JP2015028101A - 自動車内装部品 - Google Patents

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Abstract

【解決手段】ポリカーボネート樹脂(A)35〜75重量%および特定の表面硬度向上剤(B)25〜65重量%からなる樹脂成分100重量部あたり、特定のアルキルケテンダイマー(C)0.01〜20重量部、及び特定の有機系黒色染料(D)0.05〜1.0重量部からなることを特徴とするポリカーボネート樹脂組成物を成形してなる自動車内装部品。該表面硬度向上剤(B)が芳香族(メタ)アクリレート単位5〜80重量%およびメチルメタクリレート単位20〜95重量%からなる共重合体であり、かつ該共重合体の重量平均分子量が5000〜30000であるポリカーボネート樹脂組成物。
【効果】高い表面硬度、優れた摺動性、耐薬剤性、漆黒性を有し、特に、成形品表面の傷付きや軋み音が敬遠され、耐薬剤性と美麗かつ重厚で品位の高いピアノブラック様の外観を示す自動車内装部品、特にセンターコンソール、ピラートリムまたはドアトリム等を提供できる。
【選択図】なし

Description

本発明は、ポリカーボネート樹脂が本来有する優れた特性を保持し、摺動性、耐薬剤性に優れ、特に表面硬度および漆黒性に優れたポリカーボネート樹脂製の自動車内装部品に関する。
ポリカーボネート樹脂は、耐衝撃性、耐熱性、熱安定性等に優れた熱可塑性樹脂であり、電気、電子、ITE、機械、自動車などの分野で広く用いられている。
しかし、ポリカーボネート樹脂は、射出成形などにより得られる成形体の耐傷付き性に劣ったり、摺動性に乏しいことから軋み音が発生したりする問題が発現することがあり、それらの問題が用途展開の障害の一因となっていた。
従来から、ポリカーボネート樹脂の表面硬度の低さに起因する耐傷付き性を改良するために、紫外線硬化型樹脂をポリカーボネート樹脂表面にコーティングする方法が提案されている。しかし、この方法ではポリカーボネート樹脂由来の柔軟性から、ディスプレイ用途などで要求される鉛筆硬度の要求を満たすことができないという問題があった。
また、ポリカーボネート樹脂に摺動性を付与する手法としてポリテトラフルオロエチレン微粉末を配合する方法(特許文献1)、ポリカーボネート系樹脂に粘度が1000〜20000cpのシリコーンオイルを配合する方法(特許文献2)等が提案されている。しかしながら、ポリテトラフルオロエチレン微粉末を配合して摺動性を付与する方法では、微粉末を多量に配合する必要があり、コストの面ならびに成形品の表面外観が悪化するという問題点があった。また、シリコーンオイルを配合する方法においては、シリコーンオイルの滲みだしに起因する成形品の外観不良が発生したり、さらには長期的な摺動性の維持という面でも必ずしも十分ではないという問題があり、改良が求められていた。
また、近年では、ポリカーボネート樹脂の用途に対するニーズも多様化しており、リカーボネート樹脂から得られた製品に消費者のハンドクリームが付着したり洗剤等の各種薬剤が付着することで割れ等の不具合が発生する場合があり、かかる不具合が発生しないように耐薬剤性に優れたポリカーボネート樹脂が要望されるようになってもきている。
また、自動車内装材等の用途では、上記の諸問題に加え、得られた成形品の意匠面やデザイン上の観点、とりわけ、美麗かつ重厚で品位の高い外観を有する漆黒性(ピアノブラック様とも称される)が強く望まれるケースもある。
ポリカーボネート樹脂の耐薬剤性を改良する目的の手法としては、これまでポリカーボネート樹脂にポリエステル樹脂を配合した樹脂組成物が提案された。しかし、この技術では、ポリエステル樹脂を配合することで、耐薬剤性は若干改良されるものの、アタック性の強いアルカリ洗剤や機械油が付着した場合に得られる成形品に割れ等が発生する場合があり、これらの用途の課題の解決には不十分であった。
また、ポリカーボネート樹脂組成物に漆黒性(ピアノブラック様)を付与させる手法としては、従来から隠蔽性の高いカーボンブラックを添加する手法(特許文献3)、シリコーンオイルを添加する手法(特許文献4)などが提案されてきた。
しかしながら、カーボンブラック系の顔料を添加した場合、隠蔽性は向上するものの高い漆黒性を発現することは困難であり、一方、シリコーンオイルの添加は成形時に白化するという問題があり、これまで、優れた漆黒性を発現することはできていない状況にある。
