JP2006281296A - プレス加工品の製造方法及びプレス加工品 - Google Patents
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Abstract
【課題】薄肉部において高度に平坦化された表面を得ることができるプレス加工品の製造方法、及び、薄肉部が高度に平坦化された表面となったプレス加工品、を提供する。
【解決手段】プレス成形によって均一な板厚の金属板から板厚の厚い厚肉部14と板厚の薄い薄肉部13とを有する形状のプレス加工品10を製造するプレス加工品の製造方法であって、前記厚肉部14を成形するための複数のプレス成形工程と、プレス成形によって前記薄肉部13の一方の面に凹部15を形成することで前記薄肉部13の他方の面を平坦化する凹部形成工程とを備える。また、プレス成形によって均一な板厚の金属板から板厚の厚い厚肉部14と板厚の薄い薄肉部13とを有する形状に成形されたプレス加工品10であって、前記薄肉部13の一方の面にプレス成形により凹部15が形成されることで他方の面が平坦化されてなる。
【選択図】図1
【解決手段】プレス成形によって均一な板厚の金属板から板厚の厚い厚肉部14と板厚の薄い薄肉部13とを有する形状のプレス加工品10を製造するプレス加工品の製造方法であって、前記厚肉部14を成形するための複数のプレス成形工程と、プレス成形によって前記薄肉部13の一方の面に凹部15を形成することで前記薄肉部13の他方の面を平坦化する凹部形成工程とを備える。また、プレス成形によって均一な板厚の金属板から板厚の厚い厚肉部14と板厚の薄い薄肉部13とを有する形状に成形されたプレス加工品10であって、前記薄肉部13の一方の面にプレス成形により凹部15が形成されることで他方の面が平坦化されてなる。
【選択図】図1
Description
本発明は、プレス加工品の製造方法及びプレス加工品に関するものであり、詳しくは、プレス成形によって均一な板厚の金属板から板厚の厚い厚肉部と板厚の薄い薄肉部とを有する形状のプレス加工品を製造するプレス加工品の製造方法、及び、プレス成形によって均一な板厚の金属板から板厚の厚い厚肉部と板厚の薄い薄肉部とを有する形状に成形されたプレス加工品、に関するものである。
圧延鋼板等の均一な板厚の金属板からプレス成形によって適宜形状に形成されてなるプレス加工品としては、種々のものがあるが、中には、図5及び図6に示すように、板厚の厚い厚肉部140と板厚の薄い薄肉部130とを有する形状に形成されてなるプレス加工品100がある。このプレス加工品100は、中央部分に、軸が挿通されるボス部120を具備し、ボス部120の周囲に、所定角度の範囲に渡って外方に延出する延出部110aを有する円盤部110を具備するものであり、ボス部120が厚肉部140によって構成され、円盤部110が、その延出部110aを含めて薄肉部130によって構成されたものである。
なお、図示のプレス加工品100は、自動車のエンジン等に用いられるセンサプレートであり、センサプレートの概略を以下に説明する。自動車のエンジンにおいては、クランクシャフト(エンジンのピストンによって回転駆動されるシャフト)の回転と同調させてカムシャフト(エンジンの吸排気バルブを開閉駆動させるシャフト)を回転させるためにタイミングベルトが用いられるのであるが、このタイミングベルトは、クランクシャフト側の軸に装着された歯付きプーリ、及び、カムシャフト側の軸に装着された歯付きプーリの夫々に巻回されている。ここで、近年においては、エンジンの回転数に応じて吸排気バルブの開閉タイミングを変動させるために、クランクシャフト側の歯付きプーリ或いはクランクシャフト側の歯付きプーリにおいて、軸と歯(タイミングベルトに噛合する歯)とに位相ズレを生じさせるようにしたものがある。上記センサプレートは、このような歯付きプーリにおける軸と歯との位相ズレを検出するためのホイールセンサに組付けられる部品であり、上記延出部110aの有無を近接センサ等の検出器によって検出することで、歯付きプーリの軸と歯との位相ズレの有無を検出するためのものである。
ところで、上述したような厚肉部140及び薄肉部130を有する形状に形成されたプレス加工品100は、厚肉部140が素材の金属板の板厚よりも厚くなったものであり、このような厚肉部140をプレス成形によって得るためには、種々の手法が想定できるが、1回のプレス成形によって、金属板の素材当初の板厚よりも十分に厚い厚肉部140を形成することは困難である。よって、このようなプレス加工品100を得る為には、複数のプレス成形工程によって、均一な板厚の金属板に段階的な塑性変形を与えて、目的とする寸法の厚肉部140を形成することが、通常、なされている。
