉抽出物の含有量は、固形分基準で60%以上であることが好ましく、更に70%以上、更に80%以上、更に90%以上、更に95%以上、更に97%以上であることが好ましく、エラグ酸の含有量を高める点から100%以下、更に99.5%以下であることが好ましい。また、原料中のグァバ葉抽出物の含有量は、固形分基準で更に60〜100%、更に70〜100%、更に80〜100%、更に90〜100%、更に95〜100%、更に97〜100%、更に97〜99.5%が好ましい。
なお、本明細書におけるグァバ葉抽出物の固形分量は、グァバ葉抽出物が粉末状等の固体物の状態の場合はその質量、固体物の状態以外の場合は、グァバ葉抽出物を105℃の電気恒温乾燥機で3時間乾燥して揮発成分を除いたのちの質量とする。
原料における、固形分中の遊離のエラグ酸の含有量は1〜5%であるが、生理機能を有効に高める点から、更に1.2%以上、更に1.5%以上、更に1.8%以上、更に2%以上、更に2.2%以上、更に2.5%以上が好ましく、溶解液からの結晶化抑制の点から、5%以下であり、更に4%以下が好ましい。また、固形分中の遊離のエラグ酸の含有量は、更に1.2〜5%、更に1.5〜5%、更に1.8〜5%、更に2.2〜5%、更に2.5〜4%が好ましい。
植物中に含まれるエラグ酸は、その多くがエラジタンニンと呼ばれる糖が結合した状態で存在していることが知られている。本明細書における遊離のエラグ酸とは、このような糖が結合した状態のものではなく、遊離の状態で存在しているエラグ酸を指す。
また、本明細書における原料の固形分とは、原料から105℃の電気恒温乾燥機で3時間乾燥して揮発成分を除いた残分を指す。
上記のような遊離のエラグ酸の含有量の範囲とするのに、原料に遊離のエラグ酸を添加してもよい。なお、遊離のエラグ酸には、エラグ酸の塩や水和物も含む。市販の遊離のエラグ酸として、例えばザクロエラグ酸(サビンサジャパンコーポレーション)、エラグ酸二水和物(和光純薬工業(株))等が挙げられる。
原料及び水性媒体が混合された加熱処理原料中の固形分の含有量は、通常、流動性の点から、3g/L以上、更に3.5g/L以上、更に4.0g/L以上が好ましく、また60g/L以下、更に50g/L以下が好ましい。また、3〜60g/Lが好ましく、3.5〜50g/Lが更に好ましく、4.0〜50g/Lが更に好ましい。
グァバ葉抽出物は、このような固形分濃度となるように水性媒体へ分散或いは溶解させるのが好ましい。
加熱処理原料のpH(20℃)は、風味及びエラグ酸の溶解性を向上させる点から、pH4以上、更にpH4.7以上、更にpH4.9以上が好ましく、また、pH5.8以下、更にpH5.5以下、更に5.4以下、更に5.3以下が好ましい。また、加熱処理原料のpH(20℃)は、pH4〜5.8であることが好ましく、更にpH5〜5.5、更にpH4.7〜5.4、更にpH4.7〜5.3であることが好ましい。
加熱処理原料を加熱処理する方法は、特に制限されず、公知の方法を適用できる。
加熱処理の温度は、100〜180℃であるが、エラグ酸の溶解性向上の点から、110℃以上、更に120℃以上が好ましく、熱安定性の点から170℃以下、更に160℃以下、更に150℃以下が好ましい。また、100〜170℃が好ましく、110〜170℃がより好ましく、120〜160℃が更に好ましく、120〜150℃が更に好ましい。加熱の手段は、例えば、水蒸気、電気が挙げられる。
加熱処理時の圧力は、ゲージ圧力で0〜10MPaが好ましく、0.1〜8MPaがより好ましく、0.1〜6MPaが更に好ましく、0.2〜6MPaが更に好ましく、0.2〜4MPaが更に好ましく、0.25〜2MPaが更に好ましく、0.3〜1.5MPaが更に好ましく、0.3〜0.6MPaが更に好ましい。また、水の飽和蒸気圧以上に設定するのが好ましい。加圧には、ガスを用いてもよく、用いられるガスとしては、例えば、不活性ガス、水蒸気、窒素ガス、ヘリウムガス等が挙げられる。加圧には、ガスを用いず、背圧弁により調整しても良い。
加熱処理は、例えば、回分法、半回分法、流通式反応方法等いずれの方法によっても実施できる。なかでも、流通式反応方法は、反応時間の制御が容易である点で好ましい。
加熱処理の時間は、エラグ酸の溶解性向上と熱安定性の点から、水性媒体が設定温度に達してから0.1〜30分が好ましく、更に0.2〜15分、更に0.5〜8分が好ましい。
流通式反応方式で行う場合、加熱処理の時間は、反応器の高温高圧部の体積を水性媒体の供給速度で割ることにより算出される平均滞留時間を用いる。
流通式反応方式で行う場合の水性媒体の流速は、反応器の体積によって異なるが、例えば、反応器体積が100mLの場合、3.3〜200mL/分が好ましく、更に6.7〜150mL/分が好ましい。