特開平09−302209号公報 特開2000−143965号公報 特開2003−96286号公報 特開2004−210889号公報
本発明は、前述の従来技術では達成し得なかった諸問題を解決した、すなわち高い表面硬度、優れた摺動性、耐薬剤性および漆黒性に優れるポリカーボネート樹脂製の自動車内装部品を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を行った結果、ポリカーボネート樹脂に特定の表面硬度向上剤、特定のアルキルケテンダイマー、および特定の光学性能を有する有機系黒色染料を用いることにより、ポリカーボネート樹脂の諸特性を損なうことなく、特に、得られた成形品の諸特性、すなわち、高い表面硬度、優れた摺動性、耐薬剤性および漆黒性が向上したポリカーボネート樹脂製の自動車内装部品が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、ポリカーボネート樹脂(A)35〜75重量%および表面硬度向上剤(B)25〜65重量%からなる樹脂成分100重量部あたり、下記一般式1に示すアルキルケテンダイマー(C)0.01〜20重量部および有機系黒色染料(D)0.05〜1.0重量部からなるポリカーボネート樹脂製の自動車内装部品であって、該表面硬度向上剤(B)が芳香族(メタ)アクリレート単位5〜80重量%およびメチルメタクリレート単位20〜95重量%からなる共重合体であり、かつこの共重合体の重量平均分子量が5000〜30000であり、かつ上記有機系黒色染料(D)の光学特性が、前記ポリカーボネート樹脂(A)100重量部および有機系黒色染料(C)0.3重量部からなる樹脂組成物を射出成形して得られた厚さ2mmの平板の光線透過率を測定した際に、波長800〜900nmの領域において50%以上の光線透過率を有することを特徴とする、自動車内装部品を提供するものである。
一般式1:
Figure 2015028101
(一般式1において、R1およびR2は、同一でも異なっても良いが、炭素数6〜33のアルキル基をあらわす。)
本発明の自動車内装部品は、高い表面硬度、優れた摺動性、耐薬剤性、漆黒性を有している。特に、成形品表面の傷付きや軋み音が敬遠され、耐薬剤性と美麗かつ重厚で品位の高いピアノブラック様の外観が要望される自動車内装部品として好適に使用できる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明に使用されるポリカーボネート樹脂(A)とは、種々のジヒドロキシジアリール化合物とホスゲンとを反応させるホスゲン法、またはジヒドロキシジアリール化合物とジフェニルカーボネートなどの炭酸エステルとを反応させるエステル交換法によって得られる重合体であり、代表的なものとしては、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)から製造されたポリカーボネート樹脂が挙げられる。
上記ジヒドロキシジアリール化合物としては、ビスフェノールAの他に、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル−3−メチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−第三ブチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−ブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3、5−ジブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)プロパンのようなビス(ヒドロキシアリール)アルカン類、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンのようなビス(ヒドロキシアリール)シクロアルカン類、4,4′−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4′−ジヒドロキシ−3,3′−ジメチルジフェニルエーテルのようなジヒドロキシジアリールエーテル類、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルフィドのようなジヒドロキシジアリールスルフィド類、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4′−ジヒドロキシ−3,3′−ジメチルジフェニルスルホキシドのようなジヒドロキシジアリールスルホキシド類、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4′−ジヒドロキシ−3,3′−ジメチルジフェニルスルホンのようなジヒドロキシジアリールスルホン類等が挙げられる。
