JP2015017151A - 洗浄剤組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】様々な領域において微生物ならびに微生物産生物質からなるバイオフィルムを効果的に除去する洗浄剤組成物を提供する。【解決手段】下記3成分(a)アルキルジアミノエチルグリシン等の両性界面活性剤、(b)ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル又はその塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、ポリオキシエチレンアルキルスルホコハク酸塩、ポリオキシエチレン脂肪酸アミドエーテル硫酸塩からなる群より選ばれる1種以上の陰イオン界面活性剤(c)プロテアーゼ、を主成分として含有し、かつ(a)成分と(b)成分の配合比率が重量比で(a)成分/(b)成分=99/1〜25/75であるもの。【選択図】図1

Description

本発明は、洗浄剤組成物に関するものであり、より詳細には、微生物が関与するさまざまな分野において、高い洗浄作用を有し、特にバイオフィルムを効果的に除去し、バイオフィルムに起因する危害を防止するための洗浄剤組成物に関する。
バイオフィルムは生物膜やスライムとも言われ、一般に、水系において微生物が物質表面に付着・増殖することによって細胞外多糖(Extracellular polysaccharides、EPS)やタンパク質などの高分子物質を産生して構造体を形成したものを指す。バイオフィルム中の微生物は、遊離状態と比較して、乾燥や殺菌剤など種々のストレスに対する抵抗性が高いことから、医療や食品、その他多くの産業分野で様々な問題を引き起こしている。
医療分野では、内視鏡、カテーテルや人工関節などの医療用デバイス、透析チューブ、コンタクトレンズに形成したバイオフィルムが多種多様な微生物感染症(例えば、尿路感染症、カテーテル感染症、中耳感染症、角膜感染症など)やエンドトキシンなどの微生物由来成分による副作用に関与することがわかっている。
口腔内では、歯の表面に形成したバイオフィルム、いわゆるデンタルプラーク(歯垢)がう蝕や歯周病など様々な疾患の原因となっており、また、義歯などの補綴物に形成したバイオフィルムは、義歯性口内炎や誤嚥性肺炎などの原因となることがわかっている。
食品分野では、製造ラインや加工原料に形成したバイオフィルムが食品の腐敗や食中毒を引き起こし、また、産業分野では、冷却塔や循環式浴槽に形成したバイオフィルムによるレジオネラ症の発生が問題となっている。更に、種々の水系配管ではバイオフィルムにより配管閉塞や金属腐食等の問題が起こっている。
これらのバイオフィルムは、多様な微生物[グラム陽性またはグラム陰性細菌 (好気性または嫌気性)、藻類、原生動物、酵母、糸状菌など]によって形成されることがわかっており、代表的な微生物としては、Pseudomonas(シュードモナス)、Staphylococcus(スタフィロコッカス)、Methylobacterium(メチロバクテリウム)、Klebsiella(クレブシエラ)、Echerichia(エシェリキア)、Fusariumu(フサリウム)、Streptococcus(ストレプトコッカス)、Enterococcus(エンテロコッカス)、Candida(ガンジダ)、Listeria(リステリア)、Lactobacillus(ラクトバチルス)などが知られている。
これまでバイオフィルムの危害を防止するためには、微生物、特に細菌に対して殺菌作用もしくは静菌作用を与えることによって菌を増殖させない考え方が一般的に検討されてきた。特許文献1には、アルギニンの塩酸塩、アルギニンエチルエステル、アルギニングルタミン酸などのアルギニンまたはその誘導体と抗菌活性を示す化合物を配合した抗菌製剤が記載されているが、その効果はまだ満足できるものではなく、また、この文献は微生物集合体に対する抗菌効果を示したものであり、バイオフィルムの除去を目的としたものではない。バイオフィルムを除去する方法として、殺菌剤を用いる方法、キレート剤を用いる方法、酵素を用いる方法などが試みられており、特許文献2では次亜塩素酸塩、アルカリ金属水酸化物と界面活性剤を組み合わせて使用する方法が、特許文献3では酵素を利用した方法が、特許文献4ではプロテアーゼと界面活性剤を組み合わせて使用する方法が開示されているが、いずれの方法においても効果的にバイオフィルムを除去するには至っておらず、いまだに大きな課題となっている。
特開平8−151324号公報 特開2005−75873号公報 特表2001−508677号公報 特開平06−262165号公報
従って、本発明の目的は、様々な領域において微生物ならびに微生物産生物質からなるバイオフィルムを効果的に除去する洗浄剤組成物を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、驚くべきことに、下記化学式(1)又はその塩で表される1種以上の両性界面活性剤とポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、ポリオキシエチレンアルキルスルホコハク酸塩、ポリオキシエチレン脂肪酸アミドエーテル硫酸塩からなる群より選ばれる1種以上の陰イオン界面活性剤を特定の比率で配合したものをプロテアーゼと組み合わせて使用することで、バイオフィルムを効果的に除去できることを見出し、本発明をなすに至った。
