JP2015020205A - 歯形部品の製造方法及び歯形部品の製造装置 - Google Patents

歯形部品の製造方法及び歯形部品の製造装置 Download PDF

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Abstract

【課題】比較的簡単な構成で、所定精度の歯形部品を安定して製造する。【解決手段】ダイ3上に拘束リング6をセットし、該拘束リング内に材料9を載置する。パンチ2及びダイ3による材料9の打抜きに際して、拘束リング6により材料の外周面を拘束して、材料の内部に高い静水圧応力を発生した状態で該材料をパンチ2の歯形とダイ3の歯形で剪断する。【選択図】図1

Description

本発明は、スプロケット等の歯形部品をプレスの打抜き加工により製造する方法、並びにそれに用いられる製造装置に関する。
一般に、スプロケット等の歯付き部品は、プレス加工、ホブカッターを用いた切削加工、鋳造方法があるが、切削加工及び鋳造は、プレス加工に比して加工時間がかかり、高価となるため、特にスプロケットのように比較的薄肉からなるものは、プレス加工が多用されている。
パンチとダイとの組合せ金型を用いる一般的なプレスの打抜き加工では、剪断による歯面精度が十分でなく、シェービング等の仕上加工が必要となる。ファインブランキングは、パンチの外側に3角山のビードを有する板押さえを設け、これにより材料内部に高い圧縮応力を発生させることにより、きれいな剪断面を得ると共に、打抜き時、逆押さえによりパンチの反対側から材料を強く押さえることで、反りを少なくすることができる。
従来、製品となる歯形部材の歯先円径より所定寸法だけ小さい中間部材を予め形成しておき、該中間部材を、歯先を打抜かずに、中間部材の外周面をそのままにして歯形の歯先として歯形部材を打抜く歯形部品の製造方法が提案されている(特許文献1)。該製造方法は、歯形を打抜く際に前記中間部材が径方向に伸びを生じ、その伸びにより歯形部材の歯先となる中間部材の外周面がパンチの刃面に押し当てられるように設定されており、一般的な打抜きによる歯形部材の製造方法では、パンチにより打抜かれる際に歯先部分に歯先ダレ、破断面を生じ易いが、上記製造方法では、歯先部が中間部材の外周のままで、剪断面とならないことにより、上記歯先のダレ及び破断面の発生を抑える。
特開2005−7450号公報
前記ファインブランキングは、板押さえ及び逆押さえにより材料を拘束して、一般的な打抜きプレス加工に比べて、平滑な剪断面と直角度に優れた製品を得ることができるが、プレス装置及び金型が複雑で高価となり、その適用は制限される。
上記特許文献1の歯形部材の製造方法は、歯形の歯面を打抜く際、前記中間部材が径方向に伸びを生じ、該伸びにより中間部材の外周面が金型に押し当てられて、そのまま歯先となるが、該歯先の成形は、金型による所定形状での打抜きではなく、鍛造による自由な状態での塑性変形によるため、板厚等の材料の僅かな変化及びクリアランス等の金型の僅かな変化等の影響を受けて、加工毎により歯先の形状、精度のバラツキが大きく、所定精度の製品を安定して製造することは困難と思える。チェーン用スプロケット、特にサイレントチェーン用スプロケットにあっては、歯先側の歯面先端部分のR形状の精度がチェーンとの接触に際して大きく影響し、接触音及び噛合いの安定等の性能にとって重要であって、安定した精度の歯先形状が求められるが、上述した精度のバラツキの大きい特許文献1の製造方法では、適用困難である。また、中間部材の打抜き加工等の前加工が必要であり、更に歯先となる外周面を残したまま、歯面が打抜かれるので、歯先毎にスクラップがバラバラとなり、スクラップの排出に困難を伴う。また、歯底面及び歯面は、中間部材が外径方向に伸びる方向に自由な状態でパンチ及びダイにより剪断されるため、大きな破断面及びダレを生じ易く、所定精度の剪断面を安定して得ることが困難である。
そこで、本発明は、比較的簡単な構成で、所定精度の歯形部品を安定して製造することができる歯形部材の製造方法並びにそれに用いられる製造装置を提供することを目的とするものである。
