JP2015021819A - 電極評価方法及び太陽電池セル - Google Patents

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怜 三田
渡部 武紀
Takenori Watabe
武紀 渡部
大塚 寛之
Hiroyuki Otsuka
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Abstract

【課題】 太陽電池セルの長期信頼性を、安価で簡便な設備を用いて、短時間で、モジュール化せずにセルの状態で評価できる評価方法を提供する。【解決手段】 本発明の電極評価方法は、評価対象となる電極を形成した基板を準備する段階と、電極の物理的性質および/または電気的特性を測定する段階と、基板を酢酸水溶液に浸漬する段階と、酢酸水溶液に浸漬した基板の物理的性質および/または電気的特性を測定する段階と、酢酸水溶液に浸漬する前後における物理的性質および/または電気的特性の測定結果の変化に基づき、電極を評価する段階とを備える。【選択図】図3

Description

本発明は、太陽電池セル用の電極評価方法及び太陽電池セルに関する。
一般に、太陽電池セルは、図1に示す構造を有する。図1において、基板1は、大きさが100〜150mm角、厚みが0.1〜0.3mmの板状で、かつ、多結晶や単結晶シリコン等からなり、ボロン等のp型不純物がドープされたp型の半導体基板である。この基板1に、リン等のn型不純物をドープしてn型拡散層2を形成し、SiN(窒化シリコン)などの反射防止膜3を設け、スクリーン印刷法を用いて、裏面に導電性アルミニウムペーストを印刷した後、乾燥・焼成することで裏面電極6とBSF(Back Surface Field)層4を同時に形成し、表面に導電性銀ペーストを印刷後、乾燥して焼成し、表面電極5を形成することで太陽電池セルが製造される。この表面電極5は、太陽電池セルで生じた光生成電流を外部へ取出すためのバスバー電極と、これらのバスバー電極に接続される集電用のフィンガー電極とからなる。なお、以下、太陽電池の受光面側となる基板の面をオモテ面(表面)、受光面側と反対側になる基板の面をウラ面(裏面)とする。一般に、このような太陽電池セルは、水分や埃などの異物や外気の影響から保護するための容器や樹脂中に封入され、太陽電池モジュールとして使用される。
図2は、一般的な太陽電池モジュールの断面図である。図2において、太陽電池モジュールは、入射光の受光面側から、透明前面基板7、前面封止材8、太陽電池セル9、背面封止材10、及び裏面保護シート11が順に積層されている。また、ここでは図示されていないが、太陽電池セルは、電極を介して、タブリード線により相互に接続されている。
この場合、太陽電池モジュールの前面封止材8および背面封止材10として、低コストの観点から、一般的にエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)が現在一般に使用されている。
しかし、封止材としてEVAを用いると、使用に伴い経時により酢酸が発生する。この発生酢酸は太陽電池セルの、特に電極を劣化させ、ひいては太陽電池モジュールの発電性能の劣化を進行させるという問題があった。劣化のメカニズムについては諸説あるが、その1つとして、EVAから発生した酢酸が電極と基板界面に存在するガラス層を浸蝕することがあげられる。この浸蝕の進行によって電極と基板との密着性が低減し、最終的に基板と電極が電気的にコンタクトできなくなり、太陽電池セル内で生じた電気を取り出すことが困難になるといわれている。太陽電池モジュールは数十年単位の長期使用が期待されるため、経時による劣化の問題については、早急な解消が望まれている。この問題を解決するためには、酢酸酸性環境下でも劣化の進行しにくい太陽電池セル用電極の開発が有効である。
