JP2015030016A - 放電補助式レーザ孔加工方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】貫通孔内にネッキングが生じ難く、貫通孔形成位置にクラックが生じ難い、ガラス基板への貫通孔形成方法を提供する。【解決手段】レーザ光照射によってガラス基板に貫通孔を形成し、該貫通孔を介した放電現象により前記貫通孔の形状を調整する、放電補助式レーザ孔加工方法であって、レーザ光として、波長が9.3μmまたは9.6μmのCO2レーザを使用することを特徴とする放電補助式レーザ孔加工方法。【選択図】図6

Description

本発明は、ガラス基板への貫通孔形成方法に関する。
従来より、ガラス基板にレーザ光を照射して、ガラス基板に複数の貫通孔(ビア)を形成する技術が知られている。例えば、非特許文献1には、波長9.3μmのCOレーザを用いて、ガラス基板に貫通孔を形成する技術が記載されている。
また、最近では、レーザ溶融式放電除去技術と呼ばれる貫通孔形成技術が提案されている(例えば、特許文献1)。このレーザ溶融式放電除去技術では、レーザ光を用いてガラス基板の所望の位置を加熱、溶融した後、誘導式放電により溶融材料を除去することにより、レーザ光照射位置に貫通孔が形成される。
国際公開第WO2011/038788号
Hiroshi Ogura, "Hole drilling of glass substrate with a CO2 laser", Japan Journal of Applied Physics, vo. 42, pp.2881-2886, (2003)
前述のように、近年、ガラス基板に複数の貫通孔を形成する技術として、レーザ溶融式放電除去技術が提案されている。
しかしながら、このようなレーザ溶融式放電除去技術を用いて、ガラス基板に貫通孔を形成した場合、加工後の貫通孔内にネッキングと呼ばれる突出部分が生じる場合がある。このようなネッキングは、貫通孔に銅などの金属をメッキして貫通電極を形成する際に、メッキの妨げになる。
また、レーザ溶融式放電除去技術では、しばしば、ガラス基板の貫通孔形成位置に、ワレやクラックが生じるという問題が生じ得る。
本発明は、このような問題に鑑みなされたものであり、本発明では、貫通孔内にネッキングが生じ難く、貫通孔形成位置にクラックが生じ難い、ガラス基板への貫通孔形成方法を提供することを目的とする。
本発明では、レーザ光照射によってガラス基板に貫通孔を形成し、該貫通孔を介した放電現象により前記貫通孔の形状を調整する、放電補助式レーザ孔加工方法であって、
レーザ光として、波長が9.3μmまたは9.6μmのCOレーザを使用することを特徴とする放電補助式レーザ孔加工方法が提供される。
ここで、本発明による放電補助式レーザ孔加工方法では、波長が10.6μmのCOレーザを使用した場合に比べて、70%以下の照射時間で貫通孔が形成されてもよい。
本発明では、貫通孔内にネッキングが生じ難く、貫通孔形成位置にクラックが生じ難い、ガラス基板への貫通孔形成方法を提供できる。
従来のレーザ溶融式放電除去技術に利用される、一般的なレーザ溶融式放電除去装置の構成の一例を概略的に示した図である。 本発明の一実施例による放電補助式レーザ孔加工方法に使用される放電補助式レーザ孔加工装置の一例を概略的に示した図である。 ガラスの透過率の波長依存性を示したグラフである。 ガラスの消衰係数の波数依存性を示したグラフである。 図4のグラフにCOレーザの発振波長を書き加えたグラフである。 本発明の一実施例によるレーザ加工方法の概略的なフローを示した図である
以下、本発明について詳しく説明する。
まず初めに、図1を参照して、一般的なレーザ溶融式放電除去技術について簡単に説明する。
図1には、レーザ溶融式放電除去技術に利用される、一般的なレーザ溶融式放電除去装置の構成の一例を概略的に示す。
