JP2015017672A - 車両用動力伝達装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】電動モータの動力を車両の駆動輪に伝達する車両用動力伝達装置において、電動モータにオイルを供給するための構造を低コストで実現する。
【解決手段】車両用動力伝達装置100は、電動モータ10のモータシャフト14に連結された入力シャフト111と、駆動輪20を駆動する出力シャフト120、入力シャフト111の回転速度を減じて出力シャフト120を回転させるための複数のギヤ113等とを有する減速機構110と、電動モータ10にオイルを供給するためのオイル供給機構130と、を備え、オイル供給機構130は、入力シャフト111よりも車両下方にオイルを貯留するオイル貯留部131と、減速機構110の複数のギヤ113等のうちオイル貯留部131のオイルに浸漬されるリングギヤ118と、を含み、当該オイルをリングギヤ118のギヤ歯により捕捉してギヤ回転時の遠心力により入力シャフト111に向けて飛散させるように構成した。
【選択図】図1
【解決手段】車両用動力伝達装置100は、電動モータ10のモータシャフト14に連結された入力シャフト111と、駆動輪20を駆動する出力シャフト120、入力シャフト111の回転速度を減じて出力シャフト120を回転させるための複数のギヤ113等とを有する減速機構110と、電動モータ10にオイルを供給するためのオイル供給機構130と、を備え、オイル供給機構130は、入力シャフト111よりも車両下方にオイルを貯留するオイル貯留部131と、減速機構110の複数のギヤ113等のうちオイル貯留部131のオイルに浸漬されるリングギヤ118と、を含み、当該オイルをリングギヤ118のギヤ歯により捕捉してギヤ回転時の遠心力により入力シャフト111に向けて飛散させるように構成した。
【選択図】図1
Description
本発明は、車両に搭載される動力伝達装置に関する。
下記特許文献1には、動力源としての電動モータの動力を車両の駆動輪に伝達する動力伝達装置の一例が開示されている。この動力伝達装置では、電動モータのモータシャフトの回転に伴って作動するオイルポンプが用いられており、このオイルポンプによってオイル溜まりからオイルを汲み上げて電動モータに供給する構造が採用されている。この構造によれば、オイルポンプから電動モータに供給されたオイルによってモータ発熱部の冷却やモータ摺動部の潤滑を行うことが可能になる。
上記の動力伝達装置では、電動モータにオイルを供給するために使用しているオイルポンプが装置コストを高める構成要素の1つになっている。そこで、この種の動力伝達装置の設計に際しては、このオイルポンプに代わる簡単な構造を利用して装置の低コスト化を図る要請がある。
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、その目的の一つは、電動モータの動力を車両の駆動輪に伝達する車両用動力伝達装置において、電動モータにオイルを供給するための構造を低コストで実現することである。
この目的を達成するために、本発明に係る車両用動力伝達装置は、電動モータの動力を車両の駆動輪に伝達するものであり、減速機構及びオイル供給機構を備える。減速機構は、電動モータのモータシャフトに連結された入力シャフトと、駆動輪を駆動する出力シャフトと、入力シャフトの回転速度を減じて出力シャフトを回転させるための複数のギヤとを有する。この場合、1つの電動モータに複数の駆動輪が割り当てられてもよいし、或いは1つの電動モータに1つの駆動輪が割り当てられてもよい。オイル供給機構は、電動モータにオイルを供給するためのものであり、入力シャフトよりも車両下方にオイルを貯留するオイル貯留部と、複数のギヤのうちオイル貯留部に貯留されたオイルに浸漬されるオイル浸漬と、を含み、当該オイルをオイル浸漬ギヤのギヤ歯によって捕捉してギヤ回転時の遠心力によって入力シャフトに向けて飛散させる。これにより、オイル浸漬ギヤから飛散して入力シャフトの高さに到達したオイルを、当該入力シャフトに連結されたモータシャフトを介して電動モータのモータ発熱部やモータ摺動部に供給することができる。このオイルはモータ発熱部における冷却作用やモータ摺動部における潤滑作用を発揮する。従って、この車両用動力伝達装置によれば、オイルポンプを用いることなく、減速機構を構成する既存のギヤを利用して電動モータにオイルを供給することが可能になる。その結果、電動モータへのオイル供給に関する部品点数を増やすことなく車両用動力伝達装置のコスト低減を図ることができる。
