JP2015019134A - 出力回路および送受信回路 - Google Patents

出力回路および送受信回路 Download PDF

Info

Publication number
JP2015019134A
JP2015019134A JP2013143254A JP2013143254A JP2015019134A JP 2015019134 A JP2015019134 A JP 2015019134A JP 2013143254 A JP2013143254 A JP 2013143254A JP 2013143254 A JP2013143254 A JP 2013143254A JP 2015019134 A JP2015019134 A JP 2015019134A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
circuit
signal
output
input
output circuit
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2013143254A
Other languages
English (en)
Inventor
中村 誠
Makoto Nakamura
誠 中村
秀俊 小野寺
Hidetoshi Onodera
秀俊 小野寺
亮 土谷
Ryo Tsuchiya
亮 土谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kyoto University
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Original Assignee
Kyoto University
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kyoto University, Nippon Telegraph and Telephone Corp filed Critical Kyoto University
Priority to JP2013143254A priority Critical patent/JP2015019134A/ja
Publication of JP2015019134A publication Critical patent/JP2015019134A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】低周波から高周波までの広帯域にわたって良好なインピーダンス整合を得る。
【解決手段】トランジスタQ1の負荷抵抗RLに対して、可変インダクタ回路11を直列接続し、入力された制御信号Vcに応じて負荷インダクタンスLLを変化させることにより、出力信号Voの出力インピーダンスZo’を調整する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電子回路で使われる出力回路に関するもので、特に、出力インピーダンス値を制御可能な出力整合回路に関するものである。さらに、高速信号を送受信する信号送受信回路において、広い周波数帯で出力インピーダンス整合を持つ信号出力回路に関するものである。
具体的には、半導体集積回路上に形成される電子回路に提供されるものである。さらに、光基幹伝送システム、光アクセスシステム、光インターコネクション等の各種光伝送システムに用いられる光送受信用IC、ならびにこれを用いた高速光送受信モジュール、光送受信トランシーバなどに高速信号送受信回路として適用されるものである。本発明は、情報伝達の大容量化とともに、高速化が求められる上記信号送受信回路において、広帯域な出力インピーダンス整合特性を実現することにより、高速動作可能な信号出力回路を提供するものである。
インターネットや移動通信の進展とともに伝送されるデータ量が飛躍的に増大しており、伝送装置の大容量化が求められている。この大容量化を実現するために、光送受信器などの信号送受信回路の高速化が求められている。高速信号を送信、受信するために信号伝達の反射による信号劣化をなくすために、一般に、入出力回路にインピーダンス整合回路が用いられる。
図9は、高速信号の送受信を行う一般的な送受信回路の構成例である。この送受信回路50には、入力回路51、出力回路53、および信号処理を行う内部回路52が設けられている。
送受信回路50は、信号源Vsからの信号を、信号源インピーダンスRsとインピーダンス整合をとった入力回路51で受信し、内部回路52で等化増幅や信号処理を行い、終端抵抗Roとインピーダンス整合をとった出力回路53から信号を出力する(例えば、特許文献1、非特許文献1など参照)。
