JP2015022615A - 媒体収納装置及び媒体取引装置 - Google Patents

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成広 北
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Abstract

【課題】先入れ後出し方式で媒体を収納する場合に当該媒体を再利用するまでの期間を延長し得るようにする。
【解決手段】紙幣入出金機10は、2個の紙幣カセット17に同一の金種を割り当て、入金取引において顧客から入金された紙幣を取込紙幣カセット内に取り込んで収納し、出金取引の際には、繰出紙幣カセット内の紙幣BLを繰り出して顧客に出金する。このため紙幣入出金機10は、入金取引において顧客から入金された紙幣BLをしばらく出金せずに保持することができる。これにより紙幣入出金機10は、仮に入金取引において偽造紙幣を鑑別できずに取り込んだとしても、繰り出されるまでの間に鑑別情報が更新されることにより、この偽造紙幣を出金取引の際に鑑別して排除できるので、他の顧客への出金を未然に防ぐことができる。
【選択図】図6

Description

本発明は媒体収納装置及び媒体取引装置に関し、例えば紙幣等の媒体を投入させ、或いは当該媒体を排出して所望の取引を行う現金自動預払機(ATM)等に適用して好適なものである。
従来、金融機関やコンビニエンスストア等に設置される現金自動預払機においては、顧客との取引内容に応じて、例えば顧客に紙幣や硬貨等の現金を入金させ、また顧客へ現金を出金するようになされている。
現金自動預払機としては、例えば顧客との間で紙幣の授受を行う接客部と、紙幣を搬送する搬送部と、投入された紙幣の金種及び真偽を鑑別する鑑別部と、投入された紙幣を一時的に保留する一時保留部と、金種ごとに紙幣を収納する紙幣カセットと、再使用すべきでない紙幣を収納するリジェクトカセットとを有するものが提案されている。
この現金自動預払機は、入金取引において、顧客が接客部に紙幣を投入すると、投入された紙幣を搬送して鑑別部で鑑別し、正常紙幣と鑑別された紙幣を一時保留部へ収納する一方、取引すべきでないと鑑別された紙幣を接客部へ戻して顧客に返却する。
続いて現金自動預払機は、顧客により入金金額が確定されると、一時保留部に収納している紙幣を繰り出してその金種を鑑別部により再鑑別し、鑑別された金種に応じて各紙幣カセットに収納すると共に、損傷の程度が大きいと鑑別された紙幣をリジェクトカセットに収納する。
また現金自動預払機は、出金処理において、顧客の操作指示により出金すべき金額が確定すると、紙幣カセットから出金すべき金額に応じた紙幣を繰り出して搬送部により搬送し、鑑別部により正常な紙幣が過不足なく繰り出されたことを鑑別した後、紙幣入出金口へ搬送して顧客に取り出させる。
ところで現金自動預払機のなかには、入金取引において顧客から入金された紙幣を紙幣カセットに取り込んで収納する一方、以降の出金取引において当該紙幣カセットから当該紙幣を繰り出して出金する、いわゆるリサイクル型(環流型)と呼ばれる手法で紙幣を取り扱うものがある(例えば、特許文献1参照)。
このリサイクル型に対応した紙幣カセットの一例として、紙幣を収納するための収納空間が上下方向に長く形成され、取り込んだ紙幣をこの収納空間内に紙面を上下に向けて集積するようになされたものがある。
この紙幣カセットには、収納空間の上方に、取込時には搬送されてきた紙幣を収納空間内へ放出する一方、操出時には収納空間内の集積されている紙幣を1枚ずつに分離する分離放出部が設けられている。
このため紙幣カセットでは、後から取り込まれた紙幣が先に繰り出される、いわゆる後入れ先出し方式で紙幣が入出されることになる。
特開2005−202707公報(段落[0021]等)
ところで現金自動預払機では、鑑別部において所定の鑑別条件に基づき、紙幣の真偽を鑑別することになる。特に精巧な偽造券が新たに流通した場合、現金自動預払機では、この偽造券の特徴に合わせて鑑別条件が更新され、更新後の鑑別条件に基づいて紙幣の真偽を鑑別することになる。
しかしながら、新たな偽造券の流通が始まってからその特徴が把握されて鑑別条件が更新されるまでは、ある程度の期間を要する。
一方、現金自動預払機では、紙幣カセットに対し後入れ先出し方式で紙幣の収納及び繰出を行うため、ある入金取引において入金された紙幣を直後の出金取引において出金する場合も想定される。
このため現金自動預払機では、入金取引において新たな偽造券が入金され、且つ鑑別部において真券と判断されてしまい、鑑別条件が更新される前に出金取引が行われてこの偽造券が紙幣カセットから繰り出された場合、この偽造券が鑑別部において再び真券と判断され、そのまま出金されてしまう恐れがある、という問題があった。
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、先入れ後出し方式で媒体を収納庫に収納しながら十分な時間の経過後に当該媒体を再利用し得る媒体収納装置及び媒体取引装置を提案しようとするものである。
かかる課題を解決するため本発明の媒体収納装置においては、利用者との間で媒体を受け渡す受渡部と、媒体を搬送する搬送部と、媒体を複数収納すると共に、受渡部から搬送部により搬送されてきた媒体を取り込んで収納する取込動作モード又は収納している媒体を先入れ後出し方式で繰り出して搬送部により受渡部へ搬送する操出動作モードで動作する複数の収納庫と、1以上の収納庫を操出動作モードに設定すると共に他の1以上の収納庫を取込動作モードに設定してそれぞれ動作させ、操出動作モードで動作する収納庫からの媒体の操出及び取込動作モードで動作する収納庫への媒体の取込のうち少なくとも一方を行い得なくなることを表す準備条件が満たされた場合、媒体を取込動作モードの収納庫に取り込み得ると共に過去に取り込まれた媒体を繰出動作モードの収納庫から繰り出し得る状態とする準備処理を行う制御部とを設けるようにした。
また本発明の媒体取引装置においては、利用者との間で媒体を受け渡す受渡部と、媒体を搬送する搬送部と、最新の鑑別条件に基づき媒体の正当性を鑑別する鑑別部と、媒体を複数収納すると共に、受渡部から搬送部により搬送された媒体を取り込んで収納する取込動作モード、又は収納している媒体を先入れ後出し方式で繰り出して搬送部により搬送し鑑別部において正当であると鑑別されたものを受渡部へ搬送する操出動作モードで動作する複数の収納庫と、1以上の収納庫を操出動作モードに設定すると共に他の1以上の収納庫を取込動作モードに設定してそれぞれ動作させ、操出動作モードで動作する収納庫からの媒体の操出及び取込動作モードで動作する収納庫への媒体の取込のうち少なくとも一方を行い得なくなることを表す準備条件が満たされた場合、媒体を取込動作モードの収納庫に取り込み得ると共に過去に取り込まれた媒体を繰出動作モードの収納庫から繰り出し得る状態とする準備処理を行う制御部とを設けるようにした。
本発明は、取り込んだ媒体を取込動作モードの収納庫に収納する一方、操出動作モードの収納庫に収納されている媒体を繰り出すことにより、収納庫に取り込まれた媒体が直ちに繰り出されることを防止でき、さらに準備条件が満たされた場合に準備処理を行うことにより媒体を再利用して処理を継続することができる。
本発明によれば、取り込んだ媒体を取込動作モードの収納庫に収納する一方、操出動作モードの収納庫に収納されている媒体を繰り出すことにより、収納庫に取り込まれた媒体が直ちに繰り出されることを防止でき、さらに準備条件が満たされた場合に準備処理を行うことにより媒体を再利用して処理を継続することができる。かくして本発明は、先入れ後出し方式で媒体を収納庫に収納しながら十分な時間の経過後に当該媒体を再利用し得る媒体収納装置及び媒体取引装置を実現できる。
現金自動預払機の構成を示す略線的斜視図である。 紙幣入出金機の構成を示す略線的側面図である。 紙幣カセット管理テーブルを示す略線図である。 紙幣カセットの構成を示す略線的側面図である。 第1の実施の形態による紙幣カセット準備処理手順を示すフローチャートである。 第1の実施の形態による動作モードの切替処理を示す略線図である。 第2の実施の形態による紙幣カセット準備処理手順を示すフローチャートである。 第2の実施の形態による動作モードの切替処理を示す略線図である。 取引に伴う各紙幣カセットの状態の変化を示す略線図である。 第3の実施の形態による紙幣カセット準備処理手順を示すフローチャートである。 第3の実施の形態による動作モードの切替処理を示す略線図である。
以下、発明を実施するための形態(以下実施の形態とする)について、図面を用いて説明する。
[1.第1の実施の形態]
[1−1.現金自動預払機の全体構成]
図1に外観を示すように、現金自動預払機1は、箱状の筐体2を中心に構成されており、例えば金融機関等に設置され、顧客との間で入金取引や出金取引等の現金に関する取引を行うようになされている。
筐体2は、その前側に顧客が対峙した状態で紙幣の投入やタッチパネルによる操作等をしやすい箇所、すなわち前面の上部から上面に渡る部分が斜めに切り落とされたような形状となっており、この部分に顧客応対部3が設けられている。
顧客応対部3は、顧客との間で現金や通帳等を直接やり取りすると共に、取引に関する情報の通知や操作指示の受付を行うようになされており、カード入出口4、入出金口5、操作表示部6、テンキー7、及びレシート発行口8が設けられている。
カード入出口4は、キャッシュカード等の各種カードが挿入または排出される部分である。カード入出口4の奥側には、各種カードに磁気記録された口座番号等の読み取りを行うカード処理部(図示せず)が設けられている。
入出金口5は、顧客が入金する紙幣が投入されると共に、顧客へ出金する紙幣BLが排出される部分である。また入出金口5は、シャッタを駆動することにより開放又は閉塞するようになされている。因みに紙幣は、例えば長方形の紙で構成されている。
操作表示部6は、取引に際して操作画面を表示するLCD(Liquid Crystal Display)と、取引の種類の選択、暗証番号や取引金額等を入力するタッチセンサとが一体化されたタッチパネルとなっている。
テンキー7は、「0」〜「9」の数字等の入力を受け付ける物理キーであり、暗証番号や取引金額等の入力操作時に用いられる。
レシート発行口8は、取引処理の終了時に取引内容等を印字したレシートを発行する部分である。因みにレシート発行口8の奥側には、レシートに取引内容等を印字するレシート処理部(図示せず)が設けられている。
以下では、現金自動預払機1のうち顧客が対峙する側を前側とし、その反対を後側とし、当該前側に対峙した顧客から見て左及び右をそれぞれ左側及び右側とし、さらに上側及び下側を定義して説明する。
筐体2内には、現金自動預払機1全体を統括制御する主制御部9や、紙幣に関する種々の処理を行う紙幣入出金機10等が設けられている。
主制御部9は、図示しないCPU(Central Processing Unit)を中心に構成されており、図示しないROMやフラッシュメモリ等から所定のプログラムを読み出して実行することにより、入金取引や出金取引等の種々の処理を行うようになされている。
また主制御部9は、内部にRAM(Random Access Memory)、ハードディスクドライブやフラッシュメモリ等でなる記憶部を有しており、この記憶部に種々の情報を記憶させるようになされている。
因みに筐体2は、前面側やその後面側等の一部の側面が開閉可能な扉により構成されている。すなわち筐体2は、顧客との間で現金に関する取引を行う取引動作時には、図1に示したように各扉を閉塞することにより、紙幣入出金機10内に収納している紙幣を保護する。一方筐体2は、作業者等が保守作業を行う保守作業時には、必要に応じて各扉を開放することにより、内部の各部に対する作業を容易に行わせ得るようになされている。
紙幣入出金機10は、図2に側面図を示すように、内部に紙幣に関する種々の処理を行う複数の部分が組み込まれている。また紙幣入出金機10の各部分は、紙幣制御部11により制御される。
紙幣制御部11は、主制御部9と同様、図示しないCPUを中心に構成されており、図示しないROMやフラッシュメモリ等から所定のプログラムを読み出して実行することにより、紙幣の搬送先を決定する処理等、種々の処理を行うようになされている。
また紙幣制御部11は、内部にRAM及びフラッシュメモリ等でなる記憶部11Aを有しており、この記憶部に種々の情報を記憶させるようになされている。
紙幣制御部11は、例えば顧客が紙幣を入金する入金取引を行う場合、操作表示部6(図1)を介して所定の操作入力を受け付けた後、シャッタを開いて接客部12内に形成された収容空間12Aへ紙幣を投入させる。
