JP5988728B2 - 高カロリーガスの製造方法及び高カロリーガスの製造装置 - Google Patents

高カロリーガスの製造方法及び高カロリーガスの製造装置 Download PDF

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Description

本発明は、金属酸化物担体に、鉄とルテニウムとを担持した高カロリーガス製造用触媒が収納された触媒反応部に、水素及び一酸化炭素を含む原料ガスを供給して、前記触媒反応部で、低級飽和炭化水素化合物を主成分とする高カロリーガス(本発明では、メタンと、メタン以外に炭素数2〜4の飽和炭化水素ガスのうち少なくとも1つを主成分の1つとして含む燃料ガスのことを高カロリーガスと称する。)を製造する高カロリーガスの製造方法及び高カロリーガスの製造装置に関する。
出願人は、特許文献1において、高カロリーガスの製造を、担体に、鉄およびルテニウムを活性金属成分として担持させた高カロリーガス製造用触媒を用いて行なうことを提案している。
この高カロリーガス製造用触媒を、反応容器に収納し、この反応容器に、原料ガスとしての水素及び一酸化炭素を供給することにより、メタンを主成分とし、その他、炭素数がメタンより大きな炭化水素を含む高カロリーガスを効率的に製造することができる。
ここで、反応温度は、特許文献1にも記載されているように、300℃から400℃程度まで分布する。
特開2010−149109号公報
上記の反応容器に供給される原料ガスと反応温度の関係から、上記の触媒を使用して高カロリーガスを製造すると、触媒上に炭素が析出し、析出した炭素により触媒の性能が劣化する場合がある。そこで、このような炭素析出の問題を回避するため、反応容器には、原料ガスとともに水蒸気を供給することがある。
しかしながら、原料ガスとともに水蒸気を反応容器に供給して、高カロリーガスを製造すると、触媒活性の低下が発生し、例えば、水蒸気を供給することなく、ドライ状態で高カロリーガスを製造する場合に比べて、高カロリーガスの製造において、必要とされる所定の条件を満足し得なくなることを発明者は見出した。ここで、所定の条件とは、製造される高カロリーガスの換算発熱量が、所望の値(例えば、45MJ/m3(0℃, 1気圧における体積、以下同様))以上であることに加え、原料ガスから高カロリーガスを得る場合の一酸化炭素の転化率(CO転化率)が、所望の値(例えば、99.8%)より大きいこと等である。
本願の目的は、水蒸気を含む原料ガスを触媒反応部に供給して、高カロリーガスを製造する場合にも、少なくとも換算発熱量、CO転化率の点で、所望の値以上とすることができる高カロリーガスの製造方法及びその製造方法を使用する高カロリーガスの製造装置を得ることにある。
〔構成〕
上記目的を達成するための本発明に係る高カロリーガスの製造方法は、
金属酸化物担体に、鉄とルテニウムとを担持した高カロリーガス製造用触媒が収納された触媒反応部に、水素及び一酸化炭素を含む原料ガスを供給して、前記触媒反応部で、メタンと、メタン以外に炭素数2〜4の飽和炭化水素化合物のうち少なくともいずれか一つとを含む高カロリーガスを製造する高カロリーガスの製造方法であって、その特徴構成は、
前記高カロリーガス製造用触媒として、前記金属酸化物担体に、まず鉄を担持させ、その後、ルテニウムを担持させて製造した鉄・ルテニウム担持触媒であって、3.5〜4.5質量%の鉄と、1〜3質量%のルテニウムが担持された前記鉄・ルテニウム担持触媒を使用するとともに、
水蒸気を含む前記原料ガスを前記触媒反応部に供給して、前記鉄・ルテニウム担持触媒による触媒反応により前記高カロリーガスを製造する点にある。
本願における鉄及びルテニウムの質量割合を示す「質量%」は、触媒全質量に対する鉄或はルテニウムの成分割合を示す(以下同じ)。
上記構成によれば、金属酸化物担体に、まず、鉄を担持させ、その後、ルテニウムを担持させて製造した鉄・ルテニウム担持触媒を高カロリーガス製造用触媒とする。このように、鉄が金属酸化物担体に担持された状態でルテニウムを担持させると、担持されたルテニウムどうしは、鉄がそれらの間に存在することにより、互いに凝集して分散度を低下させるというような現象が起きにくく、また、凝集しようとしても、鉄によって凝集が妨げられて、ルテニウムの分散度が高く維持されて、触媒反応において高活性となり得る活性点が多く存在する高カロリーガス製造用触媒となっている。これにより、水蒸気を含む原料ガスに対しても、触媒反応が低下することを抑制することができる。
また、上記構成によれば、高カロリーガス製造用触媒として、金属酸化物担体に、3.5〜4.5質量%の鉄と、1〜3質量%のルテニウムを担持した触媒を使用する。
