JP2018150258A - 水性製剤、注射器入り水性製剤及びキット製剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】 安定性に優れたアダリムマブ含有水性製剤を提供すること。
【解決手段】 アダリムマブと、ヒスチジン及びその塩から選択される少なくとも1種と、リン酸及びその塩から選択される少なくとも1種と、メチオニンと、を含有しており、かつ、アダリムマブの含有量が90〜110mg/mLである、ことを特徴とする水性製剤。
【選択図】なし
【解決手段】 アダリムマブと、ヒスチジン及びその塩から選択される少なくとも1種と、リン酸及びその塩から選択される少なくとも1種と、メチオニンと、を含有しており、かつ、アダリムマブの含有量が90〜110mg/mLである、ことを特徴とする水性製剤。
【選択図】なし
Description
本発明は、水性製剤、注射器入り水性製剤及びキット製剤に関し、より詳しくは、アダリムマブ含有水性製剤、並びに、それを含む注射器入り水性製剤及びキット製剤に関する。
アダリムマブは、ヒト型抗ヒトTNFαモノクローナル抗体の一般名であり、D2E7抗体としても知られている。ヒトTNFαは、IL−1やIL−6等他のサイトカインの誘導及び破骨細胞の分化・誘導等に深く関与しており、かかるヒトTNFαに対して高い親和性及び選択性を有するアダリムマブは、ポリペプチド(抗体)薬として、関節リウマチ・乾癬・クローン病等の自己免疫疾患の治療に用いられており、一般に、注射剤によって投与されている。アダリムマブは、例えば、米国特許第6090382号明細書(特許文献1)に記載されているように、チャイニーズハムスター卵巣細胞などの哺乳動物細胞発現系において遺伝子組み換え技術によって生産される。また、例えば、アダリムマブを含有する水性製剤(注射剤)が、「ヒュミラ(登録商標)」としてアッヴィ合同会社において製造販売されている。
他方、アダリムマブのようなポリペプチドを含有する水性製剤は、該ポリペプチドの複雑な構造に起因して、製造過程や保存中に化学的変化や凝集等の物理的変化を起こしやすい。このような製剤の不安定性は、ポリペプチドの薬理作用を低下させるだけではなく、患者に対する安全性に大きな影響を与えるため、ポリペプチド含有水性製剤では、特に優れた安定性が求められている。
ポリペプチド含有水性製剤の安定化のためには、例えば、糖類、アミノ酸類、水溶性高分子、界面活性剤、及び緩衝剤といった添加剤の添加や、剤型、pH、各成分の濃度といった様々な条件の検討がなされている。アダリムマブ含有水性製剤や、これと同様の薬効が期待できるTNFα抗原結合性タンパク質含有水性製剤においても同様に検討がなされており、例えば、特表2011−518110号公報(特許文献2)には、タンパク質及び水を含み、約2.5mS/cm未満の伝導度を有し、前記タンパク質が約47kDaより大きな分子量を有する水性製剤において、前記タンパク質としてアダリムマブが挙げられており、該水性製剤は塩や遊離アミノ酸といったイオン性賦形剤を含まないことが記載されている。さらに、特表2013−543868号公報(特許文献3)には、単離ヒト抗TNFα抗体又はその抗原結合部分;界面活性剤;50mg/ml未満のポリオールを含有する水性液体製剤が記載されており、該水性液体製剤は緩衝液を含まないことが記載されている。
また、特表2016−505633号公報(特許文献4)には、TNFα抗原結合性タンパク質及びヒスチジンバッファーに、界面活性剤、キレート剤、ポリオール、抗酸化剤及びアミノ酸のうちの1種以上を更に含む液体製剤が記載されており、該液体製剤はリン酸塩等の塩を含まないことが記載されている。さらに、特表2015−527402号公報(特許文献5)には、アダリムマブと、緩衝剤とを含み、シトレート緩衝剤及びホスフェート緩衝剤の両方を含む緩衝剤の組み合わせを含まず、長期安定性を示す、水性緩衝医薬組成物が記載されており、該水性緩衝医薬組成物は、ヒスチジン緩衝剤等の緩衝剤やグリシン等の安定剤を更に含むことが記載されている。
また、国際公開第2015/190378号(特許文献6)には、アダリムマブと、緩衝液としてヒスチジン緩衝液及びリン酸緩衝液とを含み、かつ、pHが5.5〜6.1である水性液体製剤が記載されている。