接客部12は、所定のセンサにより収容空間12A内に紙幣が1枚以上収容されているか否か、及び収容空間12A内に収容可能な最大量の紙幣が収納されているか否かを検知し、その検知結果を紙幣制御部11へ通知する。
接客部12は、収容空間12Aに紙幣が投入されると、シャッタを閉じて当該収容空間12A内から紙幣を1枚ずつ繰り出し、搬送部13へ受け渡す。搬送部13は、複数のローラやベルト等により構成されており、長方形の紙葉状に構成された紙幣を短辺方向に沿って進行させ、鑑別部14へ搬送する。
鑑別部14は、その内部で紙幣を搬送しながら、光学素子や磁気検出素子等を用いて当該紙幣の金種及び真偽、並びに損傷の程度等を鑑別し、その鑑別結果を紙幣制御部11へ通知する。これに応じて紙幣制御部11は、取得した鑑別結果に基づいて当該紙幣の搬送先を決定する。
因みに鑑別部14は、紙幣の真偽を鑑別するための真偽情報が随時更新されることにより、新たな偽造紙幣にも対応し得るようになっている。
このとき搬送部13は、鑑別部14において正常紙幣と鑑別された紙幣を一時保留部15へ搬送する等して一時的に保留させる一方、取引すべきでないと鑑別されたリジェクト紙幣を接客部12へ搬送して顧客に返却する。
その後紙幣制御部11は、操作表示部6を介して顧客に入金金額を確定させ、一時保留部15に保留している紙幣を搬送部13により鑑別部14へ搬送してその金種及び損傷の程度等を鑑別させ、その鑑別結果を取得する。
そして紙幣制御部11は、紙幣の損傷の程度が大きければ、これを再利用すべきでない紙幣として搬送部13によりリジェクトカセット16へ搬送して収納させ、損傷の程度が小さければ、これを再利用すべき紙幣として搬送部13により搬送させ、その金種に応じた紙幣カセット17に収納させる。
また紙幣制御部11は、例えば顧客が紙幣を出金する出金取引を行う場合、操作表示部6(図1)を介して所定の操作入力を受け付けた後、出金すべき金額に応じた紙幣を紙幣カセット17から繰り出させ、搬送部13により鑑別部14へ搬送させる。
続いて紙幣制御部11は、この紙幣を鑑別部14により鑑別させた上で、搬送部13により接客部12へ搬送して収容空間12A内に集積させ、入出金口5(図1)のシャッタを開いて顧客に取り出させる。
ところで紙幣入出金機10には、第1紙幣カセット17A、第2紙幣カセット17B、第3紙幣カセット17C、第4紙幣カセット17D及び第5紙幣カセット17E(以下、これらをまとめて紙幣カセット17と呼ぶ)が前側から後側へ整列するように設けられている。
また紙幣制御部11は、各紙幣カセット17に収納されている紙幣BLの枚数である収納枚数を記憶部11Aに記憶させると共に、随時更新するようになされている。
具体的に記憶部11Aは、図3に示すように、各紙幣カセット17とそれぞれにおける紙幣BLの収納枚数を対応付けて格納した紙幣カセット管理テーブルTBL1を記憶している。
因みに各紙幣カセット17における収納枚数の初期値は、各紙幣カセット17に予め収納された紙幣BLの枚数に応じて、保守作業者等による所定の設定作業により正しい値が設定される。
紙幣制御部11は、入金取引や出金取引において、紙幣BLを各紙幣カセット17へ収納する度に、及び各紙幣カセット17から紙幣BLを繰り出す度に、当該紙幣カセット管理テーブルTBL1の収納枚数を更新して増減させる。このため紙幣カセット管理テーブルTBL1は、各紙幣カセット17における最新の収納枚数が常に反映されることになる。
また紙幣カセット管理テーブルTBL1には、紙幣カセット17毎に対応付けて、「収納枚数」に加えて、「金種」、「動作モード」、「最大枚数」、「上限検知枚数」及び「下限検知枚数」といった種々の項目が設けられている。
このうち「金種」項目には、例えば「100元」、「50元」並びに「10元及び20元」といった紙幣BLの金種を表す情報が格納される。
また「動作モード」項目には、「逐次動作モード」、「取込動作モード」及び「操出動作モード」といった動作モードを表す情報が格納される(詳しくは後述する)。
「最大枚数」には、例えば「21000」のように、各紙幣カセット17に収納し得る紙幣BLの最大枚数を表す値が格納される。
「上限検知枚数」には、例えば「20000」のように、「最大枚数」よりも小さく且つその近傍の値であって、収納枚数が増加している場合に間もなく最大枚数に到達すること(すなわち満杯になること)を検知したい枚数(以下これを「上限検知枚数」と呼ぶ)の値が、予め設定されて格納される。
「下限検知枚数」には、例えば「1000」のように、「0」よりも大きく且つその近傍の値であって、収納枚数が減少している場合に間もなく収納枚数が0枚に到達することを検知したい枚数(以下これを「下限検知枚数」と呼ぶ)の値が、予め設定されて格納される。
因みに紙幣入出金機10は、1回の入金取引や出金取引において顧客との間で授受する紙幣BLの最大枚数(以下これを最大取引枚数と呼ぶ)を200枚と設定している。これに合わせて紙幣入出金機10は、接客部12及び一時保留部15における収納可能な最大の枚数も、最大取引枚数である200枚となっている。
このように紙幣入出金機10は、入金取引において接客部12に入金された紙幣を紙幣カセット17へ搬送し取り込んで収納する一方、出金取引において紙幣カセット17内から紙幣を繰り出して接客部12へ搬送して出金することにより、紙幣を環流(リサイクル)するようになされている。
[1−2.紙幣カセットの構成]
収納庫としての紙幣カセット17は、図4に模式的に示すように、直方体状の筐体21内に媒体としての紙幣BLを取り込んで集積するようになされている。因みに図4は右側面図を表している。また説明の都合上、一部の部品については透過させ、或いは省略している。
筐体21は前後、左右及び上下の各側面をほぼ閉塞しており、内部に集積された紙幣BLや各部品等を保護するようになされている。筐体21内には、直方体状の内部空間21Sが形成されている。この内部空間21S内には、平板状のステージ23が設けられている。
ステージ23は、板面をほぼ水平に向けており、内部空間21Sを上下に二分すると共にその上側を集積空間CSとして、当該ステージ23の上面に紙幣BLを集積する。またステージ23は、図示しないステージ駆動機構により上下方向へ移動されるようになされている。
筐体21の上側における後ろ寄りの部分には、複数のローラ及び搬送ガイドの組み合わせにより構成された分離放出部25が設けられている。この分離放出部25は、放出モード及び分離モードといった2種類の動作モードで動作するようになされている。
放出モードは、各ローラを適宜回転させることにより、搬送部13により搬送されてきた紙幣BLを紙幣カセット17内に取り込む際に、当該紙幣BLを搬送路Wに沿って下方へ搬送して集積空間CS内へ放出する動作モードである。
分離モードは、各ローラを適宜回転させることにより、紙幣カセット17内の紙幣BLを繰り出して搬送部13へ受け渡す際に、集積されている紙幣BLから最上面の紙幣BLを1枚ずつに分離し、搬送路Wに沿って上方へ搬送する動作モードである。
また分離放出部25は、搬送路Wを通過する紙幣BLを検知するセンサが設けられており、このセンサの検知結果を表す検知信号を紙幣制御部11へ送出する。
紙幣制御部11は、この検知信号を基に紙幣カセット17に1枚の紙幣BLが取り込まれたことや当該紙幣カセット17から1枚の紙幣BLが繰り出されたこと等を認識すると共に、紙幣カセット管理テーブルTBL1に格納されている収納枚数を更新するようになされている。
さらに集積空間CSの前面側における上端近傍、すなわち前扉22の後面における上寄りの箇所には、図示しない弾性体を介してビルストッパ26が設けられている。ビルストッパ26は、小さな直方体状に形成されており、分離放出部25から放出された紙幣BLが衝突すると、弾性体の作用により当該紙幣BLの衝撃を吸収し、僅かに後方へ押し戻す。
また紙幣カセット17には、紙幣BLの集積状態等を検知するセンサとして、最上面検知部31、残留検知部32、ステージ上限検知部33及びステージ下限検知部34とが設けられている。
最上面検知部31は、検知光L1を発光する発光部31Aと、当該検知光L1を受光する受光部31Bとにより構成されている。
発光部31Aは、筐体21の上側部分に取り付けられており、検知光L1を下斜め後方へ向けて発光する。また受光部31Bは、筐体21の後側部分に取り付けられており、上斜め前方から進行してくる検知光L1を受光する。
最上面検知部31は、ステージ23の上面又は当該ステージ23上に載置された紙幣BLの最上面(以下これを載置最上面と呼ぶ)が所定の高さH1よりも低い位置にあるとき、受光部31Bにおいて検知光L1を受光できる。一方最上面検知部31は、載置最上面が高さH1よりも高い位置にあるとき、受光部31Bにおいて検知光L1を受光できない。
受光部31Bは、検知光L1を受光したか否かを表す最上面検知信号を生成し、これを紙幣制御部11(図2)へ供給する。これに応じて紙幣制御部11は、この最上面検知信号を基に、載置最上面が高さH1よりも高いか否かを認識することができる。
因みに高さH1は、分離放出部25により集積空間CS内に紙幣BLを放出するために必要な高さに相当する。
残留検知部32は、検知光L2を発光する発光部32Aと、当該検知光L2を受光する受光部32Bとにより構成されている。
発光部32Aは、筐体21の上側部分に取り付けられており、ほぼ真下へ向けて検知光L2を発光する。また受光部32Bは、筐体21の上側部分における発光部32Aの前方に取り付けられており、ほぼ真下から進行してくる検知光L2を受光する。
さらにステージ23内には、発光部32A及び受光部32Bのほぼ真下となる2箇所に、検知光L2を反射するミラー23Mがそれぞれ組み込まれている。各ミラー23Mは、それぞれの反射面を上斜め前方向及び上斜め後方向に向けている。
残留検知部32は、ステージ23上に紙幣BLが載置されていない場合、発光部32Aから発光した検知光L2を、各ミラー23Mにより順次反射させ、受光部32Bにより受光する。一方残留検知部32は、ステージ23上に1枚以上の紙幣BLが載置されている場合、検知光L2が当該紙幣BLにより遮光されるため、受光部32Bにおいて受光できない。
受光部32Bは、検知光L2を受光したか否かを表す残留検知信号を生成し、これを紙幣制御部11(図2)へ供給する。紙幣制御部11は、この残留検知信号を基に、ステージ23上に紙幣BLが1枚以上残留しているか否かを認識することができる。
因みに、紙幣カセット17においてステージ23上に紙幣BLが残留していないことは、当該紙幣カセット17における紙幣BLの収納状態が「空」であり、紙幣BLの残量が「0」であることを表す。
ステージ上限検知部33は、筐体21の後側部における、ステージ23の移動範囲における上限付近に取り付けられている。
このステージ上限検知部33は、所定の検知光を発光する発光部(図示せず)及びこの検知光を受光する受光部(図示せず)により構成される。この発光部及び受光部は、左右に所定の間隔を空けて対向している。
一方、ステージ23の後側には、図示しない遮光突起が立設されている。ステージ23は、移動可能な範囲のうち最も上側の位置(すなわち上限)に移動したときに、遮光突起によりステージ上限検知部33の検知光を遮光する。
ステージ上限検知部33は、受光部により検知光を受光したか否かを表すステージ上限検知信号を生成し、これを紙幣制御部11(図2)へ供給する。これに応じて紙幣制御部11は、このステージ上限検知信号を基に、ステージ23が移動範囲の上限に達したか否かを認識することができる。
ステージ下限検知部34は、筐体21の後側部における、ステージ23の移動範囲における下限付近に取り付けられている。
このステージ下限検知部34は、ステージ上限検知部33と同様に構成されており、受光部により検知光を受光したか否かを表すステージ下限検知信号を生成し、これを紙幣制御部11(図2)へ供給する。これに応じて紙幣制御部11は、このステージ下限検知信号を基に、ステージ23が移動範囲の下限に達したか否かを認識することができる。
このように紙幣カセット17は、最上面検知部31及び残留検知部32によりステージ23上における紙幣BLの有無及び高さH1までの集積を検知すると共に、ステージ上限検知部33及びステージ下限検知部34によりステージ23が上限位置又は下限位置にあることをそれぞれ検知し、その検知結果を紙幣制御部11へ通知するようになされている。
[1−3.紙幣カセットの動作]
[1−3−1.基本的な動作]
ところで紙幣カセット17は、基本的な動作として、紙幣制御部11の制御に基づき、紙幣BLの取込動作及び操出動作という2通りの動作を行い得るようになっている。