Figure 2015017151
[式中、R1は炭素数4〜18アルキル基、R2は水素原子又は炭素数4〜18のアルキル基、mは1〜4の整数、nは0、1または2]
本発明では、特許文献4に示されるプロアテーゼ類と界面活性剤の組み合わせに比べ、著しく高いバイオフィルム除去効果を発揮する。更に、上記微生物により形成される様々なバイオフィルムを効果的に除去することができる。
本発明は、洗浄剤組成物としての一般的な特性(例えば、血液、組織液、唾液、卵、牛乳、米、動植物油などのタンパク質、脂質、糖質成分を単独または複合的に含む汚れ、石油やパラフィンなどの鉱物油汚れ、炭酸カルシウムやカーボンブラックなどの固体汚れに対する洗浄除去効果)を有しており、更には、バイオフィルム除去に極めて有効な洗浄剤組成物である。
以下、本発明につきさらに詳しく説明する。
本発明で用いる(a)成分は、上記化学式(1)又はその塩で表される両性界面活性剤であり、R1が炭素数4〜18、好ましくは6〜16の直鎖もしくは分岐のあるアルキル基であり、R2は水素原子又は炭素数が4〜18、好ましくは6〜16の直鎖もしくは分岐のあるアルキル基である。該アルキル基として直鎖アルキル(ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ラウリル基、ミリスチル基、パルミチル基、ステアリル基、ヤシ油アルキル基など)と分岐アルキル基(2−エチルヘキシル基、2−メチルノニル基など)が挙げられる。これらのうち好ましいものは、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ラウリル基、ミリスチル基、パルミチル基、ヤシ油アルキル基および2−エチルヘキシル基であり、さらに好ましいものオクチル基、デシル基、ラウリル基、ミリスチル基、ヤシ油アルキル基である。
化学式(1)中のmは、通常1〜4の整数であり、好ましくは1又は2である。nは、0、1又は2であり、好ましくは0又は1である。
化学式(1)又はその塩で示される具体例としては、R1とR2が炭素数6〜10の直鎖又は分岐のあるアルキル基であり、mとnが1又は2であるもの、例えば、ジヘキシルジアミノエチルグリシン、ジヘキシルアミノエチル(ジアミノエチルグリシン)、ジヘキシルジアミノエチル(ジアミノエチルグリシン)、ジオクチルジアミノエチルグリシン、ジオクチルアミノエチル(ジアミノエチルグリシン)、ジオクチルジアミノエチル(ジアミノエチルグリシン)、ジ(2−エチルヘキシル)ジアミノエチルグリシン、ジ(2−エチルヘキシル)アミノエチル(ジアミノエチルグリシン)、ジデシルジアミノエチルグリシン、ジデシルアミノエチル(ジアミノエチルグリシン)、ジデシルジアミノエチル(ジアミノエチルグリシン)及びこれらの塩が挙げられる。
また、R1が炭素数10〜14の直鎖又は分岐のアルキル基で、R2が水素原子であり、mが1〜4の整数で、nが0であるもの、例えば、デシルジアミノエチルグリシン、ラウリルジアミノエチルグリシン、ヤシ油アルキルジアミノエチルグリシン、ミリスチルジアミノエチルグリシン及びこれらの塩が挙げられる。さらに、これら2種以上の混合物が挙げられる。
本発明では、これらのうち、ジオクチルジアミノエチルグリシン、ジオクチルアミノエチル(ジアミノエチルグリシン)、ジオクチルジアミノエチル(ジアミノエチルグリシン)、ラウリルジアミノエチルグリシン、ミリスチルジアミノエチルグリシン、ヤシ油アルキルジアミノエチルグリシン及びこれらの塩が好ましく、ラウリルジアミノエチルグリシン、ミスチルジアミノエチルグリシン、ヤシ油アルキルジアミノエチルグリシン及びこれらの塩がより好ましい。
上記塩としては、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩、塩酸塩などが挙げられる。
上記市販品としては、レボンLAG−40(三洋化成工業社製)、レボンS(三洋化成工業社製)、レボン50(三洋化成工業社製)、ニッサンアノンLG−R(日本油脂社製)などが挙げられる。これらは1種又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明で用いる(b)成分は、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル又はその塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、ポリオキシエチレンアルキルスルホコハク酸塩、ポリオキシエチレン脂肪酸アミドエーテル硫酸塩からなる群より選ばれる1種以上のアニオン界面活性剤である。これらのアルキル基は、飽和または不飽和のいずれともすることができ、さらに直鎖状または分岐状のいずれともすることができる。
ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩とポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩とポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩とポリオキシエチレンアルキルスルホコハク酸塩とポリオキシエチレン脂肪酸アミドエーテル硫酸塩のエチレンオキサイドの付加モル数は、1〜10が好ましく、特に2〜5が好ましい。また、アルキル基の炭素数は8〜20が好ましく、10〜16がより好ましい。
ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル又はその塩は、モノエステル体、ジエステル体又はそれらの混合物が好ましく、溶解性の観点から、モノエステル体を60重量%以上含むものが好ましい。
上記塩としては、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩、アンモニウム塩、アルカノールアミン塩等が挙げられる。
(b)成分の具体例としては、ポリオキシエチレン(3)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム、モノ〔ポリオキシエチレン(3)ラウリル〕エーテルリン酸塩、ポリオキシエチレン(4.5)ラウリルエーテル酢酸ナトリウム、ポリオキシエチレン(3)アルキル(2〜14)スルホコハク酸2ナトリウム、ポリオキシエチレン(3)ヤシ脂肪酸アミドエーテル硫酸塩等が挙げられる。尚、これらの化合物の( )内の数値はエチレンオキサイドの平均付加モル数を意味する。
本発明で用いる(b)成分は、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩が好ましく、この内、アルキル基炭素数12のポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸塩がより好ましい。
前記ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸塩としては、特に制限はなく市販品を用いることができ、具体的には、ビューライトNA−25S(三洋化成工業社製)、サンデッドEND(三洋化成工業社製)、ハイテノール227L(第一工業製薬社製)を挙げることができる。
本発明の洗浄剤組成物は、(a)成分と(b)成分の特定比率での配合が必須であり、その配合比率は、重量比で(a)成分/(b)成分=99/1〜25/75が好ましく、99/1〜45/55がより好ましく、98/2〜55/45がさらに好ましい。
上記範囲を外れると、(a)成分と(b)成分の相乗効果が十分に発現されず、目的とするバイオフィルム除去効果が得られない。
前記(a)成分と(b)成分の合計濃度は、洗浄剤組成物全体に対して、0.01〜50重量%が好ましく、0.01〜30重量%がより好ましい。0.01重量%未満であると充分なバイオフィルム除去効果が得られない場合があり、50重量%を超えると、配合量の増加に見合ったバイオフィルム除去効果の向上が得られない場合がある。
本発明の(c)成分であるプロテアーゼは、通常用いられているものであれば特に限定されないが、例えば、スブチリシンE、スブチリシンBPN’、キモトリプシン、トリプシン、エラスターゼなどのセリンプロテアーゼ;ペプシン、キモシン、カプテシンDなどのアスパラギン酸プロテアーゼ;パパイン、カスパーゼ、プロメライン、カテプシンBなどのシステインプロテアーゼ、サーモリシン、コラーゲナーゼ、カルボキシペプチターゼAおよびBなどのメタロプロテアーゼ;アミノペプチターゼが挙げられ、この中でも、セリンプロテアーゼが好ましい。
これらのプロテアーゼは、洗浄効果の点からアルカリ性領域(pH8〜12程度)に作用至適pHを有するアルカリプロテアーゼが好ましい。
本発明に用いるアルカリプロテアーゼは、Bacillus属細菌由来のスブチリシンが好ましく、また、スブチリシンとしては、Bacillus属細菌より分泌される野生型でも、タンパク質工学により特性(触媒活性、基質特異性、至適pHまたは温度、安定性など)を改変した変異型のいずれを用いても良い。
入手可能な市販のプロテアーゼとしては、例えば、ノボザイム社製のLiquanase(リカナーゼ)、Alcalase(アルカラーゼ)、Everlase(エバラーゼ)、Savinase(サビナーゼ)、Kannase(カンナーゼ)、Esperaze(エスペラーゼ);ジェネンコア社製のMaxacal(マクサカル)、Purafect(プラフェクト)、Properase(プロペラーゼ);花王社製のKAPなどが挙げられ、これらの中で、リカナーゼ、アルカラーゼ、サビナーゼ、プロペラーゼが好ましい。これらのプロテアーゼは、1種又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
プロテアーゼの配合量は、力価に応じて適宜調整されるが、バイオフィルム除去効果および組成物の保存安定性の観点から、組成物全体に対して0.01〜30重量%が好ましく、0.01〜15重量%がより好ましい。配合量が0.01%未満ではバイオフィルムに対する除去効果が十分に発揮されない場合があり、30重量%を超えると配合量の増加に見合ったバイオフィルム除去効果の向上が得られない場合がある。
本発明の洗浄剤組成物は、25℃におけるpHが9.0以上であることが好ましく、pH9.0〜11.0がより好ましい。
pH9.0を下回ると目的とするバイオフィルム除去効果が低減し、また、pH11.0を超えた場合、取扱時の危険性が増したり、金属材料を腐食する等の問題を生起する場合があり、好ましくない。
上記pHに調整するためのpH調整剤としては、アルカリ金属水酸化物、炭酸塩、クエン酸又はその塩、リン酸又はその塩、アルカノールアミン、珪酸塩等が挙げられる。これらのpH調整剤は、1種又は2種以上組み合わせて用いてもよい。これらpH調整剤の配合量は、pHを上記範囲に調整できればよい。
