JP2014223640A - 放電補助式レーザ孔加工方法および放電補助式レーザ孔加工装置 - Google Patents

放電補助式レーザ孔加工方法および放電補助式レーザ孔加工装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2014223640A
JP2014223640A JP2013103734A JP2013103734A JP2014223640A JP 2014223640 A JP2014223640 A JP 2014223640A JP 2013103734 A JP2013103734 A JP 2013103734A JP 2013103734 A JP2013103734 A JP 2013103734A JP 2014223640 A JP2014223640 A JP 2014223640A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
discharge
hole
insulating substrate
laser
assist type
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2013103734A
Other languages
English (en)
Inventor
裕二 野津
Yuji Nozu
裕二 野津
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
AGC Inc
Original Assignee
Asahi Glass Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Glass Co Ltd filed Critical Asahi Glass Co Ltd
Priority to JP2013103734A priority Critical patent/JP2014223640A/ja
Publication of JP2014223640A publication Critical patent/JP2014223640A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Electrical Discharge Machining, Electrochemical Machining, And Combined Machining (AREA)
  • Laser Beam Processing (AREA)

Abstract

【課題】加工後の貫通孔にクラックが生じ難い、放電補助式レーザ孔加工方法を提供する。【解決手段】レーザ光照射と、第1および第2の電極間での放電現象とを組み合わせて絶縁基板に貫通孔を形成する、放電補助式レーザ孔加工方法であって、(1)レーザ光を照射することにより、絶縁基板の照射領域を加熱するステップと、(2)前記絶縁基板の両側に配置された第1および第2の電極間に、直流電圧を印加することにより、前記照射領域に放電を発生させるステップであって、前記第1および第2の電極間に印加される前記直流電圧をE0(V)とし、前記放電の際の放電容量をC(nF)としたとき、E0とCの積で表される電荷量Q(nC)は、1000nC〜10000nCの範囲であるステップと、を有することを特徴とする放電補助式レーザ孔加工方法。【選択図】図3

