JP2015014862A - 安全ドライブ装置および安全装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 安全装置に割り込み使用制限がある場合であっても、複雑な処理や、特別な装置を追加することなく、簡単な構成により冗長化された安全装置の同期を取る。【解決手段】 スレーブ安全装置において、タイマ201は、安全処理の処理周期の計時を繰り返す。処理起動部202は、タイマ201が1周期分の処理周期の計時を行う都度、安全処理を起動する。信号読込部203は、安全処理の処理周期毎に信号線の同期信号の信号値を読み込む。同期化制御部204は、信号読込部203が読み込んだ信号値に基づいて、タイマに計時させる処理周期を増加または減少させ、当該スレーブ安全装置の安全処理の処理周期を同期信号に同期させる。【選択図】図2

Description

この発明は、冗長化した安全装置によりモータ等の対象機器の安全制御を行う安全ドライブ装置およびこの安全ドライブ装置に好適な安全装置に関する。
冗長化した複数の安全装置にコントローラからの安全指令を与えて安全制御を行わせる安全ドライブ装置がある。また、この種の安全ドライブ装置には、更に安全性能を高めるために、複数の安全装置が互いの状態を相互にチェックして、状態が一致しない場合に安全制御を行うようにしたものがある。そして、従来技術としては、複数の安全装置間で同期を取らずに安全制御する方法が一般的である(特許文献1)。また、2つの安全装置の状態が一致しなかった場合に、安全装置間で再照合する場合の時間を最短にして、出力遅れを最小にする提案もなされている(特許文献2)。複数の安全装置間の同期を取る技術としては、例えば複数サーボ装置での同期を取る方法として、同期基準信号を上位コントロール装置から出力し、下位サーボ装置ではその同期基準信号を同期補正割込みとして使用し、サーボ装置内部の定周期カウンタ値を修正して同期補正する方法が提案されている(特許文献3)。
特開2010−234495号公報 特開2011−123756号公報 特開2002−108414号公報
ところで、特許文献1および2に開示されているように冗長化した複数の安全装置間で同期を取らない場合、安全装置の電源投入の時間差や、安全装置間の動作クロックのばらつきにより、各安全装置の周期処理は非同期で動く。しかし、安全制御レベルを高めるために、各安全装置間で互いの状態の一致確認をする必要がある。この場合、安全装置間で同期していないと、ウエイト時間をおいてからでないと状態一致の確認を正しくすることができないため、非常時の安全制御が遅れる。このため、安全制御が実行されるまでの遅れ分の非安全時間が生じることになり、安全性を確保することが困難である。そこで、特許文献3に開示されているように、上位装置からの同期基準信号を割込み入力として安全装置に与えて同期補正をする方法も考えられる。しかし、安全装置では、安全機能を高める目的から、割込み使用を制限する場合がある。この場合、同期基準信号割込みを使えないことが多い。また、仮に同期基準信号割込みを使用することができる場合でも、ノイズによる誤った割込みが発生した場合、当該ノイズに同期合わせすることになり、正規の同期基準信号とのずれが大きくなってしまい、同期が取れなくなるもしくは同期が取れるまでに多くの時間を要することがある。
この発明は以上のような事情に鑑みてなされたものであり、安全装置に割り込み使用制限がある場合であっても、複雑な処理や、特別な装置を追加することなく、簡単な構成により冗長化された安全装置の同期を取る技術的手段を提供することを目的としている。
