JP2015030893A - 銅合金箔及び二次電池負極 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐熱性を向上させると共に、負極活物質との密着性を向上させた銅合金箔及び二次電池負極を提供する。【解決手段】無酸素銅ベースの銅合金により形成される銅合金箔であって、銅合金は、0.01重量%以上0.15重量%以下のジルコニウムが含まれ、残部が銅及び不可避的不純物からなり、加熱する前の引張強さが450N/mm2以上であり、350℃以下の温度で10分〜3時間加熱した後の引張強さが400N/mm2以上であり、350℃以下の温度で10分〜3時間加熱した後、X線回折を用いた2θ/θ法によって測定した銅合金箔の表面と鎖状の分子構造を有する炭素ポリマとの間に働く剥離エネルギ係数Eが0.2より大きい。【選択図】なし

Description

本発明は、銅合金箔及びこの銅合金箔を用いて形成した二次電池負極に関する。
例えば携帯電話やノート型パソコン等の電子機器には、電源として二次電池が使用されることが多い。近年、このような電子機器の小型化や軽量化が進んでいる。従って、二次電池には、高いエネルギ密度を有することが要求されている。ここで、二次電池とは、電解質(電解液)を介した化学反応により、二次電池が備える正極活物質と負極活物質とがそれぞれ有する化学エネルギを、電気エネルギとして外部に取り出すように構成されている電池である。現在実用化されている二次電池の中で、高いエネルギ密度を有する二次電池はリチウムイオン二次電池である。
リチウムイオン二次電池は、正極活物質を備える正極、負極活物質を備える負極、正極と負極とを絶縁するセパレータ、正極と負極との間でリチウムイオン(Li)の移動を可能にする電解液から主に構成されている。この構成において、リチウムイオンが正極活物質と負極活物質との間で出入り(インターカレーション/デインターカレーション)することで、リチウムイオン二次電池は充放電を繰り返すことができる。
リチウムイオン二次電池に使用される負極活物質として、一般的に、多層構造を有し、層間へのリチウムイオンの挿入及び層間からのリチウムイオンの放出が可能な例えばハードカーボン等の炭素材料が用いられる。近年、リチウムイオン二次電池には、さらなる大容量化が要求されている。このため、充放電容量の理論値が、炭素材料の充放電容量の理論値よりも高い負極活物質(以下、「大容量負極活物質」と言う。)の開発が進められている。このような大容量負極活物質として、例えばシリコン(Si)やスズ(Sn)等のリチウム(Li)と合金化可能な金属を含む材料が提案されている。
二次電池に用いられる負極(以下では、二次電池負極とも言う。)は、負極集電体と、負極活物質を備える負極活物質層と、を備えて構成されている。負極集電体として、圧延銅箔や電解銅箔等の銅箔が用いられる。負極活物質層は、上述の負極活物質や大容量負極活物質、バインダ樹脂及び導電助剤等を水(あるいは溶剤)に混練分散させて形成したスラリーを銅箔の少なくともいずれかの主面上に塗布することで形成されている。このような二次電池負極は、例えば、銅箔の少なくともいずれかの主面上にスラリーを塗布する塗布工程、及び乾燥によりスラリー中の水(あるいは溶剤)を除去してスラリーを固化させる乾燥工程を有する負極活物質層を形成する負極活物質層形成工程と、せん断加工により、負極活物質層が形成された銅箔を所定形状に成型する成形工程と、を経て製造される。なお、負極活物質層形成工程は、乾燥工程を行った後、必要に応じて、例えばロールプレス機等を用いて負極活物質層を加圧して成型する加圧工程を有していてもよい。
負極集電体として、タフピッチ銅や無酸素銅を用いて形成した圧延銅箔が用いられた場合、上述の二次電池負極を製造する際の乾燥工程での加熱で、銅の再結晶が発生し、圧延銅箔が軟化してしまう。例えば、圧延銅箔の引張強さが200N/mm程度まで低下してしまう。二次電池の充放電が行われる際、充放電に伴い負極活物質が膨張・収縮する。このとき、二次電池が備える負極集電体としての圧延銅箔が軟化していると、負極活物質の膨張・収縮によって生じる応力により、圧延銅箔が膨張して変形したり、圧延銅箔に破断が生じやすくなる。
また、近年の二次電池の小型化や軽量化に伴い、負極集電体である銅箔の薄肉化が要求されている。銅箔の厚さが薄くなると、銅箔の機械的特性が低下する。その結果、上述の二次電池負極を製造する際の塗布工程で、負極活物質を含むスラリーの塗布時に銅箔に高張力の負荷がかかり、銅箔の箔切れが発生しやすくなる。また、銅箔の薄肉化によっても、上述の二次電池負極を製造する際の乾燥工程での加熱により、銅箔が軟化してしまう。このため、二次電池の充放電が行われる際の負極活物質の膨張・収縮により、銅箔が変形したり、銅箔に破断が生じやすくなる。
従って、負極集電体として用いられる銅箔として、耐熱性に優れ、加熱により軟化しにくい銅箔が要求されている。すなわち、H材の状態(二次電池負極が形成される前(負極活物質層が形成される前)の状態)において高い引張強さを有すると共に、二次電池負極を製造する際の加熱(熱履歴)による軟化を起こしにくい銅箔が求められている。そこで、タフピッチ銅や無酸素銅を用いて形成した圧延銅箔に代わり、銅合金を用いて形成した圧延銅合金箔や電解銅合金箔等の銅合金箔を、負極集電体として用いることが提案されている。例えば、酸素含有量が30ppm以下の無酸素銅に、Ag、Bi、Cd、Cr、Sn、Sb、Znの中の1種以上を総量で50ppm以上含有した銅合金を用いて形成した圧延銅箔が提案されている(例えば特許文献1参照)。また、例えば、0.001重量%〜0.05重量%のPを含有し、さらに0.005重量%〜0.3重量%のFe、0.001重量%〜0.3重量%のAgのうちのいずれか1種又は2種を総量で0.001重量%〜0.6重量%含有し、残部が不可避的不純物及びCuから成る銅合金を用いて形成した、リチウムイオン二次電池用電極に用いられる銅合金箔が提案されている(例えば特許文献2参照)。また、例えば、Ag、Cr、Fe、In、Ni、P、Si、Sn、Te、Ti、ZnおよびZrの中の1種以上を合計で0.01重量%〜0.50質量%含有し、残部がCu及び不可避的不純物からなる銅合金により形成した二次電池の負極集電体用圧延銅箔が提案されている(例えば特許文献3参照)。