これらは、単独または2種類以上混合して使用することができる。これらの他に、ピペラジン、ジピペリジルハイドロキノン、レゾルシン、4,4′−ジヒドロキシジフェニル等を混合して使用してもよい。
さらに、上記のジヒドロキシアリール化合物と以下に示すような3価以上のフェノール化合物を混合使用してもよい。3価以上のフェノールとしてはフロログルシン、4,6−ジメチル−2,4,6−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−ヘプテン、2,4,6−ジメチル−2,4,6−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−ヘプタン、1,3,5−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−ベンゾール、1,1,1−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−エタンおよび2,2−ビス−[4,4−(4,4′−ジヒドロキシジフェニル)−シクロヘキシル]−プロパンなどが挙げられる。
ポリカーボネート樹脂(A)の粘度平均分子量は、通常10000〜100000、好ましくは15000〜35000、さらに好ましくは17000〜28000である。かかるポリカーボネート樹脂を製造するに際し、分子量調節剤、触媒等を必要に応じて使用することができる。
本発明にて使用される表面硬度向上剤(B)とは、芳香族(メタ)アクリレート単位5〜80重量%およびメチルメタクリレート単位20〜95重量%からなる共重合体であり、かつ当該共重合体の重量平均分子量が5000〜30000であることを特徴とする。尚、本明細書においては(メタ)アクリレートはアクリレート又はメタクリレートを意味する。
芳香族(メタ)アクリレートとしては、例えば、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレートを挙げることができる。これらは1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらのうち、好ましくはフェニルメタクリレート、ベンジルメタクリレートであり、より好ましくはフェニルメタクリレートである。
表面硬度向上剤(B)中の芳香族(メタ)アクリレート単位の含有率が5重量%以上であれば、透明性が維持され、80重量%以下であれば、ポリカーボネート樹脂(A)との相容性が高過ぎず、成形体表面への移行性が低下しないため、表面硬度が低下しないので好ましい。また、芳香族(メタ)アクリレート単位の含有率が20〜70重量%の範囲であれば、さらに透明性を維持しつつ高い表面硬度を発現することから、更に好ましい。
表面硬度向上剤(B)には、必要に応じて芳香族(メタ)アクリレート単位およびメチルメタクリレート単位以外の他の単量体単位を含有させてもよい。他の単量体単位を構成するその他の単量体としては、例えば、エチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート等のメタクリレート;メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、プロピルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、グリシジルアクリレート等のアクリレート;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル単量体;ブタジエン、イソプレン、ジメチルブタジエン等のジエン系単量体;