JP2015021451A - ロータリ圧縮機 - Google Patents

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Abstract

【課題】作動冷媒の受熱を抑制する技術を提供する。【解決手段】底部にオイル溜まりを有する密閉容器1と、密閉容器1の内部に配置されたシリンダ30と、ピストン32と、第一端板部材34と、第二端板部材35と、シリンダ室50を吸入室49と吐出室39とに仕切るベーン33と、圧縮されるべき作動冷媒を吸入室へ供給する吸入路40と、第一端板部材側に備えられ、吐出室39から吐出された作動冷媒が滞在できるマフラ室51とを備えたロータリ圧縮機であって、第二端板部材側に備えられ、オイル溜まりのオイルの一部を取り込むオイル保持部53を略円環形状に構成することにより、作動冷媒への受熱を抑制した高効率なロータリ圧縮機を提供することができる。【選択図】図2

Description

本発明は、空調機、冷凍機、ブロワ、給湯機等に使用されるロータリ圧縮機に関するものである。
冷凍装置や空気調和装置などにおいては、蒸発器で蒸発した作動冷媒を吸入し、凝縮するために必要な圧力まで圧縮して作動冷媒回路中に高温高圧の作動冷媒を送り出す圧縮機が使用されている。このような圧縮機の一つとして、ロータリ圧縮機が知られている。ロータリ圧縮機は、たとえば図4に示すように、電動機2と圧縮機構部3をクランク軸31で連結して密閉容器1内に収納したものである。圧縮機構部3は、シリンダ30とこのシリンダ30の両端面を閉塞する第一端板部材34と第二端板部材35とで形成されたシリンダ室50と、第一端板部材34および第二端板部材35に支持されたクランク軸31の偏芯部31aに嵌合されたピストン32と、このピストン32の外周に追従して往復運動し、シリンダ室50を吸入室49と吐出室39に仕切るベーン33を備えている。
一方、シリンダ30には、吸入室49に向けて作動冷媒を吸入する吸入路40が開通され、第一端板部材34には、吸入室49から転じて形成される吐出室39から作動冷媒を吐出する吐出孔38が開通されている。吐出孔38は第一端板部材34を貫通する平面視円形の孔として形成されており、吐出孔38の上面には所定の大きさ以上の圧力を受けた場合に解放される吐出弁36が設けられている。更に、この吐出弁36を覆うカップマフラ−37と第一端板部材34で構成されるマフラ室51を備えている。吸入室側ではピストン32の摺接部が吸入路40を通過して吸入室を徐々に拡大しながら離れていき、吸入路40から吸入室内に作動冷媒を吸入する。一方、作動冷媒を閉じ込んだ後の吐出室側ではピストン32が吐出孔38へ吐出室39を徐々に縮小しながら近づいていき、所定圧力以上に圧縮された時点で吐出弁36が開いて吐出孔38から作動冷媒を吐出し、マフラ室51より密閉容器1内に吐出される。
上記のようなロータリ圧縮機において、吸入した低圧・低温の作動冷媒は吐出孔38から吐出されるまでの間に高圧・高温の作動冷媒となり、吐出孔38から排出され、密閉容器内を満たす。それと同じ空間に保持されているオイル溜り6のオイルも高温の作動冷媒に温度に近い状態にある。
ロータリ圧縮機の効率低下要因として、密閉容器内に収納された圧縮機構部3は高温にさらされるので、シリンダ室50に吸入された作動冷媒(吸入冷媒)が、シリンダ30、第一端板部材34、第二端板部材35を通じて受熱することによる効率の低下、いわゆる熱ロスが発生するといった課題が挙げられる。
上記の課題に対し、特許文献1に記載された圧縮機では、吸入冷媒の受熱を抑制する手段として、図5のように、シリンダ30に密閉空間を有しており、この密閉空間によりシリンダ30から吸入冷媒への受熱を抑制している。
特開平2−140486号公報
しかしながら、特許文献1のようにシリンダに密閉空間を形成することは必ずしも容易ではない。且つ、シリンダの径方向からの受熱を抑制する限定的な効果しか得られない。そのため、作動冷媒の受熱を効果的に抑制できる別の技術が望まれている。
本発明は、従来の課題を解決するもので、端板部材を通じたシリンダ室内の作動冷媒への受熱を抑制し、高い体積効率を実現しつつ、圧縮動力の低減も実現できる圧縮機を提供することを目的とする。