取込動作は、搬送部13から搬送されてくる紙幣BLを内部に取り込んで収納する動作である。また操出動作は、内部に収納されている紙幣BLを順次繰り出して搬送部13に受け渡す動作である。
紙幣制御部11は、紙幣カセット17に取込動作をさせる場合、まずステージ上限検知部33からのステージ上限検知信号及び最上面検知部31からの最上面検知信号を監視しながら、ステージ駆動機構(図示せず)を制御してステージ23を可能な限り上方へ移動させる。
紙幣制御部11は、最上面検知信号を基に載置最上面(ステージ23の上面又は当該ステージ23上に載置された紙幣BLの最上面)が高さH1よりも高いことを認識した場合、又はステージ上限検知信号を基にステージ23が移動範囲の上限に達したことを認識した場合、ステージ23の上方への移動を中止する。
続いて紙幣制御部11は、最上面検知部31からの最上面検知信号を監視しながらステージ23を徐々に下方へ移動させていく。
紙幣制御部11は、載置最上面が高さH1に達したことを認識すると、ステージ23をその高さから所定の移動距離ΔHだけ下方へ移動させる。因みに移動距離ΔHは、例えば紙幣BLを10枚重ねたときの厚さに相当する距離となっている。
その後紙幣制御部11は、紙幣カセット17の分離放出部25を放出モードで動作させる。このとき分離放出部25は、搬送部13から搬送されてきた紙幣BLを搬送路Wに沿って下方ないし前方へ搬送し、集積空間CSの後面側における上端近傍から前方へ向けて紙幣BLを放出する。
その後紙幣BLは、ビルストッパ26に衝突して衝撃が吸収されてから、図示しない羽根車により下方へ叩き落とされ、ステージ23の上又は当該ステージ23上に集積されている紙幣BLの上に積み重ねられる。
このとき紙幣制御部11は、最上面検知部31からの最上面検知信号を常に監視しており、紙幣BLが順次ステージ23上に集積されることによってその最上面(すなわち載置最上面)が上昇して高さH1を超えたとき、最上面検知信号を基にこのことを認識する。
このとき紙幣制御部11は、図示しないステージ駆動部を制御してステージ23を移動距離ΔHだけ下方へ移動させる。これにより紙幣制御部11は、集積空間CSの高さを、紙幣BLの放出に必要な距離以上に維持することができる。
また紙幣制御部11は、ステージ下限検知部34からのステージ下限検知信号も常に監視しており、ステージ23が移動範囲の下限に到達したとき、当該ステージ下限検知信号を基にこのことを認識する。
このとき紙幣制御部11は、紙幣BLが順次ステージ23上に集積されることによって
次に載置最上面が上昇して高さH1を超えた時点で、紙幣カセット17に収納可能な最大枚数の紙幣BLを収納したことになり、これ以上紙幣BLを収納できないと判断する。
この場合、紙幣制御部11は、この紙幣カセット17が「満杯」になったものと認識して、これに応じた所定の処理を実行する。
また紙幣制御部11は、紙幣カセット17に操出動作をさせる場合、まず残留検知部32からの残留検知信号を基に、ステージ23上に紙幣BLが1枚以上残留しているか否かを判断し、紙幣BLが残留していない場合には、所定のエラー処理を実行する。
一方紙幣制御部11は、ステージ23上に紙幣BLが1枚以上残留していた場合、ステージ23を上方へ移動させ、紙幣BLの最上面である載置最上面を分離放出部25に当接させ、当該分離放出部25を分離モードで動作させる。
具体的に分離放出部25は、各ローラを適宜回転させることにより、ステージ23上に集積されている紙幣BLのうち最上面の紙幣BLを1枚ずつに分離して繰り出し、搬送路Wに沿って上方へ搬送して、搬送部13へ受け渡していく。
ここで紙幣カセット17では、最後に取り込まれた紙幣BLが集積されている紙幣BLの最上面に重ねられ、且つこの集積された紙幣BLの最上面から紙幣BLを繰り出す。すなわち紙幣カセット17は、後から取り込まれた紙幣が先に繰り出される、いわゆる後入れ先出し方式により紙幣BLが繰り出される。
このとき紙幣制御部11は、残留検知部32からの残留検知信号を基に、ステージ23上に紙幣BLが1枚以上残留しているか否かを判断し、紙幣BLが残留していない場合には、紙幣カセット17内の紙幣BLが全て排出されたものと判断する。
この場合、紙幣制御部11は、この紙幣カセット17が「空」になったものと認識して、これに応じた所定の処理を実行する。
このように紙幣制御部11は、ステージ23の位置や紙幣BLの残留の状態を監視しながら、当該ステージ23及び分離放出部25の動作を制御することにより、紙幣カセット17に紙幣BLの取込動作又は操出動作を行わせる。
[1−3−2.動作モードの設定]
ところで紙幣制御部11は、各紙幣カセット17に対し、従来と同様に操出動作及び取込動作を逐次切り替えて行う逐次動作モードに加えて、取込動作のみを行わせる取込動作モード及び操出動作のみを行わせる操出動作モードといった3通りの動作モードを設定し得るようになされている。
紙幣カセット17は、逐次動作モードに設定された場合、入金取引においては入金された紙幣BLの取込動作を行い、出金取引においては出金すべき紙幣BLの操出動作を行う。このとき紙幣カセット17では、後の入金取引において取り込まれた紙幣BLから先に、出金取引において繰り出されることになる。
一方、紙幣カセット17は、取込動作モードに設定された場合、入金取引においては入金された紙幣BLの取込動作を行うものの、出金取引においては何ら動作しない。
このため取込動作モードに設定された紙幣カセット17(以下これを取込紙幣カセットと呼ぶ)内には、次々に行われる取引処理のうち入金取引により入金された紙幣BLが、当該入金取引が行われた順に下から上に積み重ねられるようにして、集積されていく。
紙幣カセット17は、操出動作モードに設定された場合、取込動作モードとは反対に、出金取引においては出金すべき紙幣BLの操出動作を行うものの、入金取引においては何ら動作しない。
このため操出動作モードに設定された紙幣カセット17(以下これを操出紙幣カセットと呼ぶ)からは、次々に行われる取引処理のうち出金取引により出金すべき枚数の紙幣BLが、集積されている紙幣BLのうち上側から順に繰り出されていく。
これを換言すれば、操出動作モードに設定された紙幣カセット17からは、操出動作モードに設定された時点において内部に集積されていた紙幣BLの順序を崩すこと無く、最も上側の紙幣BLから順次繰り出されていくことになる。
このように紙幣カセット17は、逐次動作モード、取込動作モード又は操出動作モード
のいずれかの動作モードに設定された上で動作するようになっている。また紙幣制御部11は、このようにして設定された動作モードを表す情報を、紙幣カセット管理テーブルTBL1(図3)の「動作モード」に格納し、必要に応じて参照するようになっている。
例えば紙幣入出金機10では、図3に示したように、動作モードについて、第1紙幣カセット17A及び第3紙幣カセット17Cが操出動作モードに設定されており、第2紙幣カセット17B、第4紙幣カセット17D及び第5紙幣カセット17Eが取込動作モードに設定されている(図3)。
また紙幣入出金機10では、金種について、第1紙幣カセット17A及び第2紙幣カセット17Bが金種「100元」に設定されており、第3紙幣カセット17C及び第4紙幣カセット17Dが金種「50元」に設定されており、第5紙幣カセット17E金種「10元/20元」に設定されている。
すなわち紙幣入出金機10では、例えば金種「100元」の紙幣BLについて、入金取引において入金された紙幣BLが取込動作モードの第2紙幣カセット17Bに取り込まれ、出金取引において操出動作モードの第1紙幣カセット17Aから紙幣BLが繰り出されて出金される。
また紙幣入出金機10では、金種「50元」の紙幣BLについて、入金取引において入金された紙幣BLが取込動作モードの第4紙幣カセット17Dに取り込まれ、また出金取引において操出動作モードの第3紙幣カセット17Cから紙幣BLが繰り出されて出金される。
因みに紙幣入出金機10では、金種「10元」及び「20元」の紙幣BLについては、取引処理において入金を受け付けるものの出金をしないようになされており、入金取引において入金された紙幣BLが取込動作モードの第5紙幣カセット17Eに取り込まれる。
[1−3−3.紙幣カセット準備処理]
ところで紙幣カセット17は、操出動作モードに設定されている場合、紙幣BLを繰り出すのみで取り込まないため、紙幣BLを繰り出すに連れて収納枚数が減少していき、やがて収納枚数が0枚になると紙幣BLを繰り出すことができなくなる。
このため紙幣入出金機10は、所定の「準備条件」が満たされると、操出紙幣カセットから再び紙幣BLを繰り出すと共に、取込紙幣カセットに紙幣BLを再び取り込むことができるように準備する「紙幣カセット準備処理」を行うようになされている。
具体的に紙幣入出金機10では、操出紙幣カセット内に収納されている紙幣BLの枚数が0枚になることを準備条件としており、また紙幣カセット準備処理として、各紙幣カセット17に設定されている操出動作モード及び取込動作モードを入れ替える入替処理を行うようになされている。
以下では、この紙幣カセット準備処理について、同一の金種「100元」に設定された第1紙幣カセット17A及び第2紙幣カセット17Bに着目して、図5のフローチャートを用いて説明する。
紙幣入出金機10の紙幣制御部11は、電源が投入されると、紙幣カセット準備処理手順RT1を開始してステップSP1へ移る。ステップSP1において紙幣制御部11は、紙幣カセット管理テーブルTBL1(図3)を参照して各紙幣カセット17の金種、動作モード及び収納枚数を認識し、次のステップSP2へ移る。
ステップSP2において紙幣制御部11は、操作表示部6(図1)に対する顧客の操作に基づいて入金取引や出金取引等の各種取引処理を実行する。このとき紙幣制御部11は、いずれかの紙幣カセット17について1枚の紙幣BLの操出動作又は取込動作が行われる度に、紙幣カセット管理テーブルTBL1の収納枚数を更新して、次のステップSP3へ移る。
具体的に紙幣制御部11は、例えば顧客により「100元」の紙幣が入金される入金取引を行う場合、図6(A)に模式的に示すように、入金された紙幣BLを取込紙幣カセットである第2紙幣カセット17Bに取り込んで収納させる。また紙幣制御部11は、例えば顧客へ「100元」の紙幣を出金する出金取引を行う場合、紙幣BLを操出紙幣カセットである第1紙幣カセット17Aから繰り出す。
ステップSP3において紙幣制御部11は、操出紙幣カセットである第1紙幣カセット17Aの残留検知部32から残留検知信号を取得し、次のステップSP4へ移る。
ステップSP4において紙幣制御部11は、残留検知信号を基に、操出紙幣カセットである第1紙幣カセット17Aにおける紙幣BLの残量が「0」であるか否か、すなわち準備条件が満たされたか否かを判定する。ここで否定結果が得られると、このことは操出紙幣カセットに紙幣BLが残留しており、出金取引において操出紙幣カセットから紙幣BLを繰り出し得ることを表しており、このとき紙幣制御部11は再びステップSP2に戻る。
一方、ステップSP4において肯定結果が得られると、このことは図6(B)に示すように、出金取引において操出紙幣カセットから紙幣BLを繰り出すことができないことを表しており、このとき紙幣制御部11は次のステップSP5へ移る。
ステップSP5において紙幣制御部11は、紙幣カセット準備処理として、第1紙幣カセット17A及び第2紙幣カセット17Bの動作モードを入れ替える入替処理を行い、その情報を紙幣カセット管理テーブルTBL1(図3)に格納する。
具体的に紙幣制御部11は、図6(C)に示すように、第1紙幣カセット17Aを取込動作モードに設定すると共に第2紙幣カセット17Bを操出動作モードに設定し、紙幣カセット管理テーブルTBL1における該当箇所の情報を更新して、再度ステップSP2へ戻る。
これにより紙幣入出金機10は、出金取引において、それまでの入金取引によって十分な枚数の紙幣BLを収納している第2紙幣カセット17Bから紙幣BLを順次繰り出すことができる。これと共に紙幣入出金機10は、図6(D)に示すように、入金取引において、「空」の状態になった第1紙幣カセット17Aに紙幣BLを収納していくことができる。
このように紙幣入出金機10は、操出紙幣カセットの残量が「0」になることを準備条件として、この準備条件が満たされると、紙幣カセット準備処理として、第1紙幣カセット17A及び第2紙幣カセット17Bの動作モードを互いに入れ替える入替処理を行う。
因みに紙幣入出金機10は、同一の金種「50元」に設定された第3紙幣カセット17C及び第4紙幣カセット17Dについても、紙幣カセット準備処理手順RT1に従い、準備条件が満たされると紙幣カセット準備処理を行うようになっている。
[1−4.動作及び効果]
