JP2015020478A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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敏幸 中野
Toshiyuki Nakano
敏幸 中野
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Abstract

【課題】操縦安定性能及び耐カット性能が維持されつつ、補強ゴム層のタイヤ幅方向両端近傍を起点とする損傷が防止されうる空気入りタイヤ2の提供。【解決手段】このタイヤ2は、カーカス12の第一プライ31が、ビード10の周りを軸方向内側から外側に、さらに半径方向外側に折り返してなる折り返し部31bを有し、この折り返し部31bが、その途中から半径方向内側に向けて折り返すことにより、第一折り返し部31cと第二折り返し部31dとが形成され、第一折り返し部31cと第二折り返し部31dとの間に、補強ゴム層40が挟まれており、この補強ゴム層40が、幅方向の少なくとも一方の端部に向けて肉厚が漸減する肉厚漸減部42を有しており、この補強ゴム層40が、ベルト14の端部からタイヤ最大幅位置Pまでの領域に位置している。【選択図】図2

Description

本発明は、空気入りタイヤに関する。
タイヤは、トレッド、カーカス、サイドウォール及びビードを備えている。カーカスは、カーカスプライから形成される。カーカスプライは、通常、ビードのコアの周りを、タイヤ軸方向内側から外側に折り返されている。この折り返しにより、カーカスプライに主部及び折り返し部が形成される。サイドウォールはトレッドとビードとの間に位置している。サイドウォールは、カーカスよりもタイヤ軸方向外側に位置している。サイドウォールはタイヤの側面を形成する。
従来、耐カット性等の向上の観点から、サイドウォールの構成が検討されている。耐カット性の向上を図る場合、タイヤの軽量化を阻害せず、良好な操縦安定性を確保しておくのが望ましい。このサイドウォールの構成の検討の一例が、特許第4616627号公報に開示されている。この公報に開示されたタイヤでは、そのサイドウォールにおける、カーカスプライの外方に、補強ゴム層が配置されている。
この補強ゴム層により、サイドウィールの薄肉化が可能となり、さらに、タイヤの操縦安定性及び耐カット性を確保しうるとのことである。
特許第4616627号公報
しかしながら、上記タイヤでは、補強ゴム層は、その先端に至るまで略一定の厚みを有している。従って、この補強ゴム層の両端において、サイドウォールの剛性に急激な変化が生じてしまう。その結果、走行中の荷重によって発生した応力が、サイドウォールにおける補強ゴム層の両端近傍に集中し、タイヤの損傷を招くおそれがある。
本発明は、かかる現状に鑑みてなされたものであり、サイドウォールの剛性が、タイヤ半径方向に沿って急激な変化を生じることなく向上し、これにより、操縦安定性及び耐カット性を維持しつつ耐久性が向上したタイヤを提供することを目的としている。
本発明に係る空気入りタイヤは、
その外面がトレッド面をなすトレッドと、
それぞれが上記トレッドの端から半径方向略内向きに延びる一対のサイドウォールと、 それぞれがサイドウォールよりも半径方向略内側に位置する一対のビードと、
上記トレッド及び上記サイドウォールの内側に沿って一方のビードと他方のビードとの間に架け渡されたカーカスと、
上記トレッドの半径方向内側においてカーカスと積層されるベルトとを備えており、
上記カーカスが、ビードの周りを軸方向内側から外側に、さらに半径方向外側に向けて折り返してなる折り返し部を有しており、
この折り返し部が、上記ベルト層の端部とタイヤ最大幅位置との間の領域において、半径方向内側に向けて折り返すことにより、この折り返し部に、第一折り返し部と第二折り返し部とが形成されており、
上記第一折り返し部と第二折り返し部との間に、補強ゴム層が挟まれており、
この補強ゴム層が、幅方向の少なくとも一方の端部に向けて肉厚が漸減する肉厚漸減部を有している。
