JP2015015832A - ワイヤハーネスの外装保護構造 - Google Patents

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和宏 島谷
Kazuhiro Shimatani
和宏 島谷
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Abstract

【課題】ワイヤハーネスの分岐部を1本のコルゲートチューブで外装保護する。【解決手段】コルゲートチューブは、ワイヤハーネスの幹線に外装する幹線外装部と、前記幹線から枝線が分岐する位置から周方向に間隔をあけて複数本の軸線方向のスリットを先端まで設けて、分岐する枝線の個数に対応する個数の分割片を設けた枝線外装部と、を備え、前記各分割片を各枝線の回りでねじり巻きして当該枝線を囲む筒とし、該筒の外周面をテープ巻きして筒形状を保持して、各枝線をそれぞれ各分割片で保護している。【選択図】図4

Description

本発明はワイヤハーネスの外装保護構造に関し、詳しくは、汎用されている1本のコルゲートチューブを用いてワイヤハーネスの幹線、枝線分岐部および枝線を保護するものである。
従来、自動車に配索されるワイヤハーネスの保護材として、樹脂製のコルゲートチューブが汎用されている。ワイヤハーネスの幹線から支線が分岐する位置において電線群を保護するために、本出願人は特開平9−172714号公報で図6に示すコルゲートチューブの取付構造を提供している。該取付構造では、幹線に外装するコルゲートチューブ100と101の先端に斜めカット部100a、101aを設け、枝線に外装するコルゲートチューブ102に先端両側部にV字カット部102aを設け、前記コルゲートチューブ100、101、102のカット部100a、101a、102aを突き合わせて隙間なく分岐位置の電線群を保護している。
特開平9−172714号公報
特許文献1のコルゲートチューブによる分岐部の保護構造によれば、T字、Y字の分岐部でコルゲートチューブを3本に分断し、これら3本のコルゲートチューブの突き合わせ先端をそれぞれカットして用いているため、独立した3本のコルゲートチューブを用意する必要があり、十字分岐の場合は4本のコルゲートチューブが必要となり、部品管理に手間がかかる。かつ、先端のカット部が突き合わせ状態で隙間が発生しない状態に精度よくカットしておく必要がある。さらに、分岐位置でこれら3本の分断されたコルゲートチューブを突き合わせ状態で保持できるようにしっかりとテープ巻きをする必要がある。このように、特許文献1のコルゲートチューブを用いた分岐部の保護構造は改善の余地が多い。
本発明は前記問題に鑑みてなされたもので、幹線から複数の枝線が分岐するワイヤハーネスに対して、1本のコルゲートチューブを用いて幹線、分岐位置および分岐した枝線の保護を連続して図り、部品点数の削減および作業手数の減少を図ることを課題としている。
前記課題を解決するため、本発明は、環状の山部と谷部を軸線方向に交互に有する樹脂製のコルゲートチューブでワイヤハーネスを外装保護しており、
前記コルゲートチューブは、
前記ワイヤハーネスの幹線に外装する幹線外装部と、
前記幹線から枝線が分岐する位置から周方向に間隔をあけて複数本の軸線方向のスリットを先端まで設けて、分岐する枝線の個数に対応する個数の分割片を設けた枝線外装部と
を備え、
前記各分割片を各枝線の回りでねじり巻きして当該枝線を囲む筒とし、該筒の外周面をテープ巻きして筒形状を保持して、各枝線をそれぞれ各分割片で保護しているワイヤハーネスの外装保護構造を提供している。
コルゲートチューブに軸線方向のスリットを入れて周方向に分断して形成した複数の分割片は、軸線方向と直交方向の山部と谷部とが形成された円弧形状で且つ硬質な樹脂製であるため、該円弧状の分割片で枝線を囲む筒状とするために内径方向に縮めて縮径することは困難である。
本発明では、分割片をねじることは容易に出来ることを知見し、この知見に基づいて、分割片を枝線の回りでねじって筒状としている。これにより、幹線に外装した1本のコルゲートチューブを分岐位置から複数の分割片に分断し、各分割片をねじって各枝線を外装し、幹線外装部と複数の枝線外装部を1本のコルゲートチューブに連続して設けている。
これにより、特許文献1では、3本のコルゲートチューブが必要であったが、本発明では1本のコルゲートチューブでよく、別体のコルゲートチューブを分岐位置で突き合わせる作業もなく、部品点数の削減及び作業手数の軽減を図ることができる。
前記分割片の先端を周方向の一端から他端にかけて斜めカットして斜めカット部を設け、前記分割片を前記枝線の回りにねじり巻きして筒状とした際に、前記分割片の斜めカット部の突端と基端とを周方向に連続させて先端を円環形状とすることが好ましい。
前記のように、各分割片の先端に斜めカット部を設けると、枝線の回りにねじり巻きして筒状とした際に先端を円環状にでき、該分割片の巻付端にV形状に突出したエッジが生じないようにすることができる。
