JP2015031118A - 引張部材と引張力伝達部材の定着構造、グラウンドアンカー、並びに、テンドングリップ - Google Patents

引張部材と引張力伝達部材の定着構造、グラウンドアンカー、並びに、テンドングリップ Download PDF

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Abstract

【課題】たとえ樹脂製のテンドングリップを使用したとしても、容易に樹脂繊維ワイヤーを定着できる定着構造を提供する。
【解決手段】テンドングリップ2と樹脂繊維ワイヤー3の定着構造であって、テンドングリップ2は、内外に連通した内部空間8を有し、樹脂繊維ワイヤー3は、外力によって引張力が発生するものであり、樹脂繊維ワイヤー3の一部は、内部空間8内に配された状態で膨張硬化材が内部空間8に充填されて、テンドングリップ2と一体的に接合されるものであり、伝熱性を有した伝熱部材5を有し、テンドングリップ2と樹脂繊維ワイヤー3とを一体的に接合する際に、伝熱部材5の一部を内部空間8に配するとともに、残部を内部空間8から露出させた状態で、樹脂繊維ワイヤー3とともにテンドングリップ2に接合する構造とする。
【選択図】図3

Description

本発明は、引張部材と引張力伝達部材の定着構造に関するものである。また、本発明は、引張部材と引張力伝達部材の定着構造を一部に備えるグラウンドアンカーに関するものである。さらに、グラウンドアンカーの一部を形成するテンドングリップに関するものである。
従来から、地下鉄や道路、共同溝、並びに、下水道等(以下、地下鉄等ともいう)のトンネル工事として、シールド掘削機を利用した、シールド工法が広く採用されている。
一般的に、このシールド工法は、まず、開切工法によって、縦穴たる立坑(発進立坑)を形成し、この発進立坑から地下にシールド掘削機を運び込み、そのシールド掘削機で発進立坑の掘削側面を掘削して、横方向に発進し、目的地点たる終点までトンネルを掘削する工法である。
なお、通常、このようなシールド工法においては、トンネルの目的地点たる終点に、前記した発進立坑と同様の縦穴(到達立坑)が形成され、その到達立坑にシールド掘削機を到達させる。
ところで、開切工法によって形成された発進立坑や到達立坑(以下、総称して立坑ともいう)の側面には、土圧や水圧(以下、土圧等という)による当該壁面の崩壊や、当該壁面からの地下水流出を防止するため、鉄筋コンクリートや、溝矢板、あるいは、H型鋼等を用いた仮壁たる土留め壁が構築される。また、場合によっては周辺地盤の地盤改良等の対策も講じられる。
このように、シールド工法の立坑においては、土圧等に対抗して空間を保持するための土留め壁が設けられる。また、こうして形成された土留め壁には、通常、シールド掘削機が発進・到達する際に開口を形成しなければならない(所謂鏡切り)。そして、従来から、このような土留め壁の鏡切りの作業に対しては、重機や人力による手段がとられている。一方で、土留め壁は、前記したように、土圧等に対抗するように設けられるものであるため、開口等を設けると、対抗力を低下させるおそれがある。
このような事情により、工事現場においては、作業時の安全性への不安や、工期の長期化、並びに、施工費の増大等を招いていた。
そこで、近年では、立坑の土留め壁に、繊維で補強された樹脂成形体(FRP:Fiber Reinforced Plastics)等により構成された部材を組み込み、このFRPの部分(切削可能領域)をシールド掘削機で直接的に切削するシールド工法が実施されている(SEW工法:Shield Earth Retaining Wall System)。
しかしながら、従来のSEW工法においては、切削可能領域を備えた土留め壁を、所定以上の土圧等が発生する環境下には採用することが困難であった。すなわち、地上から一定以上深い大深度の環境においては、土留め壁に加わる土圧等が過剰に大きくなり、その土留め壁の一部たる切削可能領域の撓み量が著しく増大するため、施工性の低下や、安全上の問題が懸念されていた。また、切削可能領域を所定の大きさ以上にする場合(大断面化)においても、同様の問題が懸念されていた。
そこで、このような環境下においても、SEW工法の採用を可能にするべく、切削可能領域にグラウンドアンカー部材を設けて、このグラウンドアンカー部材によって、切削可能領域の強度を間接的に補強する策(以下、アンカー補強策という)がある。
このアンカー補強策は、テンドングリップと樹脂繊維ワイヤーを備えたグラウンドアンカーを用いて、切削可能領域を補強する策である。
すなわち、グラウンドアンカーの大部分を切削可能領域と土留め壁の周囲を覆う地盤とに跨るように配し、その状態で、立坑の内側から受圧板等の緊張補助手段を用いて、その樹脂繊維ワイヤー等に引張力を発生させ、テンドングリップ及び受圧板を介して前記引張力の反力で切削可能領域を補強する方策である。この方策によれば、SEW工法の施工容易性を確保することができる。
通常、このテンドングリップは鋼製であるため、グラウンドアンカーとして取り付けた状態では、立坑(特に、到達立坑)を補強する土留め壁の切削可能領域をシールド掘削機によって掘削することができず、掘削時には、テンドングリップをグラウンドアンカーから除去する必要がある。
そこで、本出願者は、テンドングリップをグラウンドアンカーから除去する方策を提案した(特許文献1)。この特許文献1の方策は、テンドングリップを除去するために、受圧板上に養生台を設置することによって、テンドングリップの高さをかさ上げしている。すなわち、樹脂繊維ワイヤーとテンドングリップの接続部位を地盤から露出させることによって、樹脂繊維ワイヤーとテンドングリップの接続部位からテンドングリップを切除できるようにしている。この構造を採用することによって、立坑を補強する土留め壁の切削可能領域をシールド掘削機によって掘削する直前に、養生台や受圧板、テンドングリップなどを補強部位から取り除くことができ、シールド掘削機によって土留め壁の切削可能領域の掘削を可能としている。