好ましくは、上記補強ゴム層における肉厚漸減部以外の部位が、最大厚みを有する最大肉厚部であり、
この最大肉厚部の幅方向の範囲W1に対する、上記肉厚漸減部の幅方向の範囲W2の比W2/W1が、1/9以上3/7以下である。
好ましくは、上記肉厚漸減部の表裏二面のうちの少なくとも一面が、その断面において、幅方向先端に向けて円弧状にされている。
好ましくは、上記補強ゴム層の最大厚みが、0.5mm以上5mm以下である。
好ましくは、上記肉厚漸減部の先端の厚みが、補強ゴム層の最大厚みの1/3以下である。
本発明に係る空気入りタイヤは、サイドウォールの剛性が、タイヤ半径方向に沿って急激な変化を生じることなく向上している。これにより、操縦安定性及びサイドウォールの耐カット性が維持され、補強ゴム層のタイヤ幅方向両端近傍を起点とする損傷が防止されうる。
図1は、本発明の一実施形態に係る空気入りタイヤの一部が示された断面図である。 図2は、図1のタイヤにおけるサイドウォール部及びビード部の部分が示された拡大断面図である。 図3(a)−(i)は、図1のタイヤにおける補強ゴム層の断面形状の例を示す横断面図であり、図3(j)は、従来の補強ゴム層の断面形状の例を示す横断面図である。 図4は、補強ゴム層の寸法割合を概略的に示す横断面図である。 図5は、図1のタイヤの製造工程における補強ゴム層の形成を示す一部断面概略斜視図である。
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。
図1には、空気入りタイヤ2が示されている。図1において、上下方向がタイヤ2の半径方向であり、左右方向がタイヤ2の軸方向であり、紙面に垂直な方向がタイヤ2の周方向である。図1において、一点鎖線で示された中心線CLはタイヤ2の赤道面をも表わす。このタイヤ2の形状は、トレッドパターンを除き、赤道面CLに関して対称である。
このタイヤ2は、トレッド4、サイドウォール6、クリンチ8、ビード10、カーカス12、ベルト14、バンド16、インナーライナー18、フィラー20及びチェーファー22を備えている。このタイヤ2はチューブレスタイプである。このタイヤ2は、ラリー用の四輪自動車に装着されうる。
トレッド4の表面は、路面と接触するトレッド面24を構成する。このトレッド面24には溝25が刻まれている。この溝25により、トレッドパターンが形成されている。トレッド4は、耐摩耗性、耐熱性及びグリップ性に優れた架橋ゴムからなる。
サイドウォール6は、トレッド4の端から半径方向略内向きに延びている。サイドウォール6は、半径方向において、トレッド4とクリンチ8との間に位置している。サイドウォール6は、撓むことによって路面からの衝撃を吸収する。サイドウォール6は、カーカス12の損傷を防止する。このタイヤ2は、そのサイドウォール6の外面に、半径方向に並列された複数のプロテクタリブ(以下、単にリブという)38をさらに備えている。各リブ38は、周方向に延在している。リブ38はタイヤ2を補強する。リブ38は、タイヤ2に石等が当たったときの損傷を防止しうる。リブ38は、このタイヤ2の耐カット性に寄与しうる。
クリンチ8は、サイドウォール6よりも半径方向略内側に位置している。クリンチ8は、軸方向において、ビード10及びカーカス12よりも外側に位置している。クリンチ8は、タイヤ2がリム(図示されず)に組み込まれたとき、リムのフランジと当接する。
このタイヤ2では、サイドウォール6及びクリンチ8からなる部分がリムプロテクタ26を備えている。リムプロテクタ26は、軸方向外側に向かって突出している。リムプロテクタ26は、周方向に延在している。リムプロテクタ26は、このタイヤ2が装着されるリムのフランジの損傷を防止する。
ビード10は、クリンチ8の軸方向内側に位置している。ビード10は、コア28と、このコア28から半径方向外向きに延びるエイペックス30とを備えている。コア28はリング状であり、巻回された非伸縮性ワイヤーを含む。エイペックス30は、半径方向外向きに先細りである。
