JP2015051897A - 放電補助式レーザ孔加工方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】貫通孔にネッキングが生じ難く、加工後の貫通孔の開口の周囲にリング状の突起が生じ難い、ガラス基板への貫通孔の形成方法。
【解決手段】(1)ガラス基板の表面に、粘着層を有する樹脂フィルムを貼り付けるステップと、(2)前記ガラス基板に、前記樹脂フィルムの側からレーザ光を照射し、前記ガラス基板に貫通孔を形成するステップと、(3)前記貫通孔が形成された後であって、前記レーザ光の照射を停止する操作を行うまでの間に、前記貫通孔を介した放電を発生させるステップと、(4)前記レーザ光の照射が停止した後、前記粘着層に紫外線を照射することにより、または前記粘着層を濡らすことにより、前記粘着層の粘着力を低下させるステップと、(5)前記粘着層を有する前記樹脂フィルムを前記ガラス基板から剥離するステップと、を有する、放電補助式レーザ孔加工方法。
【選択図】図4

Description

本発明は、レーザ光を用いてガラス基板に貫通孔を形成する方法に関する。
従来より、レーザ光をガラス基板に照射することにより、ガラス基板に貫通孔を形成する技術が知られている。
また、最近では、レーザ溶融式放電除去技術を利用して、ガラス基板に貫通孔を開ける技術が開示されている(例えば特許文献1)。このレーザ溶融式放電除去技術では、レーザ光を用いてガラス基板の所望の位置を加熱、溶融した後、誘導式放電により溶融材料を除去することにより、レーザ光照射位置に貫通孔が形成される。
国際公開第WO2011/038788号
前述のように、レーザ溶融式放電除去技術では、レーザ光照射でガラス基板を溶融した後、電極間放電現象によって溶融した絶縁材料を除去し、ガラス基板に貫通孔を形成できる。
ここで、従来のレーザ溶融式放電除去方法では、しばしば、加工後のガラス基板において、貫通孔内にネッキングが生じる場合がある。ネッキングとは、貫通孔内に形成された狭窄部を意味する。このようなネッキングは、貫通孔内に銅などの金属をめっきして、貫通電極を形成する際に、適正なめっきの妨げとなる場合がある。従って、ネッキングは、できる限り抑制することが望ましい。
また、従来のレーザ溶融式放電除去技術では、加工後の貫通孔の開口の周囲にリング状の突起が生じる場合がある。このようなリング状の突起は、その後、貫通孔に導電性部材を充填し、ガラス基板の表面に電気的な配線を形成する際などに問題となり得る。すなわち、ガラス基板の表面にこのようなリング状の突起が存在すると、導電性部材が充填された貫通孔の近傍で、連続的な配線を形成することが難しくなり、配線が断線してしまうという問題が生じ得る。
本発明は、このような背景に鑑みなされたものであり、本発明では、従来に比べて、貫通孔にネッキングが生じ難く、さらに加工後の貫通孔の開口の周囲にリング状の突起が生じ難い、ガラス基板への貫通孔の形成方法を提供することを目的とする。
本発明では、レーザ光照射によってガラス基板に貫通孔を形成し、該貫通孔を介した放電現象により前記貫通孔の形状を調整する、放電補助式レーザ孔加工方法であって、
(1)第1の表面および該第1の表面に対向する第2の表面を有するガラス基板の前記第1の表面に、粘着層を有する樹脂フィルムを貼り付けるステップと、
(2)前記ガラス基板に、前記樹脂フィルムの側からレーザ光を照射し、前記ガラス基板に貫通孔を形成するステップと、
(3)前記貫通孔が形成された後であって、前記レーザ光の照射を停止する操作を行うまでの間に、前記貫通孔を介した放電を発生させるステップと、
(4)前記レーザ光の照射が停止した後、前記粘着層に紫外線を照射することにより、または前記粘着層を濡らすことにより、前記粘着層の粘着力を低下させるステップと、
(5)前記粘着層を有する前記樹脂フィルムを前記ガラス基板から剥離するステップと、
を有する、放電補助式レーザ孔加工方法が提供される。
ここで、本発明による放電補助式レーザ孔加工方法において、前記レーザ光の照射を停止する操作を実施したタイミングを時間ゼロと定めた場合、前記貫通孔を介した放電は、−60μ秒〜0μ秒の間の時間で発生してもよい。
また、本発明による放電補助式レーザ孔加工方法において、前記樹脂フィルムは、ポリエチレンテレフタレート(PET)層を有してもよい。
また、本発明による放電補助式レーザ孔加工方法は、さらに、前記(2)のステップの前に、
(1')前記ガラス基板の前記第2の表面に、第2の粘着層を有する第2の樹脂フィルムを貼り付けるステップ
を有し、
さらに、前記(5)のステップの前に、
(4')前記レーザ光の照射が停止した後、前記第2の粘着層に紫外線を照射することにより、または前記第2の粘着層を濡らすことにより、前記第2の粘着層の粘着力を低下させるステップ
を有してもよい。
本発明では、従来に比べて、貫通孔にネッキングが生じ難く、さらに加工後の貫通孔の開口の周囲にリング状の突起が生じ難い、ガラス基板への貫通孔の形成方法を提供できる。
