JP2015025048A - 高カロリーガスの製造方法および装置 - Google Patents

高カロリーガスの製造方法および装置 Download PDF

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Abstract

【課題】比較的低い温度で、高い一酸化炭素転化率を得るとともに、その高い転化率を長期にわたって得ることができる高カロリーガスの製造方法を提供する。
【解決手段】高カロリーガス製造用触媒が収納された触媒反応部1に、少なくとも水素および一酸化炭素を含有する原料ガスを供給して、触媒反応部1で、低級飽和炭化水素化合物を主成分とする高カロリーガスを製造する触媒反応工程を行う、高カロリーガスの製造方法であって、触媒反応工程と、触媒反応部1に再生用ガスを接触させて高カロリーガス製造用触媒の触媒反応活性を回復させる再生工程とを行う。前記高カロリーガス製造用触媒が、前記金属酸化物担体に、まず鉄を担持させ、その後、ルテニウムを担持させて得られたものである
【選択図】図1

Description

本発明は、少なくとも水素および一酸化炭素を含む原料ガスから、一般に都市ガスとして利用されるメタンよりも高カロリーのガスを製造する技術に関し、より具体的には、高カロリーガス製造用触媒が収納された触媒反応部に、少なくとも水素および一酸化炭素を含む原料ガスを供給して、前記触媒反応部で、低級飽和炭化水素化合物を主成分とする高カロリーガス(本発明では、メタンと、メタン以外に炭素数2〜4の飽和炭化水素ガスのうち少なくとも1つを主成分の1つとして含む燃料ガスのことを高カロリーガスと称する)を製造する触媒反応工程を行う、高カロリーガスの製造方法および装置に関する。
現在都市ガスとして供給されている燃料ガスは、発熱量が45MJ/m3(0℃,1気圧における体積、以下同様)程度となるように、メタンを主成分とする天然ガスに、ブタン等の液化石油ガスを混合した高カロリーガスが用いられている。都市ガスの原料は、液化天然ガス(LNG)が主体であるが、近年、LNGの需要増大に対応すべく、ナフサ等のスチームリフォーミングとメタネーションで得られる代替天然ガス(SNG)の研究開発が行われている。
一般的なSNGは、ナフサ、石炭、オイルサンド等をガス化して得られる少なくとも水素および一酸化炭素を含む混合ガスを原料として、ニッケル系の触媒により合成されている。この反応は、化1に示す(1)、(2)の反応により進行するものである。しかし、このようにして合成されるSNGは、主成分がメタン(n=1)と二酸化炭素であって、そのままではカロリーが低く(純粋にメタン100%と換算しても39.8MJ/m3である)、そのため、ブタン等の液化石油ガスを混合し、カロリー調整して燃料ガスとして利用しなければならないという実情がある。また、SNGは、不活性ガスの除去等の精製工程をしなければ燃料ガスとして供給できない不都合もあり、精製工程、カロリー調整工程等の後工程が必要になることによる製造プロセスの複雑化が実用化の問題点となっていた。
〔化1〕
nCO+(2n+1)H2→Cn2n+2+nH2O ・・(1)
CO+H2O→CO2+H2 ・・・・・・・・・・・(2)
そこで、メタン以外の低級飽和炭化水素ガス成分を含む高カロリーガスを製造する技術として種々の方法(主に触媒の改良)が研究開発されている。
例えば、出願人は、特許文献1で、アルミナ、チタニア等の担体に、鉄、ルテニウムを担持させて構成された鉄−ルテニウム系触媒を形成し、この鉄−ルテニウム系触媒を用いて水素および一酸化炭素を含む原料ガスから、一酸化炭素転化率が高く、メタンに加えて、メタン以外の低級飽和炭化水素ガス成分を高濃度に含有する高カロリーガスを、比較的低い反応温度で生成することができる高カロリーガスの製造方法を提案している。
