JP4203326B2 - 合成ガス製造の運転方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、メタン等の炭化水素ガスを主成分として含むガスを原料とし、リフォーミングによって合成ガスを製造するに際し、コークスの析出により失活した合成ガス製造用触媒を再生する工程を含む合成ガス製造の運転方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】
WO98/46523
【特許文献2】
WO98/46524
【特許文献3】
特開平10−296094号
【特許文献4】
特開平5−192590号
【非特許文献1】
触媒 Vol.44 No.4 p271-276 (2002)
【0003】
将来の石油代替エネルギー源として、近年天然ガスが注目されている。天然ガスは他の化石燃料と比較して燃焼特性がクリーンであるため、1次エネルギー、2次エネルギー原料として利用が促進されれば、環境保護の面でも極めて有益であるといえる。
【0004】
このような観点から現在、天然ガスを化学的に転換し、メタノール、DME、合成石油などを製造する技術の開発が活発に行われている。これらの技術の主流は合成ガスを経由する間接転換法であり、当該合成ガスの製造技術はプロセス全体の経済性に大きなウエイトを占めている。
【0005】
合成ガスの製造技術には、改質剤として水蒸気や炭酸ガスを用い、触媒の充填された反応管(リフォーマーチューブ)により改質を行う水蒸気改質法や炭酸ガス/水蒸気改質法がある。
【0006】
天然ガスの炭酸ガス/水蒸気改質法では、原料に添加する炭酸ガスと水蒸気量をコントロールすることができ、例えば、FT(フィッシャー・トロプシュ)合成原料に適したH2/COモル比=2付近となる合成ガスを直接合成することが可能である。
【0007】
さらに、特に東南アジア、オセアニア地域には炭酸ガス含有率が高く低品位でしかも可採埋蔵量が2兆立方フィート以下の中小規模天然ガス田が偏在する。このような中小規模天然ガス田における天然ガスは、経済性を考慮すれば炭酸ガスを含んだまま使用することが望ましい。
【0008】
このようにH2/COモル比=2付近を目標としたり、あらかじめ炭酸ガス含有率の高い天然ガスを使用すれば、必然的に、天然ガスの炭酸ガス/水蒸気改質法を採用し、かつ、炭酸ガス量および水蒸気量の最適化を図らなければならない。
【0009】
しかしながら、例えば、H2/COモル比=1〜2付近を目標とする反応条件下では、反応平衡の観点から、必然的に生成ガスが触媒表面へのカーボン析出を起こしやすい組成となるため、長期の安定運転が不可能であった。従って、これまでの方法では触媒のカーボン析出による劣化を抑えるため、原料に過剰のスチームを添加しなくてはならず、また得られた水素過剰のガスから水素を分離してH2/COモル比を調整しなければならない。
【0010】
このような実状のもとに、天然ガスの合成ガス化反応に必要な活性は保有するものの、その副反応である炭素析出反応はきわめて高レベルで抑制することができる触媒の設計が要望されていた。
【0011】
このような課題を解決するために、本出願人は、すでに、国際公開番号WO98/46523号公報や国際公開番号WO98/46524号公報に新規な触媒構成を提案している。これによれば、本来、反応平衡から考察すれば、炭素析出が起こり易い組成領域における合成ガスの製造を実施しても、新規提案の触媒の独自の作用により炭素析出を高レベルで抑制でき、所望のH2/CO比の合成ガスが長期に亘って製造できるというものである。
【0012】
さらに、原料に添加する水蒸気の低減は、加熱に必要なエネルギーを低減し、また生成ガスのH2/COモル比の調整工程が不必要となる等、より効率的なプロセス構築が可能となる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、炭素析出を高レベルで抑制でき、長期の稼動が可能であるといっても、永久的な運転までは保証できない。また、運転条件設定ミス等により、突発的に触媒に炭素析出が多量に生じるおそれもある。
【0014】
このような実状のもと、さらに、合成ガスの製造を停止することなく稼動させつつ、合成ガス製造用触媒を再生させる工程を含む合成ガス製造の運転方法の提案が望まれている。