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル等のビニルエーテル系単量体;酢酸ビニル、酪酸ビニル等のカルボン酸系ビニル単量体;エチレン、プロピレン、イソブチレン等のオレフィン系単量体;アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸等のエチレン系不飽和カルボン酸単量体;塩化ビニル、塩化ビニリデン等のハロゲン化ビニル単量体;マレイミド、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−メチルマレイミド等のマレイミド系単量体;アリル(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン、1,3−ブチレンジメタクリレート等の架橋剤を挙げることができる。これらのうち、好ましくはメタクリレート、アクリレート、シアン化ビニル単量体であり、表面硬度向上剤(B)の熱分解を抑制するという観点からより好ましくはアクリレートである。これらの単量体は1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
その他の単量体単位を含有する場合、表面硬度向上剤(B)の構成単量体は、芳香族(メタ)アクリレート単位5〜79.9重量%、メチルメタクリレート単位20〜94.9重量%およびその他の単量体単位0.1〜10重量%の範囲であることが好ましい。
表面硬度向上剤(B)を得るための単量体の重合方法としては、乳化重合法、懸濁重合法、溶液重合法、塊状重合法等の公知の方法を使用することができる。好ましくは懸濁重合法や塊状重合法であり、さらに好ましくは懸濁重合法である。また、重合に必要な添加剤等は必要に応じて適宜添加することができ、例えば、重合開始剤、乳化剤、分散剤、連鎖移動剤が挙げられる。
表面硬度向上剤(B)の重量平均分子量は、5000〜30000である。重量平均分子量が5000〜30000の範囲において、ポリカーボネート樹脂(A)との相容性が良好であり、表面硬度の向上効果に優れる。尚、好ましくは10000〜25000の範囲である。
重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて測定され、その詳細条件は以下のとおりである:
GPCのカラムとして、アジレント・テクノロジー社製 PLGEL 5μm MIXED−Cを使用し、移動相としては、THFを用いた。
本発明にて使用されるアルキルケテンダイマー(C)は下記一般式にて示される化合物である。
一般式1:
Figure 2015028101
一般式1において、Rは、同一でも異なっても良いが、炭素数6〜33のアルキル基、好ましくは炭素数10〜21のアルキル基である。
一般式1において、更に好ましくは、Rは、同一でも異なっても良いが、炭素数が14〜16のアルキル基である化合物が使用できる。
アルキルケテンダイマー(C)の配合量は、ポリカーボネート樹脂(A)35〜75重量%および表面硬度向上剤(B)25〜65重量%からなる樹脂成分100重量部に対し、0.01〜20重量部である。0.01重量部未満では摺動性、耐薬剤性に劣り、20重量部を越えると造粒加工が困難になり樹脂組成物のペレットを得ることができなくなることから好ましくない。好ましい配合量は、0.01〜10重量部、更に好ましくは0.03〜5重量部である。
本発明にて使用される有機系黒色染料(D)としては、アントラキノン系、ペリノン系、ペリレン系、アゾ系、メチン系、キリノン系等の有機染料の混合物などが挙げられる。とりわけ、アントラキノン系、ペリノン系の有機染料が好適に使用され、アントラキノン系有機染料としては青、紫、緑など、ペリノン系有機染料としては赤、オレンジなどの有機染料が好ましい。
本発明の有機系黒色染料(D)は、その光学特性として、ポリカーボネート樹脂(A)100重量部あたり有機系黒色染料(C)0.3重量部からなる樹脂組成物を射出成形して得られた厚さ2mmの平板の光線透過率を測定した際に、波長800〜900nmの領域において50%以上の光線透過率を有することを要件とする。当該光線透過率は、ASTM D−1003に準拠して測定される。
前記の光線透過率が50%未満である場合は、優れた漆黒性(ピアノブラック様)の外観が得られないので好ましくない。好ましい光線透過率は80%以上、より好ましくは85%以上である。最も好ましくは、89%以上である。
