JP2013181206A - リチウムイオン二次電池用負極集電銅箔、リチウムイオン二次電池用負極集電銅箔の製造方法、リチウムイオン二次電池用負極、リチウムイオン二次電池用負極の製造方法、及びリチウムイオン二次電池 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 少なくともCrを0.15重量%以上0.40重量%以下含有し、残部がCuからなり、次式(1)のCr固溶指数Zが0.05≦Z≦0.3となる。Z=(RM−RS)/(RP−RS)・・・(1) 但し、RMは負極集電銅箔の導電率Rの実測値(%IACS)であり、RSはCrが全て固溶した場合の負極集電銅箔10の導電率Rの計算値(%IACS)であり、RPはCrが全て析出した場合の負極集電銅箔10の導電率Rの計算値(%IACS)である。
【選択図】図1
Description
少なくともCrを0.15重量%以上0.40重量%以下含有し、残部がCuからなり、
下記の式(1)のCr固溶指数Zが0.05≦Z≦0.3となる
リチウムイオン二次電池用負極集電銅箔が提供される。
導電率RMは、
前記リチウムイオン二次電池用負極集電銅箔の実測上の導電率R(%IACS)であり、
導電率RSは、
前記リチウムイオン二次電池用負極集電銅箔の計算上の導電率R(%IACS)であり、前記Crが全て固溶した場合に固溶した状態にある各合金元素の含有濃度[原子%](at%)を下記の式(2)に代入することで得られた電気抵抗率ρから、下記の式(3)により定まる導電率R(%IACS)であり、
導電率RPは、
前記リチウムイオン二次電池用負極集電銅箔の計算上の導電率R(%IACS)であり、前記Crが全て析出した場合に固溶した状態にある各合金元素の含有濃度[原子%](a
t%)を下記の式(2)に代入することで得られた電気抵抗率ρから、下記の式(3)により定まる導電率R(%IACS)である。
Ag,Sn,In,Ti,Zrの1種以上の元素を総量で0.01重量%以上0.40重量%以下含有する
第1の態様に記載のリチウムイオン二次電池用負極集電銅箔が提供される。
20μm以下の厚さを有する
第1又は第2の態様に記載のリチウムイオン二次電池用負極集電銅箔が提供される。
少なくともCrが0.15重量%以上0.40重量%以下含有される銅合金素材に熱間圧延を施して板材を形成する熱間圧延工程と、
前記板材に冷間圧延を施して生地を形成する冷間圧延工程と、
前記生地を850℃以上950℃以下に保持して前記生地に溶体化処理を施す生地溶体化工程と、
前記溶体化処理を施された前記生地に冷間圧延を施す最終冷間圧延工程と、を有する
リチウムイオン二次電池用負極集電銅箔の製造方法が提供される。
前記銅合金素材は、
Ag,Sn,In,Ti,Zrの1種以上の元素を総量で0.01重量%以上0.40重量%以下含有する
第4の態様に記載のリチウムイオン二次電池用負極集電銅箔の製造方法が提供される。
前記最終冷間圧延工程では、
加工度が95%以上99%以下となる冷間圧延を前記生地に施し、前記生地の厚さを20μm以下とする
第4又は第5の態様に記載のリチウムイオン二次電池用負極集電銅箔の製造方法が提供される。
前記生地溶体化工程が終了した後、前記最終冷間圧延工程が終了するまでは、前記生地を350℃未満の温度に維持する
第4〜第6の態様のいずれかに記載のリチウムイオン二次電池用負極集電銅箔の製造方法
が提供される。
第1〜第3の態様のいずれかに記載のリチウムイオン二次電池用負極集電銅箔と、
前記リチウムイオン二次電池用負極集電銅箔の少なくとも片面に形成された負極活物質層と、
前記リチウムイオン二次電池用負極集電銅箔に接続されたタブリードと、を備える
リチウムイオン二次電池用負極が提供される。
第4〜第7の態様のいずれかに記載の製造方法により製造されるリチウムイオン二次電池用負極集電銅箔の少なくとも片面に負極活物質とバインダ溶液とを混練したスラリーを塗布するスラリー塗布工程と、
前記スラリーが塗布された前記リチウムイオン二次電池用負極集電銅箔に熱処理を施して前記スラリー中のバインダ成分を固化させ、前記リチウムイオン二次電池用負極集電銅箔の少なくとも前記片面に負極活物質層を形成する熱処理工程と、
