JP2015023663A - モータ駆動装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】プリチャージ抵抗を別途用意することなく、プリチャージを行うことができ、前記プリチャージ抵抗の配置スペースの削減及びコスト低減を図ることができるモータ駆動装置を提供する。【解決手段】複数の上下アームのうち1組の上下アームが電解コンデンサ60とバッテリ50の間に並列に接続され、前記1組の上下アームと電解コンデンサ60の間にはコントローラ90によりオンオフ制御されるリレー接点RLが設けられている。コントローラ90は、プリチャージ中はリレー接点RLをオフさせた状態で、前記1組の上下アームのうち、上アームのスイッチング素子Aをデューティ制御する。残りの他の全てのアームのスイッチング素子B〜Fをオフ制御して電解コンデンサ60に対してブリチャージを行う。【選択図】図1

Description

本発明は、モータ駆動装置に関する。
従来の多相モータを駆動するモータ駆動装置の例について説明する。図4に示すように、多相モータMを駆動するモータ駆動装置は、バッテリ50、電解コンデンサ60、及びインバータ回路70を有する。
インバータ回路70は、一般的に入力部に容量の大きな前記電解コンデンサ60が配置されている。
インバータ回路70の各組の上下アームは、電解コンデンサ60の出力端子側において、相互に平行に接続されている。インバータ回路70の各上アームは、スイッチング素子A,C,Eをそれぞれ有する。また、各下アームは、スイッチング素子B,D,Fをそれぞれ有する。
バッテリ50(電源部)と電解コンデンサ60の間には、リレー接点RLと、プリチャージ回路80の並列回路が接続されている。プリチャージ回路80は、スイッチ部82とプリチャージ抵抗84、ダイオード86とからなる。前記プリチャージ抵抗84は、プリチャージ時に電解コンデンサ60に流れる充電電流を制限するためのものである。
前記プリチャージ回路80は、リレー接点RLが溶着するのを防止するために備わっている。すなわち、仮に、プリチャージ回路80を省略して電解コンデンサ60をプリチャージしないでリレー接点RLをオンに切り換えると、リレー接点RLに電解コンデンサ60を充電する過大な電流が流れて溶着するからである。
そこで、上記のモータ駆動装置の電解コンデンサ60の充電方法は、まず、リレー接点RLを開成した状態で、プリチャージ回路80のスイッチ部82をオン(図5のt1時)にして電解コンデンサ60をプリチャージした後に、図5のt3時にリレー接点RLを閉成(オン)に切り換える。このため、リレー接点RLの接点を大きな電解コンデンサ60の充電電流で溶着することがない。なお、t1〜t3の時間は、予め設定されたプリチャージ時間、すなわち、固定時間であって、図示しないコントローラは、オンしたt1時からこの固定時間分を計時した後、スイッチ部82をオフする。
図5は、上記のように構成されたプリチャージ回路80がプリチャージするときの、タイムチャートである。図5に示すように、スイッチ部82(PRE)がt1時にオンすると、電解コンデンサ60の充電電流Icは、急激に立ち上がったのち、電解コンデンサ60が充電されるにしたがって減少し、t2時に0となる。また、スイッチ部82(PRE)がt1時にオンすると、電解コンデンサ60のコンデンサ電圧Vcは、徐々に増加し、電解コンデンサ60が充電されるt2時に満充電の電圧となる。
この後、リレー接点RLを図5のt3時に閉成(オン)に切り換えられる。
上記構成のモータ駆動装置は、例えば、特許文献1で開示されている。
特開2005−295697号公報
ところで、上記のように構成されたプリチャージ回路には、大きな容量のプリチャージ抵抗が必要となり、プリチャージ抵抗の配置スペース、その部品コストが問題となる。
本発明の目的は、プリチャージ抵抗を別途用意することなく、プリチャージを行うことができ、前記プリチャージ抵抗の配置スペースの削減及びコスト低減を図ることができるモータ駆動装置を提供することにある。