Description

本発明は、放電補助式レーザ孔加工方法および放電補助式レーザ孔加工装置に関する。
絶縁基板に貫通孔を形成する技術として、レーザ溶融式放電除去技術が提案されている(例えば、特許文献1)。このレーザ溶融式放電除去技術では、レーザ光照射と電極間放電現象とを組み合わせることにより、絶縁基板に貫通孔を形成できる。
特表2012/519090号公報
前述のように、レーザ溶融式放電除去技術では、レーザ光照射で絶縁材料を溶融した後、電極間放電現象によって溶融した絶縁材料を除去し、絶縁基板に貫通孔を形成できる。ここで、従来のレーザ溶融式放電除去方法では、しばしば、加工後の貫通孔にクラックが生じることが観測されている。このようなクラックは、製品の品質を低下させたり、製品の歩留まりを低下させる一因となり得る。
本発明は、このような背景に鑑みなされたものであり、本発明では、加工後の貫通孔にクラックが生じ難い、放電補助式レーザ孔加工方法を提供することを目的とする。また、本発明では、加工後の貫通孔にクラックが生じ難い、放電補助式レーザ孔加工装置を提供することを目的とする。
本発明では、レーザ光照射によって絶縁基板に複数の貫通孔を形成し、第1および第2の電極間での放電現象により、前記貫通孔の形状を調整する、放電補助式レーザ孔加工方法であって、
(1)レーザ光を照射することにより、絶縁基板の照射領域に貫通孔を形成するステップと、
(2)前記絶縁基板の両側に配置された第1および第2の電極間に、直流電圧を印加することにより、前記照射領域に放電を発生させるステップであって、
前記第1および第2の電極間に印加される前記直流電圧をE(V)とし、前記放電の際の放電容量をC(nF)としたとき、EとCの積で表される電荷量Q(nC)は、1000nC〜10000nCの範囲であるステップと、
を有することを特徴とする放電補助式レーザ孔加工方法が提供される。
ここで、本発明による放電補助式レーザ孔加工方法は、
さらに、前記(1)のステップと前記(2)のステップの間に、
(3)前記絶縁基板の前記照射領域を介して、前記第1および第2の電極間に高周波高電圧(HF電圧)を印加するステップ
を有しても良い。
また、本発明による放電補助式レーザ孔加工方法において、前記照射領域は、10μm〜300μmの範囲の最大寸法を有しても良い。
また、本発明による放電補助式レーザ孔加工方法において、前記絶縁基板の厚さは、0.05mm〜0.7mmの範囲であっても良い。
また、本発明では、絶縁基板に貫通孔を形成する、放電補助式レーザ孔加工装置であって、
絶縁基板に向かってレーザ光を照射するレーザ光源と、
放電回路と、
前記放電回路に接続され、前記絶縁基板の両側に配置された、第1および第2の電極であって、前記放電回路により、前記レーザ光の照射領域に放電を発生させる第1および第2の電極と、
を有し、
前記放電回路は、電源と、該電源と並列に接続された、放電用のキャパシタとを有し、
前記電源の電圧をE(V)とし、前記キャパシタの静電容量をC(nF)としたとき、E(V)とC(nF)の積で表される電荷量Q(nC)は、1000nC〜10000nCの範囲であることを特徴とする放電補助式レーザ孔加工装置が提供される。
本発明では、加工後の貫通孔にクラックが生じ難い、放電補助式レーザ孔加工方法を提供できる。また、本発明では、加工後の貫通孔にクラックが生じ難い、放電補助式レーザ孔加工装置を提供できる。
本発明の一実施例による放電補助式レーザ孔加工装置の構成の一例を概略的に示した図である。 本発明の一実施例による放電補助式レーザ孔加工装置の放電回路の回路図の一例を模式的に示した図である。 本発明の一実施例による放電補助式レーザ孔加工方法のフローを概略的に示した図である。
以下、図面を参照して、本発明について説明する。
(本発明の一実施例による放電補助式レーザ孔加工装置について)
まず初めに、図1を参照して、本発明の一実施例による放電補助式レーザ孔加工装置の構成について簡単に説明する。
