JP2015031654A - アンバランス除去装置およびアンバランス除去方法 - Google Patents

アンバランス除去装置およびアンバランス除去方法 Download PDF

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Abstract

【課題】画一的な加工処理により、アンバランスを適切に除去する。【解決手段】アンバランス除去装置100は、回転体(ロータ)のアンバランスを検出するアンバランス検出部と、検出されたアンバランスに基づいて回転体における所定の加工対象部材(ナット)の複数の加工部位と、加工部位それぞれにおける加工量とを導出する加工導出部と、導出された加工部位を導出された加工量で加工する加工実行部とを備え、各加工部位における加工量や、その加工量がアンバランスを相殺する条件下で、目的関数(加工量の総量)が最小となる加工部位と加工量とを導出する。【選択図】図4

Description

本発明は、回転体のアンバランスを除去するアンバランス除去装置およびアンバランス除去方法に関する。
従来、シャフトの一端にタービンインペラが接合されたロータが、ベアリングハウジングに軸支された過給機が知られている。ロータのうち、シャフトの他端にはコンプレッサインペラがナット締めされ、エンジンから排出される排気ガスによってタービンインペラを回転させるとともに、このタービンインペラの回転によって、シャフトを介してコンプレッサインペラを回転させる。こうして、過給機は、コンプレッサインペラの回転に伴い空気を圧縮してエンジンに供給する。
このような過給機のロータ等の回転体は、精密化および高速化しており、回転時の振動や騒音を回避すべく回転体に生じるアンバランスの除去が行われる。アンバランスの除去処理としては、アンバランスを打ち消すように回転体の一部を切削することが行われている。例えば、コンプレッサインペラにおける翼と翼との間を切削することでアンバランスを除去する技術が公開されている(例えば、特許文献1)。かかる技術では、アンバランスを示すデータを算出し、翼の位置にアンバランス成分が重なる場合、翼がない部分にアンバランス成分を分解することが記載されている。
特開2012−37409号公報
従来のアンバランス除去処理では、アンバランスを除去する対象の加工対象部材における加工(切削)部位を導出したとしても、何らかの理由でその部位を切削することができなかったり、その部位が、既に切削されており、回転体の剛性上それ以上切削することができない場合がある。
このような場合、作業者の経験に頼って、導出した部位以外を切削することでアンバランスを除去できるが、その経験値によっては加工量が意図せず多くなり、回転体の剛性に影響を与えるのみならず、再度アンバランスを除去する際の加工可能範囲を狭める結果となる。
そこで本発明は、このような課題に鑑み、画一的な加工処理により、アンバランスを適切に除去可能なアンバランス除去装置およびアンバランス除去方法を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、回転体のアンバランスを除去する本発明のアンバランス除去装置は、回転体のアンバランスを検出するアンバランス検出部と、検出されたアンバランスに基づいて回転体における所定の加工対象部材の複数の加工部位と、加工部位それぞれにおける加工量とを導出する加工導出部と、導出された加工部位を導出された加工量で加工する加工実行部と、を備え、加工導出部は、各加工部位での加工量をm、m、…、m、回転体の回転軸を中心とした加工部位の回転角をθ、θ、…、θとした場合に、各加工部位における加工量≦各加工部位における最大加工量…(条件1)|mcosθ+mcosθ+…+mcosθ|が実部許容アンバランス範囲内…(条件2)|msinθ+msinθ+…+msinθ|が虚部許容アンバランス範囲内…(条件3)の制約条件下で、目的関数m+m+…+mが最小となる加工部位と加工量とを導出することを特徴とする。
加工対象部材は、回転体の回転軸を中心とする多角形の形状で形成され、加工部位は、多角形の頂点に位置してもよい。
アンバランス検出部および加工実行部のいずれか一方もしくは両方は、回転体の回転角を把握可能に撮像する画像センサを備えてもよい。