この発明は、マスタ安全装置とスレーブ安全装置とからなる複数の安全装置を有し、前記複数の安全装置は、共通の対象機器についての周期的な安全処理を各々繰り返し、前記マスタ安全装置と前記スレーブ安全装置は信号線を介して接続され、前記マスタ安全装置は、当該マスタ安全装置の安全処理の処理周期に同期して変化する同期信号を前記信号線に出力する信号出力手段を有し、前記スレーブ安全装置は、当該スレーブ安全装置の安全処理の処理周期の計時を繰り返すタイマと、前記タイマが1周期分の前記処理周期の計時を行う都度、前記安全処理を起動する処理起動手段と、前記安全処理の処理周期毎に前記信号線の同期信号の信号値を読み込む信号読込手段と、前記信号読込手段が読み込んだ信号値に基づいて、前記タイマに計時させる処理周期を増加または減少させることにより、当該スレーブ安全装置の安全処理の処理周期を前記同期信号に同期させる同期化制御手段とを具備することを特徴とする安全ドライブ装置を提供する。
この発明によれば、信号読込手段は、スレーブ安全装置の安全処理の処理周期毎にマスタ安全装置が信号線に出力した同期信号の信号値を読み込み、同期化制御手段は、信号読込手段が読み込んだ信号値に基づいて、タイマに計時させる処理周期を増加または減少させ、当該スレーブ安全装置の安全処理の処理周期を同期信号に同期させる。従って、複雑な処理や、特別な装置を追加することなく、簡単な構成により冗長化された安全装置の同期を取ることができる。
この発明の第1実施形態である安全ドライブ装置を含む安全ドライブシステムの構成を示すブロック図である。 同実施形態におけるマスタ安全装置およびスレーブ安全装置の構成を示すブロック図である。 同実施形態においてマスタ安全装置が出力する同期信号の波形を示すタイムチャートである。 同実施形態における同期化制御部の処理内容を示す図である。 同実施形態の動作例を示すタイムチャートである。 同実施形態の動作例を示すタイムチャートである。 同実施形態の動作例を示すタイムチャートである。 同実施形態におけるスレーブ安全装置の詳細な動作を示すフローチャートである。 この発明の第2実施形態である安全ドライブ装置のマスタ安全装置が出力する同期信号の波形を示すタイムチャートである。 同実施形態における同期化制御部の処理内容を示す図である。 同実施形態の動作例を示すタイムチャートである。 同実施形態の動作例を示すタイムチャートである。 同実施形態の動作例を示すタイムチャートである。 同実施形態におけるスレーブ安全装置の詳細な動作を示すフローチャートである。
以下、図面を参照し、この発明の実施形態について説明する。
<第1実施形態>
以下に、図面に基づいて本発明の実施の形態の詳細を説明する。
図1はこの発明の第1実施形態である安全ドライブ装置を含む安全ドライブシステムの構成を示すブロック図である。図1に示すように、この安全ドライブシステムは、コントローラ1と、サーボ、インバータなどの安全ドライブ装置3A〜3Cと、安全ドライブ装置3A〜3Cに各々接続された制御対象機器であるモータ4A〜4Cを有する。図示の例では、3台の安全ドライブ装置が安全ドライブシステムに設けられているが、3台以外の安全ドライブ装置を設けてもよい。コントローラ1と安全ドライブ装置3A〜3Cとの間にはネットワーク2が介在している。コントローラ1と安全ドライブ装置3A〜3Cの各々は、ネットワーク2を介して同期信号やデータの授受を行う。
安全ドライブ装置3A〜3Cは同じ構成を有している。ここで、安全ドライブ装置3Aを例にその構成を説明すると、次の通りである。図1に示すように、安全ドライブ装置3Aは、通信装置3A−1と、ドライブ制御装置3A−2と、安全装置3A−3を有する。
通信装置3A−1は、コントローラ1と、ネットワーク2を介して通信するための装置である。この通信装置3A−1は、コントローラ1から受信した通信データをドライブ制御装置3A−2または安全装置3A−3に振り分ける。また、通信装置3A−1は、ドライブ制御装置3A−2または安全装置3A−3から与えられた通信データをコントローラ1に送信する。ドライブ制御装置3A−2は、例えばコントローラ1からネットワーク2、通信装置3A−1を経由して受信したドライブ指令に基づいてモータ4Aを制御する。安全装置3A−3は、例えばコントローラ1からネットワーク2、通信装置3A−1を経由して受信した安全指令に基づいてモータ4Aを安全停止させる。