図1に示すように、このレーザ溶融式放電除去装置100は、レーザ光源110と、高周波高電圧電源120と、直流高電圧電源125と、切り替えユニット130と、第1の電極140および第2の電極145とを有する。
第1の電極140および第2の電極145は、それぞれ、導体150および155と電気的に接続されており、これらの導体150および155は、切り替えユニット130を介して、高周波高電圧電源120および直流高電圧電源125と接続されている。
図1の例では、第1の電極140は、針状の形状を有し、ガラス基板190から離して配置されている。これに対して、第2の電極145は、平板状の形状を有し、ガラス基板190の直下に、ガラス基板190と接するように配置されている。
切り替えユニット130は、導体150および155の接続先を、高周波高電圧電源120/直流高圧電源125の間で切り替える役割を有する。
このようなレーザ溶融式放電除去装置100を用いて貫通孔を形成する際には、被加工対象となるガラス基板190が、電極140、145の間に配置される。さらに、ステージ(図示されていない)を水平方向に移動させることにより、ガラス基板190が電極140、145に対して所定の位置に配置される。
次に、レーザ光源110からガラス基板190に向かって、レーザ光113が照射される。これにより、ガラス基板190のレーザ光113の照射位置183の温度が上昇する。また、ガラス基板190の照射位置183が局部的に溶融する。
次に、レーザ光113の照射中、または照射後、短時間の内に、切り替えユニット130により、導体150および155が高周波高電圧電源120に接続される。
次に、切り替えユニット130により、導体150および155が直流高圧電源125に接続され、両電極140、145間に、直流高電圧が印加される。これにより、電極140、145間において、放電が生じる。放電は、ちょうど、レーザ光113の照射位置183において生じる。これは、この位置では、レーザ光113の照射により温度が局部的に上昇しており、抵抗が他の部分よりも低くなっているためである。
直流高電圧の印加により、ガラス基板190の照射位置183の溶融物が除去され、ガラス基板190の所望の位置に、貫通孔185を形成できる。
ここで、このようなレーザ溶融式放電除去技術を利用して、ガラス基板に貫通孔を形成した場合、加工後の貫通孔内にネッキングと呼ばれる突出部分が生じる場合がある。このようなネッキングは、貫通孔に銅などの金属をメッキして貫通電極を形成する際に、メッキの妨げになる。
また、レーザ溶融式放電除去技術では、しばしば、ガラス基板の貫通孔形成位置に、ワレやクラックが生じることが見出されている。なお、ワレやクラックは、特に、貫通孔の近傍に生じる傾向にあることから、レーザ光の照射によってガラス基板に局部的に蓄積された熱応力が、クラック発生の一因となっているものと推定される。
本願発明者らは、このようなレーザ溶融式放電除去技術に関する問題に対処するため、鋭意研究開発を行ってきた。
その結果、本願発明者らは、ガラス基板に貫通孔を形成する方法として、「放電補助式レーザ孔加工方法」を用いることにより、加工後の貫通孔内に生じるネッキングを有意に抑制できることを見出した。また、本願発明者らは、「放電補助式レーザ孔加工方法」において、レーザ光として、特定の波長のCOレーザを使用した場合、貫通孔を形成した後のガラス基板にクラックが生じ難くなることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明では、
レーザ光照射によってガラス基板に貫通孔を形成し、該貫通孔を介した放電現象により前記貫通孔の形状を調整する、放電補助式レーザ孔加工方法であって、
レーザ光として、波長が9.3μmまたは9.6μmのCOレーザを使用することを特徴とする放電補助式レーザ孔加工方法が提供される。
ここで、本願において、「放電補助式レーザ孔加工方法」とは、以下に示すような、レーザ光照射によってガラス基板に貫通孔を形成した後、第1および第2の電極間での放電現象を利用して貫通孔の形状を調整する技術の総称を意味する。