従来のレーザ溶融式放電除去技術に利用される、一般的なレーザ溶融式放電除去装置の構成の一例を概略的に示した図である。 従来のレーザ溶融式放電除去方法において、ガラス基板に生じるリング状の突起の一例を示した図である。 本発明の一実施例による放電補助式レーザ孔加工方法に使用される放電補助式レーザ孔加工装置の一例を概略的に示した図である。 本発明による放電補助式レーザ孔加工方法における各工程のタイミングの一例を模式的に示した図である。 本発明の一実施例による第1の放電補助式レーザ孔加工方法のフローを概略的に示した図である。 実施例1に係るガラス基板の表面の一部を拡大して示した平面図である。 比較例1に係るガラス基板の表面の一部を拡大して示した平面図である。
以下、図面を参照して、本発明について説明する。
(従来のレーザ溶融式放電除去技術について)
本発明についてより良く理解するため、まず初めに、図1を参照して、従来のレーザ溶融式放電除去技術について簡単に説明する。
図1には、レーザ溶融式放電除去技術に利用される、一般的なレーザ溶融式放電除去装置の構成の一例を概略的に示す。
図1に示すように、このレーザ溶融式放電除去装置100は、レーザ光源110と、高周波高電圧電源120と、直流高電圧電源125と、切り替えユニット130と、第1の電極140および第2の電極145とを有する。
第1の電極140および第2の電極145は、それぞれ、導体150および155と電気的に接続されており、これらの導体150および155は、切り替えユニット130を介して、高周波高電圧電源120および直流高電圧電源125と接続されている。
図1の例では、第1の電極140は、針状の形状を有し、ガラス基板190から離して配置されている。これに対して、第2の電極145は、平板状の形状を有し、ガラス基板190の直下に、ガラス基板190と接するように配置されている。
切り替えユニット130は、導体150および155の接続先を、高周波高電圧電源120/直流高圧電源125の間で切り替える役割を有する。
このようなレーザ溶融式放電除去装置100を用いて貫通孔を形成する際には、被加工対象となるガラス基板190が、電極140、145の間に配置される。さらに、ステージ(図示されていない)を水平方向に移動させることにより、ガラス基板190が電極140、145に対して所定の位置に配置される。
次に、レーザ光源110からガラス基板190に向かって、レーザ光113が照射される。これにより、ガラス基板190のレーザ光113の照射位置183の温度が上昇する。また、ガラス基板190の照射位置183が局部的に溶融する。
次に、レーザ光113の照射中、または照射後、短時間の内に、切り替えユニット130により、導体150および155が高周波高電圧電源120に接続される。
次に、切り替えユニット130により、導体150および155が直流高圧電源125に接続され、両電極140、145間に、直流高電圧が印加される。これにより、電極140、145間において、放電が生じる。放電は、ちょうど、レーザ光113の照射位置183において生じる。これは、この位置では、レーザ光113の照射により温度が局部的に上昇しており、抵抗が他の部分よりも低くなっているためである。
直流高電圧の印加により、ガラス基板190の照射位置183の溶融物が除去され、ガラス基板190の所望の位置に、貫通孔185を形成できる。
ここで、このようなレーザ溶融式放電除去技術を利用して、ガラス基板190に貫通孔185を形成した場合、加工後の貫通孔185内にネッキングと呼ばれる狭窄部が生じる場合がある。このようなネッキングは、貫通孔内に銅などの金属をめっきして、貫通電極を形成する際に、適正なめっきの妨げとなる場合がある。従って、ネッキングは、できる限り抑制することが望ましい。
また、従来のレーザ溶融式放電除去技術を適用して、ガラス基板190に対して貫通孔加工を実施すると、しばしば、加工後の貫通孔185の開口の周囲に、リング状の突起が生じる場合がある。
図2には、従来のレーザ溶融式放電除去技術を適用して貫通孔が形成されたガラス基板の表面の一形態を示す。図2に示すように、ガラス基板に設けられた貫通孔の開口の周囲には、リング状の突起が形成されている。リング状の突起の高さは、約1.0μm以上である。
このようなリング状の突起は、その後、ガラス基板を各種製品の部材として適用する際に、問題となり得る。例えば、ガラス基板をインターポーザとして使用する場合、貫通孔に導電性部材を充填した後、ガラス基板の表面に電気的な配線を形成する必要が生じる。しかしながら、ガラス基板の表面に図2に示すようなリング状の突起が存在すると、導電性部材が充填された貫通孔の近傍で、連続的な配線を形成することが難しくなり、配線が断線してしまうという問題が生じ得る。