図1ではコントローラ1からの通信により、ドライブ指令、安全指令がドライブ制御装置3A−2、安全装置3A−3に与えられる構成となっている。しかし、端子台によりドライブ指令、安全指令が与えられる構成としてもよい。その場合は、通信装置3A−1は存在せず、コントローラ1からのドライブ指令、安全指令がドライブ制御装置3A−2、安全装置3A−3に直接入力される。
本実施形態において、安全装置3A−3は安全性能を高めるために冗長化されている。冗長化された安全装置3A−3は、マスタ安全装置3A−3−1とスレーブ安全装置3A−3−3A、3A−3−3Bとからなる。この例では、スレーブ安全装置は2台であるが、スレーブ安全装置は1台でもよいし、2台よりも多くても良い。
マスタ安全装置3A−3−1とスレーブ安全装置3A−3−3A、3A−3−3Bは信号線3A−3−2により接続されており、信号線3A−3−2への出力はマスタ安全装置3A−3−1が行う。
図2はマスタ安全装置3A−3−1およびスレーブ安全装置3A−3−3Aの構成を示すブロック図である。なお、図示は省略したが、スレーブ安全装置3A−3−3Bもスレーブ安全装置3A−3−3Aと同様な構成である。
本実施形態において、マスタ安全装置3A−3−1、スレーブ安全装置3A−3−3Aおよび3A−3−3Bは、周期的な安全処理を各々繰り返す。この安全処理は、例えばコントローラ1からネットワーク2、通信装置3A−1を経由して安全指令が受信されたか否かを判断し、安全指令が検知された場合にモータ4Aを安全停止させる、といった内容の処理である。
図2に示すように、マスタ安全装置3A−3−1は、信号出力部101を有する。この信号出力部101は、マスタ安全装置3A−3−1の安全処理の処理周期に同期して変化する同期信号を信号線3A−3−2に出力する手段である。
スレーブ安全装置3A−3−3Aは、タイマ201と、処理起動部202と、信号読込部203と、同期化制御部204とを有する。ここで、タイマ201は、予め設定された開始値から終了値までのカウントを繰り返すことにより安全処理の処理周期の計時を繰り返すアップカウンタである。処理起動部202は、タイマ201が1周期分の処理周期の計時を行う都度、安全処理を起動する手段である。信号読込部203は、安全処理の処理周期毎に信号線3A−3−2の同期信号の信号値を読み込む手段である。同期化制御部204は、信号読込部203が読み込んだ信号値に基づいて、タイマ201に計時させる処理周期を増加または減少させることにより、スレーブ安全装置3A−3−3Aの安全処理の処理周期を同期信号に同期させる手段である。
図3は、本実施形態におけるマスタ安全装置3A−3−1の信号出力部101が出力する同期信号の波形を示すタイムチャートである。図3に示すように、信号出力部101は、マスタ安全装置3A−3−1の1周期分の安全処理の開始時に信号線3A−3−2の同期信号の信号値を“1”とし、当該安全処理の終了時に信号線3A−3−2の同期信号の信号値を“0”とする。
そして、スレーブ安全装置3A−3−3Aの信号読込部203は、スレーブ安全装置3A−3−3Aの1周期分の安全処理の開始時に信号線3A−3−2の同期信号の信号値を読み込んで保存する。
そして、スレーブ安全装置3A−3−3Aの同期化制御部204は、信号読込部203が前回の安全処理の開始時に読み込んで保存した信号値と今回の安全処理の開始時に読み込んだ信号値を比較し、比較結果に基づいてタイマ201の終了値を制御する。
図4はこの同期化制御部204の処理内容を示す図である。図4に示すように、同期化制御部204は、今回読み込んだ信号値および前回読み込んだ信号値の両信号値が“0”であればタイマ201の終了値を増加させて次の安全処理の開始タイミングを遅らせ、両信号値が“1”であれば終了値を減少させて次の安全処理の開始タイミングを進ませ、両信号値が異なっていれば終了値を規定の値に戻す。このような制御により、スレーブ安全装置3A−3−3Aの安全処理の処理周期を同期信号に同期させ、スレーブ安全装置3A−3−3Aの安全処理とマスタ安全装置3A−3−1の安全処理を同期させることができる。