患者の負担軽減や使用性改善の観点からは、上記のような水性製剤中のアダリムマブ濃度をより高くすることが求められる場合がある。しかしながら本発明者らがアダリムマブ含有水性製剤について更なる検討を行ったところ、特許文献1〜6に記載されているような水性製剤であっても、アダリムマブ濃度をより高くすると、アダリムマブの凝集体の生成やアダリムマブの活性本体が脱アミド化された酸性体の生成が十分に抑制されない場合があり、より優れた安定性が要求されることを見出した。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、安定性に優れたアダリムマブ含有水性製剤、並びに、それを含む注射器入り水性製剤及びキット製剤を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、アダリムマブ、ヒスチジン緩衝液、リン酸緩衝液、並びに、メチオニンを配合して、アダリムマブ含有水性製剤において、アダリムマブと、ヒスチジン及びその塩から選択される少なくとも1種と、リン酸及びその塩から選択される少なくとも1種と、メチオニンと、を組み合わせることによって、アダリムマブの濃度が比較的高くとも(例えば、90〜110mg/mL)、前記凝集体や前記酸性体の生成が特に抑制されて、従来のアダリムマブ含有水性製剤に比べて優れた安定性が発揮されることを見出し、本発明を完成するに至った。
かかる知見により得られた本発明の態様は次のとおりである。
(1)アダリムマブと、ヒスチジン及びその塩から選択される少なくとも1種と、リン酸及びその塩から選択される少なくとも1種と、メチオニンと、を含有しており、かつ、アダリムマブの含有量が90〜110mg/mLである、ことを特徴とする水性製剤。
(2)アダリムマブと、ヒスチジン緩衝液と、リン酸緩衝液と、メチオニンと、を配合してなることを特徴とする(1)に記載の水性製剤。
(3)リン酸及び/又はその塩の含有量が、リン酸換算で4〜20mMであることを特徴とする(1)又は(2)に記載の水性製剤。
(4)ヒスチジン及び/又はその塩の含有量が、ヒスチジン換算で10〜50mMであることを特徴とする(1)〜(3)のうちのいずれか一項に記載の水性製剤。
(5)メチオニンの含有量が、5〜50mMであることを特徴とする(1)〜(4)のうちのいずれか一項に記載の水性製剤。
(6)pHが5.5〜6.2であることを特徴とする(1)〜(5)のうちのいずれか一項に記載の水性製剤。
(7)等張化剤を更に含有することを特徴とする(1)〜(6)のうちのいずれか一項に記載の水性製剤。
(8)注射器と、前記注射器内に充填された(1)〜(7)のうちの少なくともいずれかに記載の水性製剤と、を備えることを特徴とする注射器入り水性製剤。
(9)(1)〜(7)のうちのいずれか一項に記載の水性製剤及び(8)に記載の注射器入り水性製剤のうちの少なくとも1つと、前記水性製剤の仕様説明書と、を含むことを特徴とするキット製剤。
(1)アダリムマブと、ヒスチジン及びその塩から選択される少なくとも1種と、リン酸及びその塩から選択される少なくとも1種と、メチオニンと、を含有しており、かつ、アダリムマブの含有量が90〜110mg/mLである、ことを特徴とする水性製剤。
(2)アダリムマブと、ヒスチジン緩衝液と、リン酸緩衝液と、メチオニンと、を配合してなることを特徴とする(1)に記載の水性製剤。
(3)リン酸及び/又はその塩の含有量が、リン酸換算で4〜20mMであることを特徴とする(1)又は(2)に記載の水性製剤。
(4)ヒスチジン及び/又はその塩の含有量が、ヒスチジン換算で10〜50mMであることを特徴とする(1)〜(3)のうちのいずれか一項に記載の水性製剤。
(5)メチオニンの含有量が、5〜50mMであることを特徴とする(1)〜(4)のうちのいずれか一項に記載の水性製剤。
(6)pHが5.5〜6.2であることを特徴とする(1)〜(5)のうちのいずれか一項に記載の水性製剤。
(7)等張化剤を更に含有することを特徴とする(1)〜(6)のうちのいずれか一項に記載の水性製剤。
(8)注射器と、前記注射器内に充填された(1)〜(7)のうちの少なくともいずれかに記載の水性製剤と、を備えることを特徴とする注射器入り水性製剤。
(9)(1)〜(7)のうちのいずれか一項に記載の水性製剤及び(8)に記載の注射器入り水性製剤のうちの少なくとも1つと、前記水性製剤の仕様説明書と、を含むことを特徴とするキット製剤。
本発明によれば、安定性に優れたアダリムマブ含有水性製剤、並びに、それを含む注射器入り水性製剤及びキット製剤を提供することが可能となる。
以下、本発明をその好適な実施形態に即して詳細に説明する。
本発明の水性製剤は、アダリムマブと、ヒスチジン及びその塩から選択される少なくとも1種と、リン酸及びその塩から選択される少なくとも1種と、メチオニンと、を含有しており、かつ、アダリムマブの含有量が90〜110mg/mLである、ことを特徴とする水性製剤である。
本発明において「水性製剤」とは、治療を要する患者に投与するのに適するように調製された製剤(医薬製剤)のうち、水を溶媒として含有する製剤を指す。本発明の水性製剤としては、注射剤又は輸液剤であることが好ましい。また、本発明において「アダリムマブ含有水性製剤」とは、前記水性製剤のうち、少なくとも水とアダリムマブとを含有する製剤を指す。
