JP2015017042A - 高濃度γグロブリン製剤の粘度低下方法 - Google Patents
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Abstract
Description
また、請求項2記載の方法は、請求項1記載の方法において、γグロブリン濃度が300mg/mL以下である。
また、請求項3記載の方法は、請求項1または2記載の方法において、アルギニン、グアニジン、これらの薬学的に許容される塩から選択される少なくとも1つを1200mM以下の濃度となるように添加する。
また、本発明の高濃度γグロブリン製剤を製造する方法は、請求項4記載の通り、γグロブリン濃度が150mg/mLを超える液状製剤に対し、アルギニン、グアニジン、これらの薬学的に許容される塩から選択される少なくとも1つを200mMを超える濃度となるように添加する工程を含んでなる。
また、本発明の高濃度γグロブリン製剤は、請求項5記載の通り、請求項4記載の方法によって製造されてなる。
また、請求項6記載の高濃度γグロブリン製剤は、請求項5記載の高濃度γグロブリン製剤において、粘度が50cP以下である。
また、請求項7記載の高濃度γグロブリン製剤は、請求項5または6記載の高濃度γグロブリン製剤において、pHが5〜10である。
また、請求項8記載の高濃度γグロブリン製剤は、請求項5乃至7のいずれかに記載の高濃度γグロブリン製剤において、製剤中の免疫グロブリンGの純度が95%以上である。
また、本発明の高濃度γグロブリン製剤の粘度を低下させるためのアルギニン、グアニジン、これらの薬学的に許容される塩から選択される少なくとも1つの使用は、請求項9記載の通り、γグロブリン濃度が150mg/mLを超える液状製剤に対し、200mMを超える濃度となるように添加することによる。
高濃度γグロブリン製剤に対して以下の5つの被験物質のそれぞれを種々の濃度になるように添加し、製剤の粘度がどのように変化するかを調べた。なお、高濃度γグロブリン製剤は、ウシ血清由来γグロブリン(シグマアルドリッチ社製)を濃度が250mg/mLとなるように純水に溶解することで調製した(pH7.4、粘度60cP:セコニック社製の振動式粘度計VM−10A−Lによる25℃での測定(以下同じ))。
(被験物質)
・ アルギニン塩酸塩(Arg)
・ グアニジン塩酸塩(Gdn)
・ リシン塩酸塩(Lys)
・ 塩化ナトリウム(NaCl)
・ グリシン(Gly)
実施例1に記載の5つの被験物質の中のアルギニン塩酸塩とリシン塩酸塩と塩化ナトリウムのそれぞれを種々の濃度になるように以下の4つの蛋白質製剤に対して添加し、製剤の粘度がどのように変化するかを調べた。
(蛋白質製剤)
・ 高濃度γグロブリン製剤1(シグマアルドリッチ社製のウシ血清由来γグロブリンを濃度が250mg/mLとなるように純水に溶解することで調製、pH7.4、粘度60cP)
・ 高濃度γグロブリン製剤2(Equitech−Bio社製のヒト免疫グロブリンG(純度97%)を濃度が260mg/mLとなるように純水に溶解することで調製、pH7.4、粘度63cP)
・ 高濃度αアミラーゼ製剤(シグマアルドリッチ社製のαアミラーゼを濃度が53mg/mLとなるように純水に溶解することで調製、pH5.5、粘度58cP)
・ 高濃度αキモトリプシン製剤(シグマアルドリッチ社製のαキモトリプシンを濃度が334mg/mLとなるように純水に溶解することで調製、pH3.1、粘度41cP)
3つのpH(5.4、7.4、9.4)のγグロブリン濃度が250mg/mLの液状製剤をそれぞれ調製した後(シグマアルドリッチ社製のウシ血清由来γグロブリンを純水に溶解することで調製、いずれも粘度50cP以上、pH5.4の製剤は塩酸により、pH9.4の製剤は水酸化ナトリウムによりそれぞれpH調整)、アルギニン塩酸塩と塩化ナトリウムのそれぞれを種々の濃度になるように添加し、製剤の粘度がどのように変化するかを調べた。結果を図4に示す(A:pH5.4の製剤、B:pH7.4の製剤、C:pH9.4の製剤。●:アルギニン塩酸塩、□:塩化ナトリウム)。図4から明らかなように、アルギニン塩酸塩の粘度低下作用は製剤のpHに依存せず、広範囲のpHにおいて優れたものであった。