前記リチウムイオン二次電池用負極集電銅箔にタブリードを接続するタブリード接続工程と、を有し、
前記熱処理工程では、
350℃以上500℃以下の温度で1時間以上15時間以下の熱処理を施す
リチウムイオン二次電池用負極の製造方法が提供される。
第8の態様に記載のリチウムイオン二次電池用負極と、
リチウムイオン二次電池用正極と、
前記リチウムイオン二次電池用負極及び前記リチウムイオン二次電池用正極の間に挿入されたセパレータと、
前記セパレータが間に挿入された前記リチウムイオン二次電池用負極及び前記リチウムイオン二次電池用正極が収容され、電解液が封入された容器と、を備える
リチウムイオン二次電池が提供される。
上述のようなリチウムイオン二次電池用負極集電銅箔には、例えば銅−クロム(Cu−Cr)系合金の圧延銅箔等が用いられる。Crは、母相であるCu中に固溶することで、係る圧延銅箔の耐熱性を向上させる。よって、リチウムイオン二次電池用負極の製造時における高温、長時間での熱処理による軟化を抑制する。また、係る熱処理によって、固溶状態にあるCr(以下、固溶Crともいう)は単体でCuの母相中に析出し、析出した状態となったCr(以下、析出Crともいう)は圧延銅箔の機械的強度及び導電性を向上さ
せる作用を発揮する。
(1)リチウムイオン二次電池の概略構成
まずは、本発明の一実施形態に係るリチウムイオン二次電池の概略構成について、図2及び図3を参照しながら説明する。図2は、本実施形態に係るリチウムイオン二次電池用負極1の平面図である。図3は、本実施形態に係るリチウムイオン二次電池50の斜視断面図である。
以下に、本発明の一実施形態に係るリチウムイオン二次電池用負極集電銅箔10について説明する。
負極集電銅箔10は、例えば、少なくともクロム(Cr)を0.15重量%以上0.40重量%以下、好ましくは0.20重量%以上0.40重量%以下含有し、残部が銅(Cu)からなるCu−Cr系合金の圧延銅箔として、例えば20μm以下の厚さに形成されている。
また、負極集電銅箔10においては、次式(1)のCr固溶指数Zが0.05≦Z≦0.3となるよう各種値が制御されている。
導電率RMは、
負極集電銅箔10の実測上の導電率R(%IACS)であり、
導電率RSは、
負極集電銅箔10の計算上の導電率R(%IACS)であり、Crが全て固溶した場合に固溶した状態にある各合金元素の含有濃度[原子%](at%)を下記の式(2)に代入することで得られた電気抵抗率ρから、下記の式(3)により定まる導電率R(%IACS)であり、
導電率RPは、
負極集電銅箔10の計算上の導電率R(%IACS)であり、Crが全て析出した場合に固溶した状態にある各合金元素の含有濃度[原子%](at%)を下記の式(2)に代入することで得られた電気抵抗率ρから、下記の式(3)により定まる導電率R(%IAC
S)である。
具体的には、負極集電銅箔10が有する機械的強度は、以下のように規定される。
以下に、上記の式(1)の意義について更に詳細に説明する。
次に、図1を参照しながら、リチウムイオン二次電池用負極集電銅箔10の製造方法について説明する。図1は、本実施形態に係る負極集電銅箔10の製造工程を示すフロー図である。
図1に示すように、まずは、原材料となる銅合金素材としてのインゴット(鋳塊)を用意する。係るインゴットは、少なくともCrが0.15重量%以上0.40重量%以下、好ましくは0.20重量%以上0.40重量%以下含有されるよう、CrとCuとを溶解して鋳造されたものである。母材となるCuには、例えば無酸素銅(OFC:Oxygen-Free Copper)やタフピッチ銅等を用いることができる。また、さらに必要に応じて、例えばAg,Sn,In,Ti,Zrの1種以上の元素を総量で0.01重量%以上0.40重量%以下含有していてもよい。
次に、係るインゴットに対し、熱間圧延を施して板材を形成する。なお、熱間圧延工程S20に先んじて、鋳造組織中に生じている偏析を均質化する加熱処理を行っておくことが望ましい。具体的には、平衡状態で均質な固溶状態となる温度以上の温度域に30分以上保持する。加熱温度は、例えば800℃以上950℃以下が好ましい。