本発明において「アダリムマブ」とは、ヒト型抗ヒトTNFαモノクローナル抗体であり、その活性本体である単量体(モノマー)は、1330アミノ酸からなり、約148kDaの分子量を有している。アダリムマブは、「D2E7抗体」としても知られており、また、注射剤として市販されている「ヒュミラ(登録商標)」の有効成分としても知られている。本発明において、「アダリムマブ」には、「ヒュミラ(登録商標)」の有効成分であるヒト型抗ヒトTNFαモノクローナル抗体と医薬的に同等のタンパク質、並びに、「ヒュミラ(登録商標)」のバイオシミラーの有効成分及びこれと医薬的に同等のタンパク質を包含する。
アダリムマブは、従来公知の方法を適宜採用することによって生産することができ、例えば、米国特許第6090382号明細書(特許文献1)に記載の方法にしたがって、チャイニーズハムスター卵巣細胞などの哺乳動物細胞発現系において遺伝子組み換え技術によって生産することができる。
本発明の水性製剤中において、アダリムマブの含有量としては、90〜110mg/mLであることが必要である。本発明においては、このように水性製剤中のアダリムマブの濃度が高くとも凝集体の生成が十分に抑制される。前記アダリムマブの含有量としては、90mg/mL、100mg/mL、110mg/mLが挙げられ、100mg/mLが特に好ましい。
本発明の水性製剤は、ヒスチジン及びその塩からなる群から選択される少なくとも1種を含有する。ヒスチジンとしては、D体、L体、DL体が挙げられ、これらの中でもL体であることが好ましい。また、前記ヒスチジンの塩(ヒスチジン塩)としては、薬学的に許容される塩であることが好ましく、例えば、ヒスチジン塩酸塩及びその水和物が挙げられる。
本発明の水性製剤中において、ヒスチジン及び/又はその塩の含有量(ヒスチジンの含有量又はヒスチジン塩の含有量、或いは、ヒスチジン及びその塩がいずれも含有される場合にはそれらの合計含有量、以下同じ)としては、ヒスチジン換算で、10〜50mMであることが好ましく、20〜45mMであることがより好ましく、30〜40mMであることがさらに好ましい。ヒスチジン及び/又はその塩の含有量が前記下限未満であると、凝集体(主にアダリムマブの凝集体)の生成量が多くなる傾向にあり、他方、前記上限を超えると、酸性体や分解物(主にアダリムマブの酸性体や分解物)の生成量が多くなる傾向にある。
また、本発明の水性製剤は、リン酸及びその塩からなる群から選択される少なくとも1種を含有する。前記リン酸の塩(リン酸塩)としては、正リン酸塩(オルトリン酸塩)、二リン酸塩(ピロリン酸塩)、ポリリン酸塩(メタリン酸塩)、亜リン酸塩が挙げられる。これらの中でも、本発明に係るリン酸塩としては、薬学的に許容されるオルトリン酸塩であることが好ましく、例えば、リン酸ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二カリウム、及びこれらの水和物が挙げられる。これらの中でも、前記リン酸塩としては、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウムが好ましい。
本発明の水性製剤中において、リン酸及び/又はその塩の含有量(リン酸の含有量又はリン酸塩の含有量、或いは、リン酸及びその塩がいずれも含有される場合にはそれらの合計含有量、以下同じ)としては、リン酸換算で4〜20mMであることが、より優れた凝集抑制効果が奏される傾向にある観点から好ましい。
さらに、本発明の水性製剤は、メチオニンを含有する。メチオニンとしては、D体、L体、DL体が挙げられ、これらの中でもL体であることが好ましい。
本発明の水性製剤中において、メチオニンの含有量としては、5〜50mMであることが好ましく、10〜40mMであることがより好ましく、15〜30mMであることがさらに好ましい。メチオニンの含有量が前記下限未満であると前記凝集体の生成量が多くなる傾向にあり、他方、前記上限を超えると前記酸性体の生成量が多くなる傾向にある。
本発明の水性製剤のpHとしては、4.0〜8.0であることが好ましく、5.0〜7.0であることがより好ましく、5.5〜6.2であることが更に好ましい。pHが前記範囲内にあることにより、より優れた凝集抑制効果が奏され、また、酸性体等の前記活性本体以外の成分の生成をより十分に抑制することができる傾向にある。
本発明の水性製剤としては、アダリムマブと、ヒスチジン及びその塩から選択される少なくとも1種と、リン酸及びその塩から選択される少なくとも1種と、メチオニンと、水と、を配合してなる水性製剤であってもよいが、より優れた凝集抑制効果が奏される傾向にあるという観点から、アダリムマブ、ヒスチジン緩衝液、リン酸緩衝液、及びメチオニンを配合してなる水性製剤であることが好ましい。すなわち、前記ヒスチジン及びその塩が前記ヒスチジン緩衝液に由来するものであり、かつ、前記リン酸及びその塩が前記リン酸緩衝液に由来するものであることが好ましい。
