JP2015030532A - 薬液用大型タンク - Google Patents

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教昌 三浦
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克哉 乘田
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Abstract

【課題】複数の部材を接合して組み立てた薬液用大型タンクに関して、落下時の割れや製造コストを抑制する。
【解決手段】円筒状胴部と底面と蓋をシーム溶接で接合した本体部材を有する薬液用大型タンクであって、円筒状胴部の最下端が外向きのカール形状とされ、また、タンク素材としてCuとNbを各々0.1質量%以上添加したフェライト系ステンレス鋼、またはMoを0.3質量%以上とNbを0.1質量%以上添加したフェライト系ステンレス鋼を用いることを特徴としている。
【選択図】図1

Description

本発明は、金属を素材とした薬液用大型タンクに関し、例えば農薬や医薬品、非水系電解液を貯蔵して輸送するための大型タンクに関する。
従来の薬液用大型タンクは、取り扱い時の安全性を考慮して、内容物の薬液が漏れないことと落下時の耐衝撃強度が要求されている。
このような要求に対応するために特許文献1には、タンク上部に筒口を一体で有し、この筒口に薬液を注入・排出するためのパイプを接合した蓋を密栓するとともに、そのパイプの変形や破壊を防止するために、タンク上部に筒状のスカートを設けた構造を持つ薬液輸送用容器が開示されている。また、薬液全量を可能な限り排出させるためにパイプ直下のタンク底面が最も低くなるよう半球面形状の底面を備えたタンクを床面上で自立させるため、タンク下部には筒状のスカートを設けている。
特許文献2には、化学薬品を貯蔵するタンクとして、オーステナイト系ステンレス鋼を素材とした薬液用大型タンクが提案されている。
特許3162329号公報 特開昭56−102561号公報
このように、従来から提案されている薬液用大型タンクは、薬液の漏れを防止するための密閉構造は十分に施されており、また、タンクを床面上で自立させることを目的としてタンク下部にスカートやカップ状の部材が設けられているものの、タンクが落下した際の耐衝撃強度に対しては不十分である。これは、タンクを床面上で自立させる目的のスカートやカップ状部材(以下、タンクの自立目的部材と称する)では、タンク本体の底面がタンクの自立目的部材の下端とほぼ同じ高さであるため、タンクが落下した際の衝撃をタンクの自立目的部材だけが受けるのではなく、タンク本体も受けてしまうためである。そこで、衝撃吸収特性に優れた構造とすることが望まれていた。特に最近は、海外へ薬液用大型タンクを海上輸送することが頻繁に行なわれており、国際連合危険物輸送及び分類調和専門家委員会の国際連合危険物輸送勧告に対応するためにも、耐衝撃強度が高いタンク構造にする必要がある。
また、複数の部材を重ね継手でTIG溶接してあるため、盛り上がった溶接ビードを研磨する工程や、溶接時に発生したスパッタ処理の工程を追加しなければならず、これによって生産コストが高くなるという問題がある。さらに、溶接前の各部材間に隙間が発生する場合があり、この隙間によって溶接時に部分的な溶け落ちが発生しやすくなることから、隙間を小さくするために各部材の拘束作業が必要となる。これによって作業時間が長くなり、生産コストが高くなっている。
また、薬液用大型タンクの素材としては、オーステナイト系ステンレス鋼を用いることが提案されているが、Niが含有されていることから素材コストが高いために多くの用途に展開しにくい状況にあった。
本発明は、上記の課題を解決するため、耐衝撃強度が高く、内容物の薬液に対して耐食性を有するとともに、低コストになる薬液用大型タンクを提供することを目的とする。