また、二次電池特性や製造性の改善の観点から、銅箔の結晶組織(結晶方位)についても種々検討されている。すなわち、リチウムイオン二次電池の充放電が行われる際の負極活物質の膨張・収縮により、負極活物質が銅箔から滑落(脱落)することがあった。負極活物質の滑落は、二次電池の充放電容量の低下原因となる場合がある。従って、銅箔の結晶方位を調整することで、銅箔と負極活物質との密着性を高め、銅箔からの負極活物質の滑落を抑制することについても種々検討されている。例えば、タフピッチ銅により形成した圧延銅箔の表面に銅の酸化物皮膜を有するとともに、X線回折法により測定した際の、銅箔の(200)面の積分強度I(200)と(220)面の積分強度I(220)との積分強度比率I(200)/I(220)が0.3以上となるように調整することが提案されている(例えば特許文献4参照)。また、例えば、電解銅箔の表面をX線回折(XRD)法により測定した際の、銅箔の(200)面の回折強度(積分強度)I(200)と(111)面の回折強度I(111)との積分強度比率I(200)/I(111)が0.3以上4.0以下となるように調整することが提案されている(例えば特許文献5参照)。これにより、銅箔の引張強度及び伸びを高めることができ、銅箔と負極活物質との密着性を高めることができる。
特開2000−303128号公報 特開2000−328159号公報 特開2011−216463号公報 特開平11−310864号公報 特開2003−142106号公報
特許文献1に記載の圧延銅箔は、H材の状態で460N/mm〜480N/mmの引張強さを有し、200℃の温度で30分間加熱した後に400N/mm以上の引張強さを維持することを目的としている。また、特許文献2に記載の銅合金箔及び特許文献3に記載の二次電池の負極集電体用圧延銅箔はそれぞれ、300℃の温度で5分間加熱した後、あるいは300℃の温度で30分間加熱した後に、所定の引張強さを維持することを目的としている。しかしながら、二次電池負極を製造する際の乾燥工程では、銅箔が300℃より高い温度で、30分以上加熱されることがある。例えば銅箔が350℃の温度で3時間加熱されることがある。従って、特許文献1〜3に記載の銅箔は、要求される耐熱性を満足しないことがあった。すなわち、特許文献1〜3に記載の銅箔は、二次電池負極を製造する際の乾燥工程での加熱によって軟化してしまい、所定の引張強さを維持できないことがあった。
また、例えば特許文献4〜5に示すように、負極活物質と銅合金箔との密着性の向上は、銅合金箔の結晶組織の主要方位面である(111)面、(200)面、(220)面、(311)面に着目してなされたものが多い。しかしながら、銅合金箔の結晶組織には、主要方位面以外の結晶方位面(例えば副方位面)も存在する。このため、銅合金箔の結晶組織の主要方位面のみ制御しても、負極活物質と銅合金箔との密着性が低く、負極活物質が銅合金箔から滑落する場合があった。
本発明は、上記課題を解決し、耐熱性を向上させると共に、負極活物質との密着性を向上させた銅合金箔及び二次電池負極を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は次のように構成されている。
本発明の第1の態様によれば、無酸素銅ベースの銅合金により形成される銅合金箔であって、前記銅合金は、0.01重量%以上0.20重量%以下のジルコニウムが含まれ、残部が銅及び不可避的不純物からなり、加熱する前の引張強さが450N/mm以上であり、350℃以下の温度で10分〜3時間加熱した後の引張強さが400N/mm以上であり、350℃以下の温度で10分〜3時間加熱した後、X線回折を用いた2θ/θ法によって測定して得られた前記銅合金箔の表面の(hkl)面の回折ピーク積分強度I(hkl)と、X線回折を用いた2θ/θ法によって測定して得られた微粉末銅の(hkl)面の回折ピーク積分強度I0(hkl)と、の積分強度比をK(hkl)としたとき、下記の(1)式で表される前記銅合金箔の表面と鎖状の分子構造を有する炭素ポリマとの間に働く剥離エネルギ係数Eが0.2より大きい銅合金箔が提供される。
E=(0.21×K(111)+0.15×K(200)+0.23×K(220)+0.19×K(311)+0.22×K(331))/(K(111)+K(200)+K(220)+K(311)+K(331))・・・(1)
本発明の第2の態様によれば、導電率が75%IACS以上である第1の態様の銅合金箔が提供される。
本発明の第3の態様によれば、第1又は第2の態様に記載の銅合金箔と、前記銅合金箔の少なくともいずれかの主面上に、負極活物質及びバインダを含有するスラリーを塗布して乾燥固化させることで形成される負極活物質層と、を備える二次電池負極が提供される。
本発明にかかる銅合金箔及び二次電池負極によれば、耐熱性を向上させることができると共に、負極活物質との密着性を向上させることができる。
本発明の一実施形態にかかるX線回折を用いた2θ/θ法の測定方法を示す概略図である。 本発明の一実施形態にかかる銅合金箔の製造工程を示すフロー図である。 本発明の一実施例にかかるX線回折を用いた2θ/θ法により得られたX線回折強度曲線を示すグラフ図である。
(1)銅合金箔の構成
まず、本発明の一実施形態にかかる銅合金箔の構成について説明する。
銅合金箔は、0.01重量%以上0.20重量%以下のジルコニウム(Zr)が含まれ、残部が銅(Cu)及び不可避的不純物から構成される無酸素銅ベースの銅合金により形成されている。すなわち、銅合金箔は、所定の銅合金の鋳塊に圧延処理や焼鈍処理等を行うことで形成される。
これにより、銅合金箔の引張強さと耐熱性とを向上させることができる。すなわち、ZrがCu中に固溶されることで、銅合金箔の引張強さ(すなわち、H材の状態の銅合金箔の引張強さ)及び銅合金箔の耐熱性を向上させることができる。特に、銅合金箔の耐熱性を向上させることができる。なお、H材の状態とは、銅合金箔を用いて二次電池用の負極(以下では二次電池負極とも言う。)が形成される前の状態であり、銅合金箔に加熱処理が施される前の状態を言う。
