JP2006001797A - 水素製造装置の運転制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 水素製造装置が効率的かつ経済的に水素を製造することができる水素製造装置の運転制御装置を提供すること。
【解決手段】 燃料電池自動車105に充填する水素を蓄える蓄ガス器103に接続する水素製造装置101の運転を制御する水素製造装置の運転制御装置1Aに、蓄ガス器103に蓄えられた水素の負荷データを記憶する負荷データ記憶プログラム8と、負荷データを所定条件下で読み出し、先の所定時間帯の負荷予測を立案する負荷予測プログラム9と、蓄ガス器103の残圧を検出し、蓄ガス器103の残圧と水素製造装置101が製造する水素の水素製造量とにより負荷予測を賄うように水素製造装置101の出力を決定して運転パターンを作成する運転パターン決定プログラム10Aとを設ける。
【選択図】 図1

Description

本発明は、燃料電池自動車や定置用燃料電池の発電機器などに供給する水素を製造する水素製造装置の運転制御装置に関する。
燃料電池自動車は、水素ガスを燃料とし、CO2を排出しないことから究極のエコカーとして期待され、その開発が進められている。燃料電池自動車の普及への期待が高まる中、燃料供給インフラ設備に関する開発も活発化してきている。インフラ開発において、車側に供給する燃料を何とするかについては様々な考え方が提案されているが、車上改質の技術的なハードルの高さ等から、当面、純水素を車側に供給する考え方が主流である。水素を供給する方式には、大きく分けて2通りあり、水素スタンドの形態としては、工場等で大規模・集中的に水素を製造し、それを個々のスタンドに輸送し燃料電池自動車に供給する方式(オフサイト方式)と、スタンドで水素を製造し燃料電池自動車に供給する方式(オンサイト方式)が想定される。
図12は、オンサイト方式の水素スタンド100の概略構成図である。
オンサイト方式の水素スタンド100は、水素製造装置101、圧縮機102、蓄ガス器103、ディスペンサ104から構成される。水素製造装置101は、都市ガス等の炭化水素から水素を作る装置であり、高純度の水素を得ることができる。圧縮機102は、水素製造装置101で製造された水素を40MPa以上の高圧に圧縮し、蓄ガス器103に充填する。蓄ガス器103に予めためられた水素は、燃料電池自動車などの需要があった場合に、燃料電池自動車等のタンクに差圧を駆動源として供給され、充填される。
図13は、水素製造装置101の概略構成図である。
水素製造装置101は、脱硫器111、改質器112、COシフト反応器113、PSA(Pressure Swing Adsorption)114の4つに分けられる。
脱流器111は、水素の燃料となる都市ガス(CH4)など化石燃料から付臭剤である硫黄分を取り除く反応器であり、通常350℃に加温されている。
改質器112は、CH4+H2O→CO+2H2の吸熱反応により、水素含有ガス(H2、CO、CO2、CH4、H2O)を生成する反応器であり、通常700℃程度に加温されている。なお、当該反応器を加温するために、改質器112は、例えば、PSA114のオフガス(製品水素の残り成分;CO、CH4など)を燃焼させるバーナ115を備える。
COシフト反応器113は、改質器112から得たCOを、さらに、CO+H2O→CO2+H2の反応により水素を生成する反応器であり、通常400℃程度に加温されている。
PSA114は、水素成分の生成ガスから不純物である微量のCO、CO2、CH4、H2Oを取り除き、水素だけを取り出す工程であり、常温で操作している。PSA114内には、ゼオライト、活性炭などの吸着剤が封入されており、高圧(0.7MPa程度)で導入された水素リッチな生成ガスの各成分を吸着剤に対する吸着速度の差によって分離する。つまり、吸着されやすいCO、CO2、CH4、H2Oは吸着剤に捕獲され、吸着しにくい水素がPSA114出口から高純度で得られる。PSA114は吸着剤に入った塔が複数本で構成されており、吸着・脱着の繰り返し操作によって、連続的に高純度水素を得るようにしている。
こうした水素製造装置101の制御は、一般的に、蓄ガス器103内のガス圧(もしくはガス量)を計測し、蓄ガス器103内のガス圧が低下すると水素制御装置101を稼動して水素を製造する。一方、蓄ガス器103が満タンになると水素の製造を止めて水素製造装置101をアイドリング運転(もしくは停止)する。水素製造装置101を一旦停止してから稼動し始めるまでには、改質器112などを水素を製造できる状況まで加温しなければならず、時間がかかる。また、その起動エネルギー消費量も大きい。そのため、通常、無負荷時には、水素製造装置101をアイドリング運転することが多い(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3参照)。
特開2003−130295号公報(段落0043〜0049)。 特開2002−372199号公報(段落0054〜0063)。 特開2002−216296号公報(段落0020〜0024)。
しかしながら、従来の水素製造装置101の運転装置は、蓄ガス器103が満タンになると停止し、その後、蓄ガス器圧力がある値まで低下すると、再び再起動していた。そのため、水素製造装置101は、定格出力運転とアイドリング運転とを頻繁に繰り返し、運転効率や経済性が悪かった。
現段階では、燃料電池自動車が開発段階にあるため、水素スタンド100の充填負荷特性を把握できていないが、水素スタンド100の充填負荷特性はガソリンスタンドや天然ガススタンドと同様の傾向になると考えられる。すなわち、例えば、天然ガススタンドの充填負荷特性を一例を挙げて考察すると、図14のグラフに示すように、充填負荷が曜日によって異なり、特に、土日の充填負荷が平日の充填負荷より少なくなったり、図15のグラフに示すように、充填負荷が営業時間帯の中で変動し、夕方の充填負荷が大きくなる場合がある。また、充填負荷特性は、自動車の普及率によって地域ごと或いは経時的に変化する場合がある。