本発明の製造方法においては、加熱処理して得られた加熱処理液を、90℃以下、好ましくは50℃以下、更に好ましくは30℃以下に冷却する工程を含むことが好ましい。液状のエラグ酸組成物を得る場合には、0℃以上が好ましく、10℃以上が好ましい。冷却時に、加熱処理液を0.5〜5日間、好ましくは1〜3日間混合攪拌してもよい。
加熱処理温度から90℃まで低下するのに要した時間から算出される加熱処理液の冷却速度は0.1℃/s以上、更に0.2℃/s以上、更に0.5℃/s以上、更に1℃/s以上、更に3℃/s以上、更に5℃/s以上が好ましく、更に7℃/s以上が好ましい。
冷却速度が大きいほど遊離のエラグ酸の溶解度を向上することができる。このため、冷却速度の上限は特に定めないが、製造設備の制約等の観点から、例えば100℃/s以下、更に50℃/s以下が好ましい。
更に、加熱処理液から、溶解せずに残留する固体部を除去する工程を行うのが、得られるエラグ酸組成物の溶解性を高める点から好ましい。固体部を除去する方法としては、特に制限されず、例えば遠心分離やデカンテーション、ろ過により行うことができる。
本発明のエラグ酸組成物の形態は、水溶液の状態でもよく、水分量を調整してペースト状としたものでもよい。また、水分を除去して粉末状、顆粒状、固形状等の固体物の状態とすることもできる。水分を調整、除去する手段としては、凍結乾燥、蒸発乾固、噴霧乾燥等が挙げられる。
加熱処理液を凍結乾燥又は噴霧乾燥に供する場合、エラグ酸の収率を高める観点から、加熱処理終了後300分以内に、得られた加熱処理液を噴霧乾燥又は凍結乾燥するのが好ましい。なかでも、短時間で処理できる点から、噴霧乾燥するのが好ましい。
加熱処理終了後「300分以内」とは、加熱処理が終了した時点、すなわち加熱処理液が100℃未満に下がった時点から、噴霧乾燥又は凍結乾燥の開始までの時間である。加熱処理終了後から噴霧乾燥又は凍結乾燥の開始までの時間は、エラグ酸の収率を高める観点から、240分以内が好ましく、更に150分以内、更に120分以内、更に60分以内がより好ましく、更に0.1〜150分が好ましく、更に0.1〜60分が好ましい。
噴霧乾燥又は凍結乾燥の方法は、特に制限されず、公知の方法を適用できる。
例えば、噴霧乾燥の場合、加熱処理液をノズルからスプレーし、100〜220℃、好ましくは130〜190℃の熱風中を落下させることにより、乾燥することができる。
また、凍結乾燥の場合、加熱処理液を液体窒素やクールバス、冷凍庫等で凍結し、粉砕し、篩別したのち真空で水分を昇華させて、乾燥することができる。加熱処理液の凍結温度は−70〜0℃が好ましい。乾燥中の絶対圧力は0.1〜1000Paが好ましく、0.5〜100Paがより好ましく、1〜10Paが更に好ましい。
加熱処理液は、濃縮した後に噴霧乾燥又は凍結乾燥してもよい。加熱処理液を濃縮する方法は、減圧濃縮等の一般的な方法が利用できる。
噴霧乾燥又は凍結乾燥後、必要に応じて、分級、造粒、粉砕等を行ってもよい。
かくして得られるエラグ酸組成物は、室温下においても遊離のエラグ酸の析出が抑えられ、水への溶解性に優れている。
得られるエラグ酸組成物における遊離のエラグ酸の水に対する溶解度(25℃)は、好ましくは0.05g/L以上、より好ましくは0.08g/L以上、更に好ましくは0.15g/L以上である。
また、本発明の製造方法によれば、30〜100%、更に好ましくは45〜100%、更に好ましくは60〜100%、更に好ましくは65〜100%、更に好ましくは80〜100%の可溶化率で、遊離のエラグ酸を水に溶解させることができる。なお、遊離のエラグ酸の可溶化率は、後記実施例に記載した式により算出できる。
また、本発明の製造方法によれば、風味への影響も少ない。したがって、本発明のエラグ酸組成物は、様々な飲食品や医薬品等に使用可能である。例えば、飲食品としては、飲料、パン類、麺類、クッキー等の菓子類、スナック類、ゼリー類、乳製品、冷凍食品、粉末コーヒー等のインスタント食品、でんぷん加工製品、加工肉製品、その他加工食品、調味料、栄養補助食品等の液状、固形状又は半固形状の飲食品が挙げられる。また医薬品としては、錠剤(チュアブル錠等)、カプセル剤、粉末剤等の剤型が挙げられる。
次に本発明の態様及び好ましい態様を示す。
<1>グァバ葉抽出物を含有し、かつ、固形分中に遊離のエラグ酸を1〜5質量%含有する原料と水性媒体とを混合し加熱処理原料を調製する工程、及び、前記加熱処理原料を100〜180℃で加熱処理する工程を含む、エラグ酸組成物の製造方法。