本発明の洗浄剤組成物の剤型としては、用途、目的に応じて、水、プロピレングリコール、グリセリンなどの溶剤に溶かした液体、あるいは固体、ゲル状、乳化・分散状態、粉末状、エアゾール等が挙げられ、これらから適宜選択することができ、作用濃度に合わせた製品形態はもちろんのこと、高濃度の製品形態にしておき、使用場面において希釈することも可能である。
<その他の成分>
本発明の洗浄剤組成物は、予め高濃度の液体製剤として調製する場合、保管中における成分(c)の酵素活性低下を防止し、その効果を維持する目的で酵素安定化剤を用いることができる。酵素安定化剤としては、ホウ酸又はその塩、ホウ砂、ボロン酸又はその塩、フェニルボロン酸又はその塩、特表平11-507680記載のフェニルボロン酸誘導体(例えば4−ホルミルフェニルボロン酸又はその塩)などのホウ素化合物、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、エリスリトール、キシリトール、ソルビトールなどのポリオール類、ギ酸又はその塩、酢酸又はその塩などの短鎖のカルボニル化合物、酢酸カルシウム、塩化カルシウム、グルコン酸カルシウムなどの水溶性カルシウム化合物が挙げられ、これらの酵素安定化剤から1種類以上を選択して使用することができる。
これらの中で好ましいのは、ホウ砂、ポリオール類、ギ酸又はその塩、水溶性カルシウム化合物であり、更に好ましいのは、ホウ砂、ポリオール類である。特に、ホウ砂とポリオールを併用して用いることが好ましい。酵素安定化剤の配合量は、液体製剤の場合、5〜70重量%が好ましく、10〜70重量%がより好ましく、20〜60重量%が更に好ましい。
ホウ砂は、酵素活性部位との結合により酵素を安定化しているため、使用時には、この結合を切断し酵素活性を戻す必要がある。通常、水等で希釈することによりホウ砂濃度が低下し、これにより結合が切断されるが、ホウ砂濃度が高い場合、一部結合が残るため、本来の酵素活性が得られず、バイオフィルム除去効果が低下する。
このため、洗浄剤組成物中のホウ砂配合量は、実用液中において0.05重量%以下が好まく、0.03重量%以下がより好ましい。
本発明の洗浄剤組成物は、更に、目的とする機能を損なわない範囲で、(a)成分、(b)成分以外の界面活性剤、(c)成分以外の酵素、キレート剤、緩衝剤、殺菌剤、消泡剤等を配合することができる。
(a)成分、(b)成分以外の界面活性剤として、非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、両性界面活性剤、陽イオン界面活性剤を配合することができ、この中でも、バイオフィルム除去効果の向上および酵素保存安定性への影響の観点から非イオン界面活性剤が好ましい。
非イオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレン(以下、POEとも記す)アルキルエーテル、POEアルキルフェニルエーテル、POEアリールフェニルエーテル、POEスチレン化フェニルエーテル、POEトリベンジルフェニルエーテル等の1価アルコール誘導体型非イオン性界面活性剤、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、POEソルビタン脂肪酸エステル、アルキルポリグリコシド、脂肪酸アルカノールアミド等の多価アルコール誘導体型非イオン性界面活性剤等が挙げられ、この中でも、POEアルキルエーテルが好ましい。
陰イオン性界面活性剤としては、リグニンスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、アルキル硫酸塩、アルキルフェニルエーテルスルホン酸塩、POEアルキルフェニルエーテルリン酸エステル又はその塩、POEアリールフェニルエーテルスルホン酸塩、POEアリールフェニルエーテルリン酸エステル又はその塩、ナフタレンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、POEトリベンジルフェニルエーテルスルホン酸塩、アルキルリン酸塩、POEアルキルリン酸塩、POEトリベンジルフェニルエーテルリン酸エステル塩、POEアルキルスルホコハク酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、脂肪酸塩(石けん)、POEアルキルエーテル酢酸塩等が挙げられる〔但し、(b)成分は除く〕。
両性界面活性剤としては、アルキルカルボキシベタイン、アルキルスルホベタイン、アルキルヒドロキシスルホベタイン、脂肪酸アミドベタイン、アルキルジメチルアミンオキサイド、アルキルジアミノエチルグリシン等が挙げられる〔但し、(a)成分は除く〕。
陽イオン界面活性剤としては、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、アルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩やこれらの混合物等が挙げられ、前記塩としては、ハロゲン化物が好ましく、塩化物、臭化物がより好ましい。
上記(a)成分、(b)成分以外の界面活性剤は、1種でも2種以上組み合わせて用いてもよく、その配合量は、組成物全体で0.01〜50重量%が好ましく、0.01〜30重量%がより好ましい。
