JP2015015509A - 音声信号増幅器 - Google Patents

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Abstract

【課題】 出力スイッチ回路の動作音の発生を抑制して、ユーザーにとって不快に感じることが少ない音声信号増幅器を提供する。
【解決手段】 音声信号増幅器は、制御部が、音声信号増幅器の動作を、いずれか一つの入力音声信号を増幅して対応する出力端子に出力する第1状態から、出力端子に音声信号を出力しない第2状態へ切り換える場合に、第2状態において音声信号を出力しない出力端子に対応する出力スイッチ回路部のスイッチを、指示入力部での音量制御指示が、所定の閾値以上に大きく設定されている場合には切断動作させ、閾値未満に小さく設定されている場合には通電動作を維持するように制御する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、音声信号を増幅して電気音響変換器へ出力する音声信号増幅器に関し、特に、スピーカーが接続される出力端子に音声信号を出力するか否かを切り換える出力スイッチ回路を備える音声信号増幅器に関する。
音声を再生するオーディオ装置では、電気的に記録された音声信号を増幅してスピーカー等の電気音響変換器に供給するアンプ回路等の音声信号増幅器が用いられる。音声信号増幅器は、内部にボリューム回路を含む音量調整回路部と、電力増幅段にあたる増幅回路部と、出力スイッチ回路部と、を含む。音声信号増幅器と電気音響変換器とが別々に設けられている場合には、電気音響変換器は、音声信号増幅器の出力端子に接続されて使用される。また、音声信号増幅器と電気音響変換器とが一体に形成されている場合にも、その内部において音声信号増幅器の出力端子に電気音響変換器が接続される。
出力スイッチ回路部は、増幅回路部からの出力信号を電気音響変換器が接続される出力端子に出力するか否かを切り換えるように設けられている。具体的には、出力スイッチ回路部には、増幅回路部からの出力電力が相対的に大きいので、コイルに電流を流し発生する磁気で接点を移動させて切断動作/通電動作を行うリレー素子が用いられる。近年のオーディオ装置では、ステレオ音声に対応する2チャンネルアンプの他にも、例えば9.2チャンネルといった複数のマルチチャンネル音声に対応するAVアンプ等が存在するので、出力スイッチ回路部に含まれるリレー素子の数量も増加している。
出力スイッチ回路部のリレー素子は、音声信号を出力端子に出力するか否かにより切り換えられるので、オーディオ装置の動作中にはかなり頻繁に切断動作/通電動作を行うことになる。例えば、マルチチャンネル音声に対応するAVアンプでは、電源オン/オフ動作の際にスピーカーを保護するように切断動作/通電動作を行う以外にも、入力音声信号の音声信号フォーマットが切り替わるのに対応して、または、ユーザー操作によるサラウンド設定が切り替わるのに対応して、音声信号が存在しないチャンネルに対応する使用しないスピーカーへの出力を抑えるように、出力スイッチ回路部の一部のリレー素子を切断動作させる場合がある。これは、音声信号が存在するチャンネルから存在しないチャンネルへ音声信号が漏れる好ましくないクロストークノイズが発生したとしても、使用しないはずのスピーカーから好ましくないクロストークノイズが再生されてしまうことを防止するためである。
リレー素子を用いる構成の出力スイッチ回路部では、切断動作/通電動作に伴って機械的に接点を移動させる動作音が発生する。上記の通り、出力スイッチ回路部のリレー素子は、オーディオ装置の動作中にはかなり頻繁に切断動作/通電動作を行うので、その結果、一部のユーザーにとっては、頻繁に発生する出力スイッチ回路部の動作音を、不快に感じる場合があるという問題がある。特に、周囲騒音が少ない静かな環境下では、複数のリレー素子が切断動作/通電動作を行う場合には、出力スイッチ回路部の動作音が耳障りになることがある。