図5〜図7は、本実施形態の動作例を示すタイムチャートである。図5に示す動作例において、スレーブ安全装置3A−3−3Aは、マスタ安全装置3A−3−1が実行する安全処理と同様な安全処理を一定の処理周期で繰り返す。また、スレーブ安全装置3A−3−3Aの信号読込部203は、スレーブ安全装置3A−3−3Aの安全処理の先頭において信号線3A−3−2の同期信号の信号値を読み込んで保存する。そして、同期化制御部204は、信号読込部203が前回読み込んで保存した同期信号の信号値と今回読み込んだ信号値とを比較し、タイマ201の終了値を設定する。
図5に示す例では、信号読込部203が今回読み込んだ信号値が“0”、前回読み込んだ信号値が“0”である。この場合、次のように考えることができる。すなわち、マスタ安全装置3A−3−1が自身の安全処理の先頭において信号線3A−3−2の同期信号を“1”にする前に、スレーブ安全装置3A−3−3Aが自身の安全処理を開始し、信号線3A−3−2の同期信号の信号値を読み込んだということである。この場合、スレーブ安全装置3A−3−3Aの同期化制御部204は、次回の安全処理の開始点までの計時時間であるタイマ201の終了値を増やす。これにより、スレーブ安全装置3A−3−3Aの安全処理の処理周期は図5に示すようになり、進んでいた処理周期の先頭の位相が次の周期では遅れて、同期信号の“0”から“1”への変化タイミングに近づく。
図6に示す動作例では、信号読込部203が今回読み込んだ同期信号の信号値が“1”、前回読み込んだ信号値が“1”となったため、スレーブ安全装置3A−3−3Aの同期化制御部204は、タイマ201の終了値を所定量だけ減らしている。これにより、スレーブ安全装置3A−3−3Aの安全処理の処理周期は、図6に示すようになり、遅れていた処理周期の先頭の位相が次の周期では進んで、同期に近づく。
また、今回読み込んだ同期信号の信号値が“1”で、前回読み込んだ同期信号の信号値が“0”であった場合、または今回読み込んだ同期信号の信号値が“0”で、前回読み込んだ同期信号の信号値が“1”であった場合には、マスタ安全装置3A−3−1の安全処理とスレーブ安全装置3A−3−3Aの安全処理の位相関係が逆転したと考えられる。従って、同期化制御部204は、マスタ安全装置3A−3−1の安全処理とスレーブ安全装置3A−3−3Aの安全処理が同期したと判断し、タイマ201の終了値をマスタ安全装置3A−3−1と同じ規定値に戻す。
図7に示す動作例ではマスタ安全装置3A−3−1の安全処理とスレーブ安全装置3A−3−3Aの安全処理は同期した状態にある。この動作例では、スレーブ安全装置3A−3−3Aが安全処理を開始した時刻t1において信号読込部203が同期信号の信号値“0”を読み込み、その次に安全処理を開始した時刻t2において信号読込部203が同期信号の信号値“0”を読み込んでいる。このため、同期化制御部204は、タイマ201の終了値を増やしている。この結果、本来の時刻t3よりも後の時刻t3’においてタイマ201のタイマ値が終了値となり、次の安全処理が開始されている。
この安全処理の開始時刻t3’において、信号読込部203は同期信号の信号値“1”を読み込む。この場合、前回(時刻t2)読み込んだ信号値が“0”、今回読み込んだ信号値は“1”である。従って、同期化制御部204は、タイマ201の終了値を規定値に戻す。この状態において、安全処理の処理周期はマスタ安全装置3A−3−1とスレーブ安全装置3A−3−3Aとで同じになっている。従って、次にスレーブ安全装置3A−3−3Aが安全処理を開始する時刻t4において、信号読込部203は同期信号の信号値“1”を読み込む。この場合、前回(時刻t3’)読み込んだ信号値が“1”、今回読み込んだ信号値は“1”である。従って、同期化制御部204は、タイマ201の終了値を減らす。この結果、本来の時刻t5よりも前の時刻t5’においてタイマ201のタイマ値が終了値となり、次の安全処理が開始される。
この安全処理の開始時刻t5’において、信号読込部203は同期信号の信号値“0”を読み込む。この場合、前回(時刻t4)読み込んだ信号値が“1”、今回読み込んだ信号値は“0”である。従って、同期化制御部204は、タイマ201の終了値を規定値に戻す。
