JP2015017007A - 酸素濃縮装置及びオゾン発生システム - Google Patents

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Abstract

【課題】PSA式の酸素濃縮装置で、窒素を含まない高濃度酸素を安定して発生させる。【解決手段】酸素濃縮装置10である。PSA法によって空気から高濃度酸素を濃縮する処理部11と、高濃度酸素がアルゴン濃縮領域RArにあることを監視するアルゴン監視手段53とを有している。【選択図】図7

Description

本発明は、PSA法によって酸素を濃縮する酸素濃縮装置、及び、この酸素濃縮装置で濃縮された酸素を用いてオゾンを発生させる放電式のオゾン発生システムに関し、その中でも特に、窒素を含まない高濃度酸素、及び窒素酸化物を含まない高濃度オゾンの製造技術に関する。
PSA法を利用した酸素濃縮装置は公知である。PSA法は、圧力スイング吸着法や圧力変動吸着法などとも呼ばれ、ガス分離技術として利用されている。PSA法を利用した酸素濃縮装置は、例えば特許文献1に開示されている。
PSA法を利用した酸素濃縮装置を原料ガスの供給源とした、放電式のオゾン発生システムは、特許文献2や特許文献3に開示されている。
放電式のオゾン発生システムの場合、オゾンを安定して発生させるために、原料とされる高濃度酸素は、1%(v/v)前後の触媒ガス(通常は窒素)を含むのが一般的である。
それに対し、窒素を含まなくても、オゾンの安定した発生を可能にする技術もいくつか提案されている(特許文献4,5等)。
例えば、特許文献4や5には、誘電体に機能性の膜を形成したものが開示されている。特許文献6には、放電空隙表面に異なる処理を施した構造のもの、特許文献7には、一方の放電面に誘電体がなく電極が表面にある構造のもの、特許文献8には、チューブ式の構造のものが開示されている。
特開平7−330306号公報 特開2001−180915号公報 特開2009−234797号公報 特許第4948007号公報 特許第4069990号公報 特開平11−21110号公報 特開2005−320223号公報 特開2011−105577号公報
放電式のオゾン発生システムの場合、窒素を含む酸素を原料ガスに用いると、その窒素含量に比例して、窒素酸化物が副生成物として生成される。窒素酸化物は、水分が加わることによって金属と反応する硝酸に変化するため、オゾンガスが流れる配管等の腐食の原因となる。
そのため、窒素酸化物を含まない高濃度オゾンが要望されており、その原料ガスとして、窒素を含まない高濃度酸素が要望されている。
それに対し、PSA法を利用した酸素濃縮装置(PSA酸素濃縮装置ともいう)では、窒素を含まない高濃度酸素を安定して得るのは難しいという問題がある。
すなわち、PSA酸素濃縮装置の場合、窒素と酸素の分圧の差を利用して吸着剤(一般にはゼオライト)で窒素を除去することにより、酸素を濃縮している。なお、窒素とともに炭酸ガスや水蒸気等も除去されるが、包括的に窒素とみなす。
具体的には、図1の(a)に示すように、空気は、窒素、酸素、アルゴンでほとんど構成されており、その大半は窒素と酸素で占められている。そして、図1の(b)に示すように、窒素は酸素よりも吸着剤に吸着され易く、圧力が高くなるほどその傾向が顕著になる性質がある。
これら性質を利用し、PSA酸素濃縮装置では、空気の圧力を変動させ、吸着剤への窒素の脱着を繰り返すことで酸素を濃縮する。通常、PSA酸素濃縮装置で濃縮される酸素濃度は、90%(v/v)前後が実用的な上限とされており、それ以上に酸素濃度を高めるには、タンク容量やブロア等、装置の大幅な性能アップが必要になる。
また、アルゴンは、酸素よりも吸着剤に吸着され難いため、酸素とともに濃縮されていく。それにより、PSA酸素濃縮装置では、窒素は除去できてもアルゴンが残るため、濃縮できる酸素濃度には限界がある。
