JP2014226710A - 放電補助式レーザ孔加工方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来に比べて、加工後の絶縁基板に生じる残留応力を有意に抑制することが可能な、放電補助式レーザ孔加工方法を提供する。
【解決手段】レーザ光照射によって絶縁基板に複数の貫通孔を形成し、第1および第2の電極間での放電現象により、前記貫通孔の形状を調整する、放電補助式レーザ孔加工方法であって、(1)レーザ光を照射することにより、絶縁基板の照射領域に貫通孔を形成するステップと、(2)前記レーザ光の照射を停止すると同時に、または前記レーザ光の照射を停止してから、前記絶縁基板の両側に配置された第1および第2の電極を用いて、前記貫通孔に高周波(HF)電圧を印加するステップと、(3)前記第1および第2の電極間に、直流電圧を印加することにより、前記照射領域に放電を発生させるステップと、を有することを特徴とする放電補助式レーザ孔加工方法。
【選択図】図2

Description

本発明は、放電補助式レーザ孔加工方法に関する。
従来より、レーザ光源からのレーザ光を、レーザ光学系を介して絶縁基板に照射することにより、絶縁基板に貫通孔を形成する技術が知られている。
また、最近では、放電加工技術(レーザ溶融式放電除去技術)を利用して、絶縁基板に貫通孔を開ける技術が開示されている(例えば特許文献1)。この方法では、レーザ光照射と電極間放電現象とを組み合わせることにより、絶縁基板に貫通孔を形成できる。
国際公開第WO2011/038788号
前述のように、レーザ溶融式放電除去技術では、レーザ光照射と電極間放電現象とを組み合わせることにより、絶縁基板に貫通孔を形成できる。
ここで、従来のレーザ溶融式放電除去技術では、レーザ光照射によって、絶縁基板のレーザ光照射領域が局部的に極めて高い温度(例えば1000℃以上)に加熱される。このため、貫通孔加工後の絶縁基板には、大きな残留応力が生じてしまう。また、このような残留応力は、貫通孔加工後の絶縁基板にクラックが発生する原因となるという問題がある。
本発明は、このような背景に鑑みなされたものであり、本発明では、従来に比べて、加工後の絶縁基板に生じる残留応力を有意に抑制することが可能な、放電補助式レーザ孔加工方法を提供することを目的とする。
本発明では、レーザ光照射によって絶縁基板に複数の貫通孔を形成し、第1および第2の電極間での放電現象により、前記貫通孔の形状を調整する、放電補助式レーザ孔加工方法であって、
(1)レーザ光を照射することにより、絶縁基板の照射領域に貫通孔を形成するステップと、
(2)前記レーザ光の照射を停止すると同時に、または前記レーザ光の照射を停止してから、前記絶縁基板の両側に配置された第1および第2の電極を用いて、前記照射領域に高周波(HF)電圧を印加するステップと、
(3)前記第1および第2の電極間に、直流電圧を印加することにより、前記照射領域に放電を発生させるステップと、
を有することを特徴とする放電補助式レーザ孔加工方法が提供される。
ここで、本発明による放電補助式レーザ孔加工方法において、前記(2)のステップにおける前記HF電圧の印加時間は、30μsec〜200μsecの範囲であってもよい。
また、本発明による放電補助式レーザ孔加工方法において、前記(2)のステップにおいて、前記レーザ光の照射を停止してから、前記照射領域にHF電圧が印加されるまでの時間は、0(ゼロ)〜100μsecの範囲であってもよい。
また、本発明による放電補助式レーザ孔加工方法において、前記レーザ光の照射を停止した時点から、前記直流電圧を印加するまでの間隔は、30μsec〜310μsecの範囲であってもよい。
また、本発明による放電補助式レーザ孔加工方法において、前記絶縁基板は、ガラス基板であってもよい。
本発明では、従来に比べて、加工後の絶縁基板に生じる残留応力を有意に抑制することが可能な、放電補助式レーザ孔加工方法を提供できる。
