JP2010268049A - インタフェース回路 - Google Patents
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Abstract
【課題】マルチチップモジュールに設けられているアナログ回路とデジタル回路との間の配線数を増加させることなく、データ伝送の自由度を向上させることを可能にし、さらに、アナログ回路とデジタル回路の各々で異なる電源を用いることを可能にする。
【解決手段】 アナログ回路との間のシリアル通信のビットレートに同期したデータサイズを有し各々格納対象のデジタルデータの種類が予め定められた複数のスロットに等分されるデータフレームのスロットのうちの該当するものにデジタルデータを書き込み、各スロットの構成ビットが等間隔に送出されるようにインタリーブを施しつつ当該データフレームの構成ビットを出力するパラレル/シリアル変換部と、パラレル/シリアル変換部の出力ビットのビット値を示す差動信号をアナログ回路へ送信する差動信号送信部とを有するデジタル回路を提供する。
【選択図】図1
【解決手段】 アナログ回路との間のシリアル通信のビットレートに同期したデータサイズを有し各々格納対象のデジタルデータの種類が予め定められた複数のスロットに等分されるデータフレームのスロットのうちの該当するものにデジタルデータを書き込み、各スロットの構成ビットが等間隔に送出されるようにインタリーブを施しつつ当該データフレームの構成ビットを出力するパラレル/シリアル変換部と、パラレル/シリアル変換部の出力ビットのビット値を示す差動信号をアナログ回路へ送信する差動信号送信部とを有するデジタル回路を提供する。
【選択図】図1
Description
本発明は、ホストCPU(Central Processing Unit)に対するインタフェースの役割を果たすデジタル回路とデジタル/アナログ変換を実行するアナログ回路との間でデジタルデータをシリアル伝送する技術に関する。
この種のアナログ回路とデジタル回路とを同一基板上に配置したマルチチップモジュールの一例として、AC97(Audio Codec 97)に準拠したサウンドデバイスが挙げられる(例えば、特許文献1参照)。AC97はインテル社により提唱されたサウンドデバイスについての標準規格である。ゲーム機などに組み込まれ発音制御を行うサウンドデバイスは、従来、ワンチップ構成とされることが多かった。これに対して、AC97に準拠したサウンドデバイスでは、ゲーム機の制御中枢として機能するホストCPUに対するインタフェース回路の役割を担うデジタル回路とアナログコーデックの役割を担うアナログ回路とが同一基板上に各々別個に設けられ、これらデジタル回路とアナログ回路はAC−リンクと呼ばれる5線のシリアルバスで接続されている。このような構成により、デジタル回路における処理をソフトウェアで実現して低価格化を図ることと高い音質を確保することとが両立される。また、AC97では、ハードウェアの電気的仕様に加え、扱うべきサンプリング周波数や入出力チャンネル数なども定められている。これはサウンドデバイスとしての互換性確保のためである。
しかし、AC97では、サンプリング周波数等が規格として定められているため、データ伝送の自由度が少ないといった問題があった。具体的には、入出力チャネル数に制限があるといった問題や、サンプリング周波数を可変にできず、EMI(Electro magnetic
interference)対策のための周波数拡散を行うことができないといった問題、さらには、限られた変調方式にしか対応していないといった問題等である。また、AC97では、デジタル回路の電源とアナログ回路の電源とを同一にしているが、アナログ回路とデジタル回路とでは動作電圧が異なり、回路毎に電圧変換が必要になるといった問題があった。
本発明は上記課題に鑑みて為されたものであり、マルチチップモジュールに設けられているアナログ回路とデジタル回路との間の配線数を増加させることなく、データ伝送の自由度を向上させることが可能で、さらに、アナログ回路とデジタル回路の各々で異なる電源を用いることを可能にする技術を提供することを目的とする。
interference)対策のための周波数拡散を行うことができないといった問題、さらには、限られた変調方式にしか対応していないといった問題等である。また、AC97では、デジタル回路の電源とアナログ回路の電源とを同一にしているが、アナログ回路とデジタル回路とでは動作電圧が異なり、回路毎に電圧変換が必要になるといった問題があった。
