JP2015026456A - 非水電解質二次電池用正極活物質およびその製造方法、並びに、非水電解質二次電池 - Google Patents

非水電解質二次電池用正極活物質およびその製造方法、並びに、非水電解質二次電池 Download PDF

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Abstract

【課題】極低温環境での使用時の高い出力特性が可能なリチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物系非水電解質二次電池用正極活物質の提供。【解決手段】一般式:NixCoyMnzMt(OH)2+α(x+y+z+t=1、0.3≰x≰0.7、0.1≰y≰0.4、0.1≰z≰0.4、0.0003≰t≰0.05、Mは、Mg、Ca、Al、Ti、V、Cr、Zr、Nb、Mo、Hf、Ta、Wから選択される1種以上の元素)で表される複合水酸化物粒子に対し、リチウムの原子数比が0.95〜1.20となるようにリチウム化合物を混合し、この混合物を酸化性雰囲気中で、少なくとも30℃〜800℃の温度域における昇温速度を2℃/分〜10℃/分とし、保持温度を800℃〜1000℃として、この保持温度での保持時間を1時間〜5時間とし、かつ、昇温開始から保持終了までの時間を3時間〜8時間として焼成する。【選択図】図1

Description

本発明は、非水電解質二次電池、および、この非水電解質二次電池の正極材料として用いられる正極活物質とその製造方法に関する。
近年、携帯電話やノート型パソコンなどの携帯電子機器の普及に伴い、高いエネルギ密度を有する小型で軽量な二次電池の開発が強く望まれている。また、モータ駆動用電源、特に輸送機器用電源として高出力の二次電池の開発も強く望まれている。
このような要求を満たす二次電池として、非水電解質二次電池の一種であるリチウムイオン二次電池がある。このリチウムイオン二次電池は、負極、正極、電解液などで構成され、その負極および正極の材料として用いられる活物質には、リチウムを脱離および挿入することが可能な材料が使用される。
さまざまな種類のリチウムイオン二次電池について、現在、研究開発が盛んに行われているが、その中でも、層状またはスピネル型のリチウム金属複合酸化物を正極材料に用いたリチウムイオン二次電池は、4V級の高い電圧が得られるため、高いエネルギ密度を有する電池として実用化が進められている。
このようなリチウムイオン二次電池の正極材料として、現在、合成が比較的容易なリチウムコバルト複合酸化物(LiCoO2)、コバルトよりも安価なニッケルを用いたリチウムニッケル複合酸化物(LiNiO2)、リチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物(LiNi1/3Co1/3Mn1/32)、マンガンを用いたリチウムマンガン複合酸化物(LiMn24)、リチウムニッケルマンガン複合酸化物(LiNi0.5Mn0.52)などのリチウム複合酸化物が提案されている。これらのうち、リチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物は、サイクル特性が良好で、低抵抗で、かつ、高出力が取り出せる正極材料として注目されている。また、このリチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物中にさまざまな添加元素を導入することで、その高性能化を図る試みもなされている。
また、この中でリチウムニッケル系複合酸化物の結晶形態に着目した研究もなされており、たとえば、特開2000−195514号公報には、CuKα線を使用した粉末X線回折において、ミラー指数(hkl)における(104)面での回折ピークの半価幅(FWHM(104))に対する、(003)面での回折ピークの半価幅(FWHM(003))の比である、FWHM(003)/FWHM(104)を0.75〜0.9の範囲に、かつ、(003)面での回折ピークの積分強度(I(003))に対する、(104)面での回折ピークの積分強度(I(104))の比である、I(104)/I(003)を0.25〜0.9の範囲に、それぞれ制御した、層状構造で三方晶系のリチウムニッケル系複合酸化物が開示されている。この正極活物質では、結晶の成長方向を制御することにより、大電流放電特性の向上が図られている。
しかしながら、これらの文献では、六方晶系の層状構造を有するリチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物ついて、結晶の成長方向を制御することで放電特性などを改善することは検討されていない。このため、低温環境下では結晶が収縮することに起因して、リチウムイオンの拡散が妨げられ、その出力特性が著しく低下するといった問題が依然として存在する。一方、近年の携帯電子機器や電気自動車などの世界的な普及に伴い、これらの機器に使用される二次電池には、寒冷地などの厳しい使用環境における使用を前提として、0℃〜−30℃の極低温環境下においても出力特性が十分に発揮できる性能が要求されている。
たとえば、特開2005−302338号公報には、リチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物の安息角やタッピング密度を所定の範囲に制御することにより、正極合剤に占める正極活物質の量を確保しつつ、非水電解液がこの正極活物質に浸透することを可能とすることで、低温環境下における電極反応のばらつきを抑制する技術が開示されている。また、特開2005−158624号公報には、リチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物の二次粒子の平均粒径および空孔容積比を所定の範囲に制御することで、低温環境下における二次粒子の崩壊を抑制し、電極反応のばらつきを抑制する技術が開示されている。
これらのリチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物では、いずれも電極反応のばらつきを抑制することで、低温環境下での出力特性と寿命性能の改善が図られている。しかしながら、0℃〜−30℃という極低温環境下で実際に使用される携帯電子機器や輸送電子機器の電源としては、十分な特性を有しているとはいえない。
これらに対して、特開2013−51772号公報には、リチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物の粉末X線回折パターンにおいて、ミラー指数(hkl)における(104)面での回折ピークの半価幅(FWHM(104))に対する、(003)面での回折ピークの半価幅(FWHM(003))、すなわち、FWHM(003)/FWHM(104)の値を0.7以下とすることにより、充電深度(SOC)が30%以下の低い充電量で、−30℃という極低温環境下であっても高い出力特性を発揮することができる旨が記載されている。しかしながら、特開2013−51772号公報では、FWHM(003)/FWHM(104)の値を制御するのみであり、結晶性そのものについては考慮されていないため、電池特性を十分に改善することができない場合がある。
以上より、非水電解質二次電池において、極低温環境下における出力特性のさらなる向上が求められている。
特開2000−195514号公報 特開2005−302338号公報 特開2005−158624号公報 特開2013−51772号公報
本発明は上述の問題に鑑み、六方晶系の層状構造を有するリチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物の極低温環境下での使用における出力特性を改善し、このような環境下であっても優れた出力特性を有する非水電解質二次電池と、非水電解質二次電池用正極活物質およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明の非水電解質二次電池用正極活物質の製造方法は、一般式:NixCoyMnzt(OH)2+α(x+y+z+t=1、0.3≦x≦0.7、0.1≦y≦0.4、0.1≦z≦0.4、0.0003≦t≦0.05、Mは、Mg、Ca、Al、Ti、V、Cr、Zr、Nb、Mo、Hf、Ta、Wから選択される1種以上の元素)で表されるニッケルコバルトマンガン複合水酸化物粒子に、該ニッケルコバルトマンガン複合水酸化物粒子を構成する金属元素の原子数の合計に対する、リチウムの原子数の比が0.95〜1.20となるようにリチウム化合物を混合して、リチウム混合物を得る混合工程と、酸化性雰囲気中で、少なくとも30℃〜800℃の温度域における昇温速度を2℃/分〜10℃/分とするとともに、保持温度を800℃〜1000℃として、この保持温度での保持時間を1時間〜5時間とし、かつ、昇温開始から保持終了までの時間を3時間〜8時間とする条件により、前記リチウム混合物を焼成する焼成工程とを備えることを特徴とする。