従来の課題を解決するために、本発明のロータリ圧縮機は底部にオイル溜まりを有する密閉容器と、密閉容器の内部に配置されたシリンダと、シリンダの内部に配置されたピストンと、シリンダとピストンとの間にシリンダ室を形成するように、シリンダの両端開口のうち、一方の端面を閉塞する第一端板部材と、他方の端面を閉塞する第二端板部材と、シリンダ室を吸入室と吐出室とに仕切るベーンと、圧縮されるべき作動冷媒を吸入室へ供給する吸入路と、第一端板部材側に備えられ、吐出室から吐出された作動冷媒が滞在できるマフラ室とを備えており、第二端板部材側にオイル溜まりのオイルの一部を取り込むオイル保持部が略円環形状に構成されているものである。
本発明のロータリ圧縮機は、第二端板部材側に備えられたオイル保持部でオイルの流れを抑制することによって、第二端板部材を通じた作動冷媒への受熱を抑制することが可能となり、高効率なロータリ圧縮機を提供することができる。
本発明の実施の形態1におけるロータリ圧縮機の縦断面図 本発明の実施の形態1における第二端板部材の下面図 本発明の実施の形態1におけるオイル保持部の部分断面図 従来のロータリ圧縮機の縦断面図 従来のロータリ圧縮機におけるシリンダ部の拡大断面図
第1の発明は、底部にオイル溜まりを有する密閉容器と、密閉容器の内部に配置されたシリンダと、シリンダの内部に配置されたピストンと、シリンダとピストンとの間にシリンダ室を形成するように、シリンダの両端開口のうち、一方の端面を閉塞する第一端板部材と、他方の端面を閉塞する第二端板部材と、シリンダ室を吸入室と吐出室とに仕切るベーンと、圧縮されるべき作動冷媒を吸入室へ供給する吸入路と、第一端板部材に備えられ、吐出室から吐出された作動冷媒が滞在できるマフラ室とを備えるロータリ圧縮機であって、第二端板部材に備えられ、オイル溜まりのオイルの一部を取り込むオイル保持部が、略円環形状に構成されていることを特徴としている。ここで、「略円環形状」とは、シリンダの中心軸Oから径方向外側へかけて、ボルト取付部を除くように設けられた凹形状であって、クランク軸の周囲に囲むように設けられている形状を意味する。なお、クランク軸の周囲に囲むとは、第二端板部材の周方向の一部だけに形成されている形態も含む。
オイル保持部ではオイルの流れがオイル溜まりよりも抑制されるように構成されている。この作用によって、第二端板部材を通じて作動冷媒へ受熱することを抑制する効果を発揮しうる。このことからオイル溜りから第二端板部材を通じた吸入途中の作動冷媒への受熱を抑制でき、体積効率の向上が図れる。また圧縮途中の作動冷媒への受熱を抑制することで圧縮動力の低減を実現することができる。これらの効果から高効率なロータリ圧縮機を提供することができる。
第2の発明は、オイル保持部は、シリンダの中心軸から径方向外側へ延伸した障壁部を備え、障壁部は第二端板部材もしくは閉塞部材によって形成されている。
円周方向に繋がった略円環状に形成されたオイル保持部において、オイル保持部の温度分布による円周方向のオイルの流れが促進されないように、オイル保持部に障壁を設けることで、オイル保持部内でのオイルの流れを効果的に抑制することができる。
第3の発明は、障壁部は、前記第二端板部材における前記シリンダの中心軸に垂直な平面上で、且つ前記ベーンを投影したベーン投影部を含む位置に設けられた第1の障壁を有する。
ベーン近傍は、低温である吸入冷媒が導入されることでもっとも低温となる吸入路近傍と、圧縮されて高温となった吐出冷媒が通過することでもっとも高温となる吐出孔とがベーンを介して隣接して設けられている。すなわち、ベーン近傍は他の領域に比べ、大きな温度勾配が発生している。ベーン投影部に障壁を設けることによって、オイル保持部での温度分布によって発生するオイルの流れを効果的に抑制することができる。
第4の発明は、前記障壁部は、前記第二端板部材における前記シリンダの中心軸に垂直な平面上で、且つ前記吸入路を投影した吸入路投影部を挟んで前記第1の障壁と反対側に設けられた第2の障壁を有し、前記オイル保持部は、前記第1の障壁と前記第2の障壁に挟まれ、前記吸入路投影部に収まる位置に形成された吸入路部オイル保持部を有する。