本発明は上記課題に鑑みて為されたものであり、マルチチップモジュールに設けられているアナログ回路とデジタル回路との間の配線数を増加させることなく、データ伝送の自由度を向上させることが可能で、さらに、アナログ回路とデジタル回路の各々で異なる電源を用いることを可能にする技術を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために本発明は、デジタル/アナログ変換を実行するアナログ回路へ、外部から受け取った1または複数種のデジタルデータをシリアル通信により送信するインタフェース回路において、前記シリアル通信のビットレートに同期したデータサイズのデータフレームであって、各々格納対象のデジタルデータの種類が予め定められた複数のスロットに等分されるデータフレームのスロットのうちの該当するものに前記1または複数種のデジタルデータの各々を書き込み、各スロットの構成ビットが等間隔に送出されるようにインタリーブを施しつつ当該データフレームの構成ビットを出力するパラレル/シリアル変換部と、前記パラレル/シリアル変換部の出力ビットのビット値を示す差動信号を前記アナログ回路へ送信する差動信号送信部とを有することを特徴とするインタフェース回路、を提供する。
このようなインタフェース回路をマルチチップモジュールのデジタル回路として用いるようにすれば、アナログ回路との間のデジタルデータのシリアル通信は差動信号で行われるため、シリアルクロックを高くして伝送速度を向上させることが可能であり、また、アナログ回路とデジタル回路の電源を別個にし、デジタルノイズがアナログ回路へ伝わることを回避することが可能になる。なお、上記差動信号を用いたシリアル通信の具体例としてはLVDS(Low Voltage Differential Signaling)方式のものが挙げられる。このように、デジタル回路からアナログ回路へのデータ伝送速度が向上すると、オーバーサンプリングフィルタ処理やノイズシェーパ処理などの前処理(デジタル/アナログ変換の前処理)を送信側(デジタル回路側)で実行することが可能になる。従来技術では、デジタル回路からアナログ回路へのデータ伝送速度が十分ではなく、上記前処理をアナログ回路側で行うことが多かったのであるが、アナログ回路は、デジタル回路に比較して動作電圧が高く、ダイサイズも大きいため、上記前処理をアナログ回路側で行うようにすると、アナログ回路の回路規模が非常に大きくなるという問題があった。これに対して、本発明によれば上記前処理をデジタル回路側で実行することができるため、このような問題は生じない。また、上記前処理をソフトウェア処理で実現するようにすれば、デジタル回路側の製造コストを低く抑えることができる。
また、上記データフレームには、ビットレートに応じた数のスロットが含まれており、1つのデジタルデータに対して1またはN(2以上の自然数)スロットを割り当てることができる。各スロットを各々異なる入出力チャネル或いは異なる変調方式に割り当てることにより、アナログ回路とデジタル回路との間の配線数を増加させることなく、入出力チャネル数を増加させることや多様な変調方式に対応することが可能になる。
より好ましい態様においては、前記ビットレートに応じたシリアルクロックを前記アナログ回路へ伝達し、前記パラレル/シリアル変換部は、前記データフレームにその先頭を示す所定ビット数の同期コードを付与し、前記シリアルクロックの立ち上がりまたは立ち下がりの何れか一方のタイミングで各デジタルデータの構成ビットを出力し、他方のタイミングで前記同期コードの構成ビットを出力することを特徴とする。このような態様においては、アナログ回路側では、各スロットの構成ビットの変化タイミングとは異なる変化タイミングでビットが変化したことに基づいて同期コードを検出しデータフレームの境界を把握することができる。このため、本発明においては、フレーム境界を示すフレームクロックをデジタル回路(インタフェース回路)からアナログ回路へ転送する必要はなく、デジタル回路とアナログ回路との間の配線としては、データ入出力用の各1組(LVDS方式では差動信号を用いるため2線で1組)とシリアルクロック用の1組とがあれば十分である。このため、本発明によれば、AC−リンクに準拠した5本の配線の全てを差動信号対応とする場合に比較してデジタル回路とアナログ回路との間の配線数を少なくすることができる。また、同期コードの出力間隔を調整することでサンプリング周波数を可変にすることもできる。