本願発明者らは、このような従来のネッキングおよびリング状の突起の問題に対処するため、鋭意研究開発を実施してきた。その結果、本願発明者らは、ガラス基板に貫通孔を形成する方法として、「放電補助式レーザ孔加工方法」を用いることにより、加工後の貫通孔内に生じるネッキングを有意に抑制できることを見出した。また、本願発明者らは、「放電補助式レーザ孔加工方法」において、ガラス基板へのレーザ光の照射が停止される前に、放電過程を実施することにより、リング状の突起の発生を抑制し得ることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明では、レーザ光照射によってガラス基板に貫通孔を形成し、該貫通孔を介した放電現象により前記貫通孔の形状を調整する、放電補助式レーザ孔加工方法であって、
(1)ガラス基板の表面に、粘着層を有する樹脂フィルムを貼り付けるステップと、
(2)前記ガラス基板に、前記樹脂フィルムの側からレーザ光を照射し、前記ガラス基板に貫通孔を形成するステップと、
(3)前記貫通孔が形成された後であって、前記レーザ光の照射を停止する操作を行うまでの間に、前記貫通孔を介した放電を発生させるステップと、
(4)前記レーザ光の照射が停止した後、前記粘着層に紫外線を照射することにより、または前記粘着層を濡らすことにより、前記粘着層の粘着力を低下させるステップと、
(5)前記粘着層を有する前記樹脂フィルムを前記ガラス基板から剥離するステップと、
を有する、放電補助式レーザ孔加工方法が提供される。
ここで、本願において、「放電補助式レーザ孔加工方法」とは、以下に示すような、レーザ光照射によってガラス基板に貫通孔を形成した後、第1および第2の電極間での放電現象を利用して貫通孔の形状を調整する技術の総称を意味する。
このような「放電補助式レーザ孔加工方法」では、レーザ光照射により貫通孔が形成された後、この貫通孔を介して放電処理が行われる。この放電処理によって、貫通孔内のネッキングが有意に除去される。このため、処理後には、貫通孔のネッキングが有意に抑制され、所望の寸法の貫通孔を精度良く形成できる。
また、本発明では、直流高電圧の印加による放電は、レーザ光照射が完了した後ではなく、レーザ光の照射が停止されるまでの間に実施されるという特徴を有する。
この場合、放電によって貫通孔の開口の周囲にリング状の突起が形成されたとしても、このリング状の突起は、放電後も継続されるレーザ光の照射によって、再溶融され得る。このため、本発明では、加工後に貫通孔の開口の周囲に生じるリング状の突起の高さを有意に抑制することが可能となる。
ここで、通常の場合、ガラス基板の表面には、貫通孔加工時に生じるデブリ(加工屑)がガラス基板の表面に付着することを防止するため、樹脂フィルムが設置されている。
本発明では、レーザ光の照射が停止されるまでの間に放電工程を実施することを一つの特徴としているが、このような方法では、処理の間、レーザ光の照射工程と放電工程の2工程の重複により、ガラス基板には一度に大きなエネルギーが投与されることになる。このため、ガラス基板の表面から樹脂フィルムが剥離し、両者の間に隙間が形成される場合がある。
処理中に、ガラス基板と樹脂フィルムの間にこのような隙間が生じると、ガラス基板からの飛散物が隙間に進入し、ガラスの表面に飛散物が付着するという問題が生じ得る。
しかしながら、本発明では、樹脂フィルムは、粘着層を有し、この粘着層は、所定の処理によって粘着力が変化するという特徴を有する。例えば粘着層は、紫外線を照射したり、水で濡らしたりすることにより、粘着力が低下する性質を有する。
このような粘着層を使用した場合、例えば、ガラス基板の加工中は、粘着層の粘着力を高めておくことにより、ガラス基板と樹脂フィルムの間に隙間が発生することを有意に抑制することができる。また、ガラス基板に対する処理が完了した後には、粘着層の粘着力を低下させる処理を実施することにより、樹脂フィルムをガラス基板から容易に剥離することができるようになる。
従って、本発明では、ガラス基板の加工中に、ガラス基板からの飛散物が樹脂フィルムとガラス基板の間の隙間に進入し、ガラスの表面に飛散物が付着するという問題を有意に抑制することができる。
以上の特徴および効果により、本発明では、貫通孔にネッキングが生じ難く、さらに加工後の貫通孔の開口の周囲にリング状の突起が生じ難い、ガラス基板への貫通孔の形成方法を提供できる。また、本発明による方法では、加工後のガラス基板の表面に、飛散物が付着するという問題も、有意に抑制することが可能となる。
(放電補助式レーザ孔加工方法について)
次に、図3を参照して、本発明に利用される放電補助式レーザ孔加工方法について説明する。
図3には、本発明に利用される放電補助式レーザ孔加工方法を実施する際に使用され得る放電補助式レーザ孔加工装置の一例を概略的に示す。
図3に示すように、この放電補助式レーザ孔加工装置200は、レーザ光源210と、直流高電圧電源225と、第1の電極240および第2の電極245とを有する。
第1の電極240および第2の電極245は、それぞれ、導体250および255と電気的に接続されており、これらの導体250および255は、直流高電圧電源225と接続されている。
