JP2015031829A - ズームレンズ、光学装置、ズームレンズの製造方法 - Google Patents

ズームレンズ、光学装置、ズームレンズの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】全長が短く小型で高い光学性能を備えたズームレンズ等を提供する。【解決手段】物体側から順に、負の屈折力を有する第1レンズ群G1と、正の屈折力を有する第2レンズ群G2と、負の屈折力を有する第3レンズ群G3と、正の屈折力を有する第4レンズ群G4とを有し、広角端状態から望遠端状態への変倍時に、第3レンズ群G3が光軸に沿って移動し、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との間隔、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との間隔、及び第3レンズ群G3と第4レンズ群G4との間隔が変化し、所定の条件式を満足する。【選択図】図1

Description

本発明は、デジタルカメラ、ビデオカメラ、銀塩フィルム用カメラ等の撮像装置に好適なズームレンズ、光学装置、ズームレンズの製造方法に関する。
近年、デジタルカメラ等の撮像装置に用いられる撮像素子は高画素化が進んでいる。そして、高画素の撮像素子を備えた撮像装置に用いられる撮影レンズには、高い光学性能を有するズームレンズであることが求められている。
斯かる背景の下、物体側から順に、負の屈折力を有する第1レンズ群と、正の屈折力を有する第2レンズ群と、負の屈折力を有する第3レンズ群と、正の屈折力を有する第4レンズ群とからなり、隣り合うレンズ群どうしの間隔を変化させることによって広角端状態から望遠端状態への変倍を行い、第3レンズ群を光軸に沿って移動させることによって無限遠物体から近距離物体への合焦を行うズームレンズが提案されている。また、斯かるズームレンズにおいては、変倍時の第3レンズ群の移動量を小さくすることでアクチュエータの小型化を図ったものも提案されている(例えば、特許文献1を参照。)。
国際公開第2012/086155号
しかしながら、上述のような従来のズームレンズは、変倍時の第3レンズ群の移動量が小さいため、第1レンズ群と第2レンズ群の変倍の負担が大きい。このため、特に第2レンズ群の変倍時の移動量が大きく、全長の短縮化や高性能化を図ることが困難であった。
そこで本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、全長が短く小型で高い光学性能を備えたズームレンズ、該ズームレンズを有する光学装置、及び該ズームレンズの製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために本発明は、
物体側から順に、負の屈折力を有する第1レンズ群と、正の屈折力を有する第2レンズ群と、負の屈折力を有する第3レンズ群と、正の屈折力を有する第4レンズ群とを有し、
広角端状態から望遠端状態への変倍時に、前記第3レンズ群が光軸に沿って移動し、前記第1レンズ群と前記第2レンズ群との間隔、前記第2レンズ群と前記第3レンズ群との間隔、及び前記第3レンズ群と前記第4レンズ群との間隔が変化し、
以下の条件式を満足することを特徴とするズームレンズを提供する。
0.50 < m3/fw < 0.80
ただし、
m3:広角端状態から望遠端状態への変倍時の前記第3レンズ群の移動量
fw:広角端状態における前記ズームレンズの焦点距離
また本発明は、
前記ズームレンズを有することを特徴とする光学装置を提供する。
また本発明は、
物体側から順に、負の屈折力を有する第1レンズ群と、正の屈折力を有する第2レンズ群と、負の屈折力を有する第3レンズ群と、正の屈折力を有する第4レンズ群とを有するズームレンズの製造方法であって、
広角端状態から望遠端状態への変倍時に、前記第3レンズ群が光軸に沿って移動し、前記第1レンズ群と前記第2レンズ群との間隔、前記第2レンズ群と前記第3レンズ群との間隔、及び前記第3レンズ群と前記第4レンズ群との間隔が変化するようにし、
前記第3レンズ群が以下の条件式を満足するようにすることを特徴とするズームレンズの製造方法を提供する。
0.50 < m3/fw < 0.80
ただし、
m3:広角端状態から望遠端状態への変倍時の前記第3レンズ群の移動量
fw:広角端状態における前記ズームレンズの焦点距離
本発明によれば、全長が短く小型で高い光学性能を備えたズームレンズ、該ズームレンズを有する光学装置、及び該ズームレンズの製造方法を提供することができる。
図1(a)、及び図1(b)はそれぞれ、本願の第1実施例に係るズームレンズの広角端状態、及び望遠端状態における断面図である。 図2(a)、及び図2(b)はそれぞれ、本願の第1実施例に係るズームレンズの広角端状態、及び望遠端状態における無限遠物体合焦時の諸収差図である。 図3(a)、及び図3(b)はそれぞれ、本願の第2実施例に係るズームレンズの広角端状態、及び望遠端状態における断面図である。 図4(a)、及び図4(b)はそれぞれ、本願の第2実施例に係るズームレンズの広角端状態、及び望遠端状態における無限遠物体合焦時の諸収差図である。 図5(a)、及び図5(b)はそれぞれ、本願の第3実施例に係るズームレンズの広角端状態、及び望遠端状態における断面図である。 図6(a)、及び図6(b)はそれぞれ、本願の第3実施例に係るズームレンズの広角端状態、及び望遠端状態における無限遠物体合焦時の諸収差図である。 図7(a)、及び図7(b)はそれぞれ、本願の第4実施例に係るズームレンズの広角端状態、及び望遠端状態における断面図である。 図8(a)、及び図8(b)はそれぞれ、本願の第4実施例に係るズームレンズの広角端状態、及び望遠端状態における無限遠物体合焦時の諸収差図である。 図9は、本願のズームレンズを備えたカメラの構成を示す図である。 図10は、本願のズームレンズの製造方法の概略を示す図である。
以下、本願のズームレンズ、光学装置及びズームレンズの製造方法について説明する。
本願のズームレンズは、物体側から順に、負の屈折力を有する第1レンズ群と、正の屈折力を有する第2レンズ群と、負の屈折力を有する第3レンズ群と、正の屈折力を有する第4レンズ群とを有し、広角端状態から望遠端状態への変倍時に、前記第3レンズ群が光軸に沿って移動し、前記第1レンズ群と前記第2レンズ群との間隔、前記第2レンズ群と前記第3レンズ群との間隔、及び前記第3レンズ群と前記第4レンズ群との間隔が変化し、以下の条件式(1)を満足することを特徴とする。
(1) 0.50 < m3/fw < 0.80
ただし、
m3:広角端状態から望遠端状態への変倍時の前記第3レンズ群の移動量
fw:広角端状態における前記ズームレンズの焦点距離
条件式(1)は、広角端状態から望遠端状態への変倍時の第3レンズ群の移動量を規定する条件式である。本願のズームレンズは、条件式(1)を満足することにより、本願のズームレンズの小型化を図りながら球面収差、色収差、コマ収差及び像面湾曲を良好に補正することができる。また、本願のズームレンズは、従来は第1レンズ群や第2レンズ群に負担させていた変倍時の移動量を、第2レンズ群より像側に配置された第3レンズ群にも負担させることができ、レンズ鏡筒内の光学要素の移動に用いる構成部材(カム筒等)をそれぞれ短縮化させてレンズ全長の短縮化が可能である。