銅合金箔の耐熱性が向上することで、銅合金箔の少なくともいずれかの主面上に負極活物質とバインダとを含むスラリーが塗布されて負極活物質層が形成されて二次電池負極が製造される際に、銅合金箔が高温で長時間加熱された場合であっても、銅合金箔が軟化することを抑制できる。すなわち、二次電池負極を形成する際の加熱によって、二次電池負極が備える銅合金箔の引張強さが低下することを抑制できる。これにより、この二次電池負極を用いて形成された二次電池の充放電が行われる際、二次電池負極が備える銅合金箔が変形したり、破断することを抑制できる。すなわち、二次電池の充放電に伴って二次電池負極が膨張して変形したり、二次電池の充放電に伴って負極活物質が膨張・収縮することで生じる応力によって、銅合金箔が変形したり、破断することを抑制できる。
また、銅合金箔が所定量のZrを含む無酸素銅ベースの銅合金により形成されることで、銅合金箔を用いて二次電池負極が形成された場合、銅合金箔と負極活物質との密着性を向上させることができる。従って、この二次電池負極を用いて形成された二次電池の充放電が行われた際に、負極活物質が膨張・収縮することにより、負極活物質が銅合金箔から滑落することを抑制できる。
このとき、銅合金が酸素の含有量が多い例えばタフピッチ銅ベースであると、Cu中にZrを添加した際、銅合金中にZr酸化物が生成されてしまう。このため、銅合金箔の耐熱性向上効果が十分に得られない。従って、銅合金箔は、無酸素銅ベースの銅合金により形成する。
また、銅合金中には、Zrが0.01重量%以上0.15重量%以下、好ましくは0.03重量%以上含まれているとより良い。これにより、銅合金箔の引張強さと耐熱性とをより向上させることができる。
なお、銅合金中のZrの含有量が0.01重量%未満であると、銅合金箔の耐熱性を向上させる効果を十分に得ることができない。従って、例えば銅合金箔を用いて二次電池負極が形成される際に、銅合金箔が高温で長時間加熱された場合、銅合金箔の引張強さが低下し、銅合金箔が軟化する。また、銅合金箔を用いて二次電池負極が形成された場合、銅合金箔と負極活物質との密着性が低下する。例えば、後述の剥離エネルギ係数Eが0.2以下となる。従って、このような二次電池負極が用いられて形成された二次電池の充放電が行われると、負極活物質が銅合金箔から滑落してしまう。一方で、銅合金中のZrの含有量が0.20重量%を超えると、銅合金箔の導電率が低下してしまう。また、銅合金中に存在する未固溶のZrの量が多くなる。未固溶のZrは、銅合金中で粗粒第二相析出物を形成する。従って、銅合金箔の引張強さ(H材の状態における引張強さ)を向上させる効果が頭打ちとなる一方で、銅合金箔の加工性(延性)が低下してしまう。
すなわち、銅合金箔が、0.01重量%以上0.20重量%以下のジルコニウム(Zr)が含まれ、残部が銅(Cu)及び不可避的不純物から構成される無酸素銅ベースの銅合金により形成されると、加熱する前の(すなわちH材の状態における)銅合金箔の引張強さが450N/mm以上、好ましくは480N/mm以上となる。また、銅合金箔は耐熱性に優れるため、350℃以下の温度で10分〜3時間加熱した後であっても、400N/mm以上、好ましくは430N/mm以上の引張強さが維持される。
また、銅合金箔は、350℃以下の温度で10分〜3時間加熱した後、下記の(式1)で示される銅合金箔の表面と鎖状の分子構造を有する炭素ポリマとの間に働く剥離エネルギ係数E(以下では、単に剥離エネルギ係数Eともいう。)が0.2より大きくなる。
(式1)
E=(0.21×K(111)+0.15×K(200)+0.23×K(220)+0.19×K(311)+0.22×K(331))/(K(111)+K(200)+K(220)+K(311)+K(331)
なお、上記(式1)中、K(hkl)は、X線回折を用いた2θ/θ法により測定した銅合金箔の表面の(hkl)面の回折ピーク積分強度I(hkl)と、X線回折を用いた2θ/θ法により測定した微粉末銅の(hkl)面の回折ピーク積分強度I0(hkl)と、の積分強度比(I(hkl)/I0(hkl))である。このように、剥離エネルギ係数Eは、結晶が無秩序に配向した状態の基準値として、微粉末銅の回折ピーク積分強度I0(hkl)を採用した。結晶が無秩序に配向した状態とは、銅合金箔の製造工程や、銅合金箔に用いられる銅合金の添加元素の影響で特別な結晶面が発達していない状態を言う。なお、銅合金箔の表面の(hkl)面の回折ピーク積分強度I(hkl)、及び微粉末銅の(hkl)面の回折ピーク積分強度I0(hkl)の測定方法については、後述する。
また、上記(式1)中、各結晶面((hkl)面)の積分強度比K(hkl)にかかる係数はそれぞれ、分子動力学法による計算によって得られた銅合金箔の(hkl)面と鎖状の分子構造を有する炭素ポリマとの間に働く剥離エネルギ係数ε(hkl)である。下記の表1に、銅合金箔の(hkl)面と鎖状の分子構造を有する炭素ポリマとの間に働く剥離エネルギ係数ε(hkl)を示す。剥離エネルギ係数ε(hkl)の値が大きいほど、銅合金箔の(hkl)面から鎖状の分子構造を有する炭素ポリマを剥離するには、大きなエネルギが必要なことを示す。すなわち、剥離エネルギ係数ε(hkl)の値が大きいほど、銅合金箔の(hkl)面と炭素ポリマとの密着性が高いことを示す。
上記(式1)で示される剥離エネルギ係数Eは、銅合金箔を用いて二次電池負極が形成された際、銅合金箔と、鎖状の分子構造を有する炭素ポリマ(すなわちバインダ)との密着性の指標となる値である。剥離エネルギ係数Eの値が大きいほど、銅合金箔とバインダとの密着性が高いことを示す。銅合金箔と負極活物質とは、バインダを介して密着されている。従って、銅合金箔とバインダとの密着性が高くなると、負極活物質が銅合金箔から剥がれにくくなる。すなわち、剥離エネルギ係数Eの値が大きいほど、銅合金箔から負極活物質を剥離するためには、より大きなエネルギが必要となることを示す。従って、剥離エネルギ係数Eの値が大きいほど、銅合金箔を用いて形成された二次電池の充放電が行われる際、銅合金箔から負極活物質が滑落しにくくなる。
銅合金箔の表面が、結晶が無秩序に配向した状態である場合、各結晶面の積分強度比K(hkl)は全て1となる。このため、上記(式1)から、微粉末銅の剥離エネルギ係数Eは0.2となる。すなわち、微粉末銅の剥離エネルギ係数Eは、(111)面、(200)面、(220)面、(311)面及び(331)面の各剥離エネルギ係数ε(hkl)の平均値となる。従って、銅合金箔の表面の剥離エネルギ係数Eが、微粉末銅の剥離エネルギ係数Eよりも大きいと、銅合金箔を用いて形成された二次電池の充放電が行われる際、銅合金箔から負極活物質が滑落することを抑制できる。すなわち、銅合金箔の表面の剥離エネルギ係数Eは0.2よりも大きいとよく、これにより、負極活物質との高い密着性が得られる。