なお、図3の例では、第1の電極240と第2の電極245は、形状および配置形態が異なっている。すなわち、第1の電極240は、針状の形状を有し、ガラス基板290から離して配置されている。これに対して、第2の電極245は、略平板状の形状を有し、ガラス基板290の直下に、ガラス基板290と接するように配置されている。第2の電極245は、ガラス基板290を置載するステージとしての機能を兼ねることができる。
ただし、これは、単なる一例であって、例えば、第2の電極245は、ガラス基板290の底面側に、ガラス基板290から離して配置してもよい。また、第2の電極245は、第1の電極240と同様の針状の形状を有してもよい。この場合、第1の電極240と、ガラス基板290を挟んで対向する位置にある第2の電極との間で、一組の電極対が構成される。
このような放電補助式レーザ孔加工装置200を用いて、ガラス基板290に貫通孔を形成する際には、まず、ガラス基板290が両電極240、245の間に配置される。さらに、第2の電極245(または別個のステージ)を水平方向に移動させることにより、ガラス基板290が所定の位置に配置される。
次に、レーザ光源210からガラス基板290に向かって、レーザ光213が照射される。これにより、ガラス基板290のレーザ光213の照射位置283の温度が局部的に上昇して絶縁材料が昇華し、ここに貫通孔285が形成される。
貫通孔285の形成後、直流高電圧電源225を用いて、両電極240、245間に直流高電圧が印加される。これにより、電極240、245間において、放電が生じる。放電は、貫通孔285を介して生じる傾向にある。これは、この位置では、抵抗が他の部分よりも低くなっているためである。
放電の発生により、貫通孔285内に形成され得るネッキングが低減され、貫通孔285の寸法精度が向上する。
次に、第2の電極245(または別個のステージ)を水平方向に移動させ、ガラス基板290を所定の場所に配置する。その後、同様の工程により、第2の貫通孔が形成される。
このような工程を繰り返すことにより、ガラス基板290に複数の貫通孔が形成される。
ここで、前述のように、本発明では、直流高電圧の印加による放電は、レーザ光照射が完了した後ではなく、貫通孔285が形成されてからレーザ光213の照射が停止されるまでの間に実施されるという特徴を有する。このようなタイミングで放電工程を実施することにより、加工後に貫通孔285の開口の周囲に生じるリング状の突起の高さを有意に抑制することが可能となる。
ところで、実際の放電補助式レーザ孔加工装置200では、該装置200に対して、レーザ光213の照射を停止する操作が行われた時間(タイミング)と、実際にレーザ光213の照射がされなくなる(すなわち、照射領域283においてレーザ光213の出力がゼロになる)時間(タイミング)の間には、例えば60μ秒〜75μ秒程度のタイムラグ(ずれ)が生じる。
本願では、明確化のため、レーザ光213の照射を停止する操作が行われた時間を時間軸の0(ゼロ)と規定することにする。この規定では、時間のゼロ点以降の間も、しばらくの間は、レーザ光213は、強度を下げながらも、ガラス基板290に照射され続けることになる。
また、この規定に基づくと、本発明では、直流高電圧の印加による放電は、時間軸上、レーザ光213の照射により貫通孔285が形成された時間(以下、「貫通時間T」と称する)以降、0秒以下の間のタイミングで実施されることになる。
以下、図面を参照して、本発明の特徴の一つである放電工程のタイミングについて、より具体的に説明する。
図4には、本発明に適用され得る、レーザ光照射工程および放電工程の模式的なタイミングチャートを示す。
図4の上側のバーに示すように、(I)のレーザ光照射工程は、時間TonからToffの間実施される。ここで、Tonは、レーザ光の照射を開始する操作が行われた時間を意味し、Toffは、レーザ光の照射を停止する操作が行われた時間を意味する。従って、Toff=0(時間軸の原点)である。また、Tは、レーザ光照射によって、ガラス基板に貫通孔が形成された時間、すなわち貫通時間Tを意味する。
前述のように、レーザ光の照射を停止する操作が行われてから、実際にレーザ光の出力が0になるまでは、タイムラグがある。同様に、レーザ光の照射を開始する操作が行われてから、実際にレーザ光の出力が所定の値に到達するまでは、タイムラグがある。従って、実際の(I)のレーザ光照射工程において、レーザ光の出力の経時変化は、図4において、(I)の欄の下側に示すような台形状のプロファイルとなる。
また、(II)の直流高電圧印加による放電工程は、貫通時間T(μ秒)以降、0(μ秒)以前のいずれかの時間で実施される。図4の(II)の欄には、放電工程の実施され得るタイミング(Te)が示されている。
