JP2015013759A - 高圧水素製造システム、および、高圧水素製造システムの運転方法 - Google Patents

高圧水素製造システム、および、高圧水素製造システムの運転方法 Download PDF

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Abstract

【課題】蓄圧器の個数を低減する。【解決手段】高圧水素製造システム110は、水素を製造する水素製造装置210と、水素製造装置によって製造された水素を昇圧する第1の圧縮機(低圧圧縮機230)と、第1の圧縮機によって昇圧された水素を貯留する第1の蓄圧器(低圧蓄圧器240)および第2の蓄圧器(可変圧蓄圧器270)と、第1の蓄圧器の圧力が第1閾値を上回ると、水素製造装置を制御して水素製造装置による水素の製造を停止する停止処理を開始し、第1の蓄圧器の圧力が第1閾値より大きい第2閾値以上になると、水素製造装置によって製造された水素であって第1の圧縮機によって昇圧された水素を第2の蓄圧器に貯留させる制御部290とを備える。【選択図】図1

Description

本発明は、高圧水素を製造して燃料電池自動車等の供給先に供給する高圧水素製造システム、および、高圧水素製造システムの運転方法に関する。
近年、燃料電池を搭載した自動車(FCV:Fuel Cell Vehicle、以下、「燃料電池自動車」と称する。)が開発されている。燃料電池自動車では、水素と酸素(空気)とを化学反応させて電力を生成する燃料電池を動力源としているため、燃料電池自動車には水素を供給する必要がある。つまり、ガソリンエンジンを動力源とするガソリン自動車に対するガソリンが、燃料電池自動車に対する水素に相当する。したがって、燃料電池自動車は、ガソリン自動車用のガソリンスタンドに相当する、燃料電池自動車用の水素ステーションで水素の供給を行い、供給された水素は、燃料電池自動車に設けられた水素タンクに貯留されることとなる。
上記水素ステーションは、水素製造装置(例えば、特許文献1)と、水素製造装置によって製造された水素を貯留する蓄圧器とを含んで構成され、蓄圧器に貯留された水素が燃料電池自動車に供給されることとなる。
特開2011−132103号公報
上記水素ステーションにおいて蓄圧器は、水素の消費量(燃料電池自動車に供給される水素量)の変動(負荷変動)を吸収するために設けられているが、蓄圧器に要するコストを削減するために、蓄圧器の個数を低減する技術の開発が希求されている。
本発明は、蓄圧器の個数を低減することが可能な高圧水素製造システム、および、高圧水素製造システムの運転方法を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明の高圧水素製造システムは、水素を製造する水素製造装置と、前記水素製造装置によって製造された水素を昇圧する第1の圧縮機と、前記第1の圧縮機によって昇圧された水素を貯留する第1の蓄圧器および第2の蓄圧器と、前記第1の蓄圧器の圧力が第1閾値を上回ると、前記水素製造装置を制御して該水素製造装置による水素の製造を停止する停止処理を開始し、該第1の蓄圧器の圧力が該第1閾値より大きい第2閾値以上になると、該水素製造装置によって製造された水素であって前記第1の圧縮機によって昇圧された水素を前記第2の蓄圧器に貯留させる制御部と、を備えたことを特徴とする。
また、前記制御部は、前記第1の蓄圧器の圧力が前記第2閾値未満になると、前記第2の蓄圧器に貯留された水素を、前記第1の圧縮機によって昇圧させて、該第1の蓄圧器に貯留させ、該第1の蓄圧器の圧力が該第1閾値未満になると、前記水素製造装置を制御して該水素製造装置による水素の製造を開始する開始処理を遂行し、該水素製造装置によって製造された水素を、該第1の圧縮機によって昇圧させて、該第1の蓄圧器に貯留させるとしてもよい。
また、前記制御部は、前記第1の蓄圧器の圧力が前記第1閾値になると、前記水素製造装置の現在のロードをキープするロードキープ処理、前記停止処理、前記開始処理の群から選択された1の処理を遂行するとしてもよい。
また、前記第1の蓄圧器に貯留された水素を昇圧する第2の圧縮機と、前記第2の圧縮機によって昇圧された水素を貯留する第3の蓄圧器と、をさらに備えるとしてもよい。
上記課題を解決するために、本発明の高圧水素製造システムの運転方法は、水素を製造する水素製造装置と、該水素製造装置によって製造された水素を昇圧する第1の圧縮機と、該第1の圧縮機によって昇圧された水素を貯留する第1の蓄圧器および第2の蓄圧器とを備えた高圧水素製造システムの運転方法であって、前記第1の蓄圧器の圧力が第1閾値を上回ったか否かを判定し、前記第1の蓄圧器の圧力が前記第1閾値を上回ったと判定すると、前記水素製造装置による水素の製造を停止する停止処理を開始し、前記第1の蓄圧器の圧力が前記第1閾値より大きい第2閾値以上になったか否かを判定し、前記第1の蓄圧器の圧力が前記第2閾値以上になったと判定すると、前記水素製造装置によって製造された水素であって前記第1の圧縮機によって昇圧された水素を前記第2の蓄圧器に貯留することを特徴とする。