本実施形態では、カーカス12は内側の第一プライ31及び外側の第二プライ32からなる。第一プライ31及び第二プライ32はそれぞれ、並列された多数のコードとトッピングゴムとからなる。このカーカス12はラジアル構造を有する。コードは、有機繊維からなる。好ましい有機繊維として、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、レーヨン繊維、ポリエチレンナフタレート繊維及びアラミド繊維が例示される。カーカス12が、1枚のプライから形成されてもよい。カーカス12が、3枚以上のプライから形成されてもよい。カーカス12については、後に詳述される。
ベルト14は、トレッド4の半径方向内側において、カーカス12と積層されている。ベルト14は、カーカス12を補強する。ベルト14は、内側層34及び外側層36からなる。図示されていないが、内側層34及び外側層36のそれぞれは、並列された多数のコードとトッピングゴムとからなる。ベルト14の軸方向幅は、タイヤ2の最大幅の0.7倍以上が好ましい。ベルト14は、3層以上で構成されてもよい。
バンド16は、ベルト14の半径方向外側に位置している。図示されていないが、このバンド16は、コードとトッピングゴムとからなる。このコードによりベルト14が拘束されるので、ベルト14のリフティングが抑制される。
ベルト14及びバンド16は、補強層を構成している。ベルト14のみから、補強層が構成されてもよい。バンド16のみから、補強層が構成されてもよい。
インナーライナー18は、カーカス12の内側に位置している。このタイヤ2では、インナーライナー18はカーカス12の内面に接合されている。インナーライナー18には、空気遮蔽性に優れたゴムが用いられている。インナーライナー18は、タイヤ2の内圧を保持する。
フィラー20は、ビード10の近くに位置している。このタイヤ2のフィラー20は、ビード10とカーカス12との間に位置している。フィラー20は、ビード10のコア28の周りを折り返している。図示されていないが、フィラー20は、並列された多数のコードとトッピングゴムとからなる。フィラー20は、ビード10の部分の剛性に寄与しうる。フィラー20は、ビード10の部分の倒れを抑制しうる。
チェーファー22は、ビード10の近傍に位置している。タイヤ2がリムに組み込まれると、このチェーファー22がリムと当接する。この当接により、ビード10の近傍が保護される。このチェーファー22は、クリンチ8と一体にされてもよい。この場合、チェーファー22の材質はクリンチ8の材質と同じとされる。
図2も併せて参照すれば明らかなように、前述したカーカス12の第一プライ31及び第二プライ32は、一対のビード10同士の間に架け渡されており、トレッド4及びサイドウォール6に沿っている。まず、第二プライ32は、コア28の周りを、軸方向内側から外側に折り返し、半径方向外側に向かっている。この折り返しにより、第二プライ32には、主部32aと折り返し部32bとが形成されている。第一プライ31は、コア28の周りを、第二プライ32に外側から重なって、軸方向内側から外側に向かって折り返し、半径方向外側に向かう。この折り返しにより、第一プライ31にも、主部31aと折り返し部31bとが形成されている。
図2も併せて参照すれば明らかなように、第一プライ31の折り返し部31bの周縁側(横断面における先端側)は、さらに、半径方向内側に向かって折り返している。この2回目の折り返しにより、折り返し部31bには、第一折り返し部31cと第二折り返し部31dとが形成されている。折り返し部31bのうち、第一折り返し部31cは、上記2回目の折り返し前の部分であり、第二折り返し部31dは、2回目の折り返し後の部分である。この2回目の折り返し点は、上記ベルト14の端部とタイヤ最大幅位置Pとの間の領域に配置されている。第一折り返し部31c及び第二折り返し部31dは、ともに周方向に延在している。