さらに好ましい態様においては、前記インタフェース回路は、前記アナログ回路の動作設定のためのコマンドおよびデータを前記同期コードの構成ビットとともに書き込んで転送し、前記アナログ回路は、前記デジタル回路から受け取ったデータフレームにて前記同期コードの構成ビットとともに書き込まれているコマンドおよびデータにしたがって動作設定を行うことを特徴とする。このような態様によれば、マルチチップモジュールにおいて、アナログ回路側におけるレジスタ設定などの動作設定をデジタル回路側で制御することが可能になる。また、本発明の別の態様においては、デジタル/アナログ変換を実行するアナログ回路と上記各態様のインタフェース回路とを同一基板上に各々別個のチップで配設するとともに、両回路を3組(2線一組)の信号線で接続して構成されたマルチチップモジュールを提供するとしても勿論良い。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態について説明する。
(A:構成)
図1は、本発明の一実施形態であるマルチチップモジュール1の構成例を示す図である。このマルチチップモジュール1は、例えば、ゲーム機などに内蔵され、ゲーム機のホストCPU(図示省略)による制御下で発音処理を行うサウンドデバイスである。このマルチチップモジュール1は、図1に示すデジタル回路10とアナログ回路20とを同一基板上に配設して構成されている。デジタル回路10は、ホストCPUに対するインタフェース回路の役割を担い、アナログ回路20はデジタル音声データとアナログ音声信号の相互変換を行うアナログコーデックの役割を担う。
(A:構成)
図1は、本発明の一実施形態であるマルチチップモジュール1の構成例を示す図である。このマルチチップモジュール1は、例えば、ゲーム機などに内蔵され、ゲーム機のホストCPU(図示省略)による制御下で発音処理を行うサウンドデバイスである。このマルチチップモジュール1は、図1に示すデジタル回路10とアナログ回路20とを同一基板上に配設して構成されている。デジタル回路10は、ホストCPUに対するインタフェース回路の役割を担い、アナログ回路20はデジタル音声データとアナログ音声信号の相互変換を行うアナログコーデックの役割を担う。
図1に示すようにデジタル回路10とアナログ回路20は、3組の信号線(2線で1組)によって接続されている。マルチチップモジュール1では、これら3組の信号線の各々を介して、デジタル回路10とアナログ回路20との間のデジタル音声データのシリアル伝送、およびそのシリアルクロックSCLK(シリアル伝送される各ビットの読み出しタイミングを示すクロック)の伝送がLVDS方式(例えば、振幅が0.1Vの差動信号を用いた伝送方式)で行われる。このように、デジタル回路10とアナログ回路20との間のシリアル伝送を差動信号を用いて行うようにしたため、デジタル回路10の動作電源(1.0V)とアナログ回路20の動作電源(3.0V)とは各々別個になっている。このため、デジタル回路10側で生じたデジタルノイズがアナログ回路20へ伝搬することはない。
デジタル回路10は、図1に示すように、DSP110Aおよび110Bと、パラレル/シリアル変換部120と、差動信号送信部130Aおよび130Bと、差動信号受信部140を含んでいる。DSP110Aは、ホストCPUから与えられるデジタル音声データ(例えば、変調方式が各々異なる複数種の音声データ)にオーバーサンプリングフィルタ処理やノイズシェーパ処理などの前処理を施してパラレル/シリアル変換部120に出力する。DSP110Bは、パラレル/シリアル変換部120等を介してアナログ回路20から受け取ったデジタル音声データにダウンサンプリングフィルタ処理やデシメーションフィルタ処理などの後処理を施してホストCPUに与える。
パラレル/シリアル変換部120は、DSP110Aから与えられる各種デジタル音声データから本実施形態に特徴的なデータフレームSDOを生成し、このデータフレームの構成ビットをシリアルクロックSCLKの同期したタイミングで1ビットずつ差動信号送信部130Aに出力するとともに、このシリアルクロックSCLKの波形を示すビットストリームを1ビットずつ差動信号送信部130Bに出力する。なお、データフレームSDOのフレーム構造については後に明らかにする。また、パラレル/シリアル変換部120は、シリアルクロックSCLKに同期したタイミングで差動信号受信部140から1ビットずつ送られてくるビットストリームからデータフレームSDIを復元し、そのデータフレームSDIに書き込まれているデジタル音声データを取得してDSP110Bに出力する処理も実行する。