上記背景技術は、一般的になされている事項であり、本願出願人は、出願時において、この背景技術が記載された文献を特に知見していない。
上述のように、複数のプレス成形工程によって段階的な塑性変形を与えると、図6に示すように、薄肉部110において、表面に凹凸150が生じる。なお、図示では、説明の便宜上、凹凸150を誇張して表現してある。この凹凸150は、「ショックライン」と称されるものであり、プレス加工において、素材の表面がプレス加工機のダイ型及びパンチ型等のプレス型に完全に馴染むように素材を変形させることは困難なことから、複数のプレス成形工程によってプレス加工品100を形成しようとすると、「ショックライン」が生じることを余儀なくされる。このため、従来のプレス加工品100では、薄肉部130において、高度に平坦化された表面を得ることができなかった。
一方、プレス加工品100では、打ち抜きによって輪郭が形成されるのが一般的であり、プレス成形工程後の打抜工程を経て形成されるのであるが、打抜工程を経ると、図7に示すように、打抜方向(図7における矢印A)に対して下流側の面(図2における下側の面)において、外縁の内側に凹み160を生じてしまう。なお、図示では、説明の便宜上、凹み160を誇張して表現してある。よって、特に、打抜工程を経て形成されたプレス加工品100では、薄肉部110において、打抜方向に対する下流側の面に凹み160を生じ易く、この点からも、高度に平坦化された表面を得ることができなかった。
本発明は、上記実状を鑑みてなされたものであり、薄肉部において高度に平坦化された表面を得ることができるプレス加工品の製造方法、及び、薄肉部が高度に平坦化された表面となったプレス加工品、の夫々を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために本発明の採った主要な手段は、まず、プレス加工品の製造方法としては、
「プレス成形によって均一な板厚の金属板から板厚の厚い厚肉部と板厚の薄い薄肉部とを有する形状のプレス加工品を製造するプレス加工品の製造方法であって、
前記厚肉部を成形するための複数のプレス成形工程と、
プレス成形によって前記薄肉部の一方の面に凹部を形成することで前記薄肉部の他方の面を平坦化する凹部形成工程と
を備えることを特徴とするプレス加工品の製造方法」
である。
「プレス成形によって均一な板厚の金属板から板厚の厚い厚肉部と板厚の薄い薄肉部とを有する形状のプレス加工品を製造するプレス加工品の製造方法であって、
前記厚肉部を成形するための複数のプレス成形工程と、
プレス成形によって前記薄肉部の一方の面に凹部を形成することで前記薄肉部の他方の面を平坦化する凹部形成工程と
を備えることを特徴とするプレス加工品の製造方法」
である。
上記構成のプレス加工品の製造方法では、凹部形成工程にて、プレス成形によって薄肉部の一方の面に凹部が形成されるため、一方の面に凹部が形成される分だけ、プレス加工品の材料が他方の面側に流動して、他方の面がプレス型に馴染んで高度に平坦化される。
従って、上記構成のプレス加工品の製造方法によれば、薄肉部において高度に平坦化された表面を得ることができる。
なお、凹部形成工程では、プレス成形にて他方の面を良好に平坦化できるように一方の面に凹部を形成すればよく、凹部の形態としては、特に限定するものではないが、例えば、内面が球面となった円形状の凹部、線状に陥没する凹部(溝)、格子状に陥没する凹部(格子状の溝)等、適宜形態のものを例示することができる。また、多数の凹部を相互に離間して形成する場合には、各凹部を格子状に配設すると、各凹部の離間距離が均等になり、プレス加工品の材料を一方の面側から他方の面側へと均一に流動させて薄肉部の他方の面を良好に平坦化することができることから、好適である。そして、プレス加工品の一方の面に凹部を形成するために、プレス加工機では、一方の面側に当接する側のプレス型が、凸部を具備するものとなるが、この凸部の形態は、当然、凹部に対して反転した形状となる。
上記手段において、
「前記複数のプレス成形工程の後に行われる工程として、打ち抜きによりプレス加工品の輪郭を形成する打抜工程を備え、
前記凹部形成工程は、前記打抜工程の後に行われる工程である
ことを特徴とするプレス加工品の製造方法」
としてもよい。