<2>原料中、グァバ葉抽出物の含有量が、固形分基準で、好ましくは60質量%以上、より好ましくは70質量%以上、より好ましくは80質量%以上、更に好ましくは90質量%以上、更に好ましくは95質量%以上、更に好ましくは97質量%以上であり、また、好ましくは100質量%以下、より好ましくは99.5質量%以下である<1>に記載のエラグ酸組成物の製造方法。
<3>原料中、グァバ葉抽出物の含有量が、固形分基準で、好ましくは60〜100質量%、より好ましくは70〜100質量%、更に好ましくは80〜100質量%、更に好ましくは90〜100質量%、更に好ましくは95〜100質量%、更に好ましくは97〜100質量%、更に好ましくは97〜99.5質量%である<1>に記載のエラグ酸組成物の製造方法。
<4>原料の固形分中の遊離のエラグ酸の含有量が、好ましくは1.2質量%以上、より好ましくは1.5質量%以上、更に好ましくは1.8質量%以上、更に好ましくは2質量%以上、更に好ましくは2.2質量%以上、更に好ましくは2.5質量%以上であり、また、好ましくは5質量%以下、より好ましくは4質量%以下であり、また、好ましくは1.2〜5質量%、より好ましくは1.5〜5質量%、更に好ましくは1.8〜5質量%、更に好ましくは2.2〜5質量%、更に好ましくは2.5〜4質量%である<1>〜<3>のいずれか1に記載のエラグ酸組成物の製造方法。
<5>加熱処理原料中、固形分の含有量が好ましくは3g/L以上、より好ましくは3.5g/L以上、更に好ましくは4.0g/L以上であり、また、好ましくは60g/L以下、より好ましくは50g/L以下であり、また、好ましくは3〜60g/L、より好ましくは3.5〜50g/L、更に好ましくは4.0〜50g/Lである<1>〜<4>のいずれか1に記載のエラグ酸組成物の製造方法。
<6>加熱処理原料のpHが、好ましくはpH4以上、より好ましくはpH4.7以上、更に好ましくはpH4.9以上であり、また、好ましくはpH5.8以下、より好ましくはpH5.5以下、更に好ましくは5.4以下、更に好ましくは5.3以下であり、また、好ましくはpH4〜5.8、より好ましくはpH5〜5.5、更に好ましくはpH4.7〜5.4、更に好ましくは4.7〜5.3である<1>〜<5>のいずれか1に記載のエラグ酸組成物の製造方法。
<7>水性媒体が、好ましくは水又は水及び有機溶媒の水溶液であり、より好ましくは水又は水及び炭素数4以下のアルコール水溶液であり、更に好ましくは水又は水及びエタノール水溶液である<1>〜<6>いずれか1に記載のエラグ酸組成物の製造方法。
<8>加熱処理の温度が、好ましくは110℃以上、より好ましくは120℃以上であり、また、好ましくは170℃以下、より好ましくは160℃以下、更に好ましくは150℃以下であり、また、好ましくは100〜170℃、より好ましくは110〜170℃、より好ましくは120〜160℃、更に好ましくは120〜150℃である<1>〜<7>いずれか1に記載のエラグ酸組成物の製造方法。
<9>加熱処理時の圧力が、好ましくはゲージ圧力で0〜10MPa、より好ましくは0.1〜8MPa、より好ましくは0.1〜6MPa、更に好ましくは0.2〜6MPa、更に好ましくは0.2〜4MPa、更に好ましくは0.25〜2MPa、更に好ましくは0.3〜1.5MPa、更に好ましくは0.3〜0.6MPaである<1>〜<8>いずれか1に記載のエラグ酸組成物の製造方法。
<10>加熱処理の時間が、水性媒体が設定温度に達してから好ましくは0.1〜30分、より好ましくは0.2〜15分、更に好ましくは0.5〜8分である<1>〜<9>いずれか1に記載のエラグ酸組成物の製造方法。
<11>更に、加熱処理して得られた加熱処理液を冷却する工程、及び冷却された加熱処理液から固体部を除去する工程を含む、<1>〜<10>いずれか1に記載のエラグ酸組成物の製造方法。
<12>加熱処理液を冷却する工程において、加熱処理温度から90℃までの冷却速度が、好ましくは0.1℃/s以上、より好ましくは0.2℃/s以上、更に好ましくは0.5℃/s以上、更に好ましくは1℃/s以上、更に好ましくは3℃/s以上、更に好ましくは5℃/s以上、更に好ましくは7℃/s以上であり、また、好ましくは100℃/s以下、より好ましくは50℃/s以下である<1>〜<11>いずれか1に記載のエラグ酸組成物の製造方法。
<13>更に、加熱処理終了後300分以内に、加熱処理して得られた加熱処理液を噴霧乾燥又は凍結乾燥する工程を含む、<1>〜<12>いずれか1に記載のエラグ酸組成物の製造方法。
<14>加熱処理終了後から噴霧乾燥又は凍結乾燥の開始までの時間が、好ましくは240分以内、より好ましくは150分以内、更に好ましくは120分以内、更に好ましくは60分以内であり、また、好ましくは0.1〜150分、更に好ましくは0.1〜60分である<13>に記載のエラグ酸組成物の製造方法。