ここで、高カロリーガス製造用触媒に担持される鉄は、フィッシャー・トロプシュ反応として知られる炭素鎖の結合反応により、生成される炭化水素の成分比を、高カロリー成分に偏らせる作用を持ち、通常、単独で触媒として用いられる場合には、液体の炭化水素を生じるまで反応を進行してしまうものであるが、ルテニウムによるメタン生成反応が高活性で進行するため、上記のような質量割合にて鉄とルテニウムとが担持されている鉄・ルテニウム担持触媒における鉄とルテニウムとの協働により、メタンに加えて炭素数2〜4程度の飽和炭化水素ガス含有率及び一酸化炭素の転化率が高い、本願が目的とする高カロリーガスを製造することができる。
このような高カロリーガスの製造において、これまでも説明してきたように炭素析出による触媒劣化を抑制するため、本願では水蒸気を含む原料ガスを供給する。このように原料ガスに水蒸気が含まれる場合、発明者らの検討では、これまで提案してきた触媒をそのまま使用すると、触媒の活性が低下し、本来、高カロリーガス及びその製造に求められる条件を満たさない場合がある。即ち、製造できるガスの換算発熱量が所望の値に到達しなかったり、CO転化率が下がるのであるが、このような現象が起こる原因は、発明者は、触媒の有効成分である鉄の酸化が水蒸気の共存により発生するためではないかと推定している。一方、ルテニウムに関しては、このような影響は受けにくいと発明者は推定している。
そこで、本願では、鉄の質量%をルテニウムの質量%より大きくとることで、鉄の一部が酸化されたとしても、金属状態の鉄およびルテニウムを適切なバランス状態で残存させることで、換算発熱量及びCO転化率の点で、所望の条件を満たすことができる高カロリーガスの製造を安定的に行えることを見出して、本願を完成した。
鉄の担持量が3.5質量%より少ないと、担持されている鉄が水蒸気による悪影響を受けて、炭素鎖の結合反応を促進する触媒反応の活性点が少なくなって、生成ガス中に含まれる炭素数2〜4程度の飽和炭化水素ガス含有率を充分高くすることができず、必要とされる換算発熱量を有する高カロリーガスを生成することができなくなる。一方、鉄の担持量が4.5質量%を超えると、高カロリーガス製造用触媒全体としての活性が低下する傾向が見られ、換算発熱量が低い高カロリーガスが生成されることとなる。
また、ルテニウムの担持量が、1質量%よりも少ないと、高カロリーガス製造用触媒全体として、触媒活性点が少なくなり(活性が低くなり)、反応が進行しにくくなる。そのため、前記高カロリーガス製造用触媒を用いた反応は、温度を高くせざるを得なくなり、エネルギー効率が低下するとともに、反応温度の上昇に伴って、生成ガス中のメタンガス選択性が上昇してしまう。その結果、充分高カロリーのガスが得られにくくなる傾向となる。また、3質量%よりも多いと、ルテニウム自体のメタン生成活性が優勢に過ぎ、やはり、生成ガス中のメタンガス選択性が上昇してしまい、充分高カロリーのガスが得られにくくなる傾向がある。
また、前記金属酸化物担体としては、シリカ、アルミナ、ジルコニア、チタニア、シリカアルミナ等の金属酸化物が用いられるが、中でもチタニアが好ましく、チタニアを用いることにより、生成する高カロリーガスの炭素数2〜4程度の飽和炭化水素ガス含有率を向上させることができる。
このように、本発明の高カロリーガス製造用触媒は、鉄が担持された金属酸化物担体にルテニウムが高い分散度で担持されていることから、高カロリーガス製造用触媒が収納された触媒反応部に供給される原料ガスに水蒸気が含まれる場合でも、多くの一酸化炭素を反応させ、ルテニウムと鉄との協働作用により、例えば、200℃〜400℃程度の比較的低温の温度範囲で、高いCO転化率を実現しつつ、高い換算発熱量を有する高カロリーガスを製造することができる。
つまり、水蒸気を含んだ原料ガスを触媒反応部に供給して、高カロリーガス製造用触媒上における炭素析出に伴う触媒劣化を抑制しながら、CO転化率及び換算発熱量の値が、所望の値となる高カロリーガスを得ることができる。
〔構成〕
また、上記目的を達成するための本発明に係る鉄・ルテニウム担持触媒は、
金属酸化物担体に、鉄とルテニウムとが担持され、水素及び一酸化炭素を含む原料ガスを反応させて、メタンと、メタン以外に炭素数2〜4の飽和炭化水素化合物のうち少なくともいずれか一つとを含む高カロリーガスを製造する鉄・ルテニウム担持触媒であって、
前記金属酸化物担体に、まず鉄を担持させ、その後、ルテニウムを担持させる状態で、3.5〜4.5質量%の鉄と、1〜3質量%のルテニウムとが担持され、水蒸気と共に前記原料ガスに接触して前記高カロリーガスとする点にある。
この構成によれば、これまでに説明した作用・効果を奏することができる。つまり、水蒸気を含んだ原料ガスを供給して、触媒上における炭素析出に伴う触媒劣化を抑制しながら、CO転化率及び換算発熱量の値が、所望の値となる高カロリーガスを得ることができる。
〔構成〕
また、上記目的を達成するための本発明に係る高カロリーガスの製造装置は、
金属酸化物担体に、鉄とルテニウムとを担持した高カロリーガス製造用触媒が収納された触媒反応部に、水素及び一酸化炭素を含む原料ガスを供給する原料ガス供給系統を備えた高カロリーガスの製造装置であって、