特開2013−15006号公報
鋼製のテンドングリップを用いた場合、特許文献1の方策を取るためには、鋼製のテンドングリップの位置をかさ上げする必要があり、養生台を設置する工程が必要となる。この工程は、グラウンドアンカーによる補強という観点では全く寄与しないため、できれば、この工程を省きたいという要望がある。
そこで、本発明者は、この要望に対して、鋼製のテンドングリップの代わりに樹脂製のテンドングリップを使用することによって、特許文献1に記載されているような養生台を設置する工程を省くことを試みた。
しかしながら、樹脂製のテンドングリップを使用するにあたって、テンドングリップと樹脂繊維ワイヤーとの定着する際に不具合が生じた。
この不具合について詳説すると、従来、コスト面及び強度面を充足する観点から、樹脂繊維ワイヤーは、膨張モルタルによってテンドングリップに取り付けられている。この膨張モルタルは、所定の温度(噴出温度)に達すると、膨張モルタルの反応により生じる水蒸気によって、膨張モルタルが噴出してしまう現象(以下、噴出現象ともいう)が生じる。
従来のように鋼製のテンドングリップを使用した場合には、テンドングリップ自身が熱伝導性を有するため、テンドングリップ自身によって膨張モルタルの養生時の反応熱を外部に逃がすことができ、膨張モルタルは、噴出温度に達することはない。
しかしながら、樹脂製のテンドングリップを用いると、鋼製のテンドングリップを使用した場合に比べて熱伝導率が低いため、膨張モルタルの養生時の反応熱が逃げにくい。
そのため、鋼製のテンドングリップと同様の構成・養生条件では、膨張モルタルの反応熱によって上記した噴出温度に達し、テンドングリップに樹脂繊維ワイヤーを定着できないという問題が発生した。
そこで、本発明は、たとえ樹脂製のテンドングリップ(引張部材)を使用したとしても、容易に樹脂繊維ワイヤー(引張力伝達部材)を定着できる引張部材と引張力伝達部材の定着構造を提供する。また、養生台を用いずにSEW工法が可能なグラウンドアンカーを提供する。
上記した課題を解決するための請求項1に記載の発明は、構造体を地盤に対して安定化させるグラウンドアンカーの一部を形成する引張部材と引張力伝達部材の定着構造であって、引張部材は、内外に連通した空間を有し、引張力伝達部材は、外力によって引張力が発生するものであり、引張力伝達部材の一部は、前記空間内に配された状態で膨張硬化材が当該空間に充填されて、引張部材と一体的に接合されるものであり、伝熱性を有した伝熱部材を有し、引張力伝達部材と引張部材とを一体的に接合する際に、前記伝熱部材の一部を前記空間に配するとともに、残部を前記空間から露出させた状態で、引張力伝達部材とともに引張部材に接合したことを特徴とする引張部材と引張力伝達部材の定着構造である。
本発明の構成によれば、引張力伝達部材の一部は、引張部材の空間内に配された状態で膨張硬化材が当該空間に充填されて、引張部材と一体的に接合されるものであり、その際に、伝熱部材の一部を引張部材の空間に配するとともに、残部を引張部材の空間から露出させた状態で、引張力伝達部材とともに引張部材に接合した構造を取っている。すなわち、引張部材の内部の空間内に引張力伝達部材と伝熱部材のそれぞれの一部を設置し、膨張モルタル等の膨張硬化材を充填して接合している。そのため、膨張硬化材が硬化する際に発生する熱を、伝熱部材によって、引張部材の空間外部に逃がすことができ、膨張硬化材が硬化する際に発生する熱が蓄積することによる空間内(特に膨張硬化材)の温度上昇を抑えることができる。言い換えると、伝熱部材によって、伝熱部材の空間内外の熱伝導経路が形成されており、たとえ、引張力伝達部材が樹脂製であっても、当該熱伝導経路によって熱を逃がすことができ、膨張硬化材が噴出温度にまで温度が上昇することを防止することができる。
このように、本発明の構成によれば、たとえ樹脂製の引張部材を用いたとしても、膨張硬化材の噴出現象が起こりにくく、容易に引張部材と引張力伝達部材を定着した構造となる。
請求項2に記載の発明は、前記引張部材は、繊維によって補強された樹脂製であり、当該繊維の延伸方向は、前記引張力伝達部材の引張力の方向と同一方向を向いていることを特徴とする請求項1に記載の引張部材と引張力伝達部材の定着構造である。
本発明の構成によれば、引張部材は、繊維によって補強された樹脂製であるため、シールド切削機等で引張部材を取り付けたまま直接切削することができる。
また、本発明の構成によれば、繊維の延伸方向は、引張力伝達部材の引張力の方向と同一方向を向いているため、引張部材は、引張力伝達部材の引張力に対して十分な引張強度を維持できる。
請求項3に記載の発明は、前記膨張硬化材は、膨張モルタルを主成分とするものであり、引張力伝達部材と引張部材とを一体的に接合する間の膨張硬化材の温度は、摂氏10度以上摂氏60度以下に維持されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の引張部材と引張力伝達部材の定着構造である。
本発明の構成によれば、養生時の膨張硬化材の温度は、摂氏10度以上摂氏60度以下に維持されている。
膨張硬化材の温度が摂氏10度未満の場合、膨張硬化材の主成分たる膨張モルタルの反応が十分進まない。膨張硬化材の温度が摂氏60度より高い場合、膨張硬化材内の膨張モルタルが反応しすぎて、膨張モルタルの反応により生じる水蒸気によって、膨張硬化材が噴出してしまうおそれがある。