差動信号送信部130Aおよび130Bの各々は、パラレル/シリアル変換部120の出力ビットのビット値に応じた振幅の正逆2相の差動信号を生成し、アナログ回路20に与える。差動信号受信部140は、アナログ回路20から送られてくる差動信号の振幅に応じたビット値のビットをパラレル/シリアル変換部120に出力する。
アナログ回路20は、図1に示すように、差動信号受信部210Aおよび210Bと、差動信号送信部220と、シリアル/パラレル変換部230と、DAC群240と、ADC群250とを含んでいる。差動信号受信部210Aは、差動信号送信部130Aから送信されてくる差動信号の振幅に応じてデータフレームSDOの構成ビットを復元し、シリアル/パラレル変換部230に与える。同様に差動信号受信部210Bは、差動信号送信部130Bから送信されてくる差動信号を受信し、シリアルクロックSCLKの波形を表すビットストリームを生成してシリアル/パラレル変換部230に与える。
シリアル/パラレル変換部230は、差動信号受信部210Aの出力ビットストリームと差動信号受信部210Bの出力ビットストリーム(すなわち、シリアルクロックSCLKの波形を示すビットストリーム)からデータフレームSDOを復元し、このデータフレームSDOに書き込まれているデジタル音声データをDAC群240のうちの該当するものに与える。このDAC群240には、図1に示すようにパラレルDAC、ΔΣDAC、DEM−DAC、およびPWMなどの各種DACが含まれている。これら各DACは、シリアル/パラレル変換部230より与えられたデジタル音声データにD/A変換を施し、その変換結果であるアナログ音声信号をスピーカ(図示省略)等に出力する。
図1のADC群250には、SAR−ADC、ΔΣADCおよびDEM−ADCなどの各種ADCが含まれている。これら各ADCは、マイクロホン(図示省略)等から与えられるアナログ音声信号にA/D変換を施し、その変換結果であるデジタル音声データをシリアル/パラレル変換部230に与える。シリアル/パラレル変換部230は、ADC群250から与えられる各種デジタル音声データをデータフレームSDIに書き込み、このデータフレームの構成ビットをシリアルクロックSCLKの同期したタイミングで1ビットずつ差動信号送信部220に与える。差動信号送信部220は、シリアル/パラレル変換部230から与えられるビットのビット値に応じた振幅の差動信号を生成し、デジタル回路10に与える。
以上がマルチチップモジュール1の構成である。
以上がマルチチップモジュール1の構成である。
図2は、データフレームSDOおよびSDIのフレーム構造の概略を示す図である。データフレームSDOおよびSDIの各々は、32ビットのデータサイズを有するN個のスロットに等分される。ここで、データフレームSDOおよびSDIの各々のデータサイズ(すなわち、各データフレームの構成スロット数N)は、シリアルクロックSCLKの値(単位時間あたりの伝送サンプル数:すなわちビットレート)に応じて定まる。本実施形態のように1つのスロットが32ビットであり、かつ1サンプル=32ビットである場合、表1に示すように、シリアルクロックSCLKが6MHzであれば、N=4、シリアルクロックSCLKが12MHzであれば、N=8となる。
図2に示すように、データフレームSDOおよびSDIの各々に含まれるN個のスロットは、2個の制御用スロットと、N−2個のデータスロットとに大別される。図2に示すように、データフレームSDOの制御用スロットには、データフレームSDOの先頭を示す2ビットの同期コードと、アナログ回路20の動作設定を行うためのコマンドおよびデータが格納される。制御スロットに書き込まれるコマンドおよびデータは、アナログ回路20に対して動作設定の実行を指示する際に利用される。データフレームSDIの制御用スロットには、データフレームSDOの受信確認を意味する2ビットのACKコードや、上記コマンドの実行後の状態を示すステータスデータStateが格納される。
前述したように、本実施形態では、データフレームSDOおよびSDIの他には、シリアルクロックSCLKのみがデジタル回路10からアナログ回路20へ伝送され、AC−リンクに準拠した通信のように、フレーム同期のためのフレーム同期クロックが転送されることはない。そこで、本実施形態では、データスロットの構成ビットと同期コードの構成ビットで送信タイミングを異ならせることで、アナログ回路20において同期コードを検出することができるように構成されている。具体的には、デジタル回路10のパラレル/シリアル変換部120は、データスロットの構成ビットについてはシリアルクロックSCLKの立ち上がりで出力し(すなわち、値を変化させ)、同期コードの構成ビットについてはシリアルクロックSCLKの立ち下りで出力するように構成されている。なお、データスロットの構成ビットについてはシリアルクロックSCLKの立ち下がりで出力し、同期コードの構成ビットについてはシリアルクロックSCLKの立ち上がりで出力するようにしても勿論良い。