図1には、本発明の一実施例による放電補助式レーザ孔加工装置(以下、「第1の放電補助式レーザ孔加工装置」と称する)の構成の一例を概略的に示す。第1の放電補助式レーザ孔加工装置100は、放電補助式レーザ孔加工技術により、絶縁基板に貫通孔を形成できる。
なお、本願において、「放電補助式レーザ孔加工技術」とは、以下に示すような、絶縁基板に対するレーザ光照射によって絶縁基板の照射領域に貫通孔を形成し、その後電極間放電現象により、前記貫通孔の形状を調整する技術の総称を意味する。なお、孔形状の調整とは、レーザ光照射によって絶縁基板に複数の貫通孔を形成した際に生じるネッキングを低減することを意味する。ここで「ネッキング」とは、レーザ加工後に貫通孔内に形成され得る突出部分を意味する。
図1に示すように、第1の放電補助式レーザ孔加工装置100は、レーザ光源110と、レーザ光学系120と、制御回路125と、第1および第2の電極140、145とを有する。
レーザ光源110は、レーザ光学系120に向かってレーザ光113を照射する役割を有する。レーザ光学系120は、例えば1または2以上のレンズで構成される。レーザ光学系120は、レーザ光源110から照射されたレーザ光113を、絶縁基板190の照射領域183に収束させる役割を有する。
レーザ光源110は、配線157を介して、制御回路125と電気的に接続されている。
第1の電極140および第2の電極145は、それぞれ、導体150および155と電気的に接続されており、これらの導体150および155は、制御回路125と接続されている。
なお、図1の例では、第1の電極140と第2の電極145は、形状および配置形態が異なっている。すなわち、第1の電極140は、針状の形状を有し、絶縁基板190から離して配置されている。これに対して、第2の電極145は、略平板状の形状を有し、絶縁基板190の直下に、絶縁基板190と接するように配置されている。第2の電極145は、絶縁基板190を置載するステージとしての機能を兼ねることができる。
ただし、これは、単なる一例であって、例えば、よい。また、第2の電極145は、第1の電極140と同様の針状の形状を有してもよい。この場合、第1の電極140と、絶縁基板190を挟んで対向する位置にある第2の電極との間で、一組の電極対が構成される。
前述のように、制御回路125は、レーザ光源110、第1の電極140、および第2の電極145と接続されている。制御回路125は、放電回路160を有する。放電回路160は、後述するように、第1の電極140と第2の電極145の間で放電を発生させるために使用される。制御回路125は、レーザ光源110のオン/オフ、および第1の電極140〜第2の電極155間に印加される直流放電電圧の印加タイミング等を制御する。
次に、このような構成の第1の放電補助式レーザ孔加工装置100の動作について説明する。
第1の放電補助式レーザ孔加工装置100を用いて、絶縁基板190に貫通孔を形成する際には、まず、絶縁基板190が両電極140、145の間に配置される。さらに、第2の電極145(または別個のステージ)を水平方向に移動させることにより、絶縁基板190が所定の位置に配置される。
次に、レーザ光源110からレーザ光学系120に向かって、レーザ光113が照射される。レーザ光113は、レーザ光学系120により収束され、収束レーザ光115となる。この収束レーザ光115は、絶縁基板190の照射領域183に照射される。
これにより、絶縁基板190の照射領域183の温度が局部的に上昇し、該部分の絶縁材料が昇華し、ここに貫通孔185が形成される。
収束レーザ光115の照射後、制御回路125内の放電回路160により、両電極140、145間に直流高電圧が印加され、放電が生じる。この放電は、絶縁基板190の貫通孔185を介して生じる傾向にある。これは、絶縁基板190この位置では、抵抗が他の部分よりも低くなっているためである。