以上の構成において、第1の実施の形態による紙幣入出金機10は、各紙幣カセット17の動作モードとして、従来と同様の逐次動作モードに加えて、取込動作モード又は操出動作モードに設定し得るようにした。
紙幣入出金機10は、第1紙幣カセット17A及び第2紙幣カセット17Bについて、金種を同一の「100元」に設定すると共に、それぞれを取込動作モード及び操出動作モードに設定した状態で(図3)、各種取引処理を実行する。
これにより取込紙幣カセットである第2紙幣カセット17Bには、入金処理により入金された「100元」の紙幣BLが、途中で繰り出されること無く順次取り込まれ、内部に集積されていく。
また操出紙幣カセットである第1紙幣カセット17Aからは、操出動作モードでの動作を開始した時点において内部に集積されていた順序で、出金取引により出金すべき「100元」の紙幣BLが、順次繰り出されていく。
すなわち紙幣入出金機10は、出金取引において顧客に出金する際に、操出紙幣カセット(第1紙幣カセット17A)に収納されている紙幣BLのみを出金する。このため紙幣入出金機10は、直近の入金取引において顧客から入金された紙幣BLを、取込紙幣カセット(第2紙幣カセット17B)内に収納して、しばらく出金せずに保持することができる。
その後紙幣入出金機10は、操出紙幣カセットである第2紙幣カセット17Bの残量が「0」になり準備条件が満たされると、紙幣カセット準備処理として、第1紙幣カセット17A及び第2紙幣カセット17Bの動作モードを入れ替える入替処理を行い、それぞれ操出動作モード及び取込動作モードとする。
これにより紙幣入出金機10は、入金取引において顧客から入金された紙幣BLを、しばらく取込紙幣カセット(第1紙幣カセット17A)内に止めておくことができる。
例えば紙幣入出金機10は、新たに作成された偽造紙幣が入金取引において入金され、鑑別部14において正常紙幣と鑑別してしまった場合、この偽造紙幣をしばらく取込紙幣カセット(第2紙幣カセット17B)内に止めておくことができる。
紙幣入出金機10は、リサイクル方式である以上、他の正常な紙幣BLと同様、この偽造紙幣についてもいずれは出金取引において繰り出されることになるが、入金された直後に出金される可能性があった従来の方式と比較して、繰り出されるまでの期間を確実に延長することができる。
一方、鑑別部14は、精巧な偽造紙幣が新たに作成された場合、流通し始めた直後には偽造紙幣であることを鑑別できなかったとしても、例えば専門機関等で解析作業等が行われて新たな鑑別情報に更新されると、偽造紙幣であることを正しく鑑別できるようになる。
このため紙幣入出金機10は、新たに作成された偽造紙幣が入金されてから出金されるまでの間に、鑑別情報が更新された場合、出金時に鑑別部14において偽造紙幣であることを正しく鑑別することができる。
このとき紙幣入出金機10は、鑑別された偽造紙幣をリジェクトカセット16へ搬送し、その代わりに他の紙幣BLを操出紙幣カセット(この時点では第2紙幣カセット17B)から繰り出す等の処理を行うことにより、偽造紙幣が顧客に出金されることを未然に防止できる。
このように紙幣入出金機10は、リサイクル方式でありながら、操出紙幣カセット及び取込紙幣カセットを別個に設けたことにより、入金された紙幣BLが出金されるまでの期間を延長することができる。
これにより紙幣入出金機10は、取り込んだ紙幣BLを紙幣カセット17内に収納している間に鑑別部14の鑑別情報が更新されることを期待できるので、入金取引において入金された偽造紙幣が出金取引において出金されてしまう可能性を格段に低減することができる。
以上の構成によれば、第1の実施の形態による紙幣入出金機10は、2個の紙幣カセット17に同一の金種を割り当て、入金取引において顧客から入金された紙幣を取込紙幣カセット内に取り込んで収納し、出金取引の際には、操出紙幣カセット内の紙幣BLを繰り出して顧客に出金する。このため紙幣入出金機10は、入金取引において顧客から入金された紙幣BLをしばらく出金せずに保持することができる。これにより紙幣入出金機10は、仮に入金取引において偽造紙幣を鑑別できずに取り込んだとしても、繰り出されるまでの間に鑑別情報が更新されることにより、この偽造紙幣を出金取引の際に鑑別して排除できるので、他の顧客への出金を未然に防ぐことができる。
[2.第2の実施の形態]
第2の実施の形態における現金自動預払機101(図1)は、第1の実施の形態による現金自動預払機1と比較して、紙幣入出金機10に代わる紙幣入出金機110を有する点が相違するものの、他の部分については同様に構成されている。
紙幣入出金機110(図2)は、紙幣入出金機10と比較して、紙幣制御部11に代わる紙幣制御部111を有する点が相違するものの、紙幣カセット17等の他の部分については同様に構成されている。
紙幣制御部111は、紙幣制御部11と同様、図示しないCPUを中心に構成されており、図示しないROMやフラッシュメモリ等から所定のプログラムを読み出して実行することにより、紙幣の搬送先を決定する処理等、種々の処理を行う。
また紙幣制御部111は、やはり紙幣制御部11と同様に、内部にRAM及びフラッシュメモリ等でなる記憶部111Aを有しており、この記憶部に種々の情報を記憶させている。
紙幣カセット17は、第1の実施の形態と同様に構成され、取込動作及び操出動作をそれぞれ行い得ると共に、逐次動作モード、取込動作モード及び操出動作モードといった3通りの動作モードを切り替えて動作するようになされている。
[2−1.紙幣カセット準備処理]
ところで紙幣制御部111は、第1の実施の形態と同様、所定の準備条件が満たされると、紙幣カセット準備処理として各紙幣カセットの動作モードを切り替えるものの、第1の実施の形態とは切替条件及び紙幣カセット準備処理において動作モードを切り替える手順が相違している。
具体的に紙幣制御部111は、操出紙幣カセット内に収納されている紙幣BLの収納枚数が、紙幣カセット管理テーブルTBL1(図3)に格納されている下限検知枚数未満になることを準備条件としている。
また紙幣制御部111は、紙幣カセット準備処理として、各紙幣カセット17に設定されている操出動作モード及び取込動作モードを入れ替える入替処理を行うと共に、新たな操出紙幣カセットに収納されている紙幣BLの一部を新たな取込紙幣カセットへ移動させる一部移動処理も実行するようになされている。
以下では、第2の実施の形態における紙幣カセット準備処理について、同一の金種「100元」に設定された第1紙幣カセット17A及び第2紙幣カセット17Bに着目して、図5と対応する図7のフローチャートを用いて説明する。
紙幣入出金機110の紙幣制御部111は、電源が投入されると、紙幣カセット準備処理手順RT2を開始してステップSP11へ移る。
紙幣制御部111は、ステップSP11及びSP12において、ステップSP1及びSP2(図5)と同様に紙幣カセット管理テーブルTBL1(図3)を参照して各紙幣カセット17の金種、動作モード及び収納枚数を認識した上で取引処理を行い、1回の取引動作が終了するとステップSP13へ移る。
ステップSP13において紙幣制御部111は、再び紙幣カセット管理テーブルTBL1を参照することにより、操出紙幣カセットである第2紙幣カセット17Bの現時点における収納枚数及び下限枚数を確認し、次のステップSP14へ移る。
ステップSP14において紙幣制御部111は、操出紙幣カセット(第1紙幣カセット17A)において収納枚数が下限検知枚数未満であるか否か、すなわち準備条件を満たすか否かを判定する。
ここで否定結果が得られると、このことは図8(A)に模式的に示すように、操出紙幣カセット(第1紙幣カセット17A)内に十分な枚数の紙幣BLが収納されており、次の出金処理において要求される枚数の紙幣BLを繰り出し得ることを表している。このとき紙幣制御部111は、次の取引動作を行うべく、再度ステップSP12へ戻る。
一方、ステップSP14において肯定結果が得られると、このことは図8(B)に示すように、操出紙幣カセット(第1紙幣カセット17A)内に収納されている紙幣BLの枚数が比較的少なく、次の出金処理において要求される枚数の紙幣BLを繰り出し得ない恐れがあることを表している。このとき紙幣制御部111は、次のステップSP15へ移る。
ステップSP15において紙幣制御部111は、紙幣入出金機110の動作状態を変化させて顧客から新たな取引処理を受け付けない休止状態とし、次のステップSP16へ移る。
ステップSP16において紙幣制御部111は、紙幣カセット準備処理の前段として、図8(C)に示すように、第1紙幣カセット17A及び第2紙幣カセット17Bの動作モードを入れ替える入替処理を行い、次のステップSP17へ移る。
具体的に紙幣制御部111は、この入替処理として、第1紙幣カセット17Aを操出紙幣カセットから取込紙幣カセットに切り替えると共に、第2紙幣カセット17Bを取込紙幣カセットから操出紙幣カセットに切り替える。
ステップSP17において紙幣制御部111は、紙幣カセット準備処理の後段として、一部移動処理を行う。具体的に紙幣制御部111は、まず図8(D)に示すように、取込紙幣カセットであったときに入金取引によって顧客から入金されてきた紙幣を順次収納してきた第2紙幣カセット17Bから、最も後に取り込んだ1枚の紙幣BLを接客部12へ搬送し、次のステップSP18へ移る。
ステップSP18において紙幣制御部111は、接客部12からの検知信号を取得し、次のステップSP19へ移る。
ステップSP19において紙幣制御部111は、接客部12からの検知信号を基に、当該接客部12の収容空間12A内に収容可能な最大量の紙幣が収容されている否か、すなわち満杯か否かを判定する。ここで否定結果が得られると、このことは収容空間12A内にさらに紙幣BLを収容し得ることを表しており、このとき紙幣制御部111は、ステップSP17へ戻って取込紙幣カセットから次の紙幣BLを繰り出させる。
一方、ステップSP19において肯定結果が得られると、このことは収容空間12A内にこれ以上紙幣BLを収容し得ないことを表しており、このとき紙幣制御部111は、次のステップSP20へ移る。
ステップSP20において紙幣制御部111は、図8(E)に示すように、該接客部12の収容空間12A内に収容されている全ての紙幣BLを取込紙幣カセット(第1紙幣カセット17A)へ順次搬送することにより一部移動処理を終了し、次のステップSP21へ移る。
このように紙幣制御部111は、紙幣カセット準備処理として、休止状態に移行する直近に入金された紙幣BLを予め取込紙幣カセット(第1紙幣カセット17A)へ移動させる一部移動処理を完了する。
ステップSP21において紙幣制御部111は、紙幣入出金機110を通常の動作状態に、すなわち顧客から新たな取引処理を受け付ける状態に戻し(図8(F))、再度ステップSP12へ戻って一連の処理を繰り返す。
このように紙幣入出金機110は、操出紙幣カセットの収納枚数が下限検知枚数未満になり準備条件を満たすと、紙幣カセット準備処理として、両紙幣カセット17の動作モードを入れ替える入替処理を行うと共に、最も後の方に取り込まれた紙幣BLを操出紙幣カセットから取込紙幣カセットへ移動させる一部移動処理を行う。
[2−2.動作例]
次に、紙幣入出金機110において紙幣カセット準備処理を行う様子を、具体的な数値等を提示しながら説明する。
図9は、順次行われる取引に伴う各紙幣カセット17の状態が変化する様子を表形式で表したものであり、「行」を上から下へ辿るに連れて時間が経過していることを表す。またこの例では、図3にも示したように、下限検知枚数が1000枚に設定されている。
図9において、行番号1は初期値を表している。すなわち初期値としては、第1紙幣カセット17Aにおける動作モードが操出動作モードに設定され収納枚数が1100枚であり、第2紙幣カセット17Bにおける動作モードが取込動作モードに設定され収納枚数が10000枚である。
行番号2〜4は、いずれも入金取引を表しており、顧客により入金された紙幣BLが
取込動作モードで動作する第2紙幣カセット17Bに順次取り込まれて収納枚数が増加する一方、操出動作モードで動作する第1紙幣カセット17Aの収納枚数は変化しない。
行番号5は、出金取引を表しており、操出動作モードで動作する第1紙幣カセット17Aから200枚の紙幣が繰り出されることにより、この出金取引の完了後に収納枚数が900枚となっている。
この場合、操出紙幣カセットである第1紙幣カセット17Aの収納枚数が下限検知枚数である1000枚未満となり準備条件が満たされるため、紙幣入出金機110は、紙幣カセット準備処理を行う。
行番号6は、この紙幣カセット準備処理の前段として入替処理が行われたことを表しており、第1紙幣カセット17Aを取込動作モードに切り替えると共に第2紙幣カセット17Bを操出動作モードに切り替えている。