この特許文献1では、高カロリーガスの製造に際して、担体に鉄およびルテニウムを担持した鉄−ルテニウム系触媒を採用することを提案している。
特開2010−149109号公報
高カロリーガスの製造に際しては、一酸化炭素転化率が高いこと、得られるガスの換算発熱量が高いことが必要とされるが、本発明者らは、上記構成の高カロリーガスの製造方法では、高カロリーガス製造用触媒の一酸化炭素の転化率が経時的に低下してしまう場合があり、高い転化率を長期に維持することが困難となる場合があることを見出した。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、高い一酸化炭素転化率を長期にわたって得ることができる高カロリーガスの製造方法を提供することにある。
〔構成1〕
上記目的を達成するための本発明にかかる高カロリーガスの製造方法の特徴構成は、
高カロリーガス製造用触媒が収納された触媒反応部に、少なくとも水素および一酸化炭素を含有する原料ガスを供給して、前記触媒反応部で、低級飽和炭化水素化合物を主成分とする高カロリーガスを製造する触媒反応工程を行う、高カロリーガスの製造方法であって、
前記触媒反応工程の途中で、前記触媒反応部に再生用ガスとしての水素含有ガスを接触させて、前記高カロリーガス製造用触媒の触媒反応活性を回復させる再生工程を少なくとも1回行う点にある。
〔作用効果1〕
本発明者らは、鋭意研究の結果、高カロリーガス製造用触媒の一酸化炭素の転化率が経時的に低下する現象は、高カロリーガス製造用触媒の表面に炭素含有成分等が付着し、高カロリーガス製造用触媒の活性点を覆ってしまうことが原因の一つではないかと推定するに至った。そして、このような炭素含有成分等を除去することによって高カロリーガス製造用触媒の活性を回復させることができるものと考え、前記触媒反応部に再生用ガスとしての水素含有ガスを接触させることによって、前記高カロリーガス製造用触媒の触媒反応活性を回復させる再生工程を行えることを見出した。すなわち、前記触媒反応工程において徐々に活性の低下した高カロリーガス製造用触媒に、再生用ガスとしての水素含有ガスを接触させる再生工程を行うことにより、高カロリーガス製造用触媒は、触媒反応活性を回復するため、前記高カロリーガス製造用触媒の高い活性を、長期にわたって得ることができるようになることが分かった。
〔構成2〕
また、前記触媒反応工程において、前記高カロリーガス製造用触媒の活性が所定割合まで低下したときに前記触媒反応工程から前記再生工程に切り替えることができる。
〔作用効果2〕
このように切り替えることにより、前記触媒反応活性は、前記所定割合未満には低下せず、高く維持できる。
なお、再生工程により、前記触媒反応活性が、初期の活性に近いところまで回復されることが理想的ではあるが、前記所定割合よりも高い側の設定割合まで回復させることにより、簡便かつ効率の良い運転が可能となる。ここで、所定割合という場合、初期の高カロリーガス製造用触媒の活性を基準とした割合を想定しているが、その都度回復した高カロリーガス製造用触媒の活性を基準とした割合として設定することもできる。その場合でも、触媒の活性が低下して使用に適さなくなるまでの期間を延長することができる。
〔構成3〕
また、前記再生用ガスは、一酸化炭素を実質的に含有せずに、少なくとも水素を含有するガスとすることができる。
〔作用効果3〕
再生用ガスとしては、水素含有ガスを用いることで、炭素含有成分等を除去可能となり、高カロリーガス製造用触媒の活性を回復させることができるが、このような再生工程は、比較的低濃度の水素を含んだ水素含有ガスでも十分に再生工程を進行させることができ、水素以外のガスとして再生工程を妨げる成分が実質的に含まれないことが望まれている。そこで、例えば、一酸化炭素を実質的に含有しない水素ガスと不活性ガスの混合ガス等を再生用ガスとすることにより、十分かつ効率的に再生工程を行うことができる。