上記問題点を解決するために、本発明のモータ駆動装置は、直流電源と、前記直流電源に接続された電解コンデンサと、複数の上下アームから構成され、前記各アームにスイッチング素子を有して、前記電解コンデンサの直流電圧を交流電圧に変換するインバータ回路と、前記インバータ回路に接続された多相モータと、前記インバータ回路をスイッチング動作させ、前記多相モータを駆動する制御部を有するモータ駆動装置において、前記複数の上下アームのうち1組の上下アームが前記電解コンデンサと前記直流電源の間に並列に接続され、前記1組の上下アームのうち、上アームと電解コンデンサの間、または下アームと前記電解コンデンサの間には前記制御部によりオンオフ制御されるリレー接点が設けられ、前記制御部は、プリチャージ中は、前記リレー接点をオフさせた状態で、前記1組の上下アームのうち、前記リレー接点が接続されたアームのスイッチング素子をオン制御またはデューティ制御するとともに、前記インバータ回路を構成する残りの他の全てのスイッチング素子をオフ制御して前記電解コンデンサに対してブリチャージを行うものである。
また、前記モータ駆動装置では、前記多相モータの相電流を検出する電流センサを備え、前記制御部は、前記プリチャージしているときの前記電流センサの検出結果がプリチャージ完了条件を満たす場合は、前記プリチャージのためにオン制御またはデューティ制御した前記上アーム、または下アームのスイッチング素子をオフ制御するようにしてもよい。
また、本発明のモータ駆動装置は、直流電源と、前記直流電源に接続された電解コンデンサと、複数の上下アームから構成され、前記各アームにスイッチング素子を有して、前記電解コンデンサの直流電圧を交流電圧に変換するインバータ回路と、前記インバータ回路に接続された多相モータと、前記インバータ回路をスイッチング動作させ、前記多相モータを駆動する制御部を有するモータ駆動装置において、前記直流電源と前記電解コンデンサの間に設けられたリレー接点と、前記直流電源と前記リレー接点間の接続点と、前記多相モータの中性点との間に設けられたプリチャージスイッチ部とを、備え、前記制御部は、プリチャージ中は、前記リレー接点をオフ、及び前記プリチャージスイッチ部をオンさせた状態で、各上下アームのスイッチング素子を全てオフ制御して、前記電解コンデンサに対してブリチャージを行うものである。
また、前記モータ駆動装置は、前記多相モータの相電流を検出する電流センサを備え、前記制御部は、前記プリチャージしているときの前記電流センサの検出結果がプリチャージ完了条件を満たす場合は、前記プリチャージスイッチ部をオフするようにしてもよい。
本発明によれば、プリチャージ抵抗を別途用意することなく、プリチャージを行うことができ、前記プリチャージ抵抗の配置スペースの削減及びコスト低減を図ることができる。
本発明の第1実施形態のモータ駆動装置の電気回路図。 第1実施形態のモータ駆動装置のプリチャージ時のリレー接点、充電電流、コンデンサ電圧のタイミングチャート。 第2実施形態のモータ駆動装置の電気回路図。 従来のモータ駆動装置の電気回路図。 従来のモータ駆動装置のプリチャージ時のリレー接点、充電電流、コンデンサ電圧のタイミングチャート。
(第1実施形態の構成)
以下、本発明のモータ駆動装置を具体化した第1実施形態について図1及び図2を参照して説明する。なお、従来例と同一構成には同一符号を付す。
図1に示すように、多相モータMを駆動するモータ駆動装置は、バッテリ50、電解コンデンサ60、及び3組の上下アームを備えたインバータ回路70を有する。
インバータ回路70は、電解コンデンサの直流電圧を交流電圧に変換するためのものである。バッテリ50は直流電源の一例であり、バッテリ限定するものではない。
例えば交流電源を直流に変換する整流回路を直流電源としてもよい。また、本実施形態の多相モータMは、三相交流モータである。
インバータ回路70は、一般的に入力部に容量の大きな前記電解コンデンサ60が配置されている。
電解コンデンサ60のプラス側端子とバッテリ50のプラス側端子との間には、リレー接点RLが設けられている。本実施形態は、従来例の構成中、プリチャージ回路80が省略されて、リレー接点RLとバッテリ50との接続点とバッテリの負側端子間に、インバータ回路70の1組の上下アームが接続されているところが異なっている。
また、インバータ回路70の残りの2組の上下アームは、電解コンデンサ60の出力端子側において、前記1組の上下アームに対して平行に接続されている。