前記酸化性雰囲気における酸素濃度が18容量%〜100容量%であることが好ましい。
前記混合工程の前に、前記ニッケルコバルトマンガン複合水酸化物粒子を105℃〜400℃で熱処理する熱処理工程を備えることが好ましく、また、前記焼成工程で得られたリチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物粒子を解砕する解砕工程を備えることが好ましい。
本発明の非水電解質二次電池は、前記製造方法により得られるものであって、一般式:Li1+sNixCoyMnzt2(−0.05≦s≦0.20、x+y+z+t=1、0.3≦x≦0.7、0.1≦y≦0.4、0.1≦z≦0.4、0.0003≦t≦0.05、Mは、Ca、Mg、Al、Ti、V、Cr、Zr、Nb、Mo、Hf、Ta、Wから選択される1種以上の元素)で表され、一次粒子が複数凝集した二次粒子で構成された層状構造を有する六方晶系リチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物粒子からなり、かつ、CuKα線を使用した粉末X線回折において、ミラー指数(hkl)における(104)面での回折ピークの半価幅に対する、(003)面での回折ピークの半価幅の比が0.300以上0.520以下であることを特徴とする。
前記リチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物粒子の(003)面での回折ピークの半価幅が0.05°〜0.10°であり、かつ、(104)面での回折ピークの半価幅が0.10°〜0.30°であることが好ましい。
前記リチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物粒子の平均粒径は3μm〜20μmであることが好ましく、また、その比表面積は0.3m2/g〜2.5m2/gであることが好ましい。
本発明の非水電解質二次電池は、正極と、負極と、セパレータと、非水電解質とを備え、前記正極の正極材料として、本発明の非水電解質二次電池用正極活物質が用いられていることを特徴とする。
本発明の正極活物質により、0℃〜−30℃という極低温環境下であっても、優れた出力特性を有する非水電解質二次電池を提供することが可能となる。
また、本発明によれば、このような高い特性を有する非水電解質二次電池用正極活物質を、容易な方法で、大量に製造することができるので、その工業的意義はきわめて大きい。
図1は、本発明を電池評価用に用いたリチウムイオン二次電池の断面を模式的に示す図である。
本発明者らは、上述の課題を解決するため、極低温環境における非水電解質二次電池の正極抵抗に対する正極活物質の粉体特性の影響について鋭意研究を重ねた結果、正極活物質として、所定の組成を有するリチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物粒子(以下、「リチウム複合酸化物粒子」という)を使用した場合、X線回折の結果から得られる結晶面間の半価幅(FWHM:半値全幅)の比を制御することにより、低温環境における電池の正極抵抗を低減できるとの知見を得た。さらに、この結晶面間の半価幅の比は、正極活物質を得る焼成条件により制御可能であるとの知見を得た。本発明は、これらの知見に基づいて完成するに至ったものである。
(1)非水電解質二次電池用正極活物質
本発明の非水電解質二次電池用正極活物質は、一般式:Li1+sNixCoyMnzt2(−0.05≦s≦0.20、x+y+z+t=1、0.3≦x≦0.7、0.1≦y≦0.4、0.1≦z≦0.4、0.0003≦t≦0.05、Mは、Ca、Mg、Al、Ti、V、Cr、Zr、Nb、Mo、Hf、Ta、Wから選択される1種以上の元素)で表されるリチウム複合酸化物粒子により構成される。特に、本発明の非水電解質二次電池用正極活物質は、上記組成を有するとともに、層状構造を有する六方晶系リチウム複合酸化物粒子からなり、かつ、CuKα線を使用した粉末X線回折において、ミラー指数(hkl)における(104)面での回折ピークの半価幅に対する、(003)面での回折ピークの半価幅の比が0.300以上0.520以下であることを特徴とする。
(組成)
本発明の非水電解質二次電池用正極活物質であるリチウム複合酸化物粒子は、一次粒子が複数凝集した略球状の二次粒子により構成されており、その組成は、以下の一般式で表されるように調整される。
一般式:Li1+sNixCoyMnzt2
(−0.05≦s≦0.20、x+y+z+t=1、0.3≦x≦0.7、0.1≦y≦0.4、0.1≦z≦0.4、0.0003≦t≦0.05、Mは、Ca、Mg、Al、Ti、V、Cr、Zr、Nb、Mo、Hf、Ta、Wから選択される1種以上の元素)
本発明の正極活物質において、リチウム(Li)の過剰量を示すsの値は、−0.05以上0.20以下、好ましくは0以上0.20以下、より好ましくは0を超えて0.15以下である。sの値が−0.05未満では、この正極活物質を用いた非水電解質二次電池における正極の反応抵抗が大きくなるため、電池の出力が低くなってしまう。一方、sの値が0.20を超えると、この正極活物質を用いた非水電解質二次電池の初期放電容量が低下するとともに、その正極の反応抵抗も増加してしまう。
ニッケル(Ni)は、電池容量の向上に寄与する添加元素である。ニッケルの含有量を示すxの値は、0.3以上0.7以下、好ましくは0.3以上0.6以下とする。xの値が0.3未満では、この正極活物質を用いた非水電解質二次電池の電池容量が低下してしまう。一方、xの値が0.7を超えると、他の添加元素の量が減って、その添加効果が十分に得られなくなるおそれがある。
コバルト(Co)は、サイクル特性の向上に寄与する添加元素である。コバルトの含有量を示すyの値は0.1以上0.4以下、好ましくは0.2以上0.35以下とする。yの値が上記範囲にある場合に、得られる正極活物質を用いた非水電解質用二次電池を、良好なサイクル特性、すなわち、高耐久特性を有するものとすることができる。yの値が0.1未満では、十分なサイクル特性を得ることはできず、容量維持率が低下してしまう。一方、yの値が0.4を超えると、初期放電容量の低下が大きくなってしまう。
マンガン(Mn)は、熱安定性の向上に寄与する添加元素である。マンガンの含有量を示すzの値は0.1以上0.4以下、好ましくは0.2以上0.35以下とする。zの値が0.1未満では、その添加効果が十分に得られない。一方、zの値が0.4を超えると、電池容量が低下するという問題が生じる。
また、本発明の正極活物質は、リチウム複合酸化物粒子に添加元素(M)を含有するように調整されている。上記添加元素(M)を含有させることで、これを正極活物質として用いた電池の耐久特性や出力特性を向上させることができる。
このような添加元素(M)としては、カルシウム(Ca)、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、ジルコニウム(Zr)、ニオブ(Nb)、モリブデン(Mo)、ハフニウム(Hf)、タンタル(Ta)、タングステン(W)から選択される1種以上の元素を使用することができる。これらの添加元素(M)は、得られる正極活物質が使用される二次電池の用途や要求される性能に応じて適宜選択される。
添加元素(M)の含有量を示すtの値は、0.0003以上、0.05以下、好ましくは0.001以上0.01以下とする。tの値が0.0003未満では、耐久特性や出力特性の向上を図ることができない。一方、tの値が0.05を超えると、Redox反応に貢献する金属元素が減少するため、電池容量が低下する。
なお、添加元素(M)は、後述するように晶析工程において、ニッケル、コバルトおよびマンガンとともに晶析させ、ニッケルコバルトマンガン複合水酸化物粒子(以下、「複合水酸化物粒子」という)中に均一に分散させることもできるが、晶析工程後に、複合水酸化物粒子の表面に添加元素(M)を被覆させてもよい。また、混合工程において、複合水酸化物粒子とともに、リチウム化合物と混合することも可能であり、これらの方法を併用してもよい。いずれの方法による場合であっても、上記一般式の組成となるように、その含有量を調整することが必要となる。
(結晶構造)