〔構成4〕
また、前記高カロリーガス製造用触媒が金属酸化物担体に鉄とルテニウムとを担持したものとすることができる。
〔作用効果4〕
高カロリーガス製造用触媒が鉄とルテニウムとが金属酸化物担体に担持されている鉄・ルテニウム担持触媒であると、鉄とルテニウムとの協働により、一酸化炭素の転化率が高く、メタンに加えて炭素数2〜4程度の低級飽和炭化水素ガス含有率が高い、本願が目的とする高カロリーガスを製造することができる。
〔構成5〕
また、前記高カロリーガス製造用触媒が、前記金属酸化物担体に、まず鉄を担持させ、その後、ルテニウムを担持させて得られたものとすることができる。
〔作用効果5〕
金属酸化物担体に、まず鉄を担持してその後ルテニウムを担持することにより、担持されたルテニウムどうしは、ルテニウムどうしの間に鉄が存在する構成をとりやすい。したがって、ルテニウムの分散度を高く維持して、高い触媒反応活性を発揮し、上記高カロリーガスの製造方法に好適に用いられるものとすることができる。
〔構成6〕
また、前記高カロリーガス製造用触媒は、前記ルテニウムが金属酸化物担体に担持されたのち、湿式還元されたものとすることができる。
〔作用効果6〕
担体にルテニウムを含浸担持させた後、湿式還元を施して触媒を形成すると、得られるルテニウムは微細な粒子となるので、高い分散度をもって担体上に分散担持されることになり、高カロリーガスを製造する触媒として有用なものとなる。つまり、ルテニウムの分散度が高いほど、触媒反応において高活性となり得る活性点が多く存在することとなる。
〔構成7〕
また、前記再生工程を50℃以上500℃以下の温度域で行うことができる。
〔作用効果7〕
前記再生工程は、低温では効率よく進行せず、高温ではエネルギーのロスが大きいこと、高カロリーガス製造用触媒のシンタリング等による反応性の低下(劣化)が進行しやすいことなどから、50℃以上500℃以下で行うことが好ましい。
〔構成8〕
また、本発明の高カロリーガスの製造装置の特徴構成は、
高カロリーガス製造用触媒が収納された触媒反応部を備え、
前記触媒反応部に少なくとも水素および一酸化炭素を含有する原料ガスを供給する原料ガス供給部を備えるとともに、
前記触媒反応部で生成した高カロリーガスを取り出す生成ガス路を備えた高カロリーガス製造装置であって、
前記触媒反応部に再生用ガスとしての水素含有ガスを供給する再生用ガス供給部を前記原料ガス供給部とは別途備えるとともに、
前記触媒反応部に前記原料ガス供給部から、前記原料ガスを供給して行う触媒反応工程と、
前記再生用ガス供給部から前記触媒反応部に、前記再生用ガスを供給して行う再生工程と
を切り替える切替制御部を備えた点にある。
〔作用効果8〕
上記構成を備えた高カロリーガスの製造装置は、前記触媒反応部に原料ガス供給部から原料ガスを供給することにより触媒反応工程を行うとともに、生成ガス路より生成した高カロリーガスを取り出すことができる。
このとき、高カロリーガス製造用触媒の一酸化炭素の転化率が経時的に低下する現象が現れた場合、再生用ガス供給部から前記触媒反応部に再生用ガスとしての水素含有ガスを供給することができ、再生工程を行うことができる。
したがって、比較的低い温度で、高い一酸化炭素転化率(CO転化率)を得るとともに、その高い転化率を長期にわたって得ることができるようになった。
高カロリーガス製造装置の概略図 実施形態における触媒のCO転化率(活性)の推移を示すグラフ