上記の問題を解決するために、例えば、特許文献1に示される方法では、導電性銀ペースト中のガラスフリットの組成をPbO−Bを主成分とし、ZnOまたTiOのいずれか一方またはその双方を微量成分として含み、ガラス組成中にAlおよびZrOを更に含み、ガラス組成中のAlおよびZrO含有量の合計が1〜10モル%である、導電性銀ペーストを使用して太陽電池セルを製造する方法が開示されている。しかしこの方法で製造された太陽電池セルも、モジュール化した後の高温高湿環境下における評価試験が進むに連れて出力の劣化が確認されており、より劣化の進みにくい太陽電池セル用電極の開発が望まれる。
特開2012−74656号公報
しかし、太陽電池セル用電極の劣化を評価するためには、上記のとおり、太陽電池セルに電極を形成し、そのセルを使用して太陽電池モジュールを作成し、更に高価で大型の環境試験機を使用して、長時間の環境試験を行う必要がある。一般に、太陽電池モジュールを85℃85%RHの環境下で1000時間以上置くという長い時間が必要になるので、新しい電極を開発しても、その評価およびフィードバックに時間がかかり、開発のスパンが長くなってしまう。また、太陽電池セルから太陽電池モジュールを作成すると、その太陽電池モジュールから太陽電池セルのみ、あるいは電極のみを取り出すことができず、環境試験後の電極の劣化状況を直接観察、評価することが困難であることも、開発に悪影響を及ぼしている。太陽電池セル用電極の長期信頼性を、安価で簡便な設備を用いて、短時間で、モジュール化せずにセルの状態で評価を行う必要がある。
そこで、本発明は上記の問題点を解消するためになされたものであり、太陽電池セル用電極および太陽電池セルの長期信頼性を、安価で簡便な設備を用いて、短時間で、モジュール化せず評価を行う方法を提供することを目的とする。
本発明者は鋭意検討した結果、下記構成とすることにより、発電性能の劣化の少ない太陽電池セル用電極の評価方法を完成するに至った。
そこで本発明に係る電極の評価方法は、評価対象となる電極を形成した基板を準備する段階と、電極の物理的性質および/または電気的特性を測定する段階と、基板を酢酸水溶液に浸漬する段階と、酢酸水溶液に浸漬した後の電極の物理的性質および/または電気的特性を測定する段階と、酢酸水溶液に浸漬する前後における物理的性質および/または電気的特性の測定結果の変化に基づき、電極を評価する段階とを備える。
また上記の評価方法において、基板を半導体基板とし、酢酸水溶液に浸漬する前後において電極のコンタクト抵抗を測定し、酢酸水溶液に浸漬する前後における電極のコンタクト抵抗の変化に基づき、電極を評価するとよい。あるいは、電極を形成した基板を太陽電池セルとし、酢酸水溶液に浸漬する前後において太陽電池セルのI−V特性を測定し、酢酸水溶液に浸漬する前後における電太陽電池セルのI−V特性の変化に基づき、電極を評価するとよい。
また上記の評価方法において、酢酸水溶液の濃度は0.05vol%以上10.0vol%以下であることが好ましく、酢酸水溶液の温度が10℃以上90℃以下であることが好ましい。また上記の評価方法において、酢酸水溶液に基板を浸漬する時間は、1分以上240時間以下とされるとよい。
また、本発明に係る太陽電池セルは、上述の評価方法を用いて選別した電極が形成されることを特徴とする。
太陽電池セルの断面図を示す。 太陽電池モジュールの断面図を示す。 本発明の電極評価方法の手順の概略を示すフローチャートである。 実施例1の太陽電池セル変換効率維持率推移を示す。 実施例2の太陽電池セル変換効率維持率推移を示す。 実施例3の太陽電池セル変換効率維持率推移を示す。 実施例4の太陽電池セル変換効率維持率推移を示す。 実施例5の太陽電池セル変換効率維持率推移を示す。 実施例6の太陽電池セル変換効率維持率推移を示す。 実施例7の太陽電池セル変換効率維持率推移を示す。 実施例8のコンタクト抵抗変化率推移を示す。 比較例1の太陽電池モジュール変換効率維持率推移を示す。