従来のレーザ溶融式放電除去装置の構成の一例を概略的に示した図である。 本発明の一実施例による第1の放電補助式レーザ孔加工方法のフローを概略的に示した図である。 本発明の一実施例による第1の放電補助式レーザ孔加工方法を実施するために使用され得る、放電補助式レーザ孔加工装置の一構成例を示した図である。 第1の放電補助式レーザ孔加工方法における各工程のタイミングを模式的に示した図である。 本発明の一実施例による第2の放電補助式レーザ孔加工方法のフローを概略的に示した図である。 第2の放電補助式レーザ孔加工方法における各工程のタイミングを模式的に示した図である。 例2における各工程のタイミングを模式的に示した図である。 例3における各工程のタイミングを模式的に示した図である。
以下、図面を参照して、本発明について説明する。
(従来のレーザ溶融式放電除去方法について)
本発明についてより良く理解するため、まず、図1を参照して、一般的なレーザ溶融式放電除去方法について、簡単に説明する。
図1には、従来のレーザ溶融式放電除去方法に利用される、一般的なレーザ溶融式放電除去装置の構成の一例を概略的に示す。
図1に示すように、一般的なレーザ溶融式放電除去装置100は、レーザ光源110と、レーザ光学系120と、直流高圧電源125と、第1の電極140および第2の電極145とを有する。
レーザ光源110は、レーザ光学系120に向かってレーザ光113を照射する役割を有する。レーザ光学系120は、例えば、図1に示すようなレンズを含んでもよい。レーザ光学系120は、レーザ光源110から照射されたレーザ光113を、絶縁基板190の照射領域183に収束させる役割を有する。
第1の電極140および第2の電極145は、それぞれ、導体150および155と電気的に接続されており、これらの導体150および155は、直流高圧電源125と接続されている。
第1の電極140と第2の電極145は、形状および配置形態が異なっている。すなわち、第1の電極140は、針状の形状を有し、絶縁基板190から離して配置されている。これに対して、第2の電極145は、略平板状の形状を有し、絶縁基板190の直下に、絶縁基板190と接するように配置されている。第2の電極145は、絶縁基板190を置載するステージとしての機能を兼ねることができる。
ただし、これは、単なる一例であって、第2の電極145は、例えば、絶縁基板190の直下に、絶縁基板190から離して配置してもよい。また、第2の電極145は、第1の電極140と同様の針状の形状を有してもよい。この場合、第1の電極140と、絶縁基板190を挟んで対向する位置にある第2の電極との間で、一組の電極対が構成される。
このようなレーザ溶融式放電除去装置100を用いて、絶縁基板190に貫通孔を形成する際には、まず、絶縁基板190が両電極140、145の間に配置される。さらに、ステージ(第2の電極145であってもよい)を水平方向に移動させることにより、絶縁基板190が所定の位置に配置される。
次に、レーザ光源110からレーザ光学系120に向かって、レーザ光113が照射される。レーザ光113は、レーザ光学系120により収束され、照射レーザ光115となる。この照射レーザ光115は、絶縁基板190の照射領域183に照射される。
これにより、絶縁基板190の照射領域183の温度が局部的に上昇し、この直下に溶融部が形成される。
照射レーザ光115の照射後、直流高圧電源125を用いて、両電極140、145間に直流高電圧が印加される。これにより、電極140、145間において、放電が生じる。放電は、溶融部を介して生じる傾向にある。放電の発生により、貫通孔185が形成される。
次に、ステージを水平方向に移動させ、絶縁基板190を所定の場所に配置する。その後、同様の工程により、第2の貫通孔が形成される。
このような工程を繰り返すことにより、絶縁基板190に複数の貫通孔を形成できる。
ここで、このようなレーザ溶融式放電除去方法で、絶縁基板190に貫通孔185を形成した場合、絶縁基板190に大きな残留応力が生じるという問題がある。特に、この残留応力は、貫通孔加工後の絶縁基板190にクラックが発生する原因となり得る。
このような残留応力は、照射レーザ光115の照射によって、絶縁基板190の照射領域183が局部的に高温(例えば1000℃以上)に加熱された後、この照射領域183が急激に冷却されることにより生じるものと考えられる。
これに対して、本発明では、レーザ光照射によって絶縁基板に複数の貫通孔を形成し、第1および第2の電極間での放電現象により、前記貫通孔の形状を調整する、放電補助式レーザ孔加工方法であって、
(1)レーザ光を照射することにより、絶縁基板の照射領域に貫通孔を形成するステップと、