水素製造装置101は、従来の利用形態のようにプラントに設置され、水素を計画的に製造する場合であれば、予め出力サイズ(生産能力)や運転制御方法を決定し、長時間一定運転することができる。ところが、オンサイト方式の水素スタンド100では、上述したように日ごと、時刻ごとに水素の需要が変動すると考えられ、蓄ガス器103の残圧に基づいて運転制御すると、頻繁に運転をON/OFFしたり、不適当にアイドリング時間が長くなり、効率を損なうおそれがある。出力変動の際には、一定運転する場合と比べて熱量ロスがあり、非効率である。また、アイドリング時間が長くなると、水素を製造せずに加温し続けるだけの燃料消費が多く非効率であり、経済性も悪い。
この点、例えば、特許文献1に記載された発明は、スタンドからある範囲にある燃料電池自動車の残圧情報を入力し、残圧情報と蓄ガス器103のガス量とに基づいて水素製造装置101が製造する水素の製造量を決定している。しかし、この技術によっても、残圧情報を収集する範囲が広いと、残圧情報を取得した燃料電池自動車が必ずしも当該水素スタンド100に入庫するとは限らず、かといって、残圧情報を収集する範囲が狭いと、水素製造装置101が水素を作り置きする時間が不十分になる問題があり、水素製造装置101を水素の需要に応じて効率的に運転することが困難であった。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、水素製造装置が効率的かつ経済的に水素を製造することができる水素製造装置の運転制御装置を提供することを目的とする。
本発明に係る水素製造装置の運転制御装置は、次のような構成を有している。
(1)水素消費機器に供給する水素を蓄える蓄ガス器に接続する水素製造装置の運転を制御する水素製造装置の運転制御装置において、蓄ガス器から供給される水素の負荷データを記憶する負荷データ記憶手段と、負荷データを所定条件下で読み出し、先の所定時間帯の負荷予測を立案する負荷予測手段と、蓄ガス器の残圧を検出し、蓄ガス器の残圧と水素製造装置が製造する水素の水素製造量とにより負荷予測を賄うように水素製造装置の出力を決定して運転パターンを作成する運転パターン決定手段とを有することを特徴とする。
(2)(1)に記載の発明において、運転パターン決定手段は、所定時間帯における水素製造装置の出力を所定時間間隔で変動させた出力ケースを複数仮設定し、水素製造装置が水素を製造する際に消費する一次エネルギー量と、所定時間帯に負荷予測を賄うことができない充填負荷不足量とを評価する評価値を求め、最良の評価値を有する出力ケースを運転パターンに決定することを特徴とする。
(3)(1)又は(2)に記載の発明において、運転パターン決定手段は、水素製造装置の出力が変動する際の損失を含めて評価値を求めることを特徴とする。
(4)(1)乃至(3)の何れか1つに記載の発明において、負荷予測手段は、負荷予測を外部影響因子を用いて補正することを特徴とする。
(5)(1)乃至(4)の何れか1つに記載の発明において、一定条件下で読み出した負荷パターンの偏差を求めて閾値と比較し、偏差が閾値より小さい場合には、負荷パターンを用いて水素製造装置の運転制御を実施する一方、偏差が閾値より小さくない場合には、蓄ガス器の残圧に追随して、若しくは、負荷予測の結果を補正して水素製造装置の運転制御を実施する運転方法選択手段を有することを特徴とする。
(6)(1)乃至(5)の何れか1つに記載の発明において、運転パターンに従って水素製造装置を運転しているときに、蓄ガス器の残圧を検出し、蓄ガス器の残圧予測と実際とのズレが一定範囲以上になったときに運転パターンの出力を変動させることを特徴とする。
(7)(1)乃至(6)の何れか1つに記載の発明において、蓄ガス器は、水素製造装置が製造する水素と輸送装置で輸送される水素を供給されるものであり、運転パターン決定手段は、蓄ガス器の残圧と水素製造装置が製造する水素の水素製造量と負荷予測とから充填負荷不足量を算出し、充填負荷不足量に基づいて輸送装置から蓄ガス器に供給する水素の水素供給量を決定することを特徴とする。
次に、上記構成を有する発明の作用効果について説明する。
水素製造装置で製造された水素は、蓄ガス器に蓄えられ、燃料電池自動車や定置用燃料電池などの発電機等、水素を消費する水素消費機器に供給される。水素消費機器が消費する水素は、例えば、曜日ごと、時刻ごとに異なる特性を有し、その特性は、負荷データを蓄積して分析することにより把握される。ここで、負荷データは、蓄ガス器から水素消費機器に供給した水素の量であり、水素製造装置の製造データ、水素消費機器への供給データ、蓄ガス器の残圧データなどを取得することによって把握される。そこで、水素製造装置の運転制御装置は、負荷データを蓄積して記憶することにより、当該水素製造装置が設置される施設独自のデータを収集している。
水素製造装置の運転制御装置は、負荷データを所定条件下で読み出し、先の所定時間帯の負荷予測を立案する。例えば、負荷予測を立案する対象日と同曜日、同時間帯の負荷データを読み出し、それを平均化処理することにより先の所定時間帯の負荷予測を立案する。負荷データは、当該水素製造装置が設置される施設独自のものであるため、負荷データに基づく負荷予測は、学習機能により当該水素製造装置が設置される施設の充填負荷特性を反映して精度良く立案される。
そして、蓄ガス器の残圧を検出し、蓄ガス器の残圧と水素製造装置が製造する水素の水素製造量とにより負荷予測を賄うように水素製造装置の出力を決定して運転パターンを作成する。負荷予測は当該水素製造装置が設置される施設の充填負荷特性を反映しているため、負荷予測を賄うように水素製造装置の出力を決定すれば、水素不足や水素の過剰製造を防止することが可能である。また、蓄ガス器をバッファ機能として活用し、水素製造装置を所定時間帯の中で長時間若しくは一定運転するように出力を決定すれば、頻繁な出力変動が抑制されて熱量ロスが少なくなるとともに、水素製造装置のアイドリング時間が短くなって、加温のためだけに消費する燃料消費量が減少する。