図10は、従来の出力回路の構成例である。この出力回路53には、トランジスタQ6および負荷抵抗RLから構成されており、Q6のベース端子は入力信号Vinが接続されており、Q6のエミッタ端子は接地電位に接続されている。また、Q6のコレクタ端子はRLを介して電源電位VCCに接続されており、このコレクタ端子から出力信号Voが出力される。
図11は、図10の出力回路の等価回路である。ここでは、等価回路60がQ6に相当しており、このうち、rinはQ6の等価入力抵抗、Cinは入力寄生容量、Vbeはベース−エミッタ間電圧、gmは相互コンダクタンス、roは等価出力抵抗、Coは出力寄生容量である。この等価回路60には、出力インピーダンスRinの入力信号Vinが入力される。
したがって、図11から分かるように、出力回路53を等価的に分析した場合、出力信号Voには、等価出力抵抗ro、出力寄生容量Co、負荷抵抗RL、および外部の終端抵抗Roがそれぞれ並列的に接続された状態となる。これにより、出力回路の出力インピーダンスZoは、次の式(1)のように表すことができる。
Figure 2015019134
このため、この式(1)で得られる出力インピーダンスZoと終端抵抗Roとのインピーダンスを整合させることにより、出力回路53において、Ro側からの出力信号Voの反射による信号劣化を抑制できることが分かる。
特開2004−040465号公報
F. Shang, P. Miao,L. Tian, Y. Chen, Y. T. Lee, and B. Jeong, "0.18 μm CMOS limiting amplifier for 10Gb/s optical receiver", IEEE Microwave Workshop Series on MillimeterWave Wireless Technology and Applications (IMWS), 2012 IEEE MTT-S International.3
通常、高速信号回路における出力回路の負荷抵抗RLとしては、50Ω程度が用いられる。このため、前述の図11に示した等価回路60において、Q6として用いられる一般的な高速信号用トランジスタの等価出力抵抗roは50Ωより大きく、ro>>RLと見なせることから、前述した式(1)は、次の式(2)のように表すことができる。
Figure 2015019134
この式(2)から、高周波では寄生容量の影響により、出力インピーダンスZoはRLの値よりも低くなってしまうことがわかる。
また、反射係数Γは、次の式(3)に示すように表すことができる。
Figure 2015019134
この式(3)において、RL=Roと設定すると、低周波では寄生容量の影響が少ないため、反射係数はほぼ「0」となり、波形劣化は少ない。
しかしながら、伝送する信号が高速になると高周波まで反射係数を低く保つ必要があるが、高周波では寄生容量の影響が大きくなる。このため、前述の式(2)からわかるように、出力インピーダンスZoは、高周波でRL(=Ro)より低くなってしまう。
したがって、高周波では波形劣化が大きくなるという問題があった。さらに、集積回路においては、信号を取り出すためにパッケージや信号配線等が必要で、高周波信号の伝送では、これらの寄生容量の影響も大きくなるという問題があった。
また、光通信やデータバス伝送などの高速信号伝送で主に用いられる符号形式であるNRZ(Non-Return to Zro)などのディジタル信号伝送には、伝送信号に広い周波数成分が含まれており、広帯域な信号伝送特性が求められる。
これに対し、従来は、出力抵抗となる負荷抵抗RLの値を、終端抵抗Roになるべく一致させる手法が一般に用いられている。また、特に高速信号を扱う場合、負荷抵抗RLを、高めに設定することで高周波での反射を改善する手法もとられるが、低周波での反射が劣化するという問題がある。
図12は、図10の出力回路にかかる反射特性(シミュレーション結果)を示すグラフである。ここでは、終端抵抗Roを50Ωとし、負荷抵抗RLを50Ω、60Ω、70Ωとした際の出力回路53の反射係数Γを、低周波1GHzから高周波100GHzまでの広帯域にわたってシミュレーションで求め、これら負荷抵抗RL=50Ω、60Ω、70Ωごとに、反射係数Γの周波数変化を示す反射特性71,72,73を得た。
図12において、これら反射特性71,72,73を比較すると、RLをRoより大きくするに従って、高周波側では反射係数Γが徐々に小さくなっているのに対して、低周波側では反射係数Γが徐々に大きくなっている。これにより、信号周波数の変化に応じてΓが大きく変化していることから、広帯域にわたり安定した反射係数Γが得られておらず、終端抵抗Roとのインピーダンス整合がとれていないことがわかる。