以下に、本発明の高カロリーガスの製造方法および装置を説明する。なお、以下に好適な実施形態を記すが、これらの実施形態はそれぞれ、本発明をより具体的に例示するために記載されたものであって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々変更が可能であり、本発明は、以下の記載に限定されるものではない。
(高カロリーガスの製造装置)
本発明の高カロリーガスの製造装置は、高カロリーガス製造用触媒により構成される高カロリーガス製造用触媒層1aが収納された触媒反応部1を備え、
前記触媒反応部1に少なくとも水素および一酸化炭素を含有する原料ガスを供給する原料ガス供給部2を備えるとともに、
触媒反応部1で生成した高カロリーガスを取り出す生成ガス路3を備え、
前記触媒反応部1に少なくとも水素を含む再生用ガスを供給する再生用ガス供給部4を前記原料ガス供給部2とは別途備え、
前記触媒反応部1に前記原料ガス供給部2から、前記原料ガスを供給して行う触媒反応工程と、
前記再生用ガス供給部4から前記触媒反応部1に、再生用ガスとしての少なくとも水素を含む再生用ガスを供給して行う再生工程と
を切り替える切替制御部5aを有する制御装置5を設けてある。
前記切替制御部5aは切替弁を制御して、触媒反応工程時には、前記触媒反応部1に前記原料ガス供給部2から、前記原料ガスを供給するとともに、再生工程時には、前記再生用ガス供給部4から前記触媒反応部1に、再生用ガスを供給するように流路を切り替える。
また、前記生成ガス路3には、例えば、ガスクロマトグラフなどの、生成ガスの性状を分析する分析部3aを設けてある。
さらに、前記触媒反応部1を温度制御できるように、温度調整装置6を設けてある。また、前記制御装置5は、前記温度調整装置6を制御して前記触媒反応部の温度を制御する温度制御部5bを備える。
なお、前記触媒反応部1には、前記高カロリーガス製造用触媒層1aを貫通してさや管7を内挿して設け、そのさや管7内部に熱電対などの温度センサ7aを設けることができる。これにより、前記制御装置5は、温度センサ7aで検出される温度に基づき前記温度調整装置6による高カロリーガス製造用触媒層1aの温度制御を行うことができる。
また、図1の構成の場合、生成ガス路3には、生成した高カロリーガスを冷却する冷却部8が設けられており、前記冷却部は冷却器8aおよびドレントラップ8bを備えることができる。このような構成により、生成ガス中に含まれる水蒸気を除去した高カロリーガスを得られる。また、生成ガス路3には、生成ガス路3を分岐して再生工程における排ガスを排出する再生ガス排ガス路9を設けることもできる。前記切替制御部5aは、触媒反応工程と再生工程とを切り替える際に、触媒反応工程では生成した高カロリーガスを、生成ガス路3を通じて排出させるとともに、再生工程では、前記高カロリーガス製造用触媒の再生を終えた再生用ガスを、再生ガス排ガス路9を介して排出するように流路を切り替えることもできる。これにより、高カロリーガス製造用触媒により構成される高カロリーガス製造用触媒層1aを前記触媒反応部1に収容して運用することで、触媒反応工程と再生工程とを切り替えることができる。
(高カロリーガス製造用触媒)
まず、所定濃度の鉄含有水溶液(例えば、塩化鉄水溶液や硝酸鉄水溶液など)を金属酸化物担体としてのチタニア担体に含浸させ、チタニア担体に鉄を担持させた。この鉄担持チタニアに、所定濃度の塩化ルテニウム水溶液を含浸させた。その後、ヒドラジン水溶液を用いて湿式還元処理を行い、高カロリーガス製造用触媒として鉄−ルテニウム担持チタニアを得た。
ここで、高カロリーガス製造用触媒における、鉄、ルテニウムの担持量は、各水溶液の濃度と、その水溶液の含浸量より、任意に設定できるが、以下の本実施形態に示す試験では、高カロリーガス製造用触媒層1aを構成する高カロリーガス製造用触媒として、直径2〜4mmの球状のチタニア担体を用い、鉄の含有率(担持量)が2質量%、ルテニウムの含有率(担持量)が2質量%である鉄−ルテニウム担持チタニアを用いた。
