JP2015031781A - カラーフィルタ、カラーフィルタの製造方法および液晶表示装置 - Google Patents

カラーフィルタ、カラーフィルタの製造方法および液晶表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】ブラックマトリクスの線幅が小さい高解像度のカラーフィルタにあって、しかも、着色画素の画素内のうねりを防止して、しかも、その色度も安定したカラーフィルタを提供すること。【解決手段】複数色の着色画素3,4,5のうち一つを緑色に着色した画素4とし、この緑色画素4の周囲末端が透明基板に接触しており、かつ、この緑色画素の末端のテーパー角度θを70?以上とする。緑色画素の周囲末端が透明基板に接触しており、ブラックマトリクスの端部に乗り上げていないから、その画素内のうねりを生じていない。また、末端のテーパー角度が70?以上であり、そのテーパー部分が短いから、ブラックマトリクスの線幅が小さい高解像度のカラーフィルタであっても、隣接する画素領域に侵入することがない。このため、隣接する着色画素に対する影響がなく、その色度が安定する。【選択図】図1

Description

本発明は、液晶表示装置に適用するカラーフィルタに関するものである。
液晶表示装置は、一般に、ガラス基板上に各画素ごとにアクティブ素子(薄膜トランジスタ、TFT)を形成した基板とカラーフィルタとが、間に液晶を挟んで対向して配置されている。なお、TFT基板(以下、アクティブ素子を形成した基板をTFT基板と略称する)の各TFT素子の電圧の印加によって各画素の透過率を制御している。
カラーフィルタは、一般に、透明基板上に、まずブラックマトリクスを形成し、このブラックマトリクスの上に各色の着色画素を形成したものが使用されている。ブラックマトリクスは、遮光性の黒色の組成物をストライプ状又は格子状に配置して、画素領域を区画したものである。そして、このブラックマトリクスの開口部を画素領域として、この開口部に着色画素を配置することにより、白色の透過光を着色してカラーの画面表示を可能としている。そして、ブラックマトリクスと着色画素との境界から非着色の白色光が洩れることを防ぐため、各色の着色画素は、その端部をブラックマトリクスの端部に乗り上げるように形成することが通常である。この場合、ブラックマトリクスの前記開口部の中央付近の着色画素の膜厚に比較して、ブラックマトリクスの端部に乗り上げた部位の着色画素の膜厚は薄く形成される。また、その両者の間に位置する部位では、この両者と異なる膜厚を有することになる。すなわち、着色画素は、その端部をブラックマトリクスの端部に乗り上げて形成しているため、その画素内で膜厚の異なる部位を有している。そして、このため、着色画素の表面はその画素内でうねりを生じているのが通常である。
ところで、液晶表示装置はデジタル機器の表示装置として広く用いられており、スマートフォンやタブレットパソコンの普及に伴い、解像度、色再現性、輝度、コントラストなどの表示性能の向上に対する要求が強まっている、
現在の液晶表示装置の動向として、テレビはもちろんコンピュータ端末やモバイル端末でも、テレビの配信や地上デジタル放送開始などにより情報量が増大し、携帯電話をはじめとするモバイル用途の液晶表示装置の高解像度化が進んでいる。
高解像度化に伴ってカラーフィルタの前記開口部の幅が狭くなり、カラーフィルタの前記開口部の割合(開口率)が下がるため、液晶表示装置の輝度が損なわれてしまう。そこで、ブラックマトリクスを細線化して開口率を高め、着色画素の透過率を向上することが求められている。しかしながら、このように開口部の幅が狭くなると、前記うねりのピッチが小さくなるため、相対的にうねりが大きくなる。そして、このように着色画素の画素内のうねりが大きくなることにより、TFT基板とカラーフィルタとの間の間隙厚み(セルギャップ)が変動し、また、着色画素の膜厚変動に伴う着色力が変動して、これら両変動に基づいて表示画面に輝度ムラが発生するという問題があった。
前記着色画素の上に平坦化膜を形成したカラーフィルタは公知である(特許文献1)。このカラーフィルタによれば、セルギャップの変動を防ぐことができる。したがって、セルギャップの変動に起因する輝度ムラを防止することが可能である。しかし、着色画素の上の平坦化膜によって着色画素の膜厚変動を防ぐことはできないから、このカラーフィルタにおいても、着色画素の膜厚変動に起因する輝度ムラを防止することはできない。
また、ブラックマトリクスと着色画素を形成する順序を逆にして、透明基板上に、まず各色の着色画素を形成し、この着色画素の上にブラックマトリクスを形成したカラーフィ