例えば図1を参照して、本発明は、外周に歯形を有する円筒状のパンチ(2)を、内周に歯形を有する円環状のダイ(3)に対して移動して、材料(9)を打抜いて歯形部品を製造する方法において、
前記ダイ(3)上に拘束リング(6)をセットし、該拘束リング内に円板状の前記材料(9)を載置し、前記パンチ(2)と前記ダイ(3)による材料の打抜きに際して、前記拘束リング(6)により前記材料(9)の外周面を拘束して、前記材料の内部に高い静水圧応力を発生した状態で該材料を前記パンチの歯形と前記ダイの歯形で剪断する、
ことを特徴とする歯形部品の製造方法にある。
前記パンチ(2)と共に移動して、前記材料に当接して該材料を押圧する板押さえ(5)を備え、
前記材料の打抜きに際して、前記拘束リング(6)で前記材料の外周面を拘束すると共に、前記板押さえ(5)により前記ダイ(3)の上面との間で前記材料の上下面を挟持してなる。
例えば図2〜図4を参照して、前記拘束リング(6)は、その内周面(17a)が全周に亘って円形からなり、該円形の内周面に前記円板状の材料(9)を受入れて、
前記拘束リング(6)により前記材料の外周面を全周に亘って拘束した状態で、前記パンチ(2)及び前記ダイ(3)の歯形(12)(16)により前記材料の全周に亘って打抜いてなる。
例えば図5〜図7を参照して、前記拘束リング(6)は、その内周面(19)に前記パンチ(2)及び前記ダイ(3)の歯形(12)(16)と同一位相に外径方向に突出する凹溝(20)を有し、前記内周面(19)に前記円板状の材料(9)を受入れ、
前記打抜きに先立つ前記パンチ(2)による前記材料(9)に対する押圧により、前記拘束リング(6)の前記凹溝(20)内に前記材料を塑性変形により流動して、前記拘束リング(6)により前記材料を拘束した状態で、前記パンチ(2)及び前記ダイ(3)の歯形(12)(16)により前記材料(9)の全周に亘って打抜いてなる。
例えば図4,図6を参照して、前記歯形部品が、スプロケット(9a)(9a)である。
例えば図1,図2,図5を参照して、本発明は、外周に歯形(12)を有する円筒状のパンチ(2)と、内周に歯形(16)を有する円環状のダイ(3)と、を備え、前記パンチ(2)を前記ダイ(3)に対して移動して、材料を打抜く歯形部品の製造装置において、
前記ダイ上に拘束リング(6,6,6)をセットし、該拘束リングで前記材料(9,9,9)を拘束した状態で、前記パンチ(2)及びダイ(3)により前記材料を剪断して打抜く、
ことを特徴とする歯形部品の製造装置にある。
前記パンチ(2)と共に移動して、前記材料に当接して該材料を押圧する板押さえ(5)を備え、
前記材料の打抜きに際して、前記拘束リング(6,6,6)で前記材料の外周面を拘束すると共に、前記板押さえ(5)により前記ダイ(3)の上面との間で前記材料の上下面を挟持してなる。
例えば図2,図3を参照して、前記拘束リング(6)は、その内周面(17a)が全周に亘って円形からなり、
前記拘束リング(6)は、その内周面の径(D1)が前記パンチ(2)の外周の径(D2)及びダイ(3)の内周の径(D3)より大きく、かつ前記円板状の材料(9)の径より僅かに大きい。
例えば図5,図6を参照して、前記拘束リング(6)は、その内周面(19)に前記パンチ(2)及び前記ダイ(3)の歯形(12)(16)と同一位相に外径方向に突出する凹溝(20)を有し、
前記拘束リング(6)は、その内周面の半径(R1)が円板状の前記材料(9)の半径(R7)より僅かに大きく、かつ前記パンチ(2)及びダイ(3)の歯底円の半径(R4)(R6)より大きいと共に、前記パンチ(2)及びダイ(3)の歯先円の半径(R3)(R5)より小さく、かつ前記凹溝(20)の底面の半径(R2)が前記パンチ(2)及び前記ダイ(3)の歯先円の半径(R4)(R6)より大きい。
請求項1又は6に係る本発明によると、パンチ及びダイにて材料を打抜く際、材料は、拘束リングにより外周面が拘束されて高い静水圧応力が作用した状態にあり、滑らかな剪断面からなる高い精度の歯形、特に歯面が得られ、かつ歯形の全周に亘ってパンチ及びダイにより剪断されるので、所定寸法の歯形部材を得ることができ、更に比較的簡単なプレス装置及び金型を用いて安定して歯形部品を製造することができる。また、仕上げ加工を不要とすることが可能となり、この場合一般的なプレス加工に比して高い生産性により歯形部品を製造することができる。