吸入路に沿って低温の作動冷媒が流入しているため、吸入路近傍は吸入路側の第二端板部材の中でも更に低温となる。吸入路近傍に独立したオイル保持部を設けることによって、保持したオイルを更に低温に保つことが可能となり、吸入路内の作動冷媒への受熱を抑制できる。また、吸入路近傍は低温の作動冷媒と接する時間が長いため、吸入冷媒への受熱を更に効果的に抑制して、体積効率の高い圧縮機が実現できる。
第5の発明は、前記障壁部は、オイル保持部を吐出側オイル保持部と吸入側オイル保持部とに分割する第3の障壁を備えている。
第6の発明は、前記オイル保持部は、前記ベーンが前記シリンダの中心軸に向かって最も突出したときの前記ベーンの中心線と前記シリンダの前記中心軸とを含む基準平面から見て前記吸入路と同じ側に形成されている。
吸入路から作動冷媒が吸入される吸入室では吐出室に比べ低温の状態となっているため、吸入室に対応する吸入路側の第二端板部材の温度は比較的低温となる。このような位置に独立したオイル保持部を形成することで、保持したオイルを比較的低温状態に維持しやすくなり、吸入冷媒への受熱をより効果的に抑制することができる。
第7の発明は、前記オイル保持部と前記オイル溜まりを仕切る閉塞部材を形成している。
オイル溜りのオイルとオイル保持部が閉塞部材によって仕切られる構成とすることにより、オイル保持部でのオイルの流れが更に抑制され、高効率なロータリ圧縮機を提供することができる。
第8の発明は、前記閉塞部材が単一の板状部材によって構成されている。部品点数を低減できることにより、部品コスト、組立コスト、工数を低下させることもできる。
第9の発明は、前記オイル保持部と前記オイル溜りとが連通するオイル連通経路を前記閉塞部材又は第二端板部材に備えている。
これにより、オイル溜まりのオイルがオイル保持部に確実に流入できる。オイル保持部にオイルを確実に導くことで、本発明の効果を安定的に発揮することができる。またオイル保持部に、圧縮機製造時の空気が残ることを防止できるため、信頼性の高い圧縮機を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は本発明の第1の実施の形態における縦型ロータリ圧縮機の縦断面図である。図1においてロータリ圧縮機は、電動機2と圧縮機構部3をクランク軸31で連結して密閉容器1内に収納したものである。圧縮機構部3は、シリンダ30とこのシリンダ30の両端面を閉塞するよう締結ボルトで固定された第一端板部材34と第二端板部材35とで形成されたシリンダ室50と、第一端板部材34および第二端板部材35に支持されたクランク軸31の偏芯部31aに嵌合されたピストン32と、このピストン32の外周に偏心回転に追従して往復運動し、シリンダ室50を吸入室49と吐出室39とに仕切るベーン33を備えている。
一方、シリンダ30には、シリンダ室50に向けて作動冷媒を吸入する吸入路40が開通され、第一端板部材34には、吸入室49から転じて形成される吐出室39から作動冷媒を吐出する吐出孔38が開通されている。吐出孔38は第一端板部材34を貫通する平面視円形の孔として形成されており、吐出孔38の上面には所定の大きさ以上の圧力を受けた場合に解放される吐出弁36が設けられている。この吐出弁36を覆うカップマフラ−37と第一端板部材34で構成されるマフラ室51を備えている。
吸入室側ではピストン32の摺接部が吸入路40を通過して吸入室49を徐々に拡大しながら離れていき、吸入路40から吸入室内に作動冷媒を吸入する。一方、圧縮室側ではピストン32が吐出孔38へ吐出室39を徐々に縮小しながら近づいていき、所定圧力以上に圧縮された時点で吐出弁36が開いて吐出孔38から作動冷媒を流出し、マフラ室51より密閉容器1内に吐出される。
図2は本実施の形態における第二端板部材の平面図である。図2に示すように、本明細書において、基準平面Hを以下のように定義する。ベーン33がシリンダ30の中心軸Oに向かって最も突出したときのベーン33の中心線とシリンダ30の中心軸Oとを含む平面を基準平面H1と定義する。基準平面Hは、シリンダ30に設けられたベーン溝30aの中心を通っている。なお、シリンダ30の中心軸Oは、クランク軸31の回転軸中心にほぼ一致している。ベーン溝30aは、シリンダ室50に面している開口を有する。シリンダ30の内周面の周方向において、ベーン溝30aの開口の中心の位置を基準位置と定義したとき、基準平面Hは、この基準位置を通り、中心軸Oを含む平面でありうる。すなわち、「ベーン溝30aの中心」は、ベーン溝30aの開口の中心を意味する。基準平面Hは、シリンダ30の中心軸Oと、ベーン33がシリンダ30の中心軸Oに向かって最も突出したときのシリンダ30とピストン32との接点(詳細には、接線)と、を含む平面でありうる。また、シリンダ30の中心軸Oは、詳細には、シリンダ30の円筒状の内周面の中心軸を意味する。