放電の発生により、貫通孔185の形状が調整され、所望の寸法形状の貫通孔185が形成される。
その後、必要な場合、第2の電極145(または別個のステージ)を水平方向に移動させ、絶縁基板190を所定の場所に配置する。その後、同様の工程により、第2の貫通孔が形成される。
このような工程を繰り返すことにより、絶縁基板190に1または2以上の貫通孔を形成できる。
なお、図1には、示されていないが、第1の放電補助式レーザ孔加工装置100は、さらに、高周波高電圧電源を有してもよい。高周波高電圧電源の設置の目的は、放電が開始されるまでの間に、絶縁基板190の貫通孔185の部分およびその近傍の温度が低下することを抑制することである。すなわち、高周波高電圧電源を用いて、絶縁基板190に対して高周波高電圧を印加することにより、収束レーザ光115の照射によって加熱された絶縁基板190の貫通孔185部分の高温状態を、放電開始まで確実に維持できる。ただし、高周波高電圧電源の設置は、任意である。
ここで、従来の溶融式放電除去加工方法では、しばしば、絶縁基板の加工後の貫通孔にクラックが生じることが観測されている。このようなクラックは、製品の品質を低下させたり、製品の歩留まりを低下させる一因となり得る。
これに対して、第1の放電補助式レーザ孔加工装置100を使用して、絶縁基板190に貫通孔185を形成した場合、クラックの発生率が有意に抑制される。
以下、第1の放電補助式レーザ孔加工装置100において、このような効果が得られる理由について説明する。
本願発明者らの研究によれば、貫通孔のクラックは、放電時に、貫通孔に大きなエネルギーが投与された際に生じ易い傾向にある。そのため、第1の放電補助式レーザ孔加工装置100では、放電時に貫通孔に投与されるエネルギー(電荷量)を抑制することにより、貫通孔にクラックが生じる頻度を抑制する。
第1の放電補助式レーザ孔加工装置100では、放電時に貫通孔に流れる電荷量Q(nC)を、1000nC〜10000nCの範囲に選定する。
ここで、第1の放電補助式レーザ孔加工装置100において、放電時に貫通孔に流れる電荷量Q(nC)を調整する場合、前記電荷量Q(nC)の範囲となるように、放電回路160を設計することが最も直接的かつ効果的である。
そこで、以下、第1の放電補助式レーザ孔加工装置100における放電回路160を用いて、放電時に貫通孔に流れる電荷量Q(nC)を所定の範囲に調整する方法について説明する。
図2には、第1の放電補助式レーザ孔加工装置100において使用される放電回路160の回路図の一例を模式的に示す。
図2に示すように、放電回路160は、電源Vと、一次キャパシタCd1と、二次キャパシタCd2と、抵抗Rと、スイッチSw等により構成される。
一次キャパシタCd1および二次キャパシタCd2は、電源Vと並列に配置される。抵抗Rは、一次キャパシタCd1の正側と二次キャパシタCd2の正側の間に配置される。スイッチSwは、二次キャパシタCd2の正側に配置され、放電回路160を第1の電極140と接続する役割を有する。なお、一次キャパシタCd1および二次キャパシタCd2の負側は、第2の電極145と接続される。
このような放電回路160を使用して、第1の電極140と第2の電極145の間で放電を発生させる際には、スイッチSwが「閉」にされ、すなわち、放電回路160と第1の電極140とが接続(短絡)される。これにより、二次キャパシタCd2に蓄積されていた電荷が一気に放出され、第1の電極140と第2の電極145の間に放電を生じさせることができる。
ここで、第1の放電補助式レーザ孔加工装置100では、放電時に貫通孔に流れる電荷量Q(nC)を所定の範囲に調整するため、放電回路160を構成する各素子の物性値として、以下の値を採用している:
電源Vの電圧E;5000V、
二次キャパシタCd2の静電容量C;0.2nF〜2.0nFの範囲。
ここで、放電の際に第1の電極140と第2の電極145の間に流れる電気量Q(nC(ナノクーロン))は、以下の式で表され、