本発明の薬液用大型タンクは、その目的を達成するため、円筒状胴部と、半球面形状の底板、蓋、下フランジを有する本体部材と、薬液を注入・排出するパイプ部材で構成されており、円筒状胴部の最下端を外向きのカール形状とすることと、円筒状胴部に半球面形状の底板と蓋とをそれぞれシーム溶接により接合したことを特徴としている。
また、薬液用大型タンクの素材としては、Moを0.3質量%以上と、Nbを0.1質量%以上添加したフェライト系ステンレス鋼、またはCuとNbを各々0.1質量%以上添加したフェライト系ステンレス鋼を用いることも特徴としている。
本発明の薬液用大型タンクにおいては、本体部材の円筒状胴部の最下端を外向きのカール形状としているため、薬液用大型タンクが落下した際にカール部分に衝撃が集中してもカールが開放されることがない。これに対して、下部筒状部材の最下端が内向きにカールしていると、薬液用大型タンクが落下した際の衝撃でカールが開いてしまうのである。カールが開放してしまうと、カールが開放した部分近傍のみに衝撃による変形が集中して大きく変形してしまい、この部分はタンクの割れに至ることもある。すなわち、下部筒状部材の最下端を外側にカールさせることによって、落下による衝撃を下部筒状部材の広い部分で受けるので、局所的な変形を防止することができる。これによって、薬液用大型タンクの本体に伝播する歪みが緩和され、割れを防止することができる。
また、円筒状胴部に半球面状の底板と蓋とをそれぞれシーム溶接により接合していることから、各々の部材を重ねて隙間が発生しても、シーム溶接の際に電極輪の加圧によって隙間の発生を防止できるため、安定した溶接が可能となり、生産コストの上昇を防止できる。
また、薬液用大型タンクの本体部材やパイプ部材、筒状部材の素材をMoを0.3質量%以上と、Nbを0.1質量%以上添加したフェライト系ステンレス鋼、またはCuとNbを各々0.1質量%以上添加したフェライト系ステンレス鋼としているので、落下による衝撃や取り扱い時の衝突に対して十分な強度を持つとともに、内容物の薬液に対して高い耐食性を有している。さらに、薬液用大型タンクのコストを下げることもできる。
本発明の薬液用大型タンクの断面模式図 塩水噴霧試験による耐食性比較結果を示す図
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る薬液用大型タンク1の断面模式図である。薬液用大型タンク1は、薬液を貯蔵する本体部材2と、薬液を注入・排出するパイプ部材12から構成されている。また、本体部材2は、円筒状胴部5と半球面形状の底面6、さらに蓋3と下フランジ11からの構成である。
パイプ部材12は、本体部材2に差し込まれ薬液を注入・排出するパイプ4と、上フランジ8から構成されており、薬液を本体部材2の内部に密閉するためには、上フランジ8と下フランジ11の間にシール材9を挟みながらパイプ4を本体部材2内に差し込み、上フランジ8と下フランジ11の間をボルト10により締結する。
本体部材2の円筒状胴部5は、素材を円筒形状に加工して、突合せ部分を溶接にて接合し、最下端を外向きのカール形状に加工して完成させている。この胴部5の一方端には半球面形状に加工した底板6をシーム溶接(溶接部15)により円周を溶接して組み付けており、他方端には蓋3と下フランジ11を溶接により接合した蓋3をシーム溶接(溶接部15)により円周を溶接して組み付けている。円筒状胴部5の突合せ溶接や下フランジ11を蓋3に溶接する方法は特に規定しないが、作業性を考慮すると片側から溶接できるTIG溶接などの溶融溶接によることが好ましい。
円筒状胴部5と蓋3の接合は、薬液用大型タンク1が側面から衝突を受けてパイプ部材12が変形したり破壊したりすることを防止するため、円筒状胴部5でパイプ部材12を囲う位置で行う。また、円筒状胴部5と半球面状の底板5との接合は、円筒状胴部5において半球面状の底板6を接合した位置から下方の領域が、薬液用大型タンク1が落下した際に変形して衝撃力を吸収するように下側領域13を設けた位置で行う。