本願のズームレンズの条件式(1)の対応値が下限値を下回ると、第3レンズ群以外のレンズ群の変倍の負担が増大する。このため、変倍時の第3レンズ群以外のレンズ群の移動量の増大や、各レンズ群の屈折力の増大を招くことになる。この結果、本願のズームレンズの全長の増大を招いてしまう。また、光学性能の悪化、具体的には球面収差、色収差及びコマ収差の悪化、さらに合焦時の色収差の変動を招いてしまう。また、偏芯敏感度の増大を招いてしまう、即ち製造誤差等により本願のズームレンズを構成するレンズどうしに偏芯が生じた場合に諸収差が発生しやすくなってしまう。なお、本願の効果をより確実にするために、条件式(1)の下限値を0.51とすることがより好ましい。
一方、本願のズームレンズの条件式(1)の対応値が上限値を上回ると、本願のズームレンズの全長の増大を招いてしまう。また、光学性能の悪化、特に像面湾曲の悪化を招いてしまう。なお、本願の効果をより確実にするために、条件式(1)の上限値を0.70とすることがより好ましい。また、本願の効果をより確実にするために、条件式(1)の上限値を0.68とすることがより好ましい。
以上の構成により、全長が短く小型で高い光学性能を備えたズームレンズを実現することができる。
また、本願のズームレンズは、前記第4レンズ群が、像側に凸面を向けたメニスカスレンズを有することが望ましい。この構成により、像面湾曲を補正し、像面の平坦性を確保することができる。第4レンズ群は、前記メニスカスレンズの物体側又は像側にさらにレンズ成分を有する構成としてもよい。また、前記メニスカスレンズは他のレンズと貼り合わせて接合レンズを構成することとしても構わない。
また、本願のズームレンズは、以下の条件式(2)を満足することが望ましい。
(2) −5.00 < (r42+r41)/(r42−r41) < −1.30
ただし、
r41:前記第4レンズ群中の前記メニスカスレンズの物体側のレンズ面の曲率半径
r42:前記第4レンズ群中の前記メニスカスレンズの像側のレンズ面の曲率半径
条件式(2)は、第4レンズ群中のメニスカスレンズのシェイプファクタを規定する条件式である。本願のズームレンズは、条件式(2)を満足することにより、像面湾曲をより良好に補正し、像面の平坦性を確保することができる。
本願のズームレンズの条件式(2)の対応値が下限値を下回ると、第4レンズ群中のメニスカスレンズの物体側のレンズ面の曲率半径及び像側のレンズ面の曲率半径が互いに小さくなり過ぎる。これにより、球面収差やコマ収差の悪化を招いてしまう。なお、本願の効果をより確実にするために、条件式(2)の下限値を−4.00とすることがより好ましい。また、本願の効果をより確実にするために、条件式(2)の下限値を−3.80とすることがより好ましい。
一方、本願のズームレンズの条件式(2)の対応値が上限値を上回ると、像面湾曲を十分に補正することができなくなってしまう。なお、本願の効果をより確実にするために、条件式(2)の上限値を−1.50とすることがより好ましい。また、本願の効果をより確実にするために、条件式(2)の上限値を−1.80とすることがより好ましい。
また、本願のズームレンズは、広角端状態から望遠端状態への変倍時に、前記第1レンズ群と前記第2レンズ群との間隔が減少し、前記第2レンズ群と前記第3レンズ群との間隔が変化し、前記第3レンズ群と前記第4レンズ群との間隔が増加することが望ましい。この構成により、レンズ全長を短くすることが可能である。
また、本願のズームレンズは、広角端状態から望遠端状態への変倍時に、前記第3レンズ群が光軸に沿って物体側へ移動し、無限遠物体から近距離物体への合焦時に、前記第3レンズ群が光軸に沿って像側へ移動することが望ましい。
また、本願のズームレンズは、変倍時に前記第3レンズ群が光軸に沿って物体側へ移動し、合焦時に前記第3レンズ群が光軸に沿って像側へ移動する場合、以下の条件式(3)を満足することが望ましい。
(3) 0.45 < fst/m3 < 1.00
ただし、
fst :望遠端状態において無限遠物体から近距離物体へ合焦する時の前記第3レンズ群の移動量
m3:広角端状態から望遠端状態への変倍時の前記第3レンズ群の移動量
本願のズームレンズは、上記のように広角端状態から望遠端状態への変倍時に、第3レンズ群が光軸に沿って物体側へ移動し、無限遠物体から近距離物体への合焦時に、第3レンズ群が光軸に沿って像側へ移動する構成とすることにより、広角端状態から望遠端状態への変倍時に第3レンズ群が物体側へ移動したストローク(第3レンズ群と第4レンズ群との間隔の変化量含む)の分だけ、望遠端状態において第3レンズ群が像側へ移動することが可能となる。
条件式(3)は、望遠端状態において無限遠物体から近距離物体へ合焦する時の第3レンズ群の移動量と、変倍時の第3レンズ群の移動量との関係を規定する条件式である。条件式(3)は、第3レンズ群が、変倍の際に物体側に移動することにより生じる間隔を、合焦の際に像側に移動することに利用することを示している。本願のズームレンズは、条件式(3)を満足することにより、第3レンズ群の変倍時のストロークと合焦時のストロークとを効率良く配置させることができ、全長の短縮化が可能である。
本願のズームレンズの条件式(3)の対応値が下限値を下回ると、第3レンズ群の変倍時の移動量が大きくなり全長の増大を招くとともに、光学性能の悪化、特に像面湾曲の悪化を招いてしまう。なお、本願の効果をより確実にするために、条件式(3)の下限値を0.47とすることがより好ましい。また、本願の効果をより確実にするために、条件式(3)の下限値を0.50とすることがより好ましい。
一方、本願のズームレンズの条件式(3)の対応値が上限値を上回ると、第3レンズ群の変倍時の移動量が小さくなり、第3レンズ群以外のレンズ群の変倍の負担が大きくなる。したがって、変倍時の第3レンズ群以外のレンズ群の移動量の増大や、各レンズ群の屈折力の増大を招くことになる。変倍時の第3レンズ群以外のレンズ群の移動量を増大させると、本願のズームレンズの全長の増大を招いてしまう。また、各レンズ群の屈折力を増大させると、光学性能の悪化、具体的には球面収差、色収差及びコマ収差の悪化、さらに合焦時の色収差の変動を招くとともに、偏芯敏感度の増大を招いてしまう。なお、本願の効果をより確実にするために、条件式(3)の上限値を0.90とすることがより好ましい。また、本願の効果をより確実にするために、条件式(3)の上限値を0.80とすることがより好ましい。
また、本願のズームレンズは、前記第3レンズ群が以下の条件式(4)を満足することが望ましい。
(4) 1.50 < (−f3)/fw < 4.00
ただし、
f3:前記第3レンズ群の焦点距離
fw:広角端状態における前記ズームレンズの焦点距離
条件式(4)は、第3レンズ群の屈折力を規定する条件式である。本願のズームレンズは、条件式(4)を満足することにより、本願のズームレンズの小型化を図りながら球面収差、色収差、コマ収差及び像面湾曲を良好に補正することができる。
本願のズームレンズの条件式(4)の対応値が下限値を下回ると、第3レンズ群の屈折力が大きくなり過ぎて、コマ収差の悪化を招いてしまう。なお、本願の効果をより確実にするために、条件式(4)の下限値を2.00とすることがより好ましい。
一方、本願のズームレンズの条件式(4)の対応値が上限値を上回ると、第3レンズ群の屈折力が小さくなり過ぎて、第3レンズ群以外のレンズ群の変倍の負担が増大する。このため、特に変倍時の第2レンズ群の移動量の増大や各レンズ群の屈折力の増大を招くことになる。この結果、本願のズームレンズの全長の増大を招いてしまう。また、光学性能の悪化、具体的には球面収差、色収差及びコマ収差の悪化、さらに合焦時の色収差の変動を招いてしまう。また、偏芯敏感度の増大を招いてしまう。なお、本願の効果をより確実にするために、条件式(4)の上限値を3.00とすることがより好ましい。また、本願の効果をより確実にするために、条件式(4)の上限値を2.80とすることがより好ましい。
