JP2014217876A - クラウニング付きギヤ鍛造成形装置及びその鍛造成形方法 - Google Patents

クラウニング付きギヤ鍛造成形装置及びその鍛造成形方法 Download PDF

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Abstract

【課題】1つの歯形ダイを用いて1サイクルの鍛造成形でクラウニング付きギヤを鍛造成形可能なクラウニング付きギヤ鍛造成形装置及び鍛造成形方法を提供する。
【解決手段】歯形ダイ21は、上端部に形成されたギヤ歯成形用のギヤ歯成形部21aと、このギヤ歯成形部21aから下方へ一体的に延びて前記ギヤ歯成形部21aで成形されたギヤ歯を案内するギヤ歯案内部21bであって前記ギヤ歯の外表面との間に微小クリアランスを形成可能なギヤ歯案内部21bとを備え、マンドレル32は、パンチ33の下端から下方へ離隔したマンドレル途中部分の外周部に形成された微小深さの環状凹部32aを備え、歯形ダイ21とマンドレル32とパンチ33によりギヤ素材40からギヤを鍛造成形する際に、環状凹部32aに充填したギヤ素材の全部又は一部をマンドレル32の上昇動作を介してギヤの周壁部へ強制的に流動させることにより、ギヤ歯にクラウニングを形成する。
【選択図】図7

Description

本発明は、クラウニング付きギヤを鍛造成形するギヤ鍛造成形装置及び鍛造成形方法に関し、マンドレルとパンチの下降と上昇の1往復動作でギヤ素材からクラウニング付きギヤを鍛造成形する技術に関する。
機械装置等に組み込まれるギヤを製造する技術として、鍛造品のギヤ素材を切削加工して製作する方法と、鍛造成形により製作する方法と、鍛造成形と切削加工を併用して製作する方法が広く実用に供されている。
切削加工により製作する場合、鍛造したギヤ素材をホブカッターにより歯切り加工し、次にシェービングカッターにより歯面の仕上げ加工することで製作する。切削加工により製作したギヤの場合、鍛造で生じた金属組織のファイバーフローが連続したフローにならず、切削により分断されるため強度や耐摩耗性を高めるのに限界があるうえ、歯面には微小な切削痕が残り、歯元にはシェービング加工により歯元段差が発生するという問題がある。しかも、製作コストも高価になる。
鍛造成形により製作したギヤの場合、金属組織におけるファイバーフローが連続したフローになるため、強度や耐摩耗性を高めることが可能であり、切削痕や歯元段差も発生しない。ヘリカルギヤなどのクラウニング付きギヤ歯を製作する場合には、一般に鍛造成形にてギヤ中間製品を製作してから、シェービングカッターにより歯面の仕上げ加工する際にクラウニング形成を行う。この場合、鍛造成形と、切削加工の2工程を要するため、製作コストが高価になる。
そこで、鍛造成形によりクラウニング付きギヤを製作する技術が提案されている。例えば、特許文献1,2には、鍛造成形によりギヤ歯を成形した中間製品を製作する第1鍛造成形と、中間製品のギヤ歯に鍛造成形よりクラウニングを付ける第2鍛造成形とでクラウニング付きギヤを製作する技術が開示されている。
特許文献1の第2鍛造成形に用いる鍛造成形装置においては、歯形ダイのギヤ歯成形溝をクラウニング付きの形状に形成し、この歯形ダイにテーパ外周面を形成し、ダイガイド(締金)にテーパ穴を形成し、このテーパ穴に歯形ダイを嵌合させ、歯形ダイに中間製品をセットして中間製品と歯形ダイを下降駆動し軸方向に圧縮することにより、歯形ダイを縮径側へ弾性変形させて、ギヤ歯にクラウニングを形成する。