ルタも公知である(特許文献2)。この場合にも、ブラックマトリクスと着色画素との境界から非着色の白色光が洩れることを防ぐため、ブラックマトリクスは、その端部を着色画素の端部に乗り上げて形成する。そして、このカラーフィルタにおいては、着色画素の前記うねりを防止することができる。しかしながら、ブラックマトリクスが線幅6μm以下に細くなると、着色画素の端部が隣接する画素領域(開口部)に侵入してしまい、このため、隣接する前記画素領域(開口部)、すなわち、隣接する着色画素において色度が不安定になるという問題があった。
特開昭63−291924 特開2003−177227号公報
そこで、本発明は、ブラックマトリクスの線幅が小さい高解像度のカラーフィルタにあって、しかも、着色画素の前記うねりを防止して、しかも、その色度も安定したカラーフィルタを提供することを目的とするものである。
請求項1に記載の発明は、比視感度の高い緑色の画素に着目して、この緑色画素の画素内のうねりを防止し、しかも、隣接する着色画素に対する影響を防止したものである。
すなわち、請求項1に記載の発明は、透明基板上に画素領域を区画するブラックマトリクスと、この画素領域に配置された複数色の着色画素とを有するカラーフィルタであって、 ブラックマトリクスの線幅が6μm以下であり、かつ、複数色のこれら着色画素のうち一つが緑色に着色した画素であるカラーフィルタにおいて、
前記緑色画素の周囲末端が透明基板に接触しており、かつ、この緑色画素の末端のテーパー角度が70°以上であることを特徴とするカラーフィルタである。
このカラーフィルタの緑色画素は、その周囲末端が透明基板に接触しており、ブラックマトリクスの端部に乗り上げていないから、その画素内のうねりを生じていない。
また、この緑色画素は、末端のテーパー角度が70°以上であり、したがって、そのテーパー部分が短いから、ブラックマトリクスの線幅が6μm以下であっても、隣接する画素領域(開口部)に侵入することがない。このため、隣接する着色画素に対する影響がなく、その色度も安定するのである。
次に、請求項2に記載の発明は、前記緑色画素の色度分布に着目したもので、すなわち、前記緑色画素の色度分布が3/1000以内であることを特徴とする請求項1に記載のカラーフィルタである。
このようなカラーフィルタは、透明基板上に、まず、前記緑色画素を形成した後、ブラックマトリクスを形成することで製造することができる。すなわち、請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のカラーフィルタを製造する方法であって、透明基板上に前記緑色画素を形成した後、ブラックマトリクスを形成することを特徴とするカラーフィルタの製造方法である。
また、請求項4に記載の発明は、請求項1又は2に記載のカラーフィルタを備える液晶表示装置である。
以上のように、本発明によれば、ブラックマトリクスの線幅が小さい高解像度のカラーフィルタにあって、しかも、着色画素の前記うねりを防止して、しかも、その色度も安定する。
カラーフィルタの説明用部分断面図。
本発明のカラーフィルタは、透明基板とブラックマトリクスと着色画素とを必須の構成要素とするものである。このカラーフィルタは、図1に示すように、透明基板1上にブラックマトリクス2を有している。このブラックマトリクスは、ストライプ状又は格子状に設けられており、その間を画素領域として区画するものである。そして、このため、画素ピッチはこのブラックマトリクスによって決定される。また、画素領域の面積、すなわち、ブラックマトリクス2の開口率もこのブラックマトリクス2によって決定される。本発明が対象とするカラーフィルタは、ブラックマトリクス2の線幅は6μm以下の高精細のカラーフィルタである。このように細線のブラックマトリクス2を有するカラーフィルタは、その画素ピッチも小さくすることができる。例えば、画素ピッチが25μm以下である。なお、画素ピッチは、ブラックマトリクス2の開口幅にブラックマトリクス2の線幅を加えた値に等しい。
次に、本発明のカラーフィルタは、前記画素領域に着色画素を有している。本発明においては、着色画素として、互いに異なる色彩に着色された複数色の着色画素を有している必要がある。また、複数色のこれら着色画素のうち、一つは緑色に着色した画素である必要がある。図1に示す例では、3色の着色画素を有している。すなわち、赤色に着色した画素3、緑色に着色した画素4,青色に着色した画素5である。そして、これら3色の着色画素3,4,5は、いずれも、透明基板1上に直接、すなわち、透明基板1と着色画素3,4,5の間にブラックマトリクス2を介することなく形成されている。このため、いずれの着色画素3,4,5も、その周囲末端が透明基板に接触していて、ブラックマトリクス2に乗り上げていない。