それに対し、特許文献2の酸素発生装置では、限界の95%以上の濃度の酸素を発生させ、それにより、0%(v/v)又はそれ近くの濃度まで、窒素を排除している。
しかし、特許文献2の酸素発生装置の場合、後段で窒素が添加されるため、供給する酸素に窒素が多少含まれていても大きな問題ではない。また、あらかじめ流量を決めてあとは成り行きであるため、装置の劣化などがあって酸素濃度の低下があったとしてもわからない。
従って、特許文献2の技術では、窒素を高精度に含まない酸素を安定して発生させるのは難しい。
そこで、本発明の目的は、PSA酸素濃縮装置であっても、窒素を高精度で含まない高濃度酸素を安定して発生できるようにするとともに、PSA酸素濃縮装置を用いても、窒素酸化物を高精度で含まない高濃度オゾンを安定して発生できるようにすることにある。
開示する酸素濃縮装置は、PSA法によって空気から高濃度酸素を濃縮する処理部と、前記高濃度酸素がアルゴン濃縮領域にあることを監視するアルゴン監視手段と、を有している。
この酸素濃縮装置によれば、アルゴン監視手段により、理論上窒素が含まれないアルゴン濃縮領域に高濃度酸素があることが監視できるので、PSA酸素濃縮装置であっても、窒素を高精度で含まない高濃度酸素を安定して発生できる。なお、「アルゴン濃縮領域」とは、アルゴンが濃縮される領域であり、酸素濃度がピークを超えた後の領域のことをいう。
具体的には、前記処理部の下流側に、高濃度酸素に含まれるアルゴンの濃度を計測するアルゴン濃度計を設置すればよい。
そうすれば、簡素な部材構成で、高濃度酸素がアルゴン濃縮領域にあることを監視することができる。
より具体的には、前記アルゴン監視手段が、5%(V/V)以上の下限設定値に基づいてアルゴン濃度を監視すればよい。
そうすれば、高濃度酸素に窒素が高精度で含まないことを安定して監視できる。なお、下限設定値は6%(V/V)以上が、より好ましい。そうすれば、ピークを超えるため、高濃度酸素に窒素が含まれないことをより安定して監視できる。
その場合、前記アルゴン監視手段が、更に、10%(V/V)以下の上限設定値に基づいてアルゴン濃度を監視するようにするとよい。
アルゴン濃度が高くればそれだけ酸素濃度が低くなるため、アルゴン濃度を10%(V/V)以下にすることで、窒素を含まない酸素を高濃度で安定して得ることができる。
例えば、アルゴン濃度が前記下限設定値を下回った時に、アルゴン濃度が当該下限設定値以上になるように、フィードバック制御が行われるようにするとよい。
そうすれば、窒素を含まない高濃度酸素を連続的に安定して発生させることができる。
例えば、前記高濃度酸素がアルゴン濃縮領域にあることの調整は、当該高濃度酸素の流量を絞ることによって行ってもよい。
アルゴン監視手段により、高濃度酸素がアルゴン濃縮領域にあることを監視しているので、窒素を含まない高濃度酸素を安定して発生させることができる。
開示するオゾン発生システムは、これらの酸素濃縮装置と、前記酸素濃縮装置で濃縮された高濃度酸素を用いてオゾンを発生させるオゾン発生装置と、を備える。
このオゾン発生システムによれば、窒素を高精度で含まない高濃度酸素を原料ガスに用いてオゾンを発生させることができるので、窒素酸化物を高精度で含まない高濃度オゾンを発生させることができる。
例えば、前記オゾン発生装置は、高濃度酸素が流入する誘電体で形成された放電空隙と、電圧を印加して前記放電空隙に放電を発生させる一対の電極と、を含む放電セルを有し、前記放電空隙に面した前記誘電体の表面に、Ti、W、Sb、Mn、Fe、Co、Ni、V、Zn、Nb、Ta、Mo、Crから選択される1種若しくは2種以上の金属、又はその金属酸化物が存在するようにすることができる。
そうすれば、窒素酸化物を高精度で含まない高濃度オゾンを安定して発生させることができる。
本発明によれば、PSA酸素濃縮装置であっても、窒素を含まない高濃度酸素を安定して発生できるようになる。また、窒素酸化物を含まない高濃度オゾンを安定して発生できるようになる。