また、前記第1の蓄圧器の圧力が前記第2閾値未満になったと判定すると、前記第2の蓄圧器に貯留された水素を、前記第1の圧縮機によって昇圧させて、該第1の蓄圧器に貯留し、前記第1の蓄圧器の圧力が前記第1閾値未満になったか否かを判定し、前記第1の蓄圧器の圧力が前記第1閾値未満になったと判定すると、前記水素製造装置による水素の製造を開始する開始処理を遂行し、前記水素製造装置によって製造された水素を、前記第1の圧縮機によって昇圧させて、前記第1の蓄圧器に貯留するとしてもよい。
また、前記第1の蓄圧器の圧力が前記第1閾値になったか否かを判定し、前記第1の蓄圧器の圧力が前記第1閾値になったと判定すると、前記水素製造装置の現在のロードをキープするロードキープ処理、前記停止処理、前記開始処理の群から選択された1の処理を遂行するとしてもよい。
本発明によれば、蓄圧器の個数を低減することが可能となる。
実施形態にかかる水素ステーションを説明するための図である。 比較例の高圧水素製造システムを説明するための図である。 水素製造装置における、出力100%運転時、停止処理が遂行される期間、および、開始処理が遂行される期間の水素の製造量を説明するための図である。 通常運転時および開始処理時の高圧水素製造システムの運転処理を説明するための図である。 停止処理時の高圧水素製造システムの運転処理を説明するための図である。 水素製造装置の制御の流れを説明するためのフローチャートである。 低圧圧縮機の制御の流れを説明するためのフローチャートである。 バルブの制御の流れを説明するためのフローチャートである。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値等は、発明の理解を容易とするための例示にすぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
(水素ステーション100)
図1は、本実施形態にかかる水素ステーション100を説明するための図である。図1に示すように、水素ステーション100は、高圧水素製造システム110と、プレクーラー120と、ディスペンサー130とを含んで構成される。なお、図1中、水素の流れを実線で示し、信号の流れを破線の矢印で示す。
(高圧水素製造システム110)
高圧水素製造システム110は、水素製造装置210と、サクションタンク220と、低圧圧縮機230(第1の圧縮機)と、低圧蓄圧器240(第1の蓄圧器)と、高圧圧縮機250(第2の圧縮機)と、高圧蓄圧器260(第3の蓄圧器)と、可変圧蓄圧器270(第2の蓄圧器)と、圧力測定部280と、制御部290と、バルブV1、V2、V3と、減圧弁V4とを含んで構成される。
水素製造装置210は、例えば、都市ガス、液化石油ガス(LPG:Liquefied Petroleum Gas)等の化石燃料と水蒸気を触媒反応させて水素を含む混合ガスを生成する水蒸気改質容器と、当該混合ガス中の一酸化炭素と水蒸気を反応させて水素を生成するシフト反応容器と、当該水素を含む混合ガスから水素を精製する水素分離膜や、圧力スイング吸着装置(PSA:Pressure Swing Adsorption)を含んで構成され、都市ガス、液化石油ガス等の化石燃料から純度の高い水素を製造する。水素製造装置210によって製造される水素の圧力は、例えば、0.7MPaである。
サクションタンク220は、水素製造装置210と低圧圧縮機230との間に設けられ、クッションタンクとして機能する。
低圧圧縮機230は、水素製造装置210によって製造された水素(0.7MPa)を昇圧して、例えば、33MPa〜40MPaに圧縮する。
低圧蓄圧器240は、低圧圧縮機230によって昇圧された水素(33MPa〜40MPa)を貯留する。
高圧圧縮機250は、低圧蓄圧器240に貯留された水素(33MPa〜40MPa)を昇圧して、例えば、82MPaに圧縮する。
高圧蓄圧器260は、高圧圧縮機250によって昇圧された水素(82MPa)を貯留する。
可変圧蓄圧器270は、後述する制御部290の制御指令に応じて、水素製造装置210による水素の製造を停止する際に遂行される停止処理が実行される場合に、低圧圧縮機230によって昇圧された水素を貯留する。また、低圧蓄圧器240の圧力が低下した場合に、可変圧蓄圧器270から水素が払い出される。なお、本実施形態において、可変圧蓄圧器270の上限圧力(最大許容圧力)は、低圧蓄圧器240の上限圧力と実質的に等しく、例えば、40MPaである。
圧力測定部280は、低圧蓄圧器240の圧力、および、サクションタンク220の圧力を測定する。
制御部290は、CPU(中央処理装置)を含む半導体集積回路で構成され、ROMからCPU自体を動作させるためのプログラムやパラメータ等を読み出し、ワークエリアとしてのRAMや他の電子回路と協働して高圧水素製造システム110全体を管理および制御する。
本実施形態において制御部290は、低圧圧縮機230および高圧圧縮機250を制御する。具体的に説明すると、制御部290は、低圧圧縮機230の入口の圧力(ここでは、サクションタンク220の圧力)が目標値Psuc(例えば0.55MPa)となるように低圧圧縮機230の圧縮容量を制御したり、停止したりする。また、制御部290は、高圧蓄圧器260の圧力が所定値(例えば、82MPa)となるように高圧圧縮機250の圧縮容量を制御したり、停止したりする。
