JP2006014398A - ワイヤハーネス用コルゲートチューブ - Google Patents
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Abstract
【課題】 ワイヤハーネスの分岐部を肥大化させることなく、簡易な操作で外装保護可能とするワイヤハーネス用コルゲートチューブを提供する。
【解決手段】 ワイヤハーネスW/Hの幹線を構成する大径の主電線束W1と、該主電線束W1の一部が分岐された小径の分岐電線束W2と、残留する小径の被分岐電線束W3とから構成される分岐部に対し、被分岐電線束W3に対応する小径領域11と、主電線束W1に対応する大径領域12とを一体的に備えた連設部13を有するコルゲートチューブ10を成型する。
【選択図】 図1
【解決手段】 ワイヤハーネスW/Hの幹線を構成する大径の主電線束W1と、該主電線束W1の一部が分岐された小径の分岐電線束W2と、残留する小径の被分岐電線束W3とから構成される分岐部に対し、被分岐電線束W3に対応する小径領域11と、主電線束W1に対応する大径領域12とを一体的に備えた連設部13を有するコルゲートチューブ10を成型する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、ワイヤハーネス用コルゲートチューブに関し、詳しくはワイヤハーネスの分岐部を肥大化することなく簡易な操作で外装保護部材としてのコルゲートチューブを装着し得るようにするものである。
従来、自動車のエンジンルーム内等に配索されるワイヤハーネスは、図7(A)に示すように、ワイヤハーネスW/Hを構成する電線束の所要位置に、合成樹脂よりなり、長手方向に環状の凹凸部を繰り返す円筒状のコルゲートチューブ1を外装して、電線束を保護している。上記コルゲートチューブ1は、拡開可能なスリット部1aを軸方向に有し、該スリット部1aを順次拡開して電線束に外装するようにしている。
図7(A)は、ワイヤハーネスW/Hの分岐部2へコルゲートチューブ1を外装した状態を示している。この分岐部2は、特に、ワイヤハーネスW/Hの幹線Waを構成する大径の主電線束W1の一部を分岐して小径の分岐電線束W2からなる分岐線Wbを構成し、この分岐電線束W2以外の残留する電線からなる小径の被分岐電線束W3で幹線Waの端末が形成された状態を示している。
図7(A)は、ワイヤハーネスW/Hの分岐部2へコルゲートチューブ1を外装した状態を示している。この分岐部2は、特に、ワイヤハーネスW/Hの幹線Waを構成する大径の主電線束W1の一部を分岐して小径の分岐電線束W2からなる分岐線Wbを構成し、この分岐電線束W2以外の残留する電線からなる小径の被分岐電線束W3で幹線Waの端末が形成された状態を示している。
この場合、被分岐電線束W3は、幹線Waの一部を構成するにも拘わらず、分岐電線束W2側へ電線が分岐した分、幹線Waにおける分岐部2の手前の部分に比し、小径となっている。このような状態の分岐部2へのコルゲートチューブ1の取付構造として、従来は、まず、小径の分岐電線束W2に対し、小径のコルゲートチューブ1Bを外装し、ついで、幹線の主電線束W1から端末の被分岐電線束W3にわたって大径の主電線束W1に合致する大径のコルゲートチューブ1Aを外装している。そして、コルゲートチューブ1A、1Bの取付完了後、分岐部2の継ぎ目の露出部分にテープTを巻装している。
しかしながら、上記のように幹線Waを構成する主電線束W1と被分岐電線束W3との径が異なる場合、大径のコルゲートチューブ1Aの使用により、被分岐電線束W3のコルゲートチューブの径が不必要に肥大化し、周辺機器部品に干渉するため、車体への取付に支障をきたす場合がある。
しかしながら、上記のように幹線Waを構成する主電線束W1と被分岐電線束W3との径が異なる場合、大径のコルゲートチューブ1Aの使用により、被分岐電線束W3のコルゲートチューブの径が不必要に肥大化し、周辺機器部品に干渉するため、車体への取付に支障をきたす場合がある。
このような被電線束W3での肥大化を防止するため、図7(B)に示すように、被分岐電線束W3を構成する部分に、その外径に適した小径のコルゲートチューブ1Cを用いると共に、主電線束W1に外装する大径のコルゲートチューブ1Aの端部をコルゲートチューブ1Cにオーバーラップさせるようにしたコルゲートチューブの外装構造として特許文献1に記載のものが知られている。
特開平11−205944号公報
