JP2015029409A - 太陽電池モジュール - Google Patents
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Abstract
Description
まず、本発明に係る太陽電池モジュールの基本構成について説明する。図1および図2に示すように、太陽電池モジュールは太陽電池パネル6を有している。太陽電池パネル6
は、透光性基板1と、主に光を受ける受光面(表面)側に配置される第1充填材2と、複数の太陽電池素子3からなる複数の太陽電池素子列(太陽電池マトリクス3’)と、裏面側に配置される第2充填材4と、裏面保護材5とが順次積層されて構成されている。また、太陽電池モジュールは、太陽電池素子3で発電された電力を外部に取り出すための接続箱11と、接続箱11を覆うカバー部材21とを備えている。
図1〜5を参照しつつ第1実施形態に係る太陽電池モジュール1について説明する。まず、太陽電池モジュール1の基本構成を説明する。太陽電池モジュール1は太陽電池パネル6を有している。太陽電池パネル6の裏面側には、太陽電池パネル6の出力を取り出す導体端子16が収容された筐体12と、筐体12の内側から外側へ延出しており、導体端子16に電気的に接続されたケーブル15と、筐体12の少なくとも一部を覆うとともに、ケーブル15の筐体12の外側に延出した延出部15aを覆う凹形状の収容部を有しているカバー部材21と、筐体12およびケーブル15の延出部15aのそれぞれとカバー部材21との間を封止する封止部材25と、が配置されている。
透光性基板1としては、例えば、ガラスまたはポリカーボネート樹脂などからなる基板が用いられる。ガラス板としては、白板ガラス、強化ガラスまたは熱線反射ガラスなどが用いられるが、厚さ3〜5mm程度の白板強化ガラスが耐久性の観点から好適である。他方、透光性基板1としてポリカーボネート樹脂などの合成樹脂からなる基板を用いる場合には、厚みが5mm程度のものが使用できる。
第1充填材2および第2充填材4は、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体(以下、エチレン−酢酸ビニル共重合体をEVAと略す)からなり、厚さ0.4〜1mm程度のシート状の形態のものを用いることができる。第1充填材2および第2充填材4は、例えば、ラミネート装置によって減圧下で加熱加圧を行うことで、互いに融着して他の部材と一体化される。第1充填材2は、透明なEVAを用いるとよい。また、第2充填材4には透明なEVAを用いてもよいが、それ以外に太陽電池モジュール周囲の設置環境に合わせて、酸化チタンまたは顔料等を含有させて、白色等に着色させてもよい。
太陽電池素子3は、例えば、厚み0.3〜0.4mm程度の単結晶または多結晶のシリコン基板などからなる。また、このようなシリコン基板以外の形態としては、ガラス等の透光性を有する基板上に積層して構成された、アモルファスシリコン等から成る薄膜系またはCIGS等の化合物系の形態を適宜選択することもできる。例えば、内部にpn接合を有している太陽電池素子3の受光面と裏面とには、それぞれ電極が配置されており、さらに受光面には反射防止膜が配置されていてもよい。太陽電池素子3は、例えば、平面視で一辺が100〜150mm程度の四角形状の多結晶シリコン基板を用いることができる。
接続配線7は、太陽電池素子3同士を電気的に接続できれば、形状および材質等は特に限定されない。接続配線7は、例えば、厚さ0.1mm程度、幅2〜4mm程度の銅箔の全面をハンダコートしたものを、所定の長さに切断して、太陽電池素子3の電極上などにハンダ付けする形態が好適である。
裏面保護材5は、太陽電池素子3、第1充填材2および第2充填材4に水分が入り込むのを低減する機能を有する。裏面保護材5としては、例えば、アルミ箔を挟持した耐候性を有するフッ素系樹脂シート、または、アルミナもしくはシリカを蒸着したポリエチレンテレフタレ−ト(PET)シートなどが用いられる。