(c)成分以外の酵素としては、オキシドレダクターゼ(酸化還元酵素)、トランスフェラーゼ(転移酵素)、ヒドラーゼ(加水分解酵素)、リアーゼ(異性化酵素)、イソメラーゼ(異性化酵素)が挙げられる。オキシドレダクターゼ(酸化還元酵素)としては、ペルオキシターゼ、スーパーオキシドジスムターゼ、乳酸デヒドロゲナーゼ等が挙げられる。トランスフェラーゼ(転移酵素)としては、セリンヒドロキシメチルトランスフェラーゼ、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ、ヘキソキナーゼ等が挙げられる。ヒドラーゼ(加水分解酵素)としては、アミラーゼ、セルラーゼ、デキストラナーゼ、グルカナーゼ、グルコシダーゼ、ガラクトシダーゼ、マンナナーゼ、マンノシダーゼ、アガラーゼ、ラクトーゼ、ムタナーゼ、リゾチーム、キチナーゼ、キトサナーゼなどの糖質分解酵素;リパーゼ類、クチナーゼ、ホスホリパーゼ等の脂質分解酵素等が挙げられる。リアーゼとしてはアルギン酸リアーゼ、アルドラーゼ、セリンデヒドラターゼ等が挙げられる。イソメラーゼとしてはUDP−グルコース−4−エピメラーゼ、グルコースリン酸イソメラーゼ等が挙げられる。この中でも、特に、糖質分解酵素が好ましい。
キレート剤としては、エチレンジアミン四酢酸、ニトリロ三酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸等のアミノポリ酢酸及びその塩、乳酸、マロン酸、コハク酸、酒石酸、シュウ酸、リンゴ酸、ジグリコール酸、クエン酸等の有機酸及びその塩;アスパラギン酸、グルタミン酸、グリシン等のアミノ酸及びその塩;アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸等のモノマーを1種又は2種以上重合して得られる重量平均分子量3000〜100000のポリカルボン酸系ポリマー及びその塩;1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸等のホスホン酸及びその塩;トリポリリン酸等のリン酸及びその塩等が挙げられる。
本発明において、必須成分を予め配合した液体製剤を調製する場合、これらの中でも、有機酸又はその塩、ポリカルボン酸系ポリマー又はその塩がプロテアーゼの保存安定性の点から好ましく、有機酸又はその塩がより好ましく、クエン酸又はその塩が更に好ましい。上記キレート剤は、1種類で使用しても2種以上組み合わせて使用してもよく、その配合量は、液体製剤全体に対し0.01
〜10重量%が好ましく、0.1〜8重量%がより好ましく、0.5〜5重量%が更に好ましい。
緩衝剤としては、例えば、ホウ酸又はその塩、ホウ砂、クエン酸又はその塩、リン酸又はその塩、酒石酸又はその塩、グルコン酸又はその塩、酢酸又はその塩、炭酸又はその塩、各種アミノ酸類(イプシロン−アミノカプロン酸、アスパラギン酸カリウム、アミノエチルスルホン酸、グルタミン酸、グルタミン酸ナトリウム等)又はそれらの組み合わせが挙げられ、この中でも、特に炭酸塩が好ましい。
本発明に含まれる(a)成分は、殺菌特性を有しているため、本発明を用いることでバイオフィルム除去と同時に被処理面の殺菌が可能であるが、更なる清浄化が要求される場合、必要に応じて殺菌剤を配合することができる。
本発明に配合し得る殺菌剤は、特に限定されるものではないが、成分(c)の酵素活性を低下させるものは好ましくない。好ましいものとしては、例えば、グルコン酸クロルヘキシジン、トリクロサン、トリクロカルバン、イソプロピルメチルフェノールが挙げられる。また、本発明の洗浄剤組成物を作用させた後であれば、バイオフィルムに殺菌効果を阻害されることがないため、あらゆる殺菌剤が効果的に使用可能である。
バイオフィルムの除去方法
本発明品はバイオフィルムによる危害が懸念される広い分野で使用することが可能である。例えば食品製造又は飲料製造プラント用洗浄剤、キッチン又は厨房などの排水溝、排水管に応用できる。また、産業用の冷却塔などの冷却水系、脱塩装置、パルプ及び紙製造系や浴槽、プール、人工池などの循環水系路に応用できる。
本発明はバイオフィルムを形成しやすい医療機器、例えば内視鏡やカテーテル、人工透析機等の洗浄剤にも応用できる。更に、高い安全性を有することから、義歯洗浄剤や洗口剤として使用することが可能である。
本発明は好ましくは医療用器具、医療用機器に高い洗浄力を発揮してバイオフィルムを除去するための洗浄剤として用いることができる。
本発明は好ましくは歯科分野における歯科用器具、歯科用器材、義歯、あるいは歯や口腔内で高い洗浄力を発揮してバイオフィルムを除去するための洗浄剤として用いることができる。特に人体に対する安全性の観点から、義歯洗浄の洗浄剤および洗浄方法に用いることが好ましい。
特に好ましくは、緑膿菌及び/又は黄色ぶどう球菌により形成されるバイオフィルムを除去するために、該洗浄剤及び洗浄方法を用いることができる。
洗口剤として使用する場合、人体に対する安全性の観点から、配合原料は食品添加物グレードまたはそれと同等のものを使用することが好ましく、また、組成物pHは10.0以下とすることが好ましい。
本発明におけるバイオフィルム除去方法は、洗浄剤組成物をそのまま又は所定濃度となるよう水で希釈した処理液を、バイオフィルム付着面に接液することにより行う。通常、処理液の濃度は、(a)成分と(b)成分の合計濃度を0.01〜5重量%とし、かつ(c)成分の濃度を0.01〜5重量%とするのが好ましい。各成分が5重量%を超えた場合でもバイオフィルムの除去は可能であるが、更なる除去効果の向上が得られないことが多い。
