JP2015028303A - 内燃機関の排気浄化装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】パティキュレートフィルタの加熱作用が行われる頻度を低減しつつ、パティキュレートフィルタが熱により破損するのを抑制する。
【解決手段】内燃機関の排気浄化装置は、排気ガス中に含まれる粒子状物質を捕集するためのパティキュレートフィルタ24と、パティキュレートフィルタの下流側部分を加熱するための下流側加熱器25dと、パティキュレートフィルタの上流側部分を加熱するための上流側加熱器25uと、を具備する。パティキュレートフィルタ上に捕集された粒子状物質の量が上限量を越えたときには、パティキュレートフィルタ内を排気ガスが流れている状態のもとでまず下流側加熱器を作動させ次いで上流側加熱器を作動させる。
【選択図】図1
【解決手段】内燃機関の排気浄化装置は、排気ガス中に含まれる粒子状物質を捕集するためのパティキュレートフィルタ24と、パティキュレートフィルタの下流側部分を加熱するための下流側加熱器25dと、パティキュレートフィルタの上流側部分を加熱するための上流側加熱器25uと、を具備する。パティキュレートフィルタ上に捕集された粒子状物質の量が上限量を越えたときには、パティキュレートフィルタ内を排気ガスが流れている状態のもとでまず下流側加熱器を作動させ次いで上流側加熱器を作動させる。
【選択図】図1
Description
本発明は内燃機関の排気浄化装置に関する。
排気ガス中に含まれる粒子状物質を捕集するためのパティキュレートフィルタを機関排気通路内に配置し、パティキュレートフィルタは複数のセグメントを組み合わせて形成されており、セグメントの一部が通電されることによりヒータとして機能する発熱領域を有しており、発熱領域が長手方向ないしガス流れ方向についての中心位置よりも上流側に設けられており、パティキュレートフィルタ上に捕集された粒子状物質を除去すべきときには前記セグメントの一部に通電して発熱領域を発熱させるようにした、内燃機関の排気浄化装置が公知である(特許文献1参照)。この排気浄化装置では、中心位置よりも上流側に設けられた発熱領域を発熱させることにより、パティキュレートフィルタの上流側において粒子状物質の酸化が促進される。また、粒子状物質が酸化されるとこのとき熱が発生し、この熱は排気ガスによって下流側に伝達される。その結果、パティキュレートフィルタの下流側において粒子状物質の酸化が促進される。
しかしながら、排気ガスによって下流側に伝達される熱は下流側に向かうにつれて累積的に増大していく。このため、パティキュレートフィルタの下流側部分、特に下流端が過度に高温になり下流端が熱により破損するおそれがある。これを防止するためには、パティキュレートフィルタ上の粒子状物質量が多くなる前に、粒子状物質をパティキュレートフィルタから除去する必要がある。したがって、パティキュレートフィルタ上の粒子状物質の量が上限量を越えたときにパティキュレートフィルタを加熱して粒子状物質を除去する場合には、パティキュレートフィルタが熱により破損するのを抑制するために、上限量を少なく設定する必要がある。しかしながら、上限量が少なく設定されると、パティキュレートフィルタの加熱作用が頻繁に行われることになる。
本発明によれば、排気ガス中に含まれる粒子状物質を捕集するためのパティキュレートフィルタと、パティキュレートフィルタの下流側部分を加熱するための下流側加熱器と、パティキュレートフィルタの上流側部分を加熱するための上流側加熱器と、を具備し、パティキュレートフィルタ上に捕集された粒子状物質の量が上限量を越えたときには、パティキュレートフィルタ内を排気ガスが流れている状態のもとでまず下流側加熱器を作動させ次いで上流側加熱器を作動させるようにした、内燃機関の排気浄化装置が提供される。
パティキュレートフィルタの加熱作用が行われる頻度を低減しつつ、パティキュレートフィルタが熱により破損するのを抑制することができる。