実施例1に記載の5つの被験物質のそれぞれを濃度がそれぞれ500mMと1000mMになるように種々のγグロブリン濃度の液状製剤(シグマアルドリッチ社製のウシ血清由来γグロブリンを純水に溶解することで調製、pH7.4)に対して添加し、製剤の粘度がどのように変化するかを調べた。被験物質を500mMの濃度で添加した結果を図5に、1000mMの濃度で添加した結果を図6にそれぞれ示す。図5と図6から明らかなように、γグロブリン濃度が150mg/mLまでの液状製剤に対してはいずれの被験物質も粘度低下作用を有していなかったが、アルギニン塩酸塩とグアニジン塩酸塩はγグロブリン濃度が150mg/mLを超える液状製剤に対して優れた粘度低下作用を有していた。一方、リシン塩酸塩と塩化ナトリウムとグリシンはこのような作用を有していなかった。アルギニン塩酸塩とグアニジン塩酸塩を添加することで、γグロブリン濃度が230mg/mL以上の液状製剤の粘度を50cP以下にまで低下させることができ、この作用はγグロブリン濃度が270mg/mLの液状製剤でも確認され、γグロブリン濃度が300mg/mLの液状製剤まで見込まれた。
以下の3つの被験物質のそれぞれを濃度が1000mMになるように種々のγグロブリン濃度の液状製剤(シグマアルドリッチ社製のヒト血清由来γグロブリンを純水に溶解することで調製、pH7.4)に対して添加し、製剤の粘度がどのように変化するかを調べた。
(被験物質)
・ アルギニン塩酸塩(Arg)
・ リシン塩酸塩(Lys)
・ 塩化ナトリウム(NaCl)
Claims (9)
- γグロブリン濃度が150mg/mLを超える液状製剤に対し、アルギニン、グアニジン、これらの薬学的に許容される塩から選択される少なくとも1つを200mMを超える濃度となるように添加することによる、高濃度γグロブリン製剤の粘度を低下させる方法。
- γグロブリン濃度が300mg/mL以下である請求項1記載の方法。
- アルギニン、グアニジン、これらの薬学的に許容される塩から選択される少なくとも1つを1200mM以下の濃度となるように添加する請求項1または2記載の方法。
- γグロブリン濃度が150mg/mLを超える液状製剤に対し、アルギニン、グアニジン、これらの薬学的に許容される塩から選択される少なくとも1つを200mMを超える濃度となるように添加する工程を含んでなる、高濃度γグロブリン製剤を製造する方法。
- 請求項4記載の方法によって製造されてなる高濃度γグロブリン製剤。
- 粘度が50cP以下である請求項5記載の高濃度γグロブリン製剤。
- pHが5〜10である請求項5または6記載の高濃度γグロブリン製剤。
- 製剤中の免疫グロブリンGの純度が95%以上である請求項5乃至7のいずれかに記載の高濃度γグロブリン製剤。
- 高濃度γグロブリン製剤の粘度を低下させるためのアルギニン、グアニジン、これらの薬学的に許容される塩から選択される少なくとも1つの使用であって、γグロブリン濃度が150mg/mLを超える液状製剤に対し、200mMを超える濃度となるように添加することによる使用。
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Non-Patent Citations (1)
Title |
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荒川 力: "バイオ医薬品開発におけるアルギニンの貢献", 薬学雑誌, vol. 第130巻,第6号, JPN6017011051, 2010, pages 793 - 800, ISSN: 0003529199 * |
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