本発明において「緩衝液」とは、その酸塩基共役成分の作用により溶液のpHを許容される範囲内に維持することが可能な溶液である。本発明において「ヒスチジン緩衝液」とは、ヒスチジン及びその塩からなる群から選択される少なくとも2種(ヒスチジン塩を2種も含む)を配合してなる緩衝液である。前記ヒスチジン及びその塩としては、上述のとおりである。また、本発明において「リン酸緩衝液」とは、リン酸及びその塩からなる群から選択される少なくとも2種(リン酸塩を2種も含む)を配合してなる緩衝液である。前記リン酸及びその塩としては、上述のとおりである。本発明において、前記ヒスチジン緩衝液及び前記リン酸緩衝液としては、これらの混合緩衝液であるヒスチジン−リン酸緩衝液であってもよい。
これらのヒスチジン緩衝液、リン酸緩衝液、及びヒスチジン−リン酸緩衝液のpHとしては、それぞれ、本発明の水性製剤のpHが上記の好ましい範囲内となるpHであることが好ましく、前記ヒスチジン緩衝液のpHが5.0〜7.0であり、かつ、前記リン酸緩衝液のpHが5.0〜7.0であることがより好ましく、前記ヒスチジン緩衝液のpHが5.5〜6.2であり、かつ、前記リン酸緩衝液のpHが5.5〜6.2であることが更に好ましい。或いは、前記ヒスチジン−リン酸緩衝液を配合する場合には、該緩衝液のpHが5.0〜7.0であることがより好ましく、5.5〜6.2であることが更に好ましい。
本発明の水性製剤としては、本発明の効果を阻害しない範囲内において、ヒスチジン及びその塩、リン酸及びその塩、並びに、メチオニン以外のpHの緩衝機能を有する化合物(以下、場合により「他の緩衝剤」という)を更に含有していてもよい。
前記他の緩衝剤としては、酢酸、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸アンモニウム、コハク酸、コハク酸ナトリウム、クエン酸、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、マレイン酸、酒石酸、酒石酸ナトリウム、乳酸、乳酸ナトリウム、リンゴ酸、ホウ酸、アスコルビン酸、グルタミン酸、グルタミン酸ナトリウム、アルギニン、アルギニン塩酸塩、トリス−(ヒドロキシメチル)−アミノメタン(トリス)、及びジエタノールアミン等が挙げられ、これらのうちの1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、これらは緩衝液(酢酸緩衝液、コハク酸緩衝液、クエン酸緩衝液、アルギニン緩衝液、及び有機酸緩衝液等)として配合されたものであってもよい。
本発明の水性製剤が更に前記他の緩衝剤を含有する場合、該水性製剤中におけるその含有量としては、合計で、酸の遊離体換算で、40mM以下であることが好ましく、20mM以下であることがより好ましい。
また、本発明の水性製剤としては、本発明の効果を阻害しない範囲内において、等張化剤、賦形剤等の添加剤を更に含有していてもよい。これらの中でも、本発明の水性製剤としては、前記等張化剤を更に含有することが好ましい。
本発明において「等張化剤」とは、浸透圧を製剤として許容される範囲内に調整する機能を有する化合物であり、例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、ソルビトール、マンニトール、スクロース、キシリトール、トレハロース、グルコース、グリシン、プロリン、及びシステインが挙げられ、これらのうちの1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、前記等張化剤としては、より優れた凝集抑制効果が奏される傾向にあるという観点から、グリシン及び/又はスクロースが好ましく、スクロースがより好ましい。
本発明において「賦形剤(excipient)」としては、例えば、ラクトース、グリセロール、マルトース、イノシトール、牛血清アルブミン(BSA)、デキストラン、ポリビニルアルコール(PVA)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ポリエチレンイミン、ゼラチン、ポリビニルピロリドン(PVP)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ポリエチレングリコール、エチレングリコール、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルホルムアミド(DMF)、L−セリングルタミン酸ナトリウム、グルタミン酸カリウム、アラニン、リシン塩酸塩、サルコシン、γ−アミノ酪酸、ポリソルベート20