<15>加熱処理して得られた加熱処理液を濃縮した後に噴霧乾燥又は凍結乾燥する<13>又は<14>に記載のエラグ酸組成物の製造方法。
<16><1>〜<15>いずれかに記載の製造方法により得られる、エラグ酸組成物。
<17><16>に記載のエラグ酸組成物を含有する飲食品。
[遊離のエラグ酸の定量]
遊離のエラグ酸の定量は、日立製作所製高速液体クロマトグラフを用い、インタクト社製カラムCadenza CD−C18 (4.6mmφ×150mm、3μm)を装着し、カラム温度40℃でグラジエント法により行った。移動相A液は0.05mol/L酢酸水溶液、B液はアセトニトリルとし、1.0mL/分で送液した。グラジエント条件は以下のとおりである。
時間(分) A液(%) B液(%)
0 99 1
10 90 10
20 85 15
40 10 90
50 10 90
50.1 85 15
60 85 15
試料注入量は10μL、波長254nmの吸光度により定量した。
[pHの測定法]
pHは、サンプルの品温を20℃にした後、pHメーター(東亜ディ−ディ−ケー HM−30G)を使用し測定した。
[遊離のエラグ酸量の測定]
加熱処理原料中の遊離のエラグ酸量は、加熱処理原料をジメチルスルホキシドに溶解し、25℃で孔径0.2μmの親水性ポリテトラフルオロエチレンフィルターでろ過して溶解濃度を測定することで求めた。
[溶解性評価]
乾燥後のエラグ酸組成物における遊離のエラグ酸の水への溶解性は、固形分量が乾燥前の水溶液又は懸濁液中の量になるようにエラグ酸組成物を蒸留水に加え、25℃で5分振盪後に孔径0.2μmのセルロースアセテートメンブレンフィルターでろ過して溶解濃度を測定することで求めた。
[可溶化率の算出]
遊離のエラグ酸の可溶化率(%)=[(水又は水性媒体に溶解した遊離のエラグ酸の質量)/(加熱処理原料中の遊離のエラグ酸の質量)]×100
実施例1
グァバ葉エキス末(松浦薬業(株)製、遊離のエラグ酸含有量2%)5.0gを蒸留水1250mLに加え、加熱処理原料を調製し、スラリー供給タンク内で均一攪拌した。加熱処理原料のpHは5.1であった。また、加熱処理原料中の固形分濃度と遊離のエラグ酸濃度、及び原料の固形分中の遊離のエラグ酸濃度は表1の通りであった。
内容積100mLのステンレス製流通式反応器(日東高圧(株)製)に、スラリー供給タンク内の液を100mL/分で供給し、110℃で加熱処理を行った(平均滞留時間1分)。圧力は出口バルブにより0.3MPa(ゲージ圧力)に調整した。反応器出口から加熱処理液を抜き出し、熱交換器により室温(25℃)まで冷却し、出口バルブで圧力を大気圧に戻して回収した。110℃から90℃までの冷却時間から求めた冷却速度は7.88℃/sであった。加熱処理液の一部をサンプリングして、水性媒体に溶解した遊離のエラグ酸量を測定し、可溶化率を求めた。また、加熱処理液のpHを測定した。
次いで、加熱処理液を−50℃のクールバスで予備凍結した後、加熱処理終了時点から30分後に凍結乾燥機(CHRIST社製ALPHA1−4LSC)により減圧乾燥を開始した。このときの絶対圧力は1Paであった。72時間後に粉末の形態にてエラグ酸組成物を得た。このエラグ酸組成物粉末を用いて、水に溶解した遊離のエラグ酸量を測定し、可溶化率を求めた。
実施例2
加熱処理温度を120℃とした以外は実施例1と同様に処理した。
実施例3
加熱処理温度を150℃、ゲージ圧を0.6MPaとした以外は実施例1と同様に処理した。
比較例1
グァバ葉エキス末を用いず、エラグ酸二水和物(和光純薬工業(株)製、遊離のエラグ酸含有量89%)0.11gを用いた以外は実施例2と同様に処理した。加熱処理原料のpHは5.8であった。また、加熱処理原料中の固形分濃度と遊離のエラグ酸濃度、及び原料の固形分中の遊離のエラグ酸濃度は表1の通りであった。
比較例2
加熱処理温度を80℃とした以外は実施例1と同様に処理した。
実施例4
グァバ葉エキス末を10gとした以外は実施例2と同様に処理して加熱処理液を回収した。加熱処理原料のpHは5.0であった。また、加熱処理原料中の固形分濃度と遊離のエラグ酸濃度、及び原料の固形分中の遊離のエラグ酸濃度は表1の通りであった。
加熱処理液を、加熱処理終了時点から15分後に噴霧乾燥機(ヤマト科学(株)製、ADL311S、入口エアー温度160℃、出口エアー温度76℃)に6.5g/minの流速で供給し、粉末の形態にてエラグ酸組成物を得た。
実施例5
グァバ葉エキス末を25gとした以外は実施例4と同様に処理した。加熱処理原料のpHは5.0であった。また、加熱処理原料中の固形分濃度と遊離のエラグ酸濃度、及び原料の固形分中の遊離のエラグ酸濃度は表1の通りであった。