太陽電池パネル6は、太陽電池素子3(太陽電池マトリクス3’)からの出力を外部に取り出すための出力導体8を有する。この出力導体8は、太陽電池素子3によって発電された電気を接続箱11に導通する機能を有している。このような出力導体8は、電気的な接続が実現できれば、形状および材質等は特に限定されないが、例えば、厚さ0.1mm程度、幅2〜4mm程度の銅箔の全面をハンダコートしたものを、所定の長さに切断し、一端部を接続配線7、他端部を接続箱11中の導体端子16にハンダ付けする形態が好適である。また、出力導体8は、第2充填材4と裏面保護材5との所定の位置に設けられた第2充填材孔部4aと裏面保護材孔部5とを挿通して太陽電池パネル6から引き出されている。
次に、接続箱11およびカバー部材21の形態例について詳述する。なお、以下の説明において、太陽電池パネル6の裏面6bと対向する側の接続箱11およびカバー部材21の面を底面といい、底面の逆側の面を上面という。また接続箱11の底面に向かう側を底面側といい、底面側と逆側の方向を上面側という。
筐体12は、上面が開口した箱状であり、出力導体8、バイパスダイオード14、ケーブル15および導体端子16等を内部に収納する。また、筐体12の側面からケーブル15を外部に出している。
蓋体13は、筐体12の上面の開口部を閉塞するものである。このような蓋体13は、筐体12と同様の材料を用いて作製することができる。また、蓋体13は、筐体12に対して、接着、嵌合またはネジ等で固定され得る。
導体端子16は、太陽電池パネル6およびケーブル15に電気的に接続されている。すなわち、導体端子16は、太陽電池パネル6から筐体12の底面側の孔部を挿通して引き込まれた出力導体8とバイパスダイオード14とを電気的に接続しており、さらに、これらとケーブル15とを電気的に接続する。このような導体端子16は、例えば銅合金またはステンレスの板材等によって作製することができる。
ケーブル15は、太陽電池パネル6で発電した電力を外部に出力するものである。ケーブル15は、銅合金などからなる線材を架橋ポリエチレンで被覆し、その外周をビニルシースで被覆した架橋ポリエチレン絶縁ビニルシースケーブルなどを用いることができる。以下、ケーブル15において、筐体12から延出された端部を延出部15aという。また、ケーブル15の延出部15aの反対側の端部はコネクタ15bが設けられている。
カバー部材21は、図4および図5に示すように、接続箱11を覆うように下面が開口した箱状の本体収容部22と、ケーブル15の延出部15aを覆うようにケーブル15の長手方向に沿って膨らんだ収容部23とを有している。
本体収容部22は、接続箱11の筐体12と蓋体13とを収容する箱状部分である。本体収容部22と、筐体12および蓋体13との間は、シリコーン樹脂またはエポキシ樹脂などからなる封止部材25で封止され得る。
厚みを管理できることから、封止部材25が筐体12とカバー部材21との温度変化に伴う熱膨張・熱収縮に対して弾性変形しつつ追従して、封止部材25が収容部22の内壁および筐体12に対する接着を維持し、防水性を高めることができる。
ケーブル15の収容部23は、本体収容部22から狭くなってケーブル15の長手方向に沿って延出部15aを覆う部分である。ケーブル15の上面側と相対する収容部23の内壁は、ケーブル15と相似形に形成されており、収容部23の内壁とケーブル15の上面側とを一定距離で離す構造である。例えばケーブル15の断面が円形状である場合は、収容部23の内壁は断面がU字型の凹状の形状とするとよい。収容部23の内壁とケーブル15との間に、ケーブル15の長手方向に沿って一定距離で封止部材25が充填されることで、封止部材25がケーブル15の長手方向の熱膨張または熱収縮に追従して弾性変形し接着を維持することができる。