蓋3は、パイプ4を本体部材2内に差し込むための挿入口7を有する。挿入口7は蓋3の中心に所定寸法の穴開け・バーリング加工した後に、下フランジ11を溶接して製作している。上フランジ8には、パイプ4に溶接により接合されており、ボルト10により下フランジ11と組み付けるためのボルト穴が設けられている。
上フランジ8とパイプ4の接合や下フランジ11と蓋3の接合に用いる溶接方法は、特に限定しないが、作業性を考慮すると片側から溶接できるTIG溶接などの溶融溶接にすることが好ましい。
本発明においては、薬液用大型タンク1を構成する部材には、薬液に対する耐食性や落下や衝突に対する強度性能、コストを考慮して、特定成分を添加したフェライト系ステンレス鋼を用いる。特に耐食性に関しては、オーステナイト系ステンレス鋼と同等以上の性能とする必要があり、そのため本発明者らは、フェライト系ステンレス鋼のなかでもCuとNbを添加した、あるいはMoとNbを添加したフェライト系ステンレス鋼に着目した。
これらのフェライト系ステンレス鋼の熱膨張率は、オーステナイト系ステンレス鋼と比較すると約1/2であり、また熱伝導率が約1.5倍であって熱の拡散が速いことから、溶接による加熱変形も約1/2以下となる。この変形量の低下に比例して、溶接時の部材の固定締め付け力も低くすることが可能である。
これらのフェライト系ステンレス鋼の耐食性は、代表的なSUS304との塩水噴霧試験(JIS Z 2371)における比較において、図2に示すようにSUS304と同等以上の耐食性を有することが判明した。ここで図2におけるレイティングナンバは、JIS Z 2371附属書1に記載のレイティングナンバ法に基づいて評価した塩水噴霧試験結果の判定である。
また、この塩水噴霧試験に用いた各供試材の成分組成は表1に示す通りである。
表1 塩水噴霧試験に用いたステンレス鋼の成分組成 (質量%)
Figure 2015030532
これらの成分組成のうちMoは、Crの存在下で耐食性を向上させる作用がある。また、Cuの作用は、アノード電流を低下させて不動態皮膜を安定化させる効果であり、Nbの作用はNbCを形成することによって粒界へのCr炭化物の析出を抑制してCr欠乏を抑える効果である。
以上に示したように、本発明のフェライト系ステンレス鋼を薬液用大型タンクの素材とすることにより、オーステナイト系ステンレス鋼と同等以上の耐食性を確保することができる。
なお、基本となるフェライト系ステンレス鋼としては、質量%で、C:0.25%以下、Si:2.0%以下、Mn:1.0%以下、P:0.04%以下、S:0.01%以下、Cr:16〜35%、N:0.025%以下をベースとして、これにNb:0.1〜0.6%やCu:0.1〜1.0%、Mo:0.3〜6.0%を含有するものが好ましい。
C、Nは、耐食性の面からはSUS430やSUS434に含まれる程度でよいが、強度の成形加工や溶接加工が施される場合において、加工性、耐食性ならびに耐粒界腐食性、あるいは靭性の面からC、Nは低ければ低いほど好ましい。一方、C、Nを低めることは精錬時間の延長を来たし製造コストの上昇を招く。これは、C、Nを固定する作用を有するNbを適量添加することで、ある程度の含有は許容される。このため、Cは0.25質量%以下、Nは0.025質量%以下とするが、加工性や溶接部の耐食性あるいは靭性が要求される場合には、Cは0.03質量%以下、Nは0.02質量%以下にするのが好ましい。
Siは、脱酸作用を有しており、後述するように同様の作用を有するMnを耐食性の面から減少させるので多い方が望ましい。しかし、多すぎると鋼を硬化させ加工性を損ない、また溶接時の高温割れや溶接部靭性に対しても有害であるので上限を2.0質量%とする。
Mnは、硫化物形成能が強く、鋼中のSと結合し水溶液中で不安定で発錆の起点となりやすいMnSを形成し、耐食性を劣化させるので低いほうが望ましい。Mnが低くなるに従って孔食電位は貴となり、耐食性が改善される。有意な耐食性を得るためにはMnを1.0質量%以下にする必要がある。
Sは、上述のようにMnと結合し耐食性に有害であり、低い方が望ましい。有意な耐食
性を得るためには、Sは0.01質量%以下にする必要がある。特に過酷な条件下で使