本実施形態では、図2に示されるように、折り返し部31bが、まず、軸方向外側に向けて折れ曲がり、次いで半径方向内側に折れ曲がることによって、第二折り返し部31dが形成されている。しかし、かかる折れ曲がり方には限定されない。図示されていないが、折り返し部31bが、まず、軸方向内側に向けて折れ曲がってから、半径方向内側に折れ曲がってもよい。かかる折れ曲がり方によっても、第二折り返し部31dが形成されうる。
第一折り返し部31cと第二折り返し部31dとの間には、補強ゴム層40が挟み込まれている。補強ゴム層40は周方向に延在している。補強ゴム層40は円輪状を呈している。上記第二折り返し部31dが形成されることにより、サイドウォール6の剛性が向上する。上記補強ゴム層40が形成されることにより、サイドウォール6の剛性が一層向上する。かかる構成のタイヤによれば、操縦安定性が向上し、サイドウォール6の耐カット性が維持されうる。
図3(a)−(i)も併せて参照すれば明らかなように、上記補強ゴム層40は、その幅方向の端部(周縁)40aに向けて肉厚が漸減する肉厚漸減部42を有している。補強ゴム層40における肉厚漸減部42以外の部分は、最大厚みを有する最大肉厚部44である。肉厚漸減部42が形成されていることにより、サイドウォール6の剛性が、半径方向に沿って急激な変化を生じることが防止されうる。かかる観点からは、肉厚漸減部42は、図3(b)に示されるように補強ゴム層40の幅方向一端側にのみ形成されてもよいが、図2、図3(a)、(c)−(i)に示されるごとく、両端側それぞれに形成されるのが好ましい。肉厚漸減部42が、補強ゴム層40の幅方向一端側にのみ形成される場合は、第一折り返し部31cから第二折り返し部31dへの折り返し点側(図2中の上側)に形成されるのが好ましい。補強ゴム層40とカーカスプライ31との密着性が向上するからである。
上記最大肉厚部44は、その幅方向(タイヤの半径方向)に均一な厚みを有している(図3(b)−(e)、(i))。しかし、その肉厚漸減部42が半径方向に幅を有していない補強ゴム層も存在する(図3(a)、(f)−(h))。補強ゴム層40の断面形状は、補強ゴム層40の周方向に沿って一定にされるのが好ましい。この場合、補強ゴム層40の幅及び厚みも周方向に沿って変化しない。
図3を参照しつつ、肉厚漸減部42の断面形状について説明される。図3(a)−(h)に示される断面形状では、補強ゴム層40の表裏(図3中における上下)一方の面のみが先端に向けて傾斜され、他方の面は全面平坦にされている。一方、図3(i)に示される断面形状では、両面ともに先端に向けて傾斜されている。ここでいう傾斜には、図3(d)、(f)及び(h)に示されるような直線的な傾斜が含まれる。上記傾斜には、図3(a)−(c)、(e)、(g)及び(i)に示されるような円弧を含む曲線的な傾斜も含まれる。換言すれば、肉厚漸減部42の傾斜面は、平面であっても曲面であってもよい。なお、図3(j)には、肉厚漸減部42が形成されておらず、最大肉厚部44のみからなる従来の補強ゴム層50が示されている。
片面のみ傾斜した肉厚漸減部42を有する補強ゴム層40(図3(a)−(h))は、その傾斜面側が軸方向内側となるように配置されてもよい。しかし、図2に示されるように、傾斜面側が軸方向外側となるように配置されるのが好ましい。補強ゴム層40とカーカスプライ31との密着性が向上するからである。
図3(i)に示される両面傾斜の肉厚漸減部42を有する補強ゴム層40は、図3(a)−(h)に示される片面傾斜の肉厚漸減部42を有する補強ゴム層40と比較して、カーカスプライの折り返し部31bと補強ゴム層40との密着性は向上する。一方、この折り返し部31bと第二プライ32との密着性が劣る可能性がある。
図3(a)−(c)、(e)、(g)及び(i)では、肉厚漸減部42の断面において、その傾斜が円弧状にされている。補強ゴム層40横断面において、この円弧は、最大肉厚部44の面に接している(図3(a)−(c)及び(i))。しかし、接しておらず、交差していてもよい。また、円弧は真円の円弧でなくてもよい。これらの円弧は図3(e)及び(g)に示されるごとく凹状でもよいが、図3(a)−(c)及び(i)に示されるごとく凸状が好ましい。補強ゴム層40とカーカスプライ31との密着性が向上するからである。