図1を参照すると、1は圧縮着火式内燃機関の本体、2は各気筒の燃焼室、3は各燃焼室2内にそれぞれ燃料を噴射するための電子制御式燃料噴射弁、4は吸気マニホルド、5は排気マニホルドをそれぞれ示す。吸気マニホルド4は吸気ダクト6を介して排気ターボチャージャ7のコンプレッサ7cの出口に連結され、コンプレッサ7cの入口はエアフローメータ8を介してエアクリーナ9に連結される。吸気ダクト6内には電気制御式スロットル弁10が配置され、更に吸気ダクト6周りには吸気ダクト6内を流れる吸入空気を冷却するための冷却装置11が配置される。一方、排気マニホルド5は排気ターボチャージャ7の排気タービン7tの入口に連結され、排気タービン7tの出口は排気後処理装置20に連結される。
排気マニホルド5と吸気マニホルド4とは排気ガス再循環(以下、EGRと称す)通路12を介して互いに連結され、EGR通路12内には電気制御式EGR制御弁13が配置される。また、EGR通路12周りにはEGR通路12内を流れるEGRガスを冷却するための冷却装置14が配置される。一方、各燃料噴射弁3は燃料供給管15を介してコモンレール16に連結される。このコモンレール16内へは電子制御式の吐出量可変な燃料ポンプ17から燃料が供給され、コモンレール16内に供給された燃料は各燃料供給管15を介して燃料噴射弁3に供給される。図1に示される実施例ではこの燃料は軽油から構成される。別の実施例では、内燃機関は火花点火式内燃機関から構成される。この場合には燃料はガソリンから構成される。
排気後処理装置20は排気タービン7tの出口に連結された排気管21と、排気管21に連結された触媒コンバータ22と、触媒コンバータ22に連結された排気管23とを具備する。触媒コンバータ22内にはウォールフロー型のパティキュレートフィルタ24が配置される。また、パティキュレートフィルタ24の上流側部分周りには上流側加熱器25uが配置され、パティキュレートフィルタ24の下流側部分周りには下流側加熱器25dが配置される。
電子制御ユニット30はデジタルコンピュータから構成され、双方向性バス31によって互いに接続されたROM(リードオンリメモリ)32、RAM(ランダムアクセスメモリ)33、CPU(マイクロプロセッサ)34、入力ポート35及び出力ポート36を具備する。エアフローメータ8の出力信号は対応するAD変換器37を介して入力ポート35に入力される。また、アクセルペダル39にはアクセルペダル39の踏み込み量Lに比例した出力電圧を発生する負荷センサ40が接続され、負荷センサ40の出力電圧は対応するAD変換器37を介して入力ポート35に入力される。更に入力ポート35にはクランクシャフトが例えば15°回転する毎に出力パルスを発生するクランク角センサ41が接続される。CPU34ではクランク角センサ41からの出力パルスに基づいて機関回転数Neが算出される。一方、出力ポート36は対応する駆動回路38を介して燃料噴射弁3、スロットル弁10駆動装置、EGR制御弁13、燃料ポンプ17、上流側加熱器25u、及び下流側加熱器25dに接続される。
図2A及び図2Bはウォールフロー型パティキュレートフィルタ24の構造を示している。なお、図2Aはパティキュレートフィルタ24の正面図を示しており、図2Bはパティキュレートフィルタ24の側面断面図を示している。図2A及び図2Bに示されるようにパティキュレートフィルタ24はハニカム構造をなしており、互いに平行をなして延びる複数個の排気流通路71i,71oと、これら排気流通路71i,71oを互いに隔てる隔壁72とを具備する。図2Aに示される実施例では、排気流通路71i,71oは、上流端が開放されかつ下流端が栓73dにより閉塞された排気ガス流入通路71iと、上流端が栓73uにより閉塞されかつ下流端が開放された排気ガス流出通路71oとにより構成される。なお、図2Aにおいてハッチングを付した部分は栓73uを示している。したがって、排気ガス流入通路71i及び排気ガス流出通路71oは薄肉の隔壁72を介して交互に配置される。云い換えると排気ガス流入通路71i及び排気ガス流出通路71oは各排気ガス流入通路71iが4つの排気ガス流出通路71oによって包囲され、各排気ガス流出通路71oが4つの排気ガス流入通路71iによって包囲されるように配置される。別の実施例では、排気流通路は、上流端及び下流端が開放された排気ガス流入通路と、上流端が栓により閉塞されかつ下流端が開放された排気ガス流出通路とにより構成される。