以下、本発明の実施形態を詳細に説明する。しかし、本発明は下記説明に加えて広範な他の実施形態で実施することが可能であり、本発明の範囲は、下記に制限されるものではなく、特許請求の範囲に記載されるものである。さらに、図面は原寸に比例して示されていない。本発明の説明や理解をより明瞭にするために、関連部材によっては寸法が拡大されており、また、重要でない部分については図示されていない場合がある。
前述したように、図1は太陽電池セルの一般的な構造を示す断面図である。図1において、1は半導体基板、2は拡散層、3は反射防止膜兼パッシベーション膜、4はBSF層、5は表面電極、6は裏面電極を示す。
ここで、図1に示す太陽電池セルの製造工程を説明する。まず、半導体基板1を用意する。この半導体基板1は、単結晶または多結晶シリコンなどからなり、p型、n型いずれでもよいが、ボロンなどのp型の半導体不純物を含み、比抵抗は0.1〜4.0Ω・cmのp型シリコン基板が用いられることが多い。以下、p型シリコン基板を用いた太陽電池セル製造方法を例にとって説明する。大きさは100〜150mm角、厚みは0.05〜0.30mmの板状のものが好適に用いられる。そして、太陽電池セルの受光面となるp型シリコン基板の表面に、例えば酸性溶液中に浸漬してスライスなどによる表面のダメージを除去してから、さらにアルカリ溶液で化学エッチングして洗浄、乾燥することで、テクスチャとよばれる凹凸構造を形成する。凹凸構造は、太陽電池セル受光面において光の多重反射を生じさせる。そのため、凹凸構造を形成することにより、実効的に反射率が低減し、変換効率が向上する。
その後、例えばPOClなどを含む、850〜1000℃の高温ガス中にp型シリコン基板を設置し、p型シリコン基板の全面にリン等のn型不純物元素を拡散させる熱拡散法により、シート抵抗が30〜300Ω/□程度のn型拡散層2をオモテ面に形成する。なお、n型拡散層2を熱拡散法により形成する場合には、p型シリコン基板の両面および端面にもn型拡散層が形成されることがあるが、この場合には、必要なn型拡散層のオモテ面を耐酸性樹脂で被覆したp型シリコン基板をフッ硝酸溶液中に浸漬することによって、不要なn型拡散層を除去することが出来る。その後、例えば希釈したフッ酸溶液などの薬品に浸漬させることにより、拡散時に半導体基板の表面に形成されたガラス層を除去し、純水で洗浄する。
さらに、上記p型シリコン基板のオモテ面側に反射防止膜兼パッシベーション膜3を形成する。この反射防止膜兼パッシベーション膜3は、例えばSiNなどからなり、例えばSiHとNHとの混合ガスをNで希釈し、グロー放電分解でプラズマ化させて堆積させるプラズマCVD法などで形成される。この反射防止膜兼パッシベーション膜3は、p型シリコン基板との屈折率差などを考慮して、屈折率が1.8〜2.3程度になるように形成され、厚み500〜1000Å程度の厚みに形成され、p型シリコン基板の表面で光が反射するのを防止して、p型シリコン基板内に光を有効に取り込むために設けられる。また、このSiNは、形成の際にn型拡散層2に対してパッシベーション効果があるパッシベーション膜としても機能し、反射防止の機能と併せて太陽電池セルの電気特性を向上させる効果がある。
次に、ウラ面に、例えばアルミニウムとガラスフリットとワニスなどを含む導電性ペーストをスクリーン印刷し、乾燥させる。しかる後、オモテ面に、例えば銀とガラスフリットとワニスなどを含む導電性ペーストをスクリーン印刷し、乾燥させる。この後、各電極用ペーストを500℃〜950℃程度の温度で焼成することで、BSF層4と表面電極5と裏面電極6とを形成する。