特許文献2の第2鍛造成形に用いる鍛造成形装置は、クラウニング付きでないギヤ歯成形溝を有する歯形ダイと、ダイガイドと、受けリングと、カウンタパンチと、圧縮パンチと、ダイスパンチ等を有する。ダイガイドの部分円錐状のテーパ穴にテーパ外周面を有する歯形ダイが装着され、テーパ穴の上端近傍部と下端近傍部には、リング状の膨出部が形成されている。歯形ダイ内に中間製品をセットし、圧縮パンチとカウンタパンチで中間製品を押圧しながら、ダイパンチで歯形ダイを下降駆動することにより、前記の上下のリング状の膨出部により歯形ダイの上端近傍部と下端近傍部を軸心側(径縮小側)へ弾性変形させることで、ギヤ歯にクラウニングを形成する。
特開平11−254083号公報 特開03−245746号公報
特許文献1,2の鍛造成形技術においては、中間製品成形用の歯形ダイを用いて中間製品を鍛造成形し、次に仕上げ成形用の歯形ダイを用いてギヤ歯にクラウニングを形成する鍛造成形を行うため、鍛造成形用の2種類の歯形ダイを備えた2組のダイセットが必要であるため設備コスト的に不利である。しかも、中間製品を鍛造成形する第1鍛造成形と、クラウニング付きギヤ歯を鍛造成形する第2鍛造成形の2回の鍛造工程が必要であるため、クラウニング付きギヤの製作コストが高価になる。
本発明の目的は、1つの歯形ダイを用いて1サイクルの鍛造成形でクラウニング付きギヤを鍛造成形可能なクラウニング付きギヤ鍛造成形装置及びその鍛造成形方法を提供することである。
請求項1のクラウニング付きギヤ鍛造成形装置は、歯形ダイスと、この歯形ダイスに上方から挿入可能なマンドレルと、前記マンドレルと一体的に下降駆動されて環状のギヤ素材を前記歯形ダイス内へ押し込むパンチとを備えたギヤ鍛造成形装置において、前記歯形ダイスは、上端部に形成されたギヤ歯成形用のギヤ歯成形部と、このギヤ歯成形部から下方へ一体的に延びて前記ギヤ歯成形部で成形されたギヤ歯を案内するギヤ歯案内部であって前記ギヤ歯の外表面との間に微小クリアランスを形成可能なギヤ歯案内部とを備え、前記マンドレルは、前記パンチの下端から下方へ離隔したマンドレル途中部分の外周部に形成された微小深さの環状凹部を備え、前記歯形ダイスとマンドレルとパンチによりギヤ素材からギヤを鍛造成形する際に、前記環状凹部に充填したギヤ素材の全部又は一部をマンドレルの上昇動作を介してギヤの周壁部へ強制的に流動させることにより、前記ギヤ歯にクラウニングを形成するように構成したことを特徴としている。
請求項2のクラウニング付きギヤ鍛造成形装置は、請求項1の発明において、記環状凹部は、深さが20〜80μmで、軸心方向幅がギヤの軸心方向長さの25〜75%の台形断面の形状に形成されたことを特徴としている。
請求項3のクラウニング付きギヤ鍛造成形装置は、請求項1又は2の発明において、前記歯形ダイスは、ヘリカルギヤを成形するように構成されていることを特徴としている。
請求項4のクラウニング付きギヤの鍛造成形方法は、歯形ダイスと、この歯形ダイスに上方から挿入可能なマンドレルと、前記マンドレルと共に下降駆動されて環状のギヤ素材を前記歯形ダイス内へ押し込むパンチとを備えたギヤ鍛造成形装置を用いてクラウニング付きギヤを鍛造成形する方法において、前記歯形ダイスに、上端部に形成されたギヤ歯成形用のギヤ歯成形部と、このギヤ歯成形部から下方へ一体的に延びて前記ギヤ歯成形部で成形された前記ギヤ歯を案内するギヤ歯案内部であって前記ギヤ歯の外表面との間に微小クリアランスを形成可能なギヤ歯案内部とを予め設け、前記マンドレルに、前記パンチの下端から下方へ離隔したマンドレル途中部分の外周部に形成された微小深さの環状凹部とを予め設け、前記ギヤ素材の上端部を除く大部分を前記パンチにより前記マンドレルと前記歯形ダイス間の成形空間に押し込んで前記大部分にギヤ歯を成形すると共に前記ギヤ素材の一部を前記環状