なお、これら着色画素3,4,5は、いずれも、その末端の表面がテーパーを有しており、このテーパー状表面が透明基板1となす角度、すなわち、テーパー角度θが70°以上に構成されている。そして、前記ブラックマトリクス2は、このテーパー状末端を覆うように、各着色画素3,4,5の上に乗り上げて設けられている。
このカラーフィルタは、透明基板上1に、まず、各着色画素3,4,5を形成した後、ブラックマトリクス2を形成することで製造することができる。
着色画素3,4,5及びブラックマトリクス2は任意の方法で形成することができるが、例えば、顔料分散法で形成することが可能である。顔料分散法は、有機顔料などの色材を分散した着色感光性樹脂組成物の塗布層を公知のフォトリソグラフィー法によってパターニングすることにより着色画素3,4,5やブラックマトリクス2を形成する方法である。着色感光性樹脂組成物は、色材、光重合開始剤、重合性モノマー(熱硬化性モノマー又は光重合性モノマー)、バインダ樹脂、を主成分とするものが使用できる。
顔料分散法で着色画素3,4,5を形成する場合、熱硬化性モノマーを添加することでそのテーパー角を大きくすることができる。また、光重合開始剤として、水銀ランプの254nmの輝線の吸収が弱い光重合開始剤を選択すると、そのテーパー角が小さくなる。
例えば、BASF社製「Irgacure379である。また、このような知見に基づいて数回の予備試験を繰り返すことにより、過度の試行錯誤を要することなく、所望のテーパー角を有する着色画素3,4,5を形成することが可能である。
以下、これら各成分について、この順に説明し、最後に、顔料分散法を使用して本発明のカラーフィルタを製造する方法について説明する。
(色材)
赤色画素3には、例えば、色材として、C.I.Pigment Red 7、14、41、48:2、48:3、48:4、81:1、81:2、81:3、81:4、146、168、177、178、179、184、185、187、200、202、208、210、246、254、255、264、270、272、279等の赤色顔料を用いることができ、黄色顔料や橙色顔料を併用することもできる。
黄色顔料としては、C.I. Pigment Yellow 1、2、3、4、5、6、10、12、13、14、15、16、17、18、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、42、43、53、55、60、61、62、63、65、73、74、77、81、83、93、94、95、97、98、100、101、104、106、108、109、110、113、114、115、116、117、118、119、120、123、126、127、128、129、138、139、147、150、151、152、153、154、155、156、161、162、164、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、179、180、181、182、187、188、193、194、198、199、213、214等が挙げられる。
緑色画素4には、例えば、C.I.Pigment Green 7、10、36、37、58等の緑色顔料を用いることができ、黄色顔料を併用することもできる。黄色顔料としては、赤色画素に用いる顔料として挙げたものと同様のものが使用可能である。特に緑色顔料は、C.I.Pigment Green 58に代表される臭素化亜鉛フタロシアニン顔料を主要な顔料として用いることが好ましい。
青色画素5には、例えば、C.I.Pigment Blue 15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、22、60、64等の青色顔料を用いることができ、紫色顔料を併用することもできる。紫色顔料としては、C.I.Pigment Violet 1、19、23、27、29、30、32、37、40、42、50等が挙げられる。
(光重合開始剤)
光重合開始剤としては、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−ジクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン等のアセトフェノン系光重合開始剤、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンジルジメチルケタール等のベンゾイン系光重合開始剤、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド等のベンゾフェノン系光重合開始剤、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン等のチオキサントン系光重合開始剤、2,4,6−トリクロロ−s−トリアジン、2−フ
ェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−トリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ピペロニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−スチリル−s−トリアジン、2−(ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−トリクロロメチル−(ピペロニル)−6−トリアジン、2,4−トリクロロメチル(4’−メトキシスチリル)−6−トリアジン等のトリアジン系光重合開始剤、ボレート系光重合開始剤、カルバゾール系光重合開始剤、イミダゾール系光重合開始剤等が用いられる。
上記光重合開始剤は、単独あるいは2種以上混合して用いるが、増感剤として、α−アシロキシエステル、アシルフォスフィンオキサイド、メチルフェニルグリオキシレート、ベンジル、9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、エチルアンスラキノン、4,4’−ジエチルイソフタロフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン等の化合物を併用することもできる。
(熱硬化性モノマー)
熱硬化性モノマーとしては、二官能以上の多官能エポキシ化合物を使用することが好ましい。例えば、ビスフェノールA型エポキシ化合物、ビスフェノールF型エポキシ化合物、ビスフェノールS型エポキシ化合物、フェノールノボラック型エポキシ化合物、クレゾールノボラック型エポキシ化合物、脂肪族エポキシ化合物、またはビスフェノールフルオレン型エポキシ化合物などのエポキシ化合物が挙げられる。
具体的には、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル等の低分子量エポキシ化合物が挙げられる。製品名としては、ナガセケムテックス製EX−810、EX−830、EX−611、EX−421、EX−512、EX−521、EX−611、EX−614、EX−622、EX−314、EX−321、EX−411が挙げられる。
また、多官能エポキシ化合物の一部または全てを多官能オキセタン化合物に置き換えてもよい。オキセタン化合物は、例えば、ビスフェノールA型エポキシ化合物、ビスフェノールF型エポキシ化合物、ビスフェノールS型エポキシ化合物、フェノールノボラック型エポキシ化合物、クレゾールノボラック型エポキシ化合物、脂肪族エポキシ化合物、またはビスフェノールフルオレン型エポキシ化合物などのオキセタン化合物等が挙げられる。
中でも2官能エポキシは、焼成時の黄変が少ないため着色画素3,4,5の透過率への影響が少ないため好ましい。
また、緑色画素4の形状は、オーブンでの焼成時に熱フローしテーパー角度θが小さくなりやすい。テーパー角度θを70°以上にするためには、熱硬化性モノマーを添加により焼成時に熱硬化させ熱フローを抑制することが望ましい。さらに熱硬化性モノマーの中でも2官能エポキシを用いることが、緑色画素4の透過率を損ねない上で望ましい。
(光重合性モノマー)
光重合性モノマーとしては、水酸基を有する(メタ)アクリレートと多官能イソシアネートを反応させて得られる多官能ウレタンアクリレートを用いることができる。
水酸基を有する(メタ)アクリレートとしては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールエチレンオキサイド変性ペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールプロピレンオキサイド変性ペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールカプロカラクトン変性ペンタ(メタ)アクリレート、グリセロールアクリレートメタクリレート、グリセロールジメタクリレート、2−ヒドロキシ−3−アクリロイルプロピルメタクリレート、エポキシ基含有化合物とカルボキシ(メタ)アクリレートの反応物、水酸基含有ポリオールポリアクリレート等が挙げられる。
また、多官能イソシアネートとしては、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジフェニルメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ポリイソシアネート等が挙げられる。
(バインダ樹脂)