請求項4に記載の発明は、前記伝熱部材は、筒状体又は板状体であって、かつ、平均厚みが0.5mm以上1.5mm以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の引張部材と引張力伝達部材の定着構造である。
本発明の構成によれば、伝熱部材は、筒状体又は板状体であって、かつ、平均厚みが0.5mm以上1.5mm以下である。
伝熱部材の平均厚みが0.5mm未満の場合、薄すぎて、膨張圧に耐えきれず座屈してしまうおそれがあり、伝熱部材の平均厚みが1.5mmより厚い場合、厚すぎて、例えば、SEW工法に用いた場合にシールド掘削機による掘削の妨げになるおそれがある。
ところで、従来、鋼製のテンドングリップは、構造体を地盤に対して安定化させる際に、対をなすテンドンナットを係合させて、引張力伝達部材を引張力が発生した状態に維持する。すなわち、テンドングリップの表面は、ねじ切りされており、テンドンナットと螺合可能となっていることが多い。
そこで、発明者らは、樹脂製のテンドングリップにおいても、従来の鋼製のテンドングリップのピッチ(2mm〜3mm程度)と同程度のピッチでねじ切りしたテンドングリップを試作した。
しかしながら、樹脂製のテンドングリップと樹脂製のテンドンナットを係合し、固定すると、引張力伝達部材から受ける引張力によって、テンドングリップとテンドンナットのねじ切りされた部位に集中的に力が加わり、これらのねじ切りされた部位の一方又は両方が破断される場合があった。また、テンドングリップとテンドンナットは、ともに樹脂製であるため、ねじ切りされた部位が一度破断すると、当該破断部位を起点として、破断部位が拡大するという結果となった。
そこで、発明者は鋭意研究を重ねた結果、テンドングリップのねじ切りのピッチが所定の値以上になると、テンドンナットと係合し、引張力伝達部材に引張力を発生させた場合であっても当該引張力に耐えうる強度を持つことを発見した。
すなわち、請求項5に記載の発明は、前記引張部材は、樹脂製であって、本体部を有し、当該本体、円筒状であって、その外周面にねじ切り加工されたねじ切り部を有し、当該ねじ切り部のピッチは、4mm以上であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の引張部材と引張力伝達部材の定着構造である。
本発明の構成によれば、ねじ切り部のピッチが4mm以上である。すなわち、従来の鋼製のテンドングリップのピッチ(2mm〜3mm程度)に比べて、あえて大きなピッチとしている。
ピッチが4mm未満であれば、テンドンナットから受ける力に耐えきれず、ネジ切り部から破断するおそれがある。
ねじ切り部のピッチは、5mm以上10mm以下であることが好ましい。この範囲であれば、より強度を維持できるとともに、テンドンナットを回しやすい。
請求項6に記載の発明は、請求項1乃至5のいずれかに記載の引張部材と引張力伝達部材の定着構造を備えたグラウンドアンカーであって、シールド掘削機によって切削可能な切削予定領域を備えた立坑の側壁たる土留め壁を補強することを特徴とするグラウンドアンカーである。
本発明の構成によれば、引張部材として樹脂製のものが使用できるため、特許文献1とは異なり、養生台を用いずに、従来のような切削予定領域を備えた立坑の側壁たる土留め壁を補強することができる。すなわち、掘削工程を簡略化することができる。
請求項7に記載の発明は、構造体を地盤に対して安定化させるグラウンドアンカーの一部を形成し、外力によって引張力が発生する引張力伝達部材と定着されるテンドングリップにおいて、内外に連通した空間を有し、引張力伝達部材の一部を前記空間内に配した状態で膨張硬化材が当該空間に充填されて、一体的に接合されるものであり、樹脂によって形成されていることを特徴とするテンドングリップである。
本発明の構成によれば、樹脂によって形成されているため、シールド切削機等によってテンドングリップごと切削可能である。そのため、作業性が高い。
本発明の引張部材と引張力伝達部材の定着構造によれば、樹脂製のテンドングリップであっても、容易に定着可能である。
本発明のグラウンドアンカーによれば、樹脂製のテンドングリップであっても、使用できるので、養生台を用いずに切削予定領域を備えた立坑の側壁たる土留め壁を補強することができる。
本発明の第1実施形態に係るグラウンドアンカーを土留め壁に設置した状態を示す概念図である。 図1に示すグラウンドアンカーを示す分解斜視図である。 図2の定着構造を表す斜視図である。 図3に示すテンドングリップを示す縦断面図である。 図1のグラウンドアンカーを示す縦断面図である。 図1に示す定着構造を形成する際の工程図であり、(a)は、テンドングリップに樹脂繊維ワイヤー及び伝熱部材を挿入した状態を表す斜視図であり、(b)は、(a)の状態に膨張硬化材を導入した状態を表す斜視図であり、(c)は、(b)の膨張硬化材が硬化させて膨張硬化部を形成した状態を表す斜視図である。 図1のテンドングリップに膨張硬化材を導入し、硬化する際の説明図である。 アンカー補強領域を示す正面図である。 グラウンドアンカーの施工方法を具体的に示した説明図であり、(a)はアンカー固定穴にグラウンドアンカーを挿通した状態を示し、(b)はアンカー固定穴に外側用定着材を注入した状態を示し、(c)は受圧板をセットした状態を示している。 グラウンドアンカーの施工方法を具体的に示した説明図であり、(a)はナット部材を受圧板側に締め付けた状態を示し、(b)は自由長部シースに内側用定着材を注入して固められた状態を示している。 SZパイル工法に用いられる土留め壁の要部を示す斜視図である。 NOMST(登録商標)工法に用いられる土留め壁の要部を示す斜視図である。 本発明の実施例1の定着構造の測定環境を表す概念図である。 本発明の実施例1の定着構造における経過時間に対する膨張硬化材の温度を表すグラフである。 本発明の実施例1の定着構造における経過時間に対する膨張圧を表すグラフである。 本発明の実施例2の試験体を反力フレームに取り付けた状態を表す説明図であり、(a)は、正面図であり、(b)は、反力フレームを除いた側面図である。 本発明の実施例2の定着構造における経過時間に対する緊張力を表すグラフである。