したがって、従来のような負荷抵抗RLの値設定によるインピーダンス整合回路技術では、トランジスタの寄生容量のほか、集積回路外部のパッケージや配線などの寄生容量の影響により、低周波から高周波まで良好なインピーダンス整合を得ることが難しいという問題があった。
本発明はこのような課題を解決するためのものであり、低周波から高周波までの広帯域にわたって良好なインピーダンス整合を得ることができる出力回路技術を提供することを目的としている。
このような目的を達成するために、本発明にかかる出力回路は、ベース端子に入力された入力信号を増幅し、得られた出力信号をコレクタ端子から出力するエミッタ接地のトランジスタと、電源電位と前記コレクタ端子との間に接続された負荷抵抗と、前記負荷抵抗に対して直列接続されて、入力された制御信号に応じて負荷インダクタンスを変化させることにより、前記出力信号の出力インピーダンスを調整する可変インダクタ回路とを備えている。
また、本発明にかかる上記出力回路の一構成例は、前記可変インダクタ回路が、直列接続された複数のインダクタと、これらインダクタのうちの少なくともいずれか1つと並列接続されて、前記制御信号に応じて当該インダクタの両端を短絡または開放するスイッチング素子とを有するものである。
また、本発明にかかる上記出力回路の一構成例は、前記スイッチング素子が、ドレイン端子が前記インダクタの一端に接続され、ソース端子が当該インダクタの他端に接続され、ゲート端子に入力された前記制御信号の電圧に応じて当該インダクタの両端を短絡または開放するFETからなるものである。
また、本発明にかかる上記出力回路の一構成例は、入力された外部インターフェース信号に応じて、前記スイッチング素子をオン/オフ制御する前記制御信号を生成する制御回路をさらに備えるものである。
また、本発明にかかる上記出力回路の一構成例は、前記外部インターフェース信号が、前記スイッチング素子のオン/オフを指示するシリアルディジタル信号からなり、前記制御回路は、前記シリアルディジタル信号をシリアル/パラレル変換した後、ディジタル/アナログ変換することにより、前記スイッチング素子をオン/オフ制御するための前記制御信号を生成するものである。
また、本発明にかかる上記出力回路の一構成例は、前記トランジスタが、ゲート端子に入力された前記入力信号を増幅し、得られた出力信号をドレイン端子から出力するソース接地のFETからなるものである。
また、本発明にかかる送受信回路は、入力された信号を増幅して出力する入力回路と、前記入力回路から出力された信号を信号処理して出力する内部回路と、請求項1〜請求項6のいずれかに記載の出力回路からなり、前記内部回路から出力された信号を、入力された制御信号に応じた出力インピーダンスで出力する出力回路とを備えている。
また、本発明にかかる他の送受信回路は、入力された信号を増幅して出力する入力回路と、前記入力回路から出力された信号を信号処理して出力する内部回路と、請求項2または請求項3に記載の出力回路からなり、前記内部回路から出力された信号を、入力された制御信号に応じた出力インピーダンスで出力する出力回路と、入力された外部インターフェース信号に応じて、前記スイッチング素子をオン/オフ制御する前記制御信号を生成する制御回路とを備えている。
本発明によれば、トランジスタの出力寄生容量による周波数特性の変化、さらには終端抵抗と並列して存在しうる外部負荷容量による周波数特性の変化が、可変インダクタ回路の負荷インダクタンスによる周波数特性で補われることになる。
したがって、可変インダクタ回路において、制御信号により負荷インダクタンスを調整することにより、トランジスタの出力寄生容量、さらには外部負荷容量によるインピーダンス変化に対して、より適切なインピーダンス整合が可能となる。
このため、集積回路においてパッケージや信号配線などの外部負荷容量が異なる場合においても、本発明にかかる出力回路を適用すれば、出力インピーダンスについて最適な周波数整合特性を得ることができる。これにより、集積回路の出力回路において、従来技術では困難であった、異なる出力負荷条件に対し、出力整合の周波数特性を広帯域に補正でき、波形劣化を大きく改善することが可能となる。
第1の実施の形態にかかる出力回路の構成を示す回路図である。 可変インダクタ回路の構成例である。 可変インダクタ回路の他の構成例である。 図1の出力回路を示す等価回路図である。 図1の出力回路にかかる反射特性(シミュレーション結果)を示すグラフである。 図1の出力回路にかかる他の反射特性(シミュレーション結果)を示すグラフである。 第2の実施の形態にかかる送受信回路を示すブロック図である。 制御回路の構成例である。 高速信号の送受信を行う一般的な送受信回路の構成例である。 従来の出力回路の構成例である。 図10の出力回路の等価回路である。 図10の出力回路にかかる反射特性(シミュレーション結果)を示すグラフである。