このようにして、タイマ201の終了値は、規定値より大→規定値と同じ→規定値より小→規定値と同じ→規定値より大→…という変化を繰り返すことになり、タイマ201の終了値の増減幅の範囲内で同期が維持される。
図8は本実施形態におけるスレーブ安全装置3A−3−3Aの詳細な動作を示すフローチャートである。スレーブ安全装置3A−3−3Aの周期的な安全処理が開始されると、信号読込部203は、信号線3A−3−2から同期信号の信号値を読み込む(ステップS1)。同期化制御部204は、読み込んだ信号値が“0”か否かを判定し(ステップS2)、“0”であった場合、前回読み込んだ信号値が“0”か否かを判定する(ステップS3)。今回読み込んだ信号値も前回読み込んだ信号値も“0”であった場合、同期化制御部204は、タイマ201の終了値が変更済みか否かを判定する(ステップS4)。タイマ201の終了値が変更されていなければ、終了値を規定値から所定量だけ増やして終了値変更済みとし(ステップS5)、今回読み込んだ信号値を前回値として保存する(ステップS6)。
また、ステップS4において終了値変更済みである場合は、終了値は既に増えているので、終了値の変更はせずステップS6に移行する。
また、ステップS3において前回読み込んだ信号値が“0”でなかった場合、今回の信号値は“0”、前回の信号値は“1”となる。この場合、同期化制御部204は、同期が取れたと判断し、タイマ201の終了値を規定値に戻して終了値変更無しとし(ステップS7)、ステップS6に移行する。
また、ステップS2において、今回読み込んだ信号値が“0”でなかった場合、前回読み込んだ信号値が“1”か否かを判定する(ステップS8)。今回の読込値も前回の読込値も“1”であった場合、タイマ201の終了値が変更済みか否かを判定する(ステップS9)。終了値が変更されていなければ、終了値を減らし、終了値変更済みとし(ステップS10)、今回読み込んだ値を前回値として保存する(ステップS6)。
また、ステップS9において終了値変更済みである場合は、終了値は既に減っているので、終了値の変更はせず、ステップS6に移行する。
ステップS8において前回値が“1”でなかった場合には、今回値は“1”、前回値は“0”なので、同期が取れたと判断し、終了値を規定値に戻して終了値変更無しとし(ステップS11)、ステップS6に移行する。
以上がスレーブ安全装置3A−3−3Aの詳細な動作である。
本実施形態によれば、安全装置に割り込み使用制限がある場合であっても、複雑な処理や、特別な装置を追加することなく、また、安全装置に割み込み処理を行わせることなく、簡単な方法で冗長化された安全装置間の同期を取り、同じタイミングで入ってきた安全信号に対する安全処理を複数の安全装置で同時に実行させることができる。従って、安全装置間での一致/不一致の確認と安全制御をウエイト時間を設けることなく速やかに行うことができ、安全性を高めることができる。また、本実施形態において、スレーブ安全装置3A−3−3Aは、アップカウントを行うカウンタをタイマ201として使用し、開始値から終了値までのアップカウントを行わせた。この構成では、タイマ201が開始値からカウントを開始した後であっても、終了値を増減することにより、タイマ201に計時させる処理周期の長さを増減することができる。従って、本実施形態によれば、簡単な構成により冗長化した安全装置間の同期を取ることができる。
<第2実施形態>
次にこの発明の第2実施形態である安全ドライブ装置について説明する。上記第1実施形態におけるマスタ安全装置3A−3−1の信号出力部101は、周期的な安全処理の開始タイミングにおいて立ち上がる同期信号を信号線3A−3−2に出力した。これに対し、本実施形態による安全ドライブ装置のマスタ安全装置3A−3−1の信号出力部101は、図9に示すように、マスタ安全装置3A−3−1の周期的な安全処理が開始される都度、同期信号の信号値を“0”から“1”へ、または“1”から“0”へ反転させる。