上記課題を解決するために、回転体のアンバランスを検出するアンバランス検出部と、検出されたアンバランスに基づいて回転体における所定の加工対象部材の複数の加工部位と、加工部位それぞれにおける加工量とを導出する加工導出部と、導出された加工部位を導出された加工量で加工する加工実行部とを有するアンバランス除去装置を用いて回転体のアンバランスを除去する本発明のアンバランス除去方法は、各加工部位での加工量をm、m、…、m、回転体の回転軸を中心とした加工部位の回転角をθ、θ、…、θとした場合に、各加工部位における加工量≦各加工部位における最大加工量…(条件1)|mcosθ+mcosθ+…+mcosθ|が実部許容アンバランス範囲内…(条件2)|msinθ+msinθ+…+msinθ|が虚部許容アンバランス範囲内…(条件3)の制約条件下で、目的関数m+m+…+mが最小となる加工部位と加工量とを導出することを特徴とする。
本発明によれば、画一的な加工処理により、アンバランスを適切に除去することが可能となる。
過給機の概略断面図である。 アンバランス除去装置を説明するための説明図である。 加工部位を説明するための説明図である。 加工部位を説明するための説明図である。 加工部位を説明するための説明図である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値等は、発明の理解を容易とするための例示にすぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
アンバランス除去装置は、回転体のアンバランスを除去する。本実施形態では、このような回転体として、過給機のロータ(タービン)を例に挙げる。以下では、まず、アンバランス除去の対象となる過給機を簡単に説明し、その後、過給機のアンバランスを除去するアンバランス除去装置を詳述する。
図1は、過給機1の概略断面図である。以下では、図に示す矢印L方向を過給機1の左側とし、矢印R方向を過給機1の右側として説明する。図1に示すように、過給機1は、ベアリングハウジング2と、ベアリングハウジング2の左側の一端面に締結ボルト3によって固定されるタービンハウジング4と、ベアリングハウジング2の右側の一端面に締結ボルト5によって固定されるコンプレッサハウジング6とを備えている。
ベアリングハウジング2には、過給機1の左右方向に貫通する軸受孔2aが形成されており、この軸受孔2aに設けられた軸受7によって、シャフト8が回転自在に軸支されている。シャフト8の左端部(一端)にはタービンインペラ9(インペラ)が一体的に固定されており、このタービンインペラ9がタービンハウジング4内に回転自在に収容されている。また、シャフト8の右端部(他端)にはコンプレッサインペラ10がナット11等の締結部材によって固定されており、このコンプレッサインペラ10がコンプレッサハウジング6内に回転自在に収容されている。こうして一体化されたシャフト8、タービンインペラ9およびコンプレッサインペラ10からなるロータは、軸受7に軸支されながら、過給機1内で回転する。
(アンバランス除去装置100)
図2は、アンバランス除去装置100を説明するための説明図である。アンバランス除去装置100は、アンバランス検出部と、加工導出部と、加工実行部とから構成される。以下、アンバランス検出部、加工導出部、加工実行部の順にその機能を説明する。
(アンバランス検出部)
アンバランス検出部は、架台110と、加速度センサ112と、回転体位置決め機構114と、角度センサ116と、制御演算部118とを含んで構成され、ロータ等の回転体のアンバランスを検出する。
架台110は、例えば、過給機1等、回転体が設けられた機構を固定支持する。本実施形態では、コンプレッサインペラ10がシャフト8に締結されているが、まだ、コンプレッサハウジング6がベアリングハウジング2に固定されていない状態でアンバランス除去処理(アンバランス除去方法)を行う。加速度センサ112は、ピックアップ等で構成され、架台110に取り付けられた状態で過給機1に生じる加速度を検出する。本実施形態では、架台110の加速度を検出することで、ロータの回転により生じる振動を検出することができる。かかる振動のうち、回転周期と同期する交流成分がロータのアンバランスに相当する。
回転体位置決め機構114は、ロータと連結され、角度センサ116とロータの回転角とが所定の位置関係になるようにロータを位置決めする。角度センサ116は、回転体位置決め機構114によって位置決めされた後、タービンインペラ9に気体を流通させることで回転するロータの回転角(位相)を検出する。角度センサ116は、ロータの回転に応じて変化する磁界を検出する磁気センサや、ロータの回転角を把握可能に撮像する画像センサ等で構成される。ここで、磁気センサや画像センサを簡単に説明する。
磁気センサでロータの回転角を検出する場合、ロータの回転によって磁界が変化するように、ロータの一部を予め着磁させておく必要がある。そして、磁気センサは、そのロータの回転による磁界の変化とロータとの回転角を対応付けて、磁界の変化を回転角に変換する。