上記のような典型的な結晶シリコン太陽電池セルの製造方法においては、電極形成を導電性ペーストの焼成によって行っている。この太陽電池セルを使用して太陽電池モジュールを作成すると、封止材のEVAから経時により酢酸が発生するため、この発生酢酸が原因となって、太陽電池セルの、特に電極を劣化させることにより、太陽電池モジュールの発電性能の劣化が進行してしまう。この問題を解決するために、酢酸酸性環境下でも劣化の進行しにくい太陽電池セル用電極の開発が望まれている。本発明においては、EVAから発生する酢酸が太陽電池セル用電極の劣化に与える影響に基づき、太陽電池セル用電極及び太陽電池セル出力の耐久性を事前に評価する。これにより、発生酢酸による発電性能の劣化を生じることが無い、耐久性に優れた太陽電池セル用電極及び太陽電池セルを、太陽電池モジュールに対する環境試験を行わずに得ることが出来る。
図3は、電極の評価方法の手順の概略を示すフローチャートである。はじめに、評価対象となる電極を形成した基板を準備する(ステップS100)。そして、準備した基板に形成された電極の物理的性質および/または電気的特性を測定する(ステップS110)。その後、基板を酢酸水溶液に浸漬する(ステップS120)。続いて、酢酸水溶液に浸漬した後の電極の物理的性質および/または電気的特性を測定する(ステップS130)。そして、酢酸水溶液に浸漬する前後における物理的性質および/または電気的特性の測定結果の変化に基づき、電極を評価する(ステップS140)。
具体的な評価方法としては、電極を形成した基板を、酢酸水溶液に浸漬し、その前後の電極の物理的性質や電気的特性を測定し、その変化を調べることが挙げられる。この評価における基板としては半導体シリコン基板の他、例えばアルミナ基板などの安価で調達の容易なセラミック基板を使用してもよい。このような基板に形成した電極を酢酸水溶液に浸漬すると、耐久性の劣る電極は短時間で基板から剥離したり、また酸化が進んで比抵抗が高くなったりする。一方で、耐久性の優れた電極は、基板からの剥離や高抵抗化が起きにくいので、電極の選別が可能になる。
また別の具体的な評価方法としては、電極を形成した半導体基板を、酢酸水溶液に浸漬し、その前後の電極のコンタクト抵抗を測定し、その変化を調べることが挙げられる。この評価においては、例えばn型拡散層を設けたp型シリコン基板の、n型拡散層の上に電極を形成し、TLM(Transmission Line Model)法などを用いて、酢酸水溶液浸漬前後のこの電極のコンタクト抵抗を測定し、その変化を調べるとよい。このTLM法とは、電極部分間の距離Lとその間の抵抗値Rとの間に下記の式(1)の関係が成り立つため、種々の条件下で電極部分間の距離L及び抵抗値Rの関係性を評価し、L→0に外挿することにより、コンタクト抵抗Rcを求める方法である。
R=(L/Z)×RSH+2Rc …式(1)
なお式(1)において、Rは測定された抵抗値、Lは上記電極部分間距離、RSHはn型拡散層のシート抵抗、Zは電極の長さ、Rcはコンタクト抵抗である。
n型拡散層と電極の間には、SiNなどの反射防止膜兼パッシベーション膜が設けられてもよく、その有無に関わらず評価は可能であるが、反射防止膜兼パッシベーション膜が有る方が、より実際に即した評価が可能になる。このコンタクト抵抗による評価の場合、耐久性の劣る電極は短時間でコンタクト抵抗が高くなる。コンタクト抵抗の上昇に基づく電極の耐久性評価は電極の比抵抗の上昇よりも精度良く評価することが可能である。一方で、耐久性の優れた電極は、コンタクト抵抗の上昇が起きにくいので、電極の評価・選別が可能になる。