また、本願のズームレンズは、前記第4レンズ群が、像側に凸面を向けた正メニスカスレンズからなることが望ましい。この構成により、像面湾曲を補正し、像面の平坦性を確保するとともに、第4レンズ群の構成を簡略化することができる。
また、本願のズームレンズは、広角端状態から望遠端状態への変倍時に、前記第1レンズ群と前記第2レンズ群が光軸に沿って移動し、前記第4レンズ群の位置が固定であることが望ましい。この構成により、偏芯敏感度の高い前記第4レンズ群の偏芯誤差による収差発生を抑えることが可能となる。
また、本願のズームレンズは、前記第4レンズ群が少なくとも1つの非球面を有することが望ましい。この構成により、像面の平坦性をより良好に確保することができる。
本願の光学装置は、上述した構成のズームレンズを有することを特徴としている。これにより、小型で高い光学性能を備えた光学装置を実現することができる。
本願のズームレンズの製造方法は、物体側から順に、負の屈折力を有する第1レンズ群と、正の屈折力を有する第2レンズ群と、負の屈折力を有する第3レンズ群と、正の屈折力を有する第4レンズ群とを有するズームレンズの製造方法であって、広角端状態から望遠端状態への変倍時に、前記第3レンズ群が光軸に沿って移動し、前記第1レンズ群と前記第2レンズ群との間隔、前記第2レンズ群と前記第3レンズ群との間隔、及び前記第3レンズ群と前記第4レンズ群との間隔が変化するようにし、前記第3レンズ群が以下の条件式(1)を満足するようにすることを特徴としている。これにより、全長が短く小型で高い光学性能を備えたズームレンズを製造することができる。
(1) 0.50 < m3/fw < 0.80
ただし、
m3:広角端状態から望遠端状態への変倍時の前記第3レンズ群の移動量
fw:広角端状態における前記ズームレンズの焦点距離
以下、本願の数値実施例に係るズームレンズを添付図面に基づいて説明する。
(第1実施例)
図1(a)、及び図1(b)はそれぞれ、本願の第1実施例に係るズームレンズの広角端状態、及び望遠端状態における断面図である。なお、図1及び後述する図3、5中の矢印は、広角端状態から望遠端状態への変倍時の各レンズ群の移動軌跡を示している。
本実施例に係るズームレンズは、物体側から順に、負の屈折力を有する第1レンズ群G1と、正の屈折力を有する第2レンズ群G2と、負の屈折力を有する第3レンズ群G3と、正の屈折力を有する第4レンズ群G4とから構成されている。
第1レンズ群G1は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL11と、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL12と、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL13とからなる。なお、負メニスカスレンズL12は物体側及び像側のレンズ面を非球面形状としたガラスモールド非球面レンズである。
第2レンズ群G2は、物体側から順に、両凸形状の正レンズL21と物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL22との接合レンズと、開口絞りSと、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL23と両凸形状の正レンズL24との接合レンズとからなる。なお、正レンズL21は物体側のレンズ面を非球面形状としたガラスモールド非球面レンズである。
第3レンズ群G3は、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL31からなる。なお、負メニスカスレンズL31は物体側及び像側のレンズ面を非球面形状としたガラスモールド非球面レンズである。
第4レンズ群G4は、像側に凸面を向けた正メニスカスレンズL41からなる。なお、正メニスカスレンズL41は物体側及び像側のレンズ面を非球面形状としたガラスモールド非球面レンズである。
以上の構成の下、本実施例に係るズームレンズでは、広角端状態から望遠端状態への変倍時に、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との空気間隔が減少し、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との空気間隔が増加し、第3レンズ群G3と第4レンズ群G4との空気間隔が増加するように、第1レンズ群G1が光軸に沿って移動し、第2レンズ群G2及び第3レンズ群G3が光軸に沿って物体側へ移動する。なお、第4レンズ群G4の位置は変倍時に固定である。
本実施例に係るズームレンズでは、第3レンズ群G3を光軸に沿って像側へ移動させることにより、無限遠物体から近距離物体への合焦を行う。
以下の表1に、本実施例に係るズームレンズの諸元の値を掲げる。
表1において、fは焦点距離、BFはバックフォーカス(最も像側のレンズ面と像面Iとの光軸上の距離)を示す。
[面データ]において、面番号は物体側から数えた光学面の順番、rは曲率半径、dは面間隔(第n面(nは整数)と第n+1面との間隔)、ndはd線(波長587.6nm)に対する屈折率、νdはd線(波長587.6nm)に対するアッベ数をそれぞれ示している。また、物面は物体面、可変は可変の面間隔、絞りSは開口絞りS、像面は像面Iをそれぞれ示している。なお、曲率半径r=∞は平面を示している。非球面は面番号に*を付して曲率半径rの欄に近軸曲率半径の値を示している。空気の屈折率nd=1.000の記載は省略している。
[非球面データ]には、[面データ]に示した非球面について、その形状を次式で表した場合の非球面係数及び円錐定数を示す。
x=(h/r)/[1+{1−κ(h/r)1/2
+A4h+A6h+A8h+A10h10+A12h12
ここで、hを光軸に垂直な方向の高さ、xを高さhにおける非球面の頂点の接平面から当該非球面までの光軸方向に沿った距離(サグ量)、κを円錐定数、A4,A6,A8,A10,A12を非球面係数、rを基準球面の曲率半径(近軸曲率半径)とする。なお、「E−n」(nは整数)は「×10−n」を示し、例えば「1.234E-05」は「1.234×10−5」を示す。2次の非球面係数A2は0であり、記載を省略している。
[各種データ]において、FNOはFナンバー、2ωは画角(単位は「°」)、Yは像高、TLは本実施例に係るズームレンズの全長(無限遠物体合焦時の第1面から像面Iまでの光軸上の距離)、dnは第n面と第n+1面との可変の間隔をそれぞれ示す。なお、Wは広角端状態、Mは中間焦点距離状態、Tは望遠端状態をそれぞれ示す。Dは物体から第1面までの距離を示す。
[レンズ群データ]には、各レンズ群の始面と焦点距離を示す。
[条件式対応値]には、本実施例に係るズームレンズの各条件式の対応値を示す。
ここで、表1に掲載されている焦点距離f、曲率半径r及びその他の長さの単位は一般に「mm」が使われる。しかしながら光学系は、比例拡大又は比例縮小しても同等の光学性能が得られるため、これに限られるものではない。
なお、以上に述べた表1の符号は、後述する各実施例の表においても同様に用いるものとする。
(表1)第1実施例
[面データ]
面番号 r d nd νd
物面 ∞