上記(式1)で示される剥離エネルギ係数Eは、銅合金箔の結晶組織の主要方位面である(111)面、(200)面、(220)面及び(311)面のみならず、副方位面である(331)面も含めて算出した値である。銅合金箔の表面の密着性は、銅合金箔の表面の結晶組織(銅合金箔の表面を構成する各結晶面((hkl)面)の割合)によって決まる。従って、剥離エネルギ係数Eが、銅合金箔の副方位面である(331)面も考慮して算出されることで、銅合金箔と負極活物質との密着性の評価をより正確に行うことができる。
次に、X線回折(XRD)法を用い、銅合金箔の表面の(hkl)面の回折ピーク積分強度I(hkl)を測定する方法について説明する。銅合金箔の表面の(hkl)面の回折ピーク積分強度I(hkl)は、X線回折を用いた2θ/θ法により測定した。図1に、X線回折を用いた2θ/θ法の測定方法を示す概略図を示す。図1中、θ軸は試料軸、α軸はあおり軸、β軸は面内回転軸とも呼ばれている。図1に示すように、X線回折を用いた2θ/θ法とは、入射X線に対して、試料と検出器とをθ軸で走査し、試料の走査角をθ、検出器の走査角を2θで走査する測定法をいう。すなわち、X線回折を用いた2θ/θ法とは、X線を銅合金箔の表面に対して水平方向からθの角度で入射させ、銅合金箔の表面から反射されるX線のうち、入射X線に対して2θの角度のX線を検出することで、θに対する回折ピークの強度変化を調べる方法である。X線回折を用いた2θ/θ法による回折ピークの強度によって、例えば、銅合金箔の表面(銅合金箔が圧延銅箔である場合は圧延面)において、どの結晶面が優勢であるかを評価できる。
具体的には、まず、X線回折を用いた2θ/θ法によって、銅合金箔の表面のX線回折強度曲線を得る。得られた銅合金箔の表面のX線回折強度曲線から、銅合金の主要方位面である(200)面、(220)面、(111)面及び(311)面と、副方位面である(331)面との回折ピーク積分強度I(hkl)をそれぞれ測定する。
なお、X線回折を用いた2θ/θ法による微粉末銅の(hkl)面の回折ピーク積分強度I0(hkl)の測定も、上述の銅合金箔の表面の(hkl)面の回折ピーク積分強度I(hkl)と同様の測定方法により行われる。
本実施形態にかかる銅合金箔の導電率は、75%IACS以上、好ましくは80%IACS以上である。これにより、銅合金箔を用いて二次電池負極が形成され、この二次電池負極を用いて二次電池が形成された場合であっても、二次電池特性への影響を抑制できる。すなわち、銅合金箔の導電率が75%IACS以上であれば、銅合金箔は、二次電池の他の構成部材と比べて最も高い導電率を有する。従って、銅合金箔に起因して二次電池特性が低下することを抑制できる。このとき、銅合金中のZrの含有量が0.10重量%以下であるとより良い。これにより、80%IACS以上の導電率が安定して得られる。
(2)二次電池負極の構成
次に、上述の銅合金箔を用いて形成した二次電池負極の構成について説明する。二次電池負極は、負極集電体としての銅合金箔と、負極活物質層とを備えて構成されている。負極活物質層は、銅合金箔の少なくともいずれかの主面上に形成されている。負極活物質層は、負極活物質及びバインダ(結着剤)を含有するスラリーを塗布して、乾燥固化させることで形成されている。このように、負極集電体として上述の銅合金箔が用いられることで、この二次電池負極を用いて形成された二次電池の充放電が行われる際に銅合金箔が膨張して変形したり、二次電池の充放電の際の負極活物質の膨張・収縮により、銅合金箔が変形したり、銅合金箔に破断が生じることを抑制できる。また、二次電池の充放電が行われる際、負極活物質が銅合金箔から滑落することを抑制できる。
負極活物質としては、リチウムの吸蔵放出が可能な物質を用いることができる。例えば、負極活物質としては、黒鉛、炭素繊維、コークス、球状炭素等の炭素物質、リチウム、スズ、ケイ素等の金属、リチウムチタン酸化物、スズ酸化物、ケイ素酸化物、タングステン酸化物等の金属化合物、リチウムスズ合金、リチウムケイ素合金等のリチウム合金等を用いることができる。
結着剤としては、例えば、有機溶剤系のポリフッ化ビニリデン(PVDF)や、ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)等のイミド系樹脂、水分散系のスチレン・ブタジエンラテックス(SBR)等を用いることができる。
また、スラリーには、必要に応じて導電助剤が含まれていてもよい。導電助剤としては、例えば、アセチレンブラック、ケッチェンブラック(登録商標)等の炭素系微粒子、黒鉛系微粒子等を用いることができる。
(3)銅合金箔の製造方法
次に、本実施形態にかかる銅合金箔の製造方法の一実施形態について、主に図2を用いて説明する。図2は、本実施形態にかかる銅合金箔の製造工程を示すフロー図である。
(鋳造工程(S10))
本実施形態にかかる銅合金箔の製造方法では、例えば連続鋳造圧延方式を用いることができる。図2に示すように、まず、例えば坩堝式溶解炉、チャネル式溶解炉等の電気炉を用い、母材である銅(Cu)を溶解して銅の溶湯を製造する。そして、銅の溶湯中に所定量のジルコニウム(Zr)を添加し、Zr含有量(Zr濃度)が0.01重量%以上0.20重量%以下である銅合金の溶湯を製造する。そして、この銅合金の溶湯を鋳型に供給して、所定形状のインゴット(鋳塊)を鋳造する。
(熱間圧延工程(S20))
鋳造工程(S10)が終了した後、鋳造したインゴットを所定温度に加熱して熱間圧延処理を行い、所定厚さの熱間圧延材を形成する。すなわち、所定温度に加熱した加熱炉中にインゴットを搬入する。そして、加熱炉中で所定時間インゴットを保持してインゴットを加熱する。所定時間経過後、インゴットを加熱炉から搬出し、熱間圧延機を用い、例えば室温でインゴットを所定厚さまで圧延し、熱間圧延材を形成する。このとき、熱間圧延機を用いてインゴットを圧延する前の加熱、すなわち加熱炉中でのインゴットの加熱により、鋳造組織中(すなわちインゴット中)に生じている偏析をできるだけ均質化しておくと良い。すなわち、銅合金が平衡状態で均質な固溶状態となる温度以上の温度域で所定時間インゴットを保持して加熱するとよい。例えば、800℃以上950℃以下に加熱した加熱炉中で、30分以上インゴットを保持して加熱するとよい。