また、制御部290は、水素製造装置210の駆動制御、および、バルブV1、V2、V3の開閉制御を実行する。なお、バルブV1は、低圧圧縮機230の下流と可変圧蓄圧器270とを接続する配管に設けられ、バルブV2は、可変圧蓄圧器270とサクションタンク220とを接続する配管に設けられ、バルブV3は、低圧圧縮機230と低圧蓄圧器240とを接続する配管のうち、低圧圧縮機230の下流と可変圧蓄圧器270とを接続する配管との接続点よりも下流側に設けられる。なお、バルブV1、V2、V3は開閉弁で構成される。
また、バルブV2とサクションタンク220とを接続する配管には、減圧弁V4が設けられる。なお、減圧弁V4は、可変圧蓄圧器270とバルブV2とを接続する配管に設けてもよい。減圧弁V4の設定圧力は、サクションタンク220の目標値Psucよりも高い圧力とし、例えば0.6MPaとする。かかる水素製造装置210の駆動制御およびバルブV1、V2、V3の開閉制御に関しては後述する高圧水素製造システム110の運転処理において詳述する。
そして、高圧蓄圧器260に貯留された水素は、プレクーラー120によって冷却され(例えば、−40℃)、ディスペンサー130の充填制御弁を介して、燃料電池自動車に設けられた水素タンクに差圧充填される。ここで、高圧蓄圧器260から燃料電池自動車の水素タンクへ水素が充填される際に断熱圧縮によって水素が加熱されるため、水素の温度が水素タンクの耐熱温度に達しないように、プレクーラー120が設けられている。
(低圧圧縮機230、高圧圧縮機250の圧力設計)
続いて、低圧圧縮機230、高圧圧縮機250の圧力設計について説明する。燃料電池自動車の水素タンクの圧力は70MPaが世界基準となっているため、当該水素タンクに水素を差圧充填するためには、供給元の水素の圧力を、70MPaを上回る値(例えば、82MPa)とする必要がある。しかし、水素製造装置210で製造された水素の圧力は、0.7MPaと低いため、水素製造装置210で製造された水素をそのまま燃料電池自動車に供給することはできない。そこで、本実施形態の高圧水素製造システム110は、水素製造装置210で製造された水素を82MPaまで昇圧する。
具体的に説明すると、まず、高圧水素製造システム110における最後段の高圧蓄圧器260の圧力を82MPaに設計する、すなわち、高圧圧縮機250の出口圧力を82MPaに設計する。したがって、水素を82MPaに昇圧可能な高圧圧縮機250を採用すればよいが、高圧圧縮機250の性能によっては、入口の圧力を33MPa〜40MPaまで昇圧する必要がある。そこで、本実施形態にかかる高圧水素製造システム110では、低圧圧縮機230および低圧蓄圧器240を設けておき、低圧圧縮機230が水素製造装置210で製造された水素(0.7MPa)を33MPa〜40MPaに昇圧して、低圧蓄圧器240に貯留し、高圧圧縮機250が低圧蓄圧器240に貯留された33MPa〜40MPaの水素を82MPaに昇圧することとしている。
(可変圧蓄圧器270の効果)
続いて、高圧水素製造システム110における可変圧蓄圧器270の効果について説明する。ここでは、まず、比較例における低圧蓄圧器の個数の設計について説明し、次に、高圧水素製造システム110における可変圧蓄圧器270の効果について説明する。
図2は、比較例の高圧水素製造システム10を説明するための図である。なお、高圧水素製造システム10の構成であって、上述した高圧水素製造システム110の構成と実質的に等しい構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
図2に示すように、高圧水素製造システム10は、水素製造装置210と、サクションタンク220と、低圧圧縮機230と、低圧蓄圧器12と、高圧圧縮機250と、高圧蓄圧器260と、圧力測定部280と、制御部290とを含んで構成される。つまり、高圧水素製造システム110と比較して、高圧水素製造システム10には、可変圧蓄圧器270、バルブV1、V2、V3、減圧弁V4が設けられていないこととなり、また、低圧蓄圧器12の個数が低圧蓄圧器240と異なる。以下、低圧蓄圧器12の個数の設計について説明する。
水素製造装置210は、通常運転時のみならず、運転を停止する際に遂行される停止処理(運転の停止指示が入力されてから水素製造装置210が停止状態となるまでの処理)、および、運転を開始してから通常運転に到達するまでの処理(開始処理)を遂行している期間においても水素を製造している。
図3は、水素製造装置210における、出力100%運転時、停止処理が遂行される期間(以下、「停止処理期間」と称する。)、および、開始処理が遂行される期間(以下、「開始処理期間」と称する。)の水素の製造量を説明するための図である。図3(a)は、出力100%運転時の水素の製造量を説明するための図であり、図3(b)は、停止処理期間の水素の製造量を説明するための図であり、図3(c)は、開始処理期間の水素の製造量を説明するための図である。