前記高カロリーガス製造用触媒として、前記金属酸化物担体に、まず鉄を担持させ、その後、ルテニウムを担持させて製造した鉄・ルテニウム担持触媒であって、3.5〜4.5質量%の鉄と、1〜3質量%のルテニウムとが担持された前記鉄・ルテニウム担持触媒が、前記触媒反応部に収納されるとともに、
前記触媒反応部に、水蒸気を含む前記原料ガスが供給される原料ガス供給系統を備えた点にある。
この構成によれば、これまでに説明した作用・効果を奏することができる。つまり、水蒸気を含んだ原料ガスを高カロリーガス製造用触媒が収納された触媒反応部に供給して、高カロリーガス製造用触媒上における炭素析出に伴う触媒劣化を抑制しながら、CO転化率及び換算発熱量の値が、所望の値となる高カロリーガスを得ることができる。
〔構成〕
また、本発明に係る高カロリーガスの製造方法は、上記構成において、
前記一酸化炭素に対する前記水蒸気のモル比を0.5以上2.5以下として、前記高カロリーガスを製造することが好ましい。
ここで、原料ガスに含まれる一酸化炭素に対する水蒸気のモル比が0.5より小さくなると、触媒上にカーボンが析出して、触媒の性能が低下して、高カロリーガスを生成する反応が進行しにくくなる恐れが高くなる。また、析出したカーボンによって触媒反応部が閉塞されるという不具合が生ずる可能性も高くなる。一方、モル比が2.5より大きくなると、水蒸気を供給するために必要となるエネルギーが増加して、システム全体の効率が悪くなる。
〔構成〕
また、本発明に係る高カロリーガスの製造方法は、上記構成において、
前記鉄・ルテニウム担持触媒を、前記触媒反応部に収納した状態で、当該鉄・ルテニウム担持触媒を水素含有ガスと接触させる水素処理工程を実行し、当該水素処理工程に引き続いて、前記触媒反応部に前記水蒸気を含む前記原料ガスを供給することが好ましい。
上記構成によれば、高カロリーガス製造用触媒としての鉄・ルテニウム担持触媒を触媒反応部に収納した状態で(即ち、原料ガスの供給を行って高カロリーガスの製造を開始するに際して)、水素含有ガスと触媒とを接触させる水素処理工程を実行する。この水素処理工程により、触媒表面に存在する鉄やルテニウムの金属酸化物等を還元することができ、触媒表面の活性金属と水蒸気を含有する原料ガスとが接触する面積を増大させて、水蒸気を含む原料ガスに対しても十分な触媒性能を発揮することが可能となる。
そして、この水素処理工程は、例えば、200〜500℃の温度域で行われるため、触媒の大幅なシンタリングの進行を抑制する状態で、鉄とルテニウムの一部が合金化される可能性もあり、これによって、高カロリーガス製造用触媒としての活性が高くなるものと発明者は考えている。
また、この水素処理工程における水素処理温度は、250℃〜450℃とすることがより好ましく、350℃〜450℃とすることが更に好ましい。これは、例えば、触媒が300℃程度の反応温度で使用される場合に、触媒使用前の水素処理温度を触媒使用温度以上として、触媒使用時に急激にシンタリングが進んで触媒性能が変化することを防止することができると考えられるためである。
さらに、上記特徴構成によれば、この水素処理工程の実行に引き続いて、触媒反応部に水蒸気を含む原料ガスを供給するので、水素処理工程で高活性化された高カロリーガス製造用触媒に水蒸気を含む原料ガスが供給されるので、原料ガスを供給した時から良好に触媒反応が進行し、安定して高カロリーガスを製造することができ、CO転化率および高カロリーガスの換算発熱量の向上を図ることができる。
ここで、高カロリーガス製造用触媒を用いて、水素および一酸化炭素を含む原料ガスを反応させると、原料ガス中の一酸化炭素は、ルテニウム触媒上で水素により還元を受けて、メタン化し、また、鉄触媒上で、炭素−炭素鎖を形成する。そのため、前記原料ガスが反応すると、これら鉄とルテニウムとの協働作用により、メタンと炭素数2〜4の飽和炭化水素を主成分とする混合物が得られるようになる。したがって、メタンに加えてエタンや、プロパン、ブタン等の炭素数4以下の飽和炭化水素を主成分とする混合物を、効率良く生成させて高カロリーガスを製造することができる。
〔構成〕
また、本発明に係る高カロリーガスの製造方法は、上記構成において、
前記鉄・ルテニウム担持触媒は、前記鉄を前記金属酸化物担体に担持させる際に、硝酸鉄または塩化鉄を使用して製造された触媒であることが好ましい。
水溶性の硝酸鉄または塩化鉄を、水に溶かすことで鉄含有化合物溶液を生成して鉄含有化合物溶液を生成することができ、例えば、この鉄含有化合物溶液を金属酸化物担体に含浸して担持させることで、金属酸化物担体表面に鉄を分散させて担持することができ、高活性な触媒を製造することができる。
〔構成〕
また、本発明に係る高カロリーガスの製造方法は、上記構成において、
前記鉄・ルテニウム担持触媒は、前記鉄を前記金属酸化物担体に担持させる際に、前記金属酸化物担体に鉄含有化合物溶液を含浸させ、当該鉄含有化合物溶液を含浸させた金属酸化物担体を焼成して製造された触媒であることが好ましい。