「前記複数のプレス成形工程の後に行われる工程として、打ち抜きによりプレス加工品の輪郭を形成する打抜工程を備え、
前記凹部形成工程は、前記打抜工程の後に行われる工程である
ことを特徴とするプレス加工品の製造方法」
としてもよい。
打抜工程を経ると、プレス加工品において、打抜方向に対して下流側の面に凹みを生じ易く、この面を高度に平坦化された表面とすることが困難であることは上述の通りであるが、凹部形成工程により一方の面に凹部を形成することで、他方の面に生じた凹みが修正することができる。
従って、上記構成のプレス加工品の製造方法によれば、打抜工程を具備することで、平坦な表面を確保することが、より一層、困難なプレス加工品の製造方法においても、薄肉部において高度に平坦化された表面を得ることができる。
なお、凹部形成工程は、打抜工程にて生じた凹みを修正して平坦化するものであることから、プレス加工品において凹部が形成される面は、当然、打抜方向に対して上流側の面となる。
また、プレス加工品としては、
「プレス成形によって均一な板厚の金属板から板厚の厚い厚肉部と板厚の薄い薄肉部とを有する形状に成形されたプレス加工品であって、
前記薄肉部の一方の面にプレス成形により凹部が形成されることで他方の面が平坦化されてなることを特徴とするプレス加工品」
である。
「プレス成形によって均一な板厚の金属板から板厚の厚い厚肉部と板厚の薄い薄肉部とを有する形状に成形されたプレス加工品であって、
前記薄肉部の一方の面にプレス成形により凹部が形成されることで他方の面が平坦化されてなることを特徴とするプレス加工品」
である。
上記構成のプレス加工品では、プレス成形によって薄肉部の一方の面に形成された凹部によって、他方の面が平坦化されているため、薄肉部の他方の面は、高度に平坦化された表面となる。
上述した通り、本発明によれば、薄肉部において高度に平坦化された表面を得ることができるプレス加工品の製造方法、及び、薄肉部が高度に平坦化された表面となったプレス加工品、の夫々を提供することができる。
本発明に係るプレス加工品の製造方法及びプレス加工品の実施形態としての一例を、以下、図面に従って詳細に説明する。
まず、図1に、本発明に係るプレス加工品10の一例を示す。なお、本例では、プレス加工品10として、前述にて概略を説明した通りのセンサプレートを例示するが、本発明は、これに限らず、厚肉部14と薄肉部13とを有するものであればよく、他の形態のプレス加工品10に適用することができるものである。
プレス加工品10は、円盤状の円盤部11と、この円盤部11の中央部分に設けられ、一側に突出するボス部12とを有している。ここで、このプレス加工品10では、円盤部11が薄肉部13により構成され、ボブ部12が厚肉部14により構成されている。また、円盤部11の外周縁部分は、適宜角度の範囲に渡って、打ち抜きによって扇状に除去されており、残余の部分により、センサープレートにおける延出部11aが構成されている。なお、延出部11aは、円盤部11において、適宜検出器によって存在の有無が検知される検知部として機能する部位である。
また、プレス加工品10の一方の面、より具体的には、ボス部12が突出する側の面、において、円盤部11の外周縁部分である延出部11aには、多数の凹部15がプレス成形によって形成されている。ここで、各凹部15は、内面が球面となった円形状に形成されており、格子状に配設されている。図2に示すように、本例のプレス加工品10では、一方の面(図2における上面)にプレス成形によって多数の凹部15が形成されることで、円盤部11の延出部11aにおける凹部15が設けられた面とは反対側の面(図2における下面)が、高度に平坦化された面となっている。
このように延出部11aの表面が高度に平坦化されたセンサプレートでは、近接センサ等の非接触式の検出器や、リミットスイッチ等の接触式の検出器により、高精度で存在の有無を検出することができる。特に、検出器がリミットスイッチ等の接触式の検出器である場合に、延出部11aの表面が高度に平坦化されていることは、検出器を円滑に作動させることができることから効果的である。
次に、上述したプレス加工品10の製造方法を、図4に基づいて詳細に説明する。
まず、コイル状に巻回された長尺状の圧延鋼板を打ち抜いて、個々のプレス加工品10となる円盤状の素材1を形成する(a)。ここで、円板状の素材1は、適宜のプレス成形工程を経て最終的に適宜形状のプレス加工品10となる均一な板厚の金属板である。