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
[第1の実施の形態]
まず、図1を参照して、本発明の第1の実施の形態にかかる出力回路10について説明する。図1は、第1の実施の形態にかかる出力回路の構成を示す回路図である。
この出力回路10は、高速信号の送受信を行う送受信回路で用いられて、入力された入力信号Vinを、外部の終端抵抗Roとインピーダンス整合させて、出力信号Voとして出力する機能を有している。
本発明にかかる出力回路の特徴は、トランジスタQ1の負荷抵抗RLに対して、可変インダクタ回路11を直列接続した点にある。
すなわち、出力回路10は、図1に示すように、信号入力端子Tinを介してベース端子に入力された入力信号Vinを増幅し、得られた出力信号Voをコレクタ端子から信号出力端子Toを介して終端抵抗Roへ出力するエミッタ接地のトランジスタQ1と、電源電位VCCとコレクタ端子との間に接続された負荷抵抗RLと、このRLに対して直列接続されて、制御入力端子Tcを介して入力された制御信号Vcに応じてインダクタンスを変化させることにより、出力信号Voの出力インピーダンスZoを調整する可変インダクタ回路11とを備えている。
本実施の形態では、トランジスタQ1として、NPN型のバイポーラトランジスタを用いた場合を例として説明するが、Q1として、ゲート端子に入力された入力信号Vinを増幅し、得られた出力信号Voをドレイン端子から出力するソース接地のFET、例えばN型MOSFETを用いてもよい。
また、Q1として、PNP型のバイポーラトランジスタや、P型MOSFETなど、他の能動素子を用いてもよい。
図2は、可変インダクタ回路の構成例である。この可変インダクタ回路11は、接続端子P1,P2の間に直列接続された2つのインダクタL0,L1と、これらインダクタL0,L1のうちインダクタL1と並列接続されて、制御信号Vcに応じて当該インダクタの両端を短絡または開放するスイッチング素子SWとを有している。
また、この構成例では、スイッチング素子SWとして、ドレイン端子がインダクタL1の一端に接続され、ソース端子が当該インダクタL1の他端に接続され、ゲート端子に入力された制御信号Vcの電圧に応じてインダクタL1の両端を短絡または開放するFETM、例えばN型MOSFETが用いられている。この場合、SWを短絡させるには、制御信号Vcの電圧を制御して、Mを完全にオン状態(オン抵抗=0)とさせるとともに、SWを開放させるには、同じく制御信号Vcの電圧を制御して、Mを完全にオフ状態(オン抵抗=無限大)とさせればよい。
スイッチング素子SWは、制御端子Pcを介して入力された制御信号Vcに応じてオン/オフ動作する。このため、SWがオフの場合には、接続端子P1,P2の間にL0,L1が直列接続されるため、接続端子P1,P2間のインダクタンスは、L0+L1となる。一方、SWがオンの場合には、L1の両端がSWで短絡されるため、接続端子P1,P2の間にL0,L1が直列接続されるため、接続端子P1,P2間のインダクタンスはL0のみとなる。これにより、制御信号Vcに応じて可変インダクタ回路11全体のインダクタンス、すなわち負荷インダクタンスLLが変化する。
図3は、可変インダクタ回路の他の構成例である。この可変インダクタ回路11は、接続端子P1,P2の間に直列接続されたn+1個(nは2以上の整数)のインダクタL0,L1,…,Lnと、これらインダクタL0,L1,…,LnのうちインダクタLi(i=1〜n)と並列接続されて、制御端子Pciを介して入力された制御信号Vciに応じて当該インダクタLiの両端を短絡または開放するスイッチング素子SWiとを有している。
また、この構成例でも、スイッチング素子SW1,…,SWnとしては、図2と同様にして、例えばN型MOSFETからなるFETM1,…,FETnが用いられている。
なお、図3では、L0以外のインダクタのすべてにSWを設けた場合を例として説明したが、これに限定されるものではなく、1つ以上の任意のインダクタLi(i=1〜n)にSWiを設けてあれば、制御信号制御信号Vciに応じて接続端子P1,P2間のインダクタンス、すなわち負荷インダクタンスLLを変化させることができる。また、複数のインダクタンスにSWを設けて個別に切替制御することにより、負荷インダクタンスLLの可変範囲を広げたり、可変分解能を高くしたりすることができ、インピーダンス整合について高い適応性を得ることが可能となる。