鉄含有化合物溶液の含浸により鉄が分散させて担持された金属酸化物担体を焼成することで、鉄が分散された状態で金属酸化物担体に固定化することができ、高活性な触媒を製造することができる。
〔構成〕
また、本発明に係る高カロリーガスの製造方法は、上記構成において、
前記鉄・ルテニウム担持触媒は、前記金属酸化物担体に、まず鉄を担持させ、その後、ルテニウムを含浸担持させた後、湿式還元を施して製造された触媒であることが好ましい。
このように、金属酸化物担体に、まず鉄を担持させ、その後、ルテニウムを含浸担持させた後、湿式還元を施して触媒を形成すると、得られるルテニウムは高い分散度をもって担体上に分散担持されることになり、高カロリーガスを製造する触媒として有用なものとなる。つまり、ルテニウムの分散度が高いほど、触媒反応において高活性となり得る活性点が多く存在することとなる。
なお、本発明の触媒で担体に担持されたルテニウムは、通常は、主に金属状態で担持されているものと考えられるが、触媒として機能する形態を逸脱しない範囲で、酸化物や、含浸担持させる場合に用いた硝酸塩、塩化物等の塩等の形態のものを含んでいてもよい。また、湿式還元で使用する還元剤としては、ヒドラジン、水素化ホウ素ナトリウム、ホルマリンなどを挙げることができる。
以下に、本発明の高カロリーガスの製造方法を説明する。なお、以下に好適な実施例を記すが、これらの実施例はそれぞれ、本発明をより具体的に例示するために記載されたものであって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々変更が可能であり、本発明は、以下の記載に限定されるものではない。
本発明の高カロリーガスの製造方法は、金属酸化物担体に、鉄とルテニウムとを担持した高カロリーガス製造用触媒を使用して、水素、一酸化炭素及び水蒸気を含む原料ガスからメタン、エタン、プロパン、ブタン等の低級飽和炭化水素化合物を主成分とする高カロリーガスを製造する。
ここで、高カロリーガス製造用触媒は、例えば、金属酸化物担体としてのチタニア(以下、チタニア担体と呼ぶ)に鉄含有化合物溶液を用いて含浸法により鉄を担持させ焼成する。ついで、鉄が担持されたチタニア担体にルテニウム含有化合物溶液を用いてルテニウムを含浸担持させた後、湿式還元することにより製造される鉄・ルテニウム担持触媒とする。
そして、この高カロリーガス製造用触媒を、水素及び一酸化炭素を含む原料ガスが供給される反応容器(触媒反応部に相当)に収容した後、水素処理工程を実行し、この水素処理工程の実行に引き続いて、反応容器に原料ガス供給系統から水蒸気を含む原料ガスを供給して、メタン、エタン、プロパン、ブタン等の低級飽和炭化水素化合物を主成分とする高カロリーガスを製造する。ここで、水素処理工程は、高カロリーガス製造用触媒を200〜500℃の温度で水素含有ガスと接触させる工程とされている。
以下に、より具体的な高カロリーガスの製造方法の実施例について、「高カロリーガス製造用触媒の製造」、「高カロリーガス製造試験」、「高カロリーガス製造試験結果」の順に説明する。
〔実施例1〕
(高カロリーガス製造用触媒の製造)
実施例1においては、(a)〜(e)の反応剤を用いる。
(a) 直径2〜4mmの球状のチタニア担体120g
(b) 34.72gの硝酸鉄(III)・9水和物(Fe(NO33・9H2O)を含む水溶液
(c) 0.375N水酸化ナトリウム水溶液
(d) 0.3%ヒドラジン水溶液
(e) 5.07gの塩化ルテニウム(III)(ルテニウム含有量47.3質量%)を含む水溶液
チタニア担体(a)に硝酸鉄水溶液(b)の全量を含浸させ、これを乾燥させる。そして、得られた硝酸鉄を含浸担持したチタニア担体を空気中400℃で、6時間焼成することにより、鉄担持チタニアを得た。
次に、前記鉄担持チタニアに、塩化ルテニウム水溶液(e)を含浸させ、これを乾燥させて、塩化ルテニウムを含浸担持した鉄担持チタニアを得る。さらに、水酸化ナトリウム水溶液(c)に、得られた塩化ルテニウムを含浸担持した鉄担持チタニアを浸漬し、担体にルテニウムを固定化して前駆体を得た。この前駆体を、水洗、乾燥した後、常温で1時間、360mlのヒドラジン水溶液(d)に浸すことより還元して(湿式還元)、その後、水洗、乾燥することにより、鉄・ルテニウム担持触媒としての高カロリーガス製造用触媒を得た。この高カロリーガス製造用触媒の鉄の含有率(担持量)は3.8質量%であり、ルテニウムの含有率(担持量)は1.9質量%であった。
本実施例では、上述の如くヒドラジンを還元剤として使用する湿式還元によって高カロリーガス製造用触媒が形成される。このように、チタニア担体の表面に固定化されたルテニウム化合物をヒドラジンによって液相還元して、ルテニウムが担体表面に担持された状態にすることができる。これにより、湿式還元によりルテニウムの金属粒子が担体表面に高分散状態で担持され、触媒の活性点を多く有する高カロリーガス製造用触媒を得ることができる。