また行番号6は、紙幣カセット準備処理の後段として一部移動処理が行われたことも表しており、新たに操出紙幣カセットとなった第2紙幣カセット17Bから新たに取込紙幣カセットとなった第1紙幣カセット17Aへ200枚の紙幣BLを移動させている。
次の行番号7は、出金処理を表しており、操出動作モードに切り替えられた第2紙幣カセット17Bから100枚の紙幣が繰り出されて収納枚数が減少する一方、取込動作モードに切り替えられた第1紙幣カセット17Aの収納枚数が変化しない。
因みに紙幣入出金機110は、これ以降も、第1紙幣カセット17Aを取込紙幣カセットとし、第2紙幣カセット17Bを操出紙幣カセットとしたまま、順次取引処理を行っていく。
[2−3.動作及び効果]
以上の構成において、第2の実施の形態による紙幣入出金機110は、第1の実施の形態と同様、第1紙幣カセット17A及び第2紙幣カセット17Bについて、金種が同一の「100元」に設定されると共に、それぞれを取込動作モード及び操出動作モードに設定した状態で各種取引処理を順次実行する。
紙幣入出金機110は、入金取引において、顧客から入金された「100元」の紙幣BLを、取込紙幣カセットである第2紙幣カセット17B内に順次取り込み、集積していく。また紙幣入出金機110は、出金取引において、操出紙幣カセットである第1紙幣カセット17Aに収納されている紙幣BLを繰り出し、顧客に出金する。
このため紙幣入出金機110は、第1の実施の形態と同様、直近の入金取引において顧客から入金された紙幣BLを、取込紙幣カセット(第2紙幣カセット17B)内に収納し、しばらく出金せずに保持することができる。
その後紙幣入出金機110は、操出紙幣カセットである第1紙幣カセット17Aの収納枚数が下限検知枚数未満になり準備条件が満たされると、紙幣カセット準備処理として、第1紙幣カセット17A及び第2紙幣カセット17Bの動作モードを入れ替えると共に、一部の紙幣BLの移動処理を行う。
このとき紙幣入出金機110は、一部移動処理として、切替前に取込紙幣カセットであった第2紙幣カセット17Bに最も後の方に取り込まれた紙幣BLを、接客部12を介して、新たな取込紙幣カセットである第1紙幣カセット17Aへ移動させる。
これにより紙幣入出金機110は、紙幣カセット準備処理の直近に入金取引によって入金された紙幣BLを新たな取込紙幣カセットである第1紙幣カセット17A内へ予め取り込むことができるので、それ以前に入金された紙幣BLを出金取引において出金することができる。
これを換言すれば、紙幣入出金機110は、紙幣カセット準備処理において、入金されてから間もない紙幣BLを取込紙幣カセットに予め退避させることにより、入金されてからしばらく経過した紙幣BLを出金取引において出金することができる。
ところで第1の実施の形態による紙幣入出金機10では、紙幣カセット準備処理として動作モードの入替処理のみを行っていた。このため紙幣入出金機10では、新たに操出紙幣カセットとなった第2紙幣カセット17Bから、直前の入金取引において取り込まれた紙幣BLを最初に繰り出すことになり、鑑別部14における鑑別情報の更新が間に合わない可能性もあった。
これに対し第2の実施の形態による紙幣入出金機110は、紙幣カセット準備処理の直近に入金取引により入金された紙幣BLを取込紙幣カセットに予め退避させることで、それ以前に入金され十分に時間が経過した紙幣BLから出金することができる。
このため紙幣入出金機110は、紙幣カセット準備処理の直前に取り込まれた紙幣BLについても、繰り出されるまでに十分な時間を確保して鑑別部14における鑑別情報の更新を期待することができる。この結果紙幣入出金機110は、出金取引において偽造紙幣が出金されてしまう危険性を格段に低減することができる。
その他の点においても、第2の実施の形態による紙幣入出金機110は、第1の実施の形態と同様の作用効果を奏し得る。
以上の構成によれば、第2の実施の形態による紙幣入出金機110は、入金取引において顧客から入金された紙幣を取込紙幣カセット内に取り込んで収納し、出金取引において操出紙幣カセット内の紙幣BLを繰り出して顧客に出金する。また紙幣入出金機110は、操出紙幣カセットの収納枚数が下限検知枚数未満になると、紙幣カセット準備処理として、入替処理及び一部移動処理を行う。このため紙幣入出金機110は、紙幣カセット準備処理の直前を含む入金取引において顧客から入金された紙幣BLを、しばらく出金せずに保持することができる。これにより紙幣入出金機110は、仮に入金取引において偽造紙幣を鑑別できずに取り込んだとしても、繰り出されるまでの間に鑑別情報が更新されることにより、この偽造紙幣を出金取引の際に鑑別して排除できるので、他の顧客に出金されることを未然に防ぐことができる。
[3.第3の実施の形態]
第3の実施の形態における現金自動預払機201(図1)は、第1の実施の形態による現金自動預払機1と比較して、紙幣入出金機10に代わる紙幣入出金機210を有する点が相違する物の、他の部分については同様に構成されている。
紙幣入出金機210(図2)は、紙幣入出金機10と比較して、紙幣制御部11に代わる紙幣制御部211を有する点が相違するものの、紙幣カセット17等の他の部分については同様に構成されている。
紙幣制御部211は、紙幣制御部11と同様、図示しないCPUを中心に構成されており、図示しないROMやフラッシュメモリ等から所定のプログラムを読み出して実行することにより、紙幣の搬送先を決定する処理等、種々の処理を行う。
また紙幣制御部211は、やはり紙幣制御部11と同様に、内部にRAM及びフラッシュメモリ等でなる記憶部211Aを有しており、この記憶部に種々の情報を記憶させるようになされている。
紙幣カセット17は、第1の実施の形態と同様に構成され、取込動作及び操出動作をそれぞれ行い得ると共に、逐次動作モード、取込動作モード及び操出動作モードといった3通りの動作モードを切り替えて動作するようになされている。
[3−1.動作モードの切替処理]
ところで紙幣制御部211は、所定の準備条件が満たされると紙幣カセット準備処理を行うものの、その内容が第1及び第2の実施の形態とは相違している。
具体的に紙幣制御部211は、第2の実施の形態と同様、操出動作モードに設定された紙幣カセット17内に収納されている紙幣BLの収納枚数が、紙幣カセット管理テーブルTBL1に格納されている下限検知枚数未満になることを準備条件としている。
その一方で紙幣制御部211は、紙幣カセット準備処理として、各紙幣カセット17に設定されている動作モードを変更すること無く、取込紙幣カセットに収納されている紙幣BLの全部を操出紙幣カセットへ移動させる全部移動処理を実行するようになされている。
以下では、第3の実施の形態における紙幣カセット準備処理について、同一の金種「100元」に設定された第1紙幣カセット17A及び第2紙幣カセット17Bに着目して、図5及び図7と対応する図10のフローチャートを用いて説明する。
紙幣入出金機210の紙幣制御部211は、電源が投入されると、紙幣カセット準備処理手順RT3を開始してステップSP31へ移る。
紙幣制御部211は、ステップSP31〜SP35においてステップSP11〜SP15(図7)と同様の処理をそれぞれ実行することにより、各種の取引処理を行い(図11(A))、準備条件が満たされると(図11(B))、紙幣入出金機110を休止させて次のステップSP36へ移る。
ステップSP36において紙幣制御部211は、紙幣カセット準備処理として、紙幣BLの全部移動処理を開始する。具体的に紙幣制御部211は、取込紙幣カセットである第2紙幣カセット17Bから、搬送部13を介して1枚の紙幣BLを操出紙幣カセットである第1紙幣カセット17Aへ移動させ、次のステップSP37へ移る。
このとき移動される紙幣BLは、紙幣カセット17の構造上、入金取引によって顧客から入金され取込紙幣カセット(第2紙幣カセット17B)に取り込まれた紙幣BLのうち、最も後に取り込まれた1枚となる。
ステップSP37において紙幣制御部211は、紙幣カセット管理テーブルTBL1(図3)を参照することにより、第1紙幣カセット17A及び第2紙幣カセット17Bの収納枚数及び最大枚数を確認し、次のステップSP38へ移る。
ステップSP38において紙幣制御部211は、取込紙幣カセットである第2紙幣カセット17Bが「空」であるか否かを判定する。ここで否定結果が得られると、紙幣制御部211は次のステップSP39へ移る。
ステップSP39において紙幣制御部211は、操出紙幣カセットである第1紙幣カセット17Aが「満杯」であるか否かを判定する。ここで否定結果が得られると、このことは取込紙幣カセットから操出紙幣カセットへ更に紙幣BLを移動し得ることを表している。このとき紙幣制御部211は、再度ステップSP36へ戻って紙幣BLを1枚ずつ移動させる処理を繰り返す。
一方、ステップSP38において肯定結果が得られた場合、及びステップSP39において肯定結果が得られた場合、これらのことは図11(C)に示すように、これ以上取込紙幣カセットから操出紙幣カセットへ紙幣BLを移動し得ないことを表している。このとき紙幣制御部211は次のステップSP40へ移る。
ステップSP40において紙幣制御部211は、紙幣入出金機210を通常の動作状態に、すなわち顧客から新たな取引処理を受け付ける状態に戻し(図11(D))、再度ステップSP32へ戻って一連の処理を繰り返す。
このように紙幣入出金機110は、操出紙幣カセットの収納枚数が下限検知枚数未満になり準備条件を満たすと、紙幣カセット準備処理として、取込紙幣カセットに収納されている紙幣BLの全部を操出紙幣カセットへ移動させる全部移動処理を行う。
[3−2.動作及び効果]
以上の構成において、第3の実施の形態による紙幣入出金機210は、第1の実施の形態と同様、第1紙幣カセット17A及び第2紙幣カセット17Bについて、金種が同一の「100元」に設定されると共に、それぞれが取込動作モード及び操出動作モードに設定された状態で各種取引処理を順次実行する。
紙幣入出金機210は、入金取引において、顧客から入金された「100元」の紙幣BLを、取込紙幣カセットである第2紙幣カセット17B内に順次取り込み、集積していく。また紙幣入出金機110は、出金取引において、操出紙幣カセットである第1紙幣カセット17Aに収納されている紙幣BLを繰り出し、顧客に出金する。
このため紙幣入出金機210は、第1及び第2の実施の形態と同様、直近の入金取引において顧客から入金された紙幣BLを、取込紙幣カセット(第2紙幣カセット17B)内に収納し、しばらく出金せずに保持することができる。
その後紙幣入出金機210は、操出紙幣カセットである第1紙幣カセット17Aの収納枚数が下限検知枚数未満になり準備条件が満たされると、紙幣カセット準備処理として、紙幣BLの全部移動処理を行う。
具体的に紙幣入出金機210は、全部移動処理として、取込紙幣カセットである第2紙幣カセット17Bに最も後の方に取り込まれた紙幣BLを、接客部12を介して、新たな取込紙幣カセットである第1紙幣カセット17Aへ順次移動させていく。
これにより紙幣入出金機210は、入金取引によって取込紙幣カセットである第2紙幣カセット17Bに順次取り込まれた紙幣BLを、取り込んだ順序と反対の順序で取込紙幣カセットである第1紙幣カセット17A内へ移動させ、順次収納させていく。
これを換言すれば、紙幣入出金機210は、全部移動処理により、取込紙幣カセットである第2紙幣カセット17B内から移動可能な全ての紙幣BLを操出紙幣カセットである第1紙幣カセット17A内に移動させると共に、各紙幣BLの集積順序を反転させる。
これにより紙幣入出金機210は、全部移動処理の終了後、出金取引において、収納している紙幣BLのうち最も早く取り込まれたもの、すなわち最も長い間収納されている紙幣BLから順に繰り出すことができる。
すなわち紙幣入出金機210は、入金取引において取り込まれてから十分に時間が経過した紙幣BLから順次繰り出すことができる。このため紙幣入出金機210は、仮に鑑別部14において偽造紙幣を鑑別できずに取り込んでいたとしても、出金されるまでの間に鑑別情報が更新された場合、この偽造紙幣を適切に鑑別することができ、出金取引において偽造紙幣が出金されてしまう危険性を格段に低減することができる。
その他の点においても、第3の実施の形態による紙幣入出金機210は、第1の実施の形態と同様の作用効果を奏し得る。