また、本発明の漆黒性に優れたポリカーボネート樹脂組成物中の有機系黒色染料(D)の配合量としては、ポリカーボネート樹脂(A)35〜75重量%および表面硬度向上剤(B)25〜65重量%からなる樹脂成分100重量部に対し、0.05〜1.0重量部である。この配合量が0.05重量部未満では漆黒性および隠蔽性に劣り、また1.0重量部を超えると前記樹脂成分の熱安定性が劣り、さらには成形時の発生ガス量(アウトガス量)が多くなるので好ましくない。より好ましい配合量は、0.1〜0.5重量部、さらに好ましくは0.2〜0.3重量部の範囲である。
本発明の各種配合成分(A)、(B)、(C)および(D)の配合方法には特に制限はなく、任意の混合機、例えばタンブラー、リボンブレンダー、高速ミキサー等によりこれらを混合し、通常の単軸または二軸押出機等で溶融混練することができる。また、これら配合成分の配合順序や一括混合、分割混合を採用することについても特に制限はない。
更に、本発明の効果を損なわない範囲で、本発明のポリカーボネート樹脂組成物に各種の樹脂、酸化防止剤、蛍光増白剤、顔料、染料、カーボンブラック、充填材、離型剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、ゴム、軟化材、展着剤(流動パラフィン、エポキシ化大豆油等)、難燃剤、有機金属塩等の添加剤、滴下防止用ポリテトラフルオロエチレン樹脂等を配合しても良い。
各種の樹脂としては、例えば、ポリスチレン、ハイインパクトポリスチレン、ABS、AES、AAS、AS、アクリル樹脂、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアリレート、ポリスルホン、ポリフェニレンスルフィド樹脂等が挙げられ、これらは一種もしくは二種以上で併用してもよい。
本発明の自動車内装部品を製造するには、得られた樹脂組成物を一旦ペレット化した後成形に供すればよく、成形手段としては任意の成形法が採用され、例えば射出成形等により直接成形しても、押出成形等により一旦シートやフイルムにした後真空成形等により成形してもよい。また、成形条件としても格別な条件をとる必要はない。内装部品を得るための製造方法としては、例えば、得られたポリカーボネート樹脂組成物のペレットを所定温度で所定時間乾燥した後に、射出成型機を用いて250℃〜400℃の温度、射出圧力1500〜2000kg/cmにて成形する方法がある。
本発明の自動車内装部品の具体例としては、特に、センターコンソール、ピラートリムおよびドアトリム等を挙げることができる。
以下に、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はそれらの実施例に制限されるものではない。尚、実施例中の「部」、「%」は断りのない限り重量基準に基づく。
使用した原料の詳細は以下のとおりである。
ポリカーボネート樹脂(A):
ビスフェノールAとホスゲンから合成されたポリカーボネート樹脂
(住化スタイロンポリカーボネート社製 カリバー200−20、粘度平均分子量
19000、以下、「PC」と略記)
表面硬度向上剤(B):
芳香族(メタ)アクリレート単位及びメチルメタクリレート単位の共重合体
(三菱レイヨン株式会社製メタブレンH−880、重量平均分子量10000、
以下「B成分」と略記)
アルキルケテンダイマー(C):
永恒化工社製 AKD1840(以下、AKDと略記)
成分は下記式のとおり:
Figure 2015028101
上記一般式でRは炭素数が15〜18のアルキル基であるアルキルケテンダイマー。
有機系黒色染料(D):
Sumiplast Black HB
(住化ケムテックス社製、以下、着色剤1と略記)
ポリカーボネート樹脂(A)100重量部に着色剤1を0.3重量部混合してなる樹脂組成物を射出成形して得られた厚さ2mmの平板の波長800〜900nmの領域における光線透過率:89%
Sumiplast Black HLG
(住化ケムテックス社製、以下、着色剤2と略記)
ポリカーボネート樹脂(A)100重量部に着色剤2を0.3重量部混合してなる樹脂組成物を射出成形して得られた厚さ2mmの平板の波長800〜900nmの領域における光線透過率:55%