1 234.198 0.800 1.618 63.3
2 10.139 2.598
*3 104.171 1.000 1.623 58.2
*4 13.875 0.489
5 11.360 2.222 2.001 25.5
6 16.191 可変

*7 16.228 2.724 1.619 63.9
8 -10.495 0.800 1.603 38.0
9 -35.530 1.500
10(絞りS) ∞ 2.919
11 17.997 0.800 1.583 46.5
12 6.891 3.028 1.498 82.6
13 -30.452 可変

*14 70.323 0.800 1.619 63.9
*15 11.725 可変

*16 -23.210 2.893 1.517 63.9
*17 -10.545 BF

像面 ∞

[非球面データ]
面番号 κ A4 A6 A8 A10
3 1.000E+00 5.896E-05 2.075E-06 -1.269E-08 0.000E+00
4 1.000E+00 4.789E-05 1.866E-06 8.533E-09 -2.754E-10
7 1.000E+00 -6.693E-05 -2.872E-07 -1.175E-08 1.194E-09
14 1.000E+00 7.428E-04 -3.644E-05 1.001E-06 -1.552E-08
15 1.000E+00 1.000E-03 -3.068E-05 4.236E-07 0.000E+00
16 1.000E+00 7.202E-05 4.723E-06 -7.472E-08 3.145E-10
17 1.000E+00 9.722E-05 3.060E-06 -1.991E-08 -3.234E-11

[各種データ]
変倍比 2.83

W T
f 10.3 29.1
FNO 3.6 5.7
2ω 75.7° 30.7°
Y 8.19 8.19
TL 63.1 59.9

(無限遠物体合焦時)
W M T
f 10.30 18.53 29.10
d6 17.92 7.24 2.29
d13 1.60 6.29 11.95
d15 5.21 7.80 10.64
BF 13.30 13.30 13.30

(近距離物体合焦時)
W M T
D 200.00 200.00 200.00
d6 17.92 7.24 2.29
d13 2.07 7.72 15.32
d15 4.74 6.37 7.26
BF 13.30 13.30 13.30