従来には、タイマー設定時に表示装置自体から出力される騒音(ファンの回転音、電源OFF時のリレー音など)も抑えるように制御を行うことのできるタイマー機能付き表示装置を提供するのに、タイマー設定後から、タイマー時間に応じて、表示装置自体の発する騒音がユーザーの妨げにならないように設定するなど、表示装置の画面、音声、ファンなどの各種設定が経時的に自動変更するように設定可能にした表示装置がある(特許文献1)。特許文献1では、スタンバイ状態が一定時間継続した後に、表示装置のAC電源をON/OFFするための電源リレーを切断するようにしている。ただし、特許文献1は、表示装置を使用しているとき等ではリレー音が発生すると気になるので、スタンバイ状態を継続する一定時間を相当程度長く設定することで、ユーザーが気にならない時点でリレーが切断されるようにしているのにすぎない。
特開2007−135018号公報
本発明は、上記の従来技術が有する問題を解決するためになされたものであり、その目的は、出力スイッチ回路の動作音の発生を抑制して、ユーザーにとって不快に感じることが少ない音声信号増幅器を提供することにある。
本発明の音声信号増幅器は、複数の入力音声信号の音量を変更してそれぞれ出力する音量調整回路部と、音量調整回路部からのそれぞれの出力信号を増幅する増幅回路部と、増幅回路部からのそれぞれの出力信号を複数の電気音響変換器がそれぞれ接続される出力端子に出力するか否かを切り換える出力スイッチ回路部と、音量調整回路部、増幅回路部、および、出力スイッチ回路部の動作を制御する制御部と、制御部に接続し、音量調整回路部への音量制御指示を含むユーザー操作が入力される指示入力部と、を備える音声信号増幅器であって、制御部が、音声信号増幅器の動作を、いずれか一つの入力音声信号を増幅して対応する出力端子に出力する第1状態から、出力端子に音声信号を出力しない第2状態へ切り換える場合に、出力端子に対応する出力スイッチ回路部を、指示入力部での音量制御指示が、所定の閾値以上に大きく設定されている場合には切断動作させ、閾値未満に小さく設定されている場合には通電動作を維持するように制御する。
好ましくは、本発明の音声信号増幅器は、第1状態が、複数の入力音声信号の全てを増幅して全ての出力端子にそれぞれ出力する場合を含み、第2状態が、複数の入力音声信号の少なくとも一つを増幅して対応する出力端子に出力し、かつ、少なくとも一つの出力端子に音声信号を出力しない場合を含む。
好ましくは、本発明の音声信号増幅器は、出力スイッチ回路部のスイッチが、コイルに電流を流し発生する磁気で接点を移動させて切断動作/通電動作を行うリレー素子を含む。
また、好ましくは、本発明の音声信号増幅器は、制御部が、閾値を、指示入力部からのユーザー操作に基づいて所定の値に設定して記憶する。
また、好ましくは、本発明の音声信号増幅器は、制御部が、第1状態または第2状態を、入力音声信号の音声信号フォーマット、または、指示入力部からのユーザー操作によるサラウンド設定に基づいて選択して切り換える。
以下、本発明の作用について説明する。
本発明の音声信号増幅器は、複数の入力音声信号の音量を変更してそれぞれ出力する音量調整回路部と、音量調整回路部からのそれぞれの出力信号を増幅する増幅回路部と、増幅回路部からのそれぞれの出力信号を複数の電気音響変換器がそれぞれ接続される出力端子に出力するか否かを切り換える出力スイッチ回路部と、音量調整回路部、増幅回路部、および、出力スイッチ回路部の動作を制御する制御部と、制御部に接続し、音量調整回路部への音量制御指示を含むユーザー操作が入力される指示入力部と、を備える。制御部は、音声信号増幅器の動作を、いずれか一つの入力音声信号を増幅して対応する出力端子に出力する第1状態から、出力端子に音声信号を出力しない第2状態へ切り換える場合に、第2状態において音声信号を出力しない出力端子に対応する出力スイッチ回路部を、指示入力部での音量制御指示が、所定の閾値以上に大きく設定されている場合には切断動作させ、閾値未満に小さく設定されている場合には通電動作を維持するように制御する。