カーボンブラック:
ファーネス型カーボンブラック
(キャボット社製XC−305、以下、着色剤3と略記)
ポリカーボネート樹脂(A)100重量部に着色剤3を0.3重量部混合してなる樹脂組成物を射出成形して得られた厚さ2mmの平板の波長800〜900nmの領域における光線透過率:1%未満
上記の光線透過率は、以下の方法にて測定した。
PC100部に対して、着色剤1を0.3部の配合割合でタンブラーに投入し、4分間乾式混合した後、二軸押出機(L/D=42、Φ=37mm、神戸製鋼社製KTX−37)を用いて、溶融温度240℃にて溶融混錬し、ポリカーボネート樹脂組成物のペレットを得た。このペレットを100℃で6時間乾燥した後に、射出成型機(日本製鋼所製J−100E−C5)を用いて設定温度260℃、射出圧力1600kg/cmにて平板(150x90x2.0mm)を作成した。
得られた2mmの平板を紫外可視分光光度計(日本分光社製V−570)により、波長800nmと900nmの光線透過率をASTM D−1003に準拠して測定した。着色剤2および3の光線透過率も、同様に測定した。
(ポリカーボネート樹脂組成物のペレットの作成)
表1〜2に示す配合比率にて、上記の原料をそれぞれタンブラーに投入し、4分間乾式混合した後、二軸押出機(L/D=42、Φ=37mm、神戸製鋼社製KTX−37)を用いて、溶融温度240℃にて溶融混錬し、各種ポリカーボネート樹脂組成物のペレットを得た。得られたペレットから、以下の評価を行った。ペレットの射出成形加工には、射出成形機(日本製鋼社製J100E−C5)を用い、シリンダーの設定温度260℃にて各種試験片を作成し、それぞれの試験に供した。
(鉛筆硬度)
上記で得られた各種樹脂組成物のペレットをそれぞれ90℃で6時間乾燥した後に、射出成型機(日本製鋼所製J100E−C5)を用いて設定温度260℃、射出圧力1600kg/cmにて透明性評価用試験片(150x90x2.0mm)を作成した。
得られた試験片を用いて、JISK5600−5−4に従い鉛筆硬度測定機(東洋精機社製鉛筆引掻塗膜硬さ試験機)にて、試験片表面に擦り傷が観察されない鉛筆硬度を求めた。鉛筆硬度が、HB以上を良好とした。
(動摩擦係数)
得られた試験片(150x90x3mm)を用いて、JIS K7125に準拠して、摩擦係数測定機(テスター産業社製AB−401)を使用して静摩擦係数を測定した。0.4以下を良好とした。
(成形品の耐薬剤性の評価)
上記で得られた各種樹脂組成物のペレットをそれぞれ90℃で6時間乾燥した後に、射出成型機(日本製鋼所製J100E−C5)を用いて設定温度280℃、射出圧力1600kg/cmにて試験片(127x13x3.2mm)を作成した。
得られた試験片を片持ち梁の耐薬剤試験治具(下式の図を参照)を用いて任意の歪みをかけて、試験片の中央部に下記薬剤をそれぞれ塗布した。
<評価用薬剤>
花王社製 マジックリン(以下、薬剤1と略記)
ニベア花王社製 ニベアクリーム(以下、薬剤2と略記)
上記の薬剤塗布後の試験片を23℃および85℃の雰囲気下で48時間放置し、試験片上の割れやヒビの位置から臨界歪み(%)を次式により求めた。
(式)
Figure 2015028101
上記式にて求めた臨界歪みから、耐薬剤性を下記基準にて判定し、臨界歪みが0.7%以上(○〜◎)を合格とした。
耐薬剤性の判定:
◎:臨界歪みが1.0%以上
○:臨界歪みが0.7%以上〜1.0%未満
△:臨界歪みが0.5%以上〜0.7%未満
×:臨界歪みが0.3%以上〜0.5%未満
××:臨界歪みが0.3%未満
(耐熱性)
23℃における、荷重たわみ温度をISO75−2に準拠して測定した。85℃以上を良好とした。
(漆黒性の評価)
漆黒性の評価は、得られた平板にLED光源のライト(GEMTOS社製GTR−32T、明るさ26.6ルーメン)を照射し(平板とLED光源のライトの距離は10cm)、目視にて漆黒性の程度を評価した。尚、評価基準は以下のとおりであり、
良好(◎):LED光源を照射しても、黒く光る。
良 (○):LED光源を照射しても、黒く光るが、若干白っぽく見える。
不良(×):LED光源を照射すると、白っぽく光る。
(成形時発生ガス量の評価)