上記の車両用動力伝達装置では、減速機構は、出力シャフトの軸線上に配置されたリングギヤと、リングギヤから入力された駆動力を複数の駆動輪のそれぞれに対応する複数の出力シャフトに分配するための差動ギヤと、を含み、入力シャフトの車両下方に複数の出力シャフトが当該入力シャフトと平行状に配置されるように構成されるのが好ましい。また、オイル供給機構は、オイル浸漬ギヤとしてのリングギヤと、複数のギヤのうち車両上下方向に関し入力シャフトと複数の出力シャフトとの間に配置された被動ギヤとを含み、リングギヤから飛散したオイルを更に被動ギヤのギヤ回転時の遠心力によって入力シャフトに向けて飛散させるように構成されるのが好ましい。これにより、減速機構を構成する複数のギヤのうち差動ギヤに駆動力を入力するリングギヤに、オイル貯留部に貯留されたオイルを入力シャフトに向けて飛散させる機能を付与することができる。
上記の車両用動力伝達装置では、オイル供給機構は、車両上下方向に関し入力シャフトと複数の出力シャフトとの間にリングギヤから飛散したオイルを受けるためのオイル受け部を備え、被動ギヤはオイル受け部のオイルに浸漬され当該オイルをギヤ歯によって捕捉してギヤ回転時の遠心力によって入力シャフトに向けて飛散させるように構成されるのが好ましい。この場合、リングギヤ及び被動ギヤの協働によって二段階でオイルを入力シャフトに向けて飛散させることができる。従って、リングギヤの作用のみで入力シャフトの高さまで到達しなかったオイルを更なる被動ギヤの作用によって入力シャフトの高さまで確実に供給することが可能になる。特に、入力シャフトとオイル貯留部との高低差が比較的大きい場合に効果的である。
上記の車両用動力伝達装置では、減速機構は、オイル受け部の車両上方に設けられ入力シャフトの回転に連動して被動ギヤと一体回転する被動シャフトを備えるのが好ましい。また、オイル供給機構は、リングギヤから飛散したオイルをオイル受け部に誘導するために、被動シャフト孔及び被動シャフト側オイル導入手段を含むのが好ましい。被動シャフト孔は、被動シャフトの軸方向に貫通状に設けられたシャフト孔として構成される。被動シャフト側オイル導入手段は、被動シャフトを回転可能に支持するベアリング部に設けられリングギヤから飛散したオイルを被動シャフト孔に導入する機能を果たす。この被動シャフト側オイル導入手段は、典型的には被動シャフトのためのベアリング部に設けられた孔、溝、凹部、壁部等によって構成される。これにより、オイル受け部に誘導されるオイルの量を増やすことができ、このオイル受け部に浸漬された被動ギヤによって入力シャフトの高さまでオイルをより確実に供給することが可能になる。
上記の車両用動力伝達装置では、オイル供給機構は、入力シャフトの高さに到達したオイルをモータシャフトの外周のモータ発熱部に誘導するために、入力シャフト孔、入力シャフト側オイル導入手段及びオイル供給孔を含むのが好ましい。入力シャフト孔は、入力シャフトの軸方向に貫通状に設けられたシャフト孔として構成される。入力シャフト側オイル導入手段は、入力シャフトを回転可能に支持するベアリング部に設けられ入力シャフトの高さに到達したオイルを入力シャフト孔に導入する機能を果たす。この入力シャフト側オイル導入手段は、典型的には入力シャフトのためのベアリング部に設けられた孔、溝、凹部、壁部等によって構成される。オイル供給孔は、入力シャフト孔に連通してモータシャフトの軸方向及び径方向の少なくとも一方向に貫通状に設けられ入力シャフト孔を流通したオイルをモータ発熱部にオイルを供給する。これにより、入力シャフトの高さに到達した後に入力シャフト孔を流通してモータ発熱部に供給されるオイルの量を増やすことができ、このオイルによるモータ発熱部の冷却効果を高めることが可能になる。