図3は、32スロット(1スロット=32ビット)で構成されるデータフレームSDOのフレーム構成の一例を示す図である。図3に示す例では、第0スロットおよび第1スロットが制御用スロットとなっており、第2スロット〜第31スロットがデータスロットとなっている。パラレル/シリアル変換部120は、各スロットの構成ビットが等間隔で出力されるようにインタリーブを施しつつデータフレームSDOの構成ビットを1ビットずつ差動信号送信部130Aに与える。より詳細に説明すると、パラレル/シリアル変換部120は、図3に示すように、データフレームSDOの構成ビットを、第0スロットの第0ビット、第1スロットの第0ビット…第31スロットの第0ビット、第0スロットの第1ビット…といった具合に1ビットずつ差動信号送信部130Aに与える。このため、第0スロットの第0ビットおよび第1スロットの第0ビットが前述した同期コードに割り当てられる。前述したように同期コードは、データフレームの先頭を示すものだからである。なお、図3の制御用スロットに格納されるチップ番号CNoは、複数個のアナログ回路20がデジタル回路10に接続される場合に、何れのアナログ回路20に向けて出力したデータフレームSDOであるのかを示す宛先アドレスの役割を果たす。具体的には、データフレームSDOの宛先となるアナログ回路20に割り当てられているチップ番号が上記チップ番号CNoに書き込まれる。
データフレームSDOのN−2個のデータスロットの各々については、格納対象のデジタル音声データの種類(変調方式や入出力チャネル、オーバーサンプリングの倍率等)が予め定められている。図3に示す例では、「PDM,64fs」の左右各チャネルのデジタル音声データ、「4ビットDEM,64fs」の左右各チャネルのデジタル音声データ、「PCM、32ビット、4fs」のデジタル音声データ、「PCM、32ビット、fs」の左右各チャネルのデジタル音声データを格納する場合について例示されている。なお、M(本実施形態では、4または64)fsのデジタル音声データとは、サンプリング周波数fsで生成されたデジタル音声データに、そのサンプリング周波数をM倍とするオーバーサンプリングフィルタ処理を施して得られるものである。
ここで、データフレームSDOに含まれるデータスロットの数を幾つにするのか(換言すれば、シリアルクロックSCLKをどのような値にするのか)、および各データスロットにどのようなデジタル音声データを割り当てるのかについては、アナログ回路20の種類(対応可能なシリアルクロックの周波数範囲やDAC群240に含まれるDACの種類等)に応じて定める必要がある。そこで、本実施形態では、デジタル音声データの伝送開始に先立って、デジタル回路10とアナログ回路20に以下のシーケンスを実行させる。すなわち、デジタル回路10には、デジタル音声データの転送開始に先立って、まず、予め定められたシリアルクロックSCLKの周波数範囲のうち、最低周波数のシリアルクロックSCLK(例えば、6MHzなど)を出力させる。一方、アナログ回路20には、シリアルクロックSCLKの検出を契機として、初期化処理を実行させる。
デジタル回路10は、最低周波数のシリアルクロックSCLKの出力を開始してから所定時間(例えば、アナログ回路20の初期化処理に要する時間に見合った時間)が経過したことを契機として、所定のアイドルパターンをアナログ回路20に送信し、アナログ回路20からACKが返信されることを確認する。このACKの受信を契機としてデジタル回路10は、アナログ回路20にチップ識別子の返信を指示するコマンドを送信し、アナログ回路20から返信されてくるチップ識別子に応じてシリアルクロックSCLKを設定する処理およびフレームフォーマットを決定する処理を実行する。ここで、チップ識別子に応じてシリアルクロックSCLKを設定する処理およびフレームフォーマットを決定する処理をデジタル回路10に実行させる具体的な手法としては、デジタル回路10に接続され得るアナログ回路20のチップ識別子の各々に対応付けて上記各処理を表すマイクロコードをデジタル回路10に記憶させておき、アナログ回路20から受信したチップ識別子に応じたマイクロコードをデジタル回路10に実行させるようにすれば良い。