本実施形態において、スレーブ安全装置3A−3−3Aのタイマ201、処理起動部202および信号読込部203の処理内容は上記第1実施形態と同様である。
本実施形態では、スレーブ安全装置3A−3−3Aの同期化制御部204の処理内容が上記第1実施形態と異なる。
図10は本実施形態における同期化制御部204の処理内容を示す図である。上記第1実施形態と同様、同期化制御部204は、信号読込部203が前回の安全処理の開始時に読み込んで保存した信号値と今回の安全処理の開始時に読み込んだ信号値を比較し、比較結果に基づいてタイマ201の終了値を制御する。
図10に示すように、同期化制御部204は、今回読み込んだ信号値が“0”、前回読み込んだ信号値が“1”であればタイマ201の終了値を増加させて次の安全処理の開始タイミングを遅らせ、今回読み込んだ信号値が“1”、前回読み込んだ信号値が“0”であればタイマ201の終了値を減少させて次の安全処理の開始タイミングを進め、両信号値が同じであれば終了値を規定値に戻す。このような制御により、スレーブ安全装置3A−3−3Aの安全処理の処理周期を同期信号に同期させ、スレーブ安全装置3A−3−3Aの安全処理とマスタ安全装置3A−3−1の安全処理を同期させることができる。
図11〜図13は本実施形態の動作例を示すタイムチャートである。なお、前掲図5〜図7とは異なり、図11〜図13においてスレーブ安全装置の安全処理を示す波形では、波形の立ち上がりエッジおよび立ち下がりエッジが周期的な安全処理の開始タイミングを示している。
図11に示す動作例では、信号読込部203が今回読み込んだ同期信号の信号値が“0”、前回読み込んだ信号値が“1”となったため、スレーブ安全装置3A−3−3Aの同期化制御部204は、タイマ201の終了値を所定量だけ増やしている。これにより、スレーブ安全装置3A−3−3Aの安全処理の処理周期は、図11に示すように増加し、次の周期では位相が遅れて同期に近づく。
図12に示す動作例では、信号読込部203が今回読み込んだ同期信号の信号値が“1”、前回読み込んだ信号値が“0”となったため、スレーブ安全装置3A−3−3Aの同期化制御部204は、タイマ201の終了値を所定量だけ減らしている。これにより、スレーブ安全装置3A−3−3Aの安全処理の処理周期は、図12に示すように減少し、次の周期では位相が進んで同期に近づく。
また、今回読み込んだ同期信号の信号値が“1”で、前回読み込んだ同期信号の信号値が“1”であった場合、または今回読み込んだ同期信号の信号値が“0”で、前回読み込んだ同期信号の信号値が“0”であった場合には、マスタ安全装置3A−3−1の安全処理とスレーブ安全装置3A−3−3Aの安全処理の位相関係が変化したと考えられる。従って、同期化制御部204は、マスタ安全装置3A−3−1の安全処理とスレーブ安全装置3A−3−3Aの安全処理が同期したと判断し、タイマ201の終了値をマスタ安全装置3A−3−1と同じ規定値に戻す。
図13はマスタ安全装置3A−3−1の安全処理とスレーブ安全装置3A−3−3Aの安全処理が同期した場合の動作例を示すタイムチャートである。
この動作例では、スレーブ安全装置3A−3−3Aが安全処理を開始した時刻t1において信号読込部203が同期信号の信号値“1”を読み込み、その次に安全処理を開始した時刻t2において信号読込部203が同期信号の信号値“0”を読み込んでいる。このため、同期化制御部204は、タイマ201の終了値を増やしている。この結果、本来の時刻t3よりも後の時刻t3’においてタイマ201のタイマ値が終了値となり、次の安全処理が開始されている。
この安全処理の開始時刻t3’において、信号読込部203は同期信号の信号値“0”を読み込む。この場合、前回(時刻t2)読み込んだ信号値が“0”、今回読み込んだ信号値は“0”である。従って、同期化制御部204は、タイマ201の終了値を規定値に戻す。この状態において、安全処理の処理周期はマスタ安全装置3A−3−1とスレーブ安全装置3A−3−3Aとで同じになっている。従って、次にスレーブ安全装置3A−3−3Aが安全処理を開始する時刻t4において、信号読込部203は同期信号の信号値“1”を読み込む。この場合、前回(時刻t3’)読み込んだ信号値が“0”、今回読み込んだ信号値は“1”である。従って、同期化制御部204は、タイマ201の終了値を減らす。この結果、本来の時刻t5よりも前の時刻t5’においてタイマ201のタイマ値が終了値となり、次の安全処理が開始される。