本発明の正極活物質を構成するリチウム複合酸化物粒子は、CuKα線を使用した粉末X線回折において、ミラー指数(hkl)における(104)面での回折ピークの半価幅(FWHM(104))に対する、(003)面での回折ピークの半価幅(FWHM(003))の比:FWHM(003)/FWHM(104)を0.300以上0.520以下、好ましくは0.515以下、より好ましくは0.510以下とすることが必要である。
本発明のリチウム複合酸化物粒子の結晶構造は、層状構造を有する六方晶系に属する。この場合、リチウムイオンは、六方晶系のc軸に直交する方向から吸蔵または放出される。ここで、CuKα線を用いた粉体X線回折のミラー指数(hkl)における(003)面は、六方晶系のc軸方向に関するものである。また、(104)面は、六方晶系のc軸と直交する方向に関するものである。
FWHM(003)/FWHM(104)が0.520以下の状態、すなわち、c軸と直交する方向への結晶成長が小さい状態では、リチウムイオンの拡散の距離が短くなるため、得られる非水電解質二次電池における反応抵抗が低くなり、出力特性が向上すると考えられる。一方、FWHM(003)/FWHM(104)が0.520を超えると、c軸と直交する方向への結晶成長が大きくなりすぎるため、リチウムイオンの拡散の距離が長くなり、出力特性が低下すると考えられる。特に、リチウムイオンの拡散速度が低下する、0℃〜−30℃という極低温環境では、この拡散距離の影響が大きくなるため、非水電解質二次電池の出力特性の低下が顕著となる。
なお、出力特性を向上させるためには、c軸と直交する方向への結晶成長が小さいほど、すなわち、FWHM(003)/FWHM(104)が小さいほど好ましいが、小さくなり過ぎると結晶性が低下して、他の電池特性が悪化することがある。このため、製造上の制約も含めて、FWHM(003)/FWHM(104)の実用上可能な下限は0.300程度、好ましくは0.350程度とする。
また、本発明の正極活物質を構成するリチウム複合酸化物粒子では、FWHM(003)が0.05°〜0.10°かつ、FWHM(104)が0.10°〜0.30°であることが好ましい。FWHM(003)およびFWHM(104)を上記の範囲に個別に制御することで、その結晶性を二次電池用として最適なものとすることができ、得られる二次電池において、より優れた出力特性と充放電容量およびサイクル特性が実現される。これに対して、FWHM(003)とFWHM(104)のいずれかが上記範囲よりも小さくなると、リチウム複合酸化物粒子中でのリチウムイオンの拡散距離が長くなってしまうため、得られる二次電池の出力特性が低下する場合がある。一方、FWHM(003)とFWHM(104)のいずれかが上記範囲よりも大きくなると、リチウム複合酸化物粒子の結晶性が低下するため、得られる二次電池の電池特性が悪化する場合がある。なお、電池特性をより良好なものとするためには、FWHM(003)が0.055°〜0.095°であることがより好ましい。また、FWHM(104)が0.105°〜0.290°であることがより好ましい。
(粒子構造)
本発明の非水電解質二次電池用正極活物質は、一次粒子が複数凝集して形成された略球状の二次粒子により構成されたリチウム複合酸化物粒子からなる。二次粒子を構成する一次粒子の形状としては、板状、針状、直方体状、楕円状、稜面体状などのさまざまな形態を採ることができ、その凝集状態も、ランダムな方向に凝集する場合のほか、中心から放射状に粒子の長径方向が凝集する場合も本発明に適用することは可能である。ただし、正極活物質の充填性を改善するために、ニ次粒子の形状は球状であることが好ましい。
また、上記二次粒子は、該二次粒子を構成する一次粒子間に、電解液が浸透可能な界面または粒界を有している。このため、リチウムイオンの脱離および挿入が行われる一次粒子の表面まで電解液を浸透させることができ、FWHM(003)/FWHM(104)、FWHM(003)およびFWHM(104)を制御することとの相乗効果により、出力特性を大幅に改善することができる。なお、このようなニ次粒子は、後述するような晶析工程により容易に得ることができる。
(平均粒径)
このリチウム複合酸化物粒子は、得られる非水電解質二次電池の電池容量、安全性および出力特性をより高いものとする観点から、その平均粒径を3μm〜20μmとすることが好ましく、5μm〜15μmとすることがより好ましい。ここで、平均粒径とは、レーザ回折散乱法で求めた体積基準平均粒径(MV)を意味する。
平均粒径が3μm未満では、非水電解質二次電池の正極を構成した場合に、粒子の充填密度が低下し、正極の容積あたりの電池容量が低下する場合がある。一方、平均粒径が20μmを超えると、正極活物質の比表面積が低下して、非水電解質二次電池の電解液との界面が減少するため、正極の抵抗が上昇し、出力特性が低下する場合がある。
(比表面積)
前記リチウム複合酸化物粒子の比表面積は、0.3m2/g〜2.5m2/gとすることが好ましく、0.5m2/g〜2.0m2/gとすることがより好ましい。比表面積が0.3m2/g未満では、電解液との反応面積を十分に確保することができない場合がある。一方、2.5m2/gを超えると、非水電解質二次電池と電解液との過剰な反応が発生し、安全性が低下する場合がある。なお、比表面積は、窒素ガス吸着によるBET法により測定することができる。
(2)非水電解質二次電池用正極活物質の製造方法
本発明の非水電解質二次電池用正極活物質の製造方法は、複合水酸化物粒子に、所定量のリチウム化合物を加えて混合し、リチウム混合物を得る混合工程と、このリチウム混合物を、所定条件の下で焼成して、正極活物質を構成するリチウム複合酸化物粒子を得る焼成工程とを備える点に特徴を有するものである。ただし、得られる正極活物質の特性をさらに高いものとするために、追加的に、所定の晶析工程、熱処理工程および/または解砕工程を備えることが好ましい。以下、工程ごとに説明する。
(2−a)晶析工程
本発明では、正極活物質の前駆体として、一般式:NixCoyMnzt(OH)2+α(x+y+z+t=1、0.3≦x≦0.7、0.1≦y≦0.4、0.1≦z≦0.4、0.0003≦t≦0.05、Mは、Mg、Ca、Al、Ti、V、Cr、Zr、Nb、Mo、Hf、Ta、Wから選択される1種以上の元素)で表される複合水酸化物粒子を使用することができる。
このような組成を有する複合水酸化物粒子は、上記一般式に表される組成比となるように、ニッケル、コバルト、マンガンおよび添加元素(M)の金属化合物を溶解した混合水溶液とアンモニウムイオン供給体を含む水溶液とを反応槽内に撹拌しながら供給するとともに、反応槽内のpHを所定の範囲に制御するために、所定量の水酸化ナトリウム水溶液を供給し、晶析させることにより得ることができる。
このような晶析工程によれば、得られる複合水酸化物粒子の形状を球状とすることができる。本発明では、このような晶析法として、連続晶析法またはバッチ式晶析法のいずれも採用することができるが、たとえば、複合水酸化物粒子の核となる部分が析出する核生成段階と、この核を中心として、該粒子が成長する粒子成長段階とを明確に分離したバッチ式晶析法を採用することで、得られる粒子の粒径を均一なものとすることができるため好ましい。
(2−b)熱処理工程
本発明の製造方法においては、後述する混合工程に前に、複合水酸化物粒子に熱処理を施し、熱処理粒子としてから、リチウム化合物と混合してもよい。ここで、熱処理粒子には、熱処理工程において余剰水分を除去された複合水酸化物のみならず、熱処理工程により、酸化物に転換されたニッケルコバルトマンガン複合酸化物粒子(以下、「複合酸化物粒子」という)、または、これらの混合物も含まれる。
熱処理工程では、複合水酸化物粒子を105℃〜400℃の温度に加熱して熱処理する工程であり、これにより、複合水酸化物粒子に含有される水分を除去する。このような熱処理工程を行うことにより、粒子中に、焼成工程まで残留する水分を一定量まで減少させることができるため、得られる正極活物質中の各金属成分の原子数や、リチウムの原子数の割合にばらつきが生じることを防止し、リチウム原子数比(Li/Me)を安定させることができる。
なお、熱処理工程では、正極活物質中の各金属成分の原子数や、リチウムの原子数の割合にばらつきが生じない程度に水分が除去できればよいので、必ずしもすべての複合水酸化物粒子を複合酸化物粒子に転換する必要はない。しかしながら、各金属成分の原子数やリチウムの原子数の割合のばらつきをより少ないものとするためには、ニッケルコバルトマンガン複合水酸化物の分解条件以上に加熱して、すべての複合水酸化物粒子を、複合酸化物粒子に転換することが好ましい。