Q(nC)=C(nF)×E(V) (1)式

上記の値を使用した場合のうちクラック数を低減させるためには、

1000(nC)≦Q(nC)≦10000(nC) (2)式

となる。
以上のように、第1の放電補助式レーザ孔加工装置100では、放電時に貫通孔に流れる電荷量Q(nC)が所定の範囲に調整されているため、貫通孔加工後のクラック発生率を有意に抑制できる。
(本発明の一実施例による放電補助式レーザ孔加工方法について)
次に、図3を参照して、本発明の一実施例による放電補助式レーザ孔加工方法について説明する。
図3には、本発明の一実施例による放電補助式レーザ孔加工方法(以下、「第1の放電補助式レーザ孔加工方法」と称する)のフローを概略的に示す。
図3に示すように、第1の放電補助式レーザ孔加工方法は、
レーザ光を照射することにより、絶縁基板の照射領域を加熱するステップ(ステップS110)と、
前記絶縁基板の前記照射領域を介して、前記第1および第2の電極間に高周波電圧を印加するステップ(ステップS120)と、
前記絶縁基板の両側に配置された第1および第2の電極間に、直流電圧を印加することにより、前記照射領域に放電を発生させるステップであって、
前記第1および第2の電極間に印加される前記直流電圧をE(V)とし、前記放電の際の放電容量をC(nF)としたとき、EとCの積で表される電荷量Q(nC)は、1000nC〜10000nCの範囲であるステップ(ステップS130)と、
を有する。
なお、ステップS120は、任意に実施されるステップであって、必ずしも実施する必要はない。
以下、各ステップについて詳しく説明する。なお、以下の説明では、明確化のため、各部材を表す際には、前述の図1および図2に使用した参照符号を使用することにする。
(ステップS110)
まず、絶縁基板190の照射領域183に、レーザ光113が照射される。これにより、絶縁基板190の照射領域183が加熱され、該位置に貫通孔185が形成される。レーザ光113は、レーザ光学系120により収束された、収束レーザ光115であってもよい。
レーザ光113を照射するレーザ光源110の種類は、特に限られない。レーザ光源110は、例えば、COレーザ光源であってもよい。
絶縁基板190の種類は、特に限られず、絶縁基板190は、例えばガラス基板等であってもよい。絶縁基板190の厚さは、例えば、0.05mm〜0.7mmの範囲であってもよい。
絶縁基板190上の照射領域183、すなわちレーザ光113(または収束レーザ光115。以下同じ)の絶縁基板190上のスポットの最大寸法は、例えば、10μm〜300μmの範囲である。ここで、照射スポットが略円形または略楕円形の場合、「最大寸法」とは、円の直径または楕円の長軸の寸法を意味し、照射スポットが略多角形状の場合、「最大寸法」とは、最大対角線長さを意味する。
(ステップS120)
次に、必要な場合、絶縁基板190の照射領域183を介して、第1および第2の電極140、145間に、高周波高電圧(HF電圧)が印加される。
前述のように、このステップは、放電が開始されるまでの間に、絶縁基板190の貫通孔185の部分およびその近傍の温度が低下することを抑制するために実施される。すなわち、絶縁基板190にHF電圧を印加することにより、収束レーザ光115の照射によって加熱された絶縁基板190の貫通孔185部分の高温状態を、放電開始まで確実に維持できる。ただし、このステップは、省略してもよい。
HF電圧の交流周波数は、例えば、100kHz〜100MHzの範囲であっても良い。
(ステップS130)
次に、絶縁基板190の両側に配置された第1および第2の電極140、145間に、直流電圧が印加される。これにより、絶縁基板190の貫通孔185を介して、放電が発生する(放電処理)。
ここで、第1の電極140と第2の電極145との間に印加される直流電圧をE(V)とし、両電極140、145間に接続された放電容量をC(nF)としたとき、EとCの積で表される電荷量Q(nC)は、1000nC〜10000nCの範囲となるように調整されている。
この場合、放電時に貫通孔185に流れる電荷量Q(nC)を有意に抑制することができ、貫通孔加工後のクラック発生率を有意に抑制できる。
このような放電処理の際には、例えば、図2に示したような放電回路160が使用される。放電回路160は、電源V(E(V))を有し、第1および第2の電極140、145と、スイッチSw(図2参照)を介して接続される。
放電回路160において、スイッチSwを「閉」にした際に、放電回路160と第1の電極140とが電気的に接続(短絡)される。これにより、二次キャパシタCd2に蓄積されていた電荷が一気に放出され、第1の電極140と第2の電極145の間に放電を生じさせることができる。
ここで、前述のように、二次キャパシタCd2の静電容量C(F)と、E(V)の積、すなわち電気量Q(nC)は、1000nC〜10000nCの範囲である。
必要な場合、ステップS110〜ステップS130の工程が繰り返され、絶縁基板190に、複数の貫通孔185が形成される。
以上の工程により、クラックの発生率を低減させた状態で、絶縁基板190に貫通孔185を形成できる。
次に、本発明の実施例について説明する。
(実施例1)
上面および下面を有する厚さ0.3mmのガラス基板(無アルカリガラス)を準備し、このガラス基板に合計30600個の貫通孔を連続的に形成した。
貫通孔の形成には、前述の図1に示したような放電補助式レーザ孔加工装置100を使用し、レーザ光照射工程、および直流放電電圧印加工程の順に、各工程を実施した。
レーザ光照射工程において、レーザ光源は、COレーザとし、レーザ出力は、50Wとした。また、レーザ光照射時間は、800μ秒とした。レーザ光のスポット直径は、約70μmである。
図2の放電回路において、電源Vの電圧Eは、5000Vとし、二次キャパシタCd2の静電容量Cは、1.0nFとした。従って、放電の際に第1の電極と第2の電極の間に流れる電気量Q(nC)は、5000nCである。
30600個の貫通孔を全て形成した後、各貫通孔の状態を観察した。また、健全な貫通孔とクラックが生じた貫通孔の数を調べ、貫通孔の欠陥率を評価した。ここで、貫通孔の欠陥率Pは、