バインダ樹脂としてはアルカリ可溶型の非感光性透明樹脂および感光性透明樹脂を使用することができる。アルカリ可溶型の樹脂を使用することが望ましい。アルカリ可溶型の非感光性透明樹脂とは、アルカリ水溶液に溶解する性質を持つ、エチレン性不飽和二重結合を有しない透明樹脂であり、このようなアルカリ可溶型の非感光性樹脂として具体的には、酸性官能基を有するアクリル樹脂、α−オレフィン−(無水)マレイン酸共重体、スチレン−(無水)マレイン酸共重合体、スチレン−スチレンスルホン酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、イソブチレン−(無水)マレイン酸共重合体等が挙げられる。中でも、酸性官能基を有するアクリル樹脂、α−オレフィン−(無水)マレイン酸共重合体、スチレン−(無水)マレイン酸共重合体およびスチレン−スチレンスルホン酸共重合体から選ばれる少なくとも1種の樹脂が好適に用いられる。
感光性樹脂としては、反応性官能基を有する線状高分子に、この反応性官能基と反応可能な置換基を有する(メタ)アクリル化合物、ケイヒ酸等を反応させて、エチレン不飽和二重結合を該線状高分子に導入した樹脂が挙げられる。また、反応性官能基を有する(メタ)アクリル化合物、ケイヒ酸等に、この反応性官能基と反応可能な置換基を有する線状高分子を反応させて、エチレン不飽和二重結合を該線状高分子に導入した樹脂が挙げられる。前記反応性官能基としては、水酸基、カルボキシル基、アミノ基等が例示でき、この反応性官能基と反応可能な置換基としては、イソシアネート基、アルデヒド基、エポキシ基等が例示できる。
また、スチレン−無水マレイン酸共重合物やα−オレフィン−無水マレイン酸共重合物等の酸無水物を含む線状高分子を、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート等の水酸基を有する(メタ)アクリル化合物によりハーフエステル化したものも、感光性樹脂として使用できる。
(カラーフィルタの製造方法)
本発明のカラーフィルタのブラックマトリクス2、赤色画素3、緑色画素4、および青色画素5は、透明基板1上にフォトリソグラフィー法により、各色の着色感光性樹脂組成物を用いて形成される。
透明基板1としては、ソーダ石灰ガラス、低アルカリ硼珪酸ガラス、無アルカリアルミノ硼珪酸ガラスなどのガラス板や、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、ポリエ
チレンテレフタレートなどの樹脂板が用いられる。また、ガラス板や樹脂板の表面には、液晶パネル化後の液晶駆動のために、酸化インジウム、酸化錫、酸化亜鉛、酸化アンチモンなどの金属酸化物の組み合わせからなる透明電極が形成されていてもよい。
各色画素3,4,5を形成する場合は、アルカリ現像型の着色感光性樹脂組成物を、透明基板1上に、スプレーコートやスピンコート、スリットコート、ロールコート等の塗布方法により、乾燥膜厚が0.2〜10μmとなるように塗布する。
塗布膜を乾燥させる際には、減圧乾燥機、コンベクションオーブン、IRオーブン、ホットプレート等を使用してもよい。必要により乾燥された膜には、この膜と接触あるいは非接触状態で設けられた所定のパターンを有するマスクを通して紫外線露光を行う。
その後、溶剤またはアルカリ現像液に浸漬するかもしくはスプレーなどにより現像液を噴霧して未硬化部を除去して所望のパターンを形成したのち、同様の操作を他色について繰り返してカラーフィルタを製造することができる。さらに、着色感光性樹脂組成物の重合を促進するため、必要に応じて加熱を施すこともできる。
現像に際しては、アルカリ現像液として炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム等の水溶液が使用され、ジメチルベンジルアミン、トリエタノールアミン等の有機アルカリを用いることもできる。また、現像液には、消泡剤や界面活性剤を添加することもできる。現像処理方法としては、シャワー現像法、スプレー現像法、ディップ(浸漬)現像法、パドル(液盛り)現像法等を適用することができる。
以下に本発明の実施例をもって、より詳細に本発明を説明するが、この内容に限定されるものではない。
(実施例1)
<画素の色度測定>
カラーフィルタの1つの画素の色度は、顕微分光器(大塚電子製 LCF−2000)にて測定スポット径4μmで画素の中心部および中心部から両側のブラックマトリクスに向かいスポット径4μmずらした位置を測定した。
<断面形状観察>
カラーフィルタを破断し、各着色画素の断面形状を透過型電子顕微鏡(日立製作所製 S−4500)にて観察し、ブラックマトリクス上の着色画素のテーパー角度を算出した。
<黒色樹脂組成物の調整>