請求項2又は7に係る本発明によると、板押さえを備え、材料の打抜きに際して、拘束リングにより材料の外周面を拘束すると共に、板押さえにより材料の上下面を挟持するので、そりの発生を減少して、高い精度の歯形部品を得ることができる。
請求項3又は8に係る本発明によると、内周面が円形からなる拘束リングにより、材料の外周面を全周に亘って拘束した状態で打抜くので、簡単な装置でもって所定寸法及び精度の歯形部品を安定して製造することができる。
請求項4又は9に係る本発明によると、拘束リングは、内周面に凹溝を有し、パンチ及びダイによる打抜きに先立ち、パンチの押圧により材料は、凹溝内に塑性変形して流動し、この状態で拘束リングで材料を拘束して、パンチ及びダイにより材料の全周に亘って剪断して打抜くので、歯形部品の歯先円より小径の材料により歯形部品を製造することができ、材料の歩留りを向上し得ると共に、塑性変形により引き伸ばされた材料をパンチ及びダイにより全周に亘って打抜くので、パンチ及びダイにより寸法精度が規定され、かつ該打抜きに際しても拘束リングにより材料の外周が拘束されて、所定寸法精度の歯形部品を安定して製造でき、かつ該打抜きによるスクラップは、一連に繋がった環状形状からなり、スクラップの排出も容易となる。
請求項5又は10に係る本発明によると、歯形部品がスプロケットであると、比較的薄肉部材である該スプロケットを所定の寸法精度でかつ精度の高い歯面で安価に安定して製造することができ、特にサイレント用スプロケットに適用すると、精度の高い歯面を得ることができ、サイレントチェーンとの噛合に際して静粛性及び噛合の正確性及び耐久性を向上することができる。
本発明の実施の形態に係る製造方法及び製造装置の概略を示す全体側面図。 第1の実施例による製造装置を示す全体断面図。 (a)は図2のA−A断面図、(b)は図2の拘束リングを示す断面図、(c)は図2のB−B断面図。 第1の実施例による製造方法を示す平面図で、(a)は加工前の状態を示し、(b)は加工後の状態を示し、(c)は加工された歯形部品(スプロケット)を示す。 第2の実施例による製造装置を示す全体断面図。 第2の実施例による製造装置の平面図であり、上半部分は拘束リングを示し、下半部分はダイ部分を示す。 第2の実施例による製造方法を示す平面図で、(a)は加工前の状態を示し、(b)は加工後の状態を示し、(c)は加工された歯形部品(スプロケット)を示す。 各加工法による歯形部品の歯先部分の違いを示す斜視図。
以下、図面に沿って本発明の実施の形態について説明する。歯形部品の製造装置であるプレス装置1は、図1に示すように、外周に歯形を有する円筒形状のパンチ2と、内周に歯形を有する円環形状のダイ3と、板押さえ5と、拘束リング6と、を有する。パンチ2は、上下方向に駆動され、ダイホルダ7に固定されているパンチ2との間で材料9を歯形形状に剪断する。板押さえ5は、パンチ2と共に所定ストロークで上下動して、材料9を所定圧力で押さえる。拘束リング6は、材料9の外周に嵌合する平板円環形状からなり、ダイ3上にセットされる。
本プレス装置1は、パンチ2が板押さえ5と共に、拘束リング6に全周に亘って外周を拘束されてダイ3上に載置された材料9に向けて下降する。板押さえ5が材料9上に接した状態で、該板押さえの下降は停止され、所定圧力でダイ3との間で材料9を押さえた状態で(矢印A参照)、パンチ2は更に下降し(矢印C1参照)、パンチ2は、ダイ3との間で材料9を剪断して、歯形部材に打抜く。この際、材料9は、板押さえ5とダイ3との間で挟持されると共に(矢印A,B参照)、拘束リング6により外周面が拘束されて(矢印D参照)、該材料9の内部に高い静水圧応力が発生する(矢印E参照)。この状態で、材料9にはパンチ2とダイ3の剪断力(矢印C1,C1,B,B)が作用して打抜かれるので、平滑な剪断面が得られる。
なお、本製造装置及び製造方法で製造される製品は、外周面に歯形を有する歯形部品であり、具体的には歯車、スプライン、スプロケット等のあらゆる歯形部品に適用可能であるが、特にチェーンが噛合するスプロケットに適用して、板厚、生産性及び歯先部分の形状、精度の関係で好適であり、とりわけサイレントチェーン用スプロケットに適用して、歯先部分のR形状の歯面を高い精度で製造でき、静粛性を維持して好適である。また、拘束リング6の内周面は、材料の円板形状に合せて円形が好ましいが、必ずしも円形に限らず、製品形状に合せた非円形でもよい。