従って、本発明によれば、水素製造装置が効率的かつ経済的に水素を製造することができる。
そして、運転パターンを作成する際に、所定時間帯における水素製造装置の出力を所定時間間隔で変動させた出力ケースを複数仮設定し、各出力ケースごとに水素製造装置が水素を製造する際に消費する一次エネルギー量と、所定時間帯に負荷予測を賄うことができない充填負荷不足量とを求めて評価値で評価し、最良の評価値を有する出力ケースを運転パターンに決定するようにすれば、省エネ性の高い運転パターンを作成することができるとともに、水素不足による機会損失を回避することができる。
またこのとき、水素製造装置の出力が変動する際の損失を含めて評価値を求めれば、水素製造装置の出力変動に伴う時間的ロスやエネルギー的ロスをロスが発生する回数分だけ評価に反映させることができ、より現実的な運転パターンを作成することができる。
また、負荷予測を外部影響因子を用いて補正し、補正後の負荷予測を用いて水素製造装置の運転パターンを作成する。ここで、外部影響要因とは、負荷データのバラツキを生じさせる要因をいい、例えば、曜日、時間、外気温、天候、気候、イベントなどの外部情報や、水素消費機器を所有もしくは占有する顧客の顧客情報などを含む。そのため、負荷予測は外部影響因子を反映して精度が向上し、水素製造装置を精度良く運転制御することができる。
ところで、例えば同曜日の同時刻など所定条件下で負荷パターンをいくつか読み出しても、データに大きなバラツキがある場合は、例えば、平均処理した負荷予測の結果が実際と大きく異なる可能性がある。そこで、一定条件下で読み出した負荷パターンの偏差を求めて閾値と比較し、偏差が閾値より小さい場合には、予測外れの可能性が低いと考えられるので、読み出した負荷パターンを用いて水素製造装置の運転制御を実施する。一方、偏差が閾値より小さくない場合には、予測はずれの可能性が高いと考えられるので、読み出した負荷パターンを用いずに、蓄ガス器の残圧に追随して水素製造装置の運転制御を実施する。またこの場合、負荷データを置き換えるなどして負荷予測の結果を補正し、補正後の負荷予測を用いて水素製造装置の運転制御を実施してもよい。
従って、本発明によれば、予測外れして水素消費機器に水素を供給できなくなる事態を未然に防止することができる。
また、所定時間帯中に運転パターンに従って水素製造装置を運転しても、何らかの要因で水素の需要が増減することがある。これを放置すると、水素が不足したり、あるいは、無駄なエネルギーを消費し続けるおそれがある。そこで、水素製造装置の運転中に蓄ガス器の残圧を検出し、残圧が一定範囲外になったときに作成した運転パターンの出力を変動させ、水素製造装置をフィードバック制御する。従って、本発明によれば、予測外れに迅速に対応して水素製造装置の運転制御を行うことができる。
水素の供給方法には、水素製造装置のほかに輸送装置(水素トレーラなど)から蓄ガス器に水素を供給するものもある。輸送装置は、水素製造装置が設置されている施設外で製造された水素を輸送するものである。蓄ガス器は水素製造装置で製造された水素と輸送装置から供給された水素とを貯め、水素消費機器に供給する。そのため、例えば、負荷変動が大きい場合に、輸送装置から蓄ガス器に供給する水素供給量を決定し、負荷を賄うようにすれば、水素製造装置の出力を一定にしたり、アイドリング時間を短縮したりすることが可能になる。
従って、本発明によれば、水素製造装置の効率や経済性を向上させることができるとともに、高い稼働率を得ることができる。
(第1実施の形態)
次に、本発明に係る水素製造装置の運転制御装置の第1実施の形態について図面を参照して説明する。
本実施の形態における水素製造装置の運転制御装置1Aは、図12に示す水素スタンド100に設置される水素製造装置101の運転を水素の負荷予測に基づいて制御するものである。水素スタンド100と水素製造装置101の構成は、従来技術と同様であるので、ここでは説明を省略する。
図1は、水素製造装置の運転制御装置1Aのブロック図である。
運転制御装置1Aは、水素製造装置101に内蔵され、水素製造装置101の運転を制御している。運転制御装置1Aは、入力回路2が水素製造装置101、圧縮機102、蓄ガス器103に接続する一方、出力回路3が水素製造装置101に接続している。運転制御装置1Aは、CPU4、RAM5、ROM6を備え、入力したデータの処理や水素製造装置101の運転パターンの作成などを行う。ROM6には、各種プログラムやデータが格納されており、水素製造装置10の運転を制御するものとして、例えば、初期登録プログラム7、負荷データ蓄積プログラム(「負荷データ蓄積手段」に相当するもの。)8、負荷予測プログラム(「負荷予測手段」に相当するもの。)9、運転パターン決定プログラム(「運転パターン決定手段」に相当するもの。)10Aが格納されている。
図2は、初期登録処理を示すフロー図である。
運転制御装置1Aは、初期登録プログラム7を実行し、初期登録を行う。すなわち、ステップ1(以下「S1」と略記する。)において、水素製造装置101の出力、都市ガス原単位、電力原単位、水原単位、圧縮機102の出力を入力する。そして、S2において、水素製造装置101及び圧縮機102の出力変更速度、都市ガスロス、電力ロスを入力する。そして、S3において、水素製造装置101が起動時もしくはアイドリング時に消費する都市ガスと電力の消費量を入力する。さらに、S4において、蓄ガス器103の容量、蓄ガス圧力を入力する。これにより、水素製造装置101の設置先である水素スタンド100の特性や一次エネルギー量を算出する際の算出基準などが規定される。
図3は、負荷データ蓄積処理を示すフロー図である。