熱処理工程における加熱温度は105℃〜400℃、好ましくは150℃〜400℃とする。加熱温度が105℃未満では、複合水酸化物粒子中の余剰水分が除去できず、ばらつきを十分に抑制することができないことがある。一方、加熱温度が400℃を超えても、それ以上の効果は期待できないばかりか、生産コストが増加するため好ましくない。なお、熱処理条件による熱処理粒子中に含有される各金属成分を分析によって予め求めておき、リチウム化合物との比を決めておくことで、上記ばらつきを抑制することができる。
熱処理を行う雰囲気は特に制限されるものではなく、非還元性雰囲気であればよいが、簡易的に行える空気気流中において行うことが好ましい。
また、熱処理時間は、特に制限されないが、1時間未満では複合水酸化物粒子の余剰水分の除去が十分に行われない場合があるので、少なくとも1時間以上が好ましく、5時間〜15時間がより好ましい。
このような熱処理に用いられる設備は、特に限定されるものではなく、複合水酸化物粒子を非還元性雰囲気中、好ましくは空気気流中で加熱できるものであればよく、ガス発生がない電気炉などが好適に用いられる。
(2−c)混合工程
混合工程では、一般式:NixCoyMnzt(OH)2+α(x+y+z+t=1、0.3≦x≦0.7、0.1≦y≦0.4、0.1≦z≦0.4、0.0003≦t≦0.05、Mは、Mg、Ca、Al、Ti、V、Cr、Zr、Nb、Mo、Hf、Ta、Wから選択される1種以上の元素)で表される複合水酸化物粒子、または、これを熱処理することにより得られる熱処理粒子に、該複合水酸化物粒子または熱処理粒子を構成する金属元素の原子数の合計(Me)に対する、リチウムの原子数(Li)の比(Li/Me)が0.95〜1.20、好ましくは1.00〜1.20、より好ましくは1.00よりも大きく1.15以下となるように、リチウム化合物を混合することが必要となる。すなわち、焼成工程前後でLi/Meは変化しないため、この混合工程におけるLi/Meが正極活物質におけるLi/Meとなるので、リチウム混合物におけるLi/Meが、得ようとする正極活物質におけるLi/Meと同じになるように、複合水酸化物粒子または熱処理粒子にリチウム化合物を混合することが必要となる。
本発明において使用するリチウム化合物は、特に限定されることはないが、たとえば、水酸化リチウム、硝酸リチウム、炭酸リチウム、または、これらの混合物は、入手が容易であることから好適に使用することができる。取扱いの容易性や、品質の安定性などを考慮すると、水酸化リチウムまたは炭酸リチウムを使用することが好ましく、炭酸リチウムを用いることがより好ましい。
混合には、一般的な混合機を使用することができ、たとえば、シェーカミキサ、Vブレンダ、リボンミキサ、ジュリアミキサ、レーディゲミキサなどを用いることができ、ニッケルコバルトマンガン複合水酸化物粒子または熱処理粒子などの形骸が破壊されない程度に、複合水酸化物粒子または熱処理粒子と、リチウム化合物とが十分に混合されればよい。
(2−d)焼成工程
焼成工程は、混合工程で得られたリチウム混合物を、所定条件の下で焼成し、室温まで冷却して、リチウム複合酸化物粒子を得る工程である。
特に、本発明では、前記リチウム混合物を酸化性雰囲気中で、少なくとも30℃〜800℃の温度域における昇温速度を2℃/分〜10℃/分とするとともに、保持温度を800℃〜1000℃とし、この保持温度での保持時間を1時間〜5時間とし、かつ、昇温開始から保持終了までの時間を3時間〜8時間として焼成することに重要な意義を有する。このような条件の下で、所定の組成を有するリチウム混合物を焼成することにより、このリチウム複合酸化物粒子におけるc軸と直交する方向への結晶成長を抑制しながら結晶性を高めることができるため、CuKα線を使用した粉末X線回折において、ミラー指数(hkl)における(104)面での回折ピークの半価幅(FWHM(104))に対する、(003)面での回折ピークに対する半価幅(FWHM(003))の比:FWHM(003)/FWHM(104)を0.300以上、0.520以下とすることができる。
(30℃〜800℃の温度域における昇温速度)
焼成工程のうち、少なくとも30℃〜800℃の温度域における昇温速度は、c軸と直交する方向への結晶成長を抑制する観点から、2℃/分〜10℃/分、好ましくは3℃/分〜10℃/分、より好ましくは3℃/分〜7℃/分とする。昇温速度が2℃/分未満では、昇温中に、複合水酸化物粒子が、複合酸化物粒子に転換されてしまうとともに、この複合酸化物粒子と、リチウム化合物中のリチウムとの反応が進行し、c軸と直交する方向への結晶成長も進行してしまうため、FWHM(003)/FWHM(104)が大きくなってしまう。また、FWHM(003)やFWHM(104)が小さくなり過ぎたり、二次粒子間および一次粒子間の焼結が進み過ぎたりするなどの問題が生じる。一方、昇温速度が10℃/分を超えると、複合水酸化物粒子または複合酸化物粒子と、リチウム化合物との反応が不均一になるため、粒子間の焼結が進むなどの現象が起こり、得られる非水電解質二次電池の正極抵抗値が高くなってしまう。なお、30℃〜800℃の温度域における昇温速度とは、この温度域における昇温速度の平均速度を意味する。しかしながら、30℃〜800℃における各時点における昇温速度も、2℃/分〜10℃/分であることが好ましい。
(保持温度)
焼成工程における保持温度は800℃〜1000℃、好ましくは800℃〜950℃、より好ましくは850℃〜950℃とする。保持温度が800℃未満では、複合水酸化物粒子または複合酸化物粒子とリチウム化合物が十分に反応せず、余剰のリチウム化合物と未反応の複合水酸化物粒子または複合酸化物粒子が残存し、あるいは、複合水酸化物粒子または複合酸化物粒子中へのリチウムの拡散が不十分になるため結晶構造が均一なものとはならない。一方、保持温度が1000℃を超えると、生成したリチウム複合酸化物粒子間で激しく焼結が生じるとともに、異常粒成長を生じるため、粒子が粗大となり、球状二次粒子の形態を保持できなくなる。また、一次粒子間の焼結が進むため、該一次粒子間の界面あるいは粒界が減少する。さらに、焼成工程における保持温度が800℃未満では、リチウム複合酸化物粒子の平均粒径が小さく、比表面積が大きくなり、一方、保持温度が1000℃を超えると、平均粒径が大きく、比表面積が小さくなるため、いずれの場合においても、好適な平均粒径と比表面積を有する正極活物質を得ることが困難となる。
なお、800℃〜1000℃の温度域における昇温速度は、特に制限されることはないが、2℃/分〜10℃/分とすることが好ましい。この温度域における昇温速度が2℃/分未満では、800℃以上に保持される時間が長くなり過ぎ、c軸と直交する方向への結晶成長が進みすぎる場合がある。一方、10℃/分を超えると、リチウム混合物の温度にばらつきが生じて結晶成長が不均一となり、電池特性が低下する場合がある。
(焼成時間)
前記保持温度での保持時間は1時間〜5時間、好ましくは1.5時間〜5時間、より好ましくは2時間〜5時間とする。保持時間が、このような範囲にあれば、得られる正極活物質の結晶構造が均一なものとなり、かつ、FWHM(003)/FWHM(104)を0.520以下とすることができる。前記保持温度における保持時間が1時間未満では、複合水酸化物粒子または複合酸化物粒子とリチウム化合物との反応が十分に進行せず、結晶構造が均一なものとならない。一方、保持時間が5時間を超えると、c軸と直交する方向への結晶成長が進行してしまう。また、結晶性が高くなり、FWHM(003)やFWHM(104)が小さくなりすぎることがある。
また、昇温開始から保持終了までの時間は3時間〜8時間、好ましくは3時間〜7時間、より好ましくは4時間〜7時間とする。全体の焼成時間が3時間未満では、複合水酸化物粒子または複合酸化物粒子とリチウム化合物が十分に反応せず、余剰のリチウム化合物と未反応の複合水酸化物粒子または複合酸化物粒子が残存し、あるいは、複合水酸化物粒子または複合酸化物粒子中へのリチウムの拡散が不十分になるため結晶構造が均一なものとはならない。一方、全体の焼成時間が8時間を超えると、c軸と直交する方向への結晶成長が進行してしまう。
(その他)
焼成時の雰囲気は、酸化性雰囲気とするが、酸素濃度が18容量%〜100容量%の雰囲気、すなわち、大気〜酸素気流中で行うことが好ましい。コスト面を考慮すると、空気気流中で行うことが、特に好ましい。酸素濃度が18容量%未満では、酸化反応が十分に進行せず、得られるリチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物の結晶性が十分なものとならない場合がある。