なお、図4では、放電が可能なタイミングTe(μ秒)の下限および上限が明確となるように、(II)の直流高電圧印加による放電工程において、Te(μ秒)は、両端が●で表示されている。すなわち、放電が可能なタイミングTe(μ秒)の左端(下限値)は、T(μ秒)であり、放電が可能なタイミングTe(μ秒)の右端(上限値)は、0(μ秒)である。
特に、(II)の直流高電圧印加による放電工程における放電発生のタイミングTe(μ秒)は、時間軸上、−60μ秒以上、0以下のタイミングで発生させることが好ましい。このようなタイミングで放電を発生させた場合、貫通孔の開口の周囲に形成されるリング状の突起の高さを、よりいっそう抑制することが可能になる。
(本発明の一実施例による放電補助式レーザ孔加工方法について)
次に、図5を参照して、本発明の一実施例による放電補助式レーザ孔加工方法(第1の放電補助式レーザ孔加工方法)について説明する。
図5には、本発明による第1の放電補助式レーザ孔加工方法の概略的なフロー図を示す。
図5に示すように、この第1の放電補助式レーザ孔加工方法は、
(1)第1の表面および該第1の表面に対向する第2の表面を有するガラス基板の前記第1の表面に、粘着層を有する樹脂フィルムを貼り付けるステップ(ステップS110)と、
(2)前記ガラス基板に、前記樹脂フィルムの側からレーザ光を照射し、前記ガラス基板に貫通孔を形成するステップ(ステップS120)と、
(3)前記貫通孔が形成された後であって、前記レーザ光の照射を停止する操作を行うまでの間に、前記貫通孔を介した放電を発生させるステップ(ステップS130)と、
(4)前記レーザ光の照射が停止した後、前記粘着層に紫外線を照射することにより、または前記粘着層を濡らすことにより、前記粘着層の粘着力を低下させるステップ(ステップS140)と、
(5)前記粘着層を有する前記樹脂フィルムを前記ガラス基板から剥離するステップ(ステップS150)と、
を有する。
以下、図5に示した各ステップについて、詳しく説明する。
なお、ここでは、前述の図3に示した放電補助式レーザ孔加工装置200を用いて、第1の放電補助式レーザ孔加工方法を実施する場合を例に、各ステップを説明することにする。従って、各部材を表す際には、図3に示した参照符号を使用する。
(ステップS110)
まず、貫通孔形成用のガラス基板290が準備される。
ガラス基板290は、レーザ光213が照射される側となる第1の表面と、該第1の表面とは反対側の第2の表面とを有する。ガラス基板290の種類は、ガラスである限り、特に限られない。また、ガラス基板290の厚さは、特に限られず、ガラス基板290は、例えば、0.05mm〜0.7mmの厚さを有してもよい。
次に、ガラス基板290の第1の表面に、粘着層を有する樹脂フィルムが貼り付けられる。樹脂フィルムを設置することにより、加工後のガラス基板290の第1の表面に、加工屑(デブリ)が付着することを抑制できる。
樹脂フィルムは、樹脂層と、粘着層とを有する。樹脂フィルムの樹脂層は、樹脂製である限り特に限られない。樹脂層は、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)等で構成されても良い。また、樹脂フィルムの厚さは、特に限られない。樹脂フィルムの厚さは、例えば10μm〜150μmの範囲であっても良い。
ここで、樹脂フィルムは、粘着層を介してガラス基板290の第1の表面に貼り付けられ、この粘着層は、所定の処理によって粘着力が変化するという特徴を有する。
粘着層は、例えば、紫外線の照射によって粘着力が低下する性質を有してもよい。あるいは、粘着層は、湿潤させることにより、粘着力が低下する性質を有してもよい。
粘着層は、例えば、所定の処理を実施する前に、3N/20mm〜30N/20mmの範囲の粘着力を有してもよい。また、粘着層は、例えば、所定の処理を実施した後に、0.01N/20mm〜0.3N/20mmの範囲の粘着力を有してもよい。
なお、粘着力は、JIS Z0237準拠の180°剥離試験によって評価することができる。
所定の処理を実施する前後で、粘着力は、例えば、100倍〜1000倍、変化してもよい。
このような粘着層としては、これに限られるものではないが、例えばダイシングテープ等が挙げられる。
さらに、ガラス基板290の第2の表面にも、第2の樹脂フィルムを設置してもよい。
第2の樹脂フィルムは、第2の樹脂層と、第2の粘着層とを有する。
この第2の樹脂フィルムは、第2の粘着層を介してガラス基板290の第2の表面に貼り付けられる。第2の粘着層は、第1の表面側の粘着層のような、所定の処理によって粘着力が変化するという特徴を有してもよい(以下、このような第2の粘着層を、特に「第2の粘着力変化粘着層」と称する)。あるいは、第2の粘着層は、紫外線照射などの処理を実施しても、実質的に粘着力が変化しないタイプのものであってもよい。
(ステップS120)
次に、樹脂フィルムが設置されたガラス基板290が放電補助式レーザ孔加工装置200内に設置される。
次に、レーザ光源210から、ガラス基板290の第1の表面に向かってレーザ光213が照射される。レーザ光源210は、例えばCOレーザ源であっても良い。