以上の構成によれば、第3の実施の形態による紙幣入出金機210は、入金取引において顧客から入金された紙幣を取込紙幣カセット内に取り込んで収納し、出金取引において操出紙幣カセット内の紙幣BLを繰り出して顧客に出金する。また紙幣入出金機210は、操出紙幣カセットの収納枚数が下限検知枚数未満になると、紙幣カセット準備処理として紙幣BLの全部移動処理を行う。このため紙幣入出金機210は、入金取引において顧客から入金されたいずれの紙幣BLについても、取り込んだ順に、すなわち十分に長い時間に渡って保持した後に繰り出すことができる。これにより紙幣入出金機210は、仮に入金取引において偽造紙幣を鑑別できずに取り込んだとしても、繰り出されるまでの間に鑑別情報が更新されることにより、この偽造紙幣を出金取引の際に鑑別して排除できるので、他の顧客に出金されることを未然に防ぐことができる。
[4.他の実施の形態]
なお上述した第1の実施の形態においては、操出紙幣カセットである第1紙幣カセット17Aにおける紙幣BLの残量が「0」であるか否かを準備条件とした場合について述べた。
しかしながら本発明はこれに限らず、例えば第2及び第3の実施の形態と同様に操出紙幣カセットである第1紙幣カセット17Aにおいて収納枚数が下限検知枚数未満であるか否かを準備条件としても良く、或いは取込紙幣カセットである第2紙幣カセット17Bにおいて収納枚数が上限検知枚数よりも多いか否かや、当該収納枚数が最大収納枚数であるか否かを準備条件としても良い。
すなわち準備条件としては、操出紙幣カセットである第1紙幣カセット17Aから紙幣BLを繰り出し得なくなったこと若しくは間もなく繰り出し得なくなること、又は取込紙幣カセットである第2紙幣カセット17Bに紙幣BLを取り込めなくなったこと若しくは間もなく取り込めなくなることを、何らかの手法により検知できれば良い。第2及び第3の実施の形態についても同様である。
また上述した第1の実施の形態においては、紙幣カセット17に設けた残留検知部32等のセンサにより、紙幣BLの有無や残量を光学的に検知し、その検知結果を表す検知信号を基に紙幣制御部11がこれらを認識する場合について述べた。
しかしながら本発明はこれに限らず、例えば第2及び第3の実施の形態と同様に、紙幣カセット管理テーブルTBL1に格納されている収納枚数の情報を基に紙幣BLの有無や残量を紙幣制御部11が認識するようにしても良く、或いは紙幣カセット管理テーブルTBL1に格納されている収納枚数の情報と各センサからの検知結果とを統合的に判断して、紙幣BLの有無や残量を紙幣制御部11が認識するようにしても良い。
一方、第2及び第3の実施の形態については、これと反対に、紙幣カセット17に設けた残留検知部32等のセンサにより、紙幣BLの有無や残量を光学的に検知し、その検知結果を表す検知信号を基に紙幣制御部11がこれらを認識するようにしても良い。特に上限検知枚数や下限検知枚数については、紙幣カセット17内におけるこれらの枚数と対応する位置に、紙幣BLの有無を検知する各種センサを設ければ良い。
さらに上述した実施の形態においては、紙幣カセット17に設ける残留検知部32等のセンサにおいて、検知光L2等が遮光されるか否かを用いて紙幣BL又はステージ23の位置や有無等を検知するようにした場合について述べた。
しかしながら本発明はこれに限らず、例えば超音波の反射や機械的なスイッチ等、種々の手法により紙幣BL又はステージ23の位置や有無等を検知するようにしても良い。
さらに上述した第2の実施の形態においては、一部移動処理において、操出カセットである第2紙幣カセット17Bから紙幣BLを一度接客部12に移動させ、当該接客部12から紙幣BLを取込カセットである第1紙幣カセット17Aへ移動させるようにした場合について述べた。
しかしながら本発明はこれに限らず、例えば一時保留部15のような紙幣BLを一時的に収納し得る種々の箇所に一時的に移動させるようにしても良く、或いは第3の実施の形態と同様に、操出カセットである第2紙幣カセット17Bから紙幣BLを取込紙幣カセットである第1紙幣カセット17Aへ直接移動させるようにしても良い。
また一部移動処理における紙幣BLの移動枚数については、接客部12に収容可能な最大枚数とする以外にも、例えばこの最大枚数よりも少ない150枚やこの最大枚数よりも多い600枚のような任意の枚数としても良い。或いは移動枚数を、直近の所定回数の入金取引において入金された紙幣BLの枚数のように、実際の利用状況に応じた枚数としても良い。このときの移動枚数が接客部12の収容可能枚数を上回る場合には、複数回に分けて移動させても良く、さらには一時保留部15等を併用するようにしても良い。
さらに上述した第2の実施の形態においては、各紙幣カセット17における最大枚数が21000枚であるのに対し上限検知枚数をこれよりも1000枚少ない20000枚とし、また下限検知枚数を1000枚とするようにした場合について述べた。
しかしながら本発明はこれに限らず、上限検知枚数を最大枚数よりも600枚少ない枚数や1200枚少ない枚数のように種々の枚数としても良く、下限検知枚数を400枚や1500枚のように種々の枚数としても良い。要は、上限検知枚数としては、最大枚数よりも少なく、且つ収納枚数の増加により間もなく最大枚数に達するような枚数であれば良い。また下限検知枚数としては、0枚よりも多く、且つ収納枚数の減少により間もなく0枚となるような枚数であれば良い。これらの場合、1回の取引における最大の枚数である200枚を考慮してそれぞれの値を設定することが望ましい。第3の実施の形態についても同様である。
さらに上述した第1の実施の形態においては、金種毎に紙幣カセット準備処理手順RT1(図5)を実行することにより、金種毎に独自のタイミングで紙幣カセット準備処理を行うようにした場合について述べた。
しかしながら本発明はこれに限らず、例えば複数の金種のうちいずれかが準備条件を満たした場合に、全ての金種について並行して紙幣カセット準備処理を行うようにしても良い。第3の実施の形態についても同様であり、特にこの第3の実施の形態では、紙幣カセット準備処理を行うために紙幣入出金機210を休止させる合計時間を短縮でき、またその頻度を削減することができる。
さらに上述した実施の形態においては、2個の紙幣カセット17に同一の金種を割り当てると共に、操出カセット及び取込カセットを1個ずつ設定するようにした場合について述べた。
しかしながら本発明はこれに限らず、3個以上の紙幣カセット17に同一の金種を割り当てると共に、操出カセット及び取込カセットを少なくとも1個ずつ設定するようにしても良い。
さらに本発明は、上述した各実施の形態及び他の実施の形態に限定されるものではない。すなわち本発明は、上述した各実施の形態と上述した他の実施の形態の一部又は全部を任意に組み合わせた実施の形態や、一部を抽出した実施の形態にもその適用範囲が及ぶものである。
さらに上述した第1の実施の形態においては、顧客との間で現金に関する取引処理を行う現金自動預払機1の紙幣入出金機10において、媒体としての紙幣BLを紙幣カセット17に取り込み、また繰り出す場合に本発明を適用するようにした場合について述べた。
しかしながらこれに限らず、例えば種々の金券や証券等のような種々の媒体を先入れ後出し方式の収納庫に収納する種々の装置において、所定の取引においてこれらの媒体を取り込んで収納し、後の他の取引においてこの媒体をリサイクルして繰り出す場合に、本発明を適用するようにしても良い。第2及び第3の実施の形態についても同様である。
さらに上述した第1の実施の形態においては、受渡部としての接客部12と、搬送部としての搬送部13と、収納庫としての紙幣カセット17と、制御部としての紙幣制御部11とによって媒体収納装置としての紙幣入出金機10を構成する場合について述べた。
しかしながら本発明はこれに限らず、その他種々の構成でなる受渡部と、搬送部と、収納庫と、制御部とによって媒体収納装置を構成するようにしても良い。
さらに上述した第1の実施の形態においては、受渡部としての顧客応対部3及び接客部12と、搬送部としての搬送部13と、鑑別部としての鑑別部14と、収納庫としての紙幣カセット17と、制御部としての紙幣制御部11とによって媒体取引装置としての現金自動預払機1を構成する場合について述べた。
しかしながら本発明はこれに限らず、その他種々の構成でなる受渡部と、搬送部と、鑑別部と、収納庫と、制御部とによって媒体取引装置を構成するようにしても良い。
本発明は、媒体を取り込んで収納すると共に、これを再利用して繰り出す種々の装置でも利用できる。
1、101、201……現金自動預払機、3……顧客応対部、6……操作表示部、9……主制御部、10、110、210……紙幣入出金機、11、111、211……紙幣制御部、11A、111A、211A……記憶部、12……接客部、12A……収容空間、13……搬送部、14……鑑別部、15……一時保留部、17……紙幣カセット、21……筐体、21S……内部空間、23……ステージ、25……分離放出部、31……最上面検知部、32……残留検知部、33……ステージ上限検知部、34……ステージ下限検知部、BL……紙幣、TBL1……紙幣カセット管理テーブル。
この紙幣カセットには、収納空間の上方に、取込時には搬送されてきた紙幣を収納空間内へ放出する一方、繰出時には収納空間内の集積されている紙幣を1枚ずつに分離する分離放出部が設けられている。
かかる課題を解決するため本発明の媒体収納装置においては、利用者との間で媒体を受け渡す受渡部と、媒体を搬送する搬送部と、媒体を複数収納すると共に、受渡部から搬送部により搬送されてきた媒体を取り込んで収納する取込動作モード又は収納している媒体を先入れ後出し方式で繰り出して搬送部により受渡部へ搬送する繰出動作モードで動作する複数の収納庫と、1以上の収納庫を繰出動作モードに設定すると共に他の1以上の収納庫を取込動作モードに設定してそれぞれ動作させ、繰出動作モードで動作する収納庫からの媒体の繰出及び取込動作モードで動作する収納庫への媒体の取込のうち少なくとも一方を行い得なくなることを表す準備条件が満たされた場合、準備処理を行う制御部とを設けるようにした。
また本発明の媒体取引装置においては、利用者との間で媒体を受け渡す受渡部と、媒体を搬送する搬送部と、最新の鑑別条件に基づき媒体の正当性を鑑別する鑑別部と、媒体を複数収納すると共に、受渡部から搬送部により搬送された媒体を取り込んで収納する取込動作モード、又は収納している媒体を先入れ後出し方式で繰り出して搬送部により搬送し鑑別部において正当であると鑑別されたものを受渡部へ搬送する繰出動作モードで動作する複数の収納庫と、1以上の収納庫を繰出動作モードに設定すると共に他の1以上の収納庫を取込動作モードに設定してそれぞれ動作させ、繰出動作モードで動作する収納庫からの媒体の繰出及び取込動作モードで動作する収納庫への媒体の取込のうち少なくとも一方を行い得なくなることを表す準備条件が満たされた場合、準備処理を行う制御部とを設けるようにした。
本発明は、取り込んだ媒体を取込動作モードの収納庫に収納する一方、繰出動作モードの収納庫に収納されている媒体を繰り出すことにより、収納庫に取り込まれた媒体が直ちに繰り出されることを防止でき、さらに準備条件が満たされた場合に準備処理を行うことにより媒体を再利用して処理を継続することができる。
本発明によれば、取り込んだ媒体を取込動作モードの収納庫に収納する一方、繰出動作モードの収納庫に収納されている媒体を繰り出すことにより、収納庫に取り込まれた媒体が直ちに繰り出されることを防止でき、さらに準備条件が満たされた場合に準備処理を行うことにより媒体を再利用して処理を継続することができる。かくして本発明は、先入れ後出し方式で媒体を収納庫に収納しながら十分な時間の経過後に当該媒体を再利用し得る媒体収納装置及び媒体取引装置を実現できる。
また「動作モード」項目には、「逐次動作モード」、「取込動作モード」及び「繰出動作モード」といった動作モードを表す情報が格納される(詳しくは後述する)。
[1−3.紙幣カセットの動作]
[1−3−1.基本的な動作]
ところで紙幣カセット17は、基本的な動作として、紙幣制御部11の制御に基づき、紙幣BLの取込動作及び繰出動作という2通りの動作を行い得るようになっている。
取込動作は、搬送部13から搬送されてくる紙幣BLを内部に取り込んで収納する動作である。また繰出動作は、内部に収納されている紙幣BLを順次繰り出して搬送部13に受け渡す動作である。
また紙幣制御部11は、紙幣カセット17に繰出動作をさせる場合、まず残留検知部32からの残留検知信号を基に、ステージ23上に紙幣BLが1枚以上残留しているか否かを判断し、紙幣BLが残留していない場合には、所定のエラー処理を実行する。
このように紙幣制御部11は、ステージ23の位置や紙幣BLの残留の状態を監視しながら、当該ステージ23及び分離放出部25の動作を制御することにより、紙幣カセット17に紙幣BLの取込動作又は繰出動作を行わせる。
[1−3−2.動作モードの設定]