以下に、本発明の実施形態に係るグラウンドアンカー1について説明する。
本発明の第1実施形態のグラウンドアンカー1は、シールドトンネルを掘削するにあたって形成される立坑30の土留め壁31(構造体)を、補強して安定化すると共に、掘削時においては、シールド掘削機Sによって土留め壁31と共に容易に切削できる機能を備えたものである。
本実施形態のグラウンドアンカー1は、のり面補強にも使われるアンカーであり、図1に示すように、仮壁切削工法たるSEW工法(Shield Earth Retaining Wall System)に用いられる土留め壁31の切削部分(以下において切削可能領域41ともいう)の補強に適したものである。
すなわち、本実施形態のグラウンドアンカー1の大部分は、図1に示すように、シールド掘削機Sによって直接的に切削可能な切削可能領域41(切削予定領域)に挿設されており、受圧板26を介して切削可能領域41を押圧することによって切削可能領域41が立坑30内に崩れることを防止するものである。
本実施形態のグラウンドアンカー1は、図2のようにテンドングリップ2(引張部材)と樹脂繊維ワイヤー3(引張力伝達部材)が接続された定着構造10を有しており、そこに特徴を有している。
そこで、グラウンドアンカー1の全体の構造に先立って、グラウンドアンカー1の特徴部位たる定着構造10について説明する。
定着構造10は、図3のようにテンドングリップ2と、樹脂繊維ワイヤー3と、伝熱部材5と、膨張硬化部6から形成されている。
また、テンドングリップ2は、図4のように内側に樹脂繊維ワイヤー3及び伝熱部材5の一部を挿入可能な内部空間8を有している。この内部空間8はテンドングリップ2の内外に連通した空間である。
テンドングリップ2は、図4のように本体部22と、接続部23から形成されている。
本体部22及び接続部23は、図3,図4から読み取れるように、ともに円筒状をしており、本体部22の内周面と接続部23の内周面は面一となっている。
本体部22及び接続部23のそれぞれの内周面に囲まれた空間は、連通して内部空間8を形成している。すなわち、テンドングリップ2は、テンドングリップ2を軸方向lに貫通した貫通孔を有している。
本体部22の外径は、図4のように接続部23よりも大きくなっており、本体部22の外周面と接続部23の外周面は段状に連続している。
本体部22の外周面には、ネジ切り加工が施されており、テンドンナット7と螺合可能なねじ切り部24を有している。すなわち、本体部22は、テンドンナット7と締結可能である。
この締結状態において、テンドンナット7を周方向に回転させることによって、テンドンナット7を軸方向にスライド可能となっている。
図4に示されるねじ切り部24のピッチL1は、4mm以上10mm以下となっており、強度の観点から5mm以上10mm以下であることが好ましい。
ねじ切り部24の高さH1は、2.5mm以上6.5mm以下となっており、3.0mm以上6.5mm以下であることが好ましい。
これらの範囲であれば、テンドンナット7から受ける力に耐えることができる。
接続部23の外周面は、一方の端部に自由長シース15の内周面と係合可能となっている。
テンドングリップ2は、FRPによって形成された樹脂成形品である。なお、テンドングリップ2は、炭素繊維等の他の繊維によって強化された樹脂成形品を採用したものであっても構わない。
テンドングリップ2は、繊維の配向がほぼ軸方向及び周方向に揃うように設計されている。すなわち、テンドングリップ2は、グラウンドアンカー1の長手方向と交差する方向に作用する力の曲げモーメントに対する剛性が高い部材である。一方で、テンドングリップ2は、強化繊維ガラス製であるため、シールド掘削機Sの切削による破壊が容易であり、切削容易性を備えた部材でもある。すなわち、テンドングリップ2は、力の曲げモーメントに対する剛性が高く、切削容易性を備えた部材である。
樹脂繊維ワイヤー3は、図3のように可撓性と切削容易性を有した綱状体である。
樹脂繊維ワイヤー3の材質としては、繊維補強された樹脂であれば特に限定されないが、本実施形態では、極めて引っ張り強度が高く軽量である観点から、炭素繊維で補強された熱硬化性樹脂を採用している。なお、各樹脂繊維ワイヤー3を構成する芯線としては、ガラス繊維を有するものであっても構わない。
また、本実施形態の樹脂繊維ワイヤー3は、繊維の方向がほぼ軸方向(グラウンドアンカー1の長手方向)に揃うように設計されている。すなわち、樹脂繊維ワイヤー3は、グラウンドアンカー1の長手方向に作用する引張力に対する強度が高い部材である。一方で、樹脂繊維ワイヤー3は、強化繊維がカーボン製であるため、シールド掘削機Sの切削による破壊が容易であり、切削容易性を備えた部材でもある。
樹脂繊維ワイヤー3は、図5のように、自由長部11と、定着長部12を有している。
自由長部11は、土留め壁31を補強した際に、テンドングリップ2に作用する引張力を定着長部12に伝達する部位である。
定着長部12は、図9(c)のように土留め壁31を補強した際に、外側用定着材20を介して地盤又は地盤と一体となす部位である。すなわち、定着長部12は、土留め壁31を補強した際に、外側用定着材20によって移動が規制されている部位である。
伝熱部材5は、伝熱性を有し、テンドングリップ2と樹脂繊維ワイヤー3を膨張硬化材9によって定着する際に発生する熱をテンドングリップ2の外部に逃がす部材である。