このような「放電補助式レーザ孔加工方法」では、レーザ光照射により貫通孔が形成された後、この貫通孔を介して放電処理が行われる。この放電処理によって、貫通孔内のネッキングが有意に除去される。このため、処理後には、貫通孔のネッキングが有意に抑制され、所望の寸法の貫通孔を精度良く形成できる。
さらに、本発明では、特に、9.3μmまたは9.6μmの波長のCOレーザを使用するという特徴を有する。後述するように、波長が9.3μmまたは9.6μmのCOレーザを使用した場合、レーザ光の照射時間を短時間化することが可能となり、レーザ光の照射の際に、ガラス基板に蓄積される熱応力を有意に抑制できる。従って、ガラス基板にワレやクラックが生じることを有意に抑制できる。
これらの効果により、本発明では、貫通孔にネッキングが生じ難く、貫通孔形成位置にクラックが生じ難い、ガラス基板への貫通孔形成方法を提供することが可能になる。
(放電補助式レーザ孔加工方法について)
次に、図2を参照して、本発明で利用される放電補助式レーザ孔加工方法についてより詳しく説明する。
図2には、本発明に利用される放電補助式レーザ孔加工方法を実施する際に使用され得る放電補助式レーザ孔加工装置の一例を概略的に示す。
図2に示すように、この放電補助式レーザ孔加工装置200は、レーザ光源210と、直流高電圧電源225と、第1の電極240および第2の電極245とを有する。
第1の電極240および第2の電極245は、それぞれ、導体250および255と電気的に接続されており、これらの導体250および255は、直流高電圧電源225と接続されている。
なお、図2の例では、第1の電極240と第2の電極245は、形状および配置形態が異なっている。すなわち、第1の電極240は、針状の形状を有し、ガラス基板290から離して配置されている。これに対して、第2の電極245は、略平板状の形状を有し、ガラス基板290の直下に、ガラス基板290と接するように配置されている。第2の電極245は、ガラス基板290を置載するステージとしての機能を兼ねることができる。
ただし、これは、単なる一例であって、例えば、第2の電極245は、ガラス基板290の底面側に、ガラス基板290から離して配置してもよい。また、第2の電極245は、第1の電極240と同様の針状の形状を有してよい。この場合、第1の電極240と、ガラス基板290を挟んで対向する位置にある第2の電極との間で、一組の電極対が構成される。
このような放電補助式レーザ孔加工装置200を用いて、ガラス基板290に貫通孔を形成する際には、まず、ガラス基板290が両電極240、245の間に配置される。さらに、第2の電極245(または別個のステージ)を水平方向に移動させることにより、ガラス基板290が所定の位置に配置される。
次に、レーザ光源210からガラス基板290に向かって、レーザ光213が照射される。これにより、ガラス基板290のレーザ光213の照射位置283の温度が局部的に上昇して絶縁材料が昇華し、ここに貫通孔285が形成される。
レーザ光213の照射後、直流高電圧電源225を用いて、両電極240、245間に直流高電圧が印加される。これにより、電極240、245間において、放電が生じる。放電は、貫通孔285を介して生じる傾向にある。これは、この位置では、抵抗が他の部分よりも低くなっているためである。
放電の発生により、貫通孔285内に形成され得るネッキングが低減され、貫通孔285の寸法精度が向上する。
次に、第2の電極245(または別個のステージ)を水平方向に移動させ、ガラス基板290を所定の場所に配置する。その後、同様の工程により、第2の貫通孔が形成される。
このような工程を繰り返すことにより、ガラス基板290に複数の貫通孔を形成できる。