実施例6
グァバ葉エキス末を62.5gとした以外は実施例4と同様に処理した。加熱処理原料のpHは4.9であった。また、加熱処理原料中の固形分濃度と遊離のエラグ酸濃度、及び原料の固形分中の遊離のエラグ酸濃度は表1の通りであった。
実施例7
グァバ葉エキス末を10gとエラグ酸二水和物0.20gを用いた以外は実施例4と同様に処理した。加熱処理原料のpHは5.1であった。また、加熱処理原料中の固形分濃度と遊離のエラグ酸濃度、及び原料の固形分中の遊離のエラグ酸濃度は表1の通りであった。
比較例3
グァバ葉エキス末を10gとエラグ酸二水和物0.45gを用いた以外は実施例4と同様に処理した。加熱処理原料のpHは5.1であった。また、加熱処理原料中の固形分濃度と遊離のエラグ酸濃度、及び原料の固形分中の遊離のエラグ酸濃度は表1の通りであった。
実施例8
グァバ葉エキス末(松浦薬業(株)製、遊離のエラグ酸含有量2%)2.0gを蒸留水100mLに加え、加熱処理原料を調製した。加熱処理原料のpHは5.0であった。また、加熱処理原料中の固形分濃度と遊離のエラグ酸濃度、及び原料の固形分中の遊離のエラグ酸濃度は表1の通りであった。
内容積190mLのステンレス製回分式反応器(日東高圧(株)製)で加熱処理を行った。120℃に達温後1分間保持した後、反応器を冷水浴に浸漬して室温(25℃)まで冷却した。120℃から90℃までの冷却時間から求めた冷却速度は0.55℃/sであった。
加熱処理液を、加熱処理終了時点から15分後に噴霧乾燥機(ヤマト科学(株)製、ADL311S、入口エアー温度160℃、出口エアー温度76℃)に6.5g/minの流速で供給し、粉末の形態にてエラグ酸組成物を得た。
実施例9
実施例5と同様にして加熱処理液を得た後、加熱処理終了時点から300分後に噴霧乾燥機に供給して、粉末の形態にてエラグ酸組成物を得た。
実施例10
実施例2と同様にして加熱処理液を得た後、エバポレーターで5倍濃度まで濃縮し、加熱処理終了時点から120分後に噴霧乾燥機に供給して、実施例4と同様に粉末の形態にてエラグ酸組成物を得た。
実施例11
グァバ葉エキス末としてグァバフェノン(備前化成(株)製、エラグ酸含有量1.2%)を5g用いた以外は実施例2と同様に処理した。加熱処理原料のpHは5.2であった。また、加熱処理原料中の固形分濃度と遊離のエラグ酸濃度、及び原料の固形分中の遊離のエラグ酸濃度は表1の通りであった。
実施例1〜11及び比較例1〜3の結果を表1に示す。
Figure 2015033375
表1より明らかなように、本発明方法により水に対する溶解性が向上したエラグ酸組成物を得ることができた。
実施例12
加熱処理温度を100℃とした以外は実施例1と同様に処理した。
比較例4
グァバ葉エキス末を用いず、エラグ酸二水和物(和光純薬工業(株)製、遊離のエラグ酸含有量89%)0.11gとモノグルコシルヘスペリジン(林原ヘスペリジンS(商品名)、(株)林原生物化学研究所製)4.0gを用いた以外は実施例2と同様に処理した。加熱処理原料のpHは5.5であった。また、加熱処理原料中の固形分濃度と遊離のエラグ酸濃度、及び原料の固形分中の遊離のエラグ酸濃度は表2の通りであった。
実施例12及び比較例4の結果を表2に示す。
Figure 2015033375
表2より明らかなように、加熱処理原料を100℃で加熱処理することで水に対する溶解性が向上したエラグ酸組成物を得ることができた。他方、遊離のエラグ酸とモノグルコシルヘスペリジンを120℃で加熱処理してもエラグ酸の水への溶解性は向上しなかった。
実施例13
グァバ茶葉((株)沖縄ウコン堂製)40gに65℃に加熱した50%含水エタノール800gを加えて5分撹拌抽出した。その後氷冷し、金属メッシュで粗ろ過後、5Cのろ紙で減圧濾過して抽出液を得た。エバポレーターで濃縮後、凍結乾燥して固形分7.8gのグァバ葉抽出物を得た。得られたグァバ葉抽出物中の遊離のエラグ酸の含有量は1.5%であった。
グァバ葉エキス末としてこの得られたグァバ葉抽出物を用いた以外は実施例2と同様に処理した。加熱処理原料のpHは5.4であった。また、加熱処理原料中の遊離のエラグ酸濃度は表3の通りであった。
比較例5
実施例13で得られたグァバ葉抽出物(エラグ酸含有量1.5%)を蒸留水に分散し、0.2μmセルロースアセテートメンブレンディスクフィルターでろ過後、上記HPLCで溶解しているエラグ酸濃度を測定した。
実施例13及び比較例5の結果を表3に示す。
Figure 2015033375
表3より明らかなように、本発明方法により水に対する溶解性が向上したエラグ酸組成物を得ることができた。