[レンズ群データ]
群 始面 f
1 1 -14.25
2 7 13.72
3 14 -22.72
4 16 30.57

[条件式対応値]
m3 = 5.43
fst = 3.38
(1) m3/fw = 0.53
(2) (r42+r41)/(r42−r41) = -2.67
(3) fst/m3 = 0.62
(4) (−f3)/fw = 2.21
図2(a)、及び図2(b)はそれぞれ、本願の第1実施例に係るズームレンズの広角端状態、及び望遠端状態における無限遠物体合焦時の諸収差図である。
各収差図において、FNOはFナンバー、Yは像高をそれぞれ示す。dはd線(波長587.6nm)、gはg線(波長435.8nm)における収差をそれぞれ示し、d、gの記載のないものはd線における収差を示す。非点収差図において、実線はサジタル像面、破線はメリディオナル像面をそれぞれ示す。コマ収差図は、各像高Yにおけるコマ収差を示す。なお、後述する各実施例の収差図においても、本実施例と同様の符号を用いる。
各収差図より、本実施例に係るズームレンズは、広角端状態から望遠端状態にわたって諸収差が良好に補正され、高い光学性能を有していることがわかる。
(第2実施例)
図3(a)、及び図3(b)はそれぞれ、本願の第2実施例に係るズームレンズの広角端状態、及び望遠端状態における断面図である。
本実施例に係るズームレンズは、物体側から順に、負の屈折力を有する第1レンズ群G1と、正の屈折力を有する第2レンズ群G2と、負の屈折力を有する第3レンズ群G3と、正の屈折力を有する第4レンズ群G4とから構成されている。
第1レンズ群G1は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL11と、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL12と、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL13とからなる。なお、負メニスカスレンズL12は物体側及び像側のレンズ面を非球面形状としたガラスモールド非球面レンズである。
第2レンズ群G2は、物体側から順に、両凸形状の正レンズL21と物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL22との接合レンズと、開口絞りSと、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL23と両凸形状の正レンズL24との接合レンズとからなる。なお、正レンズL21は物体側のレンズ面を非球面形状としたガラスモールド非球面レンズである。
第3レンズ群G3は、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL31からなる。なお、負メニスカスレンズL31は物体側及び像側のレンズ面を非球面形状としたガラスモールド非球面レンズである。
第4レンズ群G4は、像側に凸面を向けた正メニスカスレンズL41からなる。なお、正メニスカスレンズL41は物体側及び像側のレンズ面を非球面形状としたガラスモールド非球面レンズである。
以上の構成の下、本実施例に係るズームレンズでは、広角端状態から望遠端状態への変倍時に、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との空気間隔が減少し、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との空気間隔が増加し、第3レンズ群G3と第4レンズ群G4との空気間隔が増加するように、第1レンズ群G1が光軸に沿って移動し、第2レンズ群G2及び第3レンズ群G3が光軸に沿って物体側へ移動する。なお、第4レンズ群G4の位置は変倍時に固定である。
本実施例に係るズームレンズでは、第3レンズ群G3を光軸に沿って像側へ移動させることにより、無限遠物体から近距離物体への合焦を行う。
以下の表2に、本実施例に係るズームレンズの諸元の値を掲げる。
(表2)第2実施例
[面データ]
面番号 r d nd νd
物面 ∞

1 131.926 0.800 1.618 63.3
2 9.887 2.207
*3 22.899 1.000 1.623 58.2
*4 9.089 0.862
5 11.594 1.892 2.001 25.5
6 17.515 可変

*7 15.735 3.218 1.619 63.9
8 -10.904 0.800 1.603 38.0
9 -75.326 2.678
10(絞りS) ∞ 1.500
11 16.112 0.800 1.583 46.5
12 6.544 2.114 1.498 82.6
13 -31.376 可変

*14 39.745 0.800 1.619 63.9
*15 10.560 可変

*16 -23.030 2.584 1.517 63.9
*17 -10.518 BF

像面 ∞

[非球面データ]
面番号 κ A4 A6 A8 A10
3 1.000E+00 -3.833E-04 9.067E-06 -6.487E-08 7.866E-11
4 1.000E+00 -5.554E-04 8.416E-06 -3.144E-08 -7.595E-10
7 1.000E+00 -6.517E-05 -1.259E-06 3.629E-08 8.838E-11
14 1.000E+00 8.336E-04 -3.542E-05 1.312E-07 3.038E-08
15 1.000E+00 1.164E-03 -4.103E-05 8.025E-07 -4.760E-09
16 1.000E+00 1.801E-04 1.181E-06 -3.912E-08 1.795E-11
17 1.000E+00 1.621E-04 1.593E-06 -2.352E-08 -1.206E-10

[各種データ]
変倍比 2.88

W T
f 10.2 29.4
FNO 3.6 6.4
2ω 76.2° 30.4°
Y 8.19 8.19
TL 63.0 59.2

(無限遠物体合焦時)
W M T
f 10.20 20.00 29.40
d6 18.51 6.32 2.14
d13 1.57 6.56 11.21
d15 5.36 8.74 11.31
BF 13.30 13.30 13.30

(近距離物体合焦時)
W M T
D 200.00 200.00 200.00
d6 18.51 6.32 2.14
d13 1.98 8.15 14.40
d15 4.95 7.16 8.12
BF 13.30 13.30 13.30

[レンズ群データ]
群 始面 f
1 1 -14.43
2 7 13.57
3 14 -23.49
4 16 35.00

[条件式対応値]
m3 = 5.95
fst = 3.19
(1) m3/fw = 0.58
(2) (r42+r41)/(r42−r41) = -2.68
(3) fst/m3 = 0.54
(4) (−f3)/fw = 2.30
図4(a)、及び図4(b)はそれぞれ、本願の第2実施例に係るズームレンズの広角端状態、及び望遠端状態における無限遠物体合焦時の諸収差図である。
各収差図より、本実施例に係るズームレンズは、広角端状態から望遠端状態にわたって諸収差が良好に補正され、高い光学性能を有していることがわかる。
(第3実施例)
図5(a)、及び図5(b)はそれぞれ、本願の第3実施例に係るズームレンズの広角端状態、及び望遠端状態における断面図である。
本実施例に係るズームレンズは、物体側から順に、負の屈折力を有する第1レンズ群G1と、正の屈折力を有する第2レンズ群G2と、負の屈折力を有する第3レンズ群G3と、正の屈折力を有する第4レンズ群G4とから構成されている。
第1レンズ群G1は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL11と、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL12と、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL13とからなる。なお、負メニスカスレンズL12は物体側及び像側のレンズ面を非球面形状としたガラスモールド非球面レンズである。
第2レンズ群G2は、物体側から順に、両凸形状の正レンズL21と物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL22との接合レンズと、開口絞りSと、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL23と両凸形状の正レンズL24との接合レンズとからなる。なお、正レンズL21は物体側のレンズ面を非球面形状としたガラスモールド非球面レンズである。
第3レンズ群G3は、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL31からなる。なお、負メニスカスレンズL31は物体側及び像側のレンズ面を非球面形状としたガラスモールド非球面レンズである。
第4レンズ群G4は、像側に凸面を向けた正メニスカスレンズL41からなる。なお、正メニスカスレンズL41は物体側及び像側のレンズ面を非球面形状としたガラスモールド非球面レンズである。
以上の構成の下、本実施例に係るズームレンズでは、広角端状態から望遠端状態への変倍時に、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との空気間隔が減少し、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との空気間隔が増加し、第3レンズ群G3と第4レンズ群G4との空気間隔が増加するように、第1レンズ群G1が光軸に沿って移動し、第2レンズ群G2及び第3レンズ群G3が光軸に沿って物体側へ移動する。なお、第4レンズ群G4の位置は変倍時に固定である。
本実施例に係るズームレンズでは、第3レンズ群G3を光軸に沿って像側へ移動させることにより、無限遠物体から近距離物体への合焦を行う。
以下の表3に、本実施例に係るズームレンズの諸元の値を掲げる。
(表3)第3実施例
[面データ]
面番号 r d nd νd
物面 ∞