なお、以下の本実施形態に示す試験で用いた高カロリーガス製造用触媒では、金属酸化物担体としてチタニアを用いているが、チタニアのほか、シリカ、アルミナ、ジルコニア、シリカアルミナ等の金属酸化物を用いることもできる。
なお、前記高カロリーガス製造用触媒に担持させる鉄の担持量は0.5質量%〜10質量%とすることが好ましい。これは、鉄の担持量が0.5質量%より少ないと、生成ガス中に含まれる炭素数2〜4程度の低級飽和炭化水素ガス含有率を充分高くすることができず、鉄の担持量が10質量%を超えると、高カロリーガス製造用触媒全体としての活性が低下する傾向が見られるためである。
また、前記高カロリーガス製造用触媒に担持させるルテニウムの担持量については、以下のような傾向がある。つまり、ルテニウムの担持量が、1質量%よりも少ないと、高カロリーガス製造用触媒全体として、触媒活性点が少なくなり(活性が低くなり)、反応が進行しにくくなる。そのため、前記高カロリーガス製造用触媒を用いた反応は、温度を高くせざるを得なくなり、エネルギー効率が低下するとともに、反応温度の上昇に伴って、生成ガス中のメタンガス選択性が上昇してしまう。その結果、充分高カロリーのガスが得られにくくなる傾向となる。また、8質量%よりも多いと、ルテニウム自体のメタン生成活性が優勢に過ぎ、やはり、生成ガス中のメタンガス選択性が上昇してしまい、充分高カロリーのガスが得られにくくなる傾向がある。これらの理由により、ルテニウムの担持量は、1質量%〜8質量%とすることが好ましい。
なお、本願における鉄およびルテニウムの質量割合を示す「質量%」は、触媒全質量に対する鉄あるいはルテニウムの成分割合を示している。
(高カロリーガス製造試験)
本実施形態にかかる高カロリーガス製造試験は、触媒使用前水素処理工程と触媒反応工程と再生工程とから構成され、高カロリーガス製造用触媒により構成される高カロリーガス製造用触媒層1aが収納された触媒反応部1に、少なくとも水素および一酸化炭素を含有する原料ガスを供給して、前記触媒反応部1で、低級飽和炭化水素化合物を主成分とする高カロリーガスを製造する触媒反応工程と、前記触媒反応部1に少なくとも水素を含む再生用ガスを接触させて、前記高カロリーガス製造用触媒の触媒反応活性を回復させる再生工程とを行う。以下の本実施形態に示す試験においては、前記触媒反応部1は、有効内径16mmのSUS製チューブ状の反応容器とし、チューブ状の反応容器中心部に外径6mmのSUS製さや管7を設置し、さや管7内部に温度センサ7aとしての熱電対を挿入して、触媒層入口部高さ付近の温度を検出し、その検出温度に基づいて触媒層の温度を制御するように構成した。また、以下の本実施形態に示す試験では、上記得られた高カロリーガス製造用触媒を触媒反応部1に2ml充填して用いた。
(触媒使用前水素処理工程)
触媒使用前水素処理工程では、水素を10%含有する窒素ガスを水素含有ガスとして前記触媒反応部1に200cc/分の流量で流しながら、触媒層の温度制御を350℃で行い、1時間、高カロリーガス製造用触媒の触媒使用前水素処理を行った。
ここで触媒使用前水素処理工程で用いる水素含有ガスは、このように、水素と窒素との混合ガスとすることで水素の消費量を少なくすることができる。よって、例えば、水素濃度を20体積%以下とする水素と窒素との混合ガスとすることが好ましく、本実施形態では、10体積%の水素を含み残余が窒素ガスである水素含有ガスを使用して、高カロリーガス製造用触媒の触媒使用前水素処理を行なった。
(触媒反応工程)