続いて、熱間圧延を施された板材に対し、冷間圧延工程S31と生地溶体化工程S32とを複数回繰り返す繰返し工程S30を行う。
次に、繰返し工程S30を経て溶体化処理を施された生地に、最終冷間圧延工程S40を施して、所定の厚さ、例えば20μm以下の圧延銅箔とする。このとき、加工度を95%以上99%以下として、上記溶体化処理にて固溶したCrの析出の起点となる歪を充分に導入することが好ましい。このように、充分な歪を確保することで、リチウムイオン二次電池用負極1の製造工程での熱処理で析出Crが生成する際、Crの析出物の微細分散が起こる。Crの析出物が微細分散した状態にあることで、機械的強度及び導電性を向上させる効果が一層発揮されやすくなる。
以上の工程を経た生地に、例えば粗化処理および防錆処理等の所定の表面処理を施し、リチウムイオン二次電池用負極集電銅箔10が製造される。
次に、図2に示す構成を備えるリチウムイオン二次電池用負極1の製造方法について説明する。
まずは、負極集電銅箔10にスラリーを塗布して圧着する方法について説明する。係る工程は、例えばコイル・ツー・コイル方式の連続ラインにより、負極集電銅箔10にスラリーを塗布するアプリケータ等の装置を用いて行う。
次に、例えば赤外線加熱炉等を用い、スラリーが圧着された負極集電銅箔10に対し、バインダ成分の熱可塑性領域の温度以上となる高温かつ長時間の熱処理を施す。具体的には、350℃以上500℃以下での熱処理を1時間以上15時間以下施す。これにより、例えばイミド系樹脂等の前駆体からなるバインダ成分は、負極活物質粒子の凹凸内へと入り込みつつイミド化反応が進行して固化する。これにより、負極集電銅箔10の両面に、負極活物質及びイミド化されたバインダ樹脂を含む負極活物質層11a,11bが、高い結着性を有して形成される。
次に、図2を参照しながら、負極集電銅箔10にタブリード12を接続する方法について説明する。
い露出領域10sを有する。リチウムイオン二次電池50が備える電池外挿缶5と電気的接続を取るため、この負極集電銅箔10の露出領域10sに例えば溶接によりタブリード12を接続する。
次に、図3を参照しながら、リチウムイオン二次電池50の製造方法について説明する。ここでは、図3に示す円筒型のリチウムイオン二次電池50を例にとって説明するが、リチウムイオン二次電池は、角型、ラミネート型等、他の形態を有していてもよい。
以上、本発明の実施形態について具体的に説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
し、機械的強度をより向上させることとしたが、加工度が95%未満であっても、本願の手法において所定の効果は得られる。
まずは、以下に述べる手順に従い、実施例1〜21及び比較例1〜5に係る負極集電銅箔を製作した。
以上の結果を、以下の表1に示す。
S以上の高い値が得られた。
2 リチウムイオン二次電池用正極
3 セパレータ
4 捲回体
5 電池外挿缶(容器)
6 溝
7 ガスケット
8 キャップ
8t 端子
10 リチウムイオン二次電池用負極集電銅箔
11a,11b 負極活物質層
12,22 タブリード
50 リチウムイオン二次電池
少なくともCrを0.15重量%以上0.40重量%以下含有し、残部がCuからなり、
下記の式(1)のCr固溶指数Zが0.05≦Z≦0.3となる
リチウムイオン二次電池用負極集電銅箔が提供される。
導電率RMは、
前記リチウムイオン二次電池用負極集電銅箔の実測上の導電率R(%IACS)であり、
導電率RSは、
前記リチウムイオン二次電池用負極集電銅箔の計算上の導電率R(%IACS)であり、前記Crが全て固溶した場合に固溶した状態にある各合金元素の含有濃度[原子%](at%)を下記の式(2)に代入することで得られた電気抵抗率ρから、下記の式(3)により定まる導電率R(%IACS)であり、
導電率RPは、
前記リチウムイオン二次電池用負極集電銅箔の計算上の導電率R(%IACS)であり、前記Crが全て析出した場合に固溶した状態にある各合金元素の含有濃度[原子%](at%)を下記の式(2)に代入することで得られた電気抵抗率ρから、下記の式(3)により定まる導電率R(%IACS)である。
Claims (10)
- 少なくともCrを0.15重量%以上0.40重量%以下含有し、残部がCuからなり、