凹部に充填する第1工程と、その後前記マンドレルを上方へ引き抜く際に、前記環状凹部に充填された前記ギヤ素材の全部又は一部を、前記マンドレルの下端側部分により前記ギヤの周壁部内へ強制的に流動させて、前記ギヤ歯にクラウニングを形成する第2工程と、次回のギヤ素材に対する前記第1工程実行時に、前記ギヤ素材の前記上端部を前記パンチにより前記マンドレルと前記歯形ダイス間の成形空間に押し込んで前記上端部にギヤ歯を成形してからギヤを歯形ダイスから取り出す第3工程とを備えたことを特徴としている。
請求項5のクラウニング付きギヤの鍛造成形方法は、請求項4の発明において、前記歯形ダイはヘリカルギヤを成形するダイであり、クラウニング付きヘリカルギヤを鍛造成形することを特徴としている。
請求項1の発明によれば、前記マンドレルは、前記パンチの下端から下方へ離隔したマンドレル途中部分の外周部に形成された予め設定された微小深さの環状凹部を備え、歯形ダイとマンドレルとパンチによりギヤ素材からギヤを鍛造成形する際に、環状凹部に充填したギヤ素材の全部又は一部をマンドレルの上昇動作を介してギヤの周壁部へ強制的に流動させることにより、ギヤ歯にクラウニングを形成することができる。
歯形ダイは、上端部に形成されたギヤ歯成形部と、このギヤ歯成形部から下方へ一体的に延びるギヤ歯案内部であって前記ギヤ歯の外表面との間に微小クリアランスを形成可能なギヤ歯案内部とを備えているため、前記クラウニングの形成時にクラウニングがギヤ歯案内部の内表面と干渉しないから、クラウニングの形成が可能である。
このギヤ鍛造成形装置では、1つの歯形ダイを用いてギヤ素材から直接クラウニング付きギヤを成形することができるため設備コストの面で有利であり、1サイクルの鍛造成形でクラウニング付きギヤを成形できるため、製造コストも低減することができる。
請求項2の発明によれば、環状凹部は、深さが25〜80μmで、軸心方向幅がギヤの軸心方向長さの25〜75%の台形断面の形状に形成されているため、環状凹部を簡単に形成でき、環状凹部の断面が台形であるためマンドレルの上昇動作の際に環状凹部内のギヤ素材が環状凹部の外側へ円滑に流動する。
請求項3の発明によれば、前記歯形ダイスは、ヘリカルギヤを成形するように構成されているため、クラウニング付きのヘリカルギヤを鍛造成形することができる。
請求項4の発明によれば、1つの歯形ダイを用いて、第1〜第3工程を踏んでクラウニング付きギヤを安価に短時間で鍛造成形することができる。
但し、第3工程は、次回のギヤ素材に対する第1工程実行時に行うため、マンドレルとパンチを下降駆動する動作と、上昇駆動する動作からなる1サイクルの鍛造成形でクラウニング付きギヤを順々に連続的に鍛造成形することができる。
本発明の実施例に係るギヤ鍛造成形装置のダイセット(ギヤ素材投入状態)の断面図である。 前記ダイセット(マンドレル下限位置)の断面図である。 前記ダイセット(次回のギヤ素材投入状態)の断面図である。 前記ダイセット(マンドレル下限位置、ギヤ成形完了状態)の断面図である。 歯形ダイとワークガイドの一部縦断斜視図である。 歯形ダイの要部拡大斜視図である。 鍛造成形開始状態を示す説明図である。 鍛造成形開始直後の状態を示す説明図である。 鍛造成形途中状態を示す説明図である。 マンドレルが下限位置の状態を示す説明図である。 マンドレル上昇開始直後の状態を示す説明図である。 マンドレル上昇途中状態を示す説明図である。 次回のギヤ素材投入状態を示す説明図である。 ギヤ素材の断面図である。 ギヤ素材の平面図である。 図13に示す1次成形ギヤの断面図である。 鍛造成形したギヤの断面図である。 鍛造成形したギヤの平面図である。 鍛造成形したギヤの斜視図である。