(高カロリーガス製造試験)
本実施例に係る高カロリーガス製造試験は、水素処理工程と触媒反応工程とから構成される。
水素処理工程では、得られた高カロリーガス製造用触媒を有効内径16mmのSUS製チューブ状の反応容器(チューブ状の反応容器中心部に外径6mmのSUS製さや管を設置し、さや管内部に熱電対を挿入して、触媒層付近の温度を熱電対にて測定して反応温度とした)に4ml充填し、水素と窒素とを混合した水素含有ガスを267cc/分の流量で流しながら、400℃の水素処理温度で1時間水素処理を施した。
ここで水素含有ガスは、このように、水素と窒素との混合ガスとすることで水素の消費量を少なくすることができる。また、水素処理後に排出される水素含有ガス中に含まれる水素濃度を低くすることができるので、この排出される水素含有ガスから水素を除去する後処理を容易にすることができる。よって、例えば、水素濃度を20体積%以下とする水素と窒素との混合ガスとすることが好ましく、本実施例では、10体積%の水素を含み残余が窒素ガスである水素含有ガスを使用して水素処理工程を実施した。
そして、高カロリーガス製造用触媒が充填された反応容器に、水素含有ガスを供給して水素処理工程を実施した後、引き続いて水素、一酸化炭素および水蒸気を含む原料ガス(CO:12.35体積%、H2:37.15体積%、N2:25.25体積%、H2O:25.25体積%)を供給し、高カロリーガスを製造する触媒反応工程を実施した。よって、この原料ガスに含まれる一酸化炭素に対する水蒸気のモル比(水蒸気のモル数/一酸化炭素のモル数)は2とされている。
なお、高カロリーガスの製造は、反応容器への原料ガス供給量(GHSV)は、4000/h、反応圧力は3MPa(ゲージ圧)の条件で行った。また、反応温度を250℃〜325℃とした。
〔実施例2〕
本実施例では、高カロリーガス製造試験において、高カロリーガス製造装置の触媒反応部に供給する原料ガスに含まれる一酸化炭素に対する水蒸気のモル比(水蒸気のモル数/一酸化炭素のモル数)を1とした以外は実施例1と同様に触媒を製造し、高カロリーガス製造試験を行なった。この場合、原料ガスの組成は、CO:12.35体積%、H2:37.15体積%、H2O:12.35体積%、N238.15体積%として構成されている。
〔比較例1〕
触媒の製造において、
(b)17.36gの硝酸鉄(III)・9水和物(Fe(NO33・9H2O)を含む水溶液
を用いること以外は実施例1と同じ方法で触媒を製造し、高カロリーガス製造用触媒を得た。この高カロリーガス製造用触媒の鉄の含有率(担持量)は2.0質量%であり、ルテニウムの含有率(担持量)は2.0質量%であった。
このようにして得た触媒を用い、実施例1と同様に高カロリーガス製造試験を行なった。
〔比較例2〕
触媒の製造において、
(a)直径2〜4mmの球状のチタニア担体30g
(b)13.04gの硝酸鉄(III)・9水和物(Fe(NO33・9H2O)を含む水溶液
(e)1.27gの塩化ルテニウム(III)(ルテニウム含有量47.3質量%)を含む水溶液
を用いること以外は実施例1と同じ方法で触媒を製造し、高カロリーガス製造用触媒を得た。この高カロリーガス製造用触媒の鉄の含有率(担持量)は5.3質量%であり、ルテニウムの含有率(担持量)は1.9質量%であった。
このようにして得た触媒を用い、実施例1と同様に高カロリーガス製造試験を行なった。
〔実施例3〕
本実施例は、硝酸鉄のかわりに、塩化鉄を用いて鉄をチタニア担体に担持した点において実施例1と異なっている。
具体的には、触媒の製造において、
(b)23.23gの塩化鉄(III)・6水和物(FeCl3・6H2O)を含む水溶液
を用いること以外は実施例1と同じ方法で触媒を製造し、高カロリーガス製造用触媒を得た。この高カロリーガス製造用触媒の鉄の含有率(担持量)は3.9質量%であり、ルテニウムの含有率(担持量)は1.9質量%であった。
このようにして得た触媒を用い、実施例1と同様に高カロリーガス製造試験を行なった。
〔実施例4〕
本実施例では、高カロリーガス製造試験において、高カロリーガス製造装置の触媒反応部に供給する原料ガスに含まれる一酸化炭素に対する水蒸気のモル比(水蒸気のモル数/一酸化炭素のモル数)を1とした以外は実施例2と同様に触媒を製造し、高カロリーガス製造試験を行なった。この場合、原料ガスの組成は、CO:12.35体積%、H2:37.15体積%、H2O:12.35体積%、N238.15体積%として構成されている。
〔比較例3〕
触媒の製造において、
(b)2.91gの塩化鉄(III)・6水和物(FeCl3・6H2O)を含む水溶液
を用いること以外は比較例2と同じ方法で触媒を調整し、高カロリーガス製造用触媒を得た。この高カロリーガス製造用触媒の鉄の含有率(担持量)は2.0質量%であり、ルテニウムの含有率(担持量)は1.9質量%であった。
このようにして得た触媒を用い、実施例1と同様に高カロリーガス製造試験を行なった。
〔比較例4〕
触媒の製造において、