水素製造装置210が出力100%で運転している場合、例えば、300m/hで水素を製造するとする。この場合、図3(a)に示すように、水素製造装置210は、出力100%で運転している場合、常時300m/hで水素を製造することになる。
ここで、燃料電池自動車への水素の平均充填量(水素製造装置210によって充填可能な水素量の平均)について説明すると、燃料電池自動車への水素の平均充填量(m/h)は、水素製造装置210による水素の製造能力(m/h)に依存する。すなわち、本実施形態にかかる水素ステーション100では、300m/hで燃料電池自動車に水素を供給することが可能となる。
しかし、燃料電池自動車は必ずしも平均的に水素ステーション100に訪れる訳ではないため、水素製造装置210による水素の製造量を調整する必要がある。
具体的に説明すると、水素ステーション100に訪れる燃料電池自動車の数が少ない期間、すなわち、燃料電池自動車への水素の供給量が水素製造装置210の水素の製造量よりも少ない期間において、水素製造装置210が出力100%で運転していると、低圧蓄圧器12や高圧蓄圧器260において水素を貯留しきれなくなる。そこで、低圧蓄圧器12や高圧蓄圧器260に貯留された水素が所定量に達すると、制御部290は水素製造装置210を制御して停止処理を遂行させる。なお、低圧蓄圧器12と比較して、高圧蓄圧器260は高価であるため、一般的に、高圧蓄圧器260よりも低圧蓄圧器12の容量を大きくする。したがって、制御部290は、低圧蓄圧器12に貯留された水素が所定量(所定圧力、例えば37MPa)を上回ると、水素製造装置210を制御して停止処理を遂行させる。
停止処理を開始する場合、図3(b)に示すように、水素製造装置210は、水素の製造速度を300m/hから徐々に下げていき、最終的に、例えば、90m/hとして停止状態に移行することとなる。なお、水素製造装置210は、停止状態(アイドリング状態)であっても、出力30%で水素(90m/h)を常時製造しており、停止状態においては、水素製造装置210自体が製造した水素を燃焼させて消費している。つまり、水素製造装置210の停止状態においては、見かけ上、水素の出力はない(ゼロである)が、実際には、90m/hで水素を製造していることとなる。また、ここでは、停止処理に1時間を要するものとする。
このように、停止処理期間(停止処理を開始してから停止状態に達するまで)においても水素が製造されることとなるため、低圧蓄圧器12の容量(低圧蓄圧器12の個数)は、停止処理期間に製造された水素量を勘案した容量に決定されることとなる。
具体的に説明すると、停止処理期間に製造される水素量を貯留するために必要な低圧蓄圧器12の個数Xは、下記式(1)に基づいて算出することができる。
X=A/{(Pmax−Pth1)×10×D/z}…式(1)
ここで、Aは停止処理期間に製造される水素量(m)、Pmaxは低圧蓄圧器12の上限圧力(MPa)、Pth1は停止処理を開始するトリガとなる低圧蓄圧器12の圧力(MPa)、Dは1個あたりの低圧蓄圧器12の容量(m)、zは水素の圧縮係数を示す。
図3(b)に示す例において、停止処理期間に製造される水素量A(図3(b)中、ハッチングで示す)は、(300m/h+90m/h)/2×1h=195mとなる。また、低圧蓄圧器12の上限圧力Pmaxを40MPa、停止処理を開始するトリガとなる低圧蓄圧器12の圧力Pth1を37MPa、容量Dを0.3m/個、水素の圧縮係数zを1.2とし、式(1)を用いて、停止処理期間に製造される水素量を貯留するために必要な低圧蓄圧器12の個数Xを算出すると、26.0個となる。
一方、水素製造装置210が停止状態になってから水素ステーション100に燃料電池自動車が多数訪れ、低圧蓄圧器12に貯留された水素が減少して、低圧蓄圧器12に貯留されている水素が所定量(所定圧力、例えば37MPa)を下回ると、制御部290は、水素製造装置210を制御して開始処理を遂行させる。
上述したように、水素製造装置210は、停止状態(アイドリング状態)であっても、出力30%で水素(90m/h)を常時製造している。したがって、水素製造装置210の停止状態から開始処理を開始すると、水素製造装置210自体での水素の燃焼を停止し、直ちに、90m/hで水素の出力を開始することとなる。
開始処理を開始する場合、図3(c)に示すように、水素製造装置210は、水素の製造速度を90m/hから徐々に上げていき、最終的に300m/hとして出力100%の運転に移行することとなる。なお、ここでは、開始処理に1時間を要するものとする。このように、開始処理期間(開始処理を開始してから出力100%の運転に達するまで)において水素が製造されることになるが、出力100%の運転と比較して、単位時間当たりの製造量が少ないため、当該水素ステーション100における最大供給能力(300m/h)での水素供給が必要となる場合に、水素製造装置210が開始処理中に製造した水素をすべて燃料電池自動車に供給するとしても、最大供給能力に相当する水素を供給できなくなる。