インバータ回路70の各上アームは、スイッチング素子A,C,Eをそれぞれ有する。また、各下アームは、スイッチング素子B,D,Fをそれぞれ有する。
スイッチング素子A〜Fは、例えば電界効果型トランジスタにより構成されている。本実施形態ではNチャネル型のMOS−FETにより構成されている。
なお、スイッチング素子A〜Fは、電界効果型トランジスタにより構成されるとは限らず、例えばバイポーラトランジスタやIGBT(Insulated Gate Bipolor Transistor)などにより構成されていてもよい。
スイッチング素子A,B間、スイッチング素子C,D間及びスイッチング素子E,F間の各接続点は、多相モータMのそれぞれの各相のコイルU,V,Wに接続されている。また、各相のコイルU,V,Wは中性点Nに相互に接続されてスター結線されている。
本実施形態では、コイルU,V,Wの巻線抵抗は、プリチャージ抵抗分に相当する容量を有するように設定されている。すなわち、前記巻線抵抗は、後述するプリチャージ時に流れる充電電流が電解コンデンサ60に急激に流れないように制限するように設定されている。なお、一般的に、コイルの巻線抵抗は、高容量であるため、前記設定は容易である。
また、スイッチング素子A,Bの接続点と、U相のコイル間、及びスイッチング素子E,Fの接続点と、W相のコイル間にはそれぞれU相、及びW相に流れる電流(相電流等)を検出するため電流センサS1,S2が接続されている。電流センサS1,S2は、モータ電流(相電流)を検出して、コントローラ90がモータの回転制御に使用するものである。
制御部としてのコントローラ90は、前記リレー接点RLをオンオフ制御する、また、コントローラ90は、インバータ回路70のスイッチング素子A〜Fをそれぞれオンオフ制御することにより多相モータMを回転させる。
(第1実施形態の作用)
上記のように構成されたモータ駆動装置において、電解コンデンサ60のプリチャージ方法を説明する。
コントローラ90は、図2のt4時から、リレー接点RLを開成した状態で、プリチャージを開始したとする。このようにリレー接点RLを開成した状態で、上アームのスイッチング素子Aをデューティ制御するとともに、残りの他の全てのスイッチング素子B〜Fをオフ制御する。
このデューティ制御により、図2に示すように、スイッチング素子Aはオンオフする。なお、図2では、説明の便宜上、デューティ比は50%で表しているが、デューティ比は、大きいほど(オン時間がオフ時間よりも長いほど)好ましい。
これにより、図1の点線で示すようにスイッチング素子Aのオン時間時に、スイッチング素子A、コイルU,中性点NからコイルV、スイッチング素子Cへの電路と、スイッチング素子A、中性点NからコイルW、スイッチング素子Eへの2つ電路が成立する。
この2つの電路で充電電流Icがバッテリ50から電解コンデンサ60を充電する。
ここで、コイルU,V,Wの巻線抵抗は、後述するプリチャージ時に流れる充電電流が電解コンデンサ60に急激に流れないように制限するように設定されているため、急激に電解コンデンサ60に充電電流が流れることはない。しかも、デューティ制御でオン時間が設定できるため、充電電流の抑制も行うことができる。
図2に示すように前記t4時以降において、充電電流Icが流れるため、電解コンデンサ60のコンデンサ電圧Vcが上昇していく。
また、図2に示すようにプリチャージ中は、電流センサS1,S2により、U相,W相に流れる充電電流の検出値がコントローラ90に入力される。
コントローラ90は、入力したU相,W相の充電電流の検出値と、U相,W相の充電電流の検出値に基づいて算出したV相に流れる電流に基づいて、充電が完了したか否かを判定する。電解コンデンサ60の充電が完了すると、充電電流は0となるため、充電電流がこの0値となることが本実施形態では、プリチャージ完了条件としている。コントローラ90は、図2のt5時に前記充電電流がプリチャージ完了条件を満たすと判定すると、スイッチング素子Aをオフ制御し、同時にリレー接点RLをオンする。
なお、インバータ回路70による多相モータMの駆動は、従来と同様であるため説明を省略する。
本実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1) 本実施形態のモータ駆動装置は、複数の上下アームのうち1組の上下アームが電解コンデンサ60とバッテリ50(直流電源)の間に並列に接続されている。また、前記1組の上下アームと電解コンデンサ60の間にはコントローラ90(制御部)によりオンオフ制御されるリレー接点RLが設けられている。