またさらに別の具体的な評価方法としては、電極を形成した太陽電池セルを、酢酸水溶液に浸漬し、その前後の太陽電池セルのI−V特性を測定し、その変化を調べることが挙げられる。この評価の場合、耐久性の劣る電極を使用した太陽電池セルは、短時間で特に直列抵抗が上昇し、曲線因子が悪化して変換効率が低下する。一方で、耐久性の優れた電極を使用した太陽電池セルは、曲線因子の悪化、変換効率の低下が起きにくいので、電極及び太陽電池セルの評価・選別が可能になる。
また本評価方法においては、前記酢酸水溶液の濃度が0.05vol%以上10.0vol%以下であることが望ましい。この濃度が10.0vol%より濃い場合は、どんなに耐久性の高い電極及び太陽電池セルを使用しても、すぐに劣化が進行してしまい、耐久性の優劣をつけられなくなる。一方この濃度が0.05vol%より薄い場合は、電極及び太陽電池セルの劣化が進みにくくなり、試験時間を長時間化しなければならなくなるため、この発明の効果を弱めてしまう。
また本評価方法においては、前記酢酸水溶液の温度が10℃以上90℃以下であることが望ましい。真夏に直射日光が当たると、
太陽電池モジュールの表面温度は60℃から80℃に上昇することが報告されている。酢酸水溶液の温度を10℃以上90℃以下とすることで、より実際の使用環境に即した条件に近づけた評価が可能になる。
また本評価方法においては、酢酸水溶液に基板もしくは半導体基板もしくは太陽電池セルを浸漬する時間が、1分以上240時間以下であることが望ましい。この時間がこれより長い場合は、どんなに耐久性の高い電極及び太陽電池セルを使用しても、その劣化が過剰に進行してしまい、耐久性の優劣をつけられなくなる。一方この時間がこれより短い場合は、電極及び太陽電池セルの劣化が進みにくく、耐久性の優劣をつけることが困難となる。
以下に本発明の実施例および比較例をあげてさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。まず、ボロンがドープされ、厚さ0.2mmにスライスして作製された比抵抗が約1Ω・cmのp型の単結晶シリコンからなるp型シリコン基板に外径加工を行うことによって、一辺15cmの正方形の板状とした。そして、このp型シリコン基板をフッ硝酸溶液中に15秒間浸漬させてダメージエッチし、さらに2%のKOHと2%のIPAを含む70℃の溶液で5分間化学エッチングした後に純水で洗浄し、乾燥させることで、p型シリコン基板表面にテクスチャ構造を形成した。
上記p型シリコン基板に対して、POClガス雰囲気中において、850℃の温度で30分間の条件で熱拡散処理を行うことにより、p型シリコン基板にn層を形成した。ここで用意したp型シリコン基板表面の熱処理後のシート抵抗は、一面が約80Ω/□、n層の拡散深さは0.3μmであった。
その後、n層上に耐酸性樹脂を形成した後に、p型シリコン基板をフッ硝酸溶液中に10秒間浸漬することによって、耐酸性樹脂が形成されていない部分のn層を除去した。その後、耐酸性樹脂を除去することによって、p型シリコン基板の表面のみにn層を形成した。続いて、SiHとNH、Nを用いたプラズマCVD法により、p型シリコン基板のn層を形成されている表面上に、反射防止膜兼パッシベーション膜となるSiNを厚さ1000Åで形成した。ここまでの前処理を施したp型シリコン基板を、以下では前処理済みp型シリコン基板と呼称する。
次に、前処理済みp型シリコン基板のウラ面に、スクリーン印刷法を用いて、導電性アルミペーストを印刷し、150℃で乾燥させた。更に、p型シリコン基板のオモテ面に、スクリーン印刷法を用いて、導電性銀ペーストをフィンガーパターンで印刷し、150℃で乾燥させてフィンガー電極を形成した。その後、フィンガー電極と直交するように、バスバー電極を、スクリーン印刷法を用いて、導電性銀ペーストを印刷し、150℃で乾燥させた。更に、これまでの処理済の基板に対して、導電性ペーストの焼成を最高温度750℃(太陽電池セルA)、最高温度800℃(太陽電池セルB)、最高温度850℃(太陽電池セルC)でそれぞれ処理して電極を形成することで、太陽電池セルを作製した。