(面削工程(S30))
熱間圧延工程(S20)が終了した後、面削を行うことで、熱間圧延処理により熱間圧延材の表面に形成された酸化膜(酸化スケール)を削り、酸化膜を除去する。
(冷間圧延工程・焼鈍工程(S40・S50))
面削工程(S30)が終了した後、熱間圧延材に、所定の加工度の冷間圧延処理(冷間圧延工程(S40))と、熱間圧延材を所定温度で所定時間加熱して母材である銅(Cu)を再結晶させる焼鈍処理(再結晶焼鈍処理)(焼鈍工程(S50))とを所定回数繰り返して行い、所定厚さの生地と呼ばれる冷間圧延材を形成する。焼鈍工程(S50)では、再結晶した後の冷間圧延材の表面の結晶粒径が所定の大きさ(例えば数十μm程度)となるように焼鈍処理を行うとよい。例えば、600℃以上900℃以下に加熱した加熱炉中で、数秒間〜数時間、冷間圧延材(熱間圧延材)を保持して加熱して焼鈍処理を行うとよい。
(最終の冷間圧延工程(S60))
冷間圧延工程(S40)及び焼鈍工程(S50)を所定回数繰り返した後、冷間圧延材に、所定の加工度で最終の冷間圧延処理(仕上圧延処理)を行い、所定厚さ(例えば20μm以下)の銅合金箔を形成する。すなわち、最終の冷間圧延工程(S60)では、熱処理を挟むことなく、冷間圧延材が所定厚さの銅合金箔になるまで、複数の圧延パスに分けて冷間圧延処理を繰り返して行う。これにより、銅合金箔の表面の結晶組織(結晶方位)を制御できる。すなわち、銅合金箔の表面の剥離エネルギ係数Eが0.2より大きくなるように、銅合金箔の表面の結晶組織を調整する。
すなわち、最終の冷間圧延工程(S60)において行う冷間圧延処理の総加工度Rと、1回の圧延パスの加工度rとをそれぞれ所定の値とすることで、銅合金箔の表面の結晶方位を制御する。冷間圧延処理の総加工度Rは、最終の冷間圧延工程(S60)を行う前の冷間圧延材の厚さをTとし、最終の冷間圧延工程(S60)を行った後の銅合金箔の厚さをTとしたとき、総加工度R=(T―T)/Tで求められる。1回の圧延パスの加工度rは、1回の圧延パスを通過させる前の冷間圧延材の厚さをtとし、1回の圧延パスを通過させた後の冷間圧延材の厚さをtとしたとき、加工度r=(t―t)/tで求められる。
銅合金箔の機械的特性の異方性には、最終の冷間圧延処理における総加工度Rと、1回の圧延パスの加工度rとがそれぞれ影響を及ぼす。従って、最終の冷間圧延工程(S60)での総加工度Rは、80%以上99%未満であるとよい。総加工度Rが80%未満であると、H材の状態の銅合金箔の引張強さを450N/mm以上にすることが難しくなる。一方、総加工度Rを高くすると、銅合金箔の引張強さを高くすることはできるが、延性が低下するため加工性が低下する。総加工度Rを99%以上とすると、延性の低下が顕著となる。例えば、銅合金箔の引張試験を行う際、0.2%耐力に達する前に銅合金箔に破断が生じてしまうことがある。なお、0.2%耐力とは、銅合金箔に荷重をかけた場合、荷重を除去(除荷)した後に銅合金箔に残る永久ひずみ(塑性変形)が0.2%になる時の応力である。例えば、0.2%耐力は、弾性域から塑性域への変極点である降伏点と同様な意味合いで利用される。また、総加工度Rが99%以上であると、総加工度Rが高くなることで、銅合金箔に導入される歪み量が多くなる。これにより、例えば、銅合金箔を用いて二次電池負極を製造する際の加熱処理によって、銅合金箔に再結晶が起こりやすくなる。従って、最終の冷間圧延工程(S60)で制御した銅合金箔の表面の結晶組織が大きく変化してしまう。その結果、銅合金箔の耐熱性が低下してしまう。
最終の冷間圧延工程(S60)での1回の圧延パスの加工度rは40%以下であるとよい。1回の圧延パスの加工度rが40%を超えると、銅合金箔に圧延処理により発生する結晶組織とは異なる結晶組織が生じる。すなわち、銅合金箔の厚み方向に斜めに横断する結晶組織であるせん断帯が生じる。銅合金箔にせん断帯が存在すると、結晶面の整列が阻害される。従って、上述の総加工度Rを80%以上99%未満としても、銅合金箔の表面の結晶組織が、銅合金箔の表面の剥離エネルギ係数Eが0.2以下となるような結晶組織となってしまう。
これにより、本実施形態にかかる銅合金箔が製造されて、その製造工程を終了する。
(4)二次電池負極の製造方法
次に、負極集電体として上述の銅合金箔を用い、例えばリチウムイオン二次電池等の二次電池に用いられる負極(二次電池負極)の製造方法について説明する。
(負極活物質層形成工程)
まず、負極集電体としての銅合金箔の少なくともいずれかの主面上に負極活物質層を形成する。すなわち、銅合金箔の少なくともいずれかの主面上に負極活物質を含むスラリーを塗布する塗布工程と、スラリー中の水分を除去する乾燥工程とを行い、銅合金箔に負極活物質層を形成する。負極活物質層形成工程は、例えばコイル・ツー・コイル(coil to coil)方式の連続ラインにて行うとよい。
[塗布工程]
すなわち、まず、例えば負極活物質、バインダ(結着剤)及び必要に応じて導電助剤等を、水(あるいは溶剤)に混練分散させてスラリーを形成する。そして、例えばアプリケータ等の装置を用い、銅合金箔の少なくともいずれかの主面上、すなわち銅合金箔の片面又は両面に塗布する。
[乾燥工程]
塗布工程が終了した後、スラリーを塗布した銅合金箔を、所定の温度(例えば70℃〜130℃)で所定時間(例えば数分間〜数十分間)乾燥させる。これにより、銅合金箔に塗布したスラリー中の水(あるいは溶剤)を蒸発させて除去し、スラリーを固化させる。そして、銅合金箔の少なくともいずれかの主面上に負極活物質層が形成される。
乾燥方法としては、公知の種々の方法を用いることができる。しかしながら、結着剤として、例えばポリイミド(PI)等のイミド系樹脂等を用いる場合、すなわち、熱可塑性を有するバインダを用いる場合、乾燥工程では、例えばバッチ形式あるいはライン形式の赤外線加熱炉等を用いた加熱処理を行うとよい。すなわち、乾燥工程では、イミド系樹脂の前駆体からなるバインダ成分が熱可塑性領域の温度(融点)以上となるように、高温かつ長時間の加熱処理を行うとよい。例えば、300℃以上350℃以下の温度で、1時間〜3時間の加熱処理を行うとよい。これにより、例えばイミド系樹脂等の前駆体からなるバインダ成分が負極活物質の粒子間内へと入り込みつつ、イミド化反応が進行し、スラリーが固化して負極活物質層が形成される。