【0015】
ちなみに、従来よりコーク析出によって、失活した貴金属触媒は、酸素富化雰囲気で温度制御しながらコークを燃焼させることにより再生することが可能とされている(特開平10−296094号公報、特開平5−192590号公報等)。しかしながら、貴金属の局所的な凝集は避けられないし、さらには酸素供給のための新たな設備が必要となる。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は、炭素数1〜8の炭化水素ガスを主成分として含むガスを原料とし、合成ガス製造用触媒の存在下の基にリフォーミングによって合成ガスを製造するリフォーミング工程と、失活した合成ガス製造用触媒を再生する合成ガス製造用触媒の再生工程と、を含む合成ガス製造の運転方法であって、
前記合成ガス製造用触媒は、マグネシア担体にロジウムあるいはルテニウムから選ばれる少なくとも1種の貴金属を、重量基準で25〜2500ppm担持させたものであり、その比表面積は0.01〜10m2/gであり、
前記リフォーミング工程は、前記原料をCO2及び/又はスチームと反応させて合成ガスを得るとともに、当該反応条件はカーボン活性Acが1を超える条件で行なわれており、
前記合成ガス製造用触媒の再生工程は、失活した合成ガス製造用触媒を再生するためにカーボン活性Acが1未満の条件で行なわれるように構成される。
【0017】
また、本発明の好ましい態様として、前記合成ガス製造用触媒の再生工程は、前記リフォーミング工程の運転状態から一時的にCO2及び/又はスチームの供給量を変化させることにより行なわれる。
【0018】
また、本発明の好ましい態様として、前記リフォーミング工程および前記合成ガス製造用触媒の再生工程は同一の反応器で行なわれる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0020】
本発明は、炭素数1〜8の炭化水素ガスを主成分として含むガスを原料とし、合成ガス製造用触媒の存在下の基にリフォーミングによって合成ガスを製造するリフォーミング工程と、コークの析出により失活した合成ガス製造用触媒を再生する合成ガス製造用触媒の再生工程と、を含む合成ガス製造の運転方法である。
【0021】
以下、合成ガスを製造するリフォーミング工程と失活した合成ガス製造用触媒を再生する合成ガス製造用触媒の再生工程とに分けて、順次説明する。
【0022】
リフォーミングによって合成ガスを製造するリフォーミング工程
(1)本発明において用いる合成ガス製造用触媒
本発明における合成ガス製造用触媒は、特定性状の金属酸化物担体であるマグネシア(MgO)に、触媒金属としてロジウム(Rh)、ルテニウム(Ru)の中から選ばれた少なくとも1種の金属を担持させた触媒である。
【0023】
触媒金属は、金属状態で担持されていても良いし、酸化物等の金属化合物の状態で担持されていてもよい。
【0024】
このような合成ガス製造用触媒の比表面積は、0.01〜10m2/g、より好ましくは0.05〜3.0m2/g、さらに好ましくは0.1〜1.0m2/gである。このような比表面積の形成は、触媒金属の担持前に金属酸化物担体を300〜1300℃、好ましくは650〜1200℃で焼成し、触媒金属を担持した後にさらに得られた触媒金属担持生成物を300〜1300℃、好ましくは350〜1200℃で焼成することにより得ることができる。一般には、焼成温度と焼成時間によって、得られる触媒または金属酸化物担体の比表面積をコントロールすることができる。
【0025】
この値が10m2/gを超えると、カーボンの生成速度が大きくなり触媒の活性が低下するという不都合が生じる。また、この値が0.01m2/g未満となると、単位触媒当たりの活性が不足してしまい、多量の触媒が必要となるという不都合が生じる。
【0026】
なお、使用する合成ガス製造用触媒において、その触媒の比表面積と金属酸化物担体の比表面積とは実質的にほぼ同じであり、本明細書中では、触媒の比表面積と金属酸化物担体の比表面積とは同義として扱うことができる。比表面積は、「BET」法により、温度15℃で測定されたものであり、その測定装置としては、例えば、柴田化学社製の「SA−100」を用いればよい。
【0027】