また、コントローラ90(制御部)は、プリチャージ中は、リレー接点RLをオフさせた状態で、前記1組の上下アームのうち、上アームのスイッチング素子Aをデューティ制御する。また、残りの他の全てのアームのスイッチング素子B〜Fをオフ制御して電解コンデンサ60に対してブリチャージを行う。
このため、従来と異なり、多相モータMのコイル(モータ巻線)の巻線抵抗をプリチャージ抵抗として兼用できるため、専用のプリチャージ回路が必要でなくなる。
また、プリチャージ抵抗を別途用意することなく、プリチャージを行うことができ、前記プリチャージ抵抗の配置スペースの削減及びコスト低減を図ることができる。
(2) 本実施形態のモータ駆動装置は、多相モータMの相電流を検出する電流センサS1,S2を備えている。また、コントローラ90(制御部)は、プリチャージしているときの電流センサS1,S2の検出結果がプリチャージ完了条件を満たす場合は、プリチャージのためにデューティ制御した上アームのスイッチング素子Aをオフ制御する。
一般に従来の場合、図5に示す、(t3−t1)時間は、予め設定されたプリチャージ時間、すなわち、固定時間で設定されている。すなわち、実際に必要とされている実プリチャージ時間よりも余裕をもって設定されている。図5の例では、実際のプリチャージ時間は、(t2−t1)時間である。すると、(t3−t2)時間は無駄時間となる問題がある。
本実施形態では、電解コンデンサ60の充電電流を、電流センサS1,S2で検出し、電流センサS1,S2が検出した充電電流の検出結果が、プリチャージ完了条件を満たした場合に、プリチャージを終了する。このため、従来と異なり、無駄時間を設定する必要がなくなるため、プリチャージ時間を短縮できる。
(3) また、本実施形態では、電流センサS1,S2は、多相モータMを回転制御するために設けられたものであるが、これを利用して、プリチャージ中の充電電流を検出するようにしている。この結果、本実施形態によれば、新たに充電電流検出のための電流センサを設ける必要がなくなる。
(第2実施形態の構成)
次に、第2実施形態のモータ駆動装置を、図3を参照して説明する。なお、従来例と同一構成について同一符号を付し、異なる構成について説明する。
本実施形態では、従来構成において、プリチャージ回路80のプリチャージ抵抗84を省略するとともにダイオード86が多相モータMの中性点Nに接続されているところが異なっている。スイッチ部82は、プリチャージスイッチ部に相当する。また、コントローラ90は、制御部に相当する。なお、スイッチング素子A〜Fは、第1実施形態と同一構成である。
なお、本実施形態において、バッテリ50とリレー接点RLの接続点をPとしている。また、コイルU,V,Wの巻線抵抗は、第1実施形態と同様に後述するプリチャージ時に流れる充電電流が電解コンデンサ60に急激に流れないように制限するように設定されている。
(第2実施形態の作用)
次に、第2実施形態の作用を説明する。
コントローラ90は、リレー接点RLを開成(オフ)した状態で、プリチャージを開始する。このようにリレー接点RLを開成した状態で、コントローラ90は、スイッチ部82をオン制御するとともに、全てのスイッチング素子A〜Fをオフ制御する。
このプリチャージ回路80のスイッチ部82のオンにより、図3の点線で示すように、スイッチ部82、ダイオード86、中性点Nの電路が成立する。
また、中性点Nからは、コイルUとスイッチング素子Aの電路、コイルVとスイッチング素子Cの電路、及びコイルWとスイッチング素子Eの電路が成立する。これらの電路を介して、バッテリ50から電解コンデンサ60に充電電流Icが流れてプリチャージが行われる。
ここで、コイルU,V,Wの巻線抵抗は、後述するプリチャージ時に流れる充電電流が電解コンデンサ60に急激に流れないように制限するように設定されているため、急激に電解コンデンサ60に充電電流が流れることはない。
また、プリチャージ中は、電流センサS1,S2により、U相,W相に流れる充電電流の検出値がコントローラ90に入力される。