本発明において、焼成工程に使用することができる焼成炉は、特に限定されるものではなく、大気ないしは酸素気流中で加熱できるものであればよいが、ガス発生がない電気炉が好ましく、バッチ式の電気炉、連続式の電気炉のいずれも好適に使用することができる。
(2−e)解砕工程
本発明の製造方法においては、焼成工程後に、該焼成工程により得られたリチウム複合酸化物粒子を解砕する解砕工程を、さらに備えることが好ましい。焼成工程により得られるリチウム複合酸化物粒子は、凝集または軽度の焼結が生じている場合がある。このような場合、このリチウム複合酸化物粒子の凝集体または焼結体を解砕することにより、得られる正極活物質の平均粒径(MV)を3μm〜20μmという好ましい範囲に調整することが容易となる。なお、解砕とは、焼成時に二次粒子間の焼結ネッキングなどにより生じた複数の二次粒子からなる凝集体に、機械的エネルギを投入して、二次粒子自体をほとんど破壊することなく二次粒子を分離させて、凝集体をほぐす操作のことである。
解砕の方法としては、公知の手段を用いることができ、たとえば、ピンミルやハンマーミルなどを使用することができる。なお、この際、二次粒子を破壊しないように解砕力を適切な範囲に調整することが好ましい。
(3)非水電解質二次電池
本発明の非水電解質二次電池は、正極、負極、セパレータおよび非水電解液を備え、一般の非水電解質二次電池と同様の構成要素により構成される。なお、以下に説明する実施形態は例示に過ぎず、本発明の非水電解質二次電池は、本明細書に記載されている実施形態を基ついて、種々の変更、改良を施した形態に適用することも可能である。
(正極)
本発明により得られた非水電解質二次電池用正極活物質を用いて、たとえば、以下のようにして非水電解質二次電池の正極を作製する。
まず、本発明により得られた粉末状の正極活物質に、導電材および結着剤を混合し、さらに必要に応じて活性炭や、粘度調整などの溶剤を添加し、これらを混練して正極合材ペーストを作製する。その際、正極合材ペースト中のそれぞれの混合比も、非水電解質二次電池の性能を決定する重要な要素となる。溶剤を除いた正極合材の固形分を100質量部とした場合、一般の非水電解質二次電池の正極と同様、正極活物質の含有量を60質量部〜95質量部とし、導電材の含有量を1質量部〜20質量部とし、結着剤の含有量を1質量部〜20質量部とすることが望ましい。
得られた正極合材ペーストを、たとえば、アルミニウム箔製の集電体の表面に塗布し、乾燥して、溶剤を飛散させる。必要に応じ、電極密度を高めるべく、ロールプレスなどにより加圧することもある。このようにして、シート状の正極を作製することができる。シート状の正極は、目的とする電池に応じて適当な大きさに裁断などをして、電池の作製に供することができる。ただし、正極の作製方法は、前記例示のものに限られることなく、他の方法によってもよい。
導電材としては、たとえば、黒鉛(天然黒鉛、人造黒鉛および膨張黒鉛など)や、アセチレンブラックやケッチェンブラックなどのカーボンブラック系材料を用いることができる。
結着剤は、活物質粒子をつなぎ止める役割を果たすもので、たとえば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、フッ素ゴム、エチレンプロピレンジエンゴム、スチレンブタジエン、セルロース系樹脂およびポリアクリル酸を用いることができる。
また、必要に応じて、正極活物質、導電材および活性炭を分散させ、結着剤を溶解する溶剤を正極合材に添加することができる。溶剤としては、具体的には、N−メチル−2−ピロリドンなどの有機溶剤を用いることができる。また、正極合材には、電気二重層容量を増加させるために、活性炭を添加することもできる。
(負極)
負極には、金属リチウムやリチウム合金など、あるいは、リチウムイオンを吸蔵および脱離できる負極活物質に、結着剤を混合し、適当な溶剤を加えてペースト状にした負極合材を、銅などの金属箔集電体の表面に塗布し、乾燥し、必要に応じて電極密度を高めるべく圧縮して形成したものを使用する。
負極活物質としては、たとえば、天然黒鉛、人造黒鉛およびフェノール樹脂などの有機化合物焼成体、およびコークスなどの炭素物質の粉状体を用いることができる。この場合、負極結着剤としては、正極同様、PVDFなどの含フッ素樹脂を用いることができ、これらの活物質および結着剤を分散させる溶剤としては、N−メチル−2−ピロリドンなどの有機溶剤を用いることができる。
(セパレータ)
正極と負極との間には、セパレータを挟み込んで配置する。セパレータは、正極と負極とを分離し、電解質を保持するものであり、ポリエチレンやポリプロピレンなどの薄い膜で、微少な孔を多数有する膜を用いることができる。
(非水電解液)
非水電解液は、支持塩としてのリチウム塩を有機溶媒に溶解したものである。
有機溶媒としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネートおよびトリフルオロプロピレンカーボネートなどの環状カーボネート、また、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネートおよびジプロピルカーボネートなどの鎖状カーボネート、さらに、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフランおよびジメトキシエタンなどのエーテル化合物、エチルメチルスルホンやブタンスルトンなどの硫黄化合物、リン酸トリエチルやリン酸トリオクチルなどのリン化合物などから選ばれる1種を単独で、あるいは2種以上を混合して用いることができる。
支持塩としては、LiPF6、LiBF4、LiClO4、LiAsF6、LiN(CF3SO22、およびそれらの複合塩などを用いることができる。
さらに、非水電解液は、ラジカル捕捉剤、界面活性剤および難燃剤などを含んでいてもよい。
(電池の形状、構成)
以上のように説明してきた正極、負極、セパレータおよび非水電解液で構成される本発明の非水電解質二次電池は、円筒形や積層形など、種々の形状にすることができる。
いずれの形状を採る場合であっても、正極および負極を、セパレータを介して積層させて電極体とし、得られた電極体に、非水電解液を含浸させ、正極集電体と外部に通ずる正極端子との間、および、負極集電体と外部に通ずる負極端子との間を、集電用リードなどを用いて接続し、電池ケースに密閉して、非水電解質二次電池を完成させる。
(特性)
本発明の正極活物質を用いた非水電解質二次電池は、その出力特性、特に、0℃〜―30℃という極低温環境下における出力特性を改善することが可能である。具体的には、本発明の正極活物質を用いて、図1に示すような円筒形のリチウムイオン二次電池を構成した場合には、−30℃における出力値を120W以上、好ましくは125W以上とすることができる。また、本発明の正極を用いた非水電解質二次電池は、150mAh/g以上の高い初期放電容量を有し、長期サイクルでも高い容量維持率を有しており、高容量、かつ、高寿命である。また、従来のリチウムコバルト系酸化物またはリチウムニッケル系酸化物の正極活物質との比較においても、熱安定性が高く、安全性においても優れたものである。
以下、本発明について実施例および比較例を参照して詳述する。なお、すべての実施例および比較例を通じて、複合水酸化物、正極活物質および二次電池の作製には、和光純薬工業株式会社製試薬特級の各試料を使用した。
(実施例1)
[晶析工程]
複合水酸化物粒子を公知の晶析技術を用いて作製した。具体的には、反応槽を撹拌しながら、ニッケル、コバルトおよびマンガンの各硫酸塩と、ジルコニウム化合物およびタングステン化合物の混合水溶液と、アンモニウムイオン供給体を含む水溶液を反応槽内に供給し、かつ、反応槽内の反応液を所定のpHに保持するために添加量を調整して水酸化ナトリウム水溶液を供給することにより、反応槽中に、球状の複合水酸化物粒子を晶析させた。得られた複合水酸化物粒子を回収して、水洗後に乾燥させた。
この複合水酸化物粒子について、ICP発光分析分光法により組成分析を行ったところ、その組成は、一般式:(Ni0.33Co0.33Mn0.330.993Zr0.0020.005(OH)2+α(0≦α≦0.5)で表されるものであった。
[熱処理工程]
前記複合水酸化物粒子に対して、大気雰囲気中で、処理温度を150℃とし、12時間加熱する熱処理を行うことにより、熱処理粒子を得た。
[混合工程]
前記熱処理粒子に対して、Li/Me=1.14となるように炭酸リチウムを加えて、シェーカミキサ装置(ウィリー・エ・バッコーフェン(WAB)社製、TURBULA TypeT2C)を用いて、回転数を90rpmとして10分間混合することにより、リチウム混合物を得た。