したがって、音声信号増幅器は、第1状態から第2状態へ切り換える際に出力スイッチ回路部の動作音が発生するとしても、比較的に大きな音量で音声再生する場合には、出力スイッチ回路部を切断動作させることができ、一方で、比較的に小さな音量で音声再生する場合には、その動作音が発生しないように出力スイッチ回路部での通電動作を維持させることができる。比較的に大きな音量で音声再生する場合には、再生される音声により出力スイッチ回路部の動作音がマスキングされやすくなるので、ユーザーは、出力スイッチ回路の動作音を不快に感じることが少ない。また、比較的に小さな音量で音声再生する場合には、音声信号を出力しない出力端子に対応する出力スイッチ回路部での通電動作を維持させるので、動作音が発生しない。その結果、ユーザーにとって実質的に出力スイッチ回路の動作音を不快に感じないようにすることができる。
なお、第1状態は、入力音声信号を増幅して対応する出力端子に出力することを意図する状態を意味し、第2状態は、出力スイッチ回路部の動作に関わらず出力端子に音声信号を出力しないことを意図する状態を意味する。また、上記の第1状態は、複数の入力音声信号の全てを増幅して全ての出力端子にそれぞれ出力する場合を含み、第2状態は、複数の入力音声信号の少なくとも一つを増幅して対応する出力端子に出力し、かつ、少なくとも一つの出力端子に音声信号を出力しない場合を含むものであってもよい。具体的には、ある出力端子に音声信号を出力しないように状態を変更する場合であっても、全ての出力端子に対応する出力スイッチ回路部の全てのスイッチを、通電動作を維持するようにしてもよい。入力音声信号が複数のチャンネル成分からなる場合には、一つの音声チャンネルを増幅して対応する出力端子に出力し、他の出力端子に音声信号を出力しない場合があり得るので、クロストークノイズの発生を抑えることが好ましい。比較的に大きな音量で音声再生する場合には、相対的にクロストークノイズは大きくなりやすく、一方で、比較的に小さな音量で音声再生する場合には、相対的にクロストークノイズは小さくなる。本発明の音声信号増幅器は、比較的に大きな音量で音声再生する場合には、出力スイッチ回路部を切断動作させて大きなクロストークノイズが再生されるのを防止する一方で、比較的に小さな音量で音声再生する場合には、クロストークノイズも小さいので、音声信号を出力しない出力端子に対応する出力スイッチ回路部での通電動作を維持させる。その結果、好ましくないクロストークノイズが使用しないはずのスピーカーから再生されてしまうことを実質的に防止することができ、かつ、ユーザーにとって出力スイッチ回路の動作音を不快に感じないようにすることができる。
また、音声信号増幅器は、出力スイッチ回路部のスイッチが、コイルに電流を流し発生する磁気で接点を移動させて切断動作/通電動作を行うリレー素子を含むものであってもよい。出力スイッチ回路部のスイッチが、リレー素子である場合には、周囲騒音が少ない静かな環境下では動作音が耳障りになりやすい。したがって、比較的に小さな音量で音声再生する場合には、音声信号を出力しない出力端子に対応する出力スイッチ回路部での通電動作を維持させることで、動作音が発生せず、その結果、ユーザーにとって実質的に出力スイッチ回路の動作音を不快に感じないようにすることができる。
また、音声信号増幅器は、制御部が、音量制御指示に関する閾値を、指示入力部からのユーザー操作に基づいて所定の値に設定して記憶するようにしてもよい。出力スイッチ回路の動作音が耳障りになるか否かは、それぞれのユーザーの感覚、あるいは、周囲騒音の相違によって異なるので、出力スイッチ回路部を切断動作させる、または、通電動作を維持させるかを切り換える音量調整回路部への音量制御指示を、それぞれのユーザーにとって最適に調整することができる。