なお、図2には、示されていないが、放電補助式レーザ孔加工装置200は、さらに、高周波高圧電源を有してもよい。高周波高圧電源の設置の目的は、放電が開始されるまでの間に、ガラス基板290の貫通孔285の部分およびその近傍の温度が低下することを抑制することである。すなわち、高周波高圧電源を用いて、ガラス基板290に対して高周波高電圧を印加することにより、レーザ光213の照射によって加熱されたガラス基板290の貫通孔285部分の高温状態を、放電開始まで確実に維持できる。ただし、高周波高圧電源の設置は、任意である。
(レーザ光の波長について)
次に、本発明の一特徴であるレーザ光の波長について説明する。
COレーザの主な波長としては、9.3μm、9.6μmおよび10.6μmの3種類が存在する。しかしながら、本発明では、特に、9.3μmまたは9.6μmの波長のCOレーザを使用するという特徴を有する。
以下、図3および図4を参照して、この特徴について詳しく説明する。
図3には、ガラス基板の透過率の波長依存性を示す。横軸は、波長であり、縦軸は、透過率である。このグラフは、分光光度計により測定したものである。
なお、図3において、透過率が大きいことは、光がガラス基板にあまり吸収されないことを意味し、逆に透過率が小さいことは、光がガラス基板に、より吸収される傾向にあることを意味する。従って、一般に、レーザ光を用いてガラス基板の照射部分を加熱、溶融する場合、ガラス基板に対する透過率が小さくなる波長域のレーザ光を使用することが好ましい。この場合、投入したエネルギーがガラス基板の溶融に有効に利用されるようになり、より効率的な加工を行うことができるからである。
この図3から、約5μm以上の波長では、いずれの波長においても、透過率はほぼ0(ゼロ)であり、差異がないことがわかる。特に、COレーザの波長域、すなわち、9.3μm、9.6μm、および10.6μmの各波長では、いずれの波長においても、透過率はほぼ0(ゼロ)である。従って、この図3を参照する限り、レーザ光としてCOレーザを選定すれば、3種類のいずれの波長のCOレーザにおいても、効率的な貫通孔加工を行うことができると言える。
換言すれば、図3からは、COレーザの波長を変化させても、貫通孔加工の効率に、有意な差異は生じないと推定される。このような事実から、従来のレーザ誘導式放電加工技術においては、COレーザの波長は、これまであまり注目されて来なかったという経緯がある。
次に、図4には、ガラス基板(無アルカリガラス)における、波数(横軸)と消衰係数k(縦軸)の関係を示す。このグラフは、FTIR(フーリエ変換赤外分光光度計)測定により、本願発明者らによって初めて測定された結果である。
なお、消衰係数kとは、物質による光の吸収を定義する量であり、以下のベールの法則により、吸収係数αと相関することが知られている:

I=I−αz (1)式

ただし、α=4πk/λ

ここで、Iは光の強度であり、Iは最初の光強度であり、zは進入深さであり、λは波長である。
この図4から、レーザ光の消衰係数k、すなわち吸収係数αは、波長(図4では波数)に依存して、大きく変化することがわかる。これは、前述の図3の測定結果からは全く予測することができない、驚くべき挙動である。
すなわち、前述の図3のような透過率の波長依存性の評価では、レーザ光の波長が約5μm以上(波数換算で2000cm−1以下)の領域では、透過率がいずれも0(ゼロ)となり、有意な波長依存性は観測されなかったのに対して、図4の測定結果では、同様の波数の領域(2000cm−1以下の領域)において、レーザ光の吸収係数α(図4では消衰係数k)が大きく変動している。
特に、図4に示すように、レーザ光の消衰係数kは、波数約1100cm−1付近に大きなピークPを有する。
このピークPは、ガラス特有のものであり、シリカ結合の振動モード、すなわちO−Si−O結合の非対称伸縮振動モードに起因するものと予想される。従って、ガラス全般において、波数約1100cm−1付近には、大きな消衰係数kのピークP、すなわち吸収係数αの極大値が存在すると言える。