そして、高カロリーガス製造用触媒により構成される高カロリーガス製造用触媒層1aが収納された反応容器に、水素含有ガスを供給して触媒使用前水素処理を行った後、引き続いて、以下の本実施形態に示す試験では、水素および一酸化炭素を含む原料ガス(一酸化炭素/水素比=1/3の水素と一酸化炭素の混合ガス)を供給し、高カロリーガスを製造する触媒反応工程を実施した。
なお、触媒反応工程で用いる少なくとも水素および一酸化炭素を含む原料ガスとしては、低級飽和炭化水素化合物を主成分とする高カロリーガスを製造する触媒反応工程を行えれば、主成分とする水素および一酸化炭素の濃度は特に限られるものではないが、少なくとも水素および一酸化炭素を含む原料ガスに、例えば、一酸化炭素/水素比が1/1〜1/5程度の比率で水素と一酸化炭素が含まれている原料ガスを用いるのが好ましく、一酸化炭素/水素比が1/2〜1/4程度の比率で水素と一酸化炭素が含まれている原料ガスを用いるのがさらに好ましい。このような原料ガスを用いることで、効率よく低級飽和炭化水素化合物を主成分とする高カロリーガスを製造する触媒反応工程を行うことができる。
なお、以下の本実施形態に示す試験での、触媒反応工程では、反応容器への原料ガス供給量(GHSV)は、2000/h、反応圧力は0.6MPa(ゲージ圧)の条件で反応を行った。また、このとき制御装置5では、温度制御部5bが、触媒反応部1の触媒層の計測温度(前記温度センサ7aの計測温度)が275℃となるように、前記温度センサ7aの検出温度に基づいて前記温度調整装置6による温度制御を行った。
なお、触媒反応工程における原料ガス供給量(GHSV)や反応圧力、反応温度等は、所望とする高カロリーガス製造用触媒の活性が得られる範囲で、実質的に使用可能な範囲で設定すればよい。
なお、触媒反応工程で得られた高カロリーガスの成分分析には、ガスクロマトグラフを用い、分析結果から一酸化炭素の転化率(CO転化率)および高カロリーガス中のC1〜C4及びC5以上の炭化水素量を求めた。そして、この炭化水素量から得られた高カロリーガスの換算発熱量を求めた。CO転化率および換算発熱量は、数1により求めた。
Figure 2015025048
(再生工程)
再生工程では、前記再生用ガス供給部4から前記触媒反応部1に、再生用ガスを供給することにより、前記高カロリーガス製造用触媒を再生する。具体的には、前記切替制御部5aは、触媒反応工程と再生工程とを切り替える際に、前記触媒反応部1と前記原料ガス供給部2とを接続する流路を前記触媒反応部1と前記再生用ガス供給部4とを接続するように切り替える。
なお、再生工程では、水素含有ガスを再生ガスとして用いて反応容器へ供給して再生工程を行った。また、触媒反応部1の触媒層の温度は、前記温度センサ7aの検出温度に基づいて前記温度調整装置6により、温度制御を行った。
前記再生工程は、低温では効率よく進行せず、高温ではエネルギーのロスが大きいこと、高カロリーガス製造用触媒のシンタリング等による反応性の低下(劣化)が進行しやすいことなどから、50℃以上500℃以下で行うことが好ましい。
なお、前記再生ガスとしては、高カロリーガス製造用触媒の活性(例えば、一酸化炭素の転化率)が経時的に低下した場合に、高カロリーガス製造用触媒の活性を回復させることができる水素含有ガスであれば主成分とする水素の濃度は特に限られるものではないが、水素以外のガスとして再生工程を妨げる成分(例えば、一酸化炭素)が実質的に含まれないことが望ましい。
また、再生ガスの供給量は、高カロリーガス製造用触媒の活性を回復させることができる範囲で実質的に使用可能な範囲で設定すればよい。
また、再生工程における処理圧力は、高カロリーガス製造用触媒の活性を回復させることができる範囲で実質的に使用可能な範囲で設定すればよい。
〔実施形態1〕
触媒使用前水素処理工程の後、触媒反応工程を84時間継続し、生成ガスの分析等を行った後(矢示1)、再生工程に切り替えた。