(a)は、空気の組成を示す表であり、(b)は、その主成分の圧力と吸着量との関係を示すグラフである。 本発明を適用したオゾン発生システムの一例を示す概略図である。 酸素濃縮装置の構成を示す概略図である。 制御部の構成を示すブロック図である。 オゾン発生装置の放電セルの基本構造を示す概略図である。 図5におけるI−I線での概略断面図である。 PSA法による酸素濃縮でのガス組成の変化を示す図である。 (a)〜(d)は、それぞれ図7に示す(a)〜(d)点でのガス組成を表した棒グラフである。 (a)〜(c)は、濃縮制御の各処理での状態を示す概略図である。(a)は均圧処理である。(b)は吸着、脱着処理である。(c)は酸素送出処理である。 (a)、(b)は、濃縮制御の各処理での状態を示す概略図である。(a)は吸着、脱着処理である。(b)は酸素送出処理である。 窒素監視制御の基本的な流れを示すフローチャートである。 アルゴン濃度保持制御が組み込まれた窒素監視制御の基本的な流れを示すフローチャートである。 酸素濃縮装置の変形例を示す概略図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。ただし、以下の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物あるいはその用途を制限するものではない。特に言及しない限り、説明で用いる「%」は「%(v/v)」を示す。
<オゾン発生システム>
図2に、本発明を適用したオゾン発生システムの一例を示す。このオゾン発生システム1は、空気供給源2から供給される空気を用いて高濃度オゾンを発生させ、発生した高濃度オゾンをオゾン供給先3へ供給する。
空気供給源2には、空気圧縮機や送風機などが備えられており、空気供給源2から空気供給配管4を通じてオゾン発生システム1に空気(通常は圧縮空気)が供給される。
オゾン供給先3としては、水処理設備や半導体製造設備などがある。水処理設備であれば、例えば、処理槽に貯留した水に、高濃度オゾンを直接バブリングして脱臭や有機物の分解等に利用される。半導体製造設備であれば、例えば、高濃度オゾンを純水に溶解させてオゾン水を生成し、シリコンウエハの洗浄等に利用される。
オゾン発生システム1は、酸素濃縮装置10、オゾン発生装置40、制御装置50などで構成されている。これら装置10,40,50は、1つの筐体に組み込んで一体化してあってもよいし、個別に設置して配管や配線等で接続してあってもよい。
制御装置50も、酸素濃縮装置10とオゾン発生装置40の各々に1つずつ設けてもよいし、1つの制御装置50を両者で共用してもよい。本実施形態では後者の場合を説明する。
<酸素濃縮装置>
図3に、酸素濃縮装置10の構成を具体的に示す。
この酸素濃縮装置10は、PSA法を利用して空気から高濃度酸素を濃縮する。酸素濃縮装置10は、処理部11、アルゴン濃度計22、第1制御部51(制御装置50に実装)などで構成されている。酸素濃縮装置10には、また、例えば、バッファタンク12、警報器や点滅灯などの警報部13も備えられている。
処理部11では、空気から主に窒素を分離除去して高濃度酸素を濃縮する。処理部11には、複数(本実施形態では2つ)の吸着筒15、上流側配管群16、下流側配管群17、複数の電磁弁31〜38、サイレンサ18などが備えられている。
2つの吸着筒15は、いずれも同容量の縦長な圧力容器であり、これらの内部には吸着剤としてゼオライトが充填されている(各吸着筒15を区別する場合には、第1吸着筒15A、第2吸着筒15Bともいう)。第1吸着筒15A及び第2吸着筒15Bは並列に配置されている。
各吸着筒15の下端部には流入口15aが開口し、各吸着筒15の上端部には流出口15bが開口している。
上流側配管群16は、空気導入経路16a、上流側バイパス経路16b、窒素排気経路16cなどで構成されている。空気導入経路16aの上流側の端部は、空気取入口19を介して空気供給配管4に接続されている。空気導入経路16aの下流側は、第1導入経路16a1と第2導入経路16a2とに分岐している。