また、伝熱部材5は、図3,図5から読み取れるように長尺状であって薄肉の筒状体であり、図10(a),図10(b)から読み取れるように樹脂繊維ワイヤー3の自由長部11が収納された自由長シース15内に内側用定着材19を導入する導入経路としても機能する部材である。
伝熱部材5の平均厚み(肉厚)は、0.5mm以上1.5mm以下であることが好ましい。
伝熱部材5の平均厚みが0.5mm未満の場合、薄すぎて、膨張圧に耐えきれず座屈してしまうおそれがあり、伝熱部材5の平均厚みが1.5mmより厚い場合、厚すぎて、シールド掘削機による掘削の妨げになるおそれがある。
伝熱部材5の外径は、10mm以上20mm以下であることが好ましく、14mm以上18mm以下であることがより好ましい。
伝熱部材5は、上記したように自由長シース15内への内側用定着材19の導入経路としても機能するため、伝熱部材5の外径が10mm未満になると、外径が小さすぎて、内側用定着材19を注入する経路が十分に確保できないおそれがある。また伝熱部材5の外径が20mmより大きくなると、外径が大きすぎて、テンドングリップ2内へ樹脂繊維ワイヤー3を設置しにくくなるおそれがある。
伝熱部材5は、高熱伝導性を有した素材で形成されており、上記したように熱を逃がす機能を有する。
具体的には、伝熱部材5は、金属製であり、本実施形態では、上記した伝熱部材5の平均厚みであっても、十分な強度を有し、比較的コストが安価である観点から鋼製となっている。
膨張硬化部6は、図3のようにテンドングリップ2と樹脂繊維ワイヤー3と伝熱部材5を一体的に接合する部位であって、膨張硬化材9を硬化させて形成される部位である。
膨張硬化材9は、化学反応を利用した接着材であり、樹脂繊維ワイヤー3及び伝熱部材5のそれぞれの一部をテンドングリップ2に接合可能となっている。
膨張硬化材9は、硬化時(養生時)に膨張して硬化する流動体であり、本実施形態では、膨張モルタルを主成分とする硬化材を採用している。
続いて、定着構造10の各部位の位置関係について、定着構造10の形成手順に沿って説明する。
図6(a)に示されるように、テンドングリップ2の内部空間8に1又は複数本(本実施形態では6本)の樹脂繊維ワイヤー3の一部と、伝熱部材5の一部を挿入する。
このとき、樹脂繊維ワイヤー3の一部及び伝熱部材5の一部は、テンドングリップ2の内部空間8内に位置し、樹脂繊維ワイヤー3の残りの部分(残部)及び伝熱部材5の残りの部分は、テンドングリップ2の内部空間8の外部に位置している。
また、伝熱部材5は、図5から読み取れるように、テンドングリップ2の中心軸上に位置しており、その周りを囲むように樹脂繊維ワイヤー3が配されている。テンドングリップ2の中心軸nを中心として、各樹脂繊維ワイヤー3は、周方向に等間隔に並列している。すなわち、伝熱部材5と各樹脂繊維ワイヤー3の距離は、いずれもほぼ等しい。
次に、図6(b)のように、テンドングリップ2の内部空間8に膨張硬化材9を注入し、硬化(養生)して、図6(c)のように、膨張硬化部6を形成して、定着構造10が形成される。
このとき、図5のように、テンドングリップ2の内部空間8内に位置する伝熱部材5と各樹脂繊維ワイヤー3の隙間に膨張硬化材9が充填された状態で、硬化している。
また、このときの養生温度は、摂氏10度以上摂氏60度以下であることが好ましい。
膨張硬化材9の温度が摂氏10度未満の場合、膨張硬化材9の主成分たる膨張モルタルの反応が十分進まない。膨張硬化材9の温度が摂氏60度より高い場合、膨張硬化材9内の膨張モルタルが反応しすぎて、膨張モルタルの反応により生じる水蒸気によって、膨張硬化材9が噴出してしまうおそれがある。
さらにこのとき、上記した養生温度を制御するために、図7のように、伝熱部材5の内部に冷却水を導入しており、所定の間隔で、伝熱部材5の内部に冷却水を新たな冷却水を置換している。
すなわち、入水口70から冷却水を伝熱部材5の内部に導入し、吸水口71から伝熱部材5の内部を吸引する。
なお、入水口70と吸水口71をポンプ等の循環手段に接続し、伝熱部材5の内外で冷却水を循環させることによって、上記した養生温度を制御してもよい。
グラウンドアンカー1全体の構造に注目すると、グラウンドアンカー1は、図2,図5から読み取れるように、上記した定着構造10と、自由長シース15と、止水材16と、フリクションパッカー17と、定着材導入部材18から形成されている。
自由長シース15は、樹脂繊維ワイヤー3の自由長部11の摩擦損失を防ぎ、かつ防食を図るものである。
自由長シース15は、各樹脂繊維ワイヤー3の自由長部11の外周を覆う部材であり、各樹脂繊維ワイヤー3を1つにまとめることが可能である。
つまり、自由長シース15は、長尺状の中空体であり、その内部に各樹脂繊維ワイヤー3を挿通可能となっている。具体的には、自由長シース15は、図2のように蛇腹状のホースであり、中心軸方向(グラウンドアンカー1の長手方向)の姿勢を基準として屈曲可能となっている。
自由長シース15の一方の端部は、図5のようにテンドングリップ2の接続部23と接続可能となっており、他方の端部は、各樹脂繊維ワイヤー3の自由長部11の先端部位(定着長部12側の部位)と止水材16を介して接続可能となっている。
止水材16は、自由長シース15の内部への水等の進入を遮断する部材であり、防水性を有した部材である。
止水材16は、公知のそれと同様であり、発泡シリコン等によって成形されたものが採用されている。
フリクションパッカー17は、グラウンドアンカー1全体が地盤からの抜け落ちることを防止する部材である。フリクションパッカー17は、膨張収縮が可能な袋状体であって、図5のように樹脂繊維ワイヤー3の先端から自由長シース15の大部分を覆う袋状体である。