また、音声信号増幅器は、制御部が、制御部が、第1状態または第2状態を、入力音声信号の音声信号フォーマット、または、指示入力部からのユーザー操作によるサラウンド設定に基づいて選択して切り換えるようにしてもよい。出力スイッチ回路部において、音声信号を増幅して対応する出力端子に出力するか否かは、入力音声信号の音声信号フォーマット、または、指示入力部からのユーザー操作によるサラウンド設定に基づいて決定されるので、本発明では、比較的に小さな音量で音声再生する場合には、出力スイッチ回路部での通電動作を維持させることで、出力スイッチ回路の動作音の発生を抑制することができる。特に、再生するコンテンツによっては、入力音声信号の音声信号フォーマットが頻繁に変わる場合がある。音声信号増幅器も、音声信号フォーマットに対応してサラウンド設定を自動的に切り換えるようにユーザー設定する場合がある。したがって、比較的に小さな音量で音声再生する場合には、出力スイッチ回路の動作回数が実質的にかなり減ることになるので、出力スイッチ回路部のスイッチがリレー素子を含む場合などには、リレー素子の故障リスクを減少させることができる。
本発明の音声信号増幅器は、出力スイッチ回路の動作音の発生を抑制して、ユーザーにとって不快に感じることを少なくできる。また、好ましくないクロストークノイズが使用しないはずのスピーカーから再生されてしまうことを実質的に防止し、出力スイッチ回路部のスイッチがリレー素子を含む場合などには、リレー素子の故障リスクを減少させることができる。
本発明の好ましい実施形態による音声信号増幅器について説明する図である。(実施例1) 音声信号増幅器のCPUにおける音量制御指示に関する閾値を説明する図である。(実施例1) 音声信号増幅器のCPUにおける動作制御を説明するフローチャートである。(実施例1)
以下、本発明の好ましい実施形態による音声信号増幅器について説明するが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。
図1は、本発明の好ましい実施形態による音声信号増幅器1について説明するブロック図である。具体的には、音声信号増幅器1は、(図示しない)コンテンツ再生装置、(図示しない)ディスプレイ装置、および、(図示しない)スピーカーシステムに接続して、映像および音声を再生するAVアンプであり、音声信号増幅器1は、ステレオ音声信号およびマルチチャンネル音声信号に対応した(図示しない)コンテンツ再生システムを構成する。なお、説明に不要な一部の構造や、内部構造等は、図示ならびに説明を省略している。
音声信号増幅器1は、(図示しない)コンテンツ再生装置から端子adataに入力されるマルチチャンネル音声データをデコードし、それぞれのチャンネル毎に増幅して、スピーカー端子群TSPに接続する(図示しない)複数のスピーカーへ出力し、視聴者(ユーザー)にマルチチャンネル音声を再生する。音声信号増幅器1は、DSP(Digital Signal Processor)10の内部に構成されるデコード回路11が、マルチチャンネル音声データを7.1チャンネルサラウンド音声データにデコードする。7.1チャンネルの音声データとは、前方左データL、前方右データR、前方中央データC、サラウンド左データSL、サラウンド右データSR、サラウンド後方左データSBL、サラウンド後方右データSBRの全帯域の成分を含む合計7チャンネルと、帯域制限された低音データLFEとから構成される。7.1チャンネルの音声データは、DSP10の内部に構成されるサラウンドモード設定回路12を介してDAC(Digital Analog Converter)2に出力され、7.1チャンネルのアナログ音声信号に変換される。
DAC2から出力されるそれぞれのアナログ音声信号は、音量調整回路であるマスタボリューム回路8を通じて音量調節される。マスタボリューム回路8での音量は、後述するCPU5により制御される。7.1チャンネルのアナログ音声信号のうち、全帯域の成分を含む合計7チャンネルは、それぞれのチャンネル音声を増幅する増幅器3で増幅され、複数のスイッチリレーから構成される出力スイッチ回路4を介して、スピーカー端子群TSPに出力される。また、帯域制限された低音信号LFEは、端子lfeから出力され、(図示しない)増幅器内蔵サブウーファーSubに入力される。