第1導入経路16a1の下流側の端部は、第1吸着筒15Aの流入口15aに接続され、第2導入経路16a2の下流側の端部は、第2吸着筒15Bの流入口15aに接続されている。
第1導入経路16a1には第1電磁弁31が設置され、第2導入経路16a2には第2電磁弁32が設置されている。第1電磁弁31よりも下流側の第1導入経路16a1の部分と、第2電磁弁32よりも下流側の第2導入経路16a2の部分とに、上流側バイパス経路16bが接続されている。上流側バイパス経路16bには、第3電磁弁33が設置されている。
窒素排気経路16cの下流側の端部は、サイレンサ18を通じて酸素濃縮装置10の外部に開放されている。窒素排気経路16cの上流側は、第1排気経路16c1と第2排気経路16c2とに分岐している。
第1排気経路16c1の上流側の端部は、第3電磁弁33よりも第1導入経路16a1側の上流側バイパス経路16bの部分に接続され、第2排気経路16c2の上流側の端部は、第3電磁弁33よりも第2導入経路16a2側の上流側バイパス経路16bの部分に接続されている。
第1排気経路16c1には、第4電磁弁34が設置され、第2排気経路16c2には、第5電磁弁35が設置されている。
下流側配管群17は、酸素導出経路17a、下流側バイパス経路17bなどで構成されている。酸素導出経路17aの上流側は、第1導出経路17a1と第2導出経路17a2とに分岐している。第1導出経路17a1の上流側の端部は、第1吸着筒15Aの流出口15bに接続され、第2導出経路17a2の上流側の端部は、第2吸着筒15Bの流出口15bに接続されている。
第1導出経路17a1には第6電磁弁36が設置され、第2導出経路17a2には第7電磁弁37が設置されている。第6電磁弁36よりも上流側の第1導出経路17a1の部分と、第7電磁弁37よりも上流側の第2導出経路17a2の部分とに、下流側バイパス経路17bが接続されている。下流側バイパス経路17bには、第8電磁弁38が設置されている。
酸素導出経路17aの下流側は、バッファタンク12の流入口12aに接続されている。バッファタンク12の流出口12bは、酸素取出配管20を介して酸素取出口21に接続されている。
酸素取出配管20には、アルゴンの濃度を連続して計測するアルゴン濃度計22が設置され、アルゴン濃度計22の下流側に、減圧弁20a及び流量制御弁23が設置されている。
第1制御部51は、制御装置50の各種ハードウエア、及びこれらと協働して制御を行うソフトウエアなどで構成されており、図4に示すように、酸素濃縮手段52やアルゴン監視手段53などを備えている。
酸素濃縮手段52は、第1〜第8の電磁弁31〜38を開閉することにより、空気から高濃度酸素を連続して濃縮する。具体的には、酸素濃縮手段52は、第1吸着筒15Aと第2吸着筒15Bとを数十秒程度の一定のサイクルで切り替え、一方の吸着筒15に圧縮空気を充填する。その状態を一定時間保持して窒素をゼオライトに吸着させることで、交互に高濃度酸素を濃縮する。
アルゴン監視手段53は、アルゴン濃度計22の計測値に基づいて、濃縮される高濃度酸素中に窒素が存在しない、つまり濃縮される高濃度酸素が窒素フリーであることを監視する。更に、アルゴン濃度保持手段54をアルゴン監視手段53に組み込んでもよい(これらの詳細は後述)。
酸素取出口21には、窒素フリーな高濃度酸素をオゾン発生装置40に供給する酸素供給配管24が設置されている。
<オゾン発生装置>
オゾン発生装置40は、酸素濃縮装置10で濃縮された窒素フリーな高濃度酸素を用い、触媒ガスを使用せずに高濃度オゾンを発生させる。本実施形態では、第2制御部55(制御装置50に実装)によってオゾン発生装置40の作動が制御されている。このオゾン発生装置40には、無声放電によってオゾンを発生させる放電セル41が備えられている。
図5に、その放電セル41の一部を示す。放電セル41には、誘電体42や複数の電極43などが備えられている。