しかしながら、図7(B)に示すコルゲートチューブの外装構造では、分岐部2を保護するコルゲートチューブ1A、1B、1Cが3つの別部品となるため部品点数の増加と部品管理上の煩雑さにおける問題があった。更に幹線Waを構成する主電線束W1と被電線束W3を保護するためにコルゲートチューブ1Cの端部に対し、コルゲートチューブ1Aの端部をオーバーラップさせるようにして外装操作する必要があると共に、更にテープTを装着しなければならず、その取付作業に手間を要するという問題もあった。
本発明は上記した問題に鑑みてなされたもので、部品点数の増加を抑えつつ簡易な操作でワイヤハーネスの分岐部の保護を可能とするワイヤハーネス用コルゲートチューブを提供することを課題としている。
上記課題を解決するため、本発明では、ワイヤハーネスの幹線を構成する大径の主電線束と、該主電線束の一部が分岐された小径の分岐電線束と、該分岐電線束以外の残留する小径の電線束で構成される幹線の端末の被分岐電線束とから構成され、分岐部に装着される拡開可能なスリット部を有するワイヤハーネス用コルゲートチューブであって、
上記主電線束に外装される大径領域と上記被分岐電線束に外装される小径領域の二つの径の異なる領域を一体的に連設し、上記大径領域と小径領域との連設部に上記分岐電線束を挿通可能な貫通孔を上記スリット部を含む領域に形成していることを特徴とするワイヤハーネス用コルゲートチューブを提供している。
上記主電線束に外装される大径領域と上記被分岐電線束に外装される小径領域の二つの径の異なる領域を一体的に連設し、上記大径領域と小径領域との連設部に上記分岐電線束を挿通可能な貫通孔を上記スリット部を含む領域に形成していることを特徴とするワイヤハーネス用コルゲートチューブを提供している。
上記構成によれば、一つのコルゲートチューブに大径領域と小径領域とを有し、主電線束は大径領域で外装すると共に、被分岐電線束は小径領域で外装することによって、径の異なる電線束をそれぞれに対応する径の領域で保護することができる。よって、被分岐電線束に対しても必要以上にコルゲートチューブによって外装された部分が肥大化することがなく、また分岐部へのコルゲートチューブの装着も大径領域と小径領域が一体化されているので一度の操作で容易に装着することができる。また、主電線束から分岐する分岐電線束は大径領域と小径領域との連設部に設けた貫通孔を通して容易に分岐方向へ引き出すことができる。
上記コルゲートチューブは、所要の径および長さに設定された大径領域と小径領域とを軸線方向に交互に連続的に成型し、該成型体から大径領域と小径領域を一つずつ含む領域で所要寸法毎に切断することで個々の分岐用保護部材としている。
このようにすれば、径の異なる二つの領域を含む分岐部用のコルゲートチューブを低コストで量産することができる。
なお、大径領域と小径領域との連設部に形成する貫通孔は、個々に切断されたコルゲートチューブに対し、分岐電線束の径に対応する大きさの開口として形成することができる。
このようにすれば、径の異なる二つの領域を含む分岐部用のコルゲートチューブを低コストで量産することができる。
なお、大径領域と小径領域との連設部に形成する貫通孔は、個々に切断されたコルゲートチューブに対し、分岐電線束の径に対応する大きさの開口として形成することができる。
以上の説明より明らかなように、本発明のワイヤハーネス用コルゲートチューブによれば、分岐部を構成する主電線束と分岐電線束を分岐させた残りの被分岐電線束の径に応じた大径領域と小径領域とを備えているので、コルゲートチューブ外装後の各部位が必要以上に肥大化することがない。よって、ワイヤハーネスの配索時における他部材との干渉を防止できると共に、見栄えの良いコルゲートチューブの外装構造を得ることができる。また、従来の複数分割されたコルゲートチューブの組み合わせ構造に比し、径の異なる領域が一体化されてなるので、電線束に対する外装作業の作業性向上を図ることができる。
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
図1〜図6は、本発明におけるワイヤハーネス用コルゲートチューブの実施形態を示し、このコルゲートチューブ10はワイヤハーネスW/Hの分岐部Aを保護するための外装部材であり、合成樹脂製の筒状体から構成している。このコルゲートチューブ10は、長手方向に環状の凹凸部10aが連続的に形成され、左右で径の異なる小径領域11と大径領域と12とからなり、中央の連設部13にて小径領域11と大径領域12は一体的に連設している。またコルゲートチューブ10には軸線方向に沿ってスリット部14が形成され、このスリット部14を介してコルゲートチューブ10を拡開可能としている。また、連設部13におけるスリット部14を含む領域には、後述の分岐電線束W3を挿通可能な貫通孔15を形成している。