その後、負極活物質層を形成した銅合金箔にタブリードを溶接して、二次電池負極を製造する。そして、本実施形態にかかる二次電池負極の製造工程を終了する。
このように、二次電池負極の製造工程では、銅合金箔に対して、最も過酷な条件で350℃で3時間の加熱処理が行われる。このとき、負極集電体として、優れた耐熱性を有する上述の銅合金箔が用いられると、このような高温で長時間の加熱処理が行われても、銅合金箔が軟化することを抑制できる。従って、この二次電池負極を用いて形成された二次電池の充放電が行われる際、二次電池負極が備える銅合金箔が変形したり、破断することを抑制できる。
(5)本実施形態にかかる効果
本実施形態によれば、以下に示す1つまたは複数の効果を奏する。
(a)本実施形態によれば、0.01重量%以上0.20重量%以下のジルコニウムが含まれ、残部が銅及び不可避的不純物からなる無酸素銅ベースの銅合金により形成されている。これにより、銅合金箔は、高い引張強度を有すると共に、優れた耐熱性を有する。従って、銅合金箔は、高温で長時間加熱された後であっても軟化しにくく、高い引張強度を有する。また、銅合金箔を用いて二次電池負極が形成された際、銅合金箔と負極活物質との密着性を向上させることができる。
すなわち、本実施形態にかかる銅合金箔は、H材の状態で引張強さが450N/mm以上である。また、本実施形態にかかる銅合金箔は耐熱性が向上し、350℃以下の温度で10分〜3時間加熱した後の引張強さが400N/mm以上である。また、本実施形態にかかる銅合金箔では、350℃以下の温度で10分〜3時間加熱した後、上記(式1)により算出される銅合金箔の表面の剥離エネルギ係数Eが0.2より大きくなり、銅合金箔と負極活物質との密着性が向上する。
(b)本実施形態によれば、75%IACS以上の導電率を維持できる。
(c)本実施形態によれば、二次電池負極は、上述の銅合金箔と、銅合金箔の少なくともいずれかの主面上に、負極活物質及びバインダを含有するスラリーを塗布して乾燥固化させることで形成される負極活物質層と、を備えている。これにより、二次電池負極を製造する際に高温で長時間の加熱処理が行われた場合であっても、銅合金箔の軟化を抑制できる。従って、この二次電池負極を用いて形成された二次電池の充放電が行われる際、二次電池負極が備える銅合金箔が膨張して変形したり、破断することを抑制できる。また、銅合金箔と負極活物質との密着性を向上させることができる。従って、負極活物質が銅合金箔から滑落することを抑制でき、充放電容量の低下を抑制できる。
(本発明の他の実施形態)
以上、本発明の一実施形態を具体的に説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。例えば、上述の負極活物質層形成工程では、乾燥工程を行った後、必要に応じて、例えばロールプレス機等を用いて負極活物質層を加圧して成型する加圧工程を有していてもよい。
次に、本発明の実施例を説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
実施例1では、母材として酸素含有量が少ない無酸素銅を用いた。そして、例えば坩堝式溶解炉を用い、窒素雰囲気下にて無酸素銅を溶解して溶湯を作製した。そして、無酸素銅の溶湯中にジルコニウム(Zr)を所定量添加して、Zr含有量(Zr濃度)が0.06重量%である銅合金を溶製した。その後、溶製した銅合金(銅合金の溶湯)を鋳型に供給し、所定形状のインゴット(鋳塊)を鋳造した。なお、本実施例では銅合金中のZr濃度は、鋳造したインゴットを、誘導結合プラズマ発光分光法(ICP−AES)により分析することで測定した。
次に、インゴットを所定温度に加熱して熱間圧延処理を行い、所定厚さの熱間圧延材を作製した。そして、熱間圧延材に、所定の加工度の冷間圧延処理と、焼鈍処理とを所定回数繰り返して行い、所定厚さの冷間圧延材を作製した。そして、冷間圧延材に最終の冷間圧延処理(仕上圧延処理)を行い、所定厚さの銅合金箔を作製した。最終の冷間圧延処理は、熱処理を挟むことなく、複数の圧延パスに分けて冷間圧延処理を繰り返して行った。すなわち、最終の冷間圧延処理は、銅合金箔の表面の剥離エネルギ係数Eが0.2より大きくなるような結晶組織が形成されるように行った。具体的には、最終の冷間圧延処理は、下記の表3に示すAの圧延パススケジュールで行い、総加工度Rを95.0%とした。このとき、1回の圧延パスの最大の加工度rを30.1%とした。そして、厚さが10μm(0.010mm)の銅合金箔を作製した。これを実施例1の試料とした。
(実施例2〜10及び比較例1〜5)
実施例2〜10及び比較例1〜5では、銅合金中のZr濃度、圧延パススケジュール及び最終の冷間圧延処理の総加工度Rをそれぞれ表2及び表3に示す通りとした。この他は、上述の実施例1と同様にして銅合金箔を作製した。これらをそれぞれ、実施例2〜10及び比較例1〜5の試料とした。
実施例1〜10及び比較例1〜5の各試料について、耐熱性の評価、銅合金箔の表面の剥離エネルギ係数Eの評価、及び二次電池特性の評価を行った。
<耐熱性の評価方法>
耐熱性の評価は、実施例1〜10及び比較例1〜5の各試料の加熱による軟化の評価である。銅合金箔の耐熱性は、実施例1〜10及び比較例1〜5の各試料に所定の熱処理を施し、熱処理の前後で引張試験を行うことで評価した。すなわち、まず、実施例1〜10及び比較例1〜5の各試料から、幅12.5mm、長さ230mmの試験片を切り出した。そして、実施例1〜10及び比較例1〜5の各試験片について引張試験を行い、引張強さを測定した。引張試験は、ASTM(旧・米国材料試験協会:American Society for Testing and Materials)インターナショナルのE−345の規格に準拠し、各試験片(銅合金箔)の圧延方向に引張応力を加えて行った。このとき、試験片を保持するつかみ具間の初期の距離を125mmとし、引張速度を5mm/min.とした。また、実施例1〜10及び比較例1〜5の各試験片にそれぞれ所定の熱処理を施した。熱処理の条件は、銅合金箔を用いて二次電池負極が形成される際に銅合金箔に対して行われる熱処理の中で最も過酷な条件とした。すなわち、実施例1〜10及び比較例1〜5の各試験片を、350℃の温度で3時間加熱した。そして、熱処理を行った実施例1〜10及び比較例1〜5の各試験片について、上述と同様の引張試験を行い、引張強さを測定した。これらの測定結果をまとめて表2に示す。