実施形態1での再生工程では、10体積%の水素を含み残余が窒素ガスである水素含有ガスを再生ガスとして用い、反応容器への再生用ガス供給量は、200cc/分とし、圧力は0.6MPa(ゲージ圧)の条件で再生工程を行った。また、触媒反応部1の触媒層の計測温度(前記温度センサ7aの計測温度)が200℃となるように、前記温度センサ7aの検出温度に基づいて前記温度調整装置6による温度制御を行い、12時間再生工程を実施した。
その結果、図2のようになった。実施形態1での再生工程を行ったのち、再度触媒反応工程に切り替え、94時間まで触媒反応工程を継続した。なお、触媒反応工程の反応時間は、触媒反応工程の開始時からの通算時間を示すもので、再生工程を行っている時間を含んでいない。(すなわち、触媒反応工程から再生工程に切り替えた時点で反応時間のカウントを一時停止し、触媒反応工程再開時に反応時間のカウントを再開する形態で計時している。)この時の高カロリーガス製造用触媒の活性(CO転化率)を再生工程後の活性とした。触媒反応工程経過に伴い、高カロリーガス製造用触媒の活性(CO転化率)が99.9%(触媒反応工程開始後2時間後)から45.4%(触媒反応工程開始後84時間後)にまで低下しているが、実施形態1での再生工程を行った後は、69.0%(触媒反応工程開始後94時間後)まで大きく活性が回復していることが分かった。
なお、得られた高カロリーガスの換算発熱量は、触媒反応工程開始後2時間後、84時間後、94時間後で、それぞれ、47.1MJ/m3、50.4MJ/m3、53.9MJ/m3であった。
〔実施形態2〕
実施形態1における再生工程を行ったのち、触媒反応工程を再開し、触媒反応工程94時間継続後の生成ガスの分析等を行った後(矢示2)、さらに再度再生工程に切り替えた。
実施形態2での再生工程では、10体積%の水素を含み残余が窒素ガスである水素含有ガスを再生ガスとして用い、反応容器への再生用ガス供給量は、200cc/分とし、圧力は0.6MPa(ゲージ圧)の条件で再生工程を行った。また、触媒反応部1の触媒層の計測温度(前記温度センサ7aの計測温度)が350℃となるように、前記温度センサ7aの検出温度に基づいて前記温度調整装置6による温度制御を行い、3時間再生工程を実施した。
そして実施形態2での再生工程を行ったのち、再度触媒反応工程に切り替え、106時間まで触媒反応工程を継続した。この時の高カロリーガス製造用触媒の活性(CO転化率)を再生工程後の活性とした。
すなわち、触媒反応工程の反応時間が94時間と106時間の間で、原料ガスを10%H2/N2混合ガスに切り替えて350℃で3時間、触媒の性能回復処理(再生工程)を行い、再度、原料ガスに切り替えて触媒反応工程を行った。
その結果、触媒反応工程継続時間が94時間の時における69.0%であったCO転化率が、触媒反応工程継続時間が106時間の時には83.3%に回復していることが分かった。
なお、得られた高カロリーガスの換算発熱量は、触媒反応工程開始後94時間後、106時間後で、それぞれ、53.9MJ/m3、53.1MJ/m3であった。
〔別実施形態〕
(A)上記実施形態では、含浸法において使用するルテニウム化合物として塩化ルテニウム、鉄化合物として硝酸鉄や塩化鉄を示したが、一般に含浸法において、担持される活性金属の最終形態が、同等のものであれば、本発明の高カロリーガス製造用触媒を得るための、出発原料としてのルテニウム化合物、鉄化合物としてはいかなるものを用いてもかまわない。
(B)上記実施形態では、チタニア担体は、球状のものを採用したが、ペレット状、リング状、チューブ状、不定形状等任意の形状のものを採用することができる。また、前記反応試験では、筒状容器に充填する形態で使用したが、ハニカム形状の形態として設置する等、任意の適用形態で使用することができる。