前記コルゲートチューブが全長にわたって1本のスリットが設けられているスリット入りコルゲートチューブであれば、枝線外装部に設ける軸線方向のスリットは、分岐する枝線の本数より1本少ない本数のスリットを周方向に間隔をあけて設けている。
即ち、幹線から分岐する枝線が2本であれば、枝線外装部には1本のスリットを追加すればよく、枝線が3本であれば、2本のスリットを入れればよい。
また、複数の分割片の周方向の長さは、同等でもよいし、外装する枝線の外径に応じて変えてもよく、各分割片で各枝線の外周を囲む筒にねじり巻きで巻き付けることができればよい。
さらに、複数の分割片の長さも、同等でもよいし、各枝線毎に必要な長さとしてもよい。長さを変える場合は、コルゲートチューブの元の長さを最長の分割片の長さにあわせておき、短い分割片は不要部分をカットすればよい。
例えば、枝線が短い場合は、幹線外装部から延長した前記分割片を枝線の所要長さ巻き付ければ、別のコルゲートチューブや樹脂チューブの外装やテープ巻きの外装を不要にできる。一方、枝線が長い場合には、枝線の分岐位置に近接した部分だけ前記分割片を巻き付けて外装し、該分割片の先端に他の樹脂チューブ等の外装材を連続して取り付ければよい。
前記のように、本発明に係わるコルゲートチューブによるワイヤハーネスの外装保護構造によれば、汎用されている1本のコルゲートチューブの枝線外装側にスリットを入れて周方向で分割した分割片を設け、各分割片を各枝線の外周にねじり巻きして、当該枝線を囲む筒状として外装している。これにより、連続した1本のコルゲートチューブを用いて、幹線側から分岐位置を経て各枝線を連続して保護することができる。
本発明の第1実施形態を示し、(A)は全体斜視図、(B)は枝線をコルゲートチューブの分割片を巻き付けて外装した状態を示す説明図である。 (A)は幹線から枝線が分岐したワイヤハーネスを示す概略平面図、(B)は該ワイヤハーネスに外装するコルゲートチューブの概略平面図、(C)は該コルゲートチューブの概略底面図である。 (A)〜(C)は図2(B)(C)に示すコルゲートチューブの形成方法を示す図面である。 (A)〜(F)は前記コルゲートチューブでワイヤハーネスを外装する工程を示す図面である。 第2実施形態を示し、(A)はコルゲートチューブの要部斜視図、(B)はワイヤハーネスにコルゲートチューブを外装した状態を示す要部斜視図である。 従来例を示す斜視図である。
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
図1乃至図4に第1実施形態を示す。
第1実施形態は、自動車に配索するワイヤハーネス1に1本のコルゲートチューブ10を外装し、該ワイヤハーネス1の幹線2、該幹線2から2本の枝線3、4がY字状に分岐する分岐位置Ps、および各枝線3、4をコルゲートチューブ1で連続して外装保護している。
前記コルゲートチューブ10は環状の山部10yと谷部10tが軸線方向に交互に設けられた樹脂製のコルゲートチューブであり、ワイヤハーネス外装材として汎用されているものである。該コルゲートチューブ10の内径はワイヤハーネス1の幹線2が挿通できる大きさであればよく、軸線方向の全長に1本のスリット11が設けられている。なお、この軸線方向全長のスリット11はワイヤハーネスを軸直角方向から横入れ可能として挿通作業性の点から設けられているものであり、本発明では必須でない。
前記コルゲートチューブ10は、図2(B)(C)に示すように、長さ方向の一端P1から中間点P2までの領域はワイヤハーネスの幹線2に外装する幹線外装部10aであり、幹線2から2本の枝線3、4が分岐する分岐位置Psと対応する位置が前記中間点P2である。該中間点P2から他端の先端点P3までの領域が分岐位置から枝線3、4にそれぞれ外装する枝線外装部10bである。
図3(A)に示すように、コルゲートチューブ1は通常の円筒形状の状態から、図3(B)に示すように枝線外装部10bには、その先端点P3ではスリット11を設けた部分を突端として斜め方向のカットCを入れている。該カットCは本実施形態では角度αが60の傾斜カットとしている。該カットCで切り込まれた奥端Cpはスリット11と直径方向に対向して位置し、該カットCの奥端Cpから中間点P2まで軸線方向のスリット12を設けている。これにより枝線外装部10bをスリット11と12とで周方向に2分割し、枝線3、4にそれぞれ外装する分割片14、15とに分けている。これら分割片14、15はそれぞれ先端に前記カットCで形成した斜めカット部16、17を備えている。
前記枝線3、4にそれぞれ巻き付ける分割片14、15は、図4(C)に示すように、それぞれ枝線3、4の回りでねじり巻きしている。図1(B)に示すように、分割片14では斜めカット部16の突端16aと基端16bとが先端周方向で環状に連続するように巻回し、円弧片からなる分割片14を枝線3を囲む筒状としている。同様に、分割片15では斜めカット部17の突端17aと基端17bとが先端周方向で環状に連続するように巻回し、円弧片からなる分割片15を枝線4を囲む筒状としている。