P(%)=(クラックが生じた貫通孔の数)/(全貫通孔数)×100 (3)式

で評価した。その結果、貫通孔の欠陥率Pは、0.4%であった。
以下の表1の実施例1の欄には、放電回路における二次キャパシタCd2の静電容量Cの値、電源電圧Eの値、電気量Qの値、および欠陥率Pをまとめて示した。
Figure 2014223640
(実施例2)
実施例1と同様の方法により、ガラス基板に、合計54000個の貫通孔を連続的に形成した。ただし、この実施例2では、放電回路160において、二次キャパシタCd2の静電容量Cは、0.2nFとした。従って、放電の際に第1の電極と第2の電極の間に流れる電気量Q(nC)は、1000nCである。
実施例1と同様の方法により、貫通孔の欠陥率Pを評価した。その結果、貫通孔の欠陥率Pは、0.8%であった。
前述の表1の実施例2の欄には、放電回路における二次キャパシタCd2の静電容量Cの値、電源電圧Eの値、電気量Qの値、および欠陥率Pをまとめて示した。
(実施例3)
実施例1と同様の方法により、ガラス基板に、合計27000個の貫通孔を連続的に形成した。ただし、この実施例3では、放電回路160において、電源Vの電圧Eは、5000Vとし、二次キャパシタCd2の静電容量Cは、2.0nFとした。従って、放電の際に第1の電極と第2の電極の間に流れる電気量Q(nC)は、10000nCである。
実施例1と同様の方法により、貫通孔の欠陥率Pを評価した。その結果、貫通孔の欠陥率Pは、0.9%であった。
前述の表1の実施例3の欄には、放電回路における二次キャパシタCd2の静電容量Cの値、電源電圧Eの値、電気量Qの値、および欠陥率Pをまとめて示した。
(比較例1)
実施例1と同様の方法により、ガラス基板に、合計27000個の貫通孔を連続的に形成した。ただし、この比較例1では、放電回路160において、電源Vの電圧Eは、6000Vとし、二次キャパシタCd2の静電容量Cは、2.0nFとした。従って、放電の際に第1の電極と第2の電極の間に流れる電気量Q(nC)は、12000nCである。
実施例1と同様の方法により、貫通孔の欠陥率Pを評価した。その結果、貫通孔の欠陥率Pは、3.2%であった。
前述の表1の比較例1の欄には、放電回路における二次キャパシタCd2の静電容量Cの値、電源電圧Eの値、電気量Qの値、および欠陥率Pをまとめて示した。
以上の結果から、実施例1〜実施例3の方法で貫通孔を形成した場合、比較例1の方法に比べて、クラックの発生率が有意に抑制されることが確認された。
本発明は、ガラス基板などの絶縁基板に貫通孔を形成する技術等に利用できる。
100 第1の放電補助式レーザ孔加工装置
110 レーザ光源
113 レーザ光
115 収束レーザ光
120 レーザ光学系
125 制御回路
140 第1の電極
145 第2の電極
150、155 導体
157 配線
160 放電回路
183 照射領域
185 貫通孔
190 絶縁基板

Claims (5)

  1. レーザ光照射によって絶縁基板に複数の貫通孔を形成し、第1および第2の電極間での放電現象により、前記貫通孔の形状を調整する、放電補助式レーザ孔加工方法であって、
    (1)レーザ光を照射することにより、絶縁基板の照射領域に貫通孔を形成するステップと、
    (2)前記絶縁基板の両側に配置された第1および第2の電極間に、直流電圧を印加することにより、前記照射領域に放電を発生させるステップであって、
    前記第1および第2の電極間に印加される前記直流電圧をE(V)とし、前記放電の際の放電容量をC(nF)としたとき、EとCの積で表される電荷量Q(nC)は、1000nC〜10000nCの範囲であるステップと、
    を有することを特徴とする放電補助式レーザ孔加工方法。
  2. さらに、前記(1)のステップと前記(2)のステップの間に、
    (3)前記絶縁基板の前記照射領域を介して、前記第1および第2の電極間に高周波高電圧(HF電圧)を印加するステップ
    を有する、請求項1に記載の放電補助式レーザ孔加工方法。
  3. 前記照射領域は、10μm〜300μmの範囲の最大寸法を有する、請求項1または2に記載の放電補助式レーザ孔加工方法。
  4. 前記絶縁基板の厚さは、0.05mm〜0.7mmの範囲である、請求項1乃至3のいずれか一つに記載の放電補助式レーザ孔加工方法。
  5. 絶縁基板に貫通孔を形成する、放電補助式レーザ孔加工装置であって、
    絶縁基板に向かってレーザ光を照射するレーザ光源と、
    放電回路と、
    前記放電回路に接続され、前記絶縁基板の両側に配置された、第1および第2の電極であって、前記放電回路により、前記レーザ光の照射領域に放電を発生させる第1および第2の電極と、
    を有し、
    前記放電回路は、電源と、該電源と並列に接続された、放電用のキャパシタとを有し、
    前記電源の電圧をE(V)とし、前記キャパシタの静電容量をC(nF)としたとき、E(V)とC(nF)の積で表される電荷量Q(nC)は、1000nC〜10000nCの範囲であることを特徴とする放電補助式レーザ孔加工装置。
JP2013103734A 2013-05-16 2013-05-16 放電補助式レーザ孔加工方法および放電補助式レーザ孔加工装置 Withdrawn JP2014223640A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013103734A JP2014223640A (ja) 2013-05-16 2013-05-16 放電補助式レーザ孔加工方法および放電補助式レーザ孔加工装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013103734A JP2014223640A (ja) 2013-05-16 2013-05-16 放電補助式レーザ孔加工方法および放電補助式レーザ孔加工装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2014223640A true JP2014223640A (ja) 2014-12-04