本発明による実施例では、パティキュレートフィルタ24は複数のセグメントから構成される。すなわち、図2Bに示される実施例では、パティキュレートフィルタ24は長手方向ないしガス流れ方向に並べられた上流側セグメント24u及び下流側セグメント24dから構成される。これらセグメント24u,24dは電気的熱的絶縁層74を介して互いに連結され、全体として円柱形状をなしている。図2Bに示される例では上流側セグメント24u及び下流側セグメント24dの長手方向長さはほぼ等しい。別の実施例では上流側セグメント24u及び下流側セグメント24dの長手方向長さは互いに異なっている。
パティキュレートフィルタ24ないし隔壁72は抵抗発熱材から形成される。抵抗発熱材として、Ni−Cr系合金、二ケイ化モリブデン(MoSi2)などの金属発熱体及び炭化ケイ素(SiC)などの非金属発熱体から選ばれた少なくとも1つが用いられる。
隔壁72は例えば抵抗発熱材の粒子を焼結することによって形成される。その結果、隔壁72は多孔性を有している。したがって、図2Bに矢印で示されるように、排気ガスはまず排気ガス流入通路71i内に流入し、次いで周囲の隔壁72内を通って隣接する排気ガス流出通路71o内に流出する。なお、本発明による実施例では、パティキュレートフィルタ24の気孔率は45%以上に設定される。
上流側加熱器25uは図示しない制御器及び電源を有しており、図3に示されるように導線50uを介して上流側セグメント24uに電気的に接続される。上流側加熱器25uが作動されると、上流側セグメント24uに通電される。その結果、上流側セグメント24u自体が発熱するので、上流側セグメント24uが加熱され、あるいは上流側セグメント24uの温度が上昇される。同様に、下流側加熱器25dは導線50dを介して下流側セグメント24dに電気的に接続される。下流側加熱器25dが作動されると下流側セグメント24dに通電され、下流側セグメント24dが加熱される。
さて、排気ガス中には主として固体炭素から形成される粒子状物質が含まれる。この粒子状物質はパティキュレートフィルタ24上に捕集される。一方、燃焼室2では通常は酸素過剰のもとで燃焼が行われている。したがって、燃料噴射弁3から燃料が2次的に供給されない限り、パティキュレートフィルタ24は酸化雰囲気にある。その結果、パティキュレートフィルタ24に捕集された粒子状物質は順次酸化される。ところが、単位時間当たりに捕集される粒子状物質の量が単位時間当たりに酸化される粒子状物質の量よりも多くなると、パティキュレートフィルタ24に捕集されている粒子状物質の量が機関運転時間の経過と共に増大する。その結果、パティキュレートフィルタ24の圧力損失が大きくなり、機関背圧が高くなってしまう。
そこで本発明による実施例では、パティキュレートフィルタ24上に捕集された粒子状物質の量が上限量MAXを越えたときに上流側加熱器25u及び下流側加熱器25dによりパティキュレートフィルタ24を加熱し、それによって粒子状物質を酸化除去するようにしている。
具体的には、図4にXで示されるように粒子状物質捕集量QPMが上限量MAXを越えたときには、パティキュレートフィルタ24内を排気ガスが流れている状態のもとで、まず上流側加熱器25uが停止されたまま下流側加熱器25dが作動される。その結果、パティキュレートフィルタ24の下流側セグメント24dが加熱され、昇温される。したがって、主として下流側セグメント24d上の粒子状物質が酸化除去される。
次いで、例えばあらかじめ定められた時間が経過すると、下流側加熱器25dが停止され、上流側加熱器25uが作動される。その結果、上流側セグメント24uが加熱され、昇温される。したがって、主として上流側セグメント24u上の粒子状物質が酸化除去される。次いで、例えばあらかじめ定められた時間が経過すると、上流側加熱器25uが停止される。