ここで、着磁の対象として、例えば、コンプレッサインペラ10をシャフト8に締結するために用いられるナット11を用いることが考えられる。しかし、後述するように、本実施形態では、かかるナット11を加工対象部材として加工し、アンバランスを除去している。したがって、ナット11が加工されるとそれによってナット11に生じる磁界(磁極)が微小に変化し、ナット11による磁界と回転角との関係がずれ、すなわち、磁気センサで検出されるロータの回転角が本来の回転角に対してずれてしまう。すると、アンバランスに対して誤った加工がなされ、アンバランスが適切に除去できなくなるおそれがある。そこで、本実施形態では、着磁対象をナット11ではなく、シャフト8とし、着磁処理を工夫する。また、ナット11が磁気を帯びる原因となるナット11そのものの着磁や締結工具の着磁も防止する。
(1)まず、ロータのシャフト8に対して着磁を行う。(2)次に、ナット11を締結する締結工具を、脱磁器を通じて脱磁する。(3)次に、ナット11自体を、脱磁器を通じて脱磁する。(4)最後に、脱磁したナット11を脱磁した締結工具によって締結する。ここで、脱磁器は、架台110に固定されていてもよいし、着磁処理時にのみバッチ処理として組み込まれるとしてもよい。また、処理順は上記に限らず、(1)〜(3)の順は問わない。
こうして、シャフト8のみが着磁され、ナット11の着磁を極力抑えることができるので、アンバランス除去処理によってナット11が加工されたとしても、磁界の変化を最小限に抑えることができ、磁気センサは、高精度にロータの回転角を検出することができる。
また、磁気センサに加え、または代えて、画像センサによってロータの回転角を検出することができる。画像センサは、CCD(Charge-Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)等の撮像素子で構成され、例えば、ナット11の形状を形状パターンとして保持しておき、その形状パターンとのパターンマッチングを通じてナット11の回転角を得る。ただし、画像センサは、解像度によって回転角の分解能が粗かったり、パターンマッチング等の処理負荷によってリアルタイム性に欠ける場合があるので、ロータを高速に回転する場合、画像センサによる回転角を磁気センサで検出された回転角の補正値(原点誤差)として利用するとよい。かかる補正値は、磁気センサで検出された回転角と画像センサによる回転角との差分の平均値を相殺する値に設定される。このように磁気センサと画像センサとを組み合わせることで、ナット11の組み付け誤差や、磁気センサの検出誤差が生じたとしても、リアルタイムに高精度の回転角を導出することが可能となる。
制御演算部118は、中央処理装置(CPU)、プログラム等が格納されたROM、ワークエリアとしてのRAM等を含む半導体集積回路で構成され、加速度センサ112が検出した加速度と、角度センサ116が検出した回転角とを対応付け、角度に対する加速度の推移を求める。そして、ナット11の加工部位の加工量と加速度との関係を示す影響係数を用いてロータのアンバランスを求める。ここでは、アンバランスは、加工が必要な回転角と、加工(切削)すべき加工量とで表すことができる。
(加工導出部)
加工導出部は、制御演算部118で構成される。制御演算部118は、検出されたアンバランスに基づいてロータにおける所定の加工対象部材の複数の加工部位と、加工部位それぞれにおける加工量とを導出する。かかる加工部位と加工量との導出手順は後程詳述する。
(加工実行部)
加工実行部は、架台110と、角度センサ116と、制御演算部118と、加工部120とを含んで構成され、ロータの回転方向の位置決めを行い、導出された加工部位を、導出された加工量で加工する。ただし、架台110、角度センサ116、および、制御演算部118については、アンバランス検出部において既に説明したので、その詳細な説明は省略する。
加工部120は、エンドミル等の切削工具で構成され、ロータの回転軸方向からロータの一部、例えば、加工対象部材としてのナット11を加工する。
具体的な動作として、加工実行部では、まず、導出された複数の加工部位の回転角と加工量とを取得する。そして、角度センサ116がその回転角を検出した位置でロータを回転不能に固定する。続いて、加工部120を用い、加工部位を、取得した加工量だけ切削する。ただし、本実施形態では、後述するように、加工部位を多角形(6角形)の頂点としているので、回転角さえ定まれば、回転軸から加工部位までの距離は等しくなる。したがって、加工部120と回転軸との距離を調整する必要はなく、加工実行部は、加工部位における加工部120の加工時間(タクトタイム)のみ考慮すればよい。
(加工部位の説明)