封止部材25は、接続箱11およびカバー部材21を構成する材質との接着性と、耐候性を有し、液状で硬化する性質を有する接着剤を用いるとよい。このような封止部材25は、例えば、エポキシ樹脂、変性シリコーン樹脂等を挙げることができる。より好ましくは、封止部材25は硬化後にゴム弾性体(常温でのヤング率が1〜10MPa程度)となり、設置後の振動・衝撃、接続箱11およびカバー部材21の熱膨張・熱収縮による変位に追従して、接着界面に加わる応力集中を緩和して接着を維持する弾性接着剤が好ましい。このような封止部材25としては、例えばシリコーン樹脂が好適である。
導率を高めたものを用いてもよい。接続箱11で発生した熱が、封止部材25を介して効率的にカバー部材21に熱伝導して、カバー部材21の表面から放散されることで、接続箱11中のバイパスダイオード14およびハンダ付け部を保護することができる。セラミック粒子は絶縁性を有するものが好ましく、その材料には例えば窒化アルミニウムまたはアルミナを用いるとよい。
以上のように、太陽電池モジュール1は、筐体12とケーブル15の延出部15aのそれぞれと、カバー部材21との間を封止する封止部材25を備えている。そして、カバー部材21は、ケーブル15の延出部15aに対面する1箇所以上の部位において、ケーブル15の表面に沿った凹形状の収容部23を有する。これにより、太陽電池モジュール1の設置後にケーブル15が揺動しても、本体収容部22中の封止部材25に加わる荷重を低減して、ケーブル15と封止部材25との接着界面において剥離を生じにくくすることができる。
図6に示すように、第2実施形態に係る太陽電池モジュール1は、ケーブル15の延出部15aを太陽電池パネル6の側から支持して、太陽電池パネル6の裏面6bとケーブル15との間を隔てている支持部材26を備えている点で、他の実施形態に係る太陽電池モジュールと相違する。
図7に示すように、第3実施形態に係る太陽電池モジュール1を構成しているカバー部材21は、収容部23の内側に、ケーブル15の外周に対してケーブル15の長さ方向に交差する方向において近接する張出部24を有している点で他のえ実施形態に係る太陽電池モジュールと相違する。なお、「近接する張出部」とは、収容部23の内側における他の部位に比べてケーブル16に近づいている部分を指す。また、張出部24はケーブル16に当接していてもよいし、張出部24とケーブル16との間に介在物が存在していてもよい。
図8に示すように、第4実施形態に係る太陽電池モジュール1では、支持部材26の受け部をケーブル15の外周を取り巻く筒状とした点で、他の実施形態に係る太陽電池モジュールとは相違する。
・プロピレン・ジエンゴム)などの弾性変形する合成ゴムを用いてもよい。このような支
持部材26を収容部23の内側に配置することで、ケーブル15を確実に保持することができて、ケーブル15が風などで揺動しても、封止部材25に加わる荷重を低減して、ケーブル15と封止部材25との剥離を抑えて、カバー部材21による防水性を高めることができる。
図9(a),(b)に示すように、第5実施形態に係る太陽電池モジュール1は、筐体12の一部11aがカバー部材21の外側に延出している点で、他の実施形態に係る太陽電池モジュールと相違する。
図10に示すように、第6実施形態に係る太陽電池モジュール1は、筐体12から遠い側に対応する部位に配置した第1封止部材25aと、筐体12に近い側に対応する部位に配置した第2封止部材25bとを有し、第1封止部材25aよりも第2封止部材25bの方が樹脂の硬化後の剛性が低い点で、他の実施形態に係る太陽電池モジュールと相違する。
としては例えばシリコーン樹脂を挙げることができる。剛性の高い第1封止部材25aが、ケーブル15の延出部15aにおいて、ケーブル15の風などによる揺動を抑えて、第2封止部材25bに伝わる荷重を低減する。これにより、第2封止部材25bと、接続箱11およびカバー部材21との間の接着界面に加わる応力集中を抑制して接着を保つことができて、カバー部材21による防水性を高めることができる。
の引張試験またはJIS K7181の圧縮試験等によって簡単に測定が可能である。