以下、本発明を実施するための形態について実施例に基づいて説明する。
最初に、ギヤ鍛造成形装置について説明する。
図1〜図4に示すように、クラウニング付きギヤ鍛造成形装置1は、クラウニング付きのヘリカルギヤ42(図17〜図19参照)を鍛造成形する装置であり、プレス機械のボルスター2とスライド3とに装備されるダイセット4を主体にして構成されている。
このダイセット4は、ボルスター2の上面に固定されたベース板10及びこのベース板10に取り付けた下部ユニット11と、スライド3の下面に固定された天板30及びこの天板30に取り付けた上部ユニット31とを備えている。
前記下部ユニット11について図1〜図4に基づいて説明する。
この下部ユニット11は、ベース板10の開口穴に内嵌して固定された環状ダイプレート12と、このダイプレート12に固定されたダイプレート13と、ベース板10の上面に固定された筒状のダイプレートホルダ14と、このダイプレートホルダ14の内側に配設されてダイプレート12に固定されたダイプレート15a,15bと、ダイプレートホルダ14の上端部に固定されたダイホルダ16及びホルダ固定部材17と、ダイホルダ16の内周部に螺合された固定リング18と、ダイホルダ16に内嵌状に装着されたダイ固定部材19及びガイドホルダ20と、ダイ固定部材19に内嵌状に装着された歯形ダイ21と、この歯形ダイ21の上端に一体的に固定され且つガイドホルダ20に内嵌状に装着されたワークガイド22などを備えている。前記歯形ダイ21の下端はダイプレート15bで支持されている。ダイプレート15bの中心部には、マンドレル32及び成形後のクラウニング付きヘリカルギヤ42が通過する開口穴23が形成されている。
前記上部ユニット31について図1〜図4に基づいて説明する。
この上部ユニット31は、大部分が円柱状に形成された鉛直姿勢のマンドレル32と、このマンドレル32に外嵌されたパンチ33と、マンドレル32とパンチ33の上端部分を天板30に固定するパンチ固定部材34及びマンドレルシム35a,35bと、パンチ固定部材34を天板30に固定するパンチホルダ37などを備えている。前記マンドレル32と歯形ダイ21は軸心を揃えて同心状に配置され、パンチ33は微小クリアランスをもってワークガイド22に内嵌されている。前記マンドレル32は、歯形ダイ21に上方から挿入可能に構成され、パンチ33は、マンドレル32と一体的に下降駆動されて環状のギヤ素材40を歯形ダイ21に押し込むものである。
ベース板10の4隅部には、円筒状のガイド部材24が鉛直に上方へ突出するように取り付けられ、天板30の4隅部には、4つのガイド部材24に対応する4つのガイドロッド38が下方へ突出するように取り付けられ、スライド3と天板30が下降するとき、4つのガイドロッド38が4つのガイド部材24に夫々摺動自在に挿入されて上部構造31と下部構造11との位置関係が精密に保持される。
図5、図6に示すように、歯形ダイ21は、図17〜図19に示すようなクラウニング付きヘリカルギヤ42(以下、ギヤという)を鍛造成形するものである。このギヤ42の諸元の一例は次のとおりである(図17参照)。大径(D1)=53mm、小径(D2)=47mm、内径(D3)=38mm、モジュール=1.15、圧力角=20°、歯数=40、捩れ角=23°、捩れ方向=左、ピッチ円径=49.973mmである。このギヤ42は、図14、図15に示すような円筒状のギヤ素材40から、図16に示す1次成形ギヤ41を経て鍛造成形される。