Claims (9)

  1. グァバ葉抽出物を含有し、かつ、固形分中に遊離のエラグ酸を1〜5質量%含有する原料と水性媒体とを混合し加熱処理原料を調製する工程、及び、
    前記加熱処理原料を100〜180℃で加熱処理する工程を含む、エラグ酸組成物の製造方法。
  2. 原料中、グァバ葉抽出物の含有量が固形分基準で60質量%以上である請求項1記載のエラグ酸組成物の製造方法。
  3. 加熱処理原料中、固形分の含有量が3〜60g/Lである請求項1又は2記載のエラグ酸組成物の製造方法。
  4. 更に、加熱処理して得られた加熱処理液を冷却する工程、及び冷却された加熱処理液から固体部を除去する工程を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載のエラグ酸組成物の製造方法。
  5. 加熱処理液を冷却する工程において、加熱処理温度から90℃までの冷却速度が0.1℃/s以上である、請求項4記載のエラグ酸組成物の製造方法。
  6. 更に、加熱処理終了後300分以内に、加熱処理して得られた加熱処理液を噴霧乾燥又は凍結乾燥する工程を含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載のエラグ酸組成物の製造方法。
  7. 加熱処理して得られた加熱処理液を濃縮した後に噴霧乾燥又は凍結乾燥する請求項6記載のエラグ酸組成物の製造方法。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項記載の製造方法により得られる、エラグ酸組成物。
  9. 請求項8記載のエラグ酸組成物を含有する飲食品。
JP2014122000A 2013-07-11 2014-06-13 エラグ酸組成物の製造方法 Active JP6454094B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014122000A JP6454094B2 (ja) 2013-07-11 2014-06-13 エラグ酸組成物の製造方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013145088 2013-07-11
JP2013145088 2013-07-11
JP2014122000A JP6454094B2 (ja) 2013-07-11 2014-06-13 エラグ酸組成物の製造方法