図2に示すように、第二端板部材35は、53a、53b、53cからなる略円環状のオイル保持部53を有する。略円環状のオイル保持部53とは、第二端板部材35におい
て、シリンダ30の中心軸Oから径方向外側へかけて、ボルト取付部35aを除くように設けられた凹形状であって、クランク軸31の周囲に囲むように設けられている。なお、第二端板部材35の周方向の一部だけに形成されていてもよい。オイル保持部53は第二端板部材35を挟んでシリンダ室50の反対側に形成されている。詳細には、オイル保持部53は、第二端板部材35の下面に接している。オイル保持部53は、オイル溜まり6のオイルの一部を取り込み、オイルの流れがオイル溜まり6よりも抑制されるように構成されている。したがって、オイル保持部53におけるオイル流れは、オイル溜り6におけるオイル流れよりも緩やかである。なお、オイル保持部53の形状は、本実施例の形状に限定されるものではない。
ロータリ圧縮機において、オイル溜まり6の油面は、シリンダ30の下面よりも上に位置しているので、シリンダ30、第二端板部材35は、オイル溜まり6のオイルの中に浸漬されている。従って、オイル溜まり6のオイルはオイル保持部53に流入できる。
詳細には、以下の主要な理由により、オイル保持部53は第二端板部材35を通じたシリンダ室内の作動冷媒の受熱を抑制する。オイルは液体であり、大きい粘度を有している。また、オイル保持部53を形成している凹部にオイル溜まり6からオイルが浸入することによって、凹部においてオイルの流れを抑制させることができる。従って、オイル保持部53のオイルの流速は、オイル溜まり6のオイルの流速よりも遅い。一般に、物体の表面における熱伝達率は、流体の速度の平方根に比例するので、オイル保持部53のオイルの流速が遅いとき、第二端板部材35の下面における熱伝達率も小さい。その結果、熱は、オイル保持部53のオイルから第二端板部材35に穏やかに移動する。第二端板部材35がオイルから熱を受け取りにくいので、作動冷媒が第二端板部材35から熱を受け取ることも抑制される。
また、オイル保持部53を構成する第二端板部材35には以下に説明するような温度分布が発生する。シリンダ室50において圧縮されるべき作動冷媒は、低温低圧の状態にある。他方、圧縮された作動冷媒は、高温高圧の状態にある。そのため、ロータリ圧縮機の運転中において、第二端板部材35には特定の温度分布が生じる。具体的には、第二端板部材35を吸入路側部分と吐出孔側部分とに分けたとき、吸入路側部分が比較的低温を帯び、吐出孔側部分が比較的高温を帯びる。吸入路側部分は、第二端板部材35を基準平面H1で分けることによって得られた2つの部分のうち、吸入路40の真下の部分を含む部分である。吐出孔側部分は、2つの部分のうち、吐出孔38の真下の部分を含む部分である。
図2に示すように、本実施の形態では、前述の温度分布に対応した位置にオイル保持部53を設けることで、オイルから作動冷媒への受熱を抑制する効果を向上させることができる。以下にオイル保持部53の詳細について説明する。本実施形態において、オイル保持部53は第二端板部材35においてシリンダ30と反対側に複数形成されている。吸入側オイル保持部53aと吐出側オイル保持部53bと吸入路部オイル保持部53cのそれぞれの間には障壁が設けられており、各オイル保持部は独立した空間を形成している。
吐出側オイル保持部53bと吸入路部オイル保持部53cの間には第二端板部材35におけるシリンダ30の中心軸Oに垂直な平面上で、且つベーン33を投影したベーン投影部33aに、シリンダ30の中心軸から径方向外側へ延伸したベーン部障壁35eを第二端板部材35に形成している。第二端板部材35のベーン近傍は、低温である吸入冷媒が導入されるため、もっとも低温となる吸入路と、圧縮されて高温となった吐出冷媒が通過することでもっとも高温となる吐出孔とが隣接して設けられているため、高温と低温の差が顕著な領域となる。