図6にも示すように、誘電体42は、高純度のアルミナを焼成して矩形に形成された板状の部材の積層体からなる。誘電体42の内部には、板面に沿って平行に延びる複数の放電空隙44が形成されている。放電空隙44の板厚方向の寸法は、1mm以下であり、例えば、一対のアルミナ板を突き合わせて接合することにより、100μm以下の微小間隔に精度高く設定されている。
各放電空隙44の一端には、酸素供給配管24と連通する酸素供給マニホールド45が開口し、各放電空隙44の他端には、オゾン送出マニホールド46が開口している。
各電極43は、誘電体42の両面の各々に互いに対向するように設置されている。これら電極43に高周波高圧電源48が電気的に接続されており、その一方が、接地された低圧電極となっている。
作動時に放電セル41が発熱するため、誘電体42の縁部には、放電セル41を冷却する冷媒が流れる帯状の冷媒マニホールド47が形成されている。電極43の放電空隙と反対側の面にはアルミナを焼成し、矩形に形成された板状の部材で構成された冷媒流路47aが形成され、放電部全面が冷媒によって冷却される。
放電空隙44に面した誘電体42の対向面には、窒素が無くても、安定した高濃度オゾンの発生を可能にする機能性膜49が形成されている。
具体的には、この機能性膜49には、Ti、W、Sb、Mn、Fe、Co、Ni、V、Zn、Nb、Ta、Mo、Crから選択される1種若しくは2種以上の金属、又はその金属酸化物が含まれている。放電空隙44にこの機能性膜49を設けることで、例えば、99.9%以上の高純度酸素を供給するだけであっても、高濃度オゾンの安定した発生が可能になる。なお、機能性膜49は例示である。Ti等の機能性物質は、ガスに接する誘電体42の表面に存在していればよく、その存在形態は膜に限らない。
このオゾン発生装置40の場合、高純度酸素の代わりに、アルゴンを一定濃度で含む窒素フリーな高濃度酸素が供給される。
窒素フリーな高純度酸素を原料ガスとし、安定した高濃度オゾンを生成できるオゾン発生装置は前述のオゾン発生装置に限定されるものではなく、放電空隙表面に異なる処理を施した構造のもの、一方の放電面に誘電体がなく電極が表面にある構造のもの、あるいはチューブ式の構造のものなど窒素フリーな高純度酸素を原料ガスとし、安定した高濃度オゾンを生成できるオゾン発生装置であれば使用することができる。
<アルゴン濃縮領域であることの監視>
このオゾン発生システム1では、配管の腐食等の原因となる窒素酸化物を含まない高濃度オゾンを発生させるために、酸素濃縮装置10が、窒素フリーな高濃度酸素を安定供給できるように工夫されている。
具体的には、PSA法による酸素濃縮でのガス組成の変化に着目し、高濃度酸素に含まれるアルゴンの濃度を制御することにより、間接的に、窒素不存在の高精度な制御を実現している。
図7に、PSA法による酸素濃縮でのガス組成の変化を示す。PSA法での酸素の濃縮の程度は、吸着処理時の圧力や時間によって変化する。圧力が高くなるほど、あるいは、時間が長くなるほど、吸着が進む。一般的には、定圧下での吸着時間の調整、つまり吸着筒15の切り替えサイクルの調整により、酸素濃度が制御される場合が多い(本実施形態では吸着時間で説明する)。
図7中、左端は吸着処理前のガス組成、つまりは空気の組成を表しており、図8の(a)に示すように、約80%が窒素、約20%が酸素で占められ、アルゴンは僅か約0.9%である。吸着時間の増加に伴い、窒素濃度は一次的に減少し、酸素濃度は一次的に増加する。そして、図7、図8の(c)に示すように、酸素濃度が約95%となる辺りで、窒素濃度が0になり、実質的にアルゴンと酸素のみで構成された窒素フリーな高濃度酸素となる。
一方、アルゴンは、酸素よりも吸着され難いため、窒素とは逆に、吸着時間の増加に伴ってアルゴン濃度は一次的に増加する。窒素が無くなる時間以上、図7、図8では(c)に示す時間以上に吸着時間を長くすると、酸素濃度が減少に転じて相対的にアルゴン濃度が増加する。