[焼成工程]
前記リチウム混合物を、空気(酸素:21容量%)気流中にて、保持温度を950℃、室温(30℃)から保持温度までの昇温速度を5℃/分、保持時間を3.63時間として焼成した後、室温まで冷却することにより、リチウム複合酸化物粒子からなる正極活物質を得た。なお、このときの昇温開始から保持終了までの時間は6.70時間であった。
この正極活物質について、ガス吸着法比表面積測定装置(ユアサアイオニクス株式会社製、マルチソーブ)を用いて比表面積を求めたところ、1.1m2/gであった。また、レーザ回折散乱式粒度分布測定装置(日機装株式会社製、マイクロトラックHRA)を用いて平均粒径(MV)を求めたところ、5.5μmであった。さらに、ICP発光分析分光法により組成分析を行ったところ、その組成は、一般式:Li1.14(Ni0.33Co0.33Mn0.330.993Zr0.0020.0052で表されるものであった。
また、X線回折装置(パナリティカル社製、X‘Pert PRO)を用いて、Cu−Kα線による粉末X線回折で分析を行い、この正極活物質の結晶構造が、六方晶の層状結晶リチウムニッケルマンガン複合酸化物単相からなるものであることを確認した。さらに、X線回折パターンの回折ピークの広がりを除き、結晶からの回折による各回折ピークよりFWHM(003)およびFWHM(104)を求めた結果、FWHM(003)は0.060、FWHM(104)は0.122であった。これらの値より、FWHM(003)/FWHM(104)は0.490であった。
[解砕工程]
焼成工程により得られた正極活物質を解砕処理し、比表面積1.4m2/g、平均粒径(MV)5.2μmの正極活物質を得た。
[非水電解質二次電池の製造]
次に、以下の手順にて非水電解質二次電池(リチウムイオン二次電池)を作製した。
(a)正極
得られた正極活物質に、導電材としてのアセチレンブラックと、結着材としてのカルボキシメチルセルロース(CMC)と、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)とを、これらの材料の質量比が88:10:1:1となるように秤量し、上記材料の固形分率が54質量%になるように水系溶媒(イオン交換水)に添加した。次いで、プラネタリミキサで50分間混合し、正極活物質層形成用の水系ペーストを得た。
次に、得られた水系ペーストを、正極集電体となる厚み15μmのアルミニウム箔の両面に、合計塗布量(固形分換算)が9.5g/cm2となるように塗布した。その後、ペースト中の水分を乾燥させた後、ローラプレス機にてシート状に引き伸ばして、層厚(正極集電体の厚みを含む全層厚)を60μmの厚さに調製し、正極活物質層を形成することにより、リチウムイオン二次電池用の正極(正極シート)を作製した。
(b)負極
負極活物質としてのグラファイトと、結着材としてのスチレンブタジエンゴム(SBR)と、カルボキシメチルセルロース(CMC)とを、これら材料の質量比が98:1:1となるように秤量し、上記材料の固形分率が54質量%になるようにイオン交換水と混合して、負極活物質層形成用のペーストを調製した。なお、上記グラファイトとしては、アモルファスカーボンでコーティング処理したものを使用した。
次に、負極集電体となる厚み10μmの銅箔の両面に、前記ペーストの合計塗布量(固形分換算)が9.0g/cm2となるように塗布した。その後、ペースト中の水分を乾燥させた後、ロールプレス機にてシート状に引き伸ばして層厚(負極集電体の厚みを含む全層厚)を60μmの厚さに調製し、負極活物質層を形成することにより、リチウムイオン二次電池用の負極(負極シート)を作製した。
(c)リチウムイオン二次電池
前記正極シート(1)および負極シート(2)を、2枚の多孔性セパレータ(3)とともに積重ね合わせて捲回し、積層方向から押しつぶすことによって電極体(4)を扁平形状に成形した。次に、該電極体を電池ケース(5)に収容し、体積比1:1のエチレンカーボネート(EC)とジメチルカーボネート(DMC)との混合溶媒に、1mol/Lの濃度で支持塩LiPF6を溶解した電解質を注入した。その後、正極集電体および負極集電体と外部に通ずる各端子との間を、集電用リードなどを用いてそれぞれ接続し、電池ケース(5)を密閉してリチウムイオン二次電池(6)を作製した(図1参照)。さらに、コンディショニング処理として2Aの定電流で4.1Vまで充電することにより、試験用リチウムイオン二次電池を構築した。
[電池評価]
上記リチウムイオン二次電池の低温条件下における出力特性を以下の方法により評価した。25℃の温度条件下、3.0Vまでの定電流放電後、定電流定電圧で充電を行って、SOC(State of Charge)40%に調整した。その後、−30℃にて適宜電流を変化させ、放電開始から2秒後の電圧を測定し、サンプル電池のI−V特性グラフを作成した。放電カット電圧は2.0Vとした。このI−V特性グラフから出力値(W)を求めた。
正極活物質の製造条件を表1に、得られた正極活物質および非水電解質二次電池の特性を表2にそれぞれ示す。
(実施例2)
混合工程において、Li/M=1.16となるように炭酸リチウムと混合したこと、焼成工程において、保持温度を898℃、室温(30℃)から保持温度までの昇温速度を4℃/分、保持時間を3.01時間として焼成したこと以外は、実施例1と同様にして、正極活物質を得るとともに、その評価を行った。なお、このときの昇温開始から保持終了までの時間は6.63時間であった。
得られた正極活物質の組成は、一般式:Li1.16(Ni0.33Co0.33Mn0.330.993Zr0.0020.0052で表されるものであった。その後、実施例1と同様にして、この正極活物質を用いてリチウムイオン二次電池を作製するとともに、その評価を行った。
正極活物質の製造条件を表1に、得られた正極活物質および非水電解質二次電池の特性を表2にそれぞれ示す。
(実施例3)
焼成工程において、保持温度を898℃、室温(30℃)から保持温度までの昇温速度を6℃/分、保持時間を4.41時間として焼成したこと以外は、実施例1と同様にして、正極活物質を得るとともに、その評価を行った。なお、このときの昇温開始から保持終了までの時間は6.81時間であった。
得られた正極活物質の組成は、一般式:Li1.14(Ni0.33Co0.33Mn0.330.993Zr0.0020.0052で表されるものであった。その後、実施例1と同様にして、この正極活物質を用いてリチウムイオン二次電池を作製するとともに、その評価を行った。
正極活物質の製造条件を表1に、得られた正極活物質および非水電解質二次電池の特性を表2にそれぞれ示す。
(実施例4)
混合工程において、Li/M=1.16となるように炭酸リチウムと混合したこと、焼成工程において、保持温度を932℃、室温(30℃)から保持温度までの昇温速度を4℃/分、保持時間を3.13時間として焼成したこと以外は、実施例1と同様にして、正極活物質を得るとともに、その評価を行った。なお、このときの昇温開始から保持終了までの時間は6.89時間であった。
得られた正極活物質の組成は、一般式:Li1.16(Ni0.33Co0.33Mn0.330.993Zr0.0020.0052で表されるものであった。その後、実施例1と同様にして、この正極活物質を用いてリチウムイオン二次電池を作製するとともに、その評価を行った。
正極活物質の製造条件を表1に、得られた正極活物質および非水電解質二次電池の特性を表2にそれぞれ示す。
(実施例5)
混合工程において、Li/M=1.13となるように炭酸リチウムと混合したこと、焼成工程において、保持温度を932℃、室温(30℃)から保持温度までの昇温速度を5℃/分、保持時間を4.11時間として焼成したこと以外は、実施例1と同様にして、正極活物質を得るとともに、その評価を行った。なお、このときの昇温開始から保持終了までの時間は7.12時間であった。
得られた正極活物質の組成は、一般式:Li1.13(Ni0.33Co0.33Mn0.330.993Zr0.0020.0052で表されるものであった。その後、実施例1と同様にして、この正極活物質を用いてリチウムイオン二次電池を作製するとともに、その評価を行った。
正極活物質の製造条件を表1に、得られた正極活物質および非水電解質二次電池の特性を表2にそれぞれ示す。
(実施例6)
焼成工程において、保持温度を800℃、室温(30℃)から保持温度までの昇温速度を5℃/分、保持時間を4.67時間として焼成したこと以外は、実施例1と同様にして、正極活物質を得るとともに、その評価を行った。なお、このときの昇温開始から保持終了までの時間は7.24時間であった。