このような触媒金属の担持量は、重量基準で25〜2500ppm、好ましくは100〜2000ppm、さらに好ましくは、200〜1000ppmの担持とされる。その担持量は、金属酸化物担体であるマグネシア(MgO)に対する重量割合として算出される。この値が2500ppmを超えると、触媒活性が逆に低下してしまいカーボンが析出し易くなるという不都合が生じる。また、この値が25ppm未満となると、触媒活性の低下およびこれに伴うカーボンの析出という不都合が生じる。
【0028】
このような触媒は、常法に従って調整することができる。その中での好ましい調製法の一つに含浸法がある。この含浸法により上記のごとく所定の触媒を調製するには、水の中に分散させた金属酸化物担体に触媒金属塩またはその水溶液を添加、混合した後、その金属酸化物担体を水溶液から分離し、次いで乾燥し、焼成する。
【0029】
また、金属酸化物担体を排気後、細孔容積分の金属塩溶液を少量ずつ加え、担体表面を均一に濡れた状態にした後、乾燥、焼成する方法(incipient-wetness法)も有効である。
【0030】
これらの方法の場合、その触媒金属塩として水溶性塩が用いられる。このような水溶性塩には、硝酸塩、塩化物等の無機酸塩や、酢酸塩やシュウ酸塩等の有機酸塩が包含される。また、金属のアセチルアセトナト塩等をアセトン等の有機溶媒に溶解し、金属酸化物担体に含浸させてもよい。触媒金属塩を水溶液として含浸させた金属酸化物担体の乾燥温度は100〜200℃、好ましくは100〜150℃である。また、有機溶媒を用いて含浸した場合には、その溶媒の沸点より50〜100℃高温で乾燥するのがよい。乾燥物の焼成温度および焼成時間は、得られる金属酸化物担体または触媒の比表面積(触媒の比表面積)に応じて適宜選定される。一般的には、300〜1300℃の範囲の焼成温度が用いられる。
【0031】
上記の要領で触媒を調製する場合、その金属酸化物担体であるマグネシア(MgO)は、市販の金属酸化物や、市販の金属水酸化物を焼成して得られるマグネシア(MgO)を用いることができる。このマグネシア(MgO)の純度は98重量%以上、好ましくは99重量%以上であることが要求され、特に、炭素析出活性を高める成分や、高温、還元ガス雰囲気下で分解する成分、例えば鉄、ニッケル等の金属や二酸化ケイ素(SiO2)等の混入は好ましくない。そして、それらの不純物は、金属酸化物中、1重量%以下、好ましくは0.1重量%以下にするのがよい。
【0032】
用いられる触媒の形態は、粉末状、顆粒状、球形状、円柱状、円筒状等の各種の形状とされる。その形状は使用される触媒床の方式に応じて適宜選定すればよい。
【0033】
(2)原料ガス
用いる原料ガスは、炭素数1〜8の炭化水素ガスを主成分として含むガスである。炭化水素ガスとしては、メタン、エタン、プロパン、ブタン等が例示でき、中でも特に、天然ガスとしてのメタンが好適に用いられる。この天然ガスには、低品位ガスの由来ともいえる二酸化炭素を0〜70モル%含有していてもよい。
【0034】
(3)リフォーミングによる合成ガスの製造
本発明における合成ガスの製造は、前記合成ガス製造用触媒の存在下において、
原料ガス(特に、天然ガスであるメタン)を、スチーム及び/又は二酸化炭素(CO2)とを反応させればよい。このようなスチーム及び/又は二酸化炭素によるリフォーミングにより所望のモル比の合成ガスであるH2、COが得られる。
【0035】
すなわち、
(i)メタン(CH4)と二酸化炭素(CO2)を反応させる方法(CO2リフォーミング)の場合、その反応は下記式(1)で示されるように進行する。
CH4 + CO2 ⇔ 2CO +2H2 …式(1)
【0036】
(ii)また、メタン(CH4)とスチーム(H2O)を反応させる方法(スチームリフォーミング)の場合、その反応は下記式(2)で示されるように進行する。
CH4 + H2O ⇔ CO +3H2 …式(2)
【0037】
この改質反応条件下では、触媒がシフト能を有するために上記(2)式と同時に下記式(3)の水性ガスシフト反応が進行する。
CO + H2O ⇔ CO2 +H2 …式(3)
【0038】
上記(1)、(2)の化学量論式より、メタンのCO2リフォーミングではH2/COモル比=1の合成ガスが、メタンのスチームリフォーミングではH2/COモル比=3の合成ガスが生成する。従って、これらの反応を組み合わせることによりH2/COモル比=1〜3の合成ガスが生成ガスからの水素などガス分離を行うことなく直接合成することが可能となる。