したがって、燃料電池自動車への水素の供給を安定的に行うために、開始処理期間において製造される水素の量と、燃料電池自動車に供給される水素量との差分だけ低圧蓄圧器12に常時貯留しておく必要がある。かかる差分を貯留するための低圧蓄圧器12の個数Yは下記式(2)を用いて算出することができる。
Y=B/{(Pth2−Pmin)×10×D/z}…式(2)
ここで、Bは開始処理期間に製造される水素量と燃料電池自動車に供給される水素量との差分(m)、Pminは低圧蓄圧器12の下限圧力(MPa)、すなわち、高圧圧縮機250の入口の圧力の下限値、Pth2は開始処理の遂行を開始するトリガとなる低圧蓄圧器12の圧力(MPa)、Dは1個あたりの低圧蓄圧器12の容量(m)、zは水素の圧縮係数を示す。
図3(c)に示す例において、開始処理期間に製造される水素量と燃料電池自動車に供給される水素量の予想される最大量との差分B(図3(c)中、ハッチングで示す)は、{300m/h−(300m/h+90m/h)/2}×1h=105mとなる。また、高圧圧縮機250の入口の圧力の下限値Pminを33MPa、開始処理の遂行を開始するトリガとなる低圧蓄圧器12の圧力Pth2をPth1と実質的に等しい37MPa、容量Dを0.3m/個、水素の圧縮係数zを1.2とし、式(2)を用いて、開始処理期間に不足する水素量を貯留するために必要な低圧蓄圧器12の個数Yを算出すると、10.5個となる。
以上の結果を勘案して、停止処理期間であっても、開始処理期間であっても低圧蓄圧器12に水素を貯留できるように、低圧蓄圧器12の個数は、XとYとで個数の多い方(ここでは、X、すなわち26個)に設定される。
また、X=Yとなるように、上記Pth1、Pth2を設定すれば、低圧蓄圧器12の個数を低減することができる。なお、上述したようにPth1=Pth2であるため、上記図3(b)、(c)の例では、Pth1=Pth2=35.45MPaとなり、低圧蓄圧器12の個数は17.2個となる。
このように、低圧蓄圧器12の個数は、26.0個、または、17.2個(18個)となるが、低圧蓄圧器12に要するコストを削減するために、低圧蓄圧器12の個数の低減が希求されている。
そこで、本実施形態にかかる高圧水素製造システム110は、可変圧蓄圧器270を備える。上述したように可変圧蓄圧器270は、制御部290の制御指令に応じて、停止処理が遂行される場合に、低圧圧縮機230によって昇圧された水素を貯留する。また、停止処理中および停止状態において、制御部290は可変圧蓄圧器270に貯留された水素を払い出して、低圧圧縮機230で昇圧する。以下、制御部290による高圧水素製造システム110の運転処理について詳述する。
(通常運転時の高圧水素製造システム110の運転処理)
図4は、通常運転時および開始処理時の高圧水素製造システム110の運転処理を説明するための図である。なお、図4中、水素の流れを実線の矢印で示す。図4に示すように、通常運転時において、制御部290は、バルブV1を閉状態に維持するとともに、バルブV2、V3を開状態に維持し、水素製造装置210に通常運転させて、低圧圧縮機230、高圧圧縮機250を駆動させる。
そうすると、水素製造装置210によって製造された水素は、低圧圧縮機230で昇圧され、低圧蓄圧器240に貯留され、高圧圧縮機250で昇圧され、高圧蓄圧器260に貯留されることとなる。
(停止処理を遂行する際の高圧水素製造システム110の運転処理)
図5は、停止処理時の高圧水素製造システム110の運転処理を説明するための図である。なお、図5中、水素の流れを実線の矢印で示す。高圧水素製造システム110が通常運転中であり、圧力測定部280が測定した低圧蓄圧器240の圧力が、第1閾値(例えば、37MPa)を上回ると、制御部290は、水素製造装置210を制御して停止処理を開始する。
そして、圧力測定部280が測定した低圧蓄圧器240の圧力が第1閾値より大きい第2閾値(例えば、40MPa)以上になると、制御部290は、図5(a)に示すように、バルブV2、V3を閉じるとともに、バルブV1を開いて、水素製造装置210によって製造された水素を低圧圧縮機230に払い出し、低圧圧縮機230で水素を昇圧して、可変圧蓄圧器270に貯留させる。
停止処理中に低圧蓄圧器240の圧力が第2閾値未満になると、図5(b)に示すように、制御部290はバルブV1を閉じ、バルブV2、V3を開き、可変圧蓄圧器270から低圧圧縮機230に水素を払い出し、低圧圧縮機230で昇圧して低圧蓄圧器240に貯留する。一方、圧力測定部280が測定した低圧蓄圧器240の圧力が第2閾値以上になると、制御部290は、バルブV2、V3を閉じ、バルブV1を開く(図5(a)参照)。
水素製造装置210の停止処理が完了すると、水素製造装置210は停止状態になる。
停止状態で低圧蓄圧器240の圧力が第2閾値未満になると、図5(c)に示すように、制御部290は、バルブV1を閉じ、バルブV2、V3を開き、可変圧蓄圧器270から低圧圧縮機230に水素を払い出し、低圧圧縮機230で昇圧して低圧蓄圧器240に貯留する。一方、圧力測定部280が測定した低圧蓄圧器240の圧力が第2閾値以上になると、制御部290は、バルブV2、V3を閉じ、バルブV1を開く。