この安全処理の開始時刻t5’において、信号読込部203は同期信号の信号値“1”を読み込む。この場合、前回(時刻t4)読み込んだ信号値が“1”、今回読み込んだ信号値は“1”である。従って、同期化制御部204は、タイマ201の終了値を規定値に戻す。
このように、本実施形態においても、同期状態におけるタイマ201の終了値は、規定値より大→規定値と同じ→規定値より小→規定値と同じ→規定値より大→…という変化を繰り返す。従って、タイマ201の終了値の増減幅の範囲内で同期が維持される。
図14は本実施形態におけるスレーブ安全装置3A−3−3Aの詳細な動作を示すフローチャートである。本実施形態では、タイマ201の終了値を増加させる条件、減少させる条件、規定値に戻す条件が上記第1実施形態と相違する。この相違に対応し、図14に示すフローチャートでは、ステップS3a、S8aの処理内容が上記第1実施形態(図8)のステップS3、S8と異なっている。ステップS3aでは、前回読み込んだ信号値が“1”か否かを判定する。そして、前回読み込んだ信号値が“1”の場合、すなわち、今回値が“0”、前回値が“1”の場合にステップS4に進む。そして、ステップS4において終了値が変更されていなければ、ステップS5においてタイマ201の終了値を増やす。一方、ステップS3aにおいて、前回読み込んだ信号値が“0”の場合、すなわち、今回値が“0”、前回値が“0”の場合にステップS7に進み、タイマ201の終了値を規定値に戻す。また、ステップS8aでは、前回読み込んだ信号値が“0”か否かを判定する。そして、前回読み込んだ信号値が“0”の場合、すなわち、今回値が“1”、前回値が“0”の場合にステップS9に進む。そして、ステップS9において終了値が変更されていなければ、ステップS10においてタイマ201の終了値を減らす。一方、ステップS8aにおいて、前回読み込んだ信号値が“1”の場合、すなわち、今回値が“1”、前回値が“1”の場合にステップS11に進み、タイマ201の終了値を規定値に戻す。
以上が本実施形態の動作である。本実施形態においても上記第1実施形態と同様な効果が得られる。
<他の実施形態>
以上、この発明の第1および第2実施形態について説明したが、この発明には他にも実施形態が考えられる。例えば次の通りである。
(1)上記第1実施形態において、マスタ安全装置は、安全処理の開始時に同期信号を“1”とし、終了時に“0”としたが、開始時に同期信号を“0”とし、終了時に“1”としてもよい。
(2)上記各実施形態において、スレーブ安全装置は、アップカウントを行うカウンタをタイマとして使用し、開始値から終了値までのアップカウントを行わせた。しかし、タイマとしてダウンカウンタを使用し、計時対象である処理周期の増減を行うことも可能である。例えば次のような構成があり得る。スレーブ安全装置では、安全処理を開始する都度、処理周期に対応した開始値をダウンカウンタであるタイマに設定し、ダウンカウントを開始させる。処理周期を増加させる場合は、途中、ダウンカウンタに供給するクロックを所定個数だけ停止する。一方、処理周期を減少させる場合は、途中、ダウンカウンタに対して所定個数だけ余分にクロックを供給する。処理周期を規定値に戻す場合も、同様なクロック数の操作を行うのである。
1……コントローラ、2……ネットワーク、3A,3B,3C……安全ドライブ装置、4A,4B,4C……モータ、3A−1……通信装置、3A−2……ドライブ制御装置、3A−3……安全装置、3A−3−1……マスタ安全装置、3A−3−3A,3A−3−3B……スレーブ安全装置、3A−3−2……信号線、201……タイマ、202……処理起動部、203……信号読込部、204……同期化制御部。