1 46.250 0.800 1.618 63.3
2 9.071 2.923
*3 65.166 1.000 1.619 63.7
*4 11.707 0.576
5 12.414 1.756 2.001 25.5
6 19.421 可変

*7 16.791 4.129 1.619 63.9
8 -10.239 0.800 1.603 38.0
9 -51.266 1.500
10(絞りS) ∞ 1.500
11 18.401 0.800 1.583 46.5
12 6.931 3.163 1.498 82.6
13 -27.503 可変

*14 94.732 0.800 1.619 63.9
*15 13.489 可変

*16 -15.587 2.523 1.517 63.9
*17 -8.834 BF

像面 ∞

[非球面データ]
面番号 κ A4 A6 A8 A10
3 1.000E+00 -3.493E-04 9.551E-06 -9.426E-08 3.168E-10
4 1.000E+00 -4.421E-04 1.007E-05 -8.974E-08 2.250E-11
7 1.000E+00 -7.028E-05 -8.151E-07 3.411E-08 -4.721E-10
14 1.000E+00 1.115E-03 -3.903E-05 6.896E-08 2.986E-08
15 1.000E+00 1.425E-03 -3.788E-05 5.432E-08 2.514E-08
16 1.000E+00 1.441E-04 5.894E-07 -2.786E-10 -1.123E-09
17 1.000E+00 2.175E-04 2.668E-07 4.907E-08 -1.168E-09

[各種データ]
変倍比 2.88

W T
f 10.2 29.4
FNO 3.6 5.8
2ω 76.2° 30.4°
Y 8.19 8.19
TL 63.1 59.3

(無限遠物体合焦時)
W M T
f 10.20 20.00 29.40
d6 17.52 5.71 1.70
d13 1.57 6.75 11.51
d15 5.66 8.89 11.52
BF 13.04 13.04 13.04

(近距離物体合焦時)
W M T
D 200.00 200.00 200.00
d6 17.52 5.71 1.70
d13 2.05 8.52 15.05
d15 5.18 7.11 7.98
BF 13.04 13.04 13.04

[レンズ群データ]
群 始面 f
1 1 -14.31
2 7 13.55
3 14 -25.51
4 16 35.00

[条件式対応値]
m3 = 5.86
fst = 3.55
(1) m3/fw = 0.57
(2) (r42+r41)/(r42−r41) = -3.62
(3) fst/m3 = 0.61
(4) (−f3)/fw = 2.50
図6(a)、及び図6(b)はそれぞれ、本願の第3実施例に係るズームレンズの広角端状態、及び望遠端状態における無限遠物体合焦時の諸収差図である。
各収差図より、本実施例に係るズームレンズは、広角端状態から望遠端状態にわたって諸収差が良好に補正され、高い光学性能を有していることがわかる。
(第4実施例)
図7(a)、及び図7(b)はそれぞれ、本願の第4実施例に係るズームレンズの広角端状態、及び望遠端状態における断面図である。
本実施例に係るズームレンズは、物体側から順に、負の屈折力を有する第1レンズ群G1と、正の屈折力を有する第2レンズ群G2と、負の屈折力を有する第3レンズ群G3と、正の屈折力を有する第4レンズ群G4とから構成されている。
第1レンズ群G1は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL11と、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL12と、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL13とからなる。なお、負メニスカスレンズL12は物体側及び像側のレンズ面を非球面形状としたガラスモールド非球面レンズである。
第2レンズ群G2は、物体側から順に、両凸形状の正レンズL21と物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL22との接合レンズと、開口絞りSと、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL23と両凸形状の正レンズL24との接合レンズとからなる。なお、正レンズL21は物体側のレンズ面を非球面形状としたガラスモールド非球面レンズである。
第3レンズ群G3は、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL31からなる。
第4レンズ群G4は、物体側から順に、像側に凸面を向けた正メニスカスレンズL41と、両凸形状の正レンズL42とからなる。なお、正メニスカスレンズL41と正レンズL42はそれぞれ、物体側及び像側のレンズ面を非球面形状としたガラスモールド非球面レンズである。
以上の構成の下、本実施例に係るズームレンズでは、広角端状態から望遠端状態への変倍時に、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との空気間隔が減少し、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との空気間隔が増加し、第3レンズ群G3と第4レンズ群G4との空気間隔が増加するように、第1レンズ群G1が光軸に沿って移動し、第2レンズ群G2及び第3レンズ群G3が光軸に沿って物体側へ移動する。なお、第4レンズ群G4の位置は変倍時に固定である。
本実施例に係るズームレンズでは、第3レンズ群G3を光軸に沿って像側へ移動させることにより、無限遠物体から近距離物体への合焦を行う。
以下の表4に、本実施例に係るズームレンズの諸元の値を掲げる。
(表4)第4実施例
[面データ]
面番号 r d nd νd
物面 ∞

1 49.983 0.800 1.603 65.440
2 9.505 3.797
*3 105.000 1.000 1.623 58.163
*4 15.558 0.100
5 12.387 2.300 2.001 25.455
6 17.350 可変

*7 17.524 2.569 1.623 58.163
8 -10.281 0.800 1.603 38.028
9 -57.158 1.500
10(絞りS) ∞ 2.772
11 18.079 0.800 1.583 46.422
12 6.987 3.000 1.498 82.570
13 -30.422 可変