(b)8.71gの塩化鉄(III)・6水和物(FeCl3・6H2O)を含む水溶液
を用いること以外は比較例2と同じ方法で触媒を調整し、高カロリーガス製造用触媒を得た。この高カロリーガス製造用触媒の鉄の含有率(担持量)は4.9質量%であり、ルテニウムの含有率(担持量)は1.7質量%であった。
このようにして得た触媒を用い、実施例1と同様に高カロリーガス製造試験を行なった。
なお、生成した高カロリーガスの成分分析には、ガスクロマトグラフを用い、分析結果から一酸化炭素の転化率および高カロリーガス中のC1〜C4及びC5以上の炭化水素量を求めた。そして、この炭化水素量から換算発熱量(触媒反応で得られた高カロリーガス中に含まれるメタン、エタン、プロパン、ブタンに関し、1立方メートル(0℃,1気圧における体積)に含まれる各ガスの量に応じた、各ガスの発熱量を合算した合計値)を求めた。一酸化炭素の転化率(CO転化率)および換算発熱量は、数1により求める。
Figure 0005988728
(高カロリーガス製造試験結果)
実施例1〜4および比較例1〜4の高カロリーガス製造試験において、高カロリーガスの成分分析を行なった結果、高カロリーガスには、反応前の原料ガスおよび反応により生成した炭化水素ガス等が含まれ、メタン(C1)、エタン(C2)、プロパン(C3)、ブタン(C4)の他に、ペンタン(C5)、ヘキサン(C6)等が含まれている事がわかった。
ここで、例えば、高カロリーガスの換算発熱量が45MJ/m3以上となることで、他のガスの添加によるカロリー調節なしに、都市ガスの代替ガスとして、ガス消費設備に供給することができる。よって、例えば、換算発熱量で45MJ/m3以上の値を、発熱量の所望の値とすることができる。なお、製造された高カロリーガスの換算発熱量が高くなりすぎた場合は、メタンによる希釈により換算発熱量を調節することができる。
また、例えば、原料ガスの一酸化炭素転化率が99.8%以上となることで、反応容器に供給した原料ガスを有効に高カロリーガスの低級飽和炭化水素に変換できるため、変換効率が良くなる。また、製造された高カロリーガス中に含まれる一酸化炭素が非常に低い濃度となるので、高カロリーガスの精製工程を簡素化でき、製造プロセスの複雑化を避けることができる。更に、都市ガスの代替ガスとして高カロリーガスが供給されるガス供給対象装置が、高カロリーガス中に含まれる一酸化炭素によって受ける悪影響を抑制することができる。よって、例えば、一酸化炭素転化率が99.8%以上の値を、一酸化炭素転化率の所望の値とすることができる。
表1に実施例1〜4および比較例1〜4のメタン、エタン、プロパンおよびブタンで構成される製造した高カロリーガスのC1〜C4の換算発熱量および一酸化炭素の転化率(CO転化率)を示す。
Figure 0005988728
表1から、硝酸鉄を原料に鉄を4質量%程度担持して製造した高カロリーガス製造用触媒を使用し、原料ガス中の一酸化炭素に対する水蒸気のモル比を2とした実施例1、及び、そのモル比を1とした実施例2では、少なくとも反応温度275℃で、CO転化率が、所望の値である99.8%以上となるとともに、換算発熱量についても、所望の値である45MJ/m3以上となることがわかった。
さらに、塩化鉄を原料に鉄を4質量%程度担持して製造した高カロリーガス製造用触媒を使用し、原料ガス中の一酸化炭素に対する水蒸気のモル比を2とした実施例3では、少なくとも反応温度250℃で、CO転化率が99.8%以上となるとともに、換算発熱量についても45MJ/m3以上となり、そのモル比を1とした実施例4では、少なくとも反応温度275℃で、CO転化率が99.8%以上となるとともに、換算発熱量についても45MJ/m3以上となることがわかった。
従って、水素処理温度400℃の範囲として水素処理を行なった実施例1〜4の高カロリーガス製造試験では、触媒反応部における反応温度を250〜275℃として、触媒反応部における反応によって原料ガスに含まれる一酸化炭素の転化率(CO転化率)を99.8%以上とするとともに、換算発熱量を45MJ/m3以上とする前記高カロリーガスを製造することができた。
一方、表1において、原料ガス中の一酸化炭素に対する水蒸気のモル比を2として、硝酸鉄を原料に鉄を2.0質量%担持して製造した高カロリーガス製造用触媒を使用した比較例1、及び、硝酸鉄を原料に鉄を5.3質量%担持して製造した高カロリーガス製造用触媒を使用した比較例2では、温度範囲250〜325℃における反応温度で、99.8%以上のCO転化率と、45MJ/m3以上の換算発熱量を同時に満たす結果を得ることはできなかった。
また、原料ガス中の一酸化炭素に対する水蒸気のモル比を2として、塩化鉄を原料に鉄を2.0質量%担持して製造した高カロリーガス製造用触媒を使用した比較例3、及び、塩化鉄を原料に鉄を4.9質量%担持して製造した高カロリーガス製造用触媒を使用した比較例4においても、温度範囲250〜325℃における反応温度で、99.8%以上のCO転化率と、45MJ/m3以上の換算発熱量を同時に満たす結果を得ることはできなかった。