下流側加熱器25dの作動時には、下流側セグメント24d上の粒子状物質が酸化することにより発生した熱は排気ガスによって下流側に伝達される。この場合、パティキュレートフィルタ24の下流端に伝達される熱は、パティキュレートフィルタ24全体上の粒子状物質の酸化によるものではなく、下流側セグメント24d上の粒子状物質の酸化によるものなので、少なく維持される。したがって、パティキュレートフィルタ24が熱により破損されるのを抑制することができる。
次いで、上流側加熱器25uの作動時にも、上流側セグメント24d上の粒子状物質が酸化することにより発生した熱は排気ガスによって下流側に伝達される。この場合、パティキュレートフィルタ24の下流側セグメント24dに伝達される熱は、上流側セグメント24u上の粒子状物質の酸化によるものなので、少なく維持される。また、このとき下流側セグメント24d上には粒子状物質がほとんど存在しないので、上流側セグメント24uから伝達された熱によって下流側セグメント24dが更に高温になるおそれもない。したがって、パティキュレートフィルタ24が熱により破損されるのを確実に抑制することができる。
このようにパティキュレートフィルタ24の熱による破損を抑制できるので、上述の上限量MAXを大きな値に設定することができる。したがって、パティキュレートフィルタ24の加熱作用が行なわれる頻度を低減することができる。
更に、図3に示される例では、抵抗発熱材から形成された隔壁72自体が発熱する。したがって、粒子状物質が直接的に加熱されるので、例えばパティキュレートフィルタ24に流入する排気ガスの温度を高める場合に比べて、粒子状物質を確実にかつ効率的に加熱することができる。また、排気ガスの温度を高めるための制御及び設備を必要としない。
本発明による実施例では、パティキュレートフィルタ24上に捕集された粒子状物質の単位時間当たりの変化量が繰り返し算出され、この変化量を積算することによってパティキュレートフィルタ24の粒子状物質捕集量QPMが算出される。別の実施例では、パティキュレートフィルタ24の前後差圧が許容値を越えたときに、粒子状物質捕集量QPMが上限量MAXを越えたと判断される。
図5は本発明による実施例の排気浄化制御を実行するルーチンを示している。このルーチンはあらかじめ定められた設定時間ごとの割り込みによって実行される。
図5を参照すると、ステップ100ではパティキュレートフィルタ24の粒子状物質捕集量QPMが上限量MAXよりも多いか否かが判別される。QPM≦MAXのときには次いでステップ101に進み、粒子状物質捕集量QPMが算出又は更新される。次いで処理サイクルを終了する。したがって、この場合には上流側加熱器25u,25dは作動されない。
図5を参照すると、ステップ100ではパティキュレートフィルタ24の粒子状物質捕集量QPMが上限量MAXよりも多いか否かが判別される。QPM≦MAXのときには次いでステップ101に進み、粒子状物質捕集量QPMが算出又は更新される。次いで処理サイクルを終了する。したがって、この場合には上流側加熱器25u,25dは作動されない。
QPM>MAXのときにはステップ100からステップ102に進み、まず下流側加熱器25dが作動される。すなわち、図3に示される例では下流側セグメント24dに通電される。このとき、上流側セグメント24uには通電されない。続くステップ103では、下流側加熱器25dが作動されてからあらかじめ定められた時間が経過したときに下流側加熱器25dが停止され、上流側加熱器25uが作動される。すなわち、図3に示される例では下流側セグメント24dに通電されることなく上流側セグメント24uに通電される。続くステップ104では、上流側加熱器25uが作動されてからあらかじめ定められた時間が経過したときに上流側加熱器25uが停止される。続くステップ105では粒子状物質捕集量QPMがリセットされる。なお、図5のフローチャートは機関運転中に実行され、したがってパティキュレートフィルタ24内を排気ガスが流れている状態のもとで下流側加熱器25d又は上流側加熱器25uが作動される。