定着材導入部材18は、フリクションパッカー17内に外側用定着材20を導入する部材であり、図2のように円筒状の配管である。
定着材導入部材18は、長手方向において図示しない複数の開口が併設されており、それぞれの開口から外側用定着材20を導入することが可能となっている。
本実施形態のグラウンドアンカー1の各部材の位置関係について説明する。
グラウンドアンカー1は、図5のように、各樹脂繊維ワイヤー3の自由長部11を覆うように自由長シース15が囲んでいる。グラウンドアンカー1は、図5の拡大図に示されるように、自由長シース15の内側面と自由長部11の外側面の間に自由長空間21が形成されている。
自由長シース15の基端部は、図5のように、テンドングリップ2の接続部23と接続されており、自由長シース15の先端部は、樹脂繊維ワイヤー3の自由長部11及び定着長部12の境界部位と止水材16によって接続されている。すなわち、自由長シース15の内側面と自由長部11の外側面の間の空間は、止水材16によって、縁切りされている。そのため、図9(a)及び図9(b)から読み取れるように、フリクションパッカー17内に外側用定着材20を導入した際に、自由長シース15の内側面と自由長部11の外側面の間の自由長空間21(図5参照)に外側用定着材20が進入することを防止できる。
定着材導入部材18は、図5のように自由長シース15の側面及び樹脂繊維ワイヤー3の定着長部12の側面に沿って配されている。
フリクションパッカー17は、図5のように内外方向r(径方向)において、自由長シース15の側面及び定着材導入部材18の外側から覆っている。また、フリクションパッカー17は、軸方向l(長手方向)において、樹脂繊維ワイヤー3の先端から自由長シース15の大部分を覆っている。
次に、本実施形態のグラウンドアンカー1を用いた土留め壁の切削方法について説明する。
本実施形態のグラウンドアンカー1は、前記したように、SEW工法に用いられる土留め壁31の切削可能領域41を補強する部材である。特に、本実施形態のグラウンドアンカー1は、設置環境(例えば大深度領域に配する等)や設計条件(例えば大断面に設計する等)等に起因した切削可能領域41の撓み量を抑制するべく、図8のようにグラウンドアンカー1が設置された切削可能領域41(以下、単にアンカー補強領域51ともいう)の切削を行う場合に好適に使用できるものである。
そこでまず、理解を容易にするべく、アンカー補強領域51を備えた土留め壁31(以下、単にアンカー補強壁50ともいう)の施工方法について説明する。
なお、以下の説明においては、アンカー補強領域51を備えない土留め壁あるいはアンカー補強壁50の施工途中の土留め壁を、単に土留め壁31という。
(アンカー補強壁50の施工方法)
まず、公知のソイルセメント工法を用いて、平面視形状が四角形を呈する立坑30の側壁たる土留め壁31を施工する。このとき、シールド掘削機Sの発進方向にあたる土留め壁31b(図1参照)には、シールド掘削機Sにより直接切削可能な切削可能領域41が形成される。すなわち、土留め壁31bの施工においては、図8に示すように、切削可能領域41が位置する部分に複数の長尺樹脂体43を配し、それ以外の部分(非切削領域)に金属部材45を配する。
より具体的には、土留め壁31bは、複数の金属部材45を垂直方向(高さ方向)に延伸させた姿勢で並列するように配し、それらの一部の範囲が切削可能領域41に置換されるようにして形成される。すなわち、切削可能領域41の上下左右には、非切削領域が配されており、特に高さ方向上下においては、長尺樹脂体43と金属部材45とが、図示しない継手及びボルトナット等の締結要素によって接続される。そして、そのようにして並べられた長尺樹脂体43と金属部材45との間に、ソイルセメント硬化体46が充填される。すなわち、土留め壁31bは、長尺樹脂体43と金属部材45とソイルセメント硬化体46を複合して形成されている。なお、切削可能領域41を持たない土留め壁31は、複数の金属部材45とソイルセメント硬化体46のみで形成されている。
なお、本実施形態では、長尺樹脂体43にガラス製の長繊維によって強化されたポリウレタン発泡樹脂(GFFU)によって成形された断面形状が長方形状の樹脂製部材が採用され、金属部材45に、H型鋼が採用されている。
このようにして、土留め壁31が完成すると、土留め壁31によって囲繞された部分を、所定の掘削機によって掘削(立坑掘削)する。
なお、立坑30には、土留め壁31に掛かる土圧や水圧(以下、単に土圧等という)に対抗させるべく、一定深さごとに公知の切梁(図示しない)が設けられる。
立坑掘削が実施されて、切削可能領域41の高さ方向中途に至るまで掘削が進むと、グラウンドアンカー工法に移行し、切削可能領域41の周囲から掛かる土圧等の条件に基づいて、切削可能領域41とその周囲の地盤に跨るアンカー固定穴37(図9参照)を複数穿設する。より具体的には、アンカー固定穴37は、切削可能領域41から地盤に向けて所定の角度(例えば、5〜45度)の下り勾配を呈するように形成される。
また、グラウンドアンカー1の大部分を、各アンカー固定穴37に挿入する。より具体的には、グラウンドアンカー1のフリクションパッカー17が被覆された部位がアンカー固定穴37内に位置するように挿通する。すなわち、グラウンドアンカー1は、図9(a)に示すように、自由長シース15の一部及びテンドングリップ2が、アンカー固定穴37から立坑30側に露出するような姿勢で配される。
そして、グラウンドアンカー1をアンカー固定穴37に挿入した後、定着材導入部材18からアンカー固定穴37内に位置するフリクションパッカー17内に外側用定着材20を注入し、養生して外側用定着材20を硬化する。この外側用定着材20は、フリクションパッカー17内全てに充填されるまで注入される(図9(a)から図9(b))。