(2)前記レーザ光の照射を停止すると同時に、または前記レーザ光の照射を停止してから、前記絶縁基板の両側に配置された第1および第2の電極を用いて、前記照射領域に高周波(HF)電圧を印加するステップと、
(3)前記第1および第2の電極間に、直流電圧を印加することにより、前記照射領域に放電を発生させるステップと、
を有することを特徴とする放電補助式レーザ孔加工方法が提供される。
ここで、本願において、「放電補助式レーザ孔加工技術」とは、以下に示すような、絶縁基板に対するレーザ光照射によって、絶縁基板のレーザ光照射領域に貫通孔を形成し、その後電極間放電現象により、前記貫通孔の形状を調整する技術の総称を意味する。なお、孔形状の調整とは、レーザ光照射によって絶縁基板に複数の貫通孔を形成した際に生じるネッキングを低減することを意味する。ここで「ネッキング」とは、レーザ加工後に貫通孔内に形成され得る突出部分を意味する。
本発明による放電補助式レーザ孔加工方法は、高周波(HF)電圧印加工程を含む。この工程では、絶縁基板の貫通孔を、ある程度加熱できる。(ただし、この工程における加熱は、照射レーザ光の照射による加熱に比べて、その程度はあまり顕著ではないことに留意する必要がある。)
従って、本発明による放電補助式レーザ孔加工方法では、このHF電圧印加工程により、従来のレーザ溶融式放電除去方法のような、照射レーザ光の照射を停止した後の、絶縁基板の照射領域の急激な温度低下を抑制できる。すなわち、HF電圧印加により、照射レーザ光の照射が停止された後も、照射領域をある程度加熱できるため、照射レーザ光停止後の照射領域における降温速度を、有意に小さくすることが可能になる。
その結果、本発明による放電補助式レーザ孔加工方法では、貫通孔加工後の絶縁基板における残留応力の発生を、有意に抑制することが可能になる。
ところで、図1には示されていないが、一部のレーザ溶融式放電除去装置には、高周波(HF)高圧電源を有するものがある。
そのようなレーザ溶融式放電除去装置を使用して、絶縁基板190に貫通孔185を形成する場合、絶縁基板190の照射領域183への照射レーザ光115の照射中に、高周波(HF)高圧電源により、電極140、145間に高周波(HF)電圧が印加される。そして、照射レーザ光115の照射および高周波(HF)電圧の印加を停止した後、両電極140、145間に直流電圧を印加して、放電処理が行われる。
しかしながら、本願発明者らによれば、このレーザ溶融式放電除去方法は、HF電圧印加工程を含むものの、このような方法では、加工後の絶縁基板に対して、良好な残留応力低減効果が得られないことが見出されている。
すなわち、この方法では、照射レーザ光の照射中に、HF電圧印加による加熱の影響が重畳されるため、絶縁基板の最高到達温度がより高くなってしまう。そのため、照射レーザ光の停止後には、絶縁基板は、より高温から急冷されることになり、結果的に、絶縁基板に大きな残留応力が発生してしまうことになる。
これに対して、本発明による放電補助式レーザ孔加工方法では、照射レーザ光の照射を停止すると同時に、または照射レーザ光の照射を停止してから、絶縁基板の照射領域に、HF電圧が印加される。
このため、本発明では、照射レーザ光の照射停止後に、HF電圧印加によって、絶縁基板の最高温度がさらに上昇することは生じ難い。すなわち、本発明では、HF電圧印加による絶縁基板の加熱を、絶縁基板が急激に冷却されるという問題を緩和するために、効果的に利用できる。従って、本発明による放電補助式レーザ孔加工方法では、貫通孔加工後の絶縁基板における残留応力の発生を、有意に抑制することが可能になる。
ここで、本願において、「照射レーザ光の照射停止」と言う用語は、厳密に、絶縁基板に対して照射レーザ光の照射がされなくなる(すなわち、絶縁基板上で照射パワーがゼロになる)タイミングを意味するのではなく、照射レーザ光の照射を停止する操作を実施したタイミング(例えば、装置系に対して照射レーザ光の照射を停止させる指令を発動したタイミング)を意味するものとする。
すなわち、通常の装置では、照射レーザ光の照射を停止する操作を実施してから、実際に照射レーザ光185が絶縁基板190上に完全に照射されなくなるまでに、例えば、60μsec〜75μsec程度のタイムラグが生じる。
しかしながら、このような極めて短い時間を正確に把握したり判断したりすることは難しく、また煩雑であるため、本願では前述のように規定する。