(開始処理を遂行する際の高圧水素製造システム110の運転処理)
上記停止処理が遂行され、高圧水素製造システム110が停止状態となり、この間に燃料電池自動車への水素の供給が行われ、圧力測定部280が測定した低圧蓄圧器240の圧力が、第1閾値(例えば、37MPa)未満になると、水素製造装置210を制御して開始処理を遂行し、水素製造装置210によって製造された水素を低圧圧縮機230に払い出し、低圧圧縮機230で水素を昇圧して、低圧蓄圧器240に貯留させる(図4参照)。
以上説明したように、本実施形態にかかる高圧水素製造システム110によれば、低圧蓄圧器240の個数を、開始処理期間に不足する水素量を貯留するために必要な個数(例えば、11個)としておき、停止処理期間で余剰する分を可変圧蓄圧器270に貯留する。
また、開始処理を遂行する前に、まず、可変圧蓄圧器270に貯留された水素を払い出し、低圧蓄圧器240の圧力が第1閾値未満になると、開始処理の実行を開始する。開始処理を遂行する前に、可変圧蓄圧器270に貯留された水素を払い出すことにより、可変圧蓄圧器270の圧力を目標値Psucまで低減することができる。つまり、可変圧蓄圧器270の下限圧力を目標値Psucとすることが可能となる。
ここで、低圧圧縮機230はサクションタンク220の水素を昇圧するため、低圧圧縮機230が制御するサクションタンク220の目標値Psucは、低圧圧縮機230の入口の圧力の下限値に基づいて決定されることとなる。
一方、高圧圧縮機250は低圧蓄圧器240に貯留された水素を昇圧するため、低圧蓄圧器240の下限圧力は、高圧圧縮機250の入口の圧力の下限値に基づいて決定されることとなる。
低圧圧縮機230の入口の圧力の下限値は、高圧圧縮機250の入口の圧力の下限値よりも小さいため、低圧蓄圧器240と比較して、可変圧蓄圧器270の下限圧力を小さくすることができる。蓄圧器に貯留可能な水素の量は、容量が等しい場合、上限圧力と下限圧力との差に依存する。したがって、可変圧蓄圧器270は、低圧蓄圧器240と比較して、多量の水素を貯留することができることとなる。
つまり、停止処理の遂行中に水素を充填するにあたって、可変圧蓄圧器270の当初の圧力(下限圧力)が低圧蓄圧器240の下限圧力よりも小さいため、比較例のように既に圧力が高い低圧蓄圧器12に貯留するよりも、可変圧蓄圧器270に多量に水素を貯留することが可能となる。したがって、可変圧蓄圧器270を備える構成により、比較例の低圧蓄圧器12と比較して少ない容量(個数)で、停止処理期間において生じた水素を貯留することが可能となる。したがって、蓄圧器に要するコストを削減することができ、水素ステーション100のコストを低減することが可能となる。また、蓄圧器の個数を低減できるため、水素ステーション100の敷地面積を小さくすることができる。
(高圧水素製造システム110における低圧蓄圧器240、可変圧蓄圧器270の個数)
続いて、高圧水素製造システム110における低圧蓄圧器240、可変圧蓄圧器270の個数について説明する。
上述したように、開始処理を遂行する場合には、少なくとも低圧蓄圧器240が10.5個(11個)必要となる。したがって、低圧蓄圧器240の個数を11個とする。
そして、低圧蓄圧器240の個数が11個であるとして、停止処理期間に製造される水素量を貯留するために必要な可変圧蓄圧器270の個数を算出する。具体的に説明すると、まず、11個の低圧蓄圧器240で貯留できる水素量Lh(m)を、下記式(3)に基づいて算出する。
Lh={(Pmax−Pth1)×10×D/z}×C…式(3)
ここで、Pmaxは低圧蓄圧器240の上限圧力(MPa)、Pth1は停止処理を開始するトリガとなる低圧蓄圧器240の圧力(MPa)、Dは1個あたりの低圧蓄圧器240の容量(m)、Cは低圧蓄圧器240の個数(ここでは、11個)、zは水素の圧縮係数を示す。
低圧蓄圧器240の上限圧力Pmaxを40MPa、停止処理を開始するトリガとなる低圧蓄圧器240の圧力Pth1を37MPa、容量Dを0.3m/個、水素の圧縮係数zを1.2とし、式(3)を用いて、11個の低圧蓄圧器240で貯留できる水素量Lh(m)を算出すると、82.5mとなる。
そして、停止処理期間に製造される水素量(195m)と、水素量Lh(82.5m)の差分(112.5m)を可変圧蓄圧器270に貯留する場合、かかる差分を貯留するための可変圧蓄圧器270の個数Mは下記式(4)を用いて算出することができる。
M=E/{(Qmax−Qmin)×10×F/z}…式(4)
ここで、Eは、停止処理期間に製造される水素量(m)と、水素量Lh(m)の差分(m)、Qmaxは可変圧蓄圧器270の上限圧力(MPa)、Qminは可変圧蓄圧器270の下限圧力(MPa)、Fは1個あたりの可変圧蓄圧器270の容量(m)、zは水素の圧縮係数を示す。
停止処理期間に製造される水素量(m)と、水素量Lh(m)の差分Eを112.5m、可変圧蓄圧器270の上限圧力Qmaxを40MPa、可変圧蓄圧器270の下限圧力QminをPsuc(0.55MPa)、容量Fを0.3m/個、水素の圧縮係数を1.2とし、式(4)を用いて、差分Eを貯留するために必要な可変圧蓄圧器270の個数Mを算出すると、約1.1個(2個)となる。