以上のように、本発明によれば、電動モータの動力を車両の駆動輪に伝達する車両用動力伝達装置において、電動モータにオイルを供給するための構造を低コストで実現することが可能になった。
以下、本発明に係る一実施形態の車両用動力伝達装置(以下、「動力伝達装置」ともいう)について図面を参照しつつ説明する。図面において、車両右方及び車両左方をそれぞれ矢印X1及び矢印X2で示し、車両上方及び車両下方をそれぞれ矢印Y1及び矢印Y2で示し、また車両前方及び車両後方をそれぞれ矢印Z1及び矢印Z2で示している。車両に搭載される前の状態の動力伝達装置に対して、また車両に搭載された後の状態の動力伝達装置に対して、これらの方向を適用することができる。
図1に示す動力伝達装置100は、電動モータ10の動力を車両の駆動輪20,20に伝達するための装置である。この動力伝達装置100は、車両上下方向Y1,Y2の寸法が車両前後方向Z1,Z2の寸法を上回るような縦置き型であり、車両前後方向Z1,Z2の寸法を抑えるのに有効である。この動力伝達装置100は、減速機構110を収容するためのハウジング101を備え、またこのハウジング101に電動モータ10が固定されている。
電動モータ10は、車両走行のための動力源としての電動機であり、モータケース11内にステータ12、ロータ13及びモータシャフト14を収容している。この電動モータ10の作動状態では、固定子としてのステータ12に対して回転子としてのロータ13がモータシャフト14とともに回転する。この場合、特に図示しないものの、制御装置によってインバータが制御されることで電動モータ10のモータシャフト14の出力トルクが制御される。このモータシャフト14の出力トルクは、減速機構110を介して車両の駆動輪20,20に伝達される。また、モータシャフト14には、後述のオイル供給機構130によってステータ12及びロータ13にオイルを供給するためのモータシャフト孔14a及び連通孔14bが設けられている。モータシャフト孔14aはモータシャフト14内を軸方向に延在している。連通孔14bはモータシャフト孔14aをモータシャフト14の外部領域に連通させるようにモータシャフト14の径方向に延在している。
図1及び図2に示すように、減速機構110は、入力シャフト111、被動シャフト114、出力シャフト120,120及び複数のギヤを有し、入力シャフト111の回転速度を減じて出力シャフト120,120を回転させる機能を果たす。この減速機構110が本発明の「減速機構」に相当する。
入力シャフト111は、モータシャフト14に同軸状に連結され、そのシャフト両端部に割り当てられたベアリング部112,112を介してハウジング101に回転可能に支持されている。各ベアリング部112は、ベアリング112a及びベアリングハウジング112bを含む。入力シャフト111は、電動モータ10の作動時にモータシャフト14と同軸で回転する。この入力シャフト111には入力ギヤ113が設けられており、入力ギヤ113が入力シャフト111と一体回転するように構成されている。また、入力シャフト111には、モータシャフト14のモータシャフト孔14aに連通する入力シャフト孔111aが設けられている。この入力シャフト孔111aは、入力シャフト111の軸方向に貫通状に設けられている。この入力シャフト孔111aが本発明の「入力シャフト孔」に相当する。