なお、「照射レーザ光の照射停止」のタイミングを本願のように規定しても、本発明の範囲では、実際に、照射レーザ光の照射停止操作をしてから、なお照射レーザ光が照射されている時間と、HF電圧が印加されている間のオーバーラップ時間は、極めて短いため、照射パワーが実際にゼロになるタイミングを照射停止と定義した場合に比べて、残留応力の発生の程度に、あまり差異はないと言える。
(本発明の一実施例による放電補助式レーザ孔加工方法について)
次に、図2〜図4を参照して、本発明の一実施例による放電補助式レーザ孔加工方法(第1の放電補助式レーザ孔加工方法)について説明する。
図2には、本発明による第1の放電補助式レーザ孔加工方法の概略的なフロー図を示す。また、図3には、第1の放電補助式レーザ孔加工方法を実施するために使用され得る、放電補助式レーザ孔加工装置の一構成例を示す。さらに、図4には、第1の放電補助式レーザ孔加工方法における各工程のタイミングチャートを示す。
図2に示すように、この第1の放電補助式レーザ孔加工方法は、
(1)レーザ光を照射することにより、絶縁基板の照射領域に貫通孔を形成するステップ(ステップS110)と、
(2)前記レーザ光の照射を停止すると同時に、前記絶縁基板の両側に配置された第1および第2の電極を用いて、前記照射領域に高周波(HF)電圧を印加するステップ(ステップS120)と、
(3)前記第1および第2の電極間に、直流電圧を印加することにより、前記照射領域に放電を発生させるステップ(ステップS130)と、
を有する。
また、図3に示すように、第1の放電補助式レーザ孔加工方法を実施するために使用される放電補助式レーザ孔加工装置200は、レーザ光源210と、レーザ光学系220と、直流高圧電源225と、高周波高電圧電源230と、切り替えユニット235と、一組の電極240、245とを有する。
このうち、レーザ光源210、レーザ光学系220、直流高圧電源225、第1の電極240、および第2の電極245は、基本的に、図1に示したレーザ溶融式放電除去装置100と同様のものであり、ここではこれ以上説明しない。
ただし、放電補助式レーザ孔加工装置200は、切り替えユニット235を有する。すなわち、電極240および245は、それぞれ、導体250および255と電気的に接続されており、これらの導体250、255は、切り替えユニット235を介して、高周波高電圧電源230および直流高圧電源225と接続される。
切り替えユニット235は、導体250および255の接続先を、高周波高電圧電源230/直流高圧電源225の間で切り替える役割を有する。
以下、図2に示した各ステップについて、詳しく説明する。なお、ここでは、図3に示した放電補助式レーザ孔加工装置200を使用して、第1の放電補助式レーザ孔加工方法を実施する場合を例に、各ステップを説明することにする。
(ステップS110)
まず、第2の電極245上に、絶縁基板290が配置される。
次に、レーザ光源210からレーザ光学系220に向かって、レーザ光213が照射される。レーザ光213は、レーザ光学系220により収束され、照射レーザ光215となる。この照射レーザ光215は、絶縁基板290の照射領域283に照射される。
これにより、絶縁基板290の照射領域283の絶縁材料が昇華し、ここに貫通孔285が形成される。
(ステップS120)
次に、照射レーザ光215の照射が停止される。また、これと同時に、絶縁基板290の照射領域283に高周波(HF)電圧が印加される。
HF電圧の印加は、縁基板290の両側に配置された第1および第2の電極240、245により実施される。すなわち、HF電圧の印加の際には、第1および第2の電極240、245は、切り換えユニット235を介して、高周波高電圧電源230に接続される。
HF電圧の印加により、電極240、245間で、高周波の放電が生じる。放電は、貫通孔285において生じる。
(ステップS130)
次に、切り替えユニット235により、導体250および255が直流高圧電源225に接続され、両電極240、245間に、直流高電圧が印加される。これにより、照射領域283に放電が生じ、貫通孔285の深さ方向に沿った形状が整えられる。
以上の工程により、絶縁基板290の照射領域283に、貫通孔285を形成できる。