図3(a)、(f)−(h)に示される補強ゴム層のように、最大肉厚部44が幅を有していないか、極めて狭い幅を有しているものであってもよい。しかし、最大肉厚部44の幅が十分に確保されているのが好ましい。サイドウォール6の高剛性を十分に確保しうるからである。かかる観点から、図4(a)において、最大肉厚部44の幅方向の範囲(以下、幅ともいう)をW1とし、一の肉厚漸減部42の幅方向の範囲をW2としたとき、幅W1に対する幅W2の比W2/W1は、1/9以上3/7以下にされるのが好ましい。この比が1/9未満であれば、サイドウォールの剛性の半径方向に沿った急激な変化を抑制する効果が低減してしまうおそれがある。一方、この比が3/7より大きければ、サイドウォールの剛性の向上という効果が低減するおそれがある。
図3(a)、(c)−(i)に示された、幅方向両端側それぞれに肉厚漸減部42が形成された補強ゴム層40では、その断面形状が左右対称である。しかし、左右対称形には限定されない。非対称であってもよい。また、図3(i)に示された、表裏両面ともに先端に向けて傾斜した肉厚漸減部42を有する補強ゴム層40は、表裏(上下)対称形状を呈している。しかし、表裏対称形には限定されない。非対称であってもよい。
図4(a)に示される補強ゴム層40の最大肉厚部44の厚みtmaxは、0.5mm以上5mm以下にされるのが好ましい。最大肉厚部の厚みtmaxが0.5mm未満であれば、サイドウォールの剛性の向上が十分には得られないおそれがある。一方、この厚みtmaxが5mmより大きければ、サイドウォールの剛性の向上という効果が低減するおそれがあり、また、タイヤ製造時に不良が発生しやすくなるおそれがある。かかる観点からすれば、補強ゴム層40の最大肉厚部の厚みtmaxは、1mm以上3mm以下にされるのがさらに好ましい。
図3(a)−(g)及び(i)に示されるように、肉厚漸減部42の先端40aの厚みは0mmであるのが好ましい。サイドウォールの剛性の半径方向に沿った急激な変化が防止されうるからである。かかる観点からは、図3(h)に示されるように、肉厚漸減部42の先端40aがわずかな厚みを有していてもよい。具体的には、図4(b)に示されるように、肉厚漸減部42の先端の厚みteは、補強ゴム層40の最大厚みtmaxの1/3以下とされるのがよい。又は、肉厚漸減部42の先端の厚みteは、0.5mm以下とされるのがよい。先端の厚みteは小さいほど好ましい。
図4(a)及び(b)に示される補強ゴム層40は、その軸方向外側の表面全体が、第二折り返し部31dによって覆われている。しかし、かかる構成には限定されない。図4(c)に示されるように、補強ゴム層40の半径方向内方に、第二折り返し部31dによって覆われていない部分があってもよい。
補強ゴム層40の硬度は、耐カット性を維持しつつ操縦安定性を向上させるために、サイドウォール6のゴム硬度より高くされる。この補強ゴム層40の硬度は、通常、80以上95以下の範囲から選択される。この硬度はJIS−A硬度である。この硬度は、「JIS−K6253」の規定に準拠して、23℃の環境下で、タイプAのデュロメータによって測定される。
図5に示されるように、以上説明されたタイヤ2は、次のようにして製造される。予備成形工程においては、未架橋タイヤであるローカバーが形成される。この予備成形の前の工程において、カーカス12の第一プライ31の左右両側の周縁近傍に補強ゴムシート46が積層される(図5(a))。その後、第一プライ31の両側の周縁を内側に折り返すことにより、第二折り返し部31dが補強ゴムシート46を覆う。この工程により、前述の補強ゴム層40を含んだカーカス12が形成される(図5(b))。一方、サイドウォール6及びクリンチ8を同時に押し出すことにより、これら6、8が組み合わされた成形体が準備される。予備成形工程において、上記成形体が、カーカス12等の部材と組み合わされて、上記ローカバーが得られる。