、ポリソルベート80、SDS、ポリオキシエチレンコポリマー、酢酸ナトリウム、硫酸アンモニウム、硫酸マグネシウム、硫酸ナトリウム、トリメチルアミンN−オキシド、ベタイン、亜鉛イオン、銅イオン、カルシウムイオン、マンガンイオン、マグネシウムイオン、CHAPS、スクロースモノラウレート、及び2−O−β−マンノグリセレートが挙げられ、これらのうちの1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、前記賦形剤としては、空気と液面との界面で生じるストレスからアダリムマブを保護してその凝集を更に抑制できる傾向にあるという観点から、界面活性剤としての機能を有するものであることが好ましく、ポリソルベート20及びポリソルベート80等のポリソルベートがより好ましい。
なお、例えば、前記他の緩衝剤のうち、アルギニン、クエン酸ナトリウム等は前記等張化剤としても機能し得るし、前記等張化剤のうち、ソルビトール、マンニトール、スクロース、キシリトール、トレハロース、グルコース、プロリン等は前記賦形剤としても機能し得る。そのため、本発明の水性製剤が更に前記添加剤を含有する場合、これらの含有量はその種類に応じて、本発明の効果を阻害しない範囲内において適宜調整することができる。
例えば、本発明の水性製剤が更にグリシン及び/又はプロリンを含有する場合、該水性製剤中におけるその含有量(混合物の場合には合計含有量)としては、110〜200mMであることが好ましく、120〜180mMであることがより好ましく、130〜160mMであることが更に好ましい。
また、本発明の水性製剤が更にスクロースを含有する場合、該水性製剤中におけるその含有量としては、110〜200mMであることが好ましく、120〜180mMであることがより好ましく、130〜160mMであることが更に好ましい。前記スクロースの含有量が前記範囲内にあることにより、より優れた凝集抑制効果が奏され、また、酸性体等の前記活性本体以外の成分の生成がより十分に抑制される傾向にある。
本発明の水性製剤が更に前記ポリソルベートを含有する場合、該水性製剤中におけるその含有量(混合物の場合には合計含有量)としては、0.01〜2.0mg/mLであることが好ましく、0.025〜1.0mg/mLであることがより好ましく、0.05〜0.5mg/mLであることが更に好ましい。
本発明の水性製剤の製造方法としては、特に制限されないが、アダリムマブ、前記ヒスチジン緩衝液、前記リン酸緩衝液、及びメチオニンを前記濃度となるように配合することによって本発明の水性製剤を得ることが好ましい。
本発明の水性製剤としては、注射剤又は輸液剤として用いられることが好ましく、予備充填滅菌注射器等の注射器内や輸液パック内に保存されていることが好ましい。本発明の注射器入り水性製剤としては、注射器と、前記注射器内に充填された前記水性製剤とを備えることが好ましい。
また、本発明の水性製剤としては、前記水性製剤の仕様説明書と共にキット製剤とすることもできる。本発明のキット製剤としては、前記水性製剤及び前記注射器入り水性製剤のうちの少なくとも1つと、前記水性製剤の仕様説明書と、を含むことが好ましい。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、各実施例及び比較例で得られた水性製剤について、安定性評価試験は以下に示す方法により行った。
<安定性評価試験>
(保存安定性評価)
各実施例及び比較例で得られた水性製剤について、それぞれ、40℃で2週間又は4週間保存した後、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC、カラム:TSKgel G3000SWXL 7.8×300mm、東ソー株式会社製、カラム温度:25℃、溶離液:20mM Na2HPO4+150mM NaCl(pH7.5)、流量:0.5ml/分))を用いて、各水性製剤中の%凝集体(全タンパク質量に占める凝集体質量の割合[% Aggregate])を測定した。また、イオン交換クロマトグラフィー(IEC、カラム:Propac WCX−10 4×250mm、Thermo Scientific社製、カラム温度:30℃、溶離液:移動相A=10mM Na2HPO4(pH7.5)、移動相B=10mM Na2HPO4+500mM NaCl(pH5.5)、流量:1.0ml/分))を用いて、アダリムマブの活性本体が脱アミド化された酸性体(脱アミド体)の各水性製剤中の%酸性体(全タンパク質量に占める酸性体質量の割合[% Acidic])も測定した。なお、%凝集体及び%酸性体の値が小さい程、その水性製剤は保存安定性に優れたものと評価できる。
(保存安定性評価)