フルオレン骨格を有するエポキシアクリレートの酸無水物重縮合物のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液(樹脂固形分濃度=56.1質量%、新日鉄化学(株)社製V259ME)10.0gに対し、エチレン性不飽和結合を有する化合物として分子量578のジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート(東亜合成(株)社製)1.9g、光重合開始剤としてエタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9.H−カルバゾール−3−イル]−,1−(0−アセチルオキシム)(BASF社製 製品名イルガキュアOXE02)0.6g、溶剤としてシクロヘキサノン29.5g、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート29.5g、添加剤にアデカポリエーテルG−400を1.0g加え、感光性樹脂組成物を得た。さらに、遮光剤としてカーボンブラック分散液(御国色素社製 TPBK−234C)27.5gを加えてよく撹拌し、顔料濃度40%である黒色樹脂組成物100gを得た。
<着色樹脂組成物の調整>
それぞれの顔料を用いて赤色・緑色・青色の着色組成物を作製した。
・赤色感光性樹脂組成物
下記組成の混合物を均一に攪拌混合した後、直径1mmのガラスビースを用いて、サンドミルで5時間分散した後、5μmのフィルタで濾過して赤色顔料の分散体を作製した。
赤色顔料:C.I. Pigment Red 254 10重量部
赤色顔料:C.I. Pigment Red 177 10重量部
アクリルワニス(固形分20%) 108重量部。
その後、下記組成の混合物を均一になるように攪拌混合した後、5μmのフィルターで濾過して赤色感光性樹脂組成物を得た。
上記分散体 150重量部
トリメチロールプロパントリアクリレート 13重量部
(大阪有機化学工業社製「TMP3A」)
光開始剤 3重量部
(BASF社製「Irgacure379」)
シクロヘキサノン 253重量部。
・緑色感光性樹脂組成物
下記組成となるように,赤色感光性樹脂組成物と同様の方法で作製した。
緑色顔料:C.I. Pigment Green 58 16重量部
黄色顔料:C.I. Pigment Yellow 138 8重量部
アクリルワニス(固形分20%) 51重量部
エチレングリコールジグリシジルエーテル 20重量部
(ナガセケムテックス製「EX−810」)
トリメチロールプロパントリアクリレート 14重量部
(大阪有機化学工業社製「TMP3A」)
光開始剤 4重量部
(BASF社製「Irgacure907」)
増感剤(保土ヶ谷化学社製「EAB−F」) 2重量部
シクロヘキサノン 257重量部。
・青色感光性樹脂組成物
下記組成となるように,赤色感光性樹脂組成物と同様の方法で作製した。
青色顔料:C.I. Pigment Blue 15 50重量部
紫色顔料:C.I. Pigment Violet 23 2重量部
分散剤(ゼネカ社製「ソルスバーズ20000」) 10重量部
アクリルワニス(固形分20%) 180重量部
トリメチロールプロパントリアクリレート 19重量部
(大阪有機化学工業社製「TMP3A」)
光開始剤 4重量部
(BASF社製「Irgacure907」)
増感剤(保土ヶ谷化学社製「EAB−F」) 2重量部
シクロヘキサノン 214重量部。
<カラーフィルタの作製>
ガラス基板上に、赤色感光性樹脂組成物を、膜厚が2.5μmとなるように塗布し乾燥させた。その後、所定のマスクを用い、光源として超高圧水銀ランプを用いて露光後、2.5質量%炭酸ナトリウム水溶液に25℃で30秒間浸漬して現像し、良く水洗した。水洗乾燥後、230℃で1時間ベークして赤色画素を形成した。続いて、緑色感光性樹脂組成物を用いて緑色画素を、青色感光性樹脂組成物を用いて青色画素を、赤色画素と同様の手法で形成した。
最後に、黒色感光性樹脂組成物をスピンコーターで塗布し乾燥させた。その後、100℃で3分間プリベークを行った後、所定のマスクを用い、光源として超高圧水銀ランプを用いて露光後、2.5質量%炭酸ナトリウム水溶液に25℃で30秒間浸漬して現像し、良く水洗した。水洗乾燥後、230℃で1時間ベークしてブラックマトリクス(線幅5μm、厚み1.0μm、画素間距離25μm)を形成した。
赤色画素の色度は(0.650, 0.316, 17.3)、緑色画素の色度は(0.260,0.585,55.3)、青色画素の色度は(0.141,0.082,8.0)であった。
緑色画素のテーパー角度θは75°、色度変動は3/1000未満であった。
<液晶表示装置の作製>