(C)上記実施形態では、鉄が担持されたチタニア担体に、ルテニウム含有化合物溶液によってルテニウムを含浸担持した後に湿式還元するにあたり、還元剤としてヒドラジン溶液を用いたが、ホルマリン、水素化ホウ酸ナトリウム溶液などの還元剤を用いることもできる。
以上説明したように、比較的低い温度で、高い一酸化炭素転化率を得るとともに、その高い転化率を長期にわたって得ることができる高カロリーガスの製造方法を提供することにより、長時間安定的に高カロリーガスを製造することができ、安定した代替天然ガス供給が期待できる。
1 :触媒反応部
1a :高カロリーガス製造用触媒層
2 :原料ガス供給部
3 :生成ガス路
3a :分析部
4 :再生用ガス供給部
5 :制御装置
5a :切替制御部
5b :温度制御部
6 :温度調整装置
7 :さや管
7a :温度センサ
8 :冷却部
8a :冷却器
8b :ドレントラップ
9 :再生ガス排ガス路

Claims (8)

  1. 高カロリーガス製造用触媒が収納された触媒反応部に、少なくとも水素および一酸化炭素を含有する原料ガスを供給して、前記触媒反応部で、低級飽和炭化水素化合物を主成分とする高カロリーガスを製造する触媒反応工程を行う、高カロリーガスの製造方法であって、
    前記触媒反応工程の途中で、前記触媒反応部に再生用ガスとしての水素含有ガスを接触させて、前記高カロリーガス製造用触媒の触媒反応活性を回復させる再生工程を少なくとも1回行う高カロリーガスの製造方法。
  2. 前記触媒反応工程において、前記高カロリーガス製造用触媒の活性が所定割合まで低下したときに前記触媒反応工程から前記再生工程に切り替える請求項1に記載の高カロリーガスの製造方法。
  3. 前記再生用ガスが一酸化炭素を実質的に含有せずに、少なくとも水素を含有するガスとする請求項1または2に記載の高カロリーガスの製造方法。
  4. 前記高カロリーガス製造用触媒が金属酸化物担体に鉄とルテニウムとを担持したものである請求項1〜3のいずれか一項に記載の高カロリーガスの製造方法。
  5. 前記高カロリーガス製造用触媒が、前記金属酸化物担体に、まず鉄を担持させ、その後、ルテニウムを担持させて得られたものである請求項4に記載の高カロリーガスの製造方法。
  6. 前記高カロリーガス製造用触媒が、前記ルテニウムが金属酸化物担体に担持されたのち、湿式還元されたものである請求項4または5に記載の高カロリーガスの製造方法。
  7. 前記再生工程を50℃以上500℃以下の温度域で行う請求項1〜6のいずれか一項に記載の高カロリーガスの製造方法。
  8. 高カロリーガス製造用触媒が収納された触媒反応部を備え、
    前記触媒反応部に少なくとも水素および一酸化炭素を含有する原料ガスを供給する原料ガス供給部を備えるとともに、
    前記触媒反応部で生成した高カロリーガスを取り出す生成ガス路を備えた高カロリーガス製造装置であって、
    前記触媒反応部に再生用ガスとしての水素含有ガスを供給する再生用ガス供給部を前記原料ガス供給部とは別途備えるとともに、
    前記触媒反応部に前記原料ガス供給部から、前記原料ガスを供給して行う触媒反応工程と、
    前記再生用ガス供給部から前記触媒反応部に、前記再生用ガスを供給して行う再生工程と
    を切り替える切替制御部を備えた高カロリーガスの製造装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2021176970A1 (ja) * 2020-03-04 2021-09-10 大阪瓦斯株式会社 燃料ガスの製造方法

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