すなわち、酸素濃度は約95%にピークがあり、ピークに至るまでは、窒素濃度が減少して酸素が濃縮され、ピークを超えると、酸素が減少してアルゴンが濃縮されるようになる(ピーク前の領域を酸素濃縮領域RO2といい、ピーク後の領域をアルゴン濃縮領域RArともいう)。
例えば、図8の(b)と(d)に示すように、酸素濃度が同じ90%であっても、酸素濃縮領域RO2であれば窒素が存在するが、アルゴン濃縮領域RArであれば窒素は存在しない。
そして、アルゴン濃度は、酸素濃度のピークの前後でも連続的に増加するため、そのピーク時点での約5%のアルゴン濃度を超えるアルゴン濃度は、酸素濃縮領域RO2には存在せず、アルゴン濃縮領域RArにしか存在しない。
そこで、この酸素濃縮装置10では、アルゴン監視手段53が、アルゴン濃縮領域RArからアルゴン濃度が低下しないように監視することにより、高濃度酸素中の窒素不存在を間接的に監視し、窒素フリーな高濃度酸素を安定して濃縮できるようにしている。
<酸素濃縮装置の制御>
(濃縮制御)
酸素濃縮装置10が作動すると、酸素濃縮手段52が処理部11を制御することにより、第1吸着筒15Aと第2吸着筒15Bとの間で、均圧処理、吸着・脱着処理、酸素送出処理が繰り返し交互に行われ、高濃度酸素が連続的に濃縮される。
図9の(a)に示すように、均圧処理では、閉じられた第1〜第8の電磁弁31〜38のうち、第3電磁弁33及び第8電磁弁38が開かれる。それにより、第1吸着筒15A及び第2吸着筒15Bの内圧が同じになるように調圧される。
続いて、吸着・脱着処理が行われる。第1吸着筒15Aで吸着処理が行われ、第2吸着筒15Bで脱着処理が行われるとすると、図9の(b)に示すように、第3電磁弁33及び第8電磁弁38が閉じられ、第1電磁弁31及び第5電磁弁35が開かれる。それにより、第1吸着筒15Aは、圧縮空気が充填されて加圧される。第2吸着筒15Bは、開放されて大気圧に減圧される。
その結果、第1吸着筒15Aでは、窒素の吸着が促進され、圧縮空気中から窒素が除去される。第2吸着筒15Bでは、吸着された窒素が脱着され、筒内から排気される。
そうして、一定の時間が経過、あるいは第1吸着筒15Aが設定された圧力に加圧されると、酸素送出処理が行われる。具体的には、図9の(c)に示すように、第1電磁弁31が閉じられ、第6電磁弁36及び第8電磁弁38が開かれる。それにより、第1吸着筒15Aで濃縮された高濃度酸素は、バッファタンク12に送られる。
それと同時に、高濃度酸素の一部が下流側バイパス経路17bを通じて第2吸着筒15Bにも送られる。それにより、第2吸着筒15Bの内部で、窒素の脱着及び排気が促され、ゼオライトが再生される。
その後は、再度、均圧処理が行われた後、第2吸着筒15Bで吸着処理が行われ、第1吸着筒15Aで脱着処理が行われる(吸着・脱着処理)。具体的には、図10の(a)に示すように、第3電磁弁33及び第8電磁弁38が閉じられ、第2電磁弁32及び第4電磁弁34が開かれる。
続いて、図10の(b)に示すように、第2電磁弁32が閉じられ、第7電磁弁37及び第8電磁弁38が開かれる酸素送出処理が行われた後、再度、均圧処理が行われる。以降、酸素濃縮装置10の作動が停止するまで、図9、図10に示したこれらの処理が数十秒のサイクルで行われる。
(アルゴン監視制御)
高濃度酸素の濃縮が行われている時は常に、アルゴン監視手段53によって濃縮された高濃度酸素中のアルゴン濃度が監視されている。
高濃度酸素中のアルゴン濃度は、アルゴン濃度計22によって連続的に計測され、その計測データが第1制御部51に入力されている。アルゴン監視手段53には、監視の基準となるアルゴン濃度の下限値が予め設定されている。
その下限設定値は、アルゴン濃縮領域RArにあるアルゴン濃度であればよい。5%以上、特に6%やそれ以上に下限設定値を設定するのが好ましい。
具体的には、図11に示すように、酸素濃縮装置10の作動中は、アルゴン濃度計22が計測した計測値に基づいて、アルゴン監視手段53が、アルゴン濃度が下限設定値を下回っていないか監視している(ステップS1)。そして、アルゴン濃度が下限設定値を下回ると(ステップS1でYES)、アルゴン監視手段53は、警報部13と協働して警報を発する(ステップS2)。警報とともに酸素濃縮装置10の作動を停止してもよい。