下記の式(1)のCr固溶指数Zが0.05≦Z≦0.3となる
ことを特徴とするリチウムイオン二次電池用負極集電銅箔。
導電率RMは、
前記リチウムイオン二次電池用負極集電銅箔の実測上の導電率R(%IACS)であり、
導電率RSは、
前記リチウムイオン二次電池用負極集電銅箔の計算上の導電率R(%IACS)であり、前記Crが全て固溶した場合に固溶した状態にある各合金元素の含有濃度[原子%](at%)を下記の式(2)に代入することで得られた電気抵抗率ρから、下記の式(3)により定まる導電率R(%IACS)であり、
導電率RPは、
前記リチウムイオン二次電池用負極集電銅箔の計算上の導電率R(%IACS)であり、前記Crが全て析出した場合に固溶した状態にある各合金元素の含有濃度[原子%](at%)を下記の式(2)に代入することで得られた電気抵抗率ρから、下記の式(3)により定まる導電率R(%IACS)である。
- Ag,Sn,In,Ti,Zrの1種以上の元素を総量で0.01重量%以上0.40重量%以下含有する
ことを特徴とする請求項1に記載のリチウムイオン二次電池用負極集電銅箔。 - 20μm以下の厚さを有する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のリチウムイオン二次電池用負極集電銅箔。 - 少なくともCrが0.15重量%以上0.40重量%以下含有される銅合金素材に熱間圧延を施して板材を形成する熱間圧延工程と、
前記板材に冷間圧延を施して生地を形成する冷間圧延工程と、
前記生地を850℃以上950℃以下に保持して前記生地に溶体化処理を施す生地溶体化工程と、
前記溶体化処理を施された前記生地に冷間圧延を施す最終冷間圧延工程と、を有する
ことを特徴とするリチウムイオン二次電池用負極集電銅箔の製造方法。 - 前記銅合金素材は、
Ag,Sn,In,Ti,Zrの1種以上の元素を総量で0.01重量%以上0.40重量%以下含有する
ことを特徴とする請求項4に記載のリチウムイオン二次電池用負極集電銅箔の製造方法。 - 前記最終冷間圧延工程では、
加工度が95%以上99%以下となる冷間圧延を前記生地に施し、前記生地の厚さを20μm以下とする
ことを特徴とする請求項4又は5に記載のリチウムイオン二次電池用負極集電銅箔の製造方法。 - 前記生地溶体化工程が終了した後、前記最終冷間圧延工程が終了するまでは、前記生地を350℃未満の温度に維持する
ことを特徴とする請求項4〜6のいずれかに記載のリチウムイオン二次電池用負極集電銅箔の製造方法。 - 請求項1〜3のいずれかに記載のリチウムイオン二次電池用負極集電銅箔と、
前記リチウムイオン二次電池用負極集電銅箔の少なくとも片面に形成された負極活物質層と、
前記リチウムイオン二次電池用負極集電銅箔に接続されたタブリードと、を備える
ことを特徴とするリチウムイオン二次電池用負極。 - 請求項4〜7のいずれかに記載の製造方法により製造されるリチウムイオン二次電池用負極集電銅箔の少なくとも片面に負極活物質とバインダ溶液とを混練したスラリーを塗布するスラリー塗布工程と、
前記スラリーが塗布された前記リチウムイオン二次電池用負極集電銅箔に熱処理を施して前記スラリー中のバインダ成分を固化させ、前記リチウムイオン二次電池用負極集電銅箔の少なくとも前記片面に負極活物質層を形成する熱処理工程と、
前記リチウムイオン二次電池用負極集電銅箔にタブリードを接続するタブリード接続工程と、を有し、
前記熱処理工程では、
350℃以上500℃以下の温度で1時間以上15時間以下の熱処理を施す
ことを特徴とするリチウムイオン二次電池用負極の製造方法。 - 請求項8に記載のリチウムイオン二次電池用負極と、
リチウムイオン二次電池用正極と、
前記リチウムイオン二次電池用負極及び前記リチウムイオン二次電池用正極の間に挿入されたセパレータと、
前記セパレータが間に挿入された前記リチウムイオン二次電池用負極及び前記リチウムイオン二次電池用正極が収容され、電解液が封入された容器と、を備える
ことを特徴とするリチウムイオン二次電池。
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