被動シャフト114は、入力シャフト111の車両下方に且つ出力シャフト120,120の車両上方に、入力シャフト111及び出力シャフト120,120と平行状に配置されている。この被動シャフト114は、そのシャフト両端部に割り当てられたベアリング部115,115を介してハウジング101に回転可能に支持されている。各ベアリング部115は、ベアリング115a及びベアリングハウジング115bを含む。この被動シャフト114には軸方向の異なる位置に被動ギヤ116,117がそれぞれ設けられており、これら被動ギヤ116,117が被動シャフト114と一体回転するように構成されている。これら被動ギヤ116,117は、車両上下方向に関し入力シャフト111と出力シャフト120,120との間に配置されている。被動ギヤ116は、入力シャフト111の入力ギヤ113とギヤ係合している。従って、入力シャフト111の駆動力(回転トルク)は、入力ギヤ113及び被動ギヤ116を介して被動シャフト114に伝達される。また、この被動シャフト114には、当該被動シャフト114の軸方向に被動シャフト孔114aが貫通状に設けられている。この被動シャフト孔114aが本発明の「被動シャフト孔」に相当する。
各出力シャフト120は、対応する駆動輪20を駆動するものであり、一方の端部が差動ギヤ119を介してリングギヤ118に接続され、且つ他方の端部が対応する駆動輪20に接続されている。リングギヤ118は各出力シャフトの軸線上に配置されている。また、リングギヤ118は被動シャフト114の被動ギヤ117とギヤ係合している。このリングギヤ118が本発明の「オイル浸漬ギヤ」及び「リングギヤ」に相当する。差動ギヤ119は、リングギヤ118から入力された駆動力(回転トルク)を駆動輪20,20のそれぞれに対応する出力シャフト120,120に分配する機能を果たす。この差動ギヤ119が本発明の「差動ギヤ」に相当する。従って、被動シャフト114の駆動力(回転トルク)は、被動ギヤ117及びリングギヤ118を介して差動ギヤ119に伝達され、この差動ギヤ119において各出力シャフト120に分配される。その結果、電動モータ10の動力は、減速機構110を介して車両の駆動輪20,20に伝達される。
上記の動力伝達装置100は、電動モータ10にオイルを供給するためのオイル供給機構130を備えている。このオイル供給機構130が本発明の「オイル供給機構」に相当する。このオイル供給機構130は、入力シャフト111よりも車両下方にオイルを貯留するオイル貯留部131と、減速機構110を構成する複数のギヤ113,116,117,118,119のうちのリングギヤ118とを構成要素としている。リングギヤ118の下部は、オイル貯留部131に貯留されたオイルに浸漬されている。このため、図2に示すように、減速機構110の作動時にリングギヤ118が回転すると、このリングギヤ118は、そのギヤ歯でオイルを掻き上げることによって捕捉してギヤ回転時の遠心力によって入力シャフト111に向けて当該オイルを飛散させる。これにより、例えば車両上方に向けて重力に抗して矢印A1方向のオイル流れが形成される。このオイルには、リングギヤ118の遠心力のみによって入力シャフト111の高さまで直接的に到達する第1グループのオイルと、リングギヤ118及び被動ギヤ116の協働による双方の遠心力によって入力シャフト111の高さまで二段階で到達する第2グループのオイルが含まれる。
第2グループのオイルに関して、オイル供給機構130は更に被動シャフト114の被動ギヤ116とオイル受け部132とを構成要素としている。この被動ギヤ116は、リングギヤ118から飛散して当該被動ギヤ116の高さに到達したオイルを更にギヤ回転時の遠心力によって直接的に入力シャフト111に向けて飛散させる。或いは、この被動ギヤ116は、被動シャフト114の車両下方に配置されたオイル受け部132に一時的に溜められたオイルをそのギヤ歯で掻き上げることによって捕捉してギヤ回転時の遠心力によって入力シャフト111に向けて飛散させる。この被動ギヤ116が本発明の「被動ギヤ」に相当する。この場合、被動ギヤ116はオイル受け部132に貯留されたオイルに浸漬されるギヤであり、この被動ギヤ116をリングギヤ118と同様に「オイル浸漬ギヤ」ということもできる。これにより、例えば車両上方に向けて重力に抗して矢印A2方向のオイル流れが形成される。この場合、オイル受け部132は、車両上下方向に関し入力シャフト111と出力シャフト120,120との間に設けられリングギヤ118から飛散したオイルを受ける機能を果たす。このオイル受け部132が本発明の「オイル受け部」に相当する。