コントローラ90は、第1実施形態と同様に、入力したU相,W相の充電電流の検出値と、U相,W相の充電電流の検出値に基づいて算出したV相に流れる電流に基づいて、充電が完了したか否かを判定する。電解コンデンサ60の充電が完了すると、充電電流は0となるため、充電電流がこの0値となることが本実施形態では、プリチャージ完了条件としている。コントローラ90は、前記充電電流がプリチャージ完了条件を満たすと判定すると、スイッチ部82をオフすると同時にリレー接点RLをオンする。
なお、インバータ回路70による多相モータMの駆動は、従来と同様であるため説明を省略する。
本実施形態によれば、第1実施形態の(3)の効果を奏するとともに以下のような効果を得ることができる。
(1) 本実施形態のモータ駆動装置は、バッテリ50(直流電源)と電解コンデンサ60の間に設けられたリレー接点RLを備える。また、モータ駆動装置は、バッテリ50とリレー接点RL間の接続点Pと、多相モータMの中性点Nとの間に設けられたスイッチ部82(プリチャージスイッチ部)とを備えている。コントローラ90(制御部)は、プリチャージ中は、リレー接点RLをオフ、及びスイッチ部82をオンさせた状態で、各上下アームのスイッチング素子A〜Fを全てオフ制御して、電解コンデンサ60に対してブリチャージを行う。
この結果、本実施形態においても、従来と異なり、多相モータMのコイル(モータ巻線)の巻線抵抗をプリチャージ抵抗として兼用できるため、専用のプリチャージ回路が必要でなくなる。また、プリチャージ抵抗を別途用意することなく、プリチャージを行うことができ、プリチャージ抵抗の配置スペースの削減及びコスト低減を図ることができる。
(2) 本実施形態のモータ駆動装置は、多相モータMの相電流を検出する電流センサS1,S2を備える。また、コントローラ90(制御部)は、プリチャージしているときの電流センサS1の検出結果がプリチャージ完了条件を満たす場合は、スイッチ部82(プリチャージスイッチ部)をオフする。
この結果、本実施形態においても、従来と異なり、無駄時間を設定する必要がなくなるため、プリチャージ時間を短縮できる。
なお、本実施形態は以下のように変更してもよい。
・ 第1実施形態では、電解コンデンサ60のプラス端子とスイッチング素子Aの間において、バッテリ50のプラス側の出力端子に接続されるリレー接点RLを設けた。この代わりに、電解コンデンサ60のマイナス端子とスイッチング素子Bの間であって、電解コンデンサ60のマイナス端子とバッテリ50のマイナス端子との間に、リレー接点RLを設けてもよい。
この場合、図2に示すようにコントローラ90は、t4時から、リレー接点RLを開成した状態で、プリチャージを開始したとする。このようにリレー接点RLを開成した状態で、下アームのスイッチング素子Bをデューティ制御するとともに、残りの他の全てのスイッチング素子A、C〜Fをオフ制御する。このデューティ制御により、スイッチング素子Bはオンオフする。この場合においても、デューティ比は、大きいほど(オン時間がオフ時間よりも長いほど)好ましい。
これにより、スイッチング素子Bのオン時間時に、電解コンデンサ60から、スイッチング素子D、コイルVを含む電路と、電解コンデンサ60から、スイッチング素子F、コイルWを含む電路との2つの電路が成立する。この2つの電路は、さらに、コイルU、スイッチング素子Bを含む電路にてバッテリ50に接続されることになる。この結果、バッテリ50から充電電流Icが流れて電解コンデンサ60を充電する。
本実施形態においても、コイルU,V,Wの巻線抵抗は、プリチャージ時に流れる充電電流が電解コンデンサ60に急激に流れないように制限するように設定されるため、急激に電解コンデンサ60に充電電流が流れることはない。しかも、デューティ制御でオン時間が設定できるため、充電電流の抑制も行うことができる。
従って、図2に示すように前記t4時以降において、充電電流Icが流れるため、電解コンデンサ60のコンデンサ電圧Vcが上昇していく。
また、図2に示すようにプリチャージ中は、電流センサS1,S2により、U相,W相に流れる充電電流の検出値がコントローラ90に入力される。