各実施例及び比較例で得られた水性製剤について、それぞれ、40℃で2週間又は4週間保存した後、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC、カラム:TSKgel G3000SWXL 7.8×300mm、東ソー株式会社製、カラム温度:25℃、溶離液:20mM Na2HPO4+150mM NaCl(pH7.5)、流量:0.5ml/分))を用いて、各水性製剤中の%凝集体(全タンパク質量に占める凝集体質量の割合[% Aggregate])を測定した。また、イオン交換クロマトグラフィー(IEC、カラム:Propac WCX−10 4×250mm、Thermo Scientific社製、カラム温度:30℃、溶離液:移動相A=10mM Na2HPO4(pH7.5)、移動相B=10mM Na2HPO4+500mM NaCl(pH5.5)、流量:1.0ml/分))を用いて、アダリムマブの活性本体が脱アミド化された酸性体(脱アミド体)の各水性製剤中の%酸性体(全タンパク質量に占める酸性体質量の割合[% Acidic])も測定した。なお、%凝集体及び%酸性体の値が小さい程、その水性製剤は保存安定性に優れたものと評価できる。
(耐凍結融解評価)
各実施例及び比較例で得られた水性製剤について、それぞれ、−20℃で凍結させた後に室温で融解させる凍結融解サイクル(Freeze−thaw cycle)を5回繰り返し、サイクル毎に上記のSECによって各水性製剤中における%凝集体(% Aggregate)を測定した。次式:
%凝集体の増減量=[サイクル数0回の水性製剤における%凝集体]−[各サイクルにおける水性製剤における%凝集体]
により、凍結融解前(サイクル数0回)に対する%凝集体の増減量(% Aggregate増減量)を求めた。なお、前記%凝集体の増減量の絶対値が小さい程、その水性製剤は凍結融解に対する安定性に優れたものと評価できる。
各実施例及び比較例で得られた水性製剤について、それぞれ、−20℃で凍結させた後に室温で融解させる凍結融解サイクル(Freeze−thaw cycle)を5回繰り返し、サイクル毎に上記のSECによって各水性製剤中における%凝集体(% Aggregate)を測定した。次式:
%凝集体の増減量=[サイクル数0回の水性製剤における%凝集体]−[各サイクルにおける水性製剤における%凝集体]
により、凍結融解前(サイクル数0回)に対する%凝集体の増減量(% Aggregate増減量)を求めた。なお、前記%凝集体の増減量の絶対値が小さい程、その水性製剤は凍結融解に対する安定性に優れたものと評価できる。
(比較例1)
水に、アダリムマブと、ポリソルベート80と、マンニトールとを配合し、765μLの水性製剤(アダリムマブ:100mg/mL、ポリソルベート80:1mg/mL、マンニトール:42mg/mL)を得た。アダリムマブとしては、チャイニーズハムスター卵巣細胞安定発現株を用いて発現させたアダリムマブをProteinAクロマトグラフィー等のクロマトグラフィーによって精製した試料を用いた(以下同じ)。
水に、アダリムマブと、ポリソルベート80と、マンニトールとを配合し、765μLの水性製剤(アダリムマブ:100mg/mL、ポリソルベート80:1mg/mL、マンニトール:42mg/mL)を得た。アダリムマブとしては、チャイニーズハムスター卵巣細胞安定発現株を用いて発現させたアダリムマブをProteinAクロマトグラフィー等のクロマトグラフィーによって精製した試料を用いた(以下同じ)。
(比較例2〜9)
水に、アダリムマブと各種アミノ酸とを配合し、765μLの水性製剤(アダリムマブ:100mg/mL+各種アミノ酸)を得た。各種アミノ酸としては、比較例2:L−アルギニン(100mM)、比較例3:L−メチオニン(100mM)、比較例4:L−ヒスチジン(50mM)、比較例5:グリシン(100mM)、比較例6:L−プロリン(100mM)、比較例7:L−セリン(100mM)、比較例8:L−トリプトファン(12.5mM)、及び比較例9:L−リジン塩酸塩(リジン:100mM)を、それぞれ括弧内の濃度となるように用いた。
水に、アダリムマブと各種アミノ酸とを配合し、765μLの水性製剤(アダリムマブ:100mg/mL+各種アミノ酸)を得た。各種アミノ酸としては、比較例2:L−アルギニン(100mM)、比較例3:L−メチオニン(100mM)、比較例4:L−ヒスチジン(50mM)、比較例5:グリシン(100mM)、比較例6:L−プロリン(100mM)、比較例7:L−セリン(100mM)、比較例8:L−トリプトファン(12.5mM)、及び比較例9:L−リジン塩酸塩(リジン:100mM)を、それぞれ括弧内の濃度となるように用いた。