図4には、照射レーザ光を照射する工程(工程I)、HF電圧を印加する工程(工程II)、および直流高電圧を印加する工程(工程III)のタイミングを模式的に示す。なお、図4では、工程Iの開始時点を、時間ゼロと規定している。
第1の放電補助式レーザ孔加工方法では、工程Iは、時間0〜時間tまで実施される。また工程IIは、時間tから時間tまで実施される。さらに工程IIIは、時間t(t>t)において実施される。
ここで、前述のように、第1の放電補助式レーザ孔加工方法では、工程IIは、工程Iの完了と同時に開始される。従って、時間t=tである。
このようなタイミングで各工程を実施した場合、工程Iの完了後にも、工程IIによって、絶縁基板190の照射領域183をある程度加熱できる。このため、照射レーザ光215の照射を停止した後の、絶縁基板290の照射領域283の急激な温度低下を有意に抑制することが可能となる。
また、図4に示すようなタイミングで各工程を実施した場合、工程I、すなわち照射レーザ光215の照射中に、工程II、すなわちHF電圧の印加による加熱によって、絶縁基板290の最高到達温度がよりいっそう高くなり、絶縁基板290がより高温から急冷されるという問題も、有意に抑制される。
その結果、第1の放電補助式レーザ孔加工方法では、貫通孔加工後の絶縁基板290における残留応力の発生を、有意に抑制することが可能になる。
なお、工程Iの期間、すなわち時間tは、絶縁基板290の種類および厚さによって異なる。例えば、絶縁基板290が厚さ0.05mm〜0.70mmの範囲のガラス基板の場合、時間tは、例えば、100μsec〜2000μsec程度である。
一方、工程IIの期間、すなわち時間t〜tの幅は、特に限られないが、例えば、30μsec〜200μsecの範囲である。時間t〜tの幅は、50μsec〜100μsecの範囲であることが好ましい。
また、工程IIIの開始タイミング、すなわち時間tは、工程IIの完了後(すなわち時間t後)であれば、特に限定されない。時間tは、例えば、工程Iが完了してから(時間tから)、30μsec〜310μsec後であってもよい。また、時間tは、例えば、工程IIが完了してから(時間tから)、0μsec〜10μsec後であってもよい。
(本発明の一実施例による別の放電補助式レーザ孔加工方法について)
次に、図5〜図6を参照して、本発明の一実施例による別の放電補助式レーザ孔加工方法(第2の放電補助式レーザ孔加工方法)について説明する。
なお、ここでも、第2の放電補助式レーザ孔加工方法を実施する際には、図3に示したような放電補助式レーザ孔加工装置200が使用されるものと仮定する。
図5には、本発明による第2の放電補助式レーザ孔加工方法の概略的なフロー図を示す。また、図6には、第2の放電補助式レーザ孔加工方法における各工程のタイミングチャートを示す。
図5に示すように、この第2の放電補助式レーザ孔加工方法は、
(1')レーザ光を照射することにより、絶縁基板の照射領域に貫通孔を形成するステップ(ステップS210)と、
(2')前記レーザ光の照射を停止してから、前記絶縁基板の両側に配置された第1および第2の電極を用いて、前記照射領域に高周波(HF)電圧を印加するステップ(ステップS220)と、
(3')前記第1および第2の電極間に、直流電圧を印加することにより、前記照射領域に放電を発生させるステップ(ステップS230)と、
を有する。
ここで、第2の放電補助式レーザ孔加工方法におけるステップS210およびステップS230は、それぞれ、基本的に、前述の第1の放電補助式レーザ孔加工方法におけるステップS110およびS130とほぼ同様である。そこで、ここでは、ステップS220について、詳しく説明する。
(ステップS220)
このステップでは、まず、ステップS210での照射レーザ光215の照射が停止される。また、その後、絶縁基板290の照射領域283に高周波(HF)電圧が印加される。
前述のように、HF電圧の印加は、縁基板290の両側に配置された第1および第2の電極240、245により実施される。すなわち、HF電圧の印加の際には、第1および第2の電極240、245は、切り換えユニット235を介して、高周波高電圧電源230に接続される。
HF電圧の印加により、電極240、245間で、高周波の放電が生じる。放電は、ちょうど絶縁基板290の照射領域283において生じる。これは、この位置では、絶縁基板290の抵抗が他の部分よりも低くなっているためである。