また、音声信号増幅器1の出力スイッチ回路4は、スピーカー端子群TSPのそれぞれのスピーカー端子(l、c、r、sl、sr、sbl、sbr)に対応するスイッチリレーを備える。スイッチリレーは、コイルに電流を流し発生する磁気で接点を移動させて切断動作/通電動作を行うリレー素子であり、後述するCPU5によりその動作が制御される。出力スイッチ回路4は、音声信号増幅器1の電源オン/オフ動作の際にスピーカーを保護するように切断動作/通電動作を行う以外にも、入力音声信号の音声信号フォーマットが切り替わるのに対応して、または、ユーザー操作によるサラウンド設定が切り替わるのに対応して、音声信号が存在しないチャンネルに対応する使用しないスピーカー(つまり、音声出力が意図されていないチャンネルに対応するスピーカー)への出力を抑えるように、一部のリレー素子を切断動作させる。また、スイッチリレーは、切断動作/通電動作に伴う動作音が発生する。したがって、周囲騒音が少ない静かな環境下では、音声信号増幅器1の出力スイッチ回路4の動作音がユーザーに聞こえる場合がある。
また、音声信号増幅器1は、その全体を制御するCPU(中央演算装置)5と、ボリュームスイッチ等を含む操作回路6と、液晶表示パネルやLEDを含む表示回路7と、を含み、電源等の他の回路構成については、図1では省略されている。マルチチャンネル音声増幅装置1の操作回路6および表示回路7は、音量制御指示に関するボリューム設定値をユーザーが調整できるようにし、再生音量の大小を調整する。また、CPU5は、後述する音量制御指示に関する閾値を、操作回路6からのユーザー操作に基づいて所定の値に設定して記憶することができる。
7.1チャンネルサラウンド音声データは、サラウンドモード設定回路12並びにDAC2を介して、7.1チャンネルのアナログ音声信号に変換される。本実施例において、(図示しない)スピーカーシステムは、前方左音声信号(L)に対応する前方左スピーカー、前方右音声信号(R)に対応する前方右スピーカー、前方中央音声信号(C)に対応する前方中央スピーカー、サラウンド左音声信号(SL)に対応するサラウンド左スピーカー、サラウンド右音声信号(SR)に対応するサラウンド右スピーカー、サラウンド後方左音声信号(SBL)に対応するサラウンド後方左スピーカー、サラウンド後方右音声信号(SBR)に対応するサラウンド後方右スピーカー、低音信号(LFE)に対応するサブウーファーからなる7チャンネルシステムである。
スピーカーシステムで音声を再生すべく使用されるスピーカーは、7.1チャンネルサラウンド音声データの音声信号フォーマット、または、サラウンドモード設定回路12におけるサラウンド設定に基づいて選択される。例えば、入力音声データがステレオ音声の場合でサラウンド設定が「ステレオモード」の場合には、前方左スピーカーおよび前方右スピーカーが音声を再生し、他のスピーカーは音声を再生しない。また、入力音声データがステレオ音声の場合でサラウンド設定が「全チャンネルステレオモード」の場合、あるいは、入力音声データが7チャンネル音声の場合でサラウンド設定が「サラウンドモード(又は全チャンネルステレオモード)」の場合、には、7つのスピーカー全てが音声を再生する。したがって、この音声信号増幅器1では、CPU5が出力スイッチ回路4を適切に制御して、対応する増幅回路3と接続したスピーカーとが接続されるか、または、切断されるか、を制御する。
図2は、音声信号増幅器1のCPU5における音量制御指示に関する閾値を説明する図である。図2における横軸Vol.は、マスタボリューム回路8における音量制御で、最小音量レベル−無限大dBから、最大0dBの範囲で調整可能な範囲を示している。映画コンテンツ又は音楽コンテンツの再生では、マスタボリュームは、−60〜−30dB程度の範囲で音量制御されることが多い。CPU5は、予め設定されている、あるいは、ユーザーにより設定された閾値(例えば範囲0〜100において、マスタボリューム−50dBに対応する値A)を記憶しており、マスタボリュームが閾値以上で「出力スイッチ回路4のリレーを切断動作する」か、マスタボリュームが閾値未満で「出力スイッチ回路4のリレーを切断動作しない(通電動作を維持する)」か、という動作の相違を判別している。