[第1の実施の形態の動作]
次に、図4を参照して、本実施の形態にかかる出力回路の動作について説明する。図4は、図1の出力回路を示す等価回路図である。
図4において、等価回路20がトランジスタQ1に相当しており、このうち、rinはQ1の等価入力抵抗、Cinは入力寄生容量、Vbeはベース−エミッタ間電圧、gmは相互コンダクタンス、roは等価出力抵抗、Coは出力寄生容量である。この等価回路20には、出力インピーダンスRinの入力信号Vinが入力される。
したがって、図4から分かるように、出力回路10を等価的に分析した場合、出力信号Voには、等価出力抵抗ro、出力寄生容量Co、負荷抵抗RLと可変インダクタ回路11による負荷インダクタンスLLとの直列接続回路、および終端抵抗Roがそれぞれ並列的に接続された状態となる。これにより、出力回路の出力インピーダンスZo’は、次の式(4)のように表すことができる。
Figure 2015019134
ここで、通常、高速信号回路における出力回路の負荷抵抗RLとしては、50Ω程度が用いられる。このため、図4に示した等価回路20において、Q1として用いられる一般的な高速信号用トランジスタの等価出力抵抗roは50Ωより大きく、ro>>RLと見なせることから、前述した式(4)は、次の式(5)のように表すことができる。
Figure 2015019134
この式(5)において、分母には、出力寄生容量Coによる周波数特性を持ったCo虚数項が含まれており、高周波においてこのCo虚数項の値が大きくなるため、Zo’が小さくなることが分かる。一方、同じく分母には、負荷インダクタンスLLによる周波数特性を持ったLL虚数項も含まれており、高周波においてこのLL虚数項の値が大きくなるため、Co虚数項によるZo’の低下を補う働きをする。
さらに、可変インダクタ回路11において、制御信号Vcにより負荷インダクタンスLLを調整することにより、Q1の出力寄生容量Co、さらには終端抵抗Roと並列して存在しうる外部負荷容量CLによるインピーダンス低下に対して、より適切なインピーダンス整合が可能となる。
図5は、図1の出力回路にかかる反射特性(シミュレーション結果)を示すグラフである。ここでは、前述した図11と同様の条件下において、終端抵抗Roを50Ωとするとともに負荷インダクタンスLLを0.2nHとし、負荷抵抗RLを50Ω、60Ω、70Ωとした際の出力回路10の反射係数Γを、低周波1GHzから高周波100GHzまでの広帯域にわたってシミュレーションで求め、これら負荷抵抗RL=50Ω、60Ω、70Ωごとに、反射係数Γの周波数変化を示す反射特性31,32,33を得た。なお、反射特性30は図12に示した従来の出力回路による反射特性71である。
図5において、これら反射特性31,32,33を比較すると、RLをRoより大きくするに従って、高周波側では反射係数Γのばらつきが一定しており、反射特性30と比較して反射係数Γの低減が抑制されている。これにより、信号周波数の変化に応じたΓの変化が抑制されていることから、広帯域にわたりより安定した反射係数Γが得られており、終端抵抗Roとのインピーダンス整合がとり易いことがわかる。
また、図6は、図1の出力回路にかかる他の反射特性(シミュレーション結果)を示すグラフである。ここでは、前述した図5と同様の条件下において、終端抵抗Roを50Ωとするとともに負荷抵抗RLを50Ωとし、負荷インダクタンスLLを0.5nH、1nH、2nH、4nHとした際の出力回路10の反射係数Γを、低周波10MHzから高周波100GHzまでの広帯域にわたってシミュレーションで求め、これら負荷インダクタンスLL=0.5nH、1nH、2nH、4nHごとに、反射係数Γの周波数変化を示す反射特性41,42,43,44を得た。なお、反射特性40は図12に示した従来の出力回路による反射特性71である。
図6において、これら反射特性41,42,43,44を比較すると、LLの変化に応じて、反射特性41,42,43,44が変化しており、このうちLL=05nHの特性41が、低周波10MHzから高周波100GHzまでの広帯域にわたって最も安定していることが分かる。これにより、信号周波数の変化に応じたΓの変化が抑制されていることから、広帯域にわたりより安定した反射係数Γが得られており、終端抵抗Roとのインピーダンス整合がとり易くなることがわかる。
[第1の実施の形態の効果]
このように、本実施の形態は、トランジスタQ1の負荷抵抗RLに対して、可変インダクタ回路11を直列接続し、入力された制御信号Vcに応じて負荷インダクタンスLLを変化させることにより、出力信号Voの出力インピーダンスZo’を調整するようにしたものである。