比較例1〜9で得られた各水性製剤について、それぞれ保存安定性評価を行った。各水性製剤をそれぞれ40℃で4週間保存した後の%凝集体(% Aggregate)を示すグラフを図1に示す。図1に示す結果から明らかなように、高濃度のアダリムマブ含有水性製剤にアルギニン、メチオニン、又はヒスチジンを添加すると、凝集体の生成が抑制されることが確認された。
(比較例10〜11)
先ず、ヒスチジン及びヒスチジン塩酸塩・1水和物からヒスチジン緩衝液(pH5.8)を調製し、リン酸二水素ナトリウム・2水和物及びリン酸水素二ナトリウム・12水和物からリン酸緩衝液(pH5.8)を調製した。次いで、アダリムマブと、各緩衝液と、ポリソルベート80と、ソルビトールとを、下記の表1に示す組成となるように配合し、600μLの水性製剤をそれぞれ得た。下記の表1に各水性製剤の組成を示す。なお、下記の表中、ヒスチジン[mM]は、ヒスチジン緩衝液により配合されたヒスチジン及び/又はその塩のヒスチジン換算での含有量を、リン酸[mM]は、リン酸緩衝液により配合されたリン酸及び/又はその塩のリン酸換算での含有量を、それぞれ示す(以下同じ)。
先ず、ヒスチジン及びヒスチジン塩酸塩・1水和物からヒスチジン緩衝液(pH5.8)を調製し、リン酸二水素ナトリウム・2水和物及びリン酸水素二ナトリウム・12水和物からリン酸緩衝液(pH5.8)を調製した。次いで、アダリムマブと、各緩衝液と、ポリソルベート80と、ソルビトールとを、下記の表1に示す組成となるように配合し、600μLの水性製剤をそれぞれ得た。下記の表1に各水性製剤の組成を示す。なお、下記の表中、ヒスチジン[mM]は、ヒスチジン緩衝液により配合されたヒスチジン及び/又はその塩のヒスチジン換算での含有量を、リン酸[mM]は、リン酸緩衝液により配合されたリン酸及び/又はその塩のリン酸換算での含有量を、それぞれ示す(以下同じ)。
比較例10〜11で得られた各水性製剤について、それぞれ保存安定性評価を行った。各水性製剤をそれぞれ40℃で2週間保存した後の%凝集体(% Aggregate)を示すグラフを図2に示す。図2に示す結果から明らかなように、リン酸緩衝液を用いることにより、凝集体の生成が抑制されることが確認された。また、%酸性体の測定結果からも同様に、比較例10〜11では、酸性体の生成が十分に抑制されていた。
(実施例1)
先ず、比較例10〜11と同様にしてヒスチジン緩衝液(pH5.8)及びリン酸緩衝液(pH5.8)を調製した。次いで、アダリムマブと、ヒスチジン緩衝液と、リン酸緩衝液と、L−メチオニンと、ポリソルベート80と、スクロースとを、下記の表2に示す組成となるように配合し、600μLの水性製剤を得た。下記の表2に得られた水性製剤の組成を示す。
先ず、比較例10〜11と同様にしてヒスチジン緩衝液(pH5.8)及びリン酸緩衝液(pH5.8)を調製した。次いで、アダリムマブと、ヒスチジン緩衝液と、リン酸緩衝液と、L−メチオニンと、ポリソルベート80と、スクロースとを、下記の表2に示す組成となるように配合し、600μLの水性製剤を得た。下記の表2に得られた水性製剤の組成を示す。
(比較例12)
L−メチオニンを配合せず、下記の表2に示す組成となるようにしたこと以外は実施例1と同様にして水性製剤を得た。下記の表2に得られた水性製剤の組成を示す。
L−メチオニンを配合せず、下記の表2に示す組成となるようにしたこと以外は実施例1と同様にして水性製剤を得た。下記の表2に得られた水性製剤の組成を示す。
(比較例13)
L−メチオニンに代えてアルギニン塩酸塩を配合し、下記の表2に示す組成となるようにしたこと以外は実施例1と同様にして水性製剤を得た。下記の表2に得られた水性製剤の組成を示す。
L−メチオニンに代えてアルギニン塩酸塩を配合し、下記の表2に示す組成となるようにしたこと以外は実施例1と同様にして水性製剤を得た。下記の表2に得られた水性製剤の組成を示す。
実施例1及び比較例12〜13で得られた各水性製剤について、それぞれ保存安定性評価を行った。各水性製剤をそれぞれ40℃で4週間保存した後の%凝集体(% Aggregate)を示すグラフを図3に示す。図3に示す結果から明らかなように、ヒスチジン及び/又はその塩とリン酸及び/又はその塩とを含有するアダリムマブ含有水性製剤(比較例12)にメチオニンを更に添加した本発明の水性製剤(実施例1)においては凝集体の生成がさらに抑制され、特に優れた保存安定性が発揮されることが確認された。他方、メチオニンに代えて、上記比較例1〜3の結果から該メチオニンよりも凝集抑制効果が高いと推測されたアルギニンを更に添加しても(比較例13)、比較例12以上の凝集抑制効果は奏されないことが確認された。
また、実施例1で得られた水性製剤について、耐凍結融解評価を行った。得られた凍結融解回数(サイクル数)と%凝集体の増減量との関係を示すグラフを図4に示す。図4に示す結果から明らかなように、本発明の水性製剤においては凍結融解を繰り返しても凝集体の量がほとんど変化せず、該水性製剤は凍結融解に対しても極めて安定であることが確認された。