ここで、図4のグラフに、COレーザの3つの波長を書き加えると、図5のグラフが得られる。
図5において、最も右側の縦破線L1は、波長10.6μmに対応し、中央の縦破線L2は、波長9.6μmに対応し、最も左側の縦破線L3は、波長9.3μmに対応する。
図5から、波長10.6μm(L1)は、ガラス特有の消衰係数kのピークPの裾野、すなわち、ピークPの頂点から大きくずれた位置に存在することがわかる。これに対して、波長9.6μm(L2)および波長9.3μm(L3)の位置は、いずれも、波長10.6μm(L1)の存在位置に比べて、よりピークPの頂点に近い側に存在することがわかる。換言すれば、波長9.6μm(L2)および波長9.3μm(L3)の位置は、消衰係数kのピークPの頂点近傍に対応する。
より定量的には、波長10.6μm(L1)における消衰係数kは、約0.37と算定され、波長9.6μm(L2)における消衰係数kは、約1.15と算定され、波長9.3μm(L3)における消衰係数kは、約1.19と算定される。
また、前述のベールの法則により、各算定された消衰係数kを吸収係数に換算すると、それぞれ、表1のようになる。
Figure 2015030016
なお、表1には、波長10.6μmのCOレーザを使用した場合の吸収係数αをベースとした、他の波長のCOレーザを使用した場合の吸収係数αの倍率も示した。
表1から、波長10.6μmのCOレーザに比べて、波長9.6μmのCOレーザを使用した場合、吸収係数αが約3.4倍、向上することがわかる。また、波長9.3μmのCOレーザを使用した場合には、波長10.6μmのCOレーザに比べて、吸収係数αは約3.7倍も向上することがわかる。
ここで、本発明では、前述のように、レーザ光として、波長が9.3μmまたは9.6μmのCOレーザが使用される。表1から明らかなように、これらのCOレーザは、ガラス基板に対する吸収係数αが有意に高い。このため、本発明では、レーザ光の照射時間を短時間化することが可能となり、レーザ光の照射の際に、ガラス基板に蓄積される熱応力を有意に抑制することできる。
このような特徴により、本発明では、ガラス基板の貫通孔形成位置に、ワレやクラックが生じることを有意に抑制できる。
(本発明の一実施例による放電補助式レーザ孔加工方法)
次に、本発明の一実施例による放電補助式レーザ孔加工方法について説明する。
図6には、本発明の一実施例による放電補助式レーザ孔加工方法の概略的なフローを示す。
図6に示すように、本発明の一実施例による放電補助式レーザ孔加工方法は、
ガラス基板を準備するステップ(ステップS110)と、
レーザ光として、波長が9.3μmまたは9.6μmのCOレーザを使用して、放電補助式レーザ孔加工方法により、前記ガラス基板に貫通孔を形成するステップ(ステップS120)と、
を有する。
以下、各ステップについて説明する。
(ステップS110)
まず、被加工対象となるガラス基板が準備される。
ガラス基板の組成は、特に限られず、ソーダライムガラスおよび無アルカリガラスなど、各種組成のガラスを利用できる。また、ガラス基板の寸法および形状は、特に限られず、いかなる寸法および形状のガラス基板を使用してもよい。例えば、ガラス基板の厚さは、0.05mm〜0.7mmの範囲であってもよい。
(ステップS120)
次に、前述のような放電補助式レーザ孔加工方法により、ステップS110で準備されたガラス基板に貫通孔が形成される。
前述のように、放電補助式レーザ孔加工方法を用いることにより、貫通孔内のネッキングを有意に抑制できる。
また、本放電補助式レーザ孔加工方法では、レーザ光として、波長が9.3μmまたは9.6μmのCOレーザが使用される。
前述のように、このような波長を有するCOレーザは、ガラスに対する吸収係数αが有意に高い。従って、波長9.3μmまたは9.6μmのCOレーザを使用することにより、レーザ光の照射時間を短時間化することが可能となり、レーザ光の照射の際に、ガラス基板に蓄積される熱応力を有意に抑制することできる。また、このため、放電プロセスを実施した後に、ガラス基板にワレやクラックが生じることを有意に抑制することが可能となる。