次に、プレス成形によって、素材1の中央部分を一方の面側(図示では上面側)に膨出させ、平板状の素材1におけるボス部12に対応する部位に、十分な高さで膨出した膨出部2を形成する(b)。ここで、平板状の素材1を1回のプレス成形工程によって塑性変形させることで十分な高さで膨出する上記膨出部2を形成することは困難であるため、複数のプレス成形工程を経て、上記膨出部2を形成する。具体的には、膨出部2の形状が、大径で高さの低い形状から、順次、小径で高さの高い形状となるように、段階的に複数のプレス成形工程を行う。ここで、各プレス成形工程では、素材1の肉を中央部に向かって流動させる。そして、最終的に、十分な高さで膨出する膨出部2を形成する。なお、これに限らず、外周部分が当初の板厚よりも薄くなり、中央部分が当初の板厚よりも厚くなるようなプレス成形工程を、円盤状の素材1の外周側から中央部に向かって、段階的に、複数回行うことで、素材1の材料を外周側から中央に徐々に流動させて、最終的に中央部分の板厚が所望の板厚となるようにしてもよい。
次に、膨出部2の中央部分を打ち抜いて、孔部3と、この孔部3の周縁に突出する突出部4とを有する一次ボス5を形成する(c)。ここで、突出部4は、孔部3が穿設された上記膨出部2の残余の部分によって形成されるため、十分な突出長さの突出部4となる。
最後に、一次ボス5の突出部4を、プレス成形によって、その突出長さ方向に押圧変形させて、円盤部11の一面から所望の長さで突出するボス部12を形成する(d)。換言すれば、一次ボス5を軸方向に圧潰して、円盤部11からの突出長さが、一次ボス5に比して50〜90%と短くなった所望の長さのボス部12を形成する。
なお、本例では、ボス部12の径方向の肉厚が、素材1の板厚よりも厚いことから、ボス部12における径方向の剛性を十分に確保することができる。ここで、ボス部12は、プレス加工機のダイ型(下側のプレス型)及びパンチ型(上側のプレス型)の双方の型に倣って一次ボス5を塑性変形させることで形成されるのであるが、一次ボス5によって十分な素材容量が確保されているため、プレス型に倣って十分な肉厚となるように良好に塑性変形される。
ところで、プレス成形では、小さなR形状となるように曲げ加工を行うと、材料に破断や亀裂が生じ易い。よって、ボス部12を曲げ加工によって形成しようすると、ボス部12の内面の角部を、素材1の厚さに対して1.5倍以上の寸法のR形状といったように、大きなR形状に設定せざるを得なくなる。そして、このようにボス部12の内面の角部を大きなR形状とすると、ボス部12に挿通した軸と接触する部分の有効長さを十分に確保することができなくなり、プレス加工品10を軸に組み付けた状態において、ガタツキが生じ易くなってしまう。
これに対して、本例では、一次ボス5を押圧変形させることでボス部12を形成するため、主に曲げ加工による一次ボス5の形成時では、素材1の厚さに対して1.5倍以上といったように、内面のR形状(図4(c)における矢印A部分)を大きく設定せざるを得ないとしても、ボス部12を形成する際の押圧変形(圧潰加工)にて、素材1の厚さに対して0.5〜1.0倍程度といったように、ボス部12の内面のR形状(図4(d)における矢印B部分)を小さくすることができる。よって、ボス部12に挿通した軸と接触する部分の有効長さを十分に確保することができ、プレス加工品10を軸に組み付けた状態において、ガタツキを生じ難くすることができる。
特に、本例では、ボス部12の形状が円錐台状となっている。よって、一次ボス5の突出する側の端部の材料が、突出側とは反対側へと良好に寄せられて、プレス型の空隙に充填され、ボス部12内面を小さなR形状として、十分な肉厚のボス部を形成することができる。また、ボス部12の形状を円錐台状とすることで、円盤部11とボス部12との間に応力集中を生じ難くすることができ、この点からも、ボス部12における径方向の剛性を高めることができる。
このように複数のプレス成形工程を経て形成されたプレス加工品10では、円盤部11、すなわち薄肉部13、の表裏の両面において凹凸、所謂「ショックライン」を生じる。特に、本例では、各プレス成形工程にて外周部分の材料が中央部分へと流動することから、同心円状のショックラインを生じる。よって、薄肉部13(円盤部11)の表裏の両面について、高度に平坦化された表面とすることが困難である。