このため、この領域にベーン部障壁35eを設け、比較的高温となる吐出側オイル保持部53bから低温となる吸入路部オイル保持部53cへのオイルの流れを抑制することで、オイルによる熱移動を無くし、作動冷媒への受熱を抑制することができる。
また、吸入路部オイル保持部53cは、第二端板部材35におけるシリンダ30の中心軸に垂直な平面上で、且つ吸入路40を投影した吸入路投影部40aに収まる位置に形成され、更に吸入路投影部40aのベーン側の反対側近傍の吸入側オイル保持部53aとの間に障壁35dが形成されている。
圧縮機の内部において最も低温状態である吸入路近傍に独立したオイル保持部を設けることで、比較的高温となる吐出側オイル保持部53bからのオイル流れと、比較的低温ではあるが、吸入路近傍よりは高温となる吸入側オイル保持部53aからのオイルの流れを抑制することができるので、吸入路部オイル保持部53cを低温に保ち、吸入路40でのシリンダ室内の作動冷媒の熱交換量を最小限とすることが可能となる。
また、吸入側オイル保持部53aと吸入路部オイル保持部53cは、基準平面H1から見て、吸入路40と同じ側にそれぞれ独立して形成されている。2つのオイル保持部53a、53cにおいて比較的低温となる吸入路側部分におけるオイルの流れを抑制することによって、第二端板部材35を通じて、オイル溜り6のオイルから吸入室49に吸入された作動冷媒への受熱を抑制することができる。
また、他のオイル保持部53と同様に、オイルの流れが抑制されるように構成された吐出側オイル保持部53bが、基準平面H1から見て、吐出孔38と同じ側にも形成されている。吸入側オイル保持部53aと吐出側オイル保持部53bの間にも障壁35fが設けられており、吐出側で独立した空間を形成している。吐出室側で吐出冷媒への受熱を抑制することにより、圧力上昇を抑制し、圧縮動力の低減を図れる。各々のオイル保持部53でそれぞれの温度帯に対応した温度成層を形成することで、作動冷媒への受熱を効果的に抑制することができる。
更に、本実施形態では、第二端板部材35に形成されたオイル保持部53が閉塞部材10で閉じられている。閉塞部材10は単一の板状部材で構成されている。このような構造は非常にシンプルであり、部品点数の増加も回避できる。ただし、すべてのオイル保持部53が閉塞される必然性はなく、オイル溜まり6に対してオイル保持部53のオイル流れが抑制されていれば、本発明の効果は得られる。なお、オイル保持部53は閉塞部材10を用いずに、第二端板部材35もしくは他の部材によって閉塞されていてもよい。
図3に示すように第二端板部材35には、さらに、オイル連通経路35bが設けられている。オイル連通経路35bは、オイル溜まり6とオイル保持部53とを連通するように、それぞれのオイル空間から横方向に延びている。オイル連通経路35bを通じて、オイル溜まり6のオイルがオイル保持部53に流入できる。オイル連通経路35bの大きさは、オイル溜まり6のオイルがオイル保持部53に流入するために必要十分な大きさに調節されている。そのため、オイル保持部53におけるオイルの流れは、オイル溜まり6におけるオイルの流れよりも抑制される。従って、オイル保持部53において、オイルは、比較的安定な温度成層を形成する。また、オイル連通経路35bは閉塞部材10に設けられていてもよい。
本実施形態では、オイル連通経路35bは、小さい貫通孔で構成されている。ただし、スリットなどの他の構造でオイル連通経路35bが構成されていてもよい。図3に示すように、クランク軸31の回転軸と平行な方向において、オイル連通経路35bの上端は、オイル保持部の上端と略一致している、又は第二端板部材35の下面35cよりも上に位
置している。このような構成によれば、オイル保持部53に圧縮機製造時の空気が残ることを防止できるため、信頼性の高い圧縮機を提供することができる。