こうして作成した上記太陽電池セルA,B,Cをそれぞれ使用して、図2に示すような、透明前面基板(厚さ3.2mmの太陽電池用カバーガラス)、封止材(厚さ0.6mmのEVAシート)、及び裏面保護シート(厚さ0.34mmのTPTバックシート)からなる太陽電池モジュールA’,B’,C’を作成した。各材料を積層し、温度150℃で30分加熱してEVAを架橋することでモジュールを作製した。
また、前処理済みp型シリコン基板のオモテ面に、スクリーン印刷法を用いて、導電性銀ペーストをTLM法のパターンで印刷し、150℃で乾燥させた。更に、このTLM法のパターン印刷処理済の基板に対して、導電性ペーストの焼成を最高温度750℃(コンタクト抵抗測定用基板A)、最高温度800℃(コンタクト抵抗測定用基板B)、最高温度850℃(コンタクト抵抗測定用基板C)でそれぞれ処理することで、コンタクト抵抗測定用基板を作製した。
上記太陽電池セルA,B,Cを、20℃で0.01vol%の酢酸水溶液(実施例1)と20℃で0.05vol%の酢酸水溶液(実施例2)、20℃で1.0vol%の酢酸水溶液(実施例3)、20℃で5.0vol%の酢酸水溶液(実施例4)、20℃で10vol%の酢酸水溶液(実施例5)、10℃で0.05vol%の酢酸水溶液(実施例6)、90℃で0.05vol%の酢酸水溶液(実施例7)にそれぞれ浸漬して、浸漬開始から0時間目(すなわち浸漬前)、1時間目、12時間目、120時間目、240時間目の太陽電池セルI−V特性を測定した際の、太陽電池セルの変換効率の推移を示す。また、上記コンタクト抵抗測定用基板A,B,Cを、20℃で0.05vol%の酢酸水溶液(実施例8)に浸漬して、浸漬開始から0時間目(すなわち浸漬前)、1時間目、12時間目、120時間目、240時間目のコンタクト抵抗を測定した際の、コンタクト抵抗の推移を示す。図4が実施例1の結果、図5が実施例2の結果、図6が実施例3の結果、図7が実施例4の結果、図8が実施例5の結果、図9が実施例6の結果、図10が実施例7の結果、図11が実施例8の結果である。また、上記太陽電池モジュールA’,B’,C’を85℃85%RHの環境試験に投入して(比較例1)、試験開始から0時間目(すなわち浸漬前)、500時間目、750時間目、1000時間目の太陽電池モジュールI−V特性を測定した際の、太陽電池モジュールの変換効率の推移を示す。図12が比較例1の結果である。なお、図4から図10におけるセル変換効率維持率は、それぞれの酢酸水溶液浸漬時間における変換効率を浸漬前(浸漬時間=0時間)の変換効率で除算した値である。また、図11におけるコンタクト抵抗変化率は、それぞれの酢酸水溶液浸漬時間におけるコンタクト抵抗を浸漬前(浸漬時間=0時間)のコンタクト抵抗で除算した値である。また、図12におけるモジュール変換効率維持率は、それぞれの環境試験時間におけるモジュール変換効率を環境試験開始前(環境試験時間=0時間)のモジュール変換効率で除算した値である。
図4から図10に示すように、焼成温度の高い太陽電池セルCが最も高い耐久性を示した。またこれは図11のコンタクト抵抗評価結果や図12の太陽電池モジュール化後の環境試験結果と良く合致している。高温で焼成することで、電極ペーストに添加されたガラスフリットがよく溶けて、電極とシリコン基板の密着性を向上させたため、コンタクト抵抗が上昇しにくくなり、耐久性が向上したと考えられる。