そうすることで、濃縮される高濃度酸素に窒素が含まれるのを阻止でき、低下した吸着性能を回復させるために、ゼオライトの入れ替え等を促すことができる。
(アルゴン濃度保持制御)
更に、アルゴン監視手段53に、高濃度酸素中のアルゴン濃度が一定の範囲内に収まるようにフィードバック制御するアルゴン濃度保持手段54を組み込めば、窒素フリーな高濃度酸素をより安定して供給できるようになる。
アルゴン濃度保持手段54には、吸着時間の上限値が予め設定されている。吸着時間を大きくすれば、窒素濃度は減少し、アルゴン濃度は増加するが、吸着筒15の容量やゼオライトの性能、空気圧等の条件により、調整できる吸着時間には限界がある。そこで、その限界を考慮してフィードバック制御の判断基準となる上限値が、アルゴン濃度保持手段54に設定されている。
更に、アルゴン監視手段53にも監視の基準となるアルゴン濃度の上限値が予め設定されている。アルゴン濃縮領域RArでは、アルゴン濃度が高くなればそれだけ酸素濃度が低くなるため、アルゴン濃縮領域RArにある限り、アルゴン濃度は低い方が好ましい。
その上限値としては、例えば、10%以下で設定するとよい。そうすれば、窒素フリーな高濃度酸素を、従来の酸素濃縮装置10と同程度の酸素濃度で安定供給することができる。
アルゴン濃度保持制御の流れを図12に示す。酸素濃縮装置10の作動中は、アルゴン濃度計22が計測した計測値に基づいて、アルゴン監視手段53が、アルゴン濃度が下限設定値を下回っていないかチェックしている(ステップS10)。
アルゴン濃度が下限設定値を下回っていない場合には(ステップS10でNO)、アルゴン濃度が上限設定値を上回っていないかがチェックされる(ステップS11)。
その結果、アルゴン濃度が上限設定値を上回っている場合には、吸着時間が下方調整される(ステップS12)。具体的には、吸着時間が短くなるように切り替えサイクルを小さくする。そうすれば、吸着効率が下がるため、アルゴン濃度を上限設定値以下に下げることができる。アルゴン濃度が上限設定値を上回っていない場合には、そのまま監視が継続される。
アルゴン濃度が下限設定値を下回ると(ステップS10でYES)、アルゴン濃度保持手段54により、吸着時間が上限設定値を上回っていないかチェックされる(ステップS13)。
その結果、吸着時間が上限設定値を上回っていない場合には、吸着時間が上方調整される(ステップS14)。具体的には、吸着時間が長くなるように切り替えサイクルを大きくする。そうすることで、吸着効率が向上し、アルゴン濃度を下限設定値以上に上昇させることができる。
吸着時間が上限設定値を上回った場合、つまり切り替えサイクルを大きくできない場合には、アルゴン監視手段53が、警報を発したり酸素濃縮装置10の作動を停止したりする(ステップS15)。
<オゾン発生装置での高濃度オゾンの発生>
このようにして、酸素濃縮装置10で精度高く濃縮される窒素フリーな高濃度酸素は、流量制御弁23で流量が調整された後、オゾン発生装置40に供給される。
オゾン発生装置40では、その高濃度酸素が酸素供給マニホールド45を通じて各放電空隙44に送られる。高濃度酸素は、放電空隙44の内部をオゾン送出マニホールド46に向かって流れる。その間、一対の電極43,43の間には高周波高電圧が印加される。
それにより、各放電空隙44で無声放電が発生し、放電空隙44を流れる高濃度酸素にオゾンが発生する。各放電空隙44には機能性膜49が露出しているため、高濃度酸素に窒素が含まれていなくても、高濃度オゾンが安定して発生する。
高濃度酸素には窒素が含まれていないため、窒素酸化物は生じない。発生した高濃度オゾンは、オゾン送出マニホールド45を通じてオゾン供給先3に供給される。
<その他>
本発明にかかる酸素濃縮装置等は、上述した実施形態に限定されず、それ以外の種々の構成をも包含する。