得られた正極活物質の組成は、一般式:Li1.14(Ni0.33Co0.33Mn0.330.993Zr0.0020.0052で表されるものであった。その後、実施例1と同様にして、この正極活物質を用いてリチウムイオン二次電池を作製するとともに、その評価を行った。
正極活物質の製造条件を表1に、得られた正極活物質および非水電解質二次電池の特性を表2にそれぞれ示す。
(実施例7)
焼成工程において、保持温度を830℃、室温(30℃)から保持温度までの昇温速度を2℃/分、保持時間を1.29時間として焼成したこと以外は、実施例1と同様にして、正極活物質を得るとともに、その評価を行った。なお、このときの昇温開始から保持終了までの時間は7.96時間であった。
得られた正極活物質の組成は、一般式:Li1.14(Ni0.33Co0.33Mn0.330.993Zr0.0020.0052で表されるものであった。その後、実施例1と同様にして、この正極活物質を用いてリチウムイオン二次電池を作製するとともに、その評価を行った。
正極活物質の製造条件を表1に、得られた正極活物質および非水電解質二次電池の特性を表2にそれぞれ示す。
(実施例8)
焼成工程において、保持温度を980℃、室温(30℃)から保持温度までの昇温速度を10℃/分、保持時間を2.27時間として焼成したこと以外は、実施例1と同様にして、正極活物質を得るとともに、その評価を行った。なお、このときの昇温開始から保持終了までの時間は3.85時間であった。
得られた正極活物質の組成は、一般式:Li1.14(Ni0.33Co0.33Mn0.330.993Zr0.0020.0052で表されるものであった。その後、実施例1と同様にして、この正極活物質を用いてリチウムイオン二次電池を作製するとともに、その評価を行った。
正極活物質の製造条件を表1に、得られた正極活物質および非水電解質二次電池の特性を表2にそれぞれ示す。
(実施例9)
焼成工程において、保持温度を898℃、室温(30℃)から保持温度までの昇温速度を8℃/分、保持時間を1.19時間として焼成したこと以外は、実施例1と同様にして、正極活物質を得るとともに、その評価を行った。なお、このときの昇温開始から保持終了までの時間は3.00時間であった。
得られた正極活物質の組成は、一般式:Li1.14(Ni0.33Co0.33Mn0.330.993Zr0.0020.0052で表されるものであった。その後、実施例1と同様にして、この正極活物質を用いてリチウムイオン二次電池を作製するとともに、その評価を行った。
正極活物質の製造条件を表1に、得られた正極活物質および非水電解質二次電池の特性を表2にそれぞれ示す。
(比較例1)
混合工程において、Li/M=1.12となるように炭酸リチウムと混合したこと、焼成工程において、保持温度を932℃、室温(30℃)から760℃までの昇温速度を2.5℃/分、760℃〜932℃までの昇温速度を3℃/分とし、保持時間を11.73時間として焼成したこと以外は、実施例1と同様にして、正極活物質を得るとともに、その評価を行った。なお、このときの30℃〜932℃までの平均昇温速度は2.58℃/分であり、昇温開始から保持終了までの時間は17.55時間であった。
得られた正極活物質の組成は、一般式:Li1.12(Ni0.33Co0.33Mn0.330.993Zr0.0020.0052で表されるものであった。その後、実施例1と同様にして、この正極活物質を用いてリチウムイオン二次電池を作製するとともに、その評価を行った。
正極活物質の製造条件を表1に、得られた正極活物質および非水電解質二次電池の特性を表2にそれぞれ示す。
(比較例2)
焼成工程において、保持温度を850℃、室温(30℃)から保持温度までの昇温速度を8℃/分、保持時間を1.10時間として焼成したこと以外は、実施例1と同様にして、正極活物質を得るとともに、その評価を行った。なお、このときの昇温開始から保持終了までの時間は2.81時間であった。
得られた正極活物質の組成は、一般式:Li1.14(Ni0.33Co0.33Mn0.330.993Zr0.0020.0052で表されるものであった。その後、実施例1と同様にして、この正極活物質を用いてリチウムイオン二次電池を作製するとともに、その評価を行った。
正極活物質の製造条件を表1に、得られた正極活物質および非水電解質二次電池の特性を表2にそれぞれ示す。
(比較例3)
焼成工程において、保持温度を850℃、室温(30℃)から保持温度までの昇温速度を3℃/分、保持時間を5.28時間として焼成したこと以外は、実施例1と同様にして、正極活物質を得るとともに、その評価を行った。なお、このときの昇温開始から保持終了までの時間は9.84時間であった。
得られた正極活物質の組成は、一般式:Li1.14(Ni0.33Co0.33Mn0.330.993Zr0.0020.0052で表されるものであった。その後、実施例1と同様にして、この正極活物質を用いてリチウムイオン二次電池を作製するとともに、その評価を行った。
正極活物質の製造条件を表1に、得られた正極活物質および非水電解質二次電池の特性を表2にそれぞれ示す。
(比較例4)
焼成工程において、保持温度を950℃、室温(30℃)から保持温度までの昇温速度を12℃/分、保持時間お3.31時間として焼成したこと以外は、実施例1と同様にして、正極活物質を得るとともに、その評価を行った。なお、このときの昇温開始から保持終了までの時間は4.59時間であった。
得られた正極活物質の組成は、一般式:Li1.14(Ni0.33Co0.33Mn0.330.993Zr0.0020.0052で表されるものであった。その後、実施例1と同様にして、この正極活物質を用いてリチウムイオン二次電池を作製するとともに、その評価を行った。
正極活物質の製造条件を表1に、得られた正極活物質および非水電解質二次電池の特性を表2にそれぞれ示す。
(比較例5)
焼成工程において、保持温度を1050℃、室温(30℃)から保持温度までの昇温速度を4℃/分、保持時間を0.83時間として焼成したこと以外は、実施例1と同様にして、正極活物質を得るとともに、その評価を行った。なお、このときの昇温開始から保持終了までの時間は5.08時間であった。
得られた正極活物質の組成は、一般式:Li1.14(Ni0.33Co0.33Mn0.330.993Zr0.0020.0052で表されるものであった。その後、実施例1と同様にして、この正極活物質を用いてリチウムイオン二次電池を作製するとともに、その評価を行った。
正極活物質の製造条件を表1に、得られた正極活物質および非水電解質二次電池の特性を表2にそれぞれ示す。
(比較例6)
焼成工程において、保持温度を780℃、室温(30℃)から保持温度までの昇温速度を2℃/分、保持時間を2.50時間として焼成したこと以外は、実施例1と同様にして、正極活物質を得るとともに、その評価を行った。なお、このときの昇温開始から保持終了までの時間は8.75時間であった。
得られた正極活物質の組成は、一般式:Li1.14(Ni0.33Co0.33Mn0.330.993Zr0.0020.0052で表されるものであった。その後、実施例1と同様にして、この正極活物質を用いてリチウムイオン二次電池を作製するとともに、その評価を行った。
正極活物質の製造条件を表1に、得られた正極活物質および非水電解質二次電池の特性を表2にそれぞれ示す。
(比較例7)
焼成工程において、保持温度を832℃、室温(30℃)から保持温度までの昇温速度を1.5℃/分、保持時間を1.76時間として焼成したこと以外は、実施例1と同様にして、正極活物質を得るとともに、その評価を行った。なお、このときの昇温開始から保持終了までの時間は10.67時間であった。
得られた正極活物質の組成は、一般式:Li1.14(Ni0.33Co0.33Mn0.330.993Zr0.0020.0052で表されるものであった。その後、実施例1と同様にして、この正極活物質を用いてリチウムイオン二次電池を作製するとともに、その評価を行った。
正極活物質の製造条件を表1に、得られた正極活物質および非水電解質二次電池の特性を表2にそれぞれ示す。
(比較例8)
焼成工程において、保持温度を980℃、室温(30℃)から保持温度までの昇温速度を1.5℃/分、保持時間を2.50時間として焼成したこと以外は、実施例1と同様にして、正極活物質を得るとともに、その評価を行った。なお、このときの昇温開始から保持終了までの時間は13.06時間であった。