図示されていないが、このタイヤ2の製造方法では、内部にブラダーが配置されたモールドが用いられる。ローカバーは、モールドに投入される。投入のとき、ブラダーは収縮している。
ローカバーが投入されると、ブラダーに加圧媒体が充填される。これにより、ブラダーが膨張する。膨張したブラダーはローカバーの内面に当接する。モールドが閉じられ、ブラダーの内圧が高められる。ローカバーはブラダーによってモールドのキャビティ面に押しつけられる。これにより、ローカバーは加圧及び加熱される。加圧と加熱とにより、ローカバーのゴム組成物は流動する。加熱によりゴムが架橋反応を起こし、図1に示されたタイヤ2が得られる。
以下、実施例によって本発明の効果が明らかにされるが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるべきではない。
[実施例1]
図1に示された基本構成を備え、表1に示された仕様の補強ゴム層を有する実施例1のラリー用空気入りタイヤを用意した。このタイヤのサイズは、205/65R15である。このタイヤでは、補強ゴム層の配置は、その肉厚漸減部の傾斜面が軸方向の外側を向くようにされている。実施例1から6は、補強ゴム層の肉厚漸減部の断面形状、及び、補強ゴム層の表裏面の向きが互いに異なっている。
[実施例2−4及び6]
補強ゴム層の断面形状につき、その肉厚漸減部の形状を変えて表1に記載のとおりとした他は実施例1と同様にして、実施例2から4及び6のタイヤを用意した。
[実施例5]
実施例5のタイヤでは、補強ゴム層の断面形状は、表1に記載のとおり実施例4と同じとされた。しかし、補強ゴム層の配置は、実施例4とは異なり、その肉厚漸減部の傾斜面が軸方向内側を向くようにされている。実施例5のタイヤのその他の構成は実施例1と同様にされた。
[比較例1]
表1に示されるように、肉厚漸減部を有さない補強ゴム層(図3(j))を備えた他は実施例1と同様にして、比較例1のタイヤを用意した。
[実施例7−12]
補強ゴム層の最大厚みを表2に記載のとおりに決定した以外は、実施例1と同様にして、実施例7から12のタイヤを用意した。実施例7から12は、補強ゴム層の最大厚みが互いに異なっている。
[比較例2]
表2に示されるように、補強ゴム層を有さない他は実施例1と同様にして、比較例1のタイヤを用意した。すなわち、カーカスの第一プライは2回折り返され、第一折り返し部及び第二折り返し部が形成されている。比較例2のタイヤは、補強ゴム層を有さないので、補強ゴム層の半径方向両端に対応する位置の近傍を起点とする損傷は少ない。しかし、後述するように、そもそも補強ゴム層を設ける目的が達成されていない。
[実施例13−16]
補強ゴム層の最大肉厚部の幅W1及び肉厚漸減部の幅W2を表3に記載のとおりに決定した以外は、実施例1と同様にして、実施例13から16のタイヤを用意した。実施例13から16は、最大肉厚部の幅W1及び肉厚漸減部の幅W2、並びにこれらの比W2/W1が互いに異なっている。
[損傷に対する耐久性]
上記実施例1から16、並びに、比較例1及び2の各タイヤに対して、その補強ゴム層の半径方向の両端近傍を起点とする損傷に対する耐久性を評価するための試験が行われた。実施例1から16、並びに、比較例1及び2の各供試タイヤをリム(サイズ:15×6.0J)に組み込み、このタイヤに、内圧が200kPaとなるように空気が充填された。この供試タイヤがドラム型台上試験装置に取り付けられた。供試タイヤは、ドラムに向けて5kNの荷重が負荷された状態で、時速200kmの速度で走行させられた。目視、又は、試験装置に設置されたセンサにより、供試タイヤの損傷発生が検知された時点で走行が停止された。走行時間が測定され、記録された。補強ゴム層の半径方向の両端近傍を起点とする損傷の程度が、損傷の程度 = 損傷の個数×長さ×深さ/時間、なる算式により定量的に決定された。損傷の耐久性は、この損傷の程度の逆数を指数化したものである。比較例1のタイヤの耐久性の指数を100とした。指数は大きいほど良好である。実施例1から16、並びに、比較例1及び2の各タイヤの耐久性指数は、表1から3に示されるとおりである。