これにより、Q1の出力寄生容量Coによる周波数特性の変化、さらには終端抵抗Roと並列して存在しうる外部負荷容量CLによる周波数特性の変化が、可変インダクタ回路11の負荷インダクタンスLLによる周波数特性で補われることになる。
したがって、可変インダクタ回路11において、制御信号Vcにより負荷インダクタンスLLを調整することにより、Q1の出力寄生容量Co、さらには外部負荷容量CLによるインピーダンス変化に対して、より適切なインピーダンス整合が可能となる。
このため、集積回路においてパッケージや信号配線などの外部負荷容量が異なる場合においても、本発明にかかる出力回路10を適用すれば、出力インピーダンスについて最適な周波数整合特性を得ることができる。これにより、集積回路の出力回路において、従来技術では困難であった、異なる出力負荷条件に対し、出力整合の周波数特性を広帯域に補正でき、波形劣化を大きく改善することが可能となる。
[第2の実施の形態]
次に、図7を参照して、本発明の第2の実施の形態にかかる送受信回路1について説明する。図7は、第2の実施の形態にかかる送受信回路を示すブロック図である。
本実施の形態では、第1の実施の形態にかかる出力回路10を用いた送受信回路1について説明する。
図7に示すように、送受信回路1には、入力回路2、内部回路3、制御回路4、および出力回路10が設けられている。
この送受信回路1は、入力された送受信信号Viを、信号源インピーダンスとインピーダンス整合をとった入力回路2で受信し、内部回路3で等化増幅や信号処理を行い、終端抵抗Roとインピーダンス整合をとった出力回路10から信号を出力する。
制御回路4は、入力されたシリアルディジタル制御信号Scに応じて、出力回路10の可変インダクタ回路11を制御するための制御信号Vcを生成して出力する回路である。
図8は、制御回路の構成例である。この制御回路4には、主な回路部として、S/P変換回路4A、A/D変換回路4B、および電圧制御回路4Cが設けられている。
S/P変換回路4Aは、入力されたクロック信号CLKに基づいて、シリアルディジタル制御信号Scをパラレルディジタル制御信号Dcに変換して出力する機能を有している。
A/D変換回路4Bは、パラレルディジタル制御信号Dcをアナログ制御信号Acに変換して出力する機能を有している。
電圧制御回路4Cは、アナログ制御信号Acに応じた電圧を示す制御信号Vcを生成して出力する機能を有している。
したがって、外部から入力されたパラレルディジタル制御信号Dcに応じた電圧を示す制御信号Vcが、制御回路4で生成されて出力回路10の可変インダクタ回路11に入力されて、例えば図2に示した例では、FETMがオン/オフ制御される。
これにより、負荷インダクタンスLLが可変制御されて出力信号Voの出力インピーダンスZo’が調整されて、終端抵抗RoさらにはRoと並列して存在しうる外部負荷容量CLとの、より最適なインピーダンス整合を得ることができる。
なお、本実施の形態では、制御回路4が出力回路10とは独立した回路として構成した場合を例として説明した。具体例としては、入力回路2、内部回路3、および出力回路10を同一集積回路内に形成し、制御回路4が集積回路外に配置する場合である。しかし、これ限定されものではなく、例えば、制御回路4を出力回路10の一部として構成してもよい。
[実施の形態の拡張]
以上、実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解しうる様々な変更をすることができる。また、各実施形態については、矛盾しない範囲で任意に組み合わせて実施することができる。
本発明の出力回路は、各種の高速通信システムの信号送受信用集積回路、ならびにこれを用いた高速送受信モジュール、トランシーバなどの出力回路として適用でき、特に、出力インピーダンスの周波数特性を制御することによって、出力段トランジスタの寄生容量、集積回路外部の信号配線、配線基板等の寄生容量等による反射特性の周波数特性劣化が発生する出力回路に好適である。
1…送受信回路、10…出力回路、11…可変インダクタ回路、Q1…トランジスタ、RL…負荷抵抗、Tin…信号入力端子、To…信号出力端子、Tc…制御入力端子、P1,P2…接続端子、Pc…制御端子、L0,L1,〜,Ln,Li…インダクタ、SW,SW1,〜,SWn,SWi…スイッチング素子、M,M1,〜,Mn,Mi…FET、Ro…終端抵抗、Vin…入力信号、Vo…出力信号、Vc…制御信号、2…入力回路、3…内部回路、4…制御回路、4A…S/P変換回路、4B…A/D変換回路、4C…電圧制御回路、Sc…シリアルディジタル制御信号、Dc…パラレルディジタル制御信号、Ac…アナログ制御信号。