ここで、比較例2および4のように、高カロリーガス製造用触媒の鉄の担持量が多くなると、触媒としての活性が落ち、一方、比較例1および3のように、高カロリーガス製造用触媒の担体への鉄の担持量が少なくなると、生成ガス中に含まれるガス成分のメタン選択率が高くなり、生成ガスの換算発熱量が低くなる傾向にあることがわかる。したがって、高カロリーガス製造用触媒の鉄の担持量を3.5質量%〜4.5質量%程度とすることが好ましく、さらに、実施例1〜4に示されるように、3.7〜4.3質量%の鉄を担持することがより好ましいと言える。
次に、チタニア担体へのルテニウムの担持量について、実施例1〜4においては、2質量%程度としている。ここで、高カロリーガス製造用触媒のルテニウムの担持量が少なくなると、触媒としての活性が落ち、一方、ルテニウムの担持量が多くなると、生成された高カロリーガス中に含まれるガス成分のメタン選択率が高くなり、高カロリーガスの換算発熱量が低くなる傾向にあり、そのままでは、高カロリーガスとしての用途に耐えなくなるため、反応後の成分調整等が必要になる等の問題を生じやすい。そのため、高カロリーガス製造用触媒のルテニウムの担持量は、1〜3質量%程度とすることが好ましく、さらに、1.3〜2.7質量%のルテニウムを担持することがより好ましいと言える。
また、本発明に係る高カロリーガスの製造触媒は、チタニア担体に、まず、鉄を担持させ、その後、ルテニウムを含浸担持させた後、湿式還元を施して製造する。このように、鉄が担体に担持された状態でルテニウムを担持させると、担持されたルテニウムどうしは、鉄がそれらの間に存在することにより、互いに凝集して分散度を低下させるというような現象が起きにくく、また、凝集しようとしても、鉄によって凝集が妨げられて分散度の低下を起こしにくくなるものと考えられる。
そして、チタニア担体にルテニウムを含浸担持させた後、湿式還元を施して触媒を形成すると、得られるルテニウムは微細な粒子となり、ルテニウムの分散度が高く、触媒反応において高活性となり得る活性点が多く存在する高カロリーガスの製造触媒を得ることができる。
よって、高カロリーガス製造用触媒を形成するにあたり、実施例1〜4における担持順のように、チタニア担体に鉄を担持したのち、ルテニウムを担持させることが、活性の高い高カロリーガス製造用触媒を製造する上で好ましい条件であることがわかる。
また、高カロリーガスを製造するにあたり、一酸化炭素に対する前記水蒸気のモル比を0.5以上2.5以下とすることが好ましい。これは、原料ガスに含まれる一酸化炭素に対する水蒸気のモル比が0.5より小さくなると、触媒上にカーボンが析出して、触媒の性能が低下して、高カロリーガスを生成する反応が進行しにくくなる恐れが高くなる。また、析出したカーボンによって触媒反応部が閉塞されるという不具合がでる可能性も高くなる。一方、モル比が2.5より大きくなると、水蒸気を供給するために必要となるエネルギーが増加して、システム全体の効率が悪くなる。よって、実施例1および3では一酸化炭素に対する水蒸気のモル比が2とされ、実施例2および4ではモル比が1とされている。
また、高カロリーガスを製造するにあたり、水素処理工程における水素処理温度は250〜500℃の温度範囲で行なわれることが好ましい。これは、水素処理温度を550℃付近まで上昇させると、高カロリーガス製造触媒においてシンタリングが進行して、触媒性能が低下するものと考えられる。このため、水素処理温度は500℃以下の範囲とすることが好ましく、また、反応温度が250〜325℃とされているので、反応前に行われる水素処理工程の水素処理温度を、反応温度の下限温度に近い温度としておくことで、反応時に反応温度によって触媒のシンタリングが進んで触媒性能が低下することを防止することができるので、水素処理温度は200℃以上とすることが好ましい。よって、実施例1〜4では、水素処理温度は400℃とされている。
〔別実施形態〕
(A)上記実施形態では、含浸法においてルテニウム化合物として塩化ルテニウム、鉄化合物として硝酸鉄、塩化鉄を用いたが、一般に含浸法において、担持される活性金属の最終形態が、同等のものであれば、本発明の高カロリーガス製造触媒の製造方法においては、出発原料としてのルテニウム化合物、鉄化合物としてはいかなるものを用いてもかまわない。
(B)上記実施形態では、チタニア担体は、球状のものを採用したが、ペレット状、リング状、チューブ状、不定形状等任意の形状のものを採用することができる。また、前記反応試験では、筒状容器に充填する形態で使用したが、ハニカム形状の形態として設置する等、任意の適用形態で使用することができる。
(C)上記実施形態では、鉄含有化合物溶液によって鉄をチタニア担体に含浸担持した後に、焼成して高カロリーガス製造用触媒を製造したが、これに限らず、鉄含有化合物溶液によって鉄をチタニア担体に含浸担持した後に、湿式還元して高カロリーガス製造用触媒を製造してもよい。そして、湿式還元するにあたり、還元剤としてヒドラジン溶液、ホルマリン、水素化ホウ酸ナトリウム溶液などの還元剤を用いることもできる。