本実施の形態においてはオイル保持部53は第二端板部材によって形成されているが、閉塞部材10、もしくはその他の部材によって形成されていてもよい。また、本実施の形態においてはオイル保持部が複数設けられているが、単独のオイル保持部によっても、本発明の効果は得られる。本実施の形態ではロータリ圧縮機は、シリンダ30を1つのみ備えた1ピストンのロータリ圧縮機であるが、シリンダ30を複数備えたロータリ圧縮機にも本発明を適用することができる。なお、本実施形態においては、障壁を3つ形成することで、オイル保持部を3つに分割しているが、これに限られず、例えば、障壁を2つ(35d、35e)を形成することで、オイル保持部を吸入路部オイル保持部53cとそれ以外の2つに分割する形態であってもよい。
以上のように、本発明のロータリ圧縮機は、作動冷媒の漏れ損失や過剰給油による摺動損失と加熱損失を低減し、圧縮機の高効率化を図ることが可能となる。これにより、HFC系作動冷媒等を用いたエアーコンディショナー用圧縮機のほかに、ヒートポンプ式給湯機などの用途にも適用できる。
1 密閉容器
2 電動機
3 圧縮機構部
6 オイル溜り
10 閉塞部材
30 シリンダ
30a ベーン溝
31 クランク軸
31a 偏芯部
32 ピストン
33 ベーン
33a ベーン投影部
34 第一端板部材
35 第二端板部材
35a ボルト取付部
35b オイル連通経路
35c 下面
35d 障壁
35e ベーン部障壁
35f 障壁
36 吐出弁
37 カップマフラ−
38 吐出孔
39 吐出室
40 吸入路
40a 吸入路投影部
49 吸入室
50 シリンダ室
51 マフラ室
53 オイル保持部
53a 吸入側オイル保持部
53b 吐出側オイル保持部
53c 吸入路部オイル保持部

Claims (9)

  1. 底部にオイル溜まりを有する密閉容器と、密閉容器の内部に配置されたシリンダと、前記シリンダの内部に配置されたピストンと、前記シリンダと前記ピストンとの間にシリンダ室を形成するように、前記シリンダの両端開口のうち、一方の端面を閉塞する第一端板部材と、他方の端面を閉塞する第二端板部材と、前記シリンダ室を吸入室と吐出室とに仕切るベーンと、圧縮されるべき作動冷媒を前記吸入室へ供給する吸入路と、前記第一端板部材側に備えられ、前記吐出室から吐出された作動冷媒が滞在できるマフラ室とを備えたロータリ圧縮機であって、
    前記第二端板部材側に備えられ、前記オイル溜まりのオイルの一部を取り込むオイル保持部が略円環形状に構成されていることを特徴とするロータリ圧縮機。
  2. 前記オイル保持部は、前記シリンダの中心軸から径方向外側へ延伸した障壁部を備え、前記障壁部は前記第二端板部材もしくは閉塞部材によって形成されている請求項1に記載のロータリ圧縮機。
  3. 前記障壁部は、前記第二端板部材における前記シリンダの中心軸に垂直な平面上で、且つ前記ベーンを投影したベーン投影部を含む位置に設けられた第1の障壁を有する請求項2に記載のロータリ圧縮機。
  4. 前記障壁部は、前記第二端板部材における前記シリンダの中心軸に垂直な平面上で、且つ前記吸入路を投影した吸入路投影部を挟んで前記第1の障壁と反対側に設けられた第2の障壁を有し、
    前記オイル保持部は、前記第1の障壁と前記第2の障壁とに挟まれ、前記吸入路投影部に収まる位置に形成された吸入路部オイル保持部を有する請求項3に記載のロータリ圧縮機。
  5. 前記障壁部は、オイル保持部を吐出側オイル保持部と吸入側オイル保持部とに分割する第3の障壁を備えている請求項2に記載のロータリ圧縮機。
  6. 前記オイル保持部は、前記ベーンが前記シリンダの中心軸に向かって最も突出したときの前記ベーンの中心線と前記シリンダの前記中心軸とを含む基準平面から見て前記吸入路と同じ側に形成された、請求項1から5のいずれか1項に記載のロータリ圧縮機。
  7. 前記オイル保持部と前記オイル溜まりを仕切る閉塞部材を形成した、請求項1から6のいずれか1項に記載のロータリ圧縮機。
  8. 前記閉塞部材が単一の板状部材によって構成されている、請求項1から7のいずれか1項に記載のロータリ圧縮機。
  9. 前記オイル保持部と前記オイル溜まりとが連通するオイル連通経路を前記閉塞部材又は第二端板部材に備えた請求項1から8のいずれか1項に記載のロータリ圧縮機。
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