図6は本発明による別の実施例を示している。この実施例では、パティキュレートフィルタ24ないし隔壁72は多孔性の導電性材料から構成される。多孔性の導電性材料としては、上述した炭化ケイ素のような抵抗発熱材のほか、種々の導電性材料が用いられる。
また、図6に示される実施例では、上流側加熱器25u及び下流側加熱器25dはそれぞれ、上流側セグメント24u及び下流側セグメント24dの周りに配置されたコイル51u,51dと、導線52u,52dを介してコイル51u,51dにそれぞれ接続された制御器及び交流電源とを備えている。これらコイル51u,51dにそれぞれ交流電流が通電されると、誘導加熱が発生し、上流側セグメント24u及び下流側セグメント24dがそれぞれ加熱される。
図7は本発明による更に別の実施例を示している。この実施例では、パティキュレートフィルタ24ないし隔壁72は多孔性材料から構成される。多孔性材料としては、上述した多孔性抵抗発熱材、多孔性導電性材料のほか、コーディエライトのようなセラミックや、フォーム状のセラミック又は金属が用いられる。
また、上流側加熱器25u及び下流側加熱器25dはそれぞれ、棒状の電気ヒータ53u,53dと、導線54u,54dを介して電気ヒータ53u,53dにそれぞれ接続された制御器及び電源とを備えている。上流側加熱器25uの電気ヒータ53uは上流側セグメント24u内の排気ガス流入通路71i内に配置され、下流側加熱器25uの電気ヒータ53dは下流側セグメント24d内の排気ガス流出通路71o内に配置される。これら電気ヒータ53u,53dに通電されると、上流側セグメント24u及び下流側セグメント24dがそれぞれ加熱される。
なお、図7に示される例では、上流側加熱器25uの電気ヒータ53uの先端が下流側セグメント24d内に位置し、下流側加熱器25dの電気ヒータ53dの先端が上流側セグメント24u内に位置している。別の実施例では、電気ヒータ53uの先端は上流側セグメント24u内に位置し、電気ヒータ53dの先端は下流側セグメント24d内に位置している。
図8は隔壁72の別の実施例を示している。この実施例では、隔壁72は一対のパンチングメタル80,80と、これらパンチングメタル80,80同士の間に配置されたワイヤメッシュ又はメタル不織布81とから構成される。この隔壁72は図3,6,7の実施例に適用できる。
図9は本発明による更に別の実施例を示している。この実施例では、パティキュレートフィルタ24の下流側に大径領域LZが区画され、大径領域LZの上流側に小径領域SZが区画される。図9に示される例では、大径領域LZは下流側セグメント24dの下流側の一部から構成される。別の実施例では、大径領域LZは下流側セグメント24dの全部から構成される。更に別の実施例では、大径領域LZは下流側セグメント24dの全部及び上流側セグメント24uの下流側の一部から構成される。なお、図9では上流側加熱器25u及び下流側加熱器25dの図示は省略されている。
排気ガス中には粒子状物質だけでなく、アッシュと称される不燃性成分が含まれている。このアッシュは主として硫酸カルシウムCaSO4、リン酸亜鉛カルシウムCa19Zn2(PO4)14のようなカルシウム塩から形成されることが本願発明者により確認されている。カルシウムCa,亜鉛Zn,リンP等は機関潤滑油に由来し、イオウSは燃料に由来する。すなわち、硫酸カルシウムCaSO4を例にとって説明すると、機関潤滑油が燃焼室2内に流入して燃焼し、潤滑油中のカルシウムCaが燃料中のイオウSと結合することにより硫酸カルシウムCaSO4が生成される。
大径領域LZにおける隔壁72の平均細孔径は25μm以上かつ100μm以下に設定される。大径領域LZの平均細孔径が25μm以上であると、排気ガス中に含まれるアッシュの大部分が隔壁72を通過できる。したがって、言い換えると、大径領域LZにおいて排気ガス中に含まれるアッシュが隔壁72を通過できるように大径領域LZの細孔径が設定される。更に言い換えると、大径領域LZにおけるアッシュの捕集率が許容率よりも低くなるように大径領域LZにおける隔壁72の細孔径が設定される。この許容率は例えば50%である。なお、粒子状物質の平均粒径がアッシュの平均粒径よりも小さいことを考えると、大径領域LZにおいて粒子状物質及びアッシュが隔壁72を通過できるように大径領域LZにおける隔壁72の細孔径が設定されるという見方もできる。