Claims (8)

  1. ベース端子に入力された入力信号を増幅し、得られた出力信号をコレクタ端子から出力するエミッタ接地のトランジスタと、
    電源電位と前記コレクタ端子との間に接続された負荷抵抗と、
    前記負荷抵抗に対して直列接続されて、入力された制御信号に応じて負荷インダクタンスを変化させることにより、前記出力信号の出力インピーダンスを調整する可変インダクタ回路と
    を備えることを特徴とする出力回路。
  2. 請求項1に記載の出力回路において、
    前記可変インダクタ回路は、直列接続された複数のインダクタと、これらインダクタのうちの少なくともいずれか1つと並列接続されて、前記制御信号に応じて当該インダクタの両端を短絡または開放するスイッチング素子とを有することを特徴とする出力回路。
  3. 請求項2に記載の出力回路において、
    前記スイッチング素子は、ドレイン端子が前記インダクタの一端に接続され、ソース端子が当該インダクタの他端に接続され、ゲート端子に入力された前記制御信号の電圧に応じて当該インダクタの両端を短絡または開放するFETからなることを特徴とする出力回路。
  4. 請求項2〜請求項3のいずれか1つに記載の出力回路において、
    入力された外部インターフェース信号に応じて、前記スイッチング素子をオン/オフ制御する前記制御信号を生成する制御回路をさらに備えることを特徴とする出力回路。
  5. 請求項4に記載の出力回路において、
    前記外部インターフェース信号は、前記スイッチング素子のオン/オフを指示するシリアルディジタル信号からなり、
    前記制御回路は、前記シリアルディジタル信号をシリアル/パラレル変換した後、ディジタル/アナログ変換することにより、前記スイッチング素子をオン/オフ制御するための前記制御信号を生成する
    ことを特徴とする出力回路。
  6. 請求項1〜請求項5のいずれか1つに記載の出力回路において、
    前記トランジスタは、ゲート端子に入力された前記入力信号を増幅し、得られた出力信号をドレイン端子から出力するソース接地のFETからなることを特徴とする出力回路。
  7. 入力された信号を増幅して出力する入力回路と、
    前記入力回路から出力された信号を信号処理して出力する内部回路と、
    請求項1〜請求項6のいずれかに記載の出力回路からなり、前記内部回路から出力された信号を、入力された制御信号に応じた出力インピーダンスで出力する出力回路と
    を備えることを特徴とする送受信回路。
  8. 入力された信号を増幅して出力する入力回路と、
    前記入力回路から出力された信号を信号処理して出力する内部回路と、
    請求項2または請求項3に記載の出力回路からなり、前記内部回路から出力された信号を、入力された制御信号に応じた出力インピーダンスで出力する出力回路と、
    入力された外部インターフェース信号に応じて、前記スイッチング素子をオン/オフ制御する前記制御信号を生成する制御回路と
    を備えることを特徴とする送受信回路。
JP2013143254A 2013-07-09 2013-07-09 出力回路および送受信回路 Pending JP2015019134A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013143254A JP2015019134A (ja) 2013-07-09 2013-07-09 出力回路および送受信回路