前述したように、データフレームSDOを構成する各スロットのデータサイズは32ビットである。このため、「PCM、32ビット、fs」の左右各チャネルのデジタル音声データは、1つのスロットに格納可能であり、図3に示す例では、第17スロットおよび第18スロットに各々格納されている。なお、本実施形態にて、「PCM、32ビット、fs」の左右各チャネルのデジタル音声データを第17および第18スロットに割り当てたのは、1スロットに収まらないデジタル音声データについては後述するようにスロットの割り当て方に制約があり、これらに対するスロットの割り当てを優先的に行う必要があるからである。
これに対して、1つのスロットに収まらないデジタル音声データに対しては、複数のスロットが割り当てられる。例えば、「PCM、32ビット、4fs」のように4スロット必要となるデジタル音声データについては、連続する4つのスロット(図3では、第13〜第16スロット)が割り当られ、これら連続する4つのスロットをデータフレームの構成ビットの出力方向に沿って4等分して得られる各エリアに、図3に示すように、その出力方向に沿って4ビットずつ格納される。これは、4つのサンプルが等間隔に出力されるようにするためである。このようにすることで、アナログ回路20側では、特段のタイミング調整を行うことなく、「PCM、32ビット、4fs」のデジタル音声データをデータフレームSDOから読み出すことができる。
また、「PDM,64fs」のようにサンプリング周波数が32fsよりも大きくなっているデジタル音声データについては、前半と後半とに等分し、前半の各サンプルと後半のサンプルとが各々等間隔に現れるようにスロットの割り当てが行われる。このように前半の各サンプルと後半の各サンプルとが等間隔に出現するようにスロットの割り当てを行うのも、アナログ回路20側で読み出しタイミングの調整を行わないようにするためである。例えば、図3に示す例では、「PDM,64fs」の左チャネルのデジタル音声データについては、前半(0〜31サンプル)が第3スロットに、後半(32〜63サンプル)が第19スロットに割り当てられており、同右チャネルのデジタル音声データについては、前半が第4スロットに後半が第20スロットに割り当てられている。同様に、「4ビットDEM,64fs」のようにサンプリング周波数が32fsより大きく、k(kは2以上の整数)ビットのデジタル音声データについても、前半と後半とに分割し、前半と後半とが等間隔に表れるように各々連続するk個のスロットが割り当てられる。例えば、図3に示す例では、「4ビットDEM,64fs」の左チャネルのデジタル音声データについては、前半(0〜31サンプル)が第5〜第8スロットに、後半(32〜63サンプル)が第21〜第24スロットに割り当てられており、同右チャネルのデジタル音声データについては、前半が第9〜第12スロットに、後半が第25〜第28スロットに割り当てられている。
このように、データフレームSDOのフレーム構造を図3に示すようにすることで、異なる変調方式或いは異なる倍率でオーバーサンプリングされたデジタル音声データをデジタル回路10からアナログ回路20へ伝送し、特段のタイミング調整を行わなくともアナログ回路20側で各デジタル音声データを読み出すことが可能になる。そして、図3に示すように、後続するデータフレームの同期コードをずらすことで、デジタル音声データの各サンプルの出現間隔を変化させること(すなわち、サンプリング周波数fsを変化させること)もできるのである。
以上説明したように、本実施形態によれば、デジタル回路10とアナログ回路20との間のデータ伝送をLVDS方式で行うことにより、デジタル回路10とアナログ回路20とで各々異なる電源を用いること、およびシリアルクロックSCLKを高くしてデータ転送速度を向上させることが可能になる。また、本実施形態では、デジタル回路10とアナログ回路20との間の配線数を増加させることなく、入出力チャネル数を増加させることや様々な倍率のオーバーサンプリングに対応すること、多様な変調方式に対応すること、およびサンプリング周波数を可変とすること、すなわち、データ伝送の自由度を向上させることが可能になる。
