JP2015013271A - 反応性高分子乳化剤およびこれを含有する水性樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】優れた