以上説明したように、本実施形態にかかる水素ステーション100によれば、高圧圧縮機250の上流に配される蓄圧器を13個(11個+2個)にすることができる。これにより、比較例の蓄圧器と比較して、蓄圧器を半減、または、比較例より5個削減することが可能となる。
また、水素ステーション100において、減圧弁V4の減圧圧力をサクションタンク220の目標値Psucよりも高い圧力に設定するとよい。これにより、停止状態において低圧蓄圧器240の圧力が第2閾値未満になると、可変圧蓄圧器270の水素圧力が目標値Psucになるまで払い出されるため、水素製造装置210が次に開始処理を行い、通常運転に移行し、停止処理を行う際に、可変圧蓄圧器270の水素貯蔵量を設計通りに確保することができる。
(高圧水素製造システム110の運転方法)
続いて、上記高圧水素製造システム110の運転方法について説明する。図6は、水素製造装置210の制御の流れを説明するためのフローチャートであり、図7は、低圧圧縮機230の制御の流れを説明するためのフローチャートであり、図8は、バルブV1、V2、V3の制御の流れを説明するためのフローチャートである。
(水素製造装置210の駆動制御)
図6に示すように、まず、制御部290は、低圧蓄圧器240の圧力が第1閾値と等しいか否かを判定する(S310)。低圧蓄圧器240の圧力が第1閾値と等しいと判定すると(S310におけるYES)、制御部290は、水素製造装置210の現在のロードをキープ(維持)する(S312)。
一方、低圧蓄圧器240の圧力が第1閾値と等しくない場合(S310におけるNO)、制御部290は、低圧蓄圧器240の圧力が第1閾値を上回る圧力であるか否かを判定する(S314)。低圧蓄圧器240の圧力が第1閾値を上回る圧力であると判定すると(S314におけるYES)、水素製造装置210による水素の製造を停止する停止処理(ロードダウン)を開始する(S316)。一方、低圧蓄圧器240の圧力が第1閾値を上回る圧力でない、すなわち、第1閾値未満であると判定すると(S314におけるNO)、水素製造装置210による水素の製造を開始する開始処理(ロードアップ)の遂行を開始する(S318)。
(低圧圧縮機230の駆動制御)
図7に示すように、まず、制御部290は、サクションタンク220の圧力が目標値Psucと等しいか否かを判定する(S410)。サクションタンク220の圧力が目標値Psucと等しいと判定すると(S410におけるYES)、制御部290は、低圧圧縮機230をロード(吸込・吐出量)キープする(S412)。
一方、サクションタンク220の圧力が目標値Psucと等しくない場合(S410におけるNO)、制御部290は、サクションタンク220の圧力が目標値Psucを上回る圧力であるか否かを判定する(S414)。サクションタンク220の圧力が目標値Psucを上回る圧力であると判定すると(S414におけるYES)、低圧圧縮機230をロードアップする(S416)。一方、サクションタンク220の圧力が目標値Psucを上回る圧力でない、すなわち、目標値Psuc未満であると判定すると(S414におけるNO)、低圧圧縮機230をロードダウンする(S418)。
(バルブV1、V2、V3の開閉制御)
図8に示すように、まず、制御部290は、低圧蓄圧器240の圧力が第2閾値以上になったか否かを判定する(S510)。低圧蓄圧器240の圧力が第2閾値以上になったと判定すると(S510におけるYES)、制御部290はバルブV1を開き、バルブV2、V3を閉じる(S512)。一方、低圧蓄圧器240の圧力が第2閾値未満になったと判定すると(S510におけるNO)バルブV1を閉じ、バルブV2、V3を開く(S514)。
以上説明したように、本実施形態にかかる高圧水素製造システム110、および、高圧水素製造システム110の運転方法によれば、蓄圧器の個数を低減することが可能となる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、上記実施形態において、水素分離膜やPSAを含んで構成される水素製造装置210を例に挙げて説明した。しかし、水素製造装置210の水素製造技術に限定はなく、既存の様々な技術を利用することができる。
また、上記実施形態において、第1閾値を37MPaとして説明したが、第1閾値を、高圧圧縮機250の入口の圧力の下限値(許容できる下限値)に基づいて決定すれば、数値に限定はない。
また、上記実施形態において、第2閾値を40MPaとして説明したが、第2閾値を、低圧蓄圧器240の耐圧の上限値に基づいて決定すれば、数値に限定はない。例えば、低圧蓄圧器240の耐圧の上限値が40MPaである場合、第2閾値を39.5MPaとしてもよい。
また、上記実施形態において、高圧水素製造システム110が低圧圧縮機230と高圧圧縮機250を備える構成について説明した。しかし、高圧圧縮機の性能によっては、圧縮機を1つとすることもできる(例えば、入口圧力が、水素製造装置210の送出圧力であっても82MPaまで昇圧できる高圧圧縮機)。この場合、高圧水素製造システムが、水素製造装置210と、サクションタンク220と、水素製造装置210の送出圧力であっても82MPaまで昇圧できる高圧圧縮機と、高圧蓄圧器260と、可変圧蓄圧器270と、圧力測定部280と、制御部290と、バルブV1、V2、V3と、減圧弁V4を備える構成とすることにより、蓄圧器の個数を低減することができる。