また、上述した複数のプレス成形工程によって、プレス加工品10としての大まかな形状が形成されるのであるのであるが、最終的なプレス加工品10は、適宜角度の範囲で外方に延出する適宜形状の延出部11aを有するものである。よって、プレス加工品10としての大まかな形状を形成した後に、打ち抜きによって、不要な部分を除去して、最終的に所望する外形を呈するプレス加工品10を形成するのであるが、打抜工程を経たプレス加工品10においては、打抜方向の下流側に凹みを生じ易く、この点からも、薄肉部13(円盤部11)の表裏の両面について、高度に平坦化された表面とすることが困難である。
そこで、打抜工程後の凹部形成工程によって、プレス加工品10における打抜方向の上流側の面(本例では、ボス部12が突出する側の面)に、プレス成形によって、図1に示したような凹部15を形成する。より具体的には、円盤部11の延出部11aにおける一方の面(打抜方向の上流側の面)に、プレス成形によって、格子状に配設された多数の円形状の凹部15を形成する。ここで、プレス加工品10の一方の面(凹部15を形成する側の面)に当接するプレス型については、凹部15を形成するための凸部を有するものとするが、他方の面(凹部15を形成する面とは反対側の面)に当接するプレス型については、プレス加工品10の一面全体に密接する凹凸のない平面を有するものとする。また、プレス型として、打抜工程によって適宜外形とされたプレス加工品10の外形を堅固に拘束するものを用いる。
このような凹部形成工程を行うことで、図2に示すように、凹部15が形成された面とは反対側の面において、凹部15の裏側部分のショックラインを消去して、凹部15の裏側の表面を高度に平坦化することができる。また、図3に示すように、打抜工程によって除去されずに残余した部分により構成された円盤部11の延出部11aにおいて、打抜方向の下流側の面に生じた凹みを修正して、表面を高度に平坦化することができる。
なお、凹部15を形成する側の面に当接するプレス型を、具備する多数の凸部の間の面がプレス加工品10に接触しないものとしてもよいが、具備する多数の凸部の間が平滑な平面となっており、プレス成形時には、この平面がプレス加工品10の円盤部11に密接するものとしてもよい。このようなプレス型を用いることで、プレス加工品10の円盤部11において、凹部15が形成される部位に生じているショックラインを消去して、凹部15間の表面を平坦化することもできる。
以上、本発明に係るプレス加工品の製造方法及びプレス加工品の一例を説明したが、本発明に係るプレス加工品の製造方法及びプレス加工品は上述の例に限らない。例えば、凹部を形成した面とは反対側の面全体が平面となったものに限らず、面全体において適宜の部位がプレス加工品の最終的な形状として要求される凹部や凸部を有する面となったものであってもよい。すなわち、高度に平坦化された表面が要求される部位について、平面となったものであればよい。そして、このようなプレス加工品を形成するために凹部形成工程にて用いられるプレス型では、高度に平坦化された表面が要求される部位に対応する面が平滑な平面となっていればよい。また、薄肉部の表裏両面にプレス成形によって凹部を形成して、表裏両面における凹部間について、高度に平坦化された面が得られるようにしてもよい。
1 素材
2 膨出部
3 孔部
4 突出部
5 一次ボス
10 プレス加工品
11 円盤部
11a 延出部
12 ボス部
13 薄肉部
14 厚肉部
15 凹部
2 膨出部
3 孔部
4 突出部
5 一次ボス
10 プレス加工品
11 円盤部
11a 延出部
12 ボス部
13 薄肉部
14 厚肉部
15 凹部
Claims (3)
- プレス成形によって均一な板厚の金属板から板厚の厚い厚肉部と板厚の薄い薄肉部とを有する形状のプレス加工品を製造するプレス加工品の製造方法であって、
前記厚肉部を成形するための複数のプレス成形工程と、
プレス成形によって前記薄肉部の一方の面に凹部を形成することで前記薄肉部の他方の面を平坦化する凹部形成工程と
を備えることを特徴とするプレス加工品の製造方法。 - 前記複数のプレス成形工程の後に行われる工程として、打ち抜きによりプレス加工品の輪郭を形成する打抜工程を備え、
前記凹部形成工程は、前記打抜工程の後に行われる工程である
ことを特徴とする請求項1に記載のプレス加工品の製造方法。 - プレス成形によって均一な板厚の金属板から板厚の厚い厚肉部と板厚の薄い薄肉部とを有する形状に成形されたプレス加工品であって、
前記薄肉部の一方の面にプレス成形により凹部が形成されることで他方の面が平坦化されてなることを特徴とするプレス加工品。
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