このとき、外側用定着材20としては、公知のグラウト材が採用できる。本実施形態の外側用定着材20は、セメントミルクを採用している。
またこのとき、図9(a)及び図9(b)の拡大図のように、フリクションパッカー17は、外側用定着材20の充填量に伴って膨張し、その膨張圧によりアンカー固定穴37の内側面を圧迫する。そしてその状態を維持して外側用定着材20が硬化する。そのため、地盤に対してグラウンドアンカー1が一体となり、グラウンドアンカー1が抜け落ちることはない。
そしてこのとき、フリクションパッカー17内の樹脂繊維ワイヤー3の定着長部12は、外側用定着材20に晒されているため、フリクションパッカー17に定着されており、樹脂繊維ワイヤー3の自由長部11は、止水材16によって自由長シース15内への外側用定着材20の進入が防止されているため、自由長シース15内で膨張・伸縮が可能となっている。
フリクションパッカー17内に外側用定着材20の注入後、フリクションパッカー17が膨張した状態で外側用定着材20が硬化してアンカー固定穴37内に固定されると、受圧板26を挿着する。具体的には、受圧板26は、立坑30側に露出した位置に配される。
なお、受圧板26は、GFFUによって成形された部材である。
そして、受圧板26上に支圧板27をセットし、その状態で、図9(c)に示すように、支圧板27の上部側からテンドンナット7をテンドングリップ2のねじ切り部24に螺合して、支圧板27を受圧板26側に締め付ける。
その後、支圧板27上にジャッキアップ装置(図示しない)を据え付ける。そして、そのジャッキアップ装置によって、樹脂繊維ワイヤー3の自由長部11に引き抜き方向の力を掛けると共に、テンドンナット7をさらに締め付けて緊張状態を保持させる。
このとき、テンドングリップ2に追随して、樹脂繊維ワイヤー3が緊張状態に保持される。
その後、図10(a),図10(b)から読み取れるように、樹脂繊維ワイヤー3の自由長部11に緊張状態を持たせた状態で、伝熱部材5から自由長シース15内に内側用定着材19を充填し、養生して硬化させる。
このとき、内側用定着材19としては、公知のグラウト材が採用できる。本実施形態の内側用定着材19は、セメントミルクを採用している。
またこのとき、樹脂繊維ワイヤー3の自由長部11と自由長シース15の間の自由長空間21に内側用定着材19が硬化しており、樹脂繊維ワイヤー3の自由長部11に緊張状態を持たせた状態を維持している。
そして、支圧板27上からジャッキアップ装置(図示しない)を取り除いて、再び立坑掘削を実施する。すなわち、グラウンドアンカー1による切削可能領域41の補強が完了し、アンカー補強領域51が完成したことを条件に、切削可能領域41が完全に露出するまで立坑掘削及び切梁の設置を行う。
こうして、切削可能領域41の施工が完了すれば、シールド掘削機Sを用いて、直接的に切削することが可能となる。なお、切削可能領域41の切削は、自由長シース15内に充填された内側用定着材19が完全に硬化した後に実施することが好ましい。
以上のように、本実施形態のグラウンドアンカー1によれば、テンドングリップ2が樹脂製であるから、養生台等によってテンドングリップ2と樹脂繊維ワイヤー3の定着部分の位置をかさ上げする必要がなく、工程を簡略化できる。
また、本実施形態の施工方法によれば、受圧板26と支圧板27、テンドンナット7、並びに、テンドングリップ2のいずれもが、樹脂製であるため、掘削作業と同時にシールド掘削機Sの切羽Kによって除去することができる。
上記した実施形態では、伝熱部材5として円筒状のものを採用したが、本発明はこれに限定されるものではなく、伝熱部材の一部がテンドングリップ2の空間内に挿入できるものであればよい。例えば、長尺状の板状体であってもよい。
上記した実施形態では、伝熱部材5の周りを複数の樹脂繊維ワイヤー3が囲んでいたが、本発明はこれに限定されるものではなく、伝熱部材5と樹脂繊維ワイヤー3の位置関係は特に限定されない。
上記した実施形態では、伝熱部材5の本数が1本であったが、本発明はこれに限定されるものではなく、伝熱部材5を複数設けてもよい。
上記実施形態では、グラウンドアンカー1をSEW工法に用いられる土留め壁31の切削部分を補強するために用いたが、本発明はこれに限定されない。すなわち、本発明は、グラウンドアンカー1を、シールド工法における他の仮壁切削工法に用いても構わない。
例えば、他の仮壁切削工法としては、公知のSZパイル工法やNOMST(登録商標)工法等がある。
なお、SZパイル工法は、切削部分として、図11に示すH型鋼と同一構造に成形した樹脂成形体57を用いる工法であり、NOMST(登録商標)工法は、切削部分として、図12に示す繊維樹脂等で補強した新素材コンクリート58を用いる工法である。
以下に、実施例をもって本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
本発明のテンドングリップ2と樹脂繊維ワイヤー3の定着構造10の評価結果について説明する。
まず、膨張硬化材9の硬化条件の確認試験について説明する。
(実施例1)
テンドングリップ2に対応するFRP製の管体(外径100mm、肉厚25mm、長さ200mm)内に樹脂繊維ワイヤー3(直径12.5mm)を6本、伝熱部材5に対応する鋼管(外径16mm、肉厚1mm)を1本挿入し、図13に示されるように、水槽中で所定の養生温度に制御して膨張硬化材9に対応する膨張モルタルを注入して養生した。
この養生時の養生温度(水槽内の温度)を摂氏25度とし、膨張モルタルの膨張圧及びテンドングリップ2の内部の温度を測定した。
これを実施例1とした。
(比較例1)