運転制御装置1Aは、負荷データ蓄積プログラム8を実行し、水素の負荷データを蓄積して記憶する。ここで、負荷データとは、蓄ガス器103から水素消費機器に供給した水素の量であり、水素製造装置101の製造データ、燃料電池自動車105などへの充填データ、蓄ガス器103の残圧データなどを取得することによって把握される。
すなわち、S11において、所定時間毎に負荷データを取得する。本実施の形態では、1時間間隔で蓄ガス器103から燃料電池自動車105に充填した水素の量を負荷データとして取得する。
そして、S12において、負荷データをデータベースに蓄積して記憶する。このとき、負荷データは、外気影響因子に関連付けて記憶される。外気影響因子とは、負荷データのバラツキを生じさせる要因をいい、曜日、時間、天候、気候、外気温、イベントなどの外部情報や、燃料自動車や定置用燃料電池の発電機などの水素消費機器を所有もしくは占有する顧客の顧客情報などを含む。
このようにして負荷データを蓄積することにより、水素製造装置101が設置される水素スタンド100独自のデータが収集される。
図4は、負荷予測処理を示すフロー図である。
運転制御装置1Aは、負荷予測プログラム9を実行し、負荷データを所定条件下で読み出し、先の所定時間帯の負荷予測を立案する。すなわち、S21において、負荷予測をする日と同曜日の負荷データを一定期間分(例えば、1ヶ月分)読み出して平均処理する。またこのとき、偏差を算出し、平均処理したデータの信頼性を判断する。
そして、S22において、外部要因係数でデータを補正する。外部要因係数は、イベントや天候などを含む外部影響因子に関連付けた負荷データにより統計的に定めたものである。例えば、予測負荷を立案する日の天候が雨天であれば、同曜日の負荷データを読み出して平均処理したデータを、雨天に関する外部要因係数で補正する。これにより、例えば、平均化処理した負荷データに雨天によって来客数が減少することなどが反映される。
そして、S23において、データの偏差に所定値以上のバラツキがある場合に、負荷データを置き換える。データの偏差に所定値以上のバラツキがある場合、負荷データを読み出す条件(ここでは、曜日)が適切でないと考えられるので、他の条件のもとで負荷データを読み出して既存の負荷データと置き換える。そして、置き換えた負荷データを用いてS21以降の処理を再度繰り返し、負荷予測を行う。
このように、水素スタンド100独自の負荷データをもとに負荷予測が立案され、負荷予測に当該水素スタンド100の充填負荷特性が反映される。
図5は、運転パターン決定処理を示す図である。図6は、運転制御の概念図であって、(a)は仮設定時を示し、(b)は最良ケース決定時を示す。
運転制御装置1Aは、運転パターン決定プログラム10Aを実行し、負荷予測を賄うように先の所定時間帯の所定時間間隔ごとに水素製造装置101の出力を決定して運転パターンを作成する。
すなわち、まず、S31において、現段階の蓄ガス器103の残圧(ガス量)を計測し、蓄ガス器103から燃料電池自動車105に充填可能な水素の量や、蓄ガス器103の空き容量などを把握する。
そして、S32において、先の所定時間N分の水素製造出力ケースを仮設定する。所定時間Nは、水素製造装置の運転パターンを決定する際に計算対象となる時間帯であり、出力ケースは、初期登録処理(図2参照)で設定された水素製造装置101の出力サイズ、蓄ガス器103の容量、充填負荷量(1時間あたりの最大充填量など)を勘案して決定される。出力ケースは、図6(a)に示すように、現段階の水素製造装置101の出力を検出して「今」の水素製造出力を固定的に設定した後、現段階から「1時間後」、「2時間後」、「3時間後」、「4時間後」…「N−2時間後」、「N−1時間後」、「N時間後」の各時刻ごとに水素製造出力を変更させることにより仮設定されるものである。従って、出力ケースは、複数仮設定することが可能である。具体的には、例えば、図中黒丸に示すように、「今」の水素製造出力を70%に設定し、「1時間後」〜「N時間後」までの水素製造出力を100%に仮設定することにより、1個の出力ケースが仮設定される。
そして、S33において、各時間毎に仮設定した出力と、初期登録処理(図2参照)で入力した都市ガス原単位、電力原単位から都市ガス供給量、電力量を算出する。つまり、水素製造装置101は、都市ガスと水を反応させて水素を取り出したり、都市ガスを燃料させて反応器を加温したりするため、その際の都市ガス使用量を算出する。また、水素製造装置のポンプ、ブロワなど各種補機装置や圧縮機102による電力消費量を考慮して、電力使用量を算出する。
そして、S34において、出力変動がある場合、S33で算出した都市ガス供給量、電力量に変動ロス分を加算する。図6(a)の黒丸で示す出力ケースでは、「今」から「1時間後」に水素製造出力が70%から100%に変動する際に時間的ロスやエネルギー的ロスに発生するので、そのロス分の都市ガス供給量、電力量を算出し、それをS33で算出した都市ガス供給量と電力量に加算する。これにより、ロスが発生回数分だけ都市ガス供給量や電力量に反映され、より現実に即した都市ガス供給量、電力量が算出される。
そして、S35において、各時刻の1次エネルギー量を算出し、所定時間帯分を加算する。上記出力ケースでは、「今」の70%出力運転、「1時間後」、「2時間後」…「N−1時間後」、「N時間後」の100%出力運転で消費される1次エネルギー量をS33,S34で算出した都市ガス供給量、電力量に基づいて各時刻ごとに算出し、それらを加算することにより「今」から「N時間後」までの所定時間帯に消費する1次エネルギー量が算出される。