用される場合には0.002質量%以下にするのが好ましい。
Crは、不動態皮膜の主要構成元素であり、不動態効果を得るには少なくとも16質量%のCrを必要とする。Crの増加は鋼の脆化をまねき加工時の割れや肌荒れを生じやすくなり、かつ軟質性が損なわれる。またCrの増加により製造が困難となり製造コストの上昇を招く。これらの理由から35質量%を上限とする。
Nbは、鋼中のC、Nを固定する元素として知られており、通常加工性および溶接部の諸特性を改善するのに添加されているが、これらの効果の他にNbC形成による粒界へのCr炭化物の析出抑制により耐食性改善効果を有する。Nbの下限は、粒界腐食を防止するためC、Nの固定に必要な量から0.1質量%とする。一方Nbはその含有量が高くなり過ぎると、溶接やろう付け時の耐高温割れ性が低下し、靭性を損なうので0.6質量%を上限とする。
Cuは、アノード電流を低下させることによる不動態皮膜の安定化により耐食性改善効
果を有する。安定した耐食性改善効果を得るために下限は0.1質量%とする。過剰の添加は、加工性を低下させると共に耐食性も低下させるため1.0質量%を上限とする。
Moは、一般的にはCrの存在下でステンレス鋼の耐食性を高める作用がよく知られている。このため、本発明では必要に応じてMoを添加することができる。種々検討の結果、Moによるステンレス鋼の耐食性を高める作用を十分に発揮させるためには0.3質量%のMo含有量を確保することがより効果的である。しかし過剰のMo添加は加工性低下やコスト増を招くので、Moを添加する場合は6.0質量%未満の範囲で行う。
(実施例1)
素材として表1に示した本発明1のフェライト系ステンレス鋼を用い、図1に示した構造の薬液用大型タンク1を製造した。本発明1のフェライト系ステンレス鋼を用いて製造した部材は、本体部材2のうち、円筒状胴部5、半球面状の底板6、蓋3と、パイプ部材12のうちパイプ4である。
薬液用大型タンク1の外径は600mm、高さは1200mmである。本体部材2と蓋3は板厚が2mmであり、パイプ4は外径20mmで板厚1.5mmのTIG溶接パイプを用いた。上フランジ8と下フランジ11は、板厚4mm、外径60mmのものを用いた。
本体部材2の円筒状胴部5は、外径600mmとなるように曲げ加工を行った後に端部どうしをTIG溶接で接合し、最下端に外径20mmの外向きカール部14を加工した。
また、半球面状の底面6は、曲率半径が800mmとなる半球面形状に加工した。蓋3は、中央に穴径25mm、高さ20mmのバーリング加工部を設け、そのバーリング加工部に下フランジ11を配置し、TIG溶接により接合した。
円筒状胴部5と半球面状の底面6の接合は、下側領域13の長さが60mmとなる位置でシーム溶接を行った。また、円筒状胴部5と蓋3の接合は、パイプ12が円筒状胴部5で囲われるように、円筒状胴部5の最上部から50mmの位置で、シーム溶接により行った。
シーム溶接は、外径150mm、幅10mm、先端に曲率半径40mmのRを付与した一対のクロム銅製電極輪を用い、加圧力3kN、溶接電流10kA、溶接速度2m/分の条件で行った。
一方、パイプ部材12は、上フランジ8の中央に貫通穴を開け、パイプ4を通してパイプの周囲をTIG溶接で封止して製作した。
なお、上フランジ8には、ボルト10を通すためのφ9mmの穴を6箇所、下フランジ11にはM6の雌ネジ部を6箇所設けた。
続いて、シール材9を用意した。シール材9は、外径60mm、厚さ2mmのポリプロピレン製で、中央にパイプ4を通すための直径30mmの穴1つと、その周囲にフランジのボルト穴と同じ配置でφ9mmのボルト用穴6つをあけたものである。このシール材9を下フランジ11の上に置き、パイプ部材12のパイプ4を本体部材2の挿入口7から本体部材内部に挿入して、上フランジ8と下フランジ11をボルト10で締結して薬液用大型タンク1を完成させた。
(実施例2)