図1〜図6は、本発明におけるワイヤハーネス用コルゲートチューブの実施形態を示し、このコルゲートチューブ10はワイヤハーネスW/Hの分岐部Aを保護するための外装部材であり、合成樹脂製の筒状体から構成している。このコルゲートチューブ10は、長手方向に環状の凹凸部10aが連続的に形成され、左右で径の異なる小径領域11と大径領域と12とからなり、中央の連設部13にて小径領域11と大径領域12は一体的に連設している。またコルゲートチューブ10には軸線方向に沿ってスリット部14が形成され、このスリット部14を介してコルゲートチューブ10を拡開可能としている。また、連設部13におけるスリット部14を含む領域には、後述の分岐電線束W3を挿通可能な貫通孔15を形成している。
コルゲートチューブ10を外装すべきワイヤハーネスW/Hの分岐部Aは、図2に示すように、幹線Wを構成する大径の主電線束W1の一部の電線を所要箇所に巻き付けたテープTを分岐点Pとして3本の電線を直交方向に分岐することで、小径の分岐電線束W2を構成している。幹線Wの端末側は、分岐された分岐電線束W2以外の残留する電線からなる被分岐電線束W3で構成され、主電線束W1に比し小径となっている。また、上記のように分岐された分岐電線束W2、被分岐電線束W3の端末部には、それぞれコネクタC2、C3が接続されている。
上記コルゲートチューブ10は、分岐部Aにおける主電線束W1の径に対応させるようにして大径領域12を形成すると共に、小径の被分岐電線束W3の径に対応させるようにして小径領域11を形成している。この小径領域11および大径領域12は、主電線束W1および被分岐電線束W3に対し余分な大きさとならない外径寸法と長さ寸法に設定している。
上記コルゲートチューブ10は、例えば、図4(A)に示すブロー成型装置20により連続的に成型することができる。このブロー成型装置20は、内面に上記凹凸部10aに対応する成形面21aが形成された半割りブロック状の成形金型21が多数連設されて上下に配設されている。この成形金型21は、隣接するものは相互に密に接触すると共に、上下が一対となってコルゲートチューブ10の外周部を形成する構成とし、上下の成形金型21は、エンドレスのリング状となってそれぞれ多数配列されている。この成形金型21は、コルゲートチューブ10の小径領域11を成型するために狭い間隔で配置された第1金型群21Aと、大径領域12を成型するために広い間隔で配置された第2金型群21Bから構成している。
上記成形金型21は、合成樹脂材料Mを溶融状態で円筒状に押し出す押し出し機22のノズル23の軸線上に配置され、この押し出し機22から押し出された合成樹脂材料Mを上下の成形金型21の成形面21a内へ供給すると共に、内部からガス圧を加える。これにより、溶融状態の樹脂材料Mは第1金型群21Aおよび第2金型群21Bの成形面21aに押し付けられることでコルゲートチューブ10の小径領域11および大径領域12の外周が成形される。そして、順次成形金型21を押し出し方向に循環させることでコルゲートチューブ10を連続的に成形し、移送過程で冷却すると共に、成形金型21が順次開かれることで成形品として取り出される。なお、コルゲートチューブ10への軸方向に沿ったスリット部14の形成は、成形金型21から押し出される成形体に対し、カッター24を配置することで形成される。このようにして、小径領域11と大径領域12が連続して得られる成型体(図3)から、小径領域11と大径領域12とを一つずつ含む領域で切断し、更に連設部13に貫通孔15を形成することで分岐部Aを保護するためのコルゲートチューブ10が得られる。なお、連設部13は個々のコルゲートチューブ10の切断前に形成してもよい。
また、小径領域11および大径領域12の長さは、外装すべき主電線束W1と被分岐電線束W3の長さに対応させた寸法となるように成形金型21の長さを設定している。
また、小径領域11および大径領域12の長さは、外装すべき主電線束W1と被分岐電線束W3の長さに対応させた寸法となるように成形金型21の長さを設定している。
次に、上記構成からなるコルゲートチューブ10を用いてワイヤハーネスW/Hの分岐部Aを保護する構造について説明する。
図5(A)に示すように、テープTによって分岐点Pから分岐された分岐電線束W2に対し通常のストレートタイプのコルゲートチューブ30を外装する。次いで、図5(B)に示すように、主電線束W1および被分岐電線束W3に対しコルゲートチューブ10を外装するに際し、小径領域11を被分岐電線束W3に、大径領域12を主電線束W1にそれぞれ対応させるようにし、スリット部14を拡開しながらそれぞれの領域にコルゲートチューブ10を外装するようにしている。このとき、分岐電線束W2は、図6に示すように、コルゲートチューブ10の連設部13に形成したスリット部14を通して分岐方向へ取り出すようにしている。このようにして分岐部Aにコルゲートチューブ10、30を外装した後、テープTによって隙間を被覆するようにしている。