成形時発生ガス量(以下、「アウトガス」と略記)は、上記で得られた各種樹脂組成物のペレットをそれぞれ100℃で6時間乾燥した後に、射出成型機(日本製鋼所製J−100E−C5)を用いて設定温度260℃で、20ショット連続でショートショット(未充填)にて成形した。成形後の金型表面の汚れ具合の程度を目視にて評価した。尚、評価基準は下記の通り。
良好(◎):金型表面にほとんど付着物はない。
良 (○):金型表面に若干付着物有り。
不良(×):金型表面に顕著に付着物有り。
Figure 2015028101
表中「判定」は ○: 良好 、×:不良 を表す。
Figure 2015028101
表中の「判定」は ○: 良好 、×:不良 を表す。
実施例1〜6に示すように、本発明の構成要件を満足するものについては、要求性能を全て満たしていた。
一方、比較例1〜7に示すように、本発明の構成要件を満足しないものについては、それぞれ次のとおり欠点を有していた。
比較例1は、B成分(表面硬度改良剤)の配合量が規定量よりも少ない場合で、鉛筆硬度が不良となった。
比較例2は、B成分(表面硬度改良剤)の配合量が規定量よりも多い場合で、耐熱性が不良となった。
比較例3は、AKDの配合量が規定量よりも少ない場合で、動摩擦係数(摺動性)、耐薬剤性が不良となった。
比較例4は、AKDの配合量が規定量よりも多い場合で、造粒化が困難なため、ペレットが作製できなかった。
比較例5は、有機系黒色染料の配合量が規定量よりも少ない場合で、漆黒性が不良となった。
比較例6は、有機系黒色染料の配合量が規定量よりも多い場合で、成形時発生ガス量が不良となった。
比較例7は、本発明の有機系黒色染料の代わりにカーボンブラックを使用している場合で、漆黒性に劣っていた。

Claims (7)

  1. ポリカーボネート樹脂(A)35〜75重量%および表面硬度向上剤(B)25〜65重量%からなる樹脂成分100重量部あたり、下記一般式1に示すアルキルケテンダイマー(C)0.01〜20重量部および有機系黒色染料(D)0.05〜1.0重量部からなるポリカーボネート樹脂組成物を成形してなる自動車内装部品であって、
    該表面硬度向上剤(B)が芳香族(メタ)アクリレート単位5〜80重量%およびメチルメタクリレート単位20〜95重量%からなる共重合体であり、かつ該共重合体の重量平均分子量が5000〜30000であり、かつ該有機系黒色染料(D)の光学特性が、前記ポリカーボネート樹脂(A)100重量部および有機系黒色染料(D)0.3重量部からなる樹脂組成物を射出成形して得られた厚さ2mmの平板の光線透過率を測定した際に、波長800〜900nmの領域において50%以上の光線透過率を有することを特徴とする、自動車内装部品。
    一般式1:
    Figure 2015028101
    (一般式1において、R1およびR2は、同一でも異なっても良いが、炭素数6〜33のアルキル基をあらわす。)
  2. 前記樹脂成分がポリカーボネート樹脂(A)45〜65重量%および表面硬度向上剤(B)35〜55重量%からなることを特徴とする、請求項1記載の自動車内装部品。
  3. 前記アルケルケテンダイマー(C)の配合量が、前記樹脂成分100重量部あたり、0.03〜5重量部であることを特徴とする、請求項1記載の自動車内装部品。
  4. 前記有機系黒色染料(D)の配合量が、前記樹脂成分100重量部あたり0.1〜0.5重量部であることを特徴とする、請求項1記載の自動車内装部品。
  5. 前記有機系黒色染料(D)の光学特性が、前記樹脂成分100重量部および有機系黒色染料(D)0.3重量部からなる樹脂組成物を射出成形して得られた厚さ2mmの平板の光線透過率を測定した際に、波長800〜900nmの領域において85%以上の光線透過率を有することを特徴とする、請求項1記載の自動車内装部品。
  6. 前記有機系黒色染料(D)の光学特性が、前記樹脂成分100重量部および有機系黒色染料(D)0.3重量部からなる樹脂組成物を射出成形して得られた厚さ2mmの平板の光線透過率を測定した際に、波長800〜900nmの領域において89%以上の光線透過率を有することを特徴とする、請求項1記載の自動車内装部品。
  7. 前記自動車内装部品が、センターコンソール、ピラートリムまたはドアトリムであることを特徴とする、請求項1〜6の何れか一項に記載の自動車内装部品。
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