そして、S36において、同ケースの充填負荷不足分を負荷予測をもとに算出する。「今」から「N時間後」までの負荷予測は、図4に示す負荷予測処理を実行することにより精度良く求められている。そこで、仮設定された出力ケースの出力に応じて製造される水素と蓄ガス器103の残圧とから所定時間帯に燃料電池自動車105に充填できる水素の充填可能量を各時刻ごとに求め、各時刻ごとに充填可能量から負荷予測を減算することにより充填負荷不足分を算出する。この計算により、当該出力ケースにおいて蓄ガス器103の残圧と水素製造装置101の水素製造量とにより負荷予測を賄えているか否かが判明する。
そして、S37において、1次エネルギー量、充填負荷不足量を規定の換算ポイントで置き換えて加算する。1次エネルギー量と充填負荷不足量は、別概念を有するものであり、それらを単純に計算して出力ケースを評価することができない。そこで、1次エネルギー量と充填負荷不足分を換算ポイント(「評価値」に相当するもの。)に換算して同一基準化し、1次エネルギー量と充填負荷不足分を加算することにより、当該出力ケースを換算ポイントで評価する。なお、本実施の形態では、1次エネルギー量が大きいほど換算ポイントが小さく、また、充填負荷不足量が多いほど換算ポイントが小さいものとする。
そして、S38において、現ケースの換算ポイントが前ケースの換算ポイントより大きいか否かを判断する。当該出力ケースの換算ポイントが前ケースの換算ポイントより大きければ(S38:YES)、当該出力ケースの1次エネルギー量や充填負荷不足量が前ケースより少なくて省エネ性が高く、経済的な運転になると考えられるので、S39において、当該出力ケースを前ケースと置き換えた後、S41に進む。一方、当該出力ケースの換算ポイントが前ケースの換算ポイント以下であれば(S38:NO)、当該出力ケースの1次エネルギー量や充填負荷不足量が前ケースより大きくなって省エネ性が低く、経済的な運転にならないないと考えられるので、S40において、前ケースを据え置いて、S41に進む。
そして、S41において、N時間分の全ケースの算出が完了したか否かを判断する。つまり、出力ケースは、各時刻の水素製造出力を所定出力間(本実施の形態では、0%、40%、70%、100%)で組み合わせて設定されるが、それら全ての組み合わせについて換算ポイントを算出したか否かを判断する。この時点では、全ケースの算出が完了していないと判断されるので、S32に戻り、次の出力ケースを仮設定する。具体的には、例えば、「今」の水素製造出力を70%、「1時間後」の水素製造出力を70%、「2時間後」から「N時間後」までの水素発生出力を100%とする出力ケースを仮設定する。そして、上記と同様にして、S33以降の処理を実行する。
先N時間分の全ケースの算出が完了したら(S41:YES)、最良ケースを決定する。S38、S39、S40において、換算ポイントが大きい出力ケースを選りすぐるため、全ケースの算出が完了した時点では、例えば、図6(b)の黒丸に示すように、換算ポイントが最大になる出力ケースが設定されている。換算ポイントが最大ということは、1次エネルギー量及び充填負荷不足量を極小化できているということであり、水素製造装置101の運転制御上、もっとも省エネ性や経済性の高い最良のケースであることを意味する。そこで、設定されている出力ケースを水素製造装置101の運転パターンに決定する。
このように、運転制御装置1Aは、数時間先の負荷を学習機能を用いて予測し、水素製造装置101の運転を制御するが、イベントや天候など何らかの要因で水素の需要が増減して、負荷予測が外れることも考えられる。これを放置すると、水素が不足して機会損失を生じたり、アイドリング時間が長くなって無駄なエネルギーを消費し続けるおそれがある。そこで、運転制御装置1Aは、運転パターンに従って水素製造装置101の運転制御を行っている間にも蓄ガス器103の残圧を検出し、残圧予測と実際とのズレが一定範囲以上であると判断したときにフィードバック制御を実施する。
すなわち、負荷予測と実際にズレがあり、蓄ガス器103の残圧が実際より一定範囲以上少なくなったときには、水素製造装置101の出力を検出し、出力を上げられる余地があれば、出力を上げて水素製造量を増加させる。これにより、需要増加分の水素を蓄ガス器103に事前に蓄え、水素不足による機会損失を回避する。
一方、負荷予測と実際にズレがあり、蓄ガス器103の残圧が実際より一定範囲以上多くなったときには、水素製造装置101の出力を検出し、出力を下げられる余地があれば、出力を下げて水素製造量を減少させる。これにより、水素製造装置101を長時間一定運転してアイドリング時間を短縮し、エネルギーの浪費を回避する。
従って、本実施の形態の水素製造装置の運転制御装置1Aによれば、燃料電池自動車105に充填する水素を蓄える蓄ガス器103に接続する水素製造装置101の運転を制御するものにおいて、蓄ガス器103から供給される水素の負荷データを記憶する負荷データ記憶プログラム8と、負荷データを所定条件下で読み出し、先の所定時間帯の負荷予測を立案する負荷予測プログラム9と、蓄ガス器103の残圧を検出し、蓄ガス器103の残圧と水素製造装置101が製造する水素の水素製造量とにより負荷予測を賄うように水素製造装置101の出力を決定して運転パターンを作成する運転パターン決定プログラム10Aとを有しているので、水素製造装置101が効率的かつ経済的に水素を製造することができる。
また、本実施の形態の水素製造装置の運転制御装置1Aによれば、運転パターン決定プログラム10Aは、所定時間帯における水素製造装置101の出力を所定時間間隔で変動させた出力ケースを複数仮設定し、水素製造装置101が水素を製造する際に消費する一次エネルギー量と、所定時間帯に負荷予測を賄うことができない充填負荷不足量とを評価する換算ポイントを求め、最良の換算ポイントを有する出力ケースを運転パターンに決定するので、省エネ性の高い運転パターンを作成することができるとともに、水素不足による機会損失を回避することができる。
また、本実施の形態の水素製造装置の運転制御装置1Aによれば、運転パターン決定プログラム10Aは、水素製造装置101の出力が変動する際の損失を含めて評価値を求めるので、水素製造装置101の出力変動に伴う時間的ロスやエネルギー的ロスをロスが発生する回数分だけ評価に反映させることができ、より現実的な運転パターンを作成することができる。