図5、図6に示すように、歯形ダイ21は、上端部に形成されたギヤ歯成形部21aと、このギヤ歯成形部21aから下方へ一体的に延びてギヤ歯成形部21aで成形されたギヤ歯42aを案内するギヤ歯案内部21bであってギヤ歯42aの外表面との間に微小クリアランス(例えば25〜50μm)を形成可能なギヤ歯案内部21bとを有する。
図1〜図4、図7〜図12に示すように、マンドレル32はパンチ33の下端から下方へ所定長さ突出しており、マンドレル32は、パンチ33の下端から所定距離だけ離隔したマンドレル途中部分の外周部に形成された予め設定された微小深さの環状凹部32aを備えている。本実施例の場合、環状凹部32aの深さは例えば50μmであり、環状凹部32aの軸心方向の幅は10〜15mmであり、環状凹部32aの断面形状は外周側に開いた台形である。
本実施例のように、ギヤ歯42aに軸心方向の端部から軸心方向中央部に向って徐々に厚くなるクラウニング(例えば最大厚さ3〜5μm)を形成する場合には、図10に示すように、環状凹部32aは1次成形ギヤ41の軸心方向の中央部分に対応するマンドレル32の途中部分に形成する。マンドレル32のうちの環状凹部32aよりも上側の大部分と環状凹部32aよりも下側の下端側部分32bは円柱状に形成されている。
但し、ギヤ歯42aの軸心方向の上部にクラウニングの厚さ最大部を形成する場合には、環状凹部32aは1次成形ギヤ41の軸心方向の上部に対応するマンドレル32の途中部分に形成することが望ましい。また、ギヤ歯42aの軸心方向の下部にクラウニングの厚さ最大部を形成する場合には、環状凹部32aは1次成形ギヤ41の軸心方向の下部に対応するマンドレル32の途中部分に形成することが望ましい。
次に、上記のギヤ鍛造成形装置1を用いて、ギヤ42を鍛造成形する方法について図1〜図4、図7〜図13に基づいて説明する。尚、図7〜図13において、マンドレル32に形成した環状凹部32aは実際の深さよりも拡大した深さを有する凹部として図示されている。図1、図7に示すように、ワークホルダ22のワーク装着穴22aにギヤ素材40をセットし、ギヤ素材40の下端を歯形ダイ21の上端に臨ませる。
次に、図2、図8〜図10に示すように、スライド3と天板30と上部ユニット31を下降駆動し、マンドレル32をギヤ素材40と歯形ダイ21に挿入させた状態で、パンチ33によりギヤ素材40の上端を下方へ押圧してギヤ素材40を下降駆動し、歯形ダイ21の内側に1次成形ギヤ41を鍛造成形する。この1次成形ギヤ41は、図16に示すように、上端部41a以外の部分のギヤ歯42aは成形されているが、上端部41aのギヤ歯42aは未成形の成形残し状態になっている。図2、図9、図10の状態では、マンドレル32の環状凹部32aにギヤ素材40の一部が充填された状態になる。
尚、上記のように上端部41aを成形残し状態にする理由としては、ギヤ42の全長のギヤ歯42aを一挙に成形する場合には、パンチ33を歯形ダイ21の上端部とラップする位置まで下降させる必要があり、パンチ33と歯形ダイ21との干渉が生じるからである。
次に、図3、図11〜図13に示すように、スライド3と天板30と上部ユニット31を上昇駆動し、マンドレル32を下部ユニット11から上方へ引き抜いてから、前回の1次成形ギヤ41の上に次回のギヤ素材40を投入してセットする。このマンドレル32の上昇駆動の際に、環状凹部32aに充填されたギヤ素材40の全部又は一部を、円柱状のマンドレル下端側部分32bにより、外周側へ1次成形ギヤ41の周壁部41b内へ強制的に流動させ、周壁部41b内の材料の一部をギヤ歯42aの方へ流動させて、各ギヤ歯42aの両側面に最大厚さ3〜5μmの範囲の適当な値のクラウニングを形成する。
このとき、環状凹部32aの断面が外周側に開いた台形であるため、環状凹部32aに充填された素材が外側へ円滑に流動する。