図3〜図5は、加工部位を説明するための説明図である。上述したように、本実施形態では、加工対象部材としてナット11を用いている。ナット11は、締結軸(回転軸)20に対して点対称な形状をしておりバランスがとれた部材ではあるものの、多角形なので、その外形と締結軸20との距離が均一にはなっていない。このような多角形の部材に対してアンバランスを単純に除去する場合、アンバランスとなっている加工部位を切削するのが望ましいが、加工部位の位置によって加工(切削)する断面形状や断面積も異なる。
例えば、図3(a)および図3(b)に示すようにナット11の締結強度を確保するために、加工部位は、締結軸20から所定範囲離隔した破線で示した境界22外に限られる。したがって、加工部120が一点鎖線で示した加工軌跡24を通ってナット11を切削すると、加工部位の断面形状は、ハッチングで示した形状となり、図3(a)および図3(b)に示すように、加工部位に応じて断面形状や断面積が異なるのが理解できる。そして、加工部位の断面積が異なると、加工量が等しかったとしても、その加工時間が異なることとなる。また、アンバランスに対応する正確な加工量で加工するためには、加工部位から正確な断面積と加工時間を導出しなければならず、煩雑な計算により処理時間を費やすこととなってしまう。
また、アンバランス除去処理が過去に実行されている場合、すなわち、今回のアンバランス除去処理が再処理である場合において、今回加工対象となる加工部位と微妙にずれた部位が既に加工されており、既に加工されている加工部位と今回の加工部位とが一部重なっていると、その部位の加工量等を把握することができず、今回のアンバランス除去処理における加工量をナット11の実際の加工量として正確に反映することができない。
そこで、本実施形態では、加工部位を、境界22外において断面積が最大となる図4(a)のような多角形の頂点に統一し、その加工後の形状は、頂点を中心とした扇型となるようにする。したがって、加工部位は、図4(a)にハッチングで示した6つの頂点に絞られ、締結軸20からの距離も等しくなる。例えば、図4(b)のようなアンバランスが導出されている場合、その近傍(±90度以内)にある複数の頂点、ここでは2つの頂点A、Bに対してアンバランスを分解し、分解されたそれぞれの加工量で各加工部位(頂点)を加工する。したがって、図4(b)の例では、加工部位の断面形状および断面積は等しくなり、頂点Bの加工時間が頂点Aの加工時間より長くなる(頂点Bの加工量が頂点Aより大きい)。
かかる加工部位を多角形の頂点に絞る構成により、加工部位の形状を考慮することなく、加工量を画一的に求めることができるので、複雑な計算を行うことなく処理負荷を軽減すると共に、加工誤差を削減することが可能となる。
また、加工部位を多角形の頂点とすることで、加工部位の断面積を大きくとることができ、すなわち、加工時間を短縮することができる。また、加工時間が短いということは、加工部位における最大加工量に対して裕度が高い、すなわち、残りの加工可能範囲が大きいこととなり、次にアンバランス除去を行う場合の加工量を大きくとることが可能となる。
さらに、アンバランス除去処理が過去に実行されていた場合であっても、過去の加工部位と今回の処理における加工部位が一致するので、過去の加工量をその深さによって正確に把握することができ、過去の加工位置から相対的に導出された深さだけ加工すれば足りることとなる。したがって、過去のアンバランス処理の有無に拘わらず、アンバランスを適切に除去することが可能となる。
(加工量の最適化)
ただし、アンバランスを複数の頂点に分解するとなると、その解は無数となる。したがって、本実施形態では、下記の目的関数を満たす加工量を導出する。
加工導出部は、図5(a)のように、各加工部位での加工量をm、m、…、m、加工部位のロータの回転軸を中心とした回転角をθ、θ、…、θとした場合に(nは整数、ただし、ここでは6)、以下の制約条件下で、目的関数m+m+…+mが最小となる加工部位と加工量とを導出する。
各加工部位における加工量≦各加工部位における最大加工量…(条件1)
|mcosθ+mcosθ+…+mcosθ|が実部許容アンバランス範囲内…(条件2)
|msinθ+msinθ+…+msinθ|が虚部許容アンバランス範囲内…(条件3)
ただし、実部許容アンバランス範囲は、アンバランスが許容される範囲の実部成分を示し、虚部許容アンバランス範囲は、アンバランスが許容される範囲の虚部成分を示す。なお、同一の加工対象部材における複数の加工部位同士の位置関係について、回転軸(回転中心)からの径方向の距離がそれぞれ異なる場合、条件2および条件3の各項に、例えば、「αmcosθ+βmcosθ+…」等、その径方向の距離に対応する補正係数(ここではαやβ)を乗じることで、アンバランスを算出してもよい。