[実施例]
ついで、図2〜図4に沿って第1の実施例について説明する。第1の実施例は、サイレントチェーン又はローラチェーン用のスプロケットの製造に係り、本製造装置1は、図2に示すように、パンチ2、ダイ3、板押さえ5及び拘束リング6を有する。パンチ2は、図3(a)に示すように、外周の全周に亘って歯形12を有する円筒部材からなり、該歯形12は、略円弧状(歯先円)の歯先面12a及び隣接する歯先面12aの間に形成された歯面(歯底面、歯元の面及び歯末の面を含む)12bを有する。板押さえ5は、上記パンチ2を嵌挿し得る内周面を有する円環状部材からなり、該内周面には上記歯形12より僅かに大径で同形状の歯形15が形成されている。パンチ2は、クランク、油圧等の駆動源により上下方向に所定ストロークで移動され、板押さえ5は、上記パンチ2の上下動に追従して上下方向に移動すると共に、スプリング等を介在して、板押さえ5が材料9に当接すると、上記上下移動が規制され、材料9を所定圧力で押圧する。
ダイ3は、図3(c)に示すように、固定部に固定された円環状部材からなり、その円周面に上記パンチ2の歯形12と所定クリアランスで係合し得る歯形16を有する。拘束リング6は、図3(b)に示すように、内周面17a及び外周面17bが滑らかな同芯上の円形面からなり、ダイ3上の加工位置にセットされる。該拘束リング61の内周面17aの直径(内径)D1は、パンチ2の外周(歯先)の直径D2及びダイ3の内周(歯先)円の直径D3より所定量大径からなり(D1>D3>D2)、かつこれら各円D1,D2,D3は、同芯になるようにセットされる。材料9は、円板形状からなり、その外径は、上記拘束リング6の内周面17aより僅かに小さく形成され、かつ肉厚Tは、拘束リング6の肉厚tより僅かに厚い(T>t)。即ち、材料9は、拘束リング6の内周面に受入れられるようにダイ3上に載置され、この際該材料9の上面は、拘束リング6より僅かに上方に突出する。
ついで、図4に沿って、上記第1の実施例による製造装置1を用いたスプロケットの製造方法について説明する。円板状の材料9は、図4(a)に示すように、ダイ3上にセットされている拘束リング6内に載置される。この状態で、パンチ2及び板押さえ5が下降し、板押さえ5がダイ3との間で材料9を押さえた状態で、パンチ2は、ダイ3との間で材料9を打抜く。この際、材料9は、拘束リング6により外径方向の変形が拘束され、パンチ2による圧力が材料9の内部に高い静水圧応力として作用し、該拘束による応力が発生した状態でパンチ2の歯形12とダイ3の歯形16とにより材料9に剪断力が作用して、打抜かれる。これにより、図4(c)に示すように、スプロケット9aからなるブランクがダイ3の下方に打抜かれ、かつ図4(b)に示すように、拘束リング6内にリング状に連らなったスクラップ9bが残る。
上記打抜かれたスプロケット9aは、拘束リング6により剪断側方力が押さえられて高い静水圧応力が作用する基で剪断され、破断面の少いきれいな剪断面が得られる。また、材料9は、板押さえ5によりダイ3との間で挟持され、かつ上記拘束リング6による材料の外径方向への拘束が相俟って、またそりの発生を減少する。これにより、上記スプロケット9aは、歯先面21aが所定寸法からなり、かつチェーンと係合する歯面21bが滑らかな剪断面からなる高い精度の歯形21が得られ、また比較的簡単なプレス装置及び金型でもって高い生産性により製造される。なお、前記拘束リング6は、内周面17a及び外周面17bが同芯円からなる円環状部材に限らず、例えば歯数に合せた多角形状等の多角形又は楕円等の他の形状の環状部材でもよい。