図11に示すように、第7実施形態に係る太陽電池モジュール1は、収容部23が筐体12から離れるにしたがってケーブル15との間隔が狭くなっている点で他の実施形態に係る太陽電池モジュールと相違する。
図12(a)、(b)に示すように、第8実施形態に係る太陽電池モジュール1は、カバー部材21の本体収容部22に第1開口部21aと、第1開口部21aを閉塞する第1閉塞部材21bとを有する点で、他の実施形態に係る太陽電池モジュールと相違する。
図13に示すように、第9実施形態に係る太陽電池モジュール1は、カバー部材21の収容部23に第2開口部23cを有しており、第2開口部23cを閉塞する第2閉塞部材23dを有する点で、他の実施形態に係る太陽電池モジュールと相違する。
を閉塞可能な板状の第2閉塞部材23dとを有する。第2開口部23cと第2閉塞部材23dとの固定は、例えば第2閉塞部材23dの側面に設けたフック23d1によって、第2開口部23cの側面に設けた凸部23eに係合して行うことができる。
以上、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で多くの修正および変更を加えることができる。
1:透光性基板
2:第1充填材
3:太陽電池素子
3’: 太陽電池マトリクス
4:第2充填材
4a:第2充填材孔部
5:裏面保護材
5a:裏面保護材孔部
6:太陽電池パネル
6a:受光面
6b:裏面
7:接続配線
8:出力導体
11:接続箱
12:筐体
12a:延出部
13:蓋体
14:バイパスダイオード
15:ケーブル
15a:延出部
15b:コネクタ
16:導体端子
17:ポッティング剤
21:カバー部材
21a:第1開口部
21b:第1閉塞部材
21c:リブ
22:本体収容部
22a:本体収容部リブ
23:収容部
23a:第1収容部
23b:第2収容部
23c:第2開口部
23d:第2閉塞部材
23d1:フック
23e:凸部
24:張出部
25:封止部材
25a:第1封止部材
25b:第2封止部材
26:支持部材
26a:受け部
26b:第1当接部
26c:第2当接部
26d:凹部
26e:切れ目
Claims (9)
- 太陽電池パネルと、
該太陽電池パネルの裏面側に配置されて、前記太陽電池パネルの出力を取り出す導体端子が収容された筐体と、
該筐体の内側から外側へ延出しており、前記導体端子に電気的に接続されたケーブルと、前記筐体の少なくとも一部を覆うとともに、前記ケーブルの前記筐体の外側に延出した延出部を覆う凹形状の収容部を有しているカバー部材と、
前記筐体および前記ケーブルの前記延出部のそれぞれと前記カバー部材との間を封止する封止部材と、を備えている太陽電池モジュール。 - 前記ケーブルの前記延出部に対して、前記ケーブルの表面に合致する受け部を有し、該受け部で前記太陽電池パネルの前記裏面と前記ケーブルとの間を隔てている支持部材をさらに備えている請求項1に記載の太陽電池モジュール。
- 前記カバー部材は、前記収容部の内側に、前記ケーブルの外周に対して前記ケーブルの長さ方向に交差する方向において近接する張出部を有している請求項1に記載の太陽電池モジュール。
- 前記支持部材の前記受け部が筒状である請求項2に記載の太陽電池モジュール。
- 前記カバー部材は、前記収容部の内側に、前記支持部材の外周に対して前記ケーブルの長さ方向に交差する方向において近接する張出部を有している請求項4に記載の太陽電池モジュール。
- 前記筐体の一部が前記カバー部材の外側に延出している請求項1に記載の太陽電池モジュール
- 前記筐体および前記カバー部材が同一材質である請求項1に記載の太陽電池モジュール。
- 前記封止部材は、内部に分散した多数のセラミック粒子を有している請求項1に記載の太陽電池モジュール。
- 前記カバー部材の前記収容部は、前記筐体から離れるにしたがって前記ケーブルとの間隔が狭くなっている請求項1に記載の太陽電池モジュール。
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