また、本実施の形態の水素製造装置の運転制御装置1Aによれば、負荷予測プログラム9は、負荷予測を外部影響因子を用いて補正するので、負荷予測は外部影響因子を反映して精度が向上し、水素製造装置101を精度良く運転制御することができる。
また、本実施の形態の水素製造装置の運転制御装置1Aによれば、運転パターンに従って水素製造装置101を運転しているときに、蓄ガス器103の残圧を検出し、蓄ガス器103の残圧予測と実際とのズレが一定範囲以上になったときに運転パターンの出力を変動させるので、予測外れに迅速に対応して水素製造装置101の運転制御を行うことができる。
(第2実施の形態)
次に、本発明の水素製造装置の運転制御装置の第2実施の形態について図面を参照して説明する。
本実施の形態の水素製造装置の運転制御装置1Bは、運転方法を選択する運転方法選択プログラム11を有する点で第1実施の形態と相違し、その他の点は共通している。よって、ここでは、第1実施の形態と異なる点について説明し、共通する点は適宜説明を省略する。
図7は、水素製造装置101の運転制御装置1Bのブロック図である。
運転制御装置1Bは、水素スタンド100に設置される水素製造装置101の運転を制御するものであり、第1実施の形態で説明した各種プログラム7,8,9,10Aに加え、運転方法選択プログラム(「運転方法選択手段」に相当するもの。)11がROM6に格納されている。
図8は、水素製造装置の運転制御装置1Bの運転方法選択処理を示すフロー図である。
運転制御装置1Bは、運転方法選択プログラム11を実行して、負荷パターンの偏差を求めて閾値と比較し、負荷パターンを用いて水素製造装置101の運転制御を実施するか、蓄ガス器103の残圧に追従して水素製造装置101の運転制御を実施するか、さらには負荷予測の結果を補正して水素製造装置101の運転制御を実施するかを選択する。
すなわち、S51において、運営時間帯の各曜日充填量の偏差を算出する。水素スタンド100では、営業時間が同じでも、曜日や時刻などによって負荷に一定の傾向が見られると考えられるものの、設置場所によってはバラツキが大きいこともある。そこで、同じ曜日の営業時間に係る負荷データを読み出して偏差を算出し、水素の負荷特性を曜日間で把握する。そして、S52において、各時刻の充填量偏差を算出する。水素の負荷は、営業時間内でも変動するので、負荷がどの時刻にどのような変動をするかを把握する。
そして、S53において、S51で求めた各曜日偏差が閾値D1より小さいか否かを判断する。各曜日偏差が閾値D1より小さくないと判断した場合には(S53:NO)、日によって営業時間内のトータル的な負荷が大きく異なるため、過去の負荷データから水素の負荷を予測しても、予測外れする可能性が高い。そこで、S54において、蓄ガス器103の残圧に追随した運転制御を選択する。つまり、第1実施の形態で説明した学習機能を用いずに、蓄ガス器103の残圧に追随して水素製造装置101の出力を決定し、運転制御を行う。
一方、各曜日偏差が閾値D1より小さいと判断した場合には(S53:YES)、日によって営業時間内のトータル的な負荷が大きく異ならないので、過去のデータから水素の負荷を予測しても、予測外れする可能性が低いので、学習機能に基づく運転制御を実施することとし、S55において、S52において求めた各時刻の偏差がX1より大きいか否かを判断する。各時刻の偏差がX1より大きくないと判断した場合には(S55:NO)、充填負荷が時刻によっても安定して変動すると考えられるので、S56において、同曜日の同時刻の平均値H1を使用することを決定する。
一方、各時刻の偏差がX1より大きいと判断した場合には(S55:YES)、各時刻における充填負荷が不安定であり、平均値H1では予測外れする可能性があると考えられる。そこで、S57以降の処理において、充填負荷を平均値H1より大きく予測して充填不足量の発生を未然に防止する。もっとも、水素を作りすぎると、都市ガスや電力を無駄に消費するため、S57において、各時刻の偏差がX2より大きいか否かを判断する。なお、X2はX1より大きい値とする。
各時刻の偏差がX2より大きいと判断した場合には(S57:YES)、S59において、過去のデータのうち平均以上のデータをもとに再度平均化した値を負荷H2とする。すなわち、平均値H1より大きい負荷データ群について平均化処理し、負荷データH2として使用することを決定する。これにより、充填負荷を平均値H1より多めに予測し、充填負荷不足を抑制する。
これに対し、各時刻の偏差がX2より大きくないと判断した場合、すなわち、各時間の偏差がX1より大きく、X2以下であると判断した場合には(S57:NO)、S58において、負荷データH1と負荷データH2とを加算して2で割ることにより平均化した負荷H3を使用することを決定する。これにより、充填負荷不足を抑制すると同時に、水素の過剰製造を防止する。
このようにして運転方法を選択したら、選択した運転方法により水素製造装置101の運転を制御する。そして、学習機能に基づいて運転を制御する場合には、S56,S58,S59において設定した負荷H1,H2,H3を用いて先の所定時間帯の負荷予測を行い、水素製造装置101の運転パターンを決定する。
従って、本実施の形態の水素製造装置の運転制御装置1Bによれば、一定条件下で読み出した負荷パターンの偏差を求めて閾値と比較し、偏差が閾値より小さい場合には、負荷パターンを用いて水素製造装置の運転制御を実施する一方、偏差が閾値より小さくない場合には、蓄ガス器の残圧に追随して、若しくは、負荷予測の結果を補正して水素製造装置の運転制御を実施する運転方法選択プログラム11を有しているので、予測外れして燃料電池自動車105に水素を供給できなくなる事態を未然に防止することができる。