レーザ光源210からのレーザ光213は、ガラス基板290の照射位置283に照射される。照射位置283におけるレーザ光213の焦点スポット径は、例えば10μm〜300μmの範囲である。
これにより、ガラス基板290の照射位置283の温度が局部的に上昇してガラスが昇華し、ここに貫通孔285が形成される。
(ステップS130)
次に、直流高圧電源225により、第1の電極240と第2の電極245の間に、直流高電圧が印加される。印加される電圧は、例えば、3000V〜6000Vの範囲である。これにより、貫通孔285を介した放電が生じ、貫通孔285内のネッキングが低減される。
ここで、前述のように、放電工程は、ガラス基板290に貫通孔285が形成された後であって、レーザ光213の照射を停止する操作を行うまでの間に実施されることに留意する必要がある。
その後、レーザ光213の照射を停止する操作が実施される(あるいは、放電工程とレーザ光213の照射の停止操作は同時に実施されても良い)。
このようなタイミングで放電を実施した場合、前述のように、放電によって貫通孔285の開口の周囲に生じたリング状の突起は、継続するレーザ光213の照射によって再溶融する。
従って、ステップS130後には、貫通孔285の開口の周囲に生じ得るリング状の突起の高さを有意に低下させることができる。例えば、リング状の突起の高さは、1.0μm未満、例えば0.5μm以下にまで低減され得る。
なお、ガラス基板290に複数の貫通孔285を形成する場合、照射位置283を変えて、ステップS120におけるレーザ光113による照射と、ステップS130における電極間放電が再度実施される。
(ステップS140)
その後、ガラス基板290の照射位置283でのレーザ光213の照射が完全に停止されてから、ガラス基板290が放電補助式レーザ孔加工装置200から取り出される。
なお、この段階では、粘着層の良好な粘着性のため、ガラス基板290の第1の表面には、樹脂フィルムが依然として密着していることに留意する必要がある(ただし、レーザ光213の照射位置283、すなわち貫通孔285の上部では、当然、樹脂フィルムは消失している)。
なお、第2の表面に、「第2の粘着力変化粘着層」を有する第2の樹脂フィルムを貼り付けている場合も、第2の樹脂フィルムは、同様に、ガラス基板290の第2の表面に依然として密着している。
次に、粘着層(および第2の粘着力変化粘着層)の粘着力を低下させる処理が実施される。この処理は、例えば、樹脂フィルムが設置されたガラス基板290に紫外線を照射することにより、実施されても良い。あるいは、例えば、樹脂フィルムが設置されたガラス基板290を水中に浸漬させることにより、実施されても良い。
(ステップS150)
次に、ガラス基板290の第1の表面から樹脂フィルムが剥離され、貫通孔285を有するガラス基板290が得られる。
ここで、ステップS140での処理により、粘着層の粘着力は低下している。このため、ガラス基板290の第1の表面から、樹脂フィルムを容易に剥離することができる。同様に、第2の樹脂フィルムとして第2の粘着力変化粘着層を使用した場合も、第2の粘着力変化粘着層の粘着力の低下のため、ガラス基板290の第2の表面から、第2の樹脂フィルムを容易に剥離することができる。
このような第1の放電補助式レーザ孔加工方法では、ガラス基板290に対する処理の実施中は、粘着層の良好な粘着性のため、放電工程とレーザ光照射工程が重畳されても、樹脂フィルムに剥離が生じ難い。従って、ガラス基板290と樹脂フィルムの間に、隙間が生じ難い。このため、ガラス基板290からの飛散物がガラス基板290と樹脂フィルムの間の隙間に進入し、ガラス基板290の表面に飛散物が付着するという問題を有意に抑制することができる。
以上のように、第1の放電補助式レーザ孔加工方法では、貫通孔285にネッキングが生じ難く、さらに加工後の貫通孔285の開口の周囲にリング状の突起が生じることを有意に抑制することができる。また、ガラス基板290の表面に飛散物が付着するという問題も有意に抑制することができる。
次に、本発明の実施例について説明する。
(予備試験)
まず、放電補助式レーザ孔加工方法において、直流高電圧の印加による放電のタイミングが貫通孔の開口の周囲に生じるリング状の突起に及ぼす影響を把握するため、以下の方法で、予備試験を実施した。
予備試験では、前述の図3に示した放電補助式レーザ孔加工装置200を用いて、放電のタイミングを変化させて、ガラス基板に貫通孔を形成した。
ガラス基板として、厚さ0.3mmのガラス基板(無アルカリガラス)を使用した。
ガラス基板の第1の表面(レーザ光照射側)および第2の表面(第1の表面の反対側)のそれぞれに、一般的な粘着性樹脂フィルムを設置した。この樹脂フィルムは、総厚さが約130μmで、PET層の片面に、粘着力が変化しないアクリル系粘着が設置されているものである。