Figure 2015020478
Figure 2015020478
Figure 2015020478
表1から3に示されるように、実施例のタイヤは、比較例のタイヤに比べて評価が高い。この評価結果から、本発明の優位性は明らかである。なお、表2中の比較例2は、補強ゴム層を有していないため、補強ゴム層の半径方向の両端近傍を起点とする損傷は少ない。しかし、この比較例2については、補強ゴム層を設けることによって得られる「サイドウォールの剛性の向上」という効果を奏し得ない。その結果、比較例2の操縦安定性は全実施例に比較して悪く、比較例1に対しても劣る結果となった。また、表3中の実施例16は、最大肉厚部の幅W1に対する肉厚漸減部の幅W2の比W2/W1が大きいので、耐久性の評価は高い。しかし、相対的に最大肉厚部の幅W1が小さくなったため、「サイドウォールの剛性の向上」という効果は他の実施例より低くなった。
以上説明されたタイヤは、種々の車両にも適用されうる。
2・・・タイヤ
4・・・トレッド
6・・・サイドウォール
8・・・クリンチ
10・・・ビード
12・・・カーカス
14・・・ベルト
16・・・バンド
18・・・インナーライナー
20・・・フィラー
22・・・チェーファー
24・・・トレッド面
25・・・溝
26・・・リムプロテクタ
28・・・コア
30・・・エイペックス
31・・・第一プライ
31c・・・第一折り返し部
31d・・・第二折り返し部
32・・・第二プライ
34・・・内側層
36・・・外側層
38・・・プロテクタリブ
40・・・補強ゴム層
42・・・肉厚漸減部
44・・・最大肉厚部
P・・・タイヤ最大幅位置

Claims (5)

  1. その外面がトレッド面をなすトレッドと、
    それぞれが上記トレッドの端から半径方向略内向きに延びる一対のサイドウォールと、 それぞれがサイドウォールよりも半径方向略内側に位置する一対のビードと、
    上記トレッド及び上記サイドウォールの内側に沿って一方のビードと他方のビードとの間に架け渡されたカーカスと、
    上記トレッドの半径方向内側においてカーカスと積層されるベルトとを備えており、
    上記カーカスが、ビードの周りを軸方向内側から外側に、さらに半径方向外側に向けて折り返してなる折り返し部を有しており、
    この折り返し部が、上記ベルト層の端部とタイヤ最大幅位置との間の領域において、半径方向内側に向けて折り返すことにより、この折り返し部に、第一折り返し部と第二折り返し部とが形成されており、
    上記第一折り返し部と第二折り返し部との間に、補強ゴム層が挟まれており、
    この補強ゴム層が、幅方向の少なくとも一方の端部に向けて肉厚が漸減する肉厚漸減部を有している、空気入りタイヤ。
  2. 上記補強ゴム層における肉厚漸減部以外の部位が、最大厚みを有する最大肉厚部であり、
    この最大肉厚部の幅方向の範囲W1に対する、上記肉厚漸減部の幅方向の範囲W2の比W2/W1が、1/9以上3/7以下である、請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 上記肉厚漸減部の表裏二面のうちの少なくとも一面が、その断面において、幅方向先端に向けて円弧状にされている、請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 上記補強ゴム層の最大厚みが、0.5mm以上5mm以下である、請求項1から3のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  5. 上記肉厚漸減部の先端の厚みが、補強ゴム層の最大厚みの1/3以下である、請求項1から4のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
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