(D)上記実施形態では、鉄が担持されたチタニア担体に、ルテニウム含有化合物溶液によってルテニウムを含浸担持した後に湿式還元するにあたり、還元剤としてヒドラジン溶液を用いたが、ホルマリン、水素化ホウ酸ナトリウム溶液などの還元剤を用いることもできる。
(E)上記実施形態では、高カロリーガス製造用触媒を触媒反応部に収納した後に、水素処理工程を実行し、この水素処理工程に引き続いて触媒反応工程を実施して高カロリーガスの製造を行ったが、当該水素処理工程に引き続いて触媒反応工程を実施して高カロリーガスの製造を行う場合に、触媒反応工程による高カロリーガスの製造に先だって、適宜、水素処理工程を実行すればよく、高カロリーガスの製造に際して、毎回、触媒の製造、触媒の触媒反応部への収納、水素処理工程を行うことを必須とするものではない。
以上説明したように、水蒸気を含む原料ガスを触媒反応部に供給して、高カロリーガスを製造する場合にも、少なくとも換算発熱量、CO転化率の点で、所望の値以上とすることができる高カロリーガスの製造方法、その製造方法を使用する高カロリーガスの製造装置及び高カロリーガス製造用触媒を提供することができる。

Claims (8)

  1. 金属酸化物担体に、鉄とルテニウムとを担持した高カロリーガス製造用触媒が収納された触媒反応部に、水素及び一酸化炭素を含む原料ガスを供給して、前記触媒反応部で、メタンと、メタン以外に炭素数2〜4の飽和炭化水素化合物のうち少なくともいずれか一つとを含む高カロリーガスを製造する高カロリーガスの製造方法であって、
    前記高カロリーガス製造用触媒として、前記金属酸化物担体に、まず鉄を担持させ、その後、ルテニウムを担持させて製造した鉄・ルテニウム担持触媒であって、3.5〜4.5質量%の鉄と、1〜3質量%のルテニウムとが担持された前記鉄・ルテニウム担持触媒を使用するとともに、
    水蒸気を含む前記原料ガスを前記触媒反応部に供給して、前記鉄・ルテニウム担持触媒による触媒反応により前記高カロリーガスを製造する高カロリーガスの製造方法。
  2. 前記一酸化炭素に対する前記水蒸気のモル比を0.5以上2.5以下として、前記高カロリーガスを製造する請求項1記載の高カロリーガスの製造方法。
  3. 前記鉄・ルテニウム担持触媒を、前記触媒反応部に収納した状態で、当該鉄・ルテニウム担持触媒を水素含有ガスと接触させる水素処理工程を実行し、当該水素処理工程に引き続いて、前記触媒反応部に前記水蒸気を含む前記原料ガスを供給して、前記鉄・ルテニウム担持触媒による触媒反応により前記高カロリーガスを製造する請求項1又は2記載の高カロリーガスの製造方法。
  4. 前記鉄・ルテニウム担持触媒は、前記鉄を前記金属酸化物担体に担持させる際に、硝酸鉄または塩化鉄を使用して製造された触媒である請求項1〜3の何れか一項記載の高カロリーガスの製造方法。
  5. 前記鉄・ルテニウム担持触媒は、前記鉄を前記金属酸化物担体に担持させる際に、前記金属酸化物担体に鉄含有化合物溶液を含浸させ、当該鉄含有化合物溶液を含浸させた金属酸化物担体を焼成して製造された触媒である請求項1〜4の何れか1項に記載の高カロリーガスの製造方法。
  6. 前記鉄・ルテニウム担持触媒は、前記金属酸化物担体に、まず鉄を担持させ、その後、ルテニウムを含浸担持させた後、湿式還元を施して製造された触媒である請求項1〜5の何れか1項に記載の高カロリーガスの製造方法。
  7. 金属酸化物担体に、鉄とルテニウムとが担持され、水素及び一酸化炭素を含む原料ガスを反応させて、メタンと、メタン以外に炭素数2〜4の飽和炭化水素化合物のうち少なくともいずれか一つとを含む高カロリーガスを製造する鉄・ルテニウム担持触媒であって、
    前記金属酸化物担体に、まず鉄を担持させ、その後、ルテニウムを担持させる状態で、3.5〜4.5質量%の鉄と、1〜3質量%のルテニウムとが担持され、水蒸気と共に前記原料ガスに接触して前記高カロリーガスとする鉄・ルテニウム担持触媒。
  8. 金属酸化物担体に、鉄とルテニウムとを担持した高カロリーガス製造用触媒が収納された触媒反応部に、水素及び一酸化炭素を含む原料ガスを供給する原料ガス供給系統を備えた高カロリーガスの製造装置であって、
    前記高カロリーガス製造用触媒として、前記金属酸化物担体に、まず鉄を担持させ、その後、ルテニウムを担持させて製造した鉄・ルテニウム担持触媒であって、3.5〜4.5質量%の鉄と、1〜3質量%のルテニウムとが担持された前記鉄・ルテニウム担持触媒が、前記触媒反応部に収納されるとともに、
    前記触媒反応部に、水蒸気を含む前記原料ガスが供給される原料ガス供給系統を備えた
    高カロリーガスの製造装置。
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