ついで、図5ないし図7に沿って本発明の第2の実施例について説明する。なお、パンチ2、ダイ3及び板押さえ5は、前述した第1の実施例と同じなので、同一符号を付して説明を省略する。本製造装置1は、図5に示すように、パンチ2、ダイ3、板押さえ5及び拘束リング6を有する。拘束リング6は、ダイ3上の加工位置にセットされる。拘束リング6は、図6上半位置に示すように、円形の内周面19に、パンチ2及びダイ3の歯形12,16と同一位相になるように外径方向に突出する半円状の凹溝20が形成されている。円板状の材料9は、拘束リング6の内周面19内に嵌合するように載置され、該拘束リング6の板厚tは、材料9の板厚Tより所定量薄くなるように設定される(T>t)。上記パンチ2、ダイ3、板押さえ5、拘束リング6及び材料9は、同一軸線O−O上に配置された円形部材からなる。
前記拘束リング6は、その内周面19の半径R1が円板状の材料9の半径R7より僅かに大きく、かつパンチ2及びダイ3の歯底円の半径R4,R6より大きいと共に、該パンチ及びダイの歯先円の半径R3,R5より小さく、かつ前記凹溝20の底面の半径R2がパンチ2及びダイの歯先円の半径R3,R5より大きい。即ち、図5及び図6に示すように、パンチ2の歯先円の半径をR3、パンチ2の歯底円の半径をR4、ダイ3の歯先円の半径をR5、ダイ3の歯底円の半径をR6、拘束リング6の内周面19の半径をR1、拘束リング6の凹溝20の底面の半径をR2、円板状の材料9の半径をR7とすると、
R2>R5>R3>R1>R7>R6>R4
となる関係にある。なお、板押さえ5の歯形15は、ダイ3の歯形12に嵌合しており、その歯先円及び歯底円は、上記ダイの歯形12より僅かに小さいか略々同じである。
ついで、図7に沿って、上記第2の実施例による製造装置1を用いたスプロケットの製造方法について説明する。円板状の材料9は、図7(a)に示すように、拘束リング6の内周面19内に受入れられてダイ3上に載置される。この状態では、材料9と拘束リング6の凹溝20との間は空隙となっている。この状態で、パンチ2及び板押さえ5が下降して、材料9の上面に当接する。板押さえ5の歯形15の歯底部分(パンチ2の歯形12の歯底に嵌合する部分;R4参照)は、材料9に当接して、該材料の外周部分をダイ3との間で押さえた状態で、パンチ2は更に下降する。
前記拘束リング6の内周面19により材料9の外径方向が拘束された状態での前記パンチ2の下降により、材料9は、空隙部である凹溝20方向に塑性変形し(冷間鍛造)、パンチ2の歯形12とダイ3の歯形16に挟まれて上記材料9は、その一部が上記凹溝20内に流動する。そして、上記凹溝20内に材料9が流動して満たされた状態で、上記パンチ2の歯形12とダイ3の歯形16により剪断されて打抜かれる。これにより、打抜かれたブランクは、図7(c)に示すように、円板状の材料9の半径R7により弱干大きい歯先円R10(R10>R7)からなるスプロケット9aとなり、拘束リング6の内周面には、凹溝20及び内周面19に一連に繋がった環状のスクラップ9bが残る。
上記スプロケット9aは、冷間鍛造により材料9より1廻り大きいものが得られ、材料歩留まりが向上し、かつ前述した第1の実施例と同様に、拘束リング6で拘束されて材料内部に高い静水応力が発生している状態で、その全周に亘って剪断され、所定寸法でかつ平滑な剪断面からなるスプロケット9aが安定して製造される。また、スクラップ9bは、一連に繋がった環状からなり、拘束リング6から取出して容易に排出でき、生産性を向上し得る。なお、前述した第1の実施例と同様に、本スプロケット9aも、サイレントチェーンと噛合する歯面21bの剪断面の精度が高く、サイレントチェーン用として好適である。また、前記拘束リング6の内周面19は、円形(円弧面)に限らず、直線等の他の形状でもよく、また凹溝20は、半円に限らず、材料9の歯形21の形状に合せた形状等の他の形状でもよい。
図8は、異なる製造方法により製造されたスプロケットの歯形部分を示す。(a)は、従来の一般的なプレスにより製造されたもので、歯先面21aに大きな破断面があり、該破断面は、歯面21bにも影響している。(b)は、第1の実施例により製造されたものであり、歯先面21aに破断面はないか又はあっても小さく、歯面21bに影響を及ぼすことはない。(c)は、第2の実施例により製造されたものであり、歯先面21aの一部に、前工程である円板状の材料9を打抜き加工した外周面(前工程面)が残るが、その割合いは小さく、また冷間鍛造により材料9が拘束リング6に押圧されるので、破断面はないか又はあっても小さく、歯面21bに影響を及ぼすことはない。