ところで紙幣制御部11は、各紙幣カセット17に対し、従来と同様に繰出動作及び取込動作を逐次切り替えて行う逐次動作モードに加えて、取込動作のみを行わせる取込動作モード及び繰出動作のみを行わせる繰出動作モードといった3通りの動作モードを設定し得るようになされている。
紙幣カセット17は、逐次動作モードに設定された場合、入金取引においては入金された紙幣BLの取込動作を行い、出金取引においては出金すべき紙幣BLの繰出動作を行う。このとき紙幣カセット17では、後の入金取引において取り込まれた紙幣BLから先に、出金取引において繰り出されることになる。
紙幣カセット17は、繰出動作モードに設定された場合、取込動作モードとは反対に、出金取引においては出金すべき紙幣BLの繰出動作を行うものの、入金取引においては何ら動作しない。
このため繰出動作モードに設定された紙幣カセット17(以下これを繰出紙幣カセットと呼ぶ)からは、次々に行われる取引処理のうち出金取引により出金すべき枚数の紙幣BLが、集積されている紙幣BLのうち上側から順に繰り出されていく。
これを換言すれば、繰出動作モードに設定された紙幣カセット17からは、繰出動作モードに設定された時点において内部に集積されていた紙幣BLの順序を崩すこと無く、最も上側の紙幣BLから順次繰り出されていくことになる。
このように紙幣カセット17は、逐次動作モード、取込動作モード又は繰出動作モード
のいずれかの動作モードに設定された上で動作するようになっている。また紙幣制御部11は、このようにして設定された動作モードを表す情報を、紙幣カセット管理テーブルTBL1(図3)の「動作モード」に格納し、必要に応じて参照するようになっている。
例えば紙幣入出金機10では、図3に示したように、動作モードについて、第1紙幣カセット17A及び第3紙幣カセット17Cが繰出動作モードに設定されており、第2紙幣カセット17B、第4紙幣カセット17D及び第5紙幣カセット17Eが取込動作モードに設定されている(図3)。
すなわち紙幣入出金機10では、例えば金種「100元」の紙幣BLについて、入金取引において入金された紙幣BLが取込動作モードの第2紙幣カセット17Bに取り込まれ、出金取引において繰出動作モードの第1紙幣カセット17Aから紙幣BLが繰り出されて出金される。
また紙幣入出金機10では、金種「50元」の紙幣BLについて、入金取引において入金された紙幣BLが取込動作モードの第4紙幣カセット17Dに取り込まれ、また出金取引において繰出動作モードの第3紙幣カセット17Cから紙幣BLが繰り出されて出金される。
[1−3−3.紙幣カセット準備処理]
ところで紙幣カセット17は、繰出動作モードに設定されている場合、紙幣BLを繰り出すのみで取り込まないため、紙幣BLを繰り出すに連れて収納枚数が減少していき、やがて収納枚数が0枚になると紙幣BLを繰り出すことができなくなる。
このため紙幣入出金機10は、所定の「準備条件」が満たされると、繰出紙幣カセットから再び紙幣BLを繰り出すと共に、取込紙幣カセットに紙幣BLを再び取り込むことができるように準備する「紙幣カセット準備処理」を行うようになされている。
具体的に紙幣入出金機10では、繰出紙幣カセット内に収納されている紙幣BLの枚数が0枚になることを準備条件としており、また紙幣カセット準備処理として、各紙幣カセット17に設定されている繰出動作モード及び取込動作モードを入れ替える入替処理を行うようになされている。
ステップSP2において紙幣制御部11は、操作表示部6(図1)に対する顧客の操作に基づいて入金取引や出金取引等の各種取引処理を実行する。このとき紙幣制御部11は、いずれかの紙幣カセット17について1枚の紙幣BLの繰出動作又は取込動作が行われる度に、紙幣カセット管理テーブルTBL1の収納枚数を更新して、次のステップSP3へ移る。
具体的に紙幣制御部11は、例えば顧客により「100元」の紙幣が入金される入金取引を行う場合、図6(A)に模式的に示すように、入金された紙幣BLを取込紙幣カセットである第2紙幣カセット17Bに取り込んで収納させる。また紙幣制御部11は、例えば顧客へ「100元」の紙幣を出金する出金取引を行う場合、紙幣BLを繰出紙幣カセットである第1紙幣カセット17Aから繰り出す。
ステップSP3において紙幣制御部11は、繰出紙幣カセットである第1紙幣カセット17Aの残留検知部32から残留検知信号を取得し、次のステップSP4へ移る。
ステップSP4において紙幣制御部11は、残留検知信号を基に、繰出紙幣カセットである第1紙幣カセット17Aにおける紙幣BLの残量が「0」であるか否か、すなわち準備条件が満たされたか否かを判定する。ここで否定結果が得られると、このことは繰出紙幣カセットに紙幣BLが残留しており、出金取引において繰出紙幣カセットから紙幣BLを繰り出し得ることを表しており、このとき紙幣制御部11は再びステップSP2に戻る。
一方、ステップSP4において肯定結果が得られると、このことは図6(B)に示すように、出金取引において繰出紙幣カセットから紙幣BLを繰り出すことができないことを表しており、このとき紙幣制御部11は次のステップSP5へ移る。
具体的に紙幣制御部11は、図6(C)に示すように、第1紙幣カセット17Aを取込動作モードに設定すると共に第2紙幣カセット17Bを繰出動作モードに設定し、紙幣カセット管理テーブルTBL1における該当箇所の情報を更新して、再度ステップSP2へ戻る。
このように紙幣入出金機10は、繰出紙幣カセットの残量が「0」になることを準備条件として、この準備条件が満たされると、紙幣カセット準備処理として、第1紙幣カセット17A及び第2紙幣カセット17Bの動作モードを互いに入れ替える入替処理を行う。
[1−4.動作及び効果]
以上の構成において、第1の実施の形態による紙幣入出金機10は、各紙幣カセット17の動作モードとして、従来と同様の逐次動作モードに加えて、取込動作モード又は繰出動作モードに設定し得るようにした。
紙幣入出金機10は、第1紙幣カセット17A及び第2紙幣カセット17Bについて、金種を同一の「100元」に設定すると共に、それぞれを取込動作モード及び繰出動作モードに設定した状態で(図3)、各種取引処理を実行する。
また繰出紙幣カセットである第1紙幣カセット17Aからは、繰出動作モードでの動作を開始した時点において内部に集積されていた順序で、出金取引により出金すべき「100元」の紙幣BLが、順次繰り出されていく。
すなわち紙幣入出金機10は、出金取引において顧客に出金する際に、繰出紙幣カセット(第1紙幣カセット17A)に収納されている紙幣BLのみを出金する。このため紙幣入出金機10は、直近の入金取引において顧客から入金された紙幣BLを、取込紙幣カセット(第2紙幣カセット17B)内に収納して、しばらく出金せずに保持することができる。
その後紙幣入出金機10は、繰出紙幣カセットである第2紙幣カセット17Bの残量が「0」になり準備条件が満たされると、紙幣カセット準備処理として、第1紙幣カセット17A及び第2紙幣カセット17Bの動作モードを入れ替える入替処理を行い、それぞれ繰出動作モード及び取込動作モードとする。
このとき紙幣入出金機10は、鑑別された偽造紙幣をリジェクトカセット16へ搬送し、その代わりに他の紙幣BLを繰出紙幣カセット(この時点では第2紙幣カセット17B)から繰り出す等の処理を行うことにより、偽造紙幣が顧客に出金されることを未然に防止できる。
このように紙幣入出金機10は、リサイクル方式でありながら、繰出紙幣カセット及び取込紙幣カセットを別個に設けたことにより、入金された紙幣BLが出金されるまでの期間を延長することができる。
以上の構成によれば、第1の実施の形態による紙幣入出金機10は、2個の紙幣カセット17に同一の金種を割り当て、入金取引において顧客から入金された紙幣を取込紙幣カセット内に取り込んで収納し、出金取引の際には、繰出紙幣カセット内の紙幣BLを繰り出して顧客に出金する。このため紙幣入出金機10は、入金取引において顧客から入金された紙幣BLをしばらく出金せずに保持することができる。これにより紙幣入出金機10は、仮に入金取引において偽造紙幣を鑑別できずに取り込んだとしても、繰り出されるまでの間に鑑別情報が更新されることにより、この偽造紙幣を出金取引の際に鑑別して排除できるので、他の顧客への出金を未然に防ぐことができる。
紙幣カセット17は、第1の実施の形態と同様に構成され、取込動作及び繰出動作をそれぞれ行い得ると共に、逐次動作モード、取込動作モード及び繰出動作モードといった3通りの動作モードを切り替えて動作するようになされている。
具体的に紙幣制御部111は、繰出紙幣カセット内に収納されている紙幣BLの収納枚数が、紙幣カセット管理テーブルTBL1(図3)に格納されている下限検知枚数未満になることを準備条件としている。
また紙幣制御部111は、紙幣カセット準備処理として、各紙幣カセット17に設定されている繰出動作モード及び取込動作モードを入れ替える入替処理を行うと共に、新たな繰出紙幣カセットに収納されている紙幣BLの一部を新たな取込紙幣カセットへ移動させる一部移動処理も実行するようになされている。
ステップSP13において紙幣制御部111は、再び紙幣カセット管理テーブルTBL1を参照することにより、繰出紙幣カセットである第2紙幣カセット17Bの現時点における収納枚数及び下限枚数を確認し、次のステップSP14へ移る。
ステップSP14において紙幣制御部111は、繰出紙幣カセット(第1紙幣カセット17A)において収納枚数が下限検知枚数未満であるか否か、すなわち準備条件を満たすか否かを判定する。
ここで否定結果が得られると、このことは図8(A)に模式的に示すように、繰出紙幣カセット(第1紙幣カセット17A)内に十分な枚数の紙幣BLが収納されており、次の出金処理において要求される枚数の紙幣BLを繰り出し得ることを表している。このとき紙幣制御部111は、次の取引動作を行うべく、再度ステップSP12へ戻る。
一方、ステップSP14において肯定結果が得られると、このことは図8(B)に示すように、繰出紙幣カセット(第1紙幣カセット17A)内に収納されている紙幣BLの枚数が比較的少なく、次の出金処理において要求される枚数の紙幣BLを繰り出し得ない恐れがあることを表している。このとき紙幣制御部111は、次のステップSP15へ移る。
具体的に紙幣制御部111は、この入替処理として、第1紙幣カセット17Aを繰出紙幣カセットから取込紙幣カセットに切り替えると共に、第2紙幣カセット17Bを取込紙幣カセットから繰出紙幣カセットに切り替える。
このように紙幣入出金機110は、繰出紙幣カセットの収納枚数が下限検知枚数未満になり準備条件を満たすと、紙幣カセット準備処理として、両紙幣カセット17の動作モードを入れ替える入替処理を行うと共に、最も後の方に取り込まれた紙幣BLを繰出紙幣カセットから取込紙幣カセットへ移動させる一部移動処理を行う。
図9において、行番号1は初期値を表している。すなわち初期値としては、第1紙幣カセット17Aにおける動作モードが繰出動作モードに設定され収納枚数が1100枚であり、第2紙幣カセット17Bにおける動作モードが取込動作モードに設定され収納枚数が10000枚である。
行番号2〜4は、いずれも入金取引を表しており、顧客により入金された紙幣BLが
取込動作モードで動作する第2紙幣カセット17Bに順次取り込まれて収納枚数が増加する一方、繰出動作モードで動作する第1紙幣カセット17Aの収納枚数は変化しない。
行番号5は、出金取引を表しており、繰出動作モードで動作する第1紙幣カセット17Aから200枚の紙幣が繰り出されることにより、この出金取引の完了後に収納枚数が900枚となっている。
この場合、繰出紙幣カセットである第1紙幣カセット17Aの収納枚数が下限検知枚数である1000枚未満となり準備条件が満たされるため、紙幣入出金機110は、紙幣カセット準備処理を行う。
行番号6は、この紙幣カセット準備処理の前段として入替処理が行われたことを表しており、第1紙幣カセット17Aを取込動作モードに切り替えると共に第2紙幣カセット17Bを繰出動作モードに切り替えている。
また行番号6は、紙幣カセット準備処理の後段として一部移動処理が行われたことも表しており、新たに繰出紙幣カセットとなった第2紙幣カセット17Bから新たに取込紙幣カセットとなった第1紙幣カセット17Aへ200枚の紙幣BLを移動させている。
次の行番号7は、出金処理を表しており、繰出動作モードに切り替えられた第2紙幣カセット17Bから100枚の紙幣が繰り出されて収納枚数が減少する一方、取込動作モードに切り替えられた第1紙幣カセット17Aの収納枚数が変化しない。
因みに紙幣入出金機110は、これ以降も、第1紙幣カセット17Aを取込紙幣カセットとし、第2紙幣カセット17Bを繰出紙幣カセットとしたまま、順次取引処理を行っていく。