また、図3は、音声信号増幅器1のCPU5における動作制御を説明するフローチャートである。ここでは、CPU5は、サラウンドモード設定回路12におけるサラウンド設定が「全チャンネルステレオモード」であって、出力スイッチ回路4の音声信号(L、R
、C、SL、SR、SBL、SBR)に対応する全てのリレーを「ON(通電)」に制御している場合(S101)を例示している。音声信号増幅器1の操作回路6を介して、あるいは、マルチチャンネル音声データが変化することにより、サラウンド設定を「ステレオモード」に切り換える要求をCPU5が受領した場合(S102)の処理を説明する。
CPU5は、マスタボリューム回路8における音量制御で、現在のマスタボリュームが、閾値A以上であるか否かを判断する(S103)。閾値A以上である場合には(S103:Yes)、サラウンド設定を「ステレオモード」に切り換えるとともに、出力スイッチ回路4の音声信号(L、R)に対応するリレーを「ON(通電)」に維持するように制御し
、音声信号(C、SL、SR、SBL、SBR)に対応するリレーを「OFF(切断)」に制御する(S104)。この場合には、「OFF(切断)」に制御した音声信号(C、SL、SR、SBL、SBR)に対応するリレーでは、リレーの動作音が発生する。しかし、マスタボリュームが閾値A以上であるので、比較的に大きな音量で音声再生していることになるので、再生される音声により出力スイッチ回路部の動作音がマスキングされ、その結果、ユーザーは、出力スイッチ回路4の動作音を不快に感じることが少ない。また、この場合には、音声信号が存在するチャンネル(L、R)から存在しないチャンネルへ音声信号が漏れる好ましくないクロストークノイズが発生したとしても、対応するリレーが「OFF(切断)」に制御されているので、音声信号(C、SL、SR、SBL、SBR)に対応する各スピーカーから好ましくないクロストークノイズが再生されることはない。
一方で、CPU5は、現在のマスタボリュームが、閾値A未満であると判断する場合には(S103:No)、サラウンド設定を「ステレオモード」に切り換えるとともに、出力スイッチ回路4の音声信号(C、SL、SR、SBL、SBR)に対応するリレーを「ON(通電)」に維持するように制御する(S105)。この場合には、全てのリレーが「OFF(切断)」に制御されないので、リレーの動作音が発生しない。ここで、マスタボリュームが閾値A未満であるので、比較的に小さな音量で音声再生していても、ユーザーは、出力スイッチ回路4の動作音を不快に感じることがない。また、この場合には、音声信号が存在するチャンネル(L、R)から存在しないチャンネルへ音声信号が漏れる好ましくないクロストークノイズが発生したとしても、比較的に小さな音量で音声再生するので、相対的にクロストークノイズは小さくなり、実質的に音声信号(C、SL、SR、SBL、SBR)に対応する各スピーカーから好ましくないクロストークノイズが再生されることを防止できる。
次に、(S104)の状態からマスタボリューム値を閾値A未満の値に変更する場合(S106)を説明する。CPU5は、マスタボリューム回路8における音量制御で、現在のマスタボリュームが、閾値A未満であることを判断すると、出力スイッチ回路4の音声信号(L、R)に対応するリレーを「ON(通電)」に維持するように制御し
、音声信号(C、SL、SR、SBL、SBR)に対応するリレーを「OFF(切断)」に維持するように制御する(S107)。この場合には、全てのリレーが動作しないので、リレーの動作音が発生しない。ここで、マスタボリュームが閾値A未満であるので、比較的に小さな音量で音声再生していても、ユーザーは、出力スイッチ回路4の動作音を不快に感じることがない。また、この場合には、音声信号が存在するチャンネル(L、R)から存在しないチャンネルへ音声信号が漏れる好ましくないクロストークノイズが発生したとしても、対応するリレーが「OFF(切断)」に制御されているので、音声信号(C、SL、SR、SBL、SBR)に対応する各スピーカーから好ましくないクロストークノイズが再生されることはない。