なお、ガラス基板に複数の貫通孔を形成する場合、ガラス基板の第1の貫通孔が形成された位置(第1の照射位置)とは別の第2の照射位置に、再度レーザ光が照射され、誘導式放電が実施される。これにより、第2の照射位置に第2の貫通孔が形成される。この工程を繰り返すことにより、ガラス基板に複数の貫通孔を形成できる。
(加工効率について)
図6に示した工程を有する本発明の一実施例による放電補助式レーザ孔加工方法では、ガラスに対する吸収係数αが高い波長9.3μmまたは9.6μmのCOレーザが使用される。この場合、レーザ光照射により投入したエネルギーを効率的に利用できるようになるため、貫通孔の加工効率を向上できるという追加の特徴が得られる。
そこで、以下、測定データに基づき、この特徴について説明する。
(実施例1)
放電補助式レーザ孔加工法において、COレーザを用いて、ガラス基板に貫通孔を形成した。
ガラス基板には、厚さが300μmの無アルカリガラスを使用した。ガラス基板における貫通孔配置は、10行×10列とし、合計100個の貫通孔を形成した。貫通孔は、一つずつ順番に(逐次的に)形成した。
なお、各貫通孔の直径(目標値)は、60μmとし、貫通孔間のピッチは、縦横とも、200μmとした。
COレーザには、波長が9.3μmのものを使用した。また、ガラス基板表面でのレーザ光の照射パワーは、50Wとした。
1個の貫通孔を形成する際に必要な時間は、800μsecであった。
レーザ照射をOFFした後、60μsec後に5000Vの直流電圧を引加した。
(比較例1)
実施例1と同様の方法により、ガラス基板に貫通孔を形成した。ただし、この比較例1では、レーザ光として、波長が10.6μmのCOレーザを使用した。また、ガラス基板表面でのレーザ光の照射パワーは、実施例1と同様に50Wとした。
この場合、1個の貫通孔を形成する際に必要な時間は、1600μsecであった。
実施例1と比較例1の結果から、波長が9.3μmのCOレーザを使用した場合、波長が10.6μmのCOレーザを使用した場合に比べて、貫通孔の加工に必要な時間を、約50%以下に低減できることが確認された。
また、波長が9.3μmのCOレーザを使用した場合、波長が10.6μmのCOレーザを使用した場合に比べて、クラックの発生率を、約50%以下に低減できることも確認された。
このように、波長が9.3μmのCOレーザを使用した場合、波長10.6μmのCOレーザを使用した場合に比べて、貫通孔の加工に必要な時間およびクラック発生率を有意に抑制できることがわかった。
本発明は、例えば、ガラス基板の加工方法等に利用できる。
100 レーザ溶融式放電除去装置
110 レーザ光源
113 レーザ光
120 高周波高電圧電源
125 直流高電圧電源
130 切り替えユニット
140 第1の電極
145 第2の電極
150、155 導体
183 照射位置
185 貫通孔
190 ガラス基板
200 放電補助式レーザ孔加工装置
210 レーザ光源
213 レーザ光
225 直流高電圧電源
240 第1の電極
245 第2の電極
250、255 導体
283 照射位置
285 貫通孔
290 ガラス基板

Claims (2)

  1. レーザ光照射によってガラス基板に貫通孔を形成し、該貫通孔を介した放電現象により前記貫通孔の形状を調整する、放電補助式レーザ孔加工方法であって、
    レーザ光として、波長が9.3μmまたは9.6μmのCOレーザを使用することを特徴とする放電補助式レーザ孔加工方法。
  2. 波長が10.6μmのCOレーザを使用した場合に比べて、70%以下の照射時間で貫通孔が形成される請求項1に記載の放電補助式レーザ孔加工方法。
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