このオイル供給機構130によれば、電動モータ10のモータシャフト14の回転に伴って作動するようなオイルポンプを用いることなく、減速機構110を構成する既存のギヤを利用して入力シャフト111の高さまでオイルを供給することが可能になる。これにより、入力シャフト111の高さに到達したオイルを、当該入力シャフト111に連結されたモータシャフト14を介して電動モータ10のモータ発熱部(ステータ12、ロータ13等)やモータ摺動部に供給することができる。このオイルはモータ発熱部における冷却作用やモータ摺動部における潤滑作用を発揮する。その結果、電動モータ10へのオイル供給に関する部品点数を増やすことなく動力伝達装置100のコスト低減を図ることができる。また、減速機構110を構成する複数のギヤ113,116,117,118,119のうち差動ギヤ119に駆動力を入力するリングギヤ118に、オイル貯留部131に貯留されたオイルを入力シャフト111に向けて飛散させる機能を付与することができる。また、リングギヤ118及び被動ギヤ116の協働によって二段階でオイルを入力シャフト111に向けて飛散させることができる。従って、リングギヤ118の作用のみで入力シャフト111の高さまで到達しなかったオイルを更なる被動ギヤ116の作用によって入力シャフト111の高さまで確実に供給することが可能になる。特に、入力シャフト111とオイル貯留部131との高低差が比較的大きい場合に効果的である。
上記のオイル供給機構130は、図3が参照されるように、更にオイル受け部132にオイルを誘導するためのオイル誘導構造を備えるのが好ましい。このオイルオイル誘導構造を構成する構成要素として孔、溝、凹部、壁部等を用いることができる。この構成要素の具体例として、前述の被動シャフト孔114aと、ベアリング部115のベアリングハウジング115bに設けられたオイル誘導壁115c及びオイル導入孔115dからなる被動シャフト側オイル導入手段と、を用いることができる。オイル誘導壁115cは、ベアリングハウジング115bの外周から水平方向に延出する板片によって構成されている。オイル導入孔115dは、リングギヤ118から飛散したオイルが被動シャフト孔114aに積極的に導入されるようにベアリングハウジング115bに開口形成されている。これにより、リングギヤ118の遠心力によって飛散したオイルは、水平方向に延在するオイル誘導壁115cの上面に沿って水平方向に流れた後、オイル導入孔115dを通じて被動シャフト114の一方の端部から被動シャフト孔114aに導入される。この場合、例えば図3中の矢印B1方向のオイル流れが形成される。その後、被動シャフト孔114aを流通したオイルは、被動シャフト114の他方の端部からオイル受け部132の上方に向けて流出する。この場合、例えば図3中の矢印B2方向のオイル流れが形成される。これにより、オイル受け部132に誘導されるオイルの量を増やすことができ、このオイル受け部132に浸漬された被動ギヤ116によって入力シャフト111の高さまでオイルをより確実に供給することが可能になる。
また上記のオイル供給機構130は、図4が参照されるように、更に入力ギヤ113の高さに到達したオイルをモータシャフト14の外周のモータ発熱部(ステータ12、ロータ13等)に誘導するためのオイル誘導構造を備えるのが好ましい。このオイルオイル誘導構造を構成する構成要素として孔、溝、凹部、壁部等を用いることができる。この構成要素の具体例として、前述の入力シャフト孔111aと、ベアリング部112のベアリングハウジング112bに設けられたオイル誘導壁112c及びオイル導入孔112dからなる入力シャフト側オイル導入手段と、前述のモータシャフト孔14a及び連通孔14bからなるオイル供給孔と、を用いることができる。オイル誘導壁112cは、ベアリングハウジング112bの外周から垂直方向に延出する板片によって構成されている。