Family

ID=52122768

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013103734A Withdrawn JP2014223640A (ja) 2013-05-16 2013-05-16 放電補助式レーザ孔加工方法および放電補助式レーザ孔加工装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2014223640A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108080782A (zh) * 2018-01-02 2018-05-29 南京航空航天大学 微小孔电解加工电极的侧壁绝缘方法及应用

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012519090A (ja) * 2009-02-27 2012-08-23 ピコドリル エスアー 基板中にホール又は凹部又はくぼみを発生させる方法、該方法を実行するためのデバイス及び該デバイスで用いる高周波高電圧源

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012519090A (ja) * 2009-02-27 2012-08-23 ピコドリル エスアー 基板中にホール又は凹部又はくぼみを発生させる方法、該方法を実行するためのデバイス及び該デバイスで用いる高周波高電圧源

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108080782A (zh) * 2018-01-02 2018-05-29 南京航空航天大学 微小孔电解加工电极的侧壁绝缘方法及应用

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10252507B2 (en) Method and apparatus for forward deposition of material onto a substrate using burst ultrafast laser pulse energy
KR101210653B1 (ko) 전기장을 이용한 레이저 가공장치 및 가공방법
JP5839994B2 (ja) 基板中にホール又は凹部又はくぼみを発生させる方法、該方法を実行するためのデバイス及び該デバイスで用いる高周波高電圧源
WO2013129165A1 (ja) ガラス基板を製造する方法、およびガラス基板
JP6295897B2 (ja) ガラス基板に貫通孔を形成する装置および方法
TW201628755A (zh) 貫通孔形成方法、貫通孔形成裝置及具有貫通孔之玻璃基板之製造方法
JP2014223640A (ja) 放電補助式レーザ孔加工方法および放電補助式レーザ孔加工装置
JP2015054348A (ja) レーザ光を用いて絶縁基板に貫通孔を形成する方法
JP2015080800A (ja) レーザ光を用いてガラス基板に貫通孔を形成する方法
JP2013086236A (ja) 絶縁基板に貫通孔を形成する方法およびインターポーザ用の絶縁基板を製造する方法
WO2013058169A1 (ja) 絶縁基板に貫通孔を形成する方法およびインターポーザ用の絶縁基板を製造する方法
JP2017088467A (ja) ガラス基板に孔を形成する装置および方法
JP6150810B2 (ja) 電気エネルギーを熱エネルギーに変換するためのシステム
TW201505501A (zh) 藉雷射光照射於玻璃基板上形成貫通孔之方法
WO2014185206A1 (ja) 放電補助式レーザ孔加工方法
JP2014226710A (ja) 放電補助式レーザ孔加工方法
RU2665315C1 (ru) Способ обработки электродов изолирующих промежутков высоковольтных электровакуумных приборов
JP2016064424A (ja) 貫通孔形成装置
JP2014528844A (ja) 電気絶縁性あるいは半導電性の基板内に孔、凹部又は窪みを生成する方法
GB2607320A (en) Method
JP2015077672A (ja) 貫通孔形成装置
JP2007141583A (ja) 放電プラズマ処理装置及び放電プラズマ処理方法
WO2014199775A1 (ja) 放電補助式レーザ孔加工装置および放電補助式レーザ孔加工方法
JP2014226715A (ja) 放電補助式レーザ孔加工方法および貫通孔を有する絶縁基板を製造する方法
JP2015193036A (ja) 貫通孔形成装置および貫通孔を有するガラス基板の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160216

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20161129

A761 Written withdrawal of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761

Effective date: 20161206