次に、(S105)の状態からマスタボリューム値を閾値A以上の値に変更する場合(S108)を説明する。CPU5は、マスタボリューム回路8における音量制御で、現在のマスタボリュームが、閾値A以上であることを判断すると、出力スイッチ回路4の音声信号(L、R)に対応するリレーを「ON(通電)」に維持するように制御し
、音声信号(C、SL、SR、SBL、SBR)に対応するリレーを「OFF(切断)」に制御する(S109)。この場合には、(S104)の状態と同様に、「OFF(切断)」に制御した音声信号(C、SL、SR、SBL、SBR)に対応するリレーでは、リレーの動作音が発生する。しかし、マスタボリュームが閾値A以上であるので、比較的に大きな音量で音声再生していれば、再生される音声により出力スイッチ回路部4の動作音がマスキングされ、その結果、ユーザーは、出力スイッチ回路4の動作音を不快に感じることが少ない。また、この場合には、音声信号が存在するチャンネル(L、R)から存在しないチャンネルへ音声信号が漏れる好ましくないクロストークノイズが発生したとしても、対応するリレーが「OFF(切断)」に制御されているので、音声信号(C、SL、SR、SBL、SBR)に対応する各スピーカーから好ましくないクロストークノイズが再生されることはない。
上記の実施例で説明するように、音声信号増幅器1は、いずれかの入力音声信号を増幅して対応する出力端子に出力する第1状態から、その出力端子に音声信号を出力しない第2状態へ切り換える際に、出力スイッチ回路部4の動作音が発生するとしても、比較的に大きな音量で音声再生する場合には、出力スイッチ回路部4を切断動作させることができ、一方で、比較的に小さな音量で音声再生する場合には、その動作音が発生しないように出力スイッチ回路部4での通電動作を維持させることができる。その結果、ユーザーは、比較的に大きな音量で音声再生する場合には、再生される音声により出力スイッチ回路部4の動作音がマスキングされやすくなるので、出力スイッチ回路4の動作音を不快に感じることが少なくなる、という利点がある。また、好ましくないクロストークノイズが使用しないはずのスピーカーから再生されてしまうことを実質的に防止することができる。
また、上記実施例の出力スイッチ回路部4のスイッチは、コイルに電流を流し発生する磁気で接点を移動させて切断動作/通電動作を行うリレー素子であるが、出力スイッチ回路部4のスイッチは、リレー素子以外の他の周囲騒音が少ない静かな環境下では動作音を発生させるスイッチ素子であってもよい。比較的に小さな音量で音声再生する場合には、音声信号を出力しない出力端子に対応する出力スイッチ回路部4での通電動作を維持させることで、動作音が発生せず、その結果、ユーザーにとって実質的に出力スイッチ回路4の動作音を不快に感じないようにすることができる。
また、音声信号増幅器1は、CPU5が、音量制御指示に関する閾値Aを、操作回路6からのユーザー操作に基づいて所定の値に設定して記憶するようにしてもよい。例えば、閾値Aを相対的に小さく設定したとしても、出力スイッチ回路4の動作音は、閾値Aを設定しない場合に比較すると、ユーザーにとって耳障りではなくなる機会が増えるという利点がある。ユーザーが使用する現在のマスタボリュームの値が、閾値A以下になれば、「出力スイッチ回路4のリレーを切断動作しない(通電動作を維持する)」という動作になり、出力スイッチ回路4の動作音の発生回数が減少するからである。また、出力スイッチ回路4の動作回数が実質的に減ることになるので、再生するコンテンツによっては、入力音声データの音声信号フォーマットが頻繁に変わる場合、あるいは、音声信号フォーマットに対応してサラウンド設定を切り換えるような場合であっても、出力スイッチ回路部4のスイッチのリレー素子の故障リスクを減少させることができる。
また、一方で、閾値Aを相対的に大きく設定すれば、出力スイッチ回路4の動作音は、実質的にユーザーにとってさらに聞き取りにくくなり、耳障りではなくなるという利点がある。ユーザーが使用する現在のマスタボリュームの値が、閾値A以下になる確率が相対的に高くなると言えるので、「出力スイッチ回路4のリレーを切断動作しない(通電動作を維持する)」という動作になることが多くなるからである。この場合には、出力スイッチ回路4の動作回数が実質的にかなり減ることになるので、出力スイッチ回路部4のスイッチのリレー素子の故障リスクを減少させることができる。