次に、図4に示すように、スライド3と天板30と上部ユニット31を下降駆動し、次回のギヤ素材40で前回の1次成形ギヤ41を下方へ押動して抜き落としながら、次回のギヤ素材40を1次成形ギヤ41に鍛造成形する。こうして、前回の1次成形ギヤ41の上端部41aの成形残し部にギヤ歯42aを成形して完成品にするのと並行して、次回の1次成形ギヤ41を鍛造成形する。その後、図3の成形処理と図4の成形処理とを繰り返すことで、複数のクラウニング付きヘリカルギヤ42を連続的に鍛造成形することができる。尚、前記の成形残し部にギヤ歯42aを成形することが2次成形に相当する。
以上説明したクラウニング付きギヤ鍛造成形装置1及び鍛造成形方法の作用、効果について説明する。2つ目以降の各クラウニング付きヘリカルギヤ42については、図3と図4に示す1サイクルの鍛造成形により、ギヤ素材40から直接クラウニング付きヘリカルギヤ42を製作することができるため、1つの歯形ダイ21を用いて、クラウニング付きヘリカルギヤ42を能率的に安価に製造することができる。しかも、設備コストの面でも有利である。
マンドレル32に形成した環状凹部32aに充填したギヤ素材40の全部または一部を、マンドレル32の上昇動作を介して、マンドレル下端側部分32bでもって1次成形ギヤ42の周壁部41b内へ強制的に流動させるという簡単な方法で、ギヤ歯42aにクラウニングを形成するため、マンドレル32に環状凹部32aを形成するだけで、歯形ダイ21には何らの特別な構成を設けることなく、クラウニングを形成することができる。
図3に示すように、前回の1次成形ギヤ41の上に、次回のギヤ素材40を投入し、前回の1次成形ギヤ41の抜き落とし(上端部のギヤ歯成形)の工程と、次回のギヤ素材40を1次成形ギヤ41に成形する工程とを同時に行うため、マンドレル32とパンチ33の下降と上昇の1サイクルの鍛造成形によりクラウニング付きヘリカルギヤ42を製造することができる。
マンドレル32に環状凹部32aを形成する位置、環状凹部32aの断面形状を適宜選択的に設定することで、クラウニングの厚さ最大部の位置、クラウニングの最大厚さなどを自由に設定できるから、クラウニング成形の自由度が高く、汎用性に優れる。
次に、前記実施例を部分的に変更する例について説明する。
1)環状凹部32aの断面形状は、上記のような台形に限るものではなく、D字形でもよく、その他の形状でもよい。環状凹部32aの深さは50μmに限定されるものではなく、ギヤ42の諸元に応じて25〜80μmの範囲の適当な値に設定することができる。25μm未満の深さの環状凹部32aでは必要な厚さのクラウニングを形成することが難しく、また、80μm超の深さの環状凹部32aではクラウニングの厚さが過大になるので好ましくない。
2)環状凹部32aの軸心方向の幅は、ギヤ42の諸元に応じてギヤ42の軸心方向長さの25〜75%の範囲の適当な値に設定することができる。25%未満の場合はギヤ歯42aの全長にわたるクラウニングを形成することが難しく、また、75%超の場合はギヤ歯42aの軸心方向の両端部におけるクラウニングの厚さが過大になるため好ましくない。
3)本発明に係るクラウニング付きギヤ鍛造成形装置1及びクラウニング付きギヤ鍛造成形方法は、クラウニング付きヘリカルギヤ以外に、クラウニング付きスパーギヤの製作にも同様に適用することができる。
4)その他、当業者であれば、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、前記実施例に適宜変更を付加して実施することでき、本発明はそれらの変更形態も包含するものである。