分割片14、15の斜めカット部16、17のカット角度αは、カット部の突端16aと基端16b、17aと17bが当接して形成される円筒の直径D1が枝線3、4の直径D2より大となる角度としている。
本実施形態では、枝線3、4の外径D2が略同等であるため、前記のようにカットCにより一括で斜めカット部16、17を設け、カット角度αを同一角度としている。
前記のように、ワイヤハーネス1にコルゲートチューブを外装する前に、汎用されているスリット11が入ったコルゲートチューブ10に対して、枝線外装部10bの先端にカットCを入れると共にスリット12を入れて、先端に斜めカット部16、17をそれぞれ有する2つの分割片14、15を設けている。
先端に斜めカット部16、17をそれぞれ有する2つの分割片14、15を設けたコルゲートチューブ1を、図4(A)〜(F)に示す工程で、幹線2から枝線3、4がY字分岐したワイヤハーネス1に外装している。
即ち、まず、図4(A)に示すように、スリット11を開いて、幹線2を幹線外装部10aに通す。この状態で、図4(B)に示すように、中間点P2に幹線2から枝線3、4が分岐する分岐部Psを位置させ、分割片14、15で枝線3、4をそれぞれ囲む。
ついで、図4(C)に示すように、一方の分割片14で枝線3の回りをねじり巻きして筒20とする。
ついで、前記筒20の状態を保持するため、図4(D)に示すようにスリット12を設けた奥端から先端にかけて粘着樹脂テープ18を巻き付ける。これにより、幹線2から分岐した枝線3の外周を分岐位置から分割片14で筒状に囲んで外装保護できる。
ついで、図4(E)(F) に示すように、他方の枝線4に分割片15をねじり巻きして筒21とし、粘着テープ18を巻き付けて筒21を保持し、分割片15で枝線4を外装保護する。
枝線3、4は比較的長いため、分割片14、15で外装した部分から先端は、樹脂チューブ(図示せず)をかぶせて外装している。なお、枝線が短い場合は分割片の長さを延長しておくことで、樹脂チューブ等の他の外装材による保護を不要としている。
図5(A)(B)に第2実施形態を示す。
第2実施形態では、幹線2から3本の枝線3、4、5が分岐している。
コルゲートチューブ1は枝線外装部10bの全長のスリット11以外に2本のスリット12A、12Bを入れて、3つの分割片13、14、15を設けている。
前記スリット11、12A、12Bを周方向に等間隔で設けておらず、形成する分割片13〜15の周方向長さを変え、分割片13の周方向長さを分割片14、15の周方向長さよりも短くしている。これは、図5(B)に示すように、枝線5の電線本数が枝線3、4の電線本数より少ないことに対応させている。
なお、第2実施形態では、各分割片13、14、15の突出端に斜めカット部は設けていない。
第1実施形態と同様に、分割片13は枝線5の回りにねじり巻きして筒22として、粘着テープ(図示せず)を巻き付けて筒22を保持している。分割片14は枝線3に、分割片15は枝線4にそれぞれねじり巻きして筒として、粘着テープを巻き付けて筒形状を保持している。
第2実施形態では、分割片13、14、15の先端に斜めカット部を設けていないため、枝線にそれぞれねじり巻きした状態で、先端は円環形状にならず、V字突出部13v、14v、15vする形状になるが、その外周面に粘着テープ(図示せず)を巻き付けるため、突出する先端がエッジとなって周縁部材に干渉することはない。
1 ワイヤハーネス
2 幹線
3、4、5 枝線
10 コルゲートチューブ
10a 幹線外装部
10b 枝線外装部
11、12 スリット
13、14、15 分割片
16、17 斜めカット部
18 粘着テープ

Claims (2)

  1. 環状の山部と谷部を軸線方向に交互に有する樹脂製のコルゲートチューブでワイヤハーネスを外装保護しており、
    前記コルゲートチューブは、
    前記ワイヤハーネスの幹線に外装する幹線外装部と、
    前記幹線から枝線が分岐する位置から周方向に間隔をあけて複数本の軸線方向のスリットを先端まで設けて、分岐する枝線の個数に対応する個数の分割片を設けた枝線外装部とを備え、
    前記各分割片を各枝線の回りでねじり巻きして当該枝線を囲む筒とし、該筒の外周面をテープ巻きして筒形状を保持して、各枝線をそれぞれ各分割片で保護しているワイヤハーネスの外装保護構造。
  2. 前記分割片の先端を周方向の一端から他端にかけて斜めカットして斜めカット部を設け、前記分割片を前記枝線の回りにねじり巻きして筒状とした際に、前記分割片の斜めカット部の突端と基端とを周方向に連続させて先端を円環形状としている請求項1に記載のワイヤハーネスの外装保護構造。
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WO2018116805A1 (ja) * 2016-12-22 2018-06-28 住友電装株式会社 ワイヤハーネス

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