また、上記実施形態において、減圧弁V4は、下流圧を機械的に一定に保つバネ式の減圧弁であってもよいし、下流圧を一定に保つ電子式の制御弁であってもよい。
また、上記実施形態において、低圧圧縮機230の圧力が第1閾値になった場合、制御部290は、水素製造装置210の現在のロードをキープするロードキープ処理を遂行しているが、低圧圧縮機230の圧力が第1閾値になった場合、制御部290は、停止処理を遂行してもよいし、開始処理を遂行してもよい。
本発明は、水素を製造して燃料電池自動車等の供給先に供給する高圧水素製造システム、および、高圧水素製造システムの運転方法に利用することができる。
110 高圧水素製造システム
210 水素製造装置
230 低圧圧縮機(第1の圧縮機)
240 低圧蓄圧器(第1の蓄圧器)
250 高圧圧縮機(第2の圧縮機)
260 高圧蓄圧器(第3の蓄圧器)
270 可変圧蓄圧器(第2の蓄圧器)
290 制御部

Claims (7)

  1. 水素を製造する水素製造装置と、
    前記水素製造装置によって製造された水素を昇圧する第1の圧縮機と、
    前記第1の圧縮機によって昇圧された水素を貯留する第1の蓄圧器および第2の蓄圧器と、
    前記第1の蓄圧器の圧力が第1閾値を上回ると、前記水素製造装置を制御して該水素製造装置による水素の製造を停止する停止処理を開始し、該第1の蓄圧器の圧力が該第1閾値より大きい第2閾値以上になると、該水素製造装置によって製造された水素であって前記第1の圧縮機によって昇圧された水素を前記第2の蓄圧器に貯留させる制御部と、
    を備えたことを特徴とする高圧水素製造システム。
  2. 前記制御部は、前記第1の蓄圧器の圧力が前記第2閾値未満になると、前記第2の蓄圧器に貯留された水素を、前記第1の圧縮機によって昇圧させて、該第1の蓄圧器に貯留させ、該第1の蓄圧器の圧力が該第1閾値未満になると、前記水素製造装置を制御して該水素製造装置による水素の製造を開始する開始処理を遂行し、該水素製造装置によって製造された水素を、該第1の圧縮機によって昇圧させて、該第1の蓄圧器に貯留させることを特徴とする請求項1に記載の高圧水素製造システム。
  3. 前記制御部は、前記第1の蓄圧器の圧力が前記第1閾値になると、前記水素製造装置の現在のロードをキープするロードキープ処理、前記停止処理、前記開始処理の群から選択された1の処理を遂行することを特徴とする請求項2に記載の高圧水素製造システム。
  4. 前記第1の蓄圧器に貯留された水素を昇圧する第2の圧縮機と、
    前記第2の圧縮機によって昇圧された水素を貯留する第3の蓄圧器と、
    をさらに備えたことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の高圧水素製造システム。
  5. 水素を製造する水素製造装置と、該水素製造装置によって製造された水素を昇圧する第1の圧縮機と、該第1の圧縮機によって昇圧された水素を貯留する第1の蓄圧器および第2の蓄圧器とを備えた高圧水素製造システムの運転方法であって、
    前記第1の蓄圧器の圧力が第1閾値を上回ったか否かを判定し、
    前記第1の蓄圧器の圧力が前記第1閾値を上回ったと判定すると、前記水素製造装置による水素の製造を停止する停止処理を開始し、
    前記第1の蓄圧器の圧力が前記第1閾値より大きい第2閾値以上になったか否かを判定し、
    前記第1の蓄圧器の圧力が前記第2閾値以上になったと判定すると、前記水素製造装置によって製造された水素であって前記第1の圧縮機によって昇圧された水素を前記第2の蓄圧器に貯留することを特徴とする高圧水素製造システムの運転方法。
  6. 前記第1の蓄圧器の圧力が前記第2閾値未満になったと判定すると、前記第2の蓄圧器に貯留された水素を、前記第1の圧縮機によって昇圧させて、該第1の蓄圧器に貯留し、
    前記第1の蓄圧器の圧力が前記第1閾値未満になったか否かを判定し、
    前記第1の蓄圧器の圧力が前記第1閾値未満になったと判定すると、前記水素製造装置による水素の製造を開始する開始処理を遂行し、
    前記水素製造装置によって製造された水素を、前記第1の圧縮機によって昇圧させて、前記第1の蓄圧器に貯留することを特徴とする請求項5に記載の高圧水素製造システムの運転方法。
  7. 前記第1の蓄圧器の圧力が前記第1閾値になったか否かを判定し、
    前記第1の蓄圧器の圧力が前記第1閾値になったと判定すると、前記水素製造装置の現在のロードをキープするロードキープ処理、前記停止処理、前記開始処理の群から選択された1の処理を遂行することを特徴とする請求項6に記載の高圧水素製造システムの運転方法。
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