Claims (4)

  1. マスタ安全装置とスレーブ安全装置とからなる複数の安全装置を有し、
    前記複数の安全装置は、共通の対象機器についての周期的な安全処理を各々繰り返し、
    前記マスタ安全装置と前記スレーブ安全装置は信号線を介して接続され、
    前記マスタ安全装置は、当該マスタ安全装置の安全処理の処理周期に同期して変化する同期信号を前記信号線に出力する信号出力手段を有し、
    前記スレーブ安全装置は、当該スレーブ安全装置の安全処理の処理周期の計時を繰り返すタイマと、前記タイマが1周期分の前記処理周期の計時を行う都度、前記安全処理を起動する処理起動手段と、前記安全処理の処理周期毎に前記信号線の同期信号の信号値を読み込む信号読込手段と、前記信号読込手段が読み込んだ信号値に基づいて、前記タイマに計時させる処理周期を増加または減少させることにより、当該スレーブ安全装置の安全処理の処理周期を前記同期信号に同期させる同期化制御手段とを具備することを特徴とする安全ドライブ装置。
  2. 前記マスタ安全装置の信号出力手段は、当該マスタ安全装置の1周期分の安全処理の開始時に前記信号線の同期信号の信号値を第1の値とし、当該安全処理の終了時に前記信号線の同期信号の信号値を第2の値とし、
    前記スレーブ制御装置のタイマは、開始値から終了値までのカウントを繰り返すことにより前記処理周期の計時を繰り返し、前記スレーブ制御装置の信号読込手段は、当該スレーブ制御装置の1周期分の安全処理の開始時に前記信号線の同期信号の信号値を読み込んで保存し、当該スレーブ制御装置の同期化制御手段は、前記信号読込手段が前回の安全処理の開始時に読み込んで保存した信号値と今回の安全処理の開始時に読み込んだ信号値を比較し、両信号値が前記第2の値であれば前記終了値を増加させて次の安全処理の開始タイミングを遅らせ、両信号値が前記第1の信号値であれば前記終了値を減少させて次の安全処理の開始タイミングを進ませ、両信号値が異なっていれば前記終了値を規定の値に戻すことを特徴とする請求項1に記載の安全ドライブ装置。
  3. 前記マスタ安全装置の信号出力手段は、当該マスタ安全装置の1周期分の安全処理の開始の都度、前記信号線の同期信号の信号値を第1の値から第2の信号値に、または前記第2の信号値から前記第1の信号値に反転させ、
    前記スレーブ制御装置のタイマは、開始値から終了値までのカウントを繰り返すことにより前記処理周期の計時を繰り返し、前記スレーブ制御装置の信号読込手段は、当該スレーブ制御装置の1周期分の安全処理の開始時に前記信号線の同期信号の信号値を読み込んで保存し、当該スレーブ制御装置の同期化制御手段は、前記信号読込手段が前回の安全処理の開始時に読み込んで保存した信号値と今回の安全処理の開始時に読み込んだ信号値を比較し、前回の信号値が前記第1の信号値、今回の信号値が前記第2の信号値であれば、前記終了値を増加させて次の安全処理の開始タイミングを遅らせ、前回の信号値が前記第2の信号値、今回の信号値が前記第1の信号値であれば前記終了値を減少させて次の安全処理の開始タイミングを進ませ、両信号値が同じであれば前記終了値を規定の値に戻すことを特徴とする請求項1に記載の安全ドライブ装置。
  4. 安全処理の処理周期の計時を繰り返すタイマと、
    前記タイマが1周期分の前記処理周期の計時を行う都度、前記安全処理を起動する処理起動手段と、
    前記安全処理の処理周期毎に信号線に出力された同期信号の信号値を読み込む信号読込手段と、
    前記信号読込手段が読み込んだ信号値に基づいて、前記タイマに計時させる処理周期を増加または減少させることにより、前記安全処理の処理周期を前記同期信号に同期させる同期化制御手段と
    を具備することを特徴とする安全装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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