[2−3.動作及び効果]
以上の構成において、第2の実施の形態による紙幣入出金機110は、第1の実施の形態と同様、第1紙幣カセット17A及び第2紙幣カセット17Bについて、金種が同一の「100元」に設定されると共に、それぞれを取込動作モード及び繰出動作モードに設定した状態で各種取引処理を順次実行する。
紙幣入出金機110は、入金取引において、顧客から入金された「100元」の紙幣BLを、取込紙幣カセットである第2紙幣カセット17B内に順次取り込み、集積していく。また紙幣入出金機110は、出金取引において、繰出紙幣カセットである第1紙幣カセット17Aに収納されている紙幣BLを繰り出し、顧客に出金する。
その後紙幣入出金機110は、繰出紙幣カセットである第1紙幣カセット17Aの収納枚数が下限検知枚数未満になり準備条件が満たされると、紙幣カセット準備処理として、第1紙幣カセット17A及び第2紙幣カセット17Bの動作モードを入れ替えると共に、一部の紙幣BLの移動処理を行う。
ところで第1の実施の形態による紙幣入出金機10では、紙幣カセット準備処理として動作モードの入替処理のみを行っていた。このため紙幣入出金機10では、新たに繰出紙幣カセットとなった第2紙幣カセット17Bから、直前の入金取引において取り込まれた紙幣BLを最初に繰り出すことになり、鑑別部14における鑑別情報の更新が間に合わない可能性もあった。
以上の構成によれば、第2の実施の形態による紙幣入出金機110は、入金取引において顧客から入金された紙幣を取込紙幣カセット内に取り込んで収納し、出金取引において繰出紙幣カセット内の紙幣BLを繰り出して顧客に出金する。また紙幣入出金機110は、繰出紙幣カセットの収納枚数が下限検知枚数未満になると、紙幣カセット準備処理として、入替処理及び一部移動処理を行う。このため紙幣入出金機110は、紙幣カセット準備処理の直前を含む入金取引において顧客から入金された紙幣BLを、しばらく出金せずに保持することができる。これにより紙幣入出金機110は、仮に入金取引において偽造紙幣を鑑別できずに取り込んだとしても、繰り出されるまでの間に鑑別情報が更新されることにより、この偽造紙幣を出金取引の際に鑑別して排除できるので、他の顧客に出金されることを未然に防ぐことができる。
紙幣カセット17は、第1の実施の形態と同様に構成され、取込動作及び繰出動作をそれぞれ行い得ると共に、逐次動作モード、取込動作モード及び繰出動作モードといった3通りの動作モードを切り替えて動作するようになされている。
具体的に紙幣制御部211は、第2の実施の形態と同様、繰出動作モードに設定された紙幣カセット17内に収納されている紙幣BLの収納枚数が、紙幣カセット管理テーブルTBL1に格納されている下限検知枚数未満になることを準備条件としている。
その一方で紙幣制御部211は、紙幣カセット準備処理として、各紙幣カセット17に設定されている動作モードを変更すること無く、取込紙幣カセットに収納されている紙幣BLの全部を繰出紙幣カセットへ移動させる全部移動処理を実行するようになされている。
ステップSP36において紙幣制御部211は、紙幣カセット準備処理として、紙幣BLの全部移動処理を開始する。具体的に紙幣制御部211は、取込紙幣カセットである第2紙幣カセット17Bから、搬送部13を介して1枚の紙幣BLを繰出紙幣カセットである第1紙幣カセット17Aへ移動させ、次のステップSP37へ移る。
ステップSP39において紙幣制御部211は、繰出紙幣カセットである第1紙幣カセット17Aが「満杯」であるか否かを判定する。ここで否定結果が得られると、このことは取込紙幣カセットから繰出紙幣カセットへ更に紙幣BLを移動し得ることを表している。このとき紙幣制御部211は、再度ステップSP36へ戻って紙幣BLを1枚ずつ移動させる処理を繰り返す。
一方、ステップSP38において肯定結果が得られた場合、及びステップSP39において肯定結果が得られた場合、これらのことは図11(C)に示すように、これ以上取込紙幣カセットから繰出紙幣カセットへ紙幣BLを移動し得ないことを表している。このとき紙幣制御部211は次のステップSP40へ移る。
このように紙幣入出金機110は、繰出紙幣カセットの収納枚数が下限検知枚数未満になり準備条件を満たすと、紙幣カセット準備処理として、取込紙幣カセットに収納されている紙幣BLの全部を繰出紙幣カセットへ移動させる全部移動処理を行う。
[3−2.動作及び効果]
以上の構成において、第3の実施の形態による紙幣入出金機210は、第1の実施の形態と同様、第1紙幣カセット17A及び第2紙幣カセット17Bについて、金種が同一の「100元」に設定されると共に、それぞれが取込動作モード及び繰出動作モードに設定された状態で各種取引処理を順次実行する。
紙幣入出金機210は、入金取引において、顧客から入金された「100元」の紙幣BLを、取込紙幣カセットである第2紙幣カセット17B内に順次取り込み、集積していく。また紙幣入出金機110は、出金取引において、繰出紙幣カセットである第1紙幣カセット17Aに収納されている紙幣BLを繰り出し、顧客に出金する。
その後紙幣入出金機210は、繰出紙幣カセットである第1紙幣カセット17Aの収納枚数が下限検知枚数未満になり準備条件が満たされると、紙幣カセット準備処理として、紙幣BLの全部移動処理を行う。
これを換言すれば、紙幣入出金機210は、全部移動処理により、取込紙幣カセットである第2紙幣カセット17B内から移動可能な全ての紙幣BLを繰出紙幣カセットである第1紙幣カセット17A内に移動させると共に、各紙幣BLの集積順序を反転させる。
以上の構成によれば、第3の実施の形態による紙幣入出金機210は、入金取引において顧客から入金された紙幣を取込紙幣カセット内に取り込んで収納し、出金取引において繰出紙幣カセット内の紙幣BLを繰り出して顧客に出金する。また紙幣入出金機210は、繰出紙幣カセットの収納枚数が下限検知枚数未満になると、紙幣カセット準備処理として紙幣BLの全部移動処理を行う。このため紙幣入出金機210は、入金取引において顧客から入金されたいずれの紙幣BLについても、取り込んだ順に、すなわち十分に長い時間に渡って保持した後に繰り出すことができる。これにより紙幣入出金機210は、仮に入金取引において偽造紙幣を鑑別できずに取り込んだとしても、繰り出されるまでの間に鑑別情報が更新されることにより、この偽造紙幣を出金取引の際に鑑別して排除できるので、他の顧客に出金されることを未然に防ぐことができる。
[4.他の実施の形態]
なお上述した第1の実施の形態においては、繰出紙幣カセットである第1紙幣カセット17Aにおける紙幣BLの残量が「0」であるか否かを準備条件とした場合について述べた。
しかしながら本発明はこれに限らず、例えば第2及び第3の実施の形態と同様に繰出紙幣カセットである第1紙幣カセット17Aにおいて収納枚数が下限検知枚数未満であるか否かを準備条件としても良く、或いは取込紙幣カセットである第2紙幣カセット17Bにおいて収納枚数が上限検知枚数よりも多いか否かや、当該収納枚数が最大収納枚数であるか否かを準備条件としても良い。
すなわち準備条件としては、繰出紙幣カセットである第1紙幣カセット17Aから紙幣BLを繰り出し得なくなったこと若しくは間もなく繰り出し得なくなること、又は取込紙幣カセットである第2紙幣カセット17Bに紙幣BLを取り込めなくなったこと若しくは間もなく取り込めなくなることを、何らかの手法により検知できれば良い。第2及び第3の実施の形態についても同様である。
さらに上述した第2の実施の形態においては、一部移動処理において、繰出カセットである第2紙幣カセット17Bから紙幣BLを一度接客部12に移動させ、当該接客部12から紙幣BLを取込カセットである第1紙幣カセット17Aへ移動させるようにした場合について述べた。
しかしながら本発明はこれに限らず、例えば一時保留部15のような紙幣BLを一時的に収納し得る種々の箇所に一時的に移動させるようにしても良く、或いは第3の実施の形態と同様に、繰出カセットである第2紙幣カセット17Bから紙幣BLを取込紙幣カセットである第1紙幣カセット17Aへ直接移動させるようにしても良い。
さらに上述した実施の形態においては、2個の紙幣カセット17に同一の金種を割り当てると共に、繰出カセット及び取込カセットを1個ずつ設定するようにした場合について述べた。
しかしながら本発明はこれに限らず、3個以上の紙幣カセット17に同一の金種を割り当てると共に、繰出カセット及び取込カセットを少なくとも1個ずつ設定するようにしても良い。

Claims (9)

  1. 利用者との間で媒体を受け渡す受渡部と、
    前記媒体を搬送する搬送部と、
    前記媒体を複数収納すると共に、前記受渡部から前記搬送部により搬送されてきた前記媒体を取り込んで収納する取込動作モード又は収納している前記媒体を先入れ後出し方式で繰り出して前記搬送部により前記受渡部へ搬送する操出動作モードで動作する複数の収納庫と、
    1以上の前記収納庫を前記操出動作モードに設定すると共に他の1以上の前記収納庫を取込動作モードに設定してそれぞれ動作させ、前記操出動作モードで動作する前記収納庫からの前記媒体の操出及び前記取込動作モードで動作する前記収納庫への前記媒体の取込のうち少なくとも一方を行い得なくなることを表す準備条件が満たされた場合、前記媒体を前記取込動作モードの前記収納庫に取り込み得ると共に過去に取り込まれた前記媒体を前記繰出動作モードの前記収納庫から繰り出し得る状態とする準備処理を行う制御部と
    を具えることを特徴とする媒体収納装置。
  2. 前記制御部は、前記準備処理として、前記操出動作モードで動作していた前記収納庫を前記取込動作モードに切り替えると共に前記取込動作モードで動作していた前記収納庫を繰出動作モードに切り替える入替処理を行う
    ことを特徴とする請求項1に記載の媒体収納装置。
  3. 前記制御部は、前記準備処理として、前記入替処理に加えて、前記繰出動作モードに切り替えられた前記収納庫から、収納されている一部の前記媒体を、前記取込動作モードに切り替えられた前記収納庫へ移動させる一部移動処理を行う
    ことを特徴とする請求項2に記載の媒体収納装置。
  4. 前記制御部は、前記一部移動処理において、前記繰出動作モードに切り替えられた前記収納庫に収納されている前記媒体の一部を前記受渡部へ移動させ、移動させた前記媒体を当該受渡部から前記取込動作モードに切り替えられた前記収納庫へ移動させる
    ことを特徴とする請求項3に記載の媒体収納装置。
  5. 前記制御部は、前記一部移動処理において移動させる前記媒体の数を、前記受渡部に収容可能な数以下とする
    ことを特徴とする請求項4に記載の媒体収納装置。
  6. 前記制御部は、前記準備処理として、前記取込動作モードの前記収納庫から、収納されている一部又は全部の前記媒体を、前記繰出動作モードの前記収納庫へ移動させる
    ことを特徴とする請求項1に記載の媒体収納装置。
  7. 前記制御部は、前記繰出動作モードの前記収納庫に収納された前記媒体の数が所定の閾値以下となること、当該閾値未満となること又は0となることを前記準備条件とする
    ことを特徴とする請求項1に記載の媒体収納装置。
  8. 前記制御部は、前記取込動作モードの前記収納庫に収納された前記媒体の数が所定の閾値以上となること、当該閾値を超えること又は当該収納庫に収納可能な最大数となることを前記準備条件とする
    ことを特徴とする請求項1に記載の媒体収納装置。
  9. 利用者との間で媒体を受け渡す受渡部と、
    前記媒体を搬送する搬送部と、
    最新の鑑別条件に基づき前記媒体の正当性を鑑別する鑑別部と、
    前記媒体を複数収納すると共に、前記受渡部から前記搬送部により搬送された前記媒体を取り込んで収納する取込動作モード、又は収納している前記媒体を先入れ後出し方式で繰り出して前記搬送部により搬送し前記鑑別部において正当であると鑑別されたものを前記受渡部へ搬送する操出動作モードで動作する複数の収納庫と、
    1以上の前記収納庫を前記操出動作モードに設定すると共に他の1以上の前記収納庫を前記取込動作モードに設定してそれぞれ動作させ、前記操出動作モードで動作する前記収納庫からの前記媒体の操出及び前記取込動作モードで動作する前記収納庫への前記媒体の取込のうち少なくとも一方を行い得なくなることを表す準備条件が満たされた場合、前記媒体を前記取込動作モードの前記収納庫に取り込み得ると共に過去に取り込まれた前記媒体を前記繰出動作モードの前記収納庫から繰り出し得る状態とする準備処理を行う制御部と
    を具えることを特徴とする媒体取引装置。
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