HF電圧印加の完了後、第1の電極240と第2の電極245の間に、直流電圧が印加され、照射領域283に放電が発生する(ステップS230)。
図6には、照射レーザ光を照射する工程(工程I)、HF電圧を印加する工程(工程II)、および直流高電圧を印加する工程(工程III)のタイミングを模式的に示す。なお、図6では、工程Iの開始時点を、時間ゼロと規定している。
第2の放電補助式レーザ孔加工方法では、工程Iは、時間0〜時間tまで実施される。また工程IIは、時間tから時間tまで実施される。さらに工程IIIは、時間t(t>t)において実施される。
ここで、前述のように、第2の放電補助式レーザ孔加工方法では、工程IIは、工程Iの完了後に開始される。従って、時間t<tである。
このようなタイミングで各工程を実施した場合も、前述の第1の放電補助式レーザ孔加工方法と同様の効果、すなわち、照射レーザ光215の照射を停止した後の、絶縁基板290の照射領域283の急激な温度低下を抑制できることは明らかであろう。
また、図6に示すようなタイミングで各工程を実施した場合、工程I、すなわち照射レーザ光215の照射工程と、工程II、すなわちHF電圧の印加による加熱工程が重畳される可能性を、より確実に回避できる。
このように、第2の放電補助式レーザ孔加工方法においても、貫通孔加工後の絶縁基板290における残留応力の発生を、有意に抑制することが可能になる。
ここで、工程Iの期間、すなわち時間tは、絶縁基板290の種類および厚さによって異なる。例えば、絶縁基板290が厚さ0.05mm〜0.70mmの範囲のガラス基板の場合、時間tは、例えば、100μsec〜2000μsec程度である。
一方、工程IIの期間、すなわち時間t〜tの幅は、特に限られないが、例えば、30μsec〜200μsecの範囲である。時間t〜tの幅は、50μsec〜100μsecの範囲であることが好ましい。
また、工程Iの完了から工程IIの開始までの期間、すなわち、時間tと時間tの間の時間間隔は、0μsec〜100μsecの範囲であることが好ましい。この時間間隔が100μsecよりも長くなると、絶縁基板290が急激に冷却されてしまい、工程IIの実施効果が低下してしまう。
また、工程IIIの開始タイミング、すなわち時間tは、工程IIの完了後(すなわち時間t後)であれば、特に限定されない。時間tは、例えば、工程Iが完了してから(時間tから)、30μsec〜310μsec後であってもよい。また、時間tは、例えば、工程IIが完了してから(時間tから)、0μsec〜10μsec後であってもよい。
次に、本発明の実施例について説明する。
(例1)
前述の図3に示したような放電補助式レーザ孔加工装置を使用して、前述の図2に示した第1の放電補助式レーザ孔加工方法により、厚さ0.3mmのガラス基板(無アルカリガラス)に貫通孔を形成した。また、貫通孔形成後のガラス基板の残留応力を測定した。
レーザ光源には、COレーザ源を使用した。照射レーザ光の出力は、50Wとした。また、照射レーザ光の照射時間は、800μsecとした。
照射レーザ光の停止直後に、HF電圧印加工程を開始した。HF電圧は、5000Vとし、HFの周波数は、10MHzとした。HF電圧印加の期間(図4におけるt〜tの期間)は、50μsecとした。
HF電圧印加工程の完了から10μsec後に、直流高電圧印加工程を実施した。従って、直流高電圧印加工程は、照射レーザ光の照射停止後、60μsec後に実施した。印加電圧は、5000Vとした。
これにより、ガラス基板に貫通孔が形成された。形成された貫通孔の開口部の直径は、約70μmであった。
次に、加工後のガラス基板の残留応力を測定した。残留応力の測定には、アブリオ応力測定装置(Tokyo instruments.inc社製)を使用し、ガラス基板の貫通孔の近傍で、測定を行った。
測定の結果、ガラス基板の最大残留応力は、142MPa程度であった。
(例2)
前述の図1に示したようなレーザ溶融式放電除去装置を使用して、従来のレーザ溶融式放電除去方法により、厚さ0.3mmのガラス基板(無アルカリガラス)に貫通孔を形成した。また、貫通孔形成後のガラス基板の残留応力を測定した。
ただし、この例2では、各工程のタイミングとして、図7に示すようなタイミングチャートを使用した。