洗浄剤組成物の接液時間は、対象物のバイオフィルム付着量や処理時の液温等によって異なるが、通常1〜6時間程度であることが好ましい。
洗浄剤組成物は、通常、常温処理において優れたバイオフィルム除去効果を発揮するが、必要に応じて液温を上昇させることで、より一層高いバイオフィルム除去効果を得ることができる。
実施例1〜5および比較例1〜27から明らかなように、特許文献4で示されるプロテアーゼ類と界面活性剤の組み合わせはバイオフィルム除去効果が不十分であるのに対し、本発明は、それらの作用に比べ著しく高いバイオフィルム除去効果を発揮する。
本発明を用いる場合は、通常、拭き取り、ブラッシング、水流などの物理力なしでバイオフィルムの除去が可能であるが、短時間でのバイオフィルム除去のために前記のような物理力を併用してもよい。バイオフィルムの付着が広範に亘る場合にはスプレー機器を用いてミストを吹き付けたり、発泡機を用いて泡状にしたものを吹き付けたりしても良い。又、該処理液を流したり、ハケ等により塗布してもよい。その他、タオルなどに該処理液を含浸させて、対象面を拭き取っても良い。
表5、表6の数値を示すグラフである。
以下、実施例及び比較例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、表中の配合量は、純分換算した重量%で示した。
<試験1.バイオフィルム除去組成物のスクリーニング>
表1〜表4に示す組成に従い配合液を調製し、下記バイオフィルム除去度評価を行った。各配合液は、25℃においてpHが10.0となるよう、0.1MのNaOHを適量添加してpH調整を行った。pH測定は、ガラス電極式pH計(F−74BW、堀場製作所製)を用いて行った。
バイオフィルム除去性能評価
1.モデルバイオフィルムの作製
(緑膿菌バイオフィルム)
a 緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa ATCC15442)をSCD液体培地にて37℃、24時間で前培養を行った。
b 培養液をR2A液体培地に接種し、菌液濃度を10CFU/mLに調整した。
c シリコンチューブ(信越化学社製、内径6.5mm)内に菌液を入れ、流量0.3mL/秒、液温30℃で3日間循環し、バイオフィルムを得た。
d チューブ内の菌液を滅菌水で置換・排液する操作を3回繰り返した。
e チューブを長さ1cm×半面に切断し評価試料とした。
(黄色ブドウ球菌バイオフィルム)
上記同様手順でシリコンチューブ内に黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus ATCC6538)バイオフィルムを形成し、評価試料とした。
2.バイオフィルム除去度評価試験
緑膿菌バイオフィルム、黄色ブドウ球菌バイオフィルムについて、それぞれ以下の試験を行った。
各配合液100gをプラスチックビーカーに採り恒温水槽で25℃に維持した。これに評価試料をバイオフィルム形成面が上向きとなるよう2個ずつ浸漬した(緑膿菌と黄色ブドウ球菌は分けて試験を行った)。25℃で15時間静置浸漬した後、評価試料を取り出し滅菌水で十分に濯いだ。バイオフィルム形成面に蛍光染色液Ruby Bio Matrix Stain(Invitrogen社製)を滴下し、暗所で30分間放置し染色した。蛍光染色液をキムタオルで静かに吸い上げた後、滅菌水で十分に濯ぎ染色液を除去した。
評価試料を蛍光顕微鏡(本体:ニコン社製ECLIPSE80i、光源:ニコン社製C−HGFI)にセット後、励起光(λ450〜490nm)を照射し、紫外線遮光版を通して試料全体像をデジタルカメラで撮影した(※バイオフィルム付着面は橙色に発色)。撮影画像を目視観察し、チューブ発色部(バイオフィルム付着面)の発色度および面積を下記方法で判定し、別項記載の評価基準に従いバイオフィルム除去度を評価した。その結果を表1〜表4に示す。
・発色度:モデルバイオフィルム(ブランク)の発色度を基準として、色の濃淡に応じて、10(濃橙色=ブランク)〜0(黒色=バックグラウンド)の数値を割付した。
・面積…モデルバイオフィルム(ブランク)の発色部面積を基準として、発色面積に応じて、10(全面発色=ブランク)〜0(発色部なし)の数値を割付した。
バイオフィルム除去度評価基準(合格範囲:◎〜○)
◎ :発色度又は面積 <1
○ :発色度又は面積 3〜1
△ :発色度又は面積 5〜3
× :発色度又は面積 8〜5
×× :発色度又は面積 8<
※発色度又は面積は、数値の高い方を選択した。
表1〜表4中に示した成分の実際に使用したものは次の通りである。
プロテアーゼ(C−1):リカナーゼ2.5L(ノボザイム社製)
プロテアーゼ(C−2):アルカラーゼ2.5L(ノボザイム社製)
リパーゼ:ライペックス100L(ノボザイム社製)
セルラーゼ:ノボザイム342(ノボザイム社製)
アミラーゼ:ステインザイムプラス12L(ノボザイム社製)
マンナナーゼ:マンナウェイ4.0L(ノボザイム社製)
アルギン酸リアーゼ:アルギン酸リアーゼS(ナガセケムテックス社製)
ラウリルジアミノエチルグリシンナトリウム:レボンS(三洋化成工業社製)
ラウリルアミドプロピルベタイン:レボン2000L(三洋化成工業社製)
ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン:レボンLD−36(三洋化成工業社製)