14 67.175 0.800 1.623 58.163
15 11.200 可変

*16 -36.612 2.616 1.583 59.460
*17 -12.977 0.300
*18 1000.000 1.115 1.583 59.460
*19 -210.703 BF

像面 ∞

[非球面データ]
面番号 κ A4 A6 A8 A10
3 1.000E+00 -1.815E-04 4.949E-06 -2.802E-08 0.000E+00
4 1.000E+00 -2.152E-04 4.869E-06 -9.757E-09 -2.834E-10
7 1.000E+00 -5.840E-05 -1.272E-06 8.962E-08 -2.229E-09
16 1.000E+00 2.682E-06 4.729E-06 -1.432E-07 1.899E-09
17 1.000E+00 1.508E-04 2.729E-06 -7.215E-08 0.000E+00
18 1.000E+00 7.330E-05 1.194E-06 -2.778E-08 2.807E-11
19 1.000E+00 7.834E-05 1.005E-06 -1.240E-08 -1.054E-10

[各種データ]
変倍比 2.83

W T
f 10.3 29.1
FNO 3.56 5.66
2ω 77.0° 31.4°
Y 8.19 8.19
TL 48.90 48.29

(無限遠物体合焦時)
W M T
f 10.30 20.356 29.100
d6 19.255 6.343 2.342
d13 1.600 6.867 10.960
d15 3.777 7.568 10.723
BF 13.299 13.299 13.299

(近距離物体合焦時)
W M T
D 200.000 200.000 200.000
d6 19.255 6.343 2.342
d13 2.102 8.572 14.245
d15 3.275 5.863 7.438
BF 13.299 13.299 13.299

[レンズ群データ]
群 始面 f
1 1 -15.658
2 7 14.031
3 14 -21.707
4 16 29.815

[条件式対応値]
m3 = 6.95
fst = 3.29
(1) m3/fw = 0.67
(2) (r42+r41)/(r42−r41) =-2.10
(3) fst/m3 = 0.47
(4) (−f3)/fw = 2.11
図8(a)、及び図8(b)はそれぞれ、本願の第4実施例に係るズームレンズの広角端状態、及び望遠端状態における無限遠物体合焦時の諸収差図である。
各収差図より、本実施例に係るズームレンズは、広角端状態から望遠端状態にわたって諸収差が良好に補正され、高い光学性能を有していることがわかる。
上記各実施例によれば、全長が短く小型軽量で、小さなレンズ鏡筒に保持されることが可能であり、高い光学性能を有するズームレンズを実現することができる。なお、上記各実施例は本願発明の一具体例を示しているものであり、本願発明はこれらに限定されるものではない。以下の内容は、本願のズームレンズの光学性能を損なわない範囲で適宜採用することが可能である。
本願のズームレンズの数値実施例として4群構成のものを示したが、本願はこれに限られず、その他の群構成(例えば、5群等)のズームレンズを構成することもできる。具体的には、本願のズームレンズの最も物体側や最も像側にレンズ又はレンズ群を追加した構成でも構わない。
また、本願のズームレンズは、無限遠物体から近距離物体への合焦を行うために、レンズ群の一部、1つのレンズ群全体、或いは複数のレンズ群を合焦レンズ群として光軸方向へ移動させる構成としてもよい。特に、第3レンズ群全体を合焦レンズ群とすることが好ましい。第3レンズ群の一部を合焦レンズ群とする場合、本願のズームレンズは、第3レンズ群が変倍時に物体側に移動するとともに合焦時には像側に移動するので、第3レンズ群の最も像側に合焦レンズ群を配置することが好ましい。例えば、第3レンズ群を、物体側から順に、合焦時に固定されるレンズ成分と、合焦レンズ群とからなる構成としてもよい。また、上記各実施例における合焦レンズ群は、1つのレンズから構成したが、1つの接合レンズから構成してもよい。斯かる合焦レンズ群は、オートフォーカスに適用することも可能であり、オートフォーカス用のモータ、例えば超音波モータ等による駆動にも適している。
また、本願のズームレンズにおいて、いずれかのレンズ群全体又はその一部を、防振レンズ群として光軸に対して垂直な方向の成分を含むように移動させ、又は光軸を含む面内方向へ回転移動(揺動)させることにより、防振を行う構成とすることもできる。特に、本願のズームレンズでは第2レンズ群の少なくとも一部を防振レンズ群とすることが好ましい。
また、本願のズームレンズを構成するレンズのレンズ面は、球面又は平面としてもよく、或いは非球面としてもよい。レンズ面が球面又は平面の場合、レンズ加工及び組立調整が容易になり、レンズ加工及び組立調整の誤差による光学性能の劣化を防ぐことができるため好ましい。また、像面がずれた場合でも描写性能の劣化が少ないため好ましい。レンズ面が非球面の場合、研削加工による非球面、ガラスを型で非球面形状に成型したガラスモールド非球面、又はガラス表面に設けた樹脂を非球面形状に形成した複合型非球面のいずれでもよい。また、レンズ面は回折面としてもよく、レンズを屈折率分布型レンズ(GRINレンズ)或いはプラスチックレンズとしてもよい。
また、本願のズームレンズにおいて開口絞りは第2レンズ群中又は第2レンズ群の近傍に配置されることが好ましく、開口絞りとして部材を設けずにレンズ枠でその役割を代用する構成としてもよい。
また、本願のズームレンズを構成するレンズのレンズ面に、広い波長域で高い透過率を有する反射防止膜を施してもよい。これにより、フレアやゴーストを軽減し、高コントラストの高い光学性能を達成することができる。
次に、本願のズームレンズを備えたカメラを図9に基づいて説明する。
図9は、本願のズームレンズを備えたカメラの構成を示す図である。
図9に示すようにカメラ1は、撮影レンズ2として上記第1実施例に係るズームレンズを備えたレンズ交換式の所謂ミラーレスカメラである。
本カメラ1において、不図示の物体(被写体)からの光は、撮影レンズ2で集光されて、不図示のOLPF(Optical low pass filter:光学ローパスフィルタ)を介して撮像部3の撮像面上に被写体像を形成する。そして、撮像部3に設けられた光電変換素子によって被写体像が光電変換されて被写体の画像が生成される。この画像は、カメラ1に設けられたEVF(Electronic view finder:電子ビューファインダ)4に表示される。これにより撮影者は、EVF4を介して被写体を観察することができる。
また、撮影者によって不図示のレリーズボタンが押されると、撮像部3で生成された被写体の画像が不図示のメモリに記憶される。このようにして、撮影者は本カメラ1による被写体の撮影を行うことができる。
ここで、本カメラ1に撮影レンズ2として搭載した上記第1実施例に係るズームレンズは、全長が短く小型で高い光学性能を備えたズームレンズである。したがって本カメラ1は、小型化と高い光学性能を実現することができる。なお、上記第2〜第4実施例に係るズームレンズを撮影レンズ2として搭載したカメラを構成しても、上記カメラ1と同様の効果を奏することができる。また、クイックリターンミラーを有し、ファインダ光学系によって被写体を観察する一眼レフタイプのカメラに上記各実施例に係るズームレンズを搭載した場合でも、上記カメラ1と同様の効果を奏することができる。
最後に、本願のズームレンズの製造方法の概略を図10に基づいて説明する。
図10に示す本願のズームレンズの製造方法は、物体側から順に、負の屈折力を有する第1レンズ群と、正の屈折力を有する第2レンズ群と、負の屈折力を有する第3レンズ群と、正の屈折力を有する第4レンズ群とを有するズームレンズの製造方法であって、以下のステップS1、S2を含むものである。
ステップS1:第1〜第4レンズ群をレンズ鏡筒内に物体側から順に配置する。そして、レンズ鏡筒に公知の移動機構を設ける等することで、広角端状態から望遠端状態への変倍時に、第3レンズ群が光軸に沿って移動し、第1レンズ群と第2レンズ群との間隔、第2レンズ群と第3レンズ群との間隔、及び第3レンズ群と第4レンズ群との間隔が変化するようにする。
ステップS2:第3レンズ群が以下の条件式(1)を満足するようにする。
(1) 0.50 < m3/fw < 0.80
ただし、
m3:広角端状態から望遠端状態への変倍時の第3レンズ群の移動量
fw:広角端状態におけるズームレンズの焦点距離
斯かる本願のズームレンズの製造方法によれば、全長が短く小型で高い光学性能を備えたズームレンズを製造することができる。
G1 第1レンズ群
G2 第2レンズ群
G3 第3レンズ群
G4 第4レンズ群
S 開口絞り
I 像面