オイル導入孔112dは、入力ギヤ113の高さに到達したオイルが入力シャフト孔111aに積極的に導入されるようにベアリングハウジング112bに開口形成されている。これにより、例えば被動ギヤ116の遠心力によって入力シャフト111の高さに到達したオイルは、垂直方向に延在するオイル誘導壁112cの側面に沿って下向きに流れた後、オイル導入孔112dを通じて入力シャフト111の一方の端部から入力シャフト孔111aに導入される。この場合、例えば図4中の矢印A3方向のオイル流れ及び矢印A4方向のオイル流れが形成される。その後、入力シャフト孔111aを流通したオイルは、モータシャフト孔14a及び連通孔14bを順次流通してモータ発熱部に供給される。これにより、モータ発熱部に供給されるオイルの量を増やすことができ、このオイルによるモータ発熱部の冷却効果を高めることが可能になる。また、このオイルによってモータ摺動部の潤滑が可能になる。
入力シャフト111の高さに到達して電動モータ10のモータ発熱部やモータ摺動部に供給された後のオイルや、入力シャフト111の高さに到達しなかったオイルは、重力にしたがってオイル貯留部131に向けて車両下方へと流下し、このオイル貯留部131に再び貯留される。その結果、オイル貯留部131から電動モータ10を経て再びオイル貯留部131に戻るオイルの循環流れが形成される。
本発明は、上記の典型的な実施形態のみに限定されるものではなく、種々の応用や変形が考えられる。例えば、上記実施の形態を応用した次の各形態を実施することもできる。
上記の実施形態では、縦置き型の動力伝達装置100について記載したが、図5に示すような横置き型の動力伝達装置200に本発明を適用することもできる。図5において図2に示す要素と同一の要素には同一の符号を付している。この動力伝達装置200は、車両上下方向Y1,Y2の寸法が車両前後方向Z1,Z2の寸法を下回るように構成されており、車両上下方向Y1,Y2の寸法を抑えるのに有効である。この動力伝達装置200によれば、オイルポンプを用いることなく、オイル貯留部131に貯留されたオイルに浸漬された既存のリングギヤ118のギヤ歯によって当該オイルを捕捉してギヤ回転時の遠心力によって入力シャフト111に向けて飛散させることができる。これにより、図5中の例えば矢印C1方向のオイル流れ及び矢印C2方向のオイル流れが形成される。この場合、動力伝達装置200は、動力伝達装置100に比べて入力シャフト111とオイル貯留部131との高低差が小さいため、オイル受け部132に相当する部位を省略することができる。
また上記の実施形態では、減速機構110の複数のギヤ113,116,117,118,119のうちリングギヤ118及び被動ギヤ116を利用して電動モータ10に供給する場合について記載したが、本発明ではオイル供給にかかるギヤを減速機構の複数のギヤの中から種々選択することができる。
また本発明では、電動モータ10への所望のオイル供給量が確保できる場合には、被動ギヤ116のためのオイル受け部132、オイル受け部132にオイルを誘導するためのオイル誘導構造(図3参照)、入力ギヤ113の高さに到達したオイルをモータシャフト14の外周のモータ発熱部に誘導するためのオイル誘導構造(図4参照)の少なくとも1つを省略することもできる。
また上記の実施形態では、1つの電動モータ10に2つの駆動輪20,20が割り当てられる場合について記載したが、本発明では、1つの電動モータ10に1つの駆動輪が割り当てられる形態や、1つの電動モータ10に3つ以上の駆動輪が割り当てられる形態を採用することもできる。また、これらの場合、駆動輪は少なくとも電動モータを駆動源としていればよく、電気自動車のように電動モータのみを駆動輪の駆動源とする形態のみならず、ハイブリッド車のように電動モータ及び内燃機関(エンジン)の双方を駆動輪の駆動源とする形態を採用することもできる。