実施例1の条件において、養生温度を摂氏3度から摂氏5度の範囲とし、膨張モルタルの膨張圧及びテンドングリップ2の内部の温度を測定した。
これを比較例2とした。
実施例1と比較例1の測定結果を表1に示す。
Figure 2015031118
表1に示すように、比較例1のような養生温度が低温(摂氏3度〜摂氏5度)の養生では、膨張モルタルは反応せず、定着することができなかった。
一方、実施例1のように養生温度が摂氏25度の養生であれば、膨張モルタルの温度が図14のように噴出現象の閾値である噴出温度(本実施形態では摂氏60度に設定)に到達せず、図15のように2日半〜3日程で定着基準となる40MPaを超えて、50MPa程度の膨張圧に達した。すなわち、表1のように、実施例1の試験体では、噴出現象が起こらず、十分に定着できた。
続いて、テンドングリップ2と樹脂繊維ワイヤー3の定着構造10の耐久性試験について説明する。
(実施例2)
試験体の構造を図16に示す。試験体は、樹脂繊維ワイヤー3に対応する6本の樹脂繊維ワイヤー3(直径12.5mm、長さ2700mm)のそれぞれの片方の端部に、FRP製のテンドングリップ2(外径110mm、肉厚29mm、長さ400mm、ピッチ5mm)を定着させ、6本の樹脂繊維ワイヤー3のそれぞれの他方の端部に鋼製テンドングリップを取り付けたものを使用した。なお、各樹脂繊維ワイヤー3は自由長シース15で覆っている。
そして、図16(a)のように反力フレームに試験体を設置し、FRP製のテンドングリップ2にFRP製のテンドンナット7(外径170mm、肉厚30mm、長さ100mm)を取り付け、鋼製テンドングリップに鋼製のナットを取り付けて反力フレームに固定した。これを実施例2とした。
(実験手順)
まず、鋼製テンドングリップをジャッキで引張り、試験体を一時荷重として720kN(許容引張力たる600kNの1.2倍)まで緊張して破壊されないことを確認し、常時荷重として600kNに戻して、鋼製のナットを締め込んだ。その状態で1ヶ月間荷重の測定を行い、その後、破断するまで載荷した。
テンドングリップと樹脂繊維ワイヤーの定着構造の耐久性試験の測定結果を図17に示す。
図17のように、一時荷重として、720kNで載荷しても破損せず、緊張力を保持できることを確認できた。その後、常時荷重として許容値である600kNで鋼製のナットを締め込んだ状態でも、1ヶ月間緊張力が保持できることがわかった。
以上の結果から、本発明のテンドングリップと樹脂繊維ワイヤーの定着構造であれば、FRP製テンドングリップでも問題なく定着できることが確認できた。
1 グラウンドアンカー
2 テンドングリップ(引張部材)
3 樹脂繊維ワイヤー(引張力伝達部材)
5 伝熱部材
8 内部空間(空間)
9 膨張硬化材
30 立坑
31 土留め壁(構造体)
51 アンカー補強領域(切削予定領域)
S シールド掘削機

Claims (7)

  1. 構造体を地盤に対して安定化させるグラウンドアンカーの一部を形成する引張部材と引張力伝達部材の定着構造であって、
    引張部材は、内外に連通した空間を有し、
    引張力伝達部材は、外力によって引張力が発生するものであり、
    引張力伝達部材の一部は、前記空間内に配された状態で膨張硬化材が当該空間に充填されて、引張部材と一体的に接合されるものであり、
    伝熱性を有した伝熱部材を有し、
    引張力伝達部材と引張部材とを一体的に接合する際に、前記伝熱部材の一部を前記空間に配するとともに、残部を前記空間から露出させた状態で、引張力伝達部材とともに引張部材に接合したことを特徴とする引張部材と引張力伝達部材の定着構造。
  2. 前記引張部材は、繊維によって補強された樹脂製であり、
    当該繊維の延伸方向は、前記引張力伝達部材の引張力の方向と同一方向を向いていることを特徴とする請求項1に記載の引張部材と引張力伝達部材の定着構造。
  3. 前記膨張硬化材は、膨張モルタルを主成分とするものであり、
    引張力伝達部材と引張部材とを一体的に接合する間の膨張硬化材の温度は、摂氏10度以上摂氏60度以下に維持されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の引張部材と引張力伝達部材の定着構造。
  4. 前記伝熱部材は、筒状体又は板状体であって、かつ、平均厚みが0.5mm以上1.5mm以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の引張部材と引張力伝達部材の定着構造。
  5. 前記引張部材は、樹脂製であって、本体部を有し、
    当該本体部は、円筒状であって、その外周面にねじ切り加工されたねじ切り部を有し、
    当該ねじ切り部のピッチは、4mm以上であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の引張部材と引張力伝達部材の定着構造。
  6. 請求項1乃至5のいずれかに記載の引張部材と引張力伝達部材の定着構造を備えたグラウンドアンカーであって、
    シールド掘削機によって切削可能な切削予定領域を備えた立坑の側壁たる土留め壁を補強することを特徴とするグラウンドアンカー。
  7. 構造体を地盤に対して安定化させるグラウンドアンカーの一部を形成し、外力によって引張力が発生する引張力伝達部材と定着されるテンドングリップにおいて、
    内外に連通した空間を有し、
    引張力伝達部材の一部を前記空間内に配した状態で膨張硬化材が当該空間に充填されて、一体的に接合されるものであり、
    樹脂によって形成されていることを特徴とするテンドングリップ。
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