例えば、酸素濃縮装置10の配管や電磁弁等の構成は、一例であり、仕様に応じて適宜変更できる。吸着筒15は3つ以上であってもよい。発生した高濃度オゾンを水に溶解するオゾン水生成機構をオゾン発生システム1に組み込んで、高濃度オゾン水を発生させるオゾン水発生システムとしてもよい。吸着時間でなく吸着圧力を調整してもよい。
高濃度酸素がアルゴン濃縮領域にあることの調整は、高濃度酸素の流量を絞ることにより行ってもよい。
例えば、図13に示すように、第1導出経路17a1と第2導出経路17a2とに、流量調整が可能な流量調整弁80a,80bを設置し、これら流量調整弁80a,80bで流量を絞ることによっても、窒素を含まない高濃度酸素の発生を調整することができる。
更には、図13に示すように、流量調整弁23は、並列に配置される主流弁23aと調整弁23bの2つで構成するとよい。そうして、主流弁23aを通じて一定の流量で安定供給しながら、調整弁23bで濃縮した酸素の一部を排除することによって総流量を調整する。そうすれば、オゾン発生装置へ安定した濃度及び流量で酸素を供給することができる。
アルゴン濃度によって、調整弁23bから排除する流量を自動制御することで安定した酸素濃度を維持させることが可能である。
1 オゾン発生システム
10 酸素濃縮装置
11 処理部
22 アルゴン濃度計
40 オゾン発生装置
53 アルゴン監視手段

Claims (8)

  1. 酸素濃縮装置であって、
    PSA法によって空気から高濃度酸素を濃縮する処理部と、
    前記高濃度酸素がアルゴン濃縮領域にあることを監視するアルゴン監視手段と、
    を有している酸素濃縮装置。
  2. 請求項1に記載の酸素濃縮装置において、
    前記処理部の下流側に、高濃度酸素に含まれるアルゴンの濃度を計測するアルゴン濃度計が設置されている酸素濃縮装置。
  3. 請求項2に記載の酸素濃縮装置において、
    前記アルゴン監視手段が、5%(V/V)以上の下限設定値に基づいてアルゴン濃度を監視している酸素濃縮装置。
  4. 請求項3に記載の酸素濃縮装置において、
    前記アルゴン監視手段が、更に、10%(V/V)以下の上限設定値に基づいてアルゴン濃度を監視している酸素濃縮装置。
  5. 請求項3に記載の酸素濃縮装置において、
    アルゴン濃度が前記下限設定値を下回った時に、アルゴン濃度が当該下限設定値以上になるように、フィードバック制御が行われる酸素濃縮装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか一つに記載の酸素濃縮装置において、
    前記高濃度酸素がアルゴン濃縮領域にあることの調整が、当該高濃度酸素の流量を絞ることによって行われる酸素濃縮装置。
  7. オゾン発生システムであって、
    請求項1〜請求項6のいずれか一つに記載の酸素濃縮装置と、
    前記酸素濃縮装置で濃縮された高濃度酸素を用いてオゾンを発生させるオゾン発生装置と、
    を備えるオゾン発生システム。
  8. 請求項7に記載のオゾン発生システムにおいて、
    前記オゾン発生装置は、
    高濃度酸素が流入する誘電体で形成された放電空隙と、
    電圧を印加して前記放電空隙に放電を発生させる一対の電極と、
    を含む放電セルを有し、
    前記放電空隙に面した前記誘電体の表面に、Ti、W、Sb、Mn、Fe、Co、Ni、V、Zn、Nb、Ta、Mo、Crから選択される1種若しくは2種以上の金属、又はその金属酸化物が存在するオゾン発生システム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016180617A (ja) * 2015-03-23 2016-10-13 新コスモス電機株式会社 化学発光式ガス検出装置および化学発光式ガス検出方法

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