ラウリルジメチルアミンオキサイド:ユニセーフA−LW(日本油脂社製)
塩化ベンザルコニウム:HYAWINE3500−J(ロンザ社製)
ジデシルジメチルアンモニウムクロライド:Bardac2250(ロンザ社製)
ポリオキシエチレン(2.5)アルキル(C12)エーテル硫酸ナトリウム:ビューライトNA−25S(三洋化成工業社製)
ポリオキシエチレン(3)アルキル(C12〜15)エーテル硫酸ナトリウム:サンデッドEND(三洋化成工業社製)
ラウリル硫酸ナトリウム:シノリン100(新日本理化社製)
メタキシレンスルホン酸ナトリウム:SXS−Y(伊藤忠ケミカルフロンティア社製)
アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム:サンデッドALH(三洋化成工業社製)
ポリオキシエチレントリデシルエーテル:TDX−120D(第一工業製薬社製)
ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン:ニューポールPE−75(三洋化成工業社製)
オクチルポリグリコシド:ノニオシド0−13(第一工業製薬社製)
ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル:TF−80(日本油脂社製)
0.1M NaOH:試薬特級(関東化学社製)
10mMCHES緩衝液:N-Cyclohexyl-2-aminothanesulforic acid(分子生物学用、株式会社同仁化学研究所製)を最終濃度10mMとなるようイオン交換水に溶解し、NaOH(試薬特級、関東化学社製)でpHを調整。
10mMリン酸緩衝液:リン酸水素二ナトリウム(関東化学、試薬特級)を最終濃度10mMとなるようイオン交換水に溶解し、NaOH(試薬特級、関東化学社製)でpHを調整。
※( )内の数値はエチレンオキサイドの平均付加モル数を示す。
但し、Cはアルキル基炭素数を示す。
Figure 2015017151
Figure 2015017151
Figure 2015017151
Figure 2015017151
表1〜表4から明らかなように、プロテアーゼと本発明以外の界面活性剤または各種酵素の組合せでは、バイオフィルム除去効果はほとんど見られないのに対し、本発明を用いた場合、緑膿菌および黄色ブドウ球菌いずれのバイオフィルムに対しても優れた除去効果を発揮する。
<試験2.(a)成分と(b)成分の配合比率とバイオフィルム除去効果の関係>
表5及び表6に示す組成に従い配合液を調製し、下記バイオフィルム除去度評価試験を行った。各配合液のpH調製およびpH測定は、試験1記載の方法に従った。
バイオフィルム除去度評価試験
試験1記載の方法に従いバイオフィルム除去試験(浸漬時間は3時間とし、評価は緑膿菌バイオフィルムのみとした)を行い、バイオフィルム付着面の発色度および面積の数値割付けを行った。当該数値をもとに、バイオフィルム除去度を10(除去度大:発色度又は面積の数値=0)〜0(除去度小:発色度又は面積の数値=10)の数値で示した。
※発色度又は面積は、数値の高い方を選択した。
※バイオフィルム除去度の数値割付け幅は0.5単位とした。
その結果を表5及び表6に示す。また、わかりやすいように図1にグラフで示した。
表5、表6及び図1から明らかなように、実施例6〜13の本発明品では、(a)成分と(b)成分の相乗作用により優れたバイオフィルム除去効果が得られる。
Figure 2015017151
Figure 2015017151
<試験3.pHとバイオフィルム除去効果の関係>
表7に示す組成に従い配合液を調製し、下記バイオフィルム除去度評価試験を行った。各配合液のpH調製およびpH測定は、試験1記載の方法に従った。
バイオフィルム除去度評価試験
試験1記載の方法に従いバイオフィルム除去試験(浸漬時間は3時間とした)を行い、同様にバイオフィルム除去度を評価した。
Figure 2015017151
表7から明らかなように、本発明品は、pHを9.0以上とすることで優れたバイオフィルム除去効果を発揮する。
<試験4.製剤の保存安定性評価>
表8に示す組成に従い配合液を調製し、低温保存安定性(沈殿等の析出有無)、高温保存安定性(酵素活性の残存率)、バイオフィルム除去度の評価を行った。各配合液のpH調製およびpH測定は、試験1記載の方法に従い、pH測定は、配合液原液および重量比50倍希釈液について行った。各評価は下記方法により行った。
低温保存安定性
各製剤(原液)200gをポリエチレン製容器に充填し、−7℃の冷凍庫内で2週間保管後、目視にて外観観察し沈殿等の析出有無を確認した。各製剤の低温安定性を下記基準に従い評価した。
評価基準(合格範囲:○)
○:均一透明、析出物や沈殿なし
×:析出物、沈殿あり
高温保存安定性
各製剤(原液)200gをポリエチレン製容器に充填し、37℃の恒温乾燥器内で2週間保管後、別項に示した手順に従い酵素活性を測定した。各製剤の調製直後の酵素活性を初期値として、これに対する37℃、2週間保管後の酵素活性残存率を下記式により求めた。また、下記評価基準に従い高温安定性を評価した。
酵素活性残存率(%)=(37℃、2週間保管後の酵素活性×100)÷調製直後の酵素活性
評価基準(合格範囲:○)
○:酵素活性残存率≧85%
△:酵素活性残存率70〜85%
×:酵素活性残存率<70%
