JP2015021195A - アニオン性水溶性重合体によるピッチ低減方法 - Google Patents
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一般式(1)
ここでR1は水素、メチル基またはカルボキシメチル基、AはSO3、C6H4SO3、CONHC(CH3)2CH2SO3、C6H4COOあるいはCOO、R2は水素またはCOOY2、Y1あるいはY2は水素または陽イオンをそれぞれ表わす。
一般式(2)
R3は水素又はメチル基、R4、R5は炭素数1〜3のアルキルあるいはヒドロキシアルキル基、R6は水素、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数7〜20のアルキル基あるいはアリール基であり、同種でも異種でも良い、Aは酸素またはNH、Bは炭素数2〜4のアルキレン基を表わす、X1 −は陰イオンをそれぞれ表わす。
一般式(3)
R8は水素又はメチル基、R9、R10は炭素数1〜3のアルキル基あるいはヒドロキシアルキル基、X2 −は陰イオンをそれぞれ表わす。
塩水中分散重合による塩水中分散液は溶液粘性が低いため、地合い等紙質に与える影響が低く好ましい形態である。塩水中分散液からなるアニオン性水溶性重合体は、以下の操作によって製造することができる。すなわち塩水液中に分散した高分子微粒子分散液からなる水溶性重合体分散液は、特開昭62−15251号公報等によって製造することができる。この方法は、アニオン性単量体と非イオン性単量体あるいはアニオン性単量体とカチオン性単量体及び非イオン性単量体を、塩水溶液中で該塩水溶液に可溶なイオン性高分子からなる分散剤共存下で、攪拌しながら製造された粒径100μm以下の高分子微粒子の分散液からなるものである。イオン性高分子からなる分散剤は、ジメチルジアリルアンモニウム塩化物、(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム塩化物の単独重合体や非イオン性単量体との共重合体を使用する。
高HLB界面活性剤を使用すると乳化させ油中水型エマルジョンを形成させ重合したエマルジョンは、このままで水となじむので転相剤を添加する必要がない場合もある。高HLB界面活性剤としては、HLB11〜20の界面活性剤があり、その具体例としては、カチオン性界面活性剤や非イオン性界面活性剤であり、ポリオキシエチレンアルキルエーテル系、ポリオキシエチレンアルコールエーテル系、ポリオキシエチレンアルキルエステル系などである。具体的には、ポリオキシエチレン(20)ソルビタントリオレート、ポリオキシエチレン(4)ソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレン(5)ソルビタンモノオレート等である。高HLB界面活性剤を使用することによって重合後、希釈時、特に転相剤を添加しなくても水に溶解可能な油中水型エマルジョンを形成させることが可能である。これら界面活性剤の添加率としては、油中水型エマルジョン全量に対して0.5〜10質量%であり、好ましくは1〜5質量%である。これら界面活性剤の添加率としては、油中水型エマルジョン全量に対して0.5〜10質量%であり、好ましくは1〜5質量%の範囲である。
ノプロパン)二塩化水素化物または2、2’−アゾビス〔2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン〕二塩化水素化物のような水溶性アゾ系重合開始剤、あるいは過硫酸アンモニウムおよび亜硫酸水素ナトリウム併用のような水溶性レドックス系重合開始剤を添加し、撹拌下ラジカル重合を行う。
通常、パルプ繊維表面はアニオン性に帯電しており、カチオン性あるいは両性凝結剤あるいはピッチコントロール剤でパルプ繊維と共に濁度成分やピッチ成分を凝結作用により処理している。これらカチオン性あるいは両性凝結剤あるいはピッチコントロール剤は比較的低分子量で高カチオン密度のものが使用されている。これらの重量平均分子量は、通常、10万〜500万の範囲であり凝結作用により濁度成分やピッチ成分を凝結、細かいフロックとして成紙上に分散し抄紙系外に排出するという技術である。これに対して、本発明のアニオン性水溶性重合体は高い重量平均分子量を有し、製紙原料中に存在している填料や製紙用薬剤等のカチオン性に帯電している成分、あるいはパルプ繊維の一部が製紙用薬剤等によりカチオン性に修飾されている成分に対して、凝集作用が生じ凝結作用よりも大きなフロックが形成、その後、製紙工程の下流で製紙原料が白水や清水により希釈されパルプ乾燥固形分濃度が2.0質量%以下になる過程を経て、凝集作用により生じた大きなフロックが徐々に破壊されフロックが適度に分散された状態でワイヤー上に乗り成紙となり抄紙系外に排出され、ピッチ低減効果が得られるものと考えられる。つまり、本発明のアニオン性水溶性重合体の添加場所としては、パルプ乾燥固形分濃度が2.0質量%以上の濃度の製紙原料に添加され、その後、白水あるいは清水、工業用水等で希釈され2.0質量%より低い製紙原料にされることが必須条件である。通常の製紙工程では抄紙機の直前にはパルプ乾燥固形分濃度0.5〜1.5質量%に希釈されており、本発明もその範囲内で適用される。抄造条件によっては、パルプ乾燥固形分濃度2.0質量%以上で抄紙機により近い種箱等の貯槽に添加すると有効な場合がある。これは、アニオン性水溶性高分子を添加、製紙原料中のカチオン成分と凝集、フロックを形成し、その後、白水あるいは清水、工業用水等で希釈され、下流工程でフロックが徐々に破壊されフロックが適度に分散された状態でワイヤー上に乗り最適化されるためである。種箱より上流の配合チェスト、マシンチェスト、ミキシングチェスト等では、抄紙機のワイヤーまでの距離が長くなり、フロックの崩壊が進行し効果が得られないためと推測される。
対象抄造製紙原料としては特に限定はなく、新聞用紙、上質紙、PPC用紙、塗工原紙、微塗工紙、板紙等に適用できるが、製紙用薬剤や古紙の混入率が高く、カチオン性を帯電している物質、成分の割合が高い板紙原料において特に効果が顕著である。
製品形態A:塩水中分散重合体、B:油中水型エマルジョン、C:水溶液重合体
Claims (3)
- 下記一般式(1)で表される水溶性単量体10〜50モル%、非イオン性水溶性単量体50〜90モル%からなる水溶性単量体混合物を必須として含有する水溶液を重合して得られた、重量平均分子量が500万〜3000万のアニオン性水溶性重合体を、抄紙前のパルプ乾燥固形分濃度が2.0質量%以上の製紙原料に添加することを特徴とするピッチ低減方法。
一般式(1)
ここでR1は水素、メチル基またはカルボキシメチル基、AはSO3、C6H4SO3、CONHC(CH3)2CH2SO3、C6H4COOあるいはCOO、R2は水素またはCOOY2、Y1あるいはY2は水素または陽イオンをそれぞれ表わす。 - 前記アニオン性水溶性重合体の重量平均分子量が800万〜3000万であることを特徴とする請求項1に記載のピッチ低減方法。
- 前記アニオン性水溶性重合体が、塩水溶液中に可溶な高分子分散剤を共存させ、攪拌下、分散重合して得られた重合体微粒子の分散液であることを特徴とする請求項1あるいは2に記載のピッチ低減方法。
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