<剥離エネルギ係数Eの測定方法>
剥離エネルギ係数Eの測定は、まず、実施例1〜10及び比較例1〜5の各試料から、幅12.5mm、長さ230mmの試験片を切り出した。そして、実施例1〜10及び比較例1〜5の各試験片に、350℃の温度で3時間の熱処理を施した。各試験片に施す熱処理の条件は、銅合金箔を用いて二次電池負極が形成される際に銅合金箔に対して行われる熱処理の中で最も過酷な条件とした。熱処理を行った各試験片について、X線回折を用いた2θ/θ法による測定を行った。すなわち、X線回折装置(株式会社リガク製のUltima IV)を用いて、下記の表4に示すX線回折の条件で2θ/θ法による測定を行った。そして、各試験片(銅合金箔)の表面(圧延面)のX線回折強度曲線をそれぞれ得た。図3に、2θ/θ法により得られたX線回折強度曲線の一例として、実施例1の試料(銅合金箔)の表面のX線回折強度曲線を示す。
次に、得られた実施例1〜10及び比較例1〜5の各試験片のX線回折強度曲線から、各試験片(銅合金箔)の表面の回折ピーク積分強度をI(hkl)を測定する。このとき、下記の表5に示す2θの角度範囲に見られる(111)面、(200)面、(220)面、(311)面及び(331)面の各結晶面の回折ピーク積分強度を、各試験片の表面の各結晶面の回折ピーク積分強度I(hkl)として用いた。なお、表5に示す2θの角度範囲は、各結晶面の回折ピークが現れる角度範囲である。また、微粉末銅の各結晶面の回折ピーク積分強度I0(hkl)を事前に測定した。そして、銅合金箔の表面の回折ピーク積分強度I(hkl)を微粉末銅の各結晶面の回折ピーク積分強度I0(hkl)で除して、各結晶面の積分強度比K(hkl)を算出した。そして、上記(式1)から、銅合金箔の表面の剥離エネルギ係数Eを算出した。その結果を表2に示す。
ここで、実施例1の試料から幅12.5mm、長さ230mmの試験片を切り出した。そして、この試験片に熱処理を行わずに、X線回折を用いた2θ/θ法により、(111)面、(200)面、(220)面、(311)面及び(331)面の各結晶面の回折ピーク積分強度I(hkl)を測定した。そして、各結晶面の積分強度比K(hkl)を算出し、銅合金箔である各試験片の表面の剥離エネルギ係数Eを算出した。また、実施例1の他の試験片に、150℃の温度で3時間の熱処理を施した。実施例1のさらに他の試験片に、350℃の温度で3時間の熱処理を施した。150℃×3時間の熱処理後又は350℃×3時間の熱処理後、同様に、各結晶面の回折ピーク積分強度をI(hkl)を測定して、各結晶面の積分強度比K(hkl)を算出し、各試験片の表面の剥離エネルギ係数Eを算出した。これらの結果を、表6にまとめて示す。
また、実施例2及び比較例1の各試料から幅12.5mm、長さ230mmの試験片を切り出した。そして、熱処理を行わなかった各試験片、150℃×3時間、350℃×3時間の熱処理を行った各試験片について、X線回折を用いた2θ/θ法により、(111)面、(200)面、(220)面、(311)面及び(331)面の各結晶面の回折ピーク積分強度をI(hkl)を測定した。そして、各結晶面の積分強度比K(hkl)を算出し、銅合金箔である各試験片の表面の剥離エネルギ係数Eを算出した。これらの結果を、実施例2の試験片については表7に、比較例1の試験片については表8にそれぞれ示す。
表6〜表8から、実施例1、実施例2及び比較例1の各試料のいずれも、熱処理を行わないと、銅合金箔の圧延面である各試料の表面は、(220)面の配向が多くなり、(220)面の積分強度比(K(220))が高くなり、銅合金箔の表面の剥離エネルギ係数Eが大きくなることを確認した。そして、熱処理によって、各試料の表面の結晶組織(結晶配向)の様相が変化し、剥離エネルギ係数Eが低下することを確認した。また、熱処理の温度が高くなるほど、剥離エネルギ係数Eがより低下することを確認した。これらの結果から、実施例1〜10及び比較例1〜5の各試料の剥離エネルギ係数Eの評価として、350℃×3時間の熱処理を施した後の剥離エネルギ係数Eの値を評価した。
<導電率の測定方法>
実施例1〜10及び比較例1〜5の各試料の導電率をそれぞれ測定した。導電率の測定は、四端子測定法により20℃での電気抵抗を測定して行った。その結果を表2に示す。
<二次電池特性の評価方法>
実施例1〜10及び比較例1〜5の各試料を用い、コインセル型のリチウムイオン二次電池を以下の手順でそれぞれ作製した。まず、負極活物質としての鱗片状黒鉛粉末を45重量部及び二酸化ケイ素(SiO)を5重量部、結着剤としてのスチレン・ブタジエンラテックス(SBR)を2重量部、増粘剤としてのカルボキシメチルセルロース(CMC)を1重量部に対して水を99重量部に溶解して増粘剤水溶液を作製し、作製した増粘剤水溶液20重量部を混練分散して負極用スラリーを作製した。そして、この負極用スラリーを、負極集電体としての実施例1〜10及び比較例1〜5の各試料の一方の主面(片面)上に、厚さが100μmとなるようにドクターブレード方式で塗布した。その後、負極用スラリーを塗布した各試料を、350℃の温度で3時間加熱して乾燥して、スラリー中の水分を除去して各試料上に負極活物質層を形成した。続いて、ロールプレス機等を用いて、負極活物質層の厚さが50μmとなるように各試料に形成した負極活物質層を加圧した。その後、打ち抜き加工により、負極活物質層を形成した各試料を所定形状に成型し、負極板を作製した。
また、正極材としてのコバルト酸リチウム(LiCoO)粉末を50重量部と、導電助剤としてのアセチレンブラックを1重量部と、結着剤としてのポリフッ化ビニリデン(PVDF)を5重量部とを混練分散して、正極用スラリー(正極用ペースト)を作製した。そして、この正極用スラリーを正極集電体としての厚さが20μmのアルミニウム箔の一方の主面(片面)上に、厚さが100μmとなるようにドクターブレード方式で塗布した。その後、正極用スラリーを塗布したアルミニウム箔を120℃の温度で1時間加熱して乾燥して、スラリー中の水分を除去してアルミニウム箔上に正極活物質層を形成した。続いて、ロールプレス機等を用いて、正極活物質層の厚さが50μmとなるようにアルミニウム箔上の正極活物質層を加圧した。その後、打ち抜き加工により、正極活物質層を形成したアルミニウム箔を所定形状に成型し、正極板を作製した。