Claims (11)

  1. 物体側から順に、負の屈折力を有する第1レンズ群と、正の屈折力を有する第2レンズ群と、負の屈折力を有する第3レンズ群と、正の屈折力を有する第4レンズ群とを有し、
    広角端状態から望遠端状態への変倍時に、前記第3レンズ群が光軸に沿って移動し、前記第1レンズ群と前記第2レンズ群との間隔、前記第2レンズ群と前記第3レンズ群との間隔、及び前記第3レンズ群と前記第4レンズ群との間隔が変化し、
    以下の条件式を満足することを特徴とするズームレンズ。
    0.50 < m3/fw < 0.80
    ただし、
    m3:広角端状態から望遠端状態への変倍時の前記第3レンズ群の移動量
    fw:広角端状態における前記ズームレンズの焦点距離
  2. 前記第4レンズ群が、像側に凸面を向けたメニスカスレンズを有することを特徴とする請求項1に記載のズームレンズ。
  3. 以下の条件式を満足することを特徴とする請求項2に記載のズームレンズ。
    −5.00 < (r42+r41)/(r42−r41) < −1.30
    ただし、
    r41:前記第4レンズ群中の前記メニスカスレンズの物体側のレンズ面の曲率半径
    r42:前記第4レンズ群中の前記メニスカスレンズの像側のレンズ面の曲率半径
  4. 広角端状態から望遠端状態への変倍時に、前記第1レンズ群と前記第2レンズ群との間隔が減少し、前記第2レンズ群と前記第3レンズ群との間隔が変化し、前記第3レンズ群と前記第4レンズ群との間隔が増加することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のズームレンズ。
  5. 広角端状態から望遠端状態への変倍時に、前記第3レンズ群が光軸に沿って物体側へ移動し、
    無限遠物体から近距離物体への合焦時に、前記第3レンズ群が光軸に沿って像側へ移動し、
    以下の条件式を満足すること特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のズームレンズ。
    0.45 < fst/m3 < 1.00
    ただし、
    fst :望遠端状態において無限遠物体から近距離物体へ合焦する時の前記第3レンズ群の移動量
    m3:広角端状態から望遠端状態への変倍時の前記第3レンズ群の移動量
  6. 前記第3レンズ群が以下の条件式を満足すること特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のズームレンズ。
    1.50 < (−f3)/fw < 4.00
    ただし、
    f3:前記第3レンズ群の焦点距離
    fw:広角端状態における前記ズームレンズの焦点距離
  7. 前記第4レンズ群が、像側に凸面を向けた正メニスカスレンズからなることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のズームレンズ。
  8. 広角端状態から望遠端状態への変倍時に、前記第1レンズ群と前記第2レンズ群が光軸に沿って移動し、前記第4レンズ群の位置が固定であることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載のズームレンズ。
  9. 前記第4レンズ群が少なくとも1つの非球面を有することを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか一項に記載のズームレンズ。
  10. 請求項1から請求項9のいずれか一項に記載のズームレンズを有することを特徴とする光学装置。
  11. 物体側から順に、負の屈折力を有する第1レンズ群と、正の屈折力を有する第2レンズ群と、負の屈折力を有する第3レンズ群と、正の屈折力を有する第4レンズ群とを有するズームレンズの製造方法であって、
    広角端状態から望遠端状態への変倍時に、前記第3レンズ群が光軸に沿って移動し、前記第1レンズ群と前記第2レンズ群との間隔、前記第2レンズ群と前記第3レンズ群との間隔、及び前記第3レンズ群と前記第4レンズ群との間隔が変化するようにし、
    前記第3レンズ群が以下の条件式を満足するようにすることを特徴とするズームレンズの製造方法。
    0.50 < m3/fw < 0.80
    ただし、
    m3:広角端状態から望遠端状態への変倍時の前記第3レンズ群の移動量
    fw:広角端状態における前記ズームレンズの焦点距離
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