素材として表1に示した本発明2のフェライト系ステンレス鋼を用い、図1に示した薬液用大型タンク1を製造した。薬液用大型タンク1の各部の寸法や溶接方法、シール材9の仕様は、実施例1と同じとした。
(比較例1)
素材として表1に示したSUS304を用い、図1に示した薬液用大型タンク1を製造した。薬液用大型タンク1の各部の寸法や溶接方法、シール材9の仕様は、溶接電流8kAに設定した以外は実施例1と同じとして薬液用大型タンク1を製造した。
(比較例2)
図1に示した薬液用大型タンク1のうち、円筒状胴部の下端のカール部14を内側に巻いた形状としたこと以外は、実施例1と同じ薬液用大型タンク1を製造した。
(比較例3)
素材として表1に示した本発明1のフェライト系ステンレス鋼を用い、図1に示した薬液用大型タンク1を製造した。薬液用大型タンク1の各部の寸法やシール材9の仕様は、実施例1と同じとしたが、円筒状胴部5と半球面状の底面6の接合と、円筒状胴部5と蓋3の接合は、どちらもTIG溶接により行った。TIG溶接の条件は、TIG溶接の条件は、溶接電流が120A、溶接速度を0.3m/分、シールドガスをArガスとした。また、溶接後は盛り上がった溶接ビードの砥石によるグラインダー研磨を行った。
実施例1と2、および比較例1に示した薬液用大型タンク1に六フッ化燐酸リチウムを200リットル注入し、トラック荷台からの積み下ろし作業時の落下を想定して、タンク本体を45度傾けた状態で、高さ1.5mから鉛直方向に自由落下させた。その結果、何れの素材でも空隙高さ20mmでは本体部材2に割れが発生したが、空隙高さ40mmでは割れは発生せず、衝撃力に十分耐えることが分かった。また、比較例2に示した薬液用大型タンク1にも六フッ化燐酸リチウムを200リットル注入し、上記と同様の試験条件で自由落下させたが、カール部15が開放されて下部筒状部材14が変形して、本体部材2に割れが発生した。
実施例1と2および比較例1〜3の薬液用大型タンク1に六フッ化燐酸リチウムをベースとしたリチウムイオン電池用電解液を200リットル注入し、90℃の雰囲気下で1ヶ月放置して薬液用大型タンク1の状態を評価した。評価した結果、実施例1と比較例1,2の薬液用大型タンク1においては、変形や液漏れなどの異常は見られなかったが、比較例3の薬液用大型タンク1においては、部分的に溶接ビード研磨量が過大となって接合部の厚みが薄くなり、その薄くなった接合部が電解液の膨張により変形する状態となった。
本発明にかかる薬液用大型タンクは、薬液を貯蔵して輸送するタンクとして製造面やコスト面で好適である。
1 薬液用大型タンク
2 本体部材
3 蓋
4 パイプ
5 円筒状胴部
6 底面
7 挿入口
8 上フランジ
9 シール材
10 ボルト
11 下フランジ
12 パイプ部材
13 下側領域
14 カール部
15 溶接部

Claims (5)

  1. 円筒状部材と、その下部に接合された底板と、円筒状部材の上部に接合された蓋とからなる本体部材を有する薬液用大型タンクであって、
    円筒状部材の下端は外向きのカール形状とされ、
    円筒状部材と底板との接合と、円筒状部材と蓋との接合がともにシーム溶接であることを特徴とする薬液用大型タンク。
  2. 前記底板は、下方に向かって凸となる半球面形状である請求項1に記載の薬液用大型タンク。
  3. 前記本体部材に、薬液を注入・排出するパイプ部材を備える請求項1または2に記載の薬液用大型タンク。
  4. 本体部材とパイプ部材の素材を、Moを0.3質量%以上と、Nbを0.1質量%以上添加したフェライト系ステンレス鋼を用いたことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の薬液用大型タンク。
  5. 本体部材とパイプ部材の素材を、CuとNbを各々0.1質量%以上添加したフェライト系ステンレス鋼を用いたことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の薬液用大型タンク。
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