なお、上述した実施の形態(第1及び第2の実施例を含む)は、板押さえ5を備えており、該板押さえは、拘束リング6,6,6と相俟って打抜きに際して材料を押さえ、剪断面の精度向上に有効であるが、拘束リングのみの拘束でよい場合もあり、板押さえは必ずしも必要でない。
1 歯形部品の製造装置(プレス装置)
2 パンチ
3 ダイ
5 板押さえ
6,6,6 拘束リング
9,9,9 材料
a,9a 歯形部品(スプロケット)
12 歯形
16 歯形
17a 内周面

Claims (10)

  1. 外周に歯形を有する円筒状のパンチを、内周に歯形を有する円環状のダイに対して移動して、材料を打抜いて歯形部品を製造する方法において、
    前記ダイ上に拘束リングをセットし、該拘束リング内に円板状の前記材料を載置し、前記パンチと前記ダイによる材料の打抜きに際して、前記拘束リングにより前記材料の外周面を拘束して、前記材料の内部に高い静水圧応力を発生した状態で該材料を前記パンチの歯形と前記ダイの歯形で剪断する、
    ことを特徴とする歯形部品の製造方法。
  2. 前記パンチと共に移動して、前記材料に当接して該材料を押圧する板押さえを備え、
    前記材料の打抜きに際して、前記拘束リングで前記材料の外周面を拘束すると共に、前記板押さえにより前記ダイの上面との間で前記材料の上下面を挟持してなる、
    請求項1記載の歯形部品の製造方法。
  3. 前記拘束リングは、その内周面が全周に亘って円形からなり、該円形の内周面に前記円板状の材料を受入れて、
    前記拘束リングにより前記材料の外周面を全周に亘って拘束した状態で、前記パンチ及び前記ダイの歯形により前記材料の全周に亘って打抜いてなる、
    請求項1又は2記載の歯形部品の製造方法。
  4. 前記拘束リングは、その内周面に前記パンチ及び前記ダイの歯形と同一位相に外径方向に突出する凹溝を有し、前記内周面に前記円板状の材料を受入れ、
    前記打抜きに先立つ前記パンチによる前記材料に対する押圧により、前記拘束リングの前記凹溝内に前記材料を塑性変形により流動して、前記拘束リングにより前記材料を拘束した状態で、前記パンチ及び前記ダイの歯形により前記材料の全周に亘って打抜いてなる、
    請求項1又は2記載の歯形部品の製造方法。
  5. 前記歯形部品が、スプロケットである、
    請求項1ないし4のいずれか記載の歯形部品の製造方法。
  6. 外周に歯形を有する円筒状のパンチと、内周に歯形を有する円環状のダイと、を備え、前記パンチを前記ダイに対して移動して、材料を打抜く歯形部品の製造装置において、
    前記ダイ上に拘束リングをセットし、該拘束リングで前記材料を拘束した状態で、前記パンチ及びダイにより前記材料を剪断して打抜く、
    ことを特徴とする歯形部品の製造装置。
  7. 前記パンチと共に移動して、前記材料に当接して該材料を押圧する板押さえを備え、
    前記材料の打抜きに際して、前記拘束リングで前記材料の外周面を拘束すると共に、前記板押さえにより前記ダイの上面との間で前記材料の上下面を挟持してなる、
    請求項6記載の歯形部品の製造装置。
  8. 前記拘束リングは、その内周面が全周に亘って円形からなり、
    前記拘束リングは、その内周面の径が前記パンチの外周の径及びダイの内周の径より大きく、かつ前記円板状の材料の径より僅かに大きい、
    請求項6又は7記載の歯形部品の製造装置。
  9. 前記拘束リングは、その内周面に前記パンチ及び前記ダイの歯形と同一位相に外径方向に突出する凹溝を有し、
    前記拘束リングは、その内周面の半径が円板状の前記材料の半径より僅かに大きく、かつ前記パンチ及びダイの歯底円の半径より大きいと共に、前記パンチ及びダイの歯先円の半径より小さく、かつ前記凹溝の底面の半径が前記パンチ及び前記ダイの歯先円の半径より大きい、
    請求項6又は7記載の歯形部品の製造装置。
  10. 前記歯形部品が、スプロケットである、
    請求項6ないし9のいずれか記載の歯形部品の製造装置。
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