酵素活性測定法
a 試験管にミルクカゼイン溶液5mLを採り、40℃恒温槽中で30分間加温した。
b 試験液をイオン交換水で重量比100倍に希釈した液1mLをミルクカゼイン溶液へ添加した。
c 10分間正確に反応させた後、タンパク質沈殿剤5mLを添加し反応を停止させた。
d 反応停止後、40℃恒温槽中で30分間保持し、その後No.2定性濾紙を用い自然濾過した。
e 濾液2mLを採り、そこに0.5M炭酸ナトリウム水溶液5mLとFolin試薬1mLを加え攪拌した。
f 40℃恒温槽中で30分間保持した後、室温下10分間冷却し分光光度計にて吸光度を測定した(波長660μm)。
g 各試験液のBlank測定を行った。
※上記手順において試験液とタンパク質沈殿剤の添加順序を入替え、その他は同様操作とした。
h 試験液およびブランクは、各3回測定を繰返し平均値とした。
i 下記式により酵素活性を算出した。
酵素活性=((S−B)×66.5+2)×希釈倍率
S:試験液吸光度 B:ブランク吸光度
・ミルクカゼイン溶液
カゼイン5gに0.05M NaOH50gを加え、室温で6時間攪拌した。
リン酸緩衝液*25gを加え、10分間攪拌し、0.05M NaOHでpH7.0に調整した。
*リン酸緩衝液:0.2M リン酸二水素ナトリウム39mLと0.2Mリン酸水素二ナトリウム61mLを混合し、イオン交換水で全量200mLとした。
・タンパク質沈殿剤
酢酸19.5mLに酢酸ナトリウム18gと50%トリクロロ酢酸36mLを加え溶解し、全量を1Lとした。
バイオフィルム除去度評価試験
上記高温保存安定性試験に供した各配合液(37℃、2週間経時品)をイオン交換水で重量比50倍に希釈し、これを用いてバイオフィルム除去度評価試験を行った。バイオフィルム除去度評価試験は、試験1記載の方法に従った(浸漬時間は3時間とした)。
表8中に示した成分は次の通りである。
クエン酸:試薬特級(関東化学社製)
ホウ砂:試薬特級(関東化学社製)
炭酸ナトリウム:試薬特級(関東化学社製)
酢酸カルシウム:試薬特級(関東化学社製)
プロピレングリコール:試薬1級(キシダ化学社製)
消泡剤(ポリオキシエチレンラウリルエーテル、HLB3):DKS NL−Dash400(第一工業製薬社製)
Figure 2015017151
本発明では、必須成分に酵素安定化剤等を加えることで、経時保存安定性の高い液体製剤を得ることができるため、予め製剤化したものを市場に流通させることが可能となる。これによって、用時調製の手間が省け、水での希釈により簡単にバイオフィルム除去組成物を得ることができる。
本発明では、代表的なバイオフィルムである緑膿菌および黄色ブドウ球菌バイオフィルムに対する優れた除去効果を有することから、その他種々の微生物バイオフィルム又はその複合体についても同じく、優れた除去効果を発揮することが期待できる。

Claims (7)

  1. 下記3成分
    (a)下記化学式(1)又はその塩で表される1種以上の両性界面活性剤
    Figure 2015017151
    [式中、R1は炭素数4〜18のアルキル基、R2は水素原子又は炭素数4〜18のアルキル基、mは1〜4の整数、nは0、1又は2]
    (b)ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル又はその塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、ポリオキシエチレンアルキルスルホコハク酸塩、ポリオキシエチレン脂肪酸アミドエーテル硫酸塩からなる群より選ばれる1種以上の陰イオン界面活性剤
    (アルキル基は、炭素数8〜20の飽和又は不飽和、直鎖状又は分岐状のいずれか、エチレンオキサイド付加モル数は1〜10)
    (c)プロテアーゼ
    を主成分として含有し、かつ(a)成分と(b)成分の配合比率が重量比で(a)成分/(b)成分=99/1〜25/75であることを特徴とする洗浄剤組成物。
  2. 前記(a)成分がジオクチルジアミノエチルグリシン、ジオクチルアミノエチル(ジアミノエチルグリシン)、ジオクチルジアミノエチル(ジアミノエチルグリシン)、ラウリルジアミノエチルグリシン、ミリスチルジアミノエチルグリシン、ヤシ油アルキルジアミノエチルグリシン又はこれらの塩からなる群より選ばれる1種以上の両性界面活性剤である請求項1記載の洗浄剤組成物。
  3. 前記(b)成分がアルキル基炭素数10〜16、エチレンオキサイド平均付加モル数2〜5のポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩である請求項1又は2記載の洗浄剤組成物。
  4. 前記(a)成分/(b)成分の配合比率が重量比で(a)成分/(b)成分=98/2〜55/45である請求項1〜3の何れか1項に記載の洗浄剤組成物。
  5. 前記(a)成分と(b)成分の合計濃度が洗浄剤組成物全体に対し0.01〜50重量%であり、かつ(c)成分の濃度が0.01〜30重量%である請求項1〜4の何れか1項に記載の洗浄剤組成物。
  6. 前記洗浄剤組成物のpHが9.0以上である請求項1〜5の何れか1項に記載の洗浄剤組成物。
  7. 前記(c)成分がアルカリプロテアーゼである請求項1〜6の何れか1項に記載の洗浄剤組成物。
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