(第3実施の形態)
次に、本発明の水素製造装置の運転制御装置の第3実施の形態について図面を参照して説明する。
本実施の形態の水素製造装置の運転制御装置1Cは、オンサイト方式とオフサイト方式とを兼ね備えるハイブリット方式の水素スタンド200に設置される水素製造装置101を運転制御する点で第1実施の形態と相違している。よって、ここでは、第1実施の形態と異なる点について説明し、共通する点は適宜説明を省略する。
図9に示すように、水素スタンド200は、水素製造装置101が圧縮機102を介して蓄ガス器103に接続し、蓄ガス器103の水素がディスペンサ104を介して燃料電池自動車105に供給されるようになっている。蓄ガス器103には、圧縮機202を介して水素トレーラ(「輸送装置」に相当するもの。)201が連結するようになっている。水素トレーラ201は、プラントなどで製造された副生水素を輸送するものである。従って、水素スタンド200では、水素製造装置101が製造した水素と水素トレーラ201が輸送する水素とが蓄ガス器103に供給される。
図10は、水素製造装置の運転制御装置1Cのブロック図である。
運転制御装置1Cは、第1実施の形態の運転制御装置1Cと基本的に同様の構成であるが、運転パターン決定プログラム10Aに変えて、運転パターン決定プログラム10BがROM6に格納されている。また、運転制御装置1Cには、入力回路2に水素トレーラ201と圧縮機202が接続している。
図11は、運転パターン決定処理を示すフロー図である。
運転制御装置1Cは、運転パターン決定プログラム10Bを実行し、水素製造装置101が製造する水素の他、水素トレーラ201から蓄ガス器103に供給する水素を考慮して、水素製造装置101の運転制御を行う。
すなわち、S61において、現段階の蓄ガス器103の残圧を計測する。そして、S62において、先N時間分の水素製造出力ケースを仮設定する。そして、S63において、各出力と都市ガス原単位、電力原単位から都市ガス供給量、電力量を算出する。そして、S64において、出力変動がある場合、変動ロス分を加算する。S61〜S64の処理は、図5のS31〜S34と同様であるので、詳細な説明を省略する。
そして、S65において、S63,S64で算出した各時刻の都市ガス供給量、電力量をもとに水素製造装置101を運転するのに必要なコストを所定時間間隔ごとに算出し、N時間分を加算する。ここで、水素トレーラ201が輸送する水素は、ソーダ電解工場等で発生する副生水素であり、純粋に水素生産に要した1次エネルギー量を算出することが困難である。そのため、本実施の形態では、コストをベースに比較している。ただし、比較対象は、コストに限られず、他の基準を用いてもよい。
そして、S66において、同ケースの充填負荷不足量を負荷予測をもとに算出し、この不足分に対して水素トレーラ201からの水素量を決定する。水素製造装置101の出力と蓄ガス器103の残圧とから燃料電池自動車105に充填可能な水素充填可能量を算出し、水素充填可能量から負荷予測を減算して充填負荷不足量を算出する。そして、蓄ガス器103の容量の範囲内で、充填負荷不足量を補うように水素トレーラ201から供給する水素供給量を決定する。
そして、S67において、水素トレーラ201分の電力消費量、水素のコストを算出する。つまり、水素トレーラ201が蓄ガス器103に水素を供給する際に圧縮機202を駆動させるために必要な電力消費量と、購入する水素のコストを水素供給量や電力原単位などをもとに算出する。
そして、S68において、同ケースのコスト、充填負荷不足量を負荷予測をもとに算出する。水素トレーラ201から水素を充填しても、圧縮機202の処理速度との関係で充填負荷不足が生じることがある。そのため、水素供給量を決定した後、再度、蓄ガス器103の残圧、水素製造装置101の水素製造量、水素トレーラ201の水素供給量、負荷予測に基づいて充填負荷不足量を算出する。
そして、S69において、S65,S68で算出したコストとS68で算出した充填負荷不足量を既定の換算ポイントに置き換えて加算し、評価する。なお、換算ポイントは、コストが高いほど小さく、また、充填不足量が大きいほど小さいものとする。
そして、S70において、現ケースの換算ポイントが前ケースの換算ポイントより大きいか否かを判断する。現ケースの換算ポイントが前ケースの換算ポイントより大きいと判断した場合には(S70:YES)、S71において、現ケースを前ケースと置き換えた後、S73に進む。一方、現ケースの換算ポイントが前ケースの換算ポイント以下と判断した場合には(S70:NO)、S72において、前ケースを据え置いた後、S73に進む。そして、S73において、先N時間分の全ケースの算出が完了したか否かを判断する。先N時間分の全ケースの算出が完了していないと判断した場合には(S73:NO)、S62以降の処理を再度繰り返す。一方、先N時間分の全ケースの算出が完了したと判断した場合には(S73:YES)、S74において、最良ケースを決定する。なお、S71〜S75の処理は、図5のS38〜S42と同様であるので、詳細な説明を省略する。
このようなハイブリット方式の水素スタンド200では、例えば、負荷変動が大きい場合に、水素製造装置101だけで水素を製造すると、出力変動が頻繁になり、非効率であるが、水素トレーラ201から水素を充填して負荷を補うようにすれば、蓄ガス器103をバッファ機能として利用し、水素製造装置101の出力変動を減少させて都市ガスや電力の消費量を減らすことが可能である。また、アイドリング時間を短縮することも可能である。