得られたカラーフィルタ上に、オーバーコート層を形成し、その上にポリイミド配向層を形成した。そして、このガラス基板の他方の表面に偏光板を形成した。
他方、別の(第2の)ガラス基板の一方の表面にTFTアレイおよび画素電極を形成し、他方の表面に偏光板を形成した。
このようにして準備された2つのガラス基板を電極層同士が対面するよう対向させ、スペーサビーズを用いて両基板の間隔を一定に保ちながら位置合わせし、液晶組成物注入用開口部を残すように周囲を封止剤で封止した。次いで、開口部からVA用液晶組成物を注入し、開口部を封止した。更に、偏光板に広視野角表示が可能なように最適化された光学補償層を設けた。このようにして作製した液晶表示装置をバックライトユニットと組み合わせてVA表示モード液晶パネルを得た。
バックライトを点灯し外観観察した結果、輝度ムラの発生は見られず色表示特性が良好であった。
(実施例2)
画素ピッチが21μmであることを除き、実施例1と同様の条件でカラーフィルタを作製した。
緑色画素のテーパー角度θは75°、色度変動は3/1000未満であった。
(比較例1)
・緑色感光性樹脂組成物
下記組成となるように、実施例1の赤色感光性樹脂組成物と同様の方法で作製した。なお、実施例1の緑色感光性樹脂組成物との相違は、アクリルワニス(固形分20%)の量を増やすことによって、相対的に熱硬化性モノマー(エチレングリコールジグリシジルエーテル)の含有割合を減らしたことである。
緑色顔料:C.I. Pigment Green 58 16重量部
黄色顔料:C.I. Pigment Yellow 138 8重量部
アクリルワニス(固形分20%) 71重量部
エチレングリコールジグリシジルエーテル 20重量部
(ナガセケムテックス製「EX−810」)
トリメチロールプロパントリアクリレート 14重量部
(大阪有機化学工業社製「TMP3A」)
光開始剤 4重量部
(BASF社製「Irgacure907」)
増感剤(保土ヶ谷化学社製「EAB−F」) 2重量部
シクロヘキサノン 257重量部。
緑色画素のテーパー角度θは35°、色度変動は3/1000以上であった。
実施例1〜2および比較例1で作製したカラーフィルタ、液晶表示装置の評価結果を表1に示す。なお、表中、「○」は輝度ムラの発生が見られなかったことを示す。また、「×」は輝度ムラが発生したことを示す。
Figure 2015031781
(考察)
実施例1〜2および比較例1は、いずれも、緑色画素の周囲末端が透明基板に接触しており、この緑色画素の上にブラックマトリクスが形成されたカラーフィルタであるが、このようなカラーフィルタにおいて、テーパー角度θが35°の場合(比較例1)においては、色度変動が3/1000以上であり、表示むらが生じているが、テーパー角度θが75°の場合(実施例1〜2)には、色度変動が3/1000未満となり、輝度ムラのない高品位な表示特性を有している。この結果から、テーパー角度θが70°以上の場合、輝度ムラのない高品位な表示特性が得られると推定できる。
なお、実施例1〜2を相互に比較することにより、画素ピッチが25μm以下の範囲では、各色画素の色度変動は画素ピッチによらないことが分かる。
以上、説明したように本発明のカラーフィルタを用いることにより、高品位な色特性を有する液晶表示装置を提供することが可能となる。
1:透明基板
2:ブラックマトリクス
3:赤色着色画素
4:緑色着色画素
5:青色着色画素
θ:テーパー角度

Claims (4)

  1. 透明基板上に画素領域を区画するブラックマトリクスと、この画素領域に配置された複数色の着色画素とを有するカラーフィルタであって、ブラックマトリクスの線幅が6μm以下であり、かつ、複数色のこれら着色画素のうち一つが緑色に着色した画素であるカラーフィルタにおいて、
    前記緑色画素の周囲末端が透明基板に接触しており、かつ、この緑色画素の末端のテーパー角度が70°以上であることを特徴とするカラーフィルタ。
  2. 前記緑色画素の色度分布に着目したもので、すなわち、前記緑色画素の色度分布が3/1000以内であることを特徴とする請求項1に記載のカラーフィルタ。
  3. 請求項1又は2に記載のカラーフィルタを製造する方法であって、透明基板上に前記緑色画素を形成した後、ブラックマトリクスを形成することを特徴とするカラーフィルタの製造方法。
  4. 請求項1又は2に記載のカラーフィルタを備える液晶表示装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018116150A (ja) * 2017-01-18 2018-07-26 株式会社ニコン 分光素子、固体撮像素子および分光素子の製造方法

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