すなわち、この例2では、照射レーザ光を照射する工程Iの期間を、時間0〜時間tとし、直流高電圧を印加する工程IIIのタイミングを時間tとした。具体的には、時間t=800μsecとし、時間t=860μsecとした。
なお、この例2では、HF電圧を印加する工程は、実施しなかった。
その他の条件は、例1の場合と同様である。
工程III後に、ガラス基板に貫通孔が形成されていることが確認された。形成された貫通孔の開口部の直径は、約70μmであった。
次に、加工後のガラス基板の残留応力を測定した。測定の結果、ガラス基板の最大残留応力は、154MPaであった。
(例3)
例1と同様の方法により、厚さ0.3mmのガラス基板(無アルカリガラス)に貫通孔を形成した。また、貫通孔形成後のガラス基板の残留応力を測定した。
ただし、この例3では、各工程のタイミングとして、図8に示すようなタイミングチャートを使用した。
すなわち、この例3では、照射レーザ光を照射する工程Iの期間を、時間0〜時間tとし、HF電圧を印加する工程IIの期間を、時間t〜時間tとした(ここでt<t)。また、直流高電圧を印加する工程IIIのタイミングを時間tとした。
具体的には、時間t=800μsecとし、時間t=750μsecとし、時間t=850μsecとし、時間t=860μsecとした。従って、この例2では、工程IIは、50μsecの間、工程Iと重畳されている。
その他の条件は、例1の場合と同様である。
工程III後に、ガラス基板に貫通孔が形成されていることが確認された。形成された貫通孔の開口部の直径は、約70μmであった。
次に、加工後のガラス基板の残留応力を測定した。測定の結果、ガラス基板の最大残留応力は、149MPaであった。
以上のように、例1における加工後のガラス基板では、例2および例3における加工後のガラス基板に比べて、残留応力が有意に抑制されていることが確認された。
本発明は、ガラス基板などの絶縁基板に貫通孔を形成する技術等に利用できる。
100 レーザ溶融式放電除去装置
110 レーザ光源
113 レーザ光
115 照射レーザ光
120 レーザ光学系
125 直流高圧電源
140 第1の電極
145 第2の電極
150、155 導体
183 照射領域
185 貫通孔
190 絶縁基板
200 放電補助式レーザ孔加工装置
210 レーザ光源
213 レーザ光
215 照射レーザ光
220 レーザ光学系
225 直流高圧電源
230 高周波高電圧電源
235 切り換えユニット
240 第1の電極
245 第2の電極
250、255 導体
283 照射領域
285 貫通孔
290 絶縁基板

Claims (5)

  1. レーザ光照射によって絶縁基板に複数の貫通孔を形成し、第1および第2の電極間での放電現象により、前記貫通孔の形状を調整する、放電補助式レーザ孔加工方法であって、
    (1)レーザ光を照射することにより、絶縁基板の照射領域に貫通孔を形成するステップと、
    (2)前記レーザ光の照射を停止すると同時に、または前記レーザ光の照射を停止してから、前記絶縁基板の両側に配置された第1および第2の電極を用いて、前記照射領域に高周波(HF)電圧を印加するステップと、
    (3)前記第1および第2の電極間に、直流電圧を印加することにより、前記照射領域に放電を発生させるステップと、
    を有することを特徴とする放電補助式レーザ孔加工方法。
  2. 前記(2)のステップにおける前記HF電圧の印加時間は、30μsec〜200μsecの範囲である、請求項1に記載の放電補助式レーザ孔加工方法。
  3. 前記(2)のステップにおいて、前記レーザ光の照射を停止してから、前記照射領域にHF電圧が印加されるまでの時間は、0(ゼロ)〜100μsecの範囲である、請求項1または2に記載の放電補助式レーザ孔加工方法。
  4. 前記レーザ光の照射を停止した時点から、前記直流電圧を印加するまでの間隔は、30μsec〜310μsecの範囲である、請求項1乃至3のいずれか一つに記載の放電補助式レーザ孔加工方法。
  5. 前記絶縁基板は、ガラス基板である、請求項1乃至4のいずれか一つに記載の放電補助式レーザ孔加工方法。
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