従って、本実施の形態の水素製造装置の運転制御装置1Cによれば、蓄ガス器103は、水素製造装置101で製造される水素と水素トレーラ201で輸送される水素を供給されるものであり、運転パターン決定プログラム10Bは、蓄ガス器103の残圧と水素製造装置101が製造する水素の水素製造量と負荷予測とから充填負荷不足量を算出し、充填負荷不足量に基づいて水素トレーラ201から蓄ガス器103に供給する水素の水素供給量を決定するので、水素製造装置1001の効率や経済性を向上させることができるとともに、高い稼働率を得ることができる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されることなく、色々な応用が可能である。
(1)例えば、上記実施の形態では、運転制御装置1A,1B,1Cを水素製造装置101に内蔵したが、外付けにしてもよい。
(2)例えば、上記実施の形態では、一次エネルギー量やコストが大きいほど換算ポイントが小さく、充填負荷不足量が多いほど換算ポイントが小さいものとしたが、これの逆にして各出力ケースを評価するようにしてもよい。
(3)例えば、上記実施の形態では、蓄ガス器103の水素を燃料電池自動車に充填する場合について説明したが、近隣の定置用燃料電池などの発電機をパイプラインを介して蓄ガス器103に接続し、水素製造装置101が製造した水素を供給するようにしてもよい。
(4)例えば、上記第2実施の形態では、バラツキの境界値D1、H1、H2を過去のデータ実績に基づいて設定したが、顧客が経験的に設定してもよい。
本発明の第1実施の形態に係り、水素製造装置の運転制御装置のブロック図である。 同じく、初期登録処理を示すフロー図である。 同じく、負荷データ蓄積処理を示すフロー図である。 同じく、負荷予測処理を示すフロー図である。 同じく、運転パターン決定処理を示すフロー図である。 同じく、運転制御の概念図であって、(a)は仮設定時を示し、(b)は最良ケース決定時を示す。 本発明の第2実施の形態に係り、水素製造装置の運転制御装置のブロック図である。 同じく、運転方法選択処理を示すフロー図である。 本発明の第3実施の形態に係り、水素スタンドの概略構成図を示す図である。 同じく、水素製造装置の運転制御装置のブロック図である。 同じく、運転パターン決定処理を示すフロー図である。 オンサイト方式の水素スタンドの概略構成図である。 水素製造装置の概略構成図である。 天然ガススタンドの充填負荷を曜日別に示したグラフの一例である。 天然ガススタンドの充填負荷を時刻別に示したグラフの一例である。
符号の説明
1A,1B,1C 水素製造装置の運転制御装置
8 負荷データ蓄積プログラム
9 負荷予測プログラム
10A,10B 運転パターン決定プログラム
11 運転方法選択プログラム
101 水素製造装置
103 蓄ガス器
105 燃料電池自動車
201 水素トレーラ

Claims (7)

  1. 水素消費機器に供給する水素を蓄える蓄ガス器に接続する水素製造装置の運転を制御する水素製造装置の運転制御装置において、
    前記蓄ガス器から供給される水素の負荷データを記憶する負荷データ記憶手段と、
    前記負荷データを所定条件下で読み出し、先の所定時間帯の負荷予測を立案する負荷予測手段と、
    前記蓄ガス器の残圧を検出し、前記蓄ガス器の残圧と前記水素製造装置が製造する水素の水素製造量とにより前記負荷予測を賄うように前記水素製造装置の出力を決定して運転パターンを作成する運転パターン決定手段とを有することを特徴とする水素製造装置の運転制御装置。
  2. 請求項1に記載する水素製造装置の運転制御装置において、
    前記運転パターン決定手段は、
    前記所定時間帯における前記水素製造装置の出力を所定時間間隔で変動させた出力ケースを複数仮設定し、水素製造装置が水素を製造する際に消費する一次エネルギー量と、前記所定時間帯に負荷予測を賄うことができない充填負荷不足量とを評価する評価値を求め、最良の評価値を有する出力ケースを運転パターンに決定することを特徴とする水素製造装置の運転制御装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載する水素製造装置の運転制御装置において、
    前記運転パターン決定手段は、前記水素製造装置の出力が変動する際の損失を含めて前記評価値を求めることを特徴とする水素製造装置の運転制御装置。
  4. 請求項1乃至請求項3の何れか1つに記載する水素製造装置の運転制御装置において、
    前記負荷予測手段は、前記負荷予測を外部影響因子を用いて補正することを特徴とする水素製造装置の運転制御装置。
  5. 請求項1乃至請求項4の何れか1つに記載する水素製造装置の運転制御装置において、
    前記一定条件下で読み出した負荷パターンの偏差を求めて閾値と比較し、前記偏差が前記閾値より小さい場合には、前記負荷パターンを用いて前記水素製造装置の運転制御を実施する一方、前記偏差が前記閾値より小さくない場合には、前記蓄ガス器の残圧に追随して、若しくは、前記負荷予測の結果を補正して前記水素製造装置の運転制御を実施する運転方法選択手段を有することを特徴とする水素製造装置の運転制御装置。
  6. 請求項1乃至請求項5の何れか1つに記載する水素製造装置の運転制御装置において、
    前記運転パターンに従って前記水素製造装置を運転しているときに、前記蓄ガス器の残圧を検出し、前記蓄ガス器の残圧予測と実際とのズレが一定範囲以上になったときに前記運転パターンの出力を変動させることを特徴とする水素製造装置の運転制御装置。
  7. 請求項1乃至請求項6の何れか1つに記載する水素製造装置の運転制御装置において、
    前記蓄ガス器は、前記水素製造装置が製造する水素と輸送装置で輸送される水素を供給されるものであり、
    前記運転パターン決定手段は、
    前記蓄ガス器の残圧と前記水素製造装置が製造する水素の水素製造量と前記負荷予測とから充填負荷不足量を算出し、前記充填負荷不足量に基づいて前記輸送装置から前記蓄ガス器に供給する水素の水素供給量を決定することを特徴とする水素製造装置の運転制御装置。
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