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013143254A JP2015019134A (ja) 2013-07-09 2013-07-09 出力回路および送受信回路

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2015019134A true JP2015019134A (ja) 2015-01-29

Family

ID=52439790

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013143254A Pending JP2015019134A (ja) 2013-07-09 2013-07-09 出力回路および送受信回路

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2015019134A (ja)

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0983263A (ja) * 1995-09-11 1997-03-28 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> Mos入出力回路
JPH11220338A (ja) * 1998-01-30 1999-08-10 Matsushita Electric Ind Co Ltd 高周波電力増幅器
JP2001251206A (ja) * 2000-03-07 2001-09-14 Sharp Corp 送受信回路モジュール
US6340899B1 (en) * 2000-02-24 2002-01-22 Broadcom Corporation Current-controlled CMOS circuits with inductive broadbanding
JP2005136453A (ja) * 2003-10-28 2005-05-26 Mitsubishi Electric Corp ドライバ回路
US20060028275A1 (en) * 2004-08-03 2006-02-09 Scintera Networks, Inc. Differential amplifier having independently tunable base gain, peak gain and boost frequency, and uses of same
JP2010268049A (ja) * 2009-05-12 2010-11-25 Yamaha Corp インタフェース回路

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0983263A (ja) * 1995-09-11 1997-03-28 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> Mos入出力回路
JPH11220338A (ja) * 1998-01-30 1999-08-10 Matsushita Electric Ind Co Ltd 高周波電力増幅器
US6340899B1 (en) * 2000-02-24 2002-01-22 Broadcom Corporation Current-controlled CMOS circuits with inductive broadbanding
JP2001251206A (ja) * 2000-03-07 2001-09-14 Sharp Corp 送受信回路モジュール
JP2005136453A (ja) * 2003-10-28 2005-05-26 Mitsubishi Electric Corp ドライバ回路
US20060028275A1 (en) * 2004-08-03 2006-02-09 Scintera Networks, Inc. Differential amplifier having independently tunable base gain, peak gain and boost frequency, and uses of same
JP2010268049A (ja) * 2009-05-12 2010-11-25 Yamaha Corp インタフェース回路

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9991856B2 (en) Variable load power amplifier supporting dual-mode envelope tracking and average power tracking performance
US9191004B2 (en) Signal converting device and digital transmitting apparatus applying the signal converting device
US10224876B2 (en) Low dropout voltage regulator for highly linear radio frequency power amplifiers
US20150295547A1 (en) Amplification stage and wideband power amplifier
JP5962462B2 (ja) 増幅器および無線通信装置
US10998720B2 (en) T-coil enhanced ESD protection with passive equalization
JP2014207651A (ja) 無線周波数増幅回路及び電力増幅モジュール
US20160056779A1 (en) Wideband bias circuits and methods
US20170163226A1 (en) Fast switching power amplifier, low noise amplifier, and radio frequency switch circuits
TW202007076A (zh) 放大器線性升壓電路及用於後失真回饋取消之方法
US20140266443A1 (en) High-frequency, broadband amplifier circuit
US8067984B2 (en) Variable gain circuit
JP5983968B2 (ja) 電力増幅回路及び電力増幅モジュール
JP6658751B2 (ja) 信号処理装置
JP5743983B2 (ja) 送受切替回路、無線装置および送受切替方法
US11323080B2 (en) Amplification circuit, radio-frequency front end circuit, and communication device
JP2015019134A (ja) 出力回路および送受信回路
US7928815B2 (en) Amplifier
CN213585714U (zh) 功率放大电路
Ibrahim et al. Simulation of single stage LNA based on ladder matching networks for WiMAX application
EP3972127B1 (en) Impedance control in merged stacked fet amplifiers
US10587151B2 (en) Wireless transmission device and wireless communication device
WO2022130566A1 (ja) 分布型アンプ
US20220311390A1 (en) Differential cascode amplifier arrangement with reduced common mode gate rf voltage
CN107852138B (zh) 无削减信号包络地提升放大器增益

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150825

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20150825

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160830

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160913

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20170411