なお、上記のCPU5における動作制御は、上記の場合に限られない。音声信号増幅器1は、ステレオ信号に対応する2チャンネルアンプであってもよい。サラウンド設定を「ステレオモード」と「全チャンネルステレオモード」と切り換える場合のみならず、他の出力スイッチ回路部4のスイッチのリレー素子の動作を伴うサラウンド設定同士の切り換えであってもよい。上記の実施例では、いずれかの入力音声信号を増幅して対応する出力端子に出力する第1状態から、その出力端子に音声信号を出力しない第2状態へ切り換える場合を説明しているが、第2状態から第1状態への切り換えの場合にも同様に、制御してもよい。
なお、上記実施例の音声信号増幅器1は、AVアンプであるが、音声信号を入力信号とするアンプおよびスピーカー内蔵の音声再生装置であってもよい。また、DSP10は、音声信号の有無または音声信号の音量レベルを検出して、閾値を設けて動作を変更してもよい。音声信号増幅器1は、CDプレイヤー、DVDプレイヤーまたはチューナーといったコンテンツ再生装置、あるいは、スピーカーを内蔵していてもよい。
本発明の音声信号増幅器1は、デジタル音声信号含むコンテンツを再生するステレオ装置、あるいは、マルチチャンネルサラウンド音声再生装置のみならず、ディスプレイ等の映像・音響機器、等にも適用が可能である。
1 音声信号増幅器
2 DAコンバーター
3 増幅回路
4 出力スイッチ回路
5 CPU(中央演算装置)
6 操作回路
7 表示回路
8 マスタボリューム回路
10 DSP
11 デコード回路
12 サラウンドモード設定回路

Claims (5)

  1. 複数の入力音声信号の音量を変更してそれぞれ出力する音量調整回路部と、
    該音量調整回路部からのそれぞれの出力信号を増幅する増幅回路部と、
    該増幅回路部からのそれぞれの出力信号を複数の電気音響変換器がそれぞれ接続される出力端子に出力するか否かを切り換える出力スイッチ回路部と、
    該音量調整回路部、該増幅回路部、および、該出力スイッチ回路部の動作を制御する制御部と、
    該制御部に接続し、該音量調整回路部への音量制御指示を含むユーザー操作が入力される指示入力部と、
    を備える音声信号増幅器であって、
    該制御部が、該音声信号増幅器の動作を、いずれか一つの該入力音声信号を増幅して対応する該出力端子に出力する第1状態から、該出力端子に音声信号を出力しない第2状態へ切り換える場合に、
    該出力端子に対応する該出力スイッチ回路部を、該指示入力部での該音量制御指示が、所定の閾値以上に大きく設定されている場合には切断動作させ、該閾値未満に小さく設定されている場合には通電動作を維持するように制御する、
    音声信号増幅器。
  2. 前記第1状態が、複数の前記入力音声信号の全てを増幅して全ての前記出力端子にそれぞれ出力する場合を含み、前記第2状態が、複数の該入力音声信号の少なくとも一つを増幅して対応する該出力端子に出力し、かつ、少なくとも一つの該出力端子に音声信号を出力しない場合を含む、
    請求項1に記載の音声信号増幅器。
  3. 前記出力スイッチ回路部のスイッチが、コイルに電流を流し発生する磁気で接点を移動させて前記切断動作/前記通電動作を行うリレー素子を含む、
    請求項1または2に記載の音声信号増幅器。
  4. 前記制御部が、前記閾値を、前記指示入力部からのユーザー操作に基づいて所定の値に設定して記憶する、
    請求項1から3のいずれかに記載の音声信号増幅器。
  5. 前記制御部が、前記第1状態または前記第2状態を、前記入力音声信号の音声信号フォーマット、または、前記指示入力部からのユーザー操作によるサラウンド設定に基づいて選択して切り換える、
    請求項1から4のいずれかに記載の音声信号増幅器。
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