【0039】
すなわち、メタノール、FT合成、DME原料となるH2/COモル比=1〜2付近の合成ガスを直接合成することが可能となる。
【0040】
しかしながら、このようなモル比を直接合成する反応条件下では、生成ガスが触媒表面上へのカーボン析出を起こしやすい組成となり、カーボン析出による触媒劣化が生じる。このような問題を解決することができる所定の触媒が、上記説明の合成ガス製造用触媒である。すなわち、上記所定の合成ガス製造用触媒を用いれば、極めてカーボン析出の行なわれ易い反応条件下であっても、カーボン析出による触媒劣化を抑制でき、長期の連続稼動が可能となるのである。カーボン析出の行なわれ易い反応条件下とは、平衡的に炭素が生成する条件であること、すなわち、カーボン生成反応の平衡定数の比から求められるカーボン活性の値が1を超えることを意味する。
【0041】
本発明におけるリフォーミング工程は、前記原料をCO2及び/又はスチームと反応させて合成ガスを得るとともに、当該反応条件はカーボン活性Acが1を超える条件(Ac>1)で行なわれている。
【0042】
(4)カーボン活性の算出方法
代表的なカーボン析出反応は下記式(4)で示されるメタンからのカーボン析出、および下記式(5)で示される生成ガスである一酸化炭素からのカーボン析出である。
CH4 ⇔ C +2H2 …式(4)
2CO ⇔ C +CO2 …式(5)
【0043】
カーボン活性Acは、ある温度、圧力における生成ガスの分圧と、カーボン生成反応の平衡定数の比から求められる。例えば、上記式(5)で示される一酸化炭素からの炭素析出反応(Boundouard反応)に関しては、炭酸ガスと一酸化炭素の分圧とこの反応の平衡定数の比から下記式(6)により求められる。すなわち、
Ac=K・((Pco)2/Pco2) …式(6)
K:Boundouard反応の平衡定数
Pco:CO分圧
Pco2:CO2分圧
【0044】
上記の水蒸気改質反応式(2)およびシフト反応式(3)の平衡が成立している場合は、上記式(4)および式(5)から計算されるメタンおよび一酸化炭素からのカーボン活性Acの値は同一となる。
【0045】
反応器へのフィード組成、反応条件(温度、圧力)が定まれば、生成物の収支計算より、カーボン活性Acが求められる。上記式(4)および式(5)の平衡定数と温度の関係は、例えば、D.R.Stull et. al., The Chemical Thermodynamics of Organic Compounds, John Wiley (1969) を参考に求めることができる。
【0046】
しかしながら、炭素析出を高レベルで抑制でき、長期の稼動が可能であるといっても、永久的な運転までは保証できない。また、運転条件設定ミス等により、突発的に触媒に炭素析出が多量に生じるおそれもある。このような要望に応じるべく本発明の合成ガス製造用触媒を再生させる工程が必要とされる。以下説明する。
【0047】
〔失活した合成ガス製造用触媒を再生する合成ガス製造用触媒の再生工程〕
合成ガス製造用触媒の再生工程は、コークの析出により失活した合成ガス製造用触媒を再生するためにカーボン活性Acが1未満、特に、0.01〜0.99の条件、さらに好ましくは0.01〜0.8の条件で行なわれる。
【0048】
カーボン活性Acが1以上となると、失活した合成ガス製造用触媒の確実な再生ができないという不都合が生じる。また、下限に特に制限はないが、カーボン活性を下げるために過剰のスチームやCO2を供給するための設備やエネルギー消費等を考慮すれば、通常、0.01が下限と成り得る。
【0049】
このような合成ガス製造用触媒の再生工程は、カーボン活性Acが1未満となるように前記リフォーミング工程におけるCO2及び/又はスチームの供給量を変化(増加)させることにより行なわれる。カーボン活性Acの算出方法は上述したとおりである。
【0050】
また、前記リフォーミング工程から前記合成ガス製造用触媒の再生工程への切換えは、反応開始時の原料転化率をXcとした場合、原料転化率が(0.80〜0.95)Xcに変化した時に行なわれることが好適である。
【0051】
前記リフォーミング工程および合成ガス製造用触媒の再生工程は同一の反応器(反応塔)で行なわれることが望ましい。