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2015033375A true JP2015033375A (ja) 2015-02-19
JP2015033375A5 JP2015033375A5 (ja) 2017-04-27
JP6454094B2 JP6454094B2 (ja) 2019-01-16

Family

ID=52279749

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014122000A Active JP6454094B2 (ja) 2013-07-11 2014-06-13 エラグ酸組成物の製造方法

Country Status (4)

Country Link
US (1) US9822091B2 (ja)
JP (1) JP6454094B2 (ja)
CN (1) CN105357983B (ja)
WO (1) WO2015005060A1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2023190117A1 (ja) * 2022-03-28 2023-10-05 住友化学株式会社 エラグ酸含有組成物の製造方法及びエラグ酸含有組成物

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2023199908A1 (ja) * 2022-04-11 2023-10-19 株式会社ダイセル 乳化組成物の製造方法

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0759539A (ja) * 1993-08-21 1995-03-07 Bizen Kasei Kk α−アミラーゼ阻害物質
JPH10236970A (ja) * 1996-06-03 1998-09-08 Bizen Kasei Kk 抗ヒスタミン作用物質
JP2003000208A (ja) * 2001-06-25 2003-01-07 Yakult Honsha Co Ltd グアバ茶飲料の沈殿防止方法
JP2004173504A (ja) * 2002-11-22 2004-06-24 Yakult Honsha Co Ltd 飲料の沈殿防止方法
JP2005281204A (ja) * 2004-03-30 2005-10-13 Hayashibara Biochem Lab Inc 皮膚外用剤及びエラグ酸のα−配糖体
WO2007135767A1 (ja) * 2006-05-18 2007-11-29 Kabushiki Kaisha Yakult Honsha グァバ葉エキス粉末及びその製造方法
JP2008512345A (ja) * 2004-09-13 2008-04-24 隆廣 辻田 栗由来の糖質分解酵素阻害物質、及びその用途