一方、小径領域SZにおける隔壁72の平均細孔径は大径領域LZにおける隔壁72の平均細孔径よりも小さく設定される。言い換えると、小径領域SZにおける隔壁72の平均細孔径は小径領域SZにおいて排気ガス中に含まれる粒子状物質が捕集されるように設定される。
大径領域LZ及び小径領域SZは例えば次のようにして形成することができる。すなわち、まず平均細孔径が大径領域LZにおける隔壁72の平均細孔径と同じ隔壁基材が用意される。次いで、大径領域LZに対応する隔壁基材部分にコート層を適用することなく、小径領域SZに対応する隔壁基材部分の表面及び細孔内壁面にコート層が適用される。この場合のコート層の平均細孔径は小径領域SZにおける隔壁72の平均細孔径を表している。なお、平均細孔径は水銀圧入法により得られた細孔径分布のメディアン径(50%径)を意味する。
図9に示される例では、排気ガス中の粒子状物質は小径領域SZに捕集される。また、アッシュの一部は小径領域SZに捕集され、残りのアッシュは大径領域LZを介しパティキュレートフィルタ24を通過する。パティキュレートフィルタ24上の粒子状物質を除去すべきときには、まず下流側加熱器25dが作動される。その結果、下流側セグメント24d上の粒子状物質が除去される。また、下流側セグメント24d上のアッシュが排気ガスによって大径領域LZを介しパティキュレートフィルタ24から放出される。次いで、上流側加熱器25uが作動される。その結果、上流側セグメント24u上の粒子状物質が除去され、上流側セグメント24d上のアッシュが大径領域LZを介しパティキュレートフィルタ24から放出される。この場合、大径領域LZを含む下流側セグメント24d上の粒子状物質がすでに除去されているので、アッシュが大径領域LZまで容易に進行し、パティキュレートフィルタ24から容易に放出されることになる。したがって、パティキュレートフィルタ24上にアッシュが残存することによるパティキュレートフィルタ24の圧力損失増大を抑制することができる。
1 機関本体
21 排気管
24 パティキュレートフィルタ
24u 上流側セグメント
24d 下流側セグメント
25u 上流側加熱器
25d 下流側加熱器
21 排気管
24 パティキュレートフィルタ
24u 上流側セグメント
24d 下流側セグメント
25u 上流側加熱器
25d 下流側加熱器
Claims (1)
- 排気ガス中に含まれる粒子状物質を捕集するためのパティキュレートフィルタと、パティキュレートフィルタの下流側部分を加熱するための下流側加熱器と、パティキュレートフィルタの上流側部分を加熱するための上流側加熱器と、を具備し、パティキュレートフィルタ上に捕集された粒子状物質の量が上限量を越えたときには、パティキュレートフィルタ内を排気ガスが流れている状態のもとでまず下流側加熱器を作動させ次いで上流側加熱器を作動させるようにした、内燃機関の排気浄化装置。
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Cited By (1)
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JP2017166327A (ja) * | 2016-03-14 | 2017-09-21 | 日本碍子株式会社 | ハニカム型加熱装置並びにその使用方法及び製造方法 |
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2013
- 2013-07-30 JP JP2013157457A patent/JP2015028303A/ja active Pending
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