【0052】
【実施例】
以下、具体的実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。
【0053】
触媒調製例1
空気中において930℃にて3hr(時間)焼成した酸化マグネシウムを0.27〜0.75mmに整粒した後、含浸法(incipient-wetness法)でRuを担持させ、さらに空気中において970℃で焼成することによりRu触媒金属を担持したMgO触媒(RuはMgOの1gに対して7.5×10-4g担持:750ppm)を得た。
【0054】
このRu含浸体は、焼成MgOにルテニウム(III)クロライド水和物水溶液を極めて少量づつ滴下し、かつ滴下毎に混振することにより得られた。この場合のルテニウム(III)クロライド水和物水溶液は、0.5wt%のRuを含む水溶液である。このRu含浸体を空気中において、120℃にて2.5hr乾燥させた後、同じ雰囲気中970℃にて3hr焼成し、Ru担持MgO触媒(比表面積5.2m2/g)とした。
【0055】
触媒調製例2
空気中において1000℃にて3hr(時間)焼成した酸化マグネシウムを0.27〜0.75mmに整粒した後、含浸法(incipient-wetness法)でRhを担持させ、さらに空気中において950℃で焼成することによりRh触媒金属を担持したMgO触媒(RhはMgOの1gに対して2.6×10-4g担持:260ppm)を得た。
【0056】
このRh含浸体は、焼成MgOにロジウム(III)アセテート水溶液を極めて少量づつ滴下し、かつ滴下毎に混振することにより得られた。この場合のロジウム(III)アセテート水溶液は、0.17wt%のRhを含む水溶液である。このRh含浸体を空気中において、120℃にて2.5hr乾燥させた後、同じ雰囲気中950℃にて1.5hr焼成し、Rh担持MgO触媒(比表面積5.8m2/g)とした。
【0057】
比較触媒調製例1
空気中において370℃にて3hr(時間)焼成した酸化マグネシウムを0.27〜0.75mmに整粒した後、含浸法(incipient-wetness法)でRhを担持させ、さらに空気中において370℃で焼成することによりRh触媒金属を担持したMgO触媒(RhはMgOの1gに対して2.6×10-3g担持:2600ppm)を得た。
【0058】
このRh含浸体は、焼成MgOにロジウム(III)アセテート水溶液を極めて少量づつ滴下し、かつ滴下毎に混振することにより得られた。この場合のロジウム(III)アセテート水溶液は、1.7wt%のRhを含む水溶液である。このRh含浸体を空気中において、120℃にて2.5hr乾燥させた後、同じ雰囲気中370℃にて3hr焼成し、Rh担持MgO触媒(比表面積98.0m2/g)とした。
【0059】
〔実施例1〜8、比較例1,2〕
上記の触媒調製例1で調製した触媒10mlを反応器に充填し、内径16mmのアルミナイズ処理したステンレス反応管に充填した。反応管は管状電気炉内に設置し、上端から原料ガスを導入し、下端から生成ガスを得た。生成ガス組成は、ガスクロマトグラフィにて分析した。
【0060】
反応に先立ってH2気流中で900℃、1hrの還元処理を行なった。480hrまではCH4:CO2モル比=1:1の原料ガスを圧力2.0MPaG、温度850℃、メタン基準のGHSV=3000hr-1の条件で処理した。このような条件下でのCH4の平衡転化率は55%、カーボン活性Acは2.8である。
【0061】
このようなリフォーミング工程による運転を480hr継続させ、しかる後、下記表1中に示す合成ガス製造用触媒の再生工程による運転を24hr実施した。その後、上記のリフォーミング工程による運転に戻した。
【0062】
結果を下記表1に示す。
【0063】
【表1】
Figure 0004203326
【0064】
表1の結果より、カーボン活性が1未満の条件で合成ガス製造用触媒の再生工程を行なった場合のみ、触媒の再生が可能であることことがわかる。ちなみに、比較例1,2は試験後の触媒が黒色であったのに対し、実施例1〜8は灰色であった。
【0065】
〔実施例9〕
上記実施例1において用いたRu/MgO触媒を触媒調製例2で調製したRh/MgO触媒に変えた。それ以外は上記実施例1と同様な運転(リフォーミング工程および合成ガス製造用触媒の再生工程)を行なった。結果を下記表2に示した。