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5010077B2 (ja) 2001-09-05 2012-08-29 ライオン株式会社 エラグ酸分散物及び外用剤組成物
JP5228083B2 (ja) 2010-06-09 2013-07-03 花王株式会社 ヘスペリジン組成物の製造方法
JP5162698B2 (ja) 2010-10-06 2013-03-13 花王株式会社 ポリフェノール組成物の製造方法
JP6150518B2 (ja) * 2012-12-27 2017-06-21 花王株式会社 ポリフェノール組成物の製造方法

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0759539A (ja) * 1993-08-21 1995-03-07 Bizen Kasei Kk α−アミラーゼ阻害物質
JPH10236970A (ja) * 1996-06-03 1998-09-08 Bizen Kasei Kk 抗ヒスタミン作用物質
JP2003000208A (ja) * 2001-06-25 2003-01-07 Yakult Honsha Co Ltd グアバ茶飲料の沈殿防止方法
JP2004173504A (ja) * 2002-11-22 2004-06-24 Yakult Honsha Co Ltd 飲料の沈殿防止方法
JP2005281204A (ja) * 2004-03-30 2005-10-13 Hayashibara Biochem Lab Inc 皮膚外用剤及びエラグ酸のα−配糖体
JP2008512345A (ja) * 2004-09-13 2008-04-24 隆廣 辻田 栗由来の糖質分解酵素阻害物質、及びその用途
WO2007135767A1 (ja) * 2006-05-18 2007-11-29 Kabushiki Kaisha Yakult Honsha グァバ葉エキス粉末及びその製造方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2023190117A1 (ja) * 2022-03-28 2023-10-05 住友化学株式会社 エラグ酸含有組成物の製造方法及びエラグ酸含有組成物

Also Published As

Publication number Publication date
CN105357983B (zh) 2018-03-02
JP6454094B2 (ja) 2019-01-16
WO2015005060A1 (ja) 2015-01-15
CN105357983A (zh) 2016-02-24
US9822091B2 (en) 2017-11-21
US20160159764A1 (en) 2016-06-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN111732622B (zh) 从枳实中提取橙皮苷的方法
EP3225615B1 (en) Preparation method for medicinal chlorogenic acid
JP6423998B2 (ja) 過冷却促進剤、及び、過冷却促進剤の製造方法
JP6114308B2 (ja) ルチン富化抽出物およびそれを製造する方法
JP5228083B2 (ja) ヘスペリジン組成物の製造方法
CN107098942B (zh) 一种亚临界水萃取萝卜叶中山奈苷的方法
JP6454094B2 (ja) エラグ酸組成物の製造方法
CN104231097A (zh) 枸杞多糖的制备方法
EP3042573B1 (en) Chlorogenic-acid-containing composition, method for manufacturing same, and drink or food item
CN111635440B (zh) 一种从枳实中分离多种活性成分的方法
JP2012077051A (ja) ヘスペリジン組成物の製造方法
JP6579543B2 (ja) 柑橘類エキスの製造方法
JP6392507B2 (ja) ポリフェノール組成物の製造方法
CN101810317B (zh) 一种海棠果多酚的制备方法及其应用
CN111187244B (zh) 一种从芹菜中提取芹菜素的新方法
JP2010536353A (ja) 減少された固形物を含有するオリーブ果汁抽出物の製造方法
JP2010536352A (ja) 蒸留されたオリーブ果汁抽出物の製造方法
CN109096076B (zh) 一种查尔酮类化合物及其制备方法
CN107446693B (zh) 一种超声波-汽液共存态乙醇流体萃取油脂的方法
JP5926944B2 (ja) ポリフェノール組成物の製造方法
WO2023095568A1 (ja) オリーブ葉からのヒドロキシチロソール製造方法、及びヒドロキシチロソール含有組成物
JP2015051932A (ja) クロロゲン酸の製造方法
CN108440293A (zh) 一种以忍冬属植物为原料制备高纯度绿原酸的方法
JP2023144436A (ja) エラグ酸含有組成物の製造方法及びエラグ酸含有組成物
CN103242320A (zh) 一种青黛酮的制备方法

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170321

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170321

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180605

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180806

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20181204

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20181214

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6454094

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250