そして、正極板と負極板との間に、厚さが20μmのポリプロプレン樹脂製の多孔膜からなるセパレータを挟み、これらをコイン型のセルに収容した。そして、正極板、負極板をそれぞれ、コイン型のセルの内部の端子に電気的に接続した。その後、所定量の非水電解液をセル内に注液し、正極板が有する正極活物質層及び負極板が有する負極活物質層にそれぞれ非水電解液を含浸させた。非水電解液として、エチレンカーボネート30体積%と、メチルエチルカーボネート50体積%と、プロピオン酸メチル20体積%との混合溶媒中に、電解質としてLiPFを1.0モル溶かした電解液を用いた。そして、コイン型のセルをかしめ封口し、コイン型リチウムイオン二次電池を作製した。
負極集電体として実施例1〜10及び比較例1〜5の各試料をそれぞれ用いて作製したコイン型リチウムイオン二次電池の充放電を10回行った。その後、リチウムイオン二次電池を解体した。そして、二次電池特性の評価として、二次電池負極の面積膨張率の測定と、二次電池負極の破断箇所の有無及び負極活物質の滑落の有無の評価とを行った。その結果を表2に示す。
本実施例では、二次電池負極の面積膨張率が15%以下、好ましくは10%以下であり、二次電池負極に破断箇所がなく、また負極活物質の滑落がないものを良好なものとした。
実施例1〜10から、ジルコニウムの含有量が0.01重量%以上0.20重量%以下であり、銅合金箔の引張強さと耐熱性とを向上させることができることを確認した。また、実施例1〜10の各試料である銅合金箔を350℃で3時間加熱した後の剥離エネルギ係数Eが0.2を超えることを確認した。これにより、実施例1〜10の各試料は、良好な二次電池特性を有することを確認した。すなわち、実施例1〜10の各試料である銅合金箔を用いて二次電池負極を作製し、この二次電池負極を用いて作製した二次電池の充放電を行った後、二次電池負極(銅合金箔)の面積膨張率が15%以下、好ましくは10%以下であり、また二次電池負極に破断箇所がなく、さらに負極活物質の滑落がないことを確認した。
実施例1〜8から、Zrの含有量が0.15重量%以下であると、銅合金箔の導電率の低下をより抑制できることを確認した。すなわち、75%IACS以上の導電率を維持することができることを確認した。
比較例1,2から、Zrの含有量が0.01重量%未満であると、所望とする銅合金箔の耐熱性を得ることができないことを確認した。すなわち、350℃の温度で3時間加熱した後の引張強さが低下し、400N/mm以上の引張強さを維持することができないことを確認した。また、Zrの含有量が0.01重量%未満であると、H材の状態の銅合金箔の引張強さが低下することもあることを確認した。その結果、二次電池の充放電を行った後に二次電池負極の面積膨張率が高くなり、二次電池負極に破断が生じていることを確認した。また、比較例1,2の各試料は、剥離エネルギ係数Eが0.2以下となり、二次電池の充放電を行った後、負極活物質の滑落が発生していることを確認した。
比較例3から、銅合金箔を製造する際の最終の冷間圧延工程での総加工度Rが95%未満であると、H材の状態の銅合金箔の引張強さを450N/mm以上にすることが難しくなることを確認した。従って、銅合金箔を350℃で3時間加熱した後の引張強さが400N/mm未満となることを確認した。また、比較例4から、最終の冷間圧延工程での総加工度Rが99%以上であると、銅合金箔の耐熱性が低下することを確認した。すなわち、銅合金箔を350℃で3時間加熱した後の引張強さが400N/mm未満となることを確認した。このように、比較例3,4の各試料は、加熱後の引張強さが400N/mm未満となることを確認した。従って、二次電池の充放電を行った後の二次電池負極は、面積膨張が大きいことを確認した。すなわち、二次電池負極に用いられた比較例3,4の試料である銅合金箔は、面積膨張率が15%を超えることを確認した。また、比較例4の試料では、充放電を行った後、破断している箇所があることを確認した。
比較例5から、最終の冷間圧延工程において、1回の圧延パスの加工度rが40%を超えるパスが存在すると、剥離エネルギ係数Eが0.2以下となることを確認した。従って、比較例5を用いて作製した二次電池の充放電を行うと、負極活物質が滑落してしまうことを確認した。

Claims (3)

  1. 無酸素銅ベースの銅合金により形成される銅合金箔であって、
    前記銅合金は、0.01重量%以上0.20重量%以下のジルコニウムが含まれ、残部が銅及び不可避的不純物からなり、
    加熱する前の引張強さが450N/mm以上であり、
    350℃以下の温度で10分〜3時間加熱した後の引張強さが400N/mm以上であり、
    350℃以下の温度で10分〜3時間加熱した後、X線回折を用いた2θ/θ法によって測定して得られた前記銅合金箔の表面の(hkl)面の回折ピーク積分強度I(hkl)と、X線回折を用いた2θ/θ法によって測定して得られた微粉末銅の(hkl)面の回折ピーク積分強度I0(hkl)と、の積分強度比をK(hkl)としたとき、下記の(1)式で表される前記銅合金箔の表面と鎖状の分子構造を有する炭素ポリマとの間に働く剥離エネルギ係数Eが0.2より大きい
    ことを特徴とする銅合金箔。
    E=(0.21×K(111)+0.15×K(200)+0.23×K(220)+0.19×K(311)+0.22×K(331))/(K(111)+K(200)+K(220)+K(311)+K(331))・・・(1)
  2. 導電率が75%IACS以上である
    ことを特徴とする請求項1に記載の銅合金箔。
  3. 請求項1又は2に記載の銅合金箔と、
    前記銅合金箔の少なくともいずれかの主面上に、負極活物質及びバインダを含有するスラリーを塗布して乾燥固化させることで形成される負極活物質層と、を備える
    ことを特徴とする二次電池負極。
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