加えて、本実施形態では、アナログ回路20側では、各スロットの構成ビットの変化タイミングとは異なる変化タイミングでデータが変化したことに基づいて同期コードを検出しデータフレームの境界を把握することができるため、フレーム境界を示すフレームクロックをデジタル回路10からアナログ回路20へ転送する必要はない。したがって、デジタル回路10とアナログ回路20との間の配線としては、データ入出力用の各1組とシリアルクロック用の1組とがあれば十分であり、AC−リンクに準拠した5本の配線の全てをLVDS対応にする場合に比較して配線数を少なくすることができる。
(B:変形)
以上本発明の一実施形態について説明したが、かかる実施形態に以下に述べる変形を加えても勿論良い。
(1)上述した実施形態では、ゲーム機などにおいて発音制御を行うサウンドデバイスに本発明を適用したが、例えば感圧センサや加速度センサ、磁気センサなどの各種センサの出力信号(アナログ信号)にA/D変換を施すアナログ回路と、このアナログ回路から出力されるデジタルデータ(上記出力信号にA/D変換を施して得られるデジタルデータ)を加工してホストCPUに与える処理等を実行するデジタル回路との間のデータ伝送に本発明を適用しても勿論良い。
以上本発明の一実施形態について説明したが、かかる実施形態に以下に述べる変形を加えても勿論良い。
(1)上述した実施形態では、ゲーム機などにおいて発音制御を行うサウンドデバイスに本発明を適用したが、例えば感圧センサや加速度センサ、磁気センサなどの各種センサの出力信号(アナログ信号)にA/D変換を施すアナログ回路と、このアナログ回路から出力されるデジタルデータ(上記出力信号にA/D変換を施して得られるデジタルデータ)を加工してホストCPUに与える処理等を実行するデジタル回路との間のデータ伝送に本発明を適用しても勿論良い。
(2)上述した実施形態では、デジタル回路10とアナログ回路20とを3組の配線で接続し、デジタル回路10からアナログ回路20へ転送するデータフレームSDO、アナログ回路20からデジタル回路10へ転送するデータフレームSDI、およびデジタル回路10からアナログ回路20へ転送するシリアルクロックSCLKの各々をLVDS方式で伝送した。しかし、AC-リンクと同様に5組のシリアル通信の各々をLVDS方式で行うようにしても勿論良い。
(3)上述した実施形態では、オーバーサンプリングフィルタ処理およびノイズシェーパ処理等の前処理をデジタル回路10側で実行した。このようにすることで、アナログ回路20の回路規模を小さくすることができるという利点があるが、これら前処理をデジタル回路10側で行うことは必ずしも必須ではなく、従来と同様にアナログ回路20側で行っても勿論良い。
1…マルチチップモジュール、10…デジタル回路、110A,110B…DSP、120…パラレル/シリアル変換部,230…シリアル/パラレル変換部、130A,130B,220…差動信号送信部、140,210A,210B…差動信号受信部、20…アナログ回路、240…DAC群、250…ADC群。
Claims (2)
- デジタル/アナログ変換を実行するアナログ回路へ、外部から受け取った1または複数種のデジタルデータをシリアル通信により送信するインタフェース回路において、
前記シリアル通信のビットレートに同期したデータサイズのデータフレームであって、各々格納対象のデジタルデータの種類が予め定められた複数のスロットに等分されるデータフレームのスロットのうちの該当するものに前記1または複数種のデジタルデータの各々を書き込み、各スロットの構成ビットが等間隔に送出されるようにインタリーブを施しつつ当該データフレームの構成ビットを出力するパラレル/シリアル変換部と、
前記パラレル/シリアル変換部の出力ビットのビット値を示す差動信号を前記アナログ回路へ送信する差動信号送信部と、
を有することを特徴とするインタフェース回路。 - 前記ビットレートに応じたシリアルクロックを前記アナログ回路へ伝達し、
前記パラレル/シリアル変換部は、前記データフレームにその先頭を示す所定ビット数の同期コードを付与し、前記シリアルクロックの立ち上がりまたは立ち下がりの何れか一方のタイミングで各デジタルデータの構成ビットを出力し、他方のタイミングで前記同期コードの構成ビットを出力する
ことを特徴とする請求項1に記載のインタフェース回路。
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2009
- 2009-05-12 JP JP2009115570A patent/JP2010268049A/ja active Pending
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