レーザ光源には、COレーザ源を使用した。レーザ光の出力は、50Wとした。また、レーザ光の照射時間、すなわちTonからToffの間の時間は、740μ秒とした。
レーザ光の照射を開始してから、所定の時間経過後に、2電極間に5000Vの直流電圧を圧印し、照射位置に放電を発生させた。
同様の操作により、ガラス基板の3箇所の照射位置に貫通孔を形成した。
その後、レーザ光の照射を停止し、照射位置におけるレーザ光の照射が完全に停止されてから、ガラス基板を装置から取り出した。
なお、この予備試験では、レーザ光によってガラス基板に貫通孔が形成される時間、すなわちTは、レーザ光の照射を開始する操作が行われた時間Tonから、約650μ秒後であると予想される。また、レーザ光の照射を停止する操作が行われた時間Toffから、ガラス基板の照射位置で実際にレーザ光の出力がゼロとなるまでの時間は、約60μ秒である。
これにより、ガラス基板にネッキングが抑制された貫通孔が形成された。貫通孔の開口部の直径は、約70μmであった。
放電のタイミング、すなわちTeは、Tonから660μ秒後(試験1)、Tonから700μ秒後(試験2)、Tonから720μ秒後(試験3)、Tonから740μ秒後(試験4)、およびTonから830μ秒後(試験5)とした。
以下の表1には、各試験(試験1〜5)における放電発生のタイミングTeをまとめて示した。なお、表1には、前述の定義に従い、レーザ光の照射を停止する操作を実施したタイミングを時間軸の0(ゼロ)と規定した場合の、放電発生のタイミングTeについても示した。
次に、各試験後のガラス基板において、貫通孔の開口の周囲に生じたリング状の突起の高さを測定した。測定には、レーザ顕微鏡(VK−X200SERIES;キーエンス社製)を使用し、ガラス基板の第1の表面からレーザ光を照射して、リング状の突起の高さを測定した。
なお、いずれのガラス基板においても、リング状の突起の高さ測定は、3つの貫通孔のそれぞれの周囲に形成されたリング状の突起に対して実施した。この際には、各貫通孔において、測定されたリング状の突起の高さのうち最大の値を、その貫通孔のリング状の突起の高さHとした。さらに、3つのリング状の突起の高さHを平均して得た値Haveを、そのガラス基板のリング状の突起の高さと規定した。
前述の表1の「Have」の欄には、得られたリング状の突起の高さHaveの測定結果をまとめて示す。
この結果から、試験1〜試験4では、試験5に比べて、リング状の突起の高さHaveが有意に抑制されていることがわかる。すなわち、試験5では、リング状の突起の高さHaveは、約1.0μm程度となっているのに対して、試験1〜試験4では、リング状の突起の高さHaveは、最大でも0.75μm以下となった。
このように、放電発生のタイミングTe(μ秒)を、貫通時間T(μ秒)〜0秒の間とすることにより、リング状の突起の高さを有意に抑制できることが確認された。
(実施例1)
次に、前述の図3に示したような放電補助式レーザ孔加工装置200を用いて、前述の図5に示したような本発明による第1の放電補助式レーザ孔加工方法により、ガラス基板に貫通孔を形成した。また、貫通孔加工後のガラス基板の表面の飛散物の付着状態について評価した。
より具体的に説明すると、まず、厚さが0.3mmのガラス基板(無アルカリガラス)と、第1の樹脂フィルムと、第2の樹脂フィルムとを準備した。
第1の樹脂フィルムには、PET層の片面に第1の粘着層を有するもの(総厚さ130μm)(ダイシングテープ:デンカ社製)を使用した。第2の樹脂フィルムには、PET層の片面に第2の粘着層を有するもの(総厚さ28μm)(保護フィルム:リンテック社製)を使用した。
第1の粘着層は、紫外線照射によって粘着力が変化(低下)する性質を有する。紫外線照射前の第1の粘着層の粘着力は、28N/20mmであり、紫外線照射後の第1の粘着層の粘着力は、0.05N/20mmである(カタログ値)。
これに対して、第2の粘着層には、紫外線照射によって粘着力が変化しない、アクリル系接着剤を使用した。この第2の粘着層の粘着力は、0.3N/30mm(カタログ値)である。
次に、ガラス基板の第1の表面に第1の樹脂フィルムを接着し、第2の表面に第2の樹脂フィルムを接着することにより、被加工体を調製した。
次に、この被加工体を図3に示した構成の放電補助式レーザ孔加工装置200に設置した。また、図5に示した第1の放電補助式レーザ孔加工方法のステップS120〜ステップS130の工程を複数回実施し、被加工体に対して、放電補助式レーザ孔加工方法により、合計10000個の貫通孔を形成した。なお、レーザ光は、ガラス基板の第1の表面側(すなわち第1の樹脂フィルム側)に照射した。
各回のレーザ光の照射時間(すなわちTon〜Toffの期間)は、740μ秒とした。また、各回の放電のタイミングTeは、時間のゼロ時点、すなわちToffのタイミングとした。
なお、レーザ光源には、COレーザ源を使用した。レーザ光の出力は、50Wとした。また、2電極間の放電電圧は、5000Vとした。