本実施形態においても、コントローラ90は、入力したU相,W相の充電電流の検出値と、U相,W相の充電電流の検出値に基づいて算出したV相に流れる電流に基づいて、充電が完了したか否かを判定する。電解コンデンサ60の充電が完了すると、充電電流は0となるため、充電電流がこの0値となることが本実施形態では、プリチャージ完了条件としている。コントローラ90は、図2のt5時に前記充電電流がプリチャージ完了条件を満たすと判定すると、スイッチング素子Bをオフ制御し、同時にリレー接点RLをオンする。
このようにしても、本実施形態においても、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
・ 前記実施形態では、多相モータMを三相交流モータとしたが、三相交流モータに限定するものではなく、6相、8相等の他の交流モータであってもよい。この場合、インバータ回路70は、その上下アームの組数をモータの相数に応じた数にすればよい。
・ 前記実施形態では、充電電流が0となった場合をプリチャージ完了条件としたが、プリチャージ完了条件は、この値に限定するものではなく、充電電流が0ではなく0値に近い値としてもよい。
・ 第2実施形態において、ダイオード86は省略してもよい。
・ 第1実施形態では、スイッチング素子Aをデューティ制御したが、オン制御すなわち、デューティ比を100%としてもよい。
RL…リレー接点、M…多相モータ、S1,S2…電流センサ、
A〜F…スイッチング素子、N…中性点、P…接続点、
50…バッテリ(直流電源)、60…電解コンデンサ、
70…インバータ回路、80…プリチャージ回路、82…スイッチ部、
90…コントローラ(制御部)。

Claims (4)

  1. 直流電源と、前記直流電源に接続された電解コンデンサと、複数の上下アームから構成され、前記各アームにスイッチング素子を有して、前記電解コンデンサの直流電圧を交流電圧に変換するインバータ回路と、前記インバータ回路に接続された多相モータと、前記インバータ回路をスイッチング動作させ、前記多相モータを駆動する制御部を有するモータ駆動装置において、
    前記複数の上下アームのうち1組の上下アームが前記電解コンデンサと前記直流電源の間に並列に接続され、前記1組の上下アームのうち、上アームと電解コンデンサの間、または下アームと前記電解コンデンサの間には前記制御部によりオンオフ制御されるリレー接点が設けられ、
    前記制御部は、プリチャージ中は、前記リレー接点をオフさせた状態で、前記1組の上下アームのうち、前記リレー接点が接続されたアームのスイッチング素子をオン制御またはデューティ制御するとともに、前記インバータ回路を構成する残りの他の全てのスイッチング素子をオフ制御して前記電解コンデンサに対してブリチャージを行うモータ駆動装置。
  2. 前記多相モータの相電流を検出する電流センサを備え、
    前記制御部は、前記プリチャージしているときの前記電流センサの検出結果がプリチャージ完了条件を満たす場合は、前記プリチャージのためにオン制御またはデューティ制御した前記上アーム、または下アームのスイッチング素子をオフ制御する請求項1に記載のモータ駆動装置。
  3. 直流電源と、
    前記直流電源に接続された電解コンデンサと、
    複数の上下アームから構成され、前記各アームにスイッチング素子を有して、前記電解コンデンサの直流電圧を交流電圧に変換するインバータ回路と、
    前記インバータ回路に接続された多相モータと、
    前記インバータ回路をスイッチング動作させ、前記多相モータを駆動する制御部を有するモータ駆動装置において、
    前記直流電源と前記電解コンデンサの間に設けられたリレー接点と、
    前記直流電源と前記リレー接点間の接続点と、前記多相モータの中性点との間に設けられたプリチャージスイッチ部とを、備え、
    前記制御部は、プリチャージ中は、前記リレー接点をオフ、及び前記プリチャージスイッチ部をオンさせた状態で、各上下アームのスイッチング素子を全てオフ制御して、前記電解コンデンサに対してブリチャージを行うモータ駆動装置。
  4. 前記多相モータの相電流を検出する電流センサを備え、
    前記制御部は、前記プリチャージしているときの前記電流センサの検出結果がプリチャージ完了条件を満たす場合は、前記プリチャージスイッチ部をオフする請求項3に記載のモータ駆動装置。
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