上記の加工量の最適化手法を用いることで、例えば、図5(b)の如く、アンバランスを近傍の2つの加工部位に分解し、目的関数である頂点の加工量の総和m+mが小さくなるように加工量m、mや回転角θ、θを求めることができる。
また、上記の加工量の最適化手法は、条件1により、アンバランス除去処理が過去に実行されていた場合に特に有効に働く。すなわち、アンバランスの近傍の2つの加工部位のうち、少なくとも1の加工部位が既にアンバランス除去処理によって加工が為されており、例えば、図5(c)のように、一方の加工量mが既に最大加工量に達していたとする。すると、その一方の加工量mについては条件1により加工量が0となるので、さらに他の加工部位の加工量mや回転角θが参照される。
こうして、過去のアンバランス処理の有無に拘わらず、各加工部位の加工量を最適に導き出し、アンバランスを適切に除去することが可能となる。さらに、複数の加工部位を最適に参照することで、最小の加工回数でアンバランスを除去でき、処理負荷を軽減するとともに、加工時間を短縮することが可能となる。
ここでは、当該加工量の最適化手法をナット11に適用する例を挙げて説明しているが、コンプレッサインペラ10を加工対象部材とした場合、コンプレッサインペラ10の翼の中間をそれぞれ加工部位として適用することも可能である。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、上述した実施形態では、回転体として過給機のロータを挙げているが、かかる場合に限らず、ガスタービンや圧縮機あるいはモータ類等、様々な回転機器の回転部位を対象とすることができる。
また、上述した実施形態では、加工対象部材としてシャフト8にコンプレッサインペラ10を締結するためのナット11を挙げているが、かかる場合に限らず、ロータ(回転体)における様々な部位を対象とすることができる。
本発明は、回転体のアンバランスを除去するアンバランス除去装置およびアンバランス除去方法に利用することができる。
11 ナット(加工対象部材)
100 アンバランス除去装置

Claims (4)

  1. 回転体のアンバランスを除去するアンバランス除去装置であって、
    前記回転体のアンバランスを検出するアンバランス検出部と、
    検出されたアンバランスに基づいて前記回転体における所定の加工対象部材の複数の加工部位と、該加工部位それぞれにおける加工量とを導出する加工導出部と、
    導出された前記加工部位を導出された前記加工量で加工する加工実行部と、
    を備え、
    前記加工導出部は、各加工部位での加工量をm、m、…、m、前記回転体の回転軸を中心とした前記加工部位の回転角をθ、θ、…、θとした場合に、
    各加工部位における加工量≦各加工部位における最大加工量…(条件1)
    |mcosθ+mcosθ+…+mcosθ|が実部許容アンバランス範囲内…(条件2)
    |msinθ+msinθ+…+msinθ|が虚部許容アンバランス範囲内…(条件3)
    の制約条件下で、目的関数m+m+…+mが最小となる前記加工部位と前記加工量とを導出することを特徴とするアンバランス除去装置。
  2. 前記加工対象部材は、前記回転体の回転軸を中心とする多角形の形状で形成され、
    前記加工部位は、前記多角形の頂点に位置することを特徴とする請求項1に記載のアンバランス除去装置。
  3. 前記アンバランス検出部および前記加工実行部のいずれか一方もしくは両方は、前記回転体の回転角を把握可能に撮像する画像センサを備えることを特徴とする請求項1または2に記載のアンバランス除去装置。
  4. 回転体のアンバランスを検出するアンバランス検出部と、検出されたアンバランスに基づいて該回転体における所定の加工対象部材の複数の加工部位と、該加工部位それぞれにおける加工量とを導出する加工導出部と、導出された該加工部位を導出された該加工量で加工する加工実行部とを有するアンバランス除去装置を用いて該回転体のアンバランスを除去するアンバランス除去方法であって、
    各加工部位での加工量をm、m、…、m、前記回転体の回転軸を中心とした前記加工部位の回転角をθ、θ、…、θとした場合に、
    各加工部位における加工量≦各加工部位における最大加工量…(条件1)
    |mcosθ+mcosθ+…+mcosθ|が実部許容アンバランス範囲内…(条件2)
    |msinθ+msinθ+…+msinθ|が虚部許容アンバランス範囲内…(条件3)
    の制約条件下で、目的関数m+m+…+mが最小となる前記加工部位と前記加工量とを導出することを特徴とするアンバランス除去方法。
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