【0066】
〔実施例10〕
上記実施例2において用いたRu/MgO触媒を触媒調製例2で調製したRh/MgO触媒に変えた。それ以外は上記実施例2と同様な運転(リフォーミング工程および合成ガス製造用触媒の再生工程)を行なった。結果を下記表2に示した。
【0067】
〔比較例3〕
上記実施例2において用いたRu/MgO触媒を比較触媒調製例1で調製したRh/MgO触媒に変えた。それ以外は上記実施例2と同様な運転(リフォーミング工程および合成ガス製造用触媒の再生工程)を行なった。結果を下記表2に示した。
【0068】
【表2】
Figure 0004203326
【0069】
〔比較例4 , 5〕
市販のNi/Al23触媒(ズードケミー触媒製 SC11−9LDP)10mlを上記実施例1〜8と同様の要領で反応器に充填し、メタンのCO2/H2Oリフォーミング試験を実施した。CH4:CO2:H2O=1:0.4:0.85(モル比)の原料ガス(フィード組成)を、圧力20MPaG、温度850℃、メタン基準のGHSV=3000hr-1の条件で処理した。このような条件下でのCH4の平衡転化率は57%、カーボン活性Acは1.1である。
【0070】
このようなリフォーミング工程による運転を10hr継続させ、しかる後、下記表3中に示す合成ガス製造用触媒の再生工程による運転を24hr実施した。その後、上記のリフォーミング工程による運転に戻した。
【0071】
結果を下記表3に示した。
【0072】
【表3】
Figure 0004203326
【0073】
表3の結果より、Ni触媒では触媒の再生が不可能であることがわかる。
【0074】
【発明の効果】
上記の結果より、本発明の効果は明らかである。すなわち、本発明は、炭素数1〜8の炭化水素ガスを主成分として含むガスを原料とし、合成ガス製造用触媒の存在下の基にリフォーミングによって合成ガスを製造するリフォーミング工程と、失活した合成ガス製造用触媒を再生する合成ガス製造用触媒の再生工程と、を含む合成ガス製造の運転方法であって、前記合成ガス製造用触媒は、マグネシア担体にロジウムあるいはルテニウムから選ばれる少なくとも1種の貴金属を、重量基準で25〜2500ppm担持させたものであり、その比表面積は0.01〜10m2/gであり、前記リフォーミング工程は、前記原料をCO2及び/又はスチームと反応させて合成ガスを得るとともに、当該反応条件はカーボン活性Acが1を超える条件で行なわれており、前記合成ガス製造用触媒の再生工程は、失活した合成ガス製造用触媒を再生するために一時的にカーボン活性Acが1未満の条件で行なわれるように構成されているので、合成ガスの製造を停止することなく稼動させつつ、合成ガス製造用触媒を確実に再生させることが可能となる。

Claims (3)

  1. 炭素数1〜8の炭化水素ガスを主成分として含むガスを原料とし、合成ガス製造用触媒の存在下の基にリフォーミングによって合成ガスを製造するリフォーミング工程と、失活した合成ガス製造用触媒を再生する合成ガス製造用触媒の再生工程と、を含む合成ガス製造の運転方法であって、
    前記合成ガス製造用触媒は、マグネシア担体にロジウムあるいはルテニウムから選ばれる少なくとも1種の貴金属を、重量基準で25〜2500ppm担持させたものであり、その比表面積は0.01〜10m2/gであり、
    前記リフォーミング工程は、前記原料をCO2及び/又はスチームと反応させて合成ガスを得るとともに、当該反応条件はカーボン活性Acが1を超える条件で行なわれており、
    前記合成ガス製造用触媒の再生工程は、失活した合成ガス製造用触媒を再生するためにカーボン活性Acが1未満の条件で行なわれることを特徴とする合成ガス製造の運転方法。
  2. 前記合成ガス製造用触媒の再生工程は、前記リフォーミング工程の運転状態から一時的にCO2及び/又はスチームの供給量を変化させることにより行なわれる請求項1に記載の合成ガス製造の運転方法。
  3. 前記リフォーミング工程および前記合成ガス製造用触媒の再生工程は同一の反応器で行なわれる請求項1または請求項2に記載の合成ガス製造の運転方法。
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