10…電動モータ、11…モータケース、12…ステータ、13…ロータ、14…モータシャフト、14a…シャフト孔、14b…連通孔、20…駆動輪、100…車両用動力伝達装置、101…ハウジング、110…減速機構、111…入力シャフト、111a…シャフト孔、112…ベアリング部、112a…ベアリング、112b…ベアリングハウジング、112c…オイル誘導壁、112d…オイル導入孔、113…入力ギヤ、114…被動シャフト、115…ベアリング部、115a…ベアリング、115b…ベアリングハウジング、115c…オイル誘導壁、115d…オイル導入孔、116,117…被動ギヤ、118…リングギヤ、119…差動ギヤ、120…出力シャフト、130…オイル供給機構、131…オイル貯留部、132…オイル受け部、200…車両用動力伝達装置
Claims (5)
- 電動モータの動力を車両の駆動輪に伝達するための車両用動力伝達装置であって、
前記電動モータのモータシャフトに連結された入力シャフトと、前記駆動輪を駆動する出力シャフトと、前記入力シャフトの回転速度を減じて前記出力シャフトを回転させるための複数のギヤとを有する減速機構と、
前記電動モータにオイルを供給するためのオイル供給機構と、
を備え、
前記オイル供給機構は、前記入力シャフトよりも車両下方にオイルを貯留するオイル貯留部と、前記減速機構の前記複数のギヤのうち前記オイル貯留部に貯留された前記オイルに浸漬されるオイル浸漬ギヤとを含み、当該オイルを前記オイル浸漬ギヤのギヤ歯によって捕捉してギヤ回転時の遠心力によって前記入力シャフトに向けて飛散させる、車両用動力伝達装置。 - 請求項1に記載の車両用動力伝達装置であって、
前記減速機構は、前記出力シャフトの軸線上に配置されたリングギヤと、前記リングギヤから入力された駆動力を複数の前記駆動輪のそれぞれに対応する複数の前記出力シャフトに分配するための差動ギヤとを含み、前記入力シャフトの車両下方に複数の前記出力シャフトが当該入力シャフトと平行状に配置され、
前記オイル供給機構は、前記オイル浸漬ギヤとしての前記リングギヤと、前記複数のギヤのうち車両上下方向に関し前記入力シャフトと複数の前記出力シャフトとの間に配置された被動ギヤとを含み、前記リングギヤから飛散したオイルを更に前記被動ギヤのギヤ回転時の遠心力によって前記入力シャフトに向けて飛散させる、車両用動力伝達装置。 - 請求項2に記載の車両用動力伝達装置であって、
前記オイル供給機構は、車両上下方向に関し前記入力シャフトと複数の前記出力シャフトとの間に前記リングギヤから飛散したオイルを受けるためのオイル受け部を備え、前記被動ギヤは前記オイル受け部のオイルに浸漬され当該オイルをギヤ歯によって捕捉してギヤ回転時の遠心力によって前記入力シャフトに向けて飛散させる、車両用動力伝達装置。 - 請求項3に記載の車両用動力伝達装置であって、
前記減速機構は、前記オイル受け部の車両上方に設けられ前記入力シャフトの回転に連動して前記被動ギヤと一体回転する被動シャフトを備え、
前記オイル供給機構は、前記リングギヤから飛散したオイルを前記オイル受け部に誘導するために、前記被動シャフトの軸方向に貫通状に設けられた被動シャフト孔と、前記被動シャフトを回転可能に支持するベアリング部に設けられ前記リングギヤから飛散したオイルを前記被動シャフト孔に導入する被動シャフト側オイル導入手段と、を含む、車両用動力伝達装置。 - 請求項1〜4のうちのいずれか一項に記載の車両用動力伝達装置であって、
前記オイル供給機構は、前記入力シャフトの高さに到達したオイルを前記モータシャフトの外周のモータ発熱部に誘導するために、前記入力シャフトの軸方向に貫通状に設けられた入力シャフト孔と、前記入力シャフトを回転可能に支持するベアリングに設けられ前記入力シャフトの高さに到達したオイルを前記入力シャフト孔に導入する入力シャフト側オイル導入手段と、前記入力シャフト孔に連通して前記モータシャフトの軸方向及び径方向の少なくとも一方向に貫通状に設けられ前記入力シャフト孔を流通したオイルを前記モータ発熱部に供給するオイル供給孔と、を含む、車両用動力伝達装置。
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