図5(A)に示すように、テープTによって分岐点Pから分岐された分岐電線束W2に対し通常のストレートタイプのコルゲートチューブ30を外装する。次いで、図5(B)に示すように、主電線束W1および被分岐電線束W3に対しコルゲートチューブ10を外装するに際し、小径領域11を被分岐電線束W3に、大径領域12を主電線束W1にそれぞれ対応させるようにし、スリット部14を拡開しながらそれぞれの領域にコルゲートチューブ10を外装するようにしている。このとき、分岐電線束W2は、図6に示すように、コルゲートチューブ10の連設部13に形成したスリット部14を通して分岐方向へ取り出すようにしている。このようにして分岐部Aにコルゲートチューブ10、30を外装した後、テープTによって隙間を被覆するようにしている。
このようにして上記構成からなるコルゲートチューブ10で外装されたワイヤハーネスW/Hは、分岐電線束W2が分岐することによって主電線束W1より外径が小さくなった被分岐電線束W3に対しては、コルゲートチューブ10の小径領域11が外装されているので、被分岐電線束W3の部分が必要以上に肥大化することがない。また、コルゲートチューブ10は連設部13の段差を分岐点Pに対応させることで分岐部Aに対するコルゲートチューブ10の位置決めも容易であり、しかも小径領域11と大径領域12が一体的に成型されているので、別体ものの外装作業に比し、その作業性を向上することができる。
10 コルゲートチューブ
11 小径領域
12 大径領域
13 連設部
14 スリット部
15 貫通孔
W 幹線
W1 主電線束
W2 分岐電線束
W3 被分岐電線束
A 分岐部
W/H ワイヤハーネス
11 小径領域
12 大径領域
13 連設部
14 スリット部
15 貫通孔
W 幹線
W1 主電線束
W2 分岐電線束
W3 被分岐電線束
A 分岐部
W/H ワイヤハーネス
Claims (2)
- ワイヤハーネスの幹線を構成する大径の主電線束と、該主電線束の一部が分岐された小径の分岐電線束と、該分岐電線束以外の残留する小径の電線束で構成される幹線の端末の被分岐電線束とから構成される分岐部に装着され、拡開可能なスリット部を有するワイヤハーネス用コルゲートチューブであって、
上記主電線束に外装される大径領域と上記被分岐電線束に外装される小径領域の二つの径の異なる領域を一体的に連設し、上記大径領域と小径領域との連設部に上記分岐電線束を挿通可能な貫通孔を上記スリット部を含む領域に形成していることを特徴とするワイヤハーネス用コルゲートチューブ。 - 上記コルゲートチューブは、所要の径および長さに設定された大径領域と小径領域とを軸線方向に交互に連続的に成型し、該成型体から大径領域と小径領域を一つずつ含む領域で所要寸法毎に切断することで個々の分岐用保護部材としている請求項1に記載のワイヤハーネス用コルゲートチューブ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2004183930A JP2006014398A (ja) | 2004-06-22 | 2004-06-22 | ワイヤハーネス用コルゲートチューブ |
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009542180A (ja) * | 2006-07-05 | 2009-11-26 | デルファンジャン エフエール−アントゥイユ エス.アー. | 環状で管状のシースとその製造装置 |
JP2013021753A (ja) * | 2011-07-07 | 2013-01-31 | Yazaki Corp | ワイヤーハーネスの配索構造 |
WO2014104041A1 (ja) * | 2012-12-25 | 2014-07-03 | 矢崎総業株式会社 | ワイヤハーネス |
CN108242786A (zh) * | 2016-12-27 | 2018-07-03 | 住友电装株式会社 | 线束 |
-
2004
- 2004-06-22 JP JP2004183930A patent/JP2006014398A/ja not_active Withdrawn
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Legal Events
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---|---|---|---|
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