得られた正極活物質の組成は、一般式:Li1.14(Ni0.33Co0.33Mn0.330.993Zr0.0020.0052で表されるものであった。その後、実施例1と同様にして、この正極活物質を用いてリチウムイオン二次電池を作製するとともに、その評価を行った。
正極活物質の製造条件を表1に、得られた正極活物質および非水電解質二次電池の特性を表2にそれぞれ示す。
(比較例9)
焼成工程において、保持温度を830℃、室温(30℃)から保持温度までの昇温速度を11℃/分、保持時間を1.50時間として焼成したこと以外は、実施例1と同様にして、正極活物質を得るとともに、その評価を行った。なお、このときの昇温開始から保持終了までの時間は2.71時間であった。
得られた正極活物質の組成は、一般式:Li1.14(Ni0.33Co0.33Mn0.330.993Zr0.0020.0052で表されるものであった。その後、実施例1と同様にして、この正極活物質を用いてリチウムイオン二次電池を作製するとともに、その評価を行った。
正極活物質の製造条件を表1に、得られた正極活物質および非水電解質二次電池の特性を表2にそれぞれ示す。
Figure 2015026456
Figure 2015026456
表1に示した結果より、実施例1〜9は、昇温速度、保持温度、保持時間および昇温開始から保持終了までの時間のいずれもが、本発明の範囲内のものであったため、FWHM(003)、FWHM(104)およびFWHM(003)/FWHM(104)のいずれもが所望の範囲にあり、高い出力特性を示した。
これに対して、比較例1は、保持時間および昇温開始から保持終了までの時間が本発明の範囲を超える例であり、c軸と直交する方向への結晶成長が進行し、FWHM(104)が0.30を超え、かつ、FWHM(003)/FWHM(104)が0.520を超えたため、出力特性を向上させることができなかった。
比較例2は、昇温開始から保持終了までの時間が本発明の範囲未満の例であり、熱処理粒子とリチウム化合物が十分に反応できず、正極活物質の結晶性が十分なものとはならなかったため、出力特性を向上させることができなかった。
比較例3は、比較例1と同様に、保持時間および昇温開始から保持終了までの時間が本発明の範囲を超える例であり、FWHM(003)/FWHM(104)が0.520を超えたため、出力特性を向上させることができなかった。
比較例4は、昇温速度が本発明の範囲を超える例であり、複合水酸化粒子とリチウム化合物の反応が不均一となったため、正極活物質の結晶性が十分なものとはならなかったため、出力特性を向上させることができなかった。
比較例5は、保持温度が本発明の範囲を超える例であり、c軸と直交する方向への結晶成長が進行し、FWHM(104)が0.10未満となり、かつ、FWHM(003)/FWHM(104)が0.520を超えたため、出力特性を向上させることができなかった。
比較例6は、保持温度が本発明の範囲未満の例であり、熱処理粒子とリチウム化合物との反応が十分に進行せず、正極活物質の結晶性が十分なものとはならなかったため、出力特性を向上させることができなかった。
比較例7は、30℃〜800℃の温度域における昇温速度が本発明の範囲未満の例であり、昇温中に、熱処理粒子とリチウム化合物の反応が進行し、c軸と直交する方向への結晶成長も進行し、FWHM(003)/FWHM(104)の値が0.520を超えたため、出力特性を向上させることができなかった。
比較例8は、30℃〜800℃の温度域における昇温速度が本発明の範囲未満であり、焼成温度も比較例7より高かったため、FWHM(003)/FWHM(104)の値が0.520を超えるとともに、FWHM(003)およびFWHM(104)も本発明の範囲未満となり、出力特性を向上させることができなかった。
比較例9は、30℃〜800℃の温度域における昇温速度が本発明の範囲を超え、昇温開始から保持終了までの時間が本発明の範囲未満のため、結晶成長が十分でなく、FWHM(003)/FWHM(104)が0.300未満となるとともに、FWHM(003)/FWHM(104)が本発明の範囲を超え、出力特性を向上させることができなかった。
本発明によれば、極低温環境であっても優れた出力特性を有する非水電解質二次電池用正極活物質を、工業的な製造方法で、効率よく得ることができる。この非水電解質二次電池は、常に、高出力を要求されるノート型パーソナルコンピュータや携帯電話端末などの小型携帯電子機器の電源として好適に使用することができる。
また、本発明の非水電解質二次電池によれば、低温環境下においても高い出力を発揮することができるため、電気自動車用電源のみならず、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンなどの燃焼機関と併用する、いわゆるハイブリッド自動車用の電源としても、好適に用いることができる。
1 正極シート
2 負極シート
3 多孔性セパレータ
4 電極体
5 電池ケース
6 リチウムイオン二次電池

Claims (9)

  1. 一般式:NixCoyMnzt(OH)2+α(x+y+z+t=1、0.3≦x≦0.7、0.1≦y≦0.4、0.1≦z≦0.4、0.0003≦t≦0.05、Mは、Mg、Ca、Al、Ti、V、Cr、Zr、Nb、Mo、Hf、Ta、Wから選択される1種以上の元素)で表されるニッケルコバルトマンガン複合水酸化物粒子に、該ニッケルコバルトマンガン複合水酸化物粒子を構成する金属元素の原子数の合計に対する、リチウムの原子数の比が0.95〜1.20となるようにリチウム化合物を混合して、リチウム混合物を得る混合工程と、
    酸化性雰囲気中で、少なくとも30℃〜800℃の温度域における昇温速度を2℃/分〜10℃/分とするとともに、保持温度を800℃〜1000℃として、この保持温度での保持時間を1時間〜5時間とし、かつ、昇温開始から保持終了までの時間を3時間〜8時間とする条件により、前記リチウム混合物を焼成する焼成工程と
    を備える、非水電解質二次電池用正極活物質の製造方法。
  2. 前記酸化性雰囲気における酸素濃度が18容量%〜100容量%である、請求項1に記載の非水電解質二次電池用正極活物質の製造方法。
  3. 前記混合工程の前に、前記ニッケルコバルトマンガン複合水酸化物粒子を105℃〜400℃で熱処理する熱処理工程を備える、請求項1または2に記載の非水電解質二次電池用正極活物質の製造方法。
  4. 前記焼成工程で得られたリチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物粒子を解砕する解砕工程を備える、請求項1〜3のいずれかに記載の非水電解質二次電池用正極活物質の製造方法。
  5. 一般式:Li1+sNixCoyMnzt2(−0.05≦s≦0.20、x+y+z+t=1、0.3≦x≦0.7、0.1≦y≦0.4、0.1≦z≦0.4、0.0003≦t≦0.05、Mは、Ca、Mg、Al、Ti、V、Cr、Zr、Nb、Mo、Hf、Ta、Wから選択される1種以上の元素)で表され、一次粒子が複数凝集した二次粒子で構成された層状構造を有する六方晶系リチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物粒子からなり、かつ、CuKα線を使用した粉末X線回折において、ミラー指数(hkl)における(104)面での回折ピークの半価幅に対する、(003)面での回折ピークの半価幅の比が0.300以上0.520以下である、非水電解質二次電池用正極活物質。
  6. 前記リチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物粒子の(003)面での回折ピークの半価幅が0.05°〜0.10°であり、かつ、(104)面での回折ピークの半価幅が0.10°〜0.30°である、請求項6に記載の非水電解質二次電池用正極活物質。
  7. 前記リチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物粒子の平均粒径が3μm〜20μmである、請求項1または2に記載の非水電解質二次電池用正極活物質。
  8. 前記リチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物粒子の比表面積が0.3m2/g〜2.5m2/gである、請求項5〜7のいずれかに記載の非水電解質二次電池用正極活物質。
  9. 正極と、負極と、セパレータと、非水電解質とを備え、前記正極の正極活物質として、請求項1〜4のいずれかに記載の非水電解質二次電池用正極活物質が用いられている非水電解質二次電池。
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