貫通孔加工完了後、被加工体を装置から取り出した。
次に、被加工体に対して、第1の樹脂フィルムの側から紫外線照射を行った。
紫外線照射には、高圧水銀灯を使用し、被加工体に波長365nmの紫外線を照射した。紫外線の出力は、150mJ/cm以上とした。
その後、被加工体のそれぞれの側に接着されていた第1および第2のフィルムを剥離した。何れの側の樹脂フィルムも、容易にガラス基板から剥離できた。得られたガラス基板において、リング状の突起、および飛散物の付着状態について観察を行った。
図6には、加工後のガラス基板の第1の表面の上面図を示す。
この図6から明らかなように、ガラス基板の第1の表面には、飛散物はほとんど認められなかった。なお、リング状の突起の高さHaveは、約0.21μmであった。
(比較例1)
実施例1と同様の方法により、ガラス基板に貫通孔を形成した。
ただし、この比較例1では、ガラス基板の第1の表面には、前述の第1の樹脂フィルムの代わりに、上記予備実験で用いた一般的な粘着性樹脂フィルムを用いた。この樹脂フィルムは、総厚さが約130μmで、PET層の片面に、粘着力が変化しないアクリル系粘着が設置されているものである。その他の条件は、実施例1の場合と同様である。
貫通孔加工完了後、被加工体を装置から取り出した。その後、被加工体に対して紫外線照射を行わずに、被加工体のそれぞれの側に接着されていた樹脂フィルムを剥離した。また、得られたガラス基板において、リング状の突起、および飛散物の付着状態について観察を行った。
図7には、加工後のガラス基板の第1の表面の上面図を示す。
この図7から明らかなように、貫通孔の開口の近傍には、多くの飛散物が認められた。
なお、リング状の突起の高さHaveは、約0.18μmであった。
このように、紫外線照射により粘着力が低下する粘着層を有する樹脂フィルムをガラス基板の第1の表面に貼り付けることにより、ガラス基板の表面に飛散物が付着することを抑制できることが確認された。
本発明は、ガラス基板に貫通孔を形成する技術等に利用できる。
100 レーザ溶融式放電除去装置
110 レーザ光源
113 レーザ光
120 高周波高電圧電源
125 直流高圧電源
130 切り換えユニット
140 第1の電極
145 第2の電極
150、155 導体
183 照射位置
185 貫通孔
190 ガラス基板
200 放電補助式レーザ孔加工装置
210 レーザ光源
213 レーザ光
225 直流高電圧電源
240 第1の電極
245 第2の電極
250、255 導体
283 照射位置
285 貫通孔
290 ガラス基板

Claims (4)

  1. レーザ光照射によってガラス基板に貫通孔を形成し、該貫通孔を介した放電現象により前記貫通孔の形状を調整する、放電補助式レーザ孔加工方法であって、
    (1)第1の表面および該第1の表面に対向する第2の表面を有するガラス基板の前記第1の表面に、粘着層を有する樹脂フィルムを貼り付けるステップと、
    (2)前記ガラス基板に、前記樹脂フィルムの側からレーザ光を照射し、前記ガラス基板に貫通孔を形成するステップと、
    (3)前記貫通孔が形成された後であって、前記レーザ光の照射を停止する操作を行うまでの間に、前記貫通孔を介した放電を発生させるステップと、
    (4)前記レーザ光の照射が停止した後、前記粘着層に紫外線を照射することにより、または前記粘着層を濡らすことにより、前記粘着層の粘着力を低下させるステップと、
    (5)前記粘着層を有する前記樹脂フィルムを前記ガラス基板から剥離するステップと、
    を有する、放電補助式レーザ孔加工方法。
  2. 前記レーザ光の照射を停止する操作を実施したタイミングを時間ゼロと定めた場合、前記貫通孔を介した放電は、−60μ秒〜0μ秒の間の時間で発生する、請求項1に記載の放電補助式レーザ孔加工方法。
  3. 前記樹脂フィルムは、ポリエチレンテレフタレート(PET)層を有する、請求項1または2に記載の放電補助式レーザ孔加工方法。
  4. さらに、前記(2)のステップの前に、
    (1')前記ガラス基板の前記第2の表面に、第2の粘着層を有する第2の樹脂フィルムを貼り付けるステップ
    を有し、
    さらに、前記(5)のステップの前に、
    (4')前記レーザ光の照射が停止した後、前記第2の粘着層に紫外線を照射することにより、または前記第2の粘着層を濡らすことにより、前記第2の粘着層の粘着力を低下させるステップ
    を有する、請求項1乃至3のいずれか一つに記載の放電補助式レーザ孔加工方法。
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JP2018108907A (ja) * 2017-01-04 2018-07-12 日本電気硝子株式会社 ガラス板及びその製造方法

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