本発明は、クラウニング付きヘリカルギヤやクラウニング付きスパーギヤを鍛造成形する技術を提供するものである。
1 クラウニング付きギヤ鍛造成形装置
21 歯形ダイ
21a ギヤ歯成形部
21b ギヤ歯案内部
22 ワークガイド
32 マンドレル
32a 環状凹部
33 パンチ
40 ギヤ素材
41 1次成形ギヤ
42 クラウニング付きヘリカルギヤ

Claims (5)

  1. 歯形ダイと、この歯形ダイに上方から挿入可能なマンドレルと、前記マンドレルと一体的に下降駆動されて環状のギヤ素材を前記歯形ダイ内へ押し込むパンチとを備えたギヤ鍛造成形装置において、
    前記歯形ダイは、上端部に形成されたギヤ歯成形用のギヤ歯成形部と、このギヤ歯成形部から下方へ一体的に延びて前記ギヤ歯成形部で成形されたギヤ歯を案内するギヤ歯案内部であって前記ギヤ歯の外表面との間に微小クリアランスを形成可能なギヤ歯案内部とを備え、
    前記マンドレルは、前記パンチの下端から下方へ離隔したマンドレル途中部分の外周部に形成された微小深さの環状凹部を備え、
    前記歯形ダイスとマンドレルとパンチによりギヤ素材からギヤを鍛造成形する際に、前記環状凹部に充填したギヤ素材の全部又は一部をマンドレルの上昇動作を介してギヤの周壁部へ強制的に流動させることにより、前記ギヤ歯にクラウニングを形成するように構成したことを特徴とするクラウニング付きギヤ鍛造成形装置。
  2. 前記環状凹部は、深さが25〜80μmで、軸心方向幅がギヤの軸心方向長さの25〜75%の台形断面の形状に形成されたことを特徴とする請求項1に記載のクラウニング付きギヤ鍛造成形装置。
  3. 前記歯形ダイは、ヘリカルギヤを成形するように構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のクラウニング付きギヤ鍛造成形装置。
  4. 歯形ダイと、この歯形ダイに上方から挿入可能なマンドレルと、前記マンドレルと共に下降駆動されて環状のギヤ素材を前記歯形ダイ内へ押し込むパンチとを備えたギヤ鍛造成形装置を用いてクラウニング付きギヤを鍛造成形する方法において、
    前記歯形ダイに、上端部に形成されたギヤ歯成形用のギヤ歯成形部と、このギヤ歯成形部から下方へ一体的に延びて前記ギヤ歯成形部で成形された前記ギヤ歯を案内するギヤ歯案内部であって前記ギヤ歯の外表面との間に微小クリアランスを形成可能なギヤ歯案内部とを予め設け、
    前記マンドレルに、前記パンチの下端から下方へ離隔したマンドレル途中部分の外周部に形成された微小深さの環状凹部を予め設け、
    前記ギヤ素材の上端部を除く大部分を前記パンチにより前記マンドレルと前記歯形ダイス間の成形空間に押し込んで前記大部分にギヤ歯を成形すると共に前記ギヤ素材の一部を前記環状凹部に充填する第1工程と、
    その後前記マンドレルを上方へ引き抜く際に、前記環状凹部に充填された前記ギヤ素材の全部又は一部を、前記マンドレルの下端側部分により前記ギヤの周壁部内へ強制的に流動させて、前記ギヤ歯にクラウニングを形成する第2工程と、
    次回のギヤ素材に対する前記第1工程実行時に、前記ギヤ素材の前記上端部を前記パンチにより前記マンドレルと前記歯形ダイ間の成形空間に押し込んで前記上端部にギヤ歯を成形してからギヤを歯形ダイスから取り出す第3工程と、
    を備えたことを特徴とするクラウニング付きギヤの鍛造成形方法。
  5. 前記歯形ダイはヘリカルギヤを成形するダイスであり、クラウニング付きヘリカルギヤを鍛造成形することを特徴とする請求項4に記載のクラウニング付きギヤの鍛造成形方法。
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