本発明によれば、安定性に優れたアダリムマブ含有水性製剤、並びに、それを含む注射器入り水性製剤及びキット製剤を提供することが可能となる。そのため、アダリムマブ含有水性製剤の安定性向上、薬理作用の低下抑制が期待され、さらに免疫原性の低減等、安全性の向上も期待される。また、注射剤におけるアダリムマブの濃度を高くすることができ、患者への負担を軽減できることが期待される。
Claims (9)
- アダリムマブと、ヒスチジン及びその塩から選択される少なくとも1種と、リン酸及びその塩から選択される少なくとも1種と、メチオニンと、を含有しており、かつ、アダリムマブの含有量が90〜110mg/mLである、ことを特徴とする水性製剤。
- アダリムマブと、ヒスチジン緩衝液と、リン酸緩衝液と、メチオニンと、を配合してなることを特徴とする請求項1に記載の水性製剤。
- リン酸及び/又はその塩の含有量が、リン酸換算で4〜20mMであることを特徴とする請求項1又は2に記載の水性製剤。
- ヒスチジン及び/又はその塩の含有量が、ヒスチジン換算で10〜50mMであることを特徴とする請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載の水性製剤。
- メチオニンの含有量が、5〜50mMであることを特徴とする請求項1〜4のうちのいずれか一項に記載の水性製剤。
- pHが5.5〜6.2であることを特徴とする請求項1〜5のうちのいずれか一項に記載の水性製剤。
- 等張化剤を更に含有することを特徴とする請求項1〜6のうちのいずれか一項に記載の水性製剤。
- 注射器と、前記注射器内に充填された請求項1〜7のうちの少なくともいずれかに記載の水性製剤と、を備えることを特徴とする注射器入り水性製剤。
- 請求項1〜7のうちのいずれか一項に記載の水性製剤及び請求項8に記載の注射器入り水性製剤のうちの少なくとも1つと、前記水性製剤の仕様説明書と、を含むことを特徴とするキット製剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017046299A JP2018150258A (ja) | 2017-03-10 | 2017-03-10 | 水性製剤、注射器入り水性製剤及びキット製剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2017046299A JP2018150258A (ja) | 2017-03-10 | 2017-03-10 | 水性製剤、注射器入り水性製剤及びキット製剤 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2018150258A true JP2018150258A (ja) | 2018-09-27 |
Family
ID=63681413
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2017046299A Pending JP2018150258A (ja) | 2017-03-10 | 2017-03-10 | 水性製剤、注射器入り水性製剤及びキット製剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2018150258A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP3909607A4 (en) * | 2019-01-11 | 2022-10-26 | Samsung Bioepis Co., Ltd. | PHARMACEUTICAL COMPOSITION WITH ANTIBODIES, DEVICE CONTAINING THIS AND USE THEREOF |
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2017
- 2017-03-10 JP JP2017046299A patent/JP2018150258A/ja active Pending
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EP3909607A4 (en) * | 2019-01-11 | 2022-10-26 | Samsung Bioepis Co., Ltd. | PHARMACEUTICAL COMPOSITION WITH ANTIBODIES, DEVICE CONTAINING THIS AND USE THEREOF |
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