図4に示すように、酢酸水溶液濃度が0.05vol%より薄いと、長時間太陽電池セルを浸漬しても変換効率の低下が始まりにくい。また図5から図8に示すように、酢酸水溶液濃度が0.05vol%から10vol%の場合、太陽電池セルの耐久性の優劣は240時間浸漬すれば充分判断することが出来る。図7、8に示すように、酢酸水溶液濃度が5から10vol%の場合、より短時間で耐久性の優劣を判断することが出来るが、10vol%より高濃度の場合は、太陽電池セルの耐久性によらず変換効率の低下が急激に発生してしまい、優劣を判断しにくくなると考えられる。また図5、9、10に示すように、酢酸水溶液の温度が高い場合も、短時間で耐久性の優劣を判断することが可能になる。高温環境下ではガラスフリットの流出などが発生しやすくなるためと考えられる。また上述のとおり、直射日光が当たると、太陽電池モジュールの表面温度は60℃から80℃に上昇することが報告されている。酢酸水溶液の温度を10℃以上90℃以下とすることで、より実際の使用環境に即した条件に近づけた評価が可能になると考えられる。
以上に示すように、本発明による実施例を用いることで、比較例と比較すると、太陽電池電極及び太陽電池セルの耐久性を、安価で簡便な設備を用いて、短時間で、モジュール化せずにセルの状態で評価を行うことが可能になる。また、本発明によれば、劣化の進んだ太陽電池セルのみ、電極のみを直接観察、評価することが可能になり、開発をより促進することができる。この方法を用いれば、より過酷な環境に相当する試験も、短時間で評価することが可能になり、将来的な更なる高耐久太陽電池セルの開発、及び長寿命太陽電池モジュールの開発につながる。
1 半導体基板
2 拡散層
3 反射防止膜兼パッシベーション膜
4 BSF層
5 表面電極
6 裏面電極
7 透明前面基板
8 前面封止材
9 太陽電池セル
10 背面封止材
11 裏面保護シート

Claims (7)

  1. 評価対象となる電極を形成した基板を準備する段階と、
    前記電極の物理的性質および/または電気的特性を測定する段階と、
    前記基板を酢酸水溶液に浸漬する段階と、
    酢酸水溶液に浸漬した後の前記電極の物理的性質および/または電気的特性を測定する段階と、
    酢酸水溶液に浸漬する前後における物理的性質および/または電気的特性の測定結果の変化に基づき、前記電極を評価する段階と
    を備える電極評価方法。
  2. 前記基板は半導体基板であり、
    酢酸水溶液に浸漬する前後において前記電極のコンタクト抵抗を測定し、
    酢酸水溶液に浸漬する前後における前記電極のコンタクト抵抗の変化に基づき、前記電極を評価する
    ことを特徴とする請求項1に記載の電極評価方法。
  3. 前記電極を形成した前記基板は太陽電池セルであり、
    酢酸水溶液に浸漬する前後において前記太陽電池セルのI−V特性を測定し、
    酢酸水溶液に浸漬する前後における前記電太陽電池セルのI−V特性の変化に基づき、前記電極を評価する
    ことを特徴とする請求項1に記載の電極評価方法。
  4. 前記評価方法において、前記酢酸水溶液の濃度が0.05vol%以上10.0vol%以下であることを特徴とする、請求項1から3のいずれか1項に記載の評価方法。
  5. 前記評価方法において、前記酢酸水溶液の温度が10℃以上90℃以下であることを特徴とする、請求項1から4のいずれか1項に記載の評価方法。
  6. 前記評価方法において、前記酢酸水溶液に前記基板を浸漬する時間が、1分以上240時間以下であることを特徴とする、請求項1から5のいずれか1項に記載の評価方法。
  7. 請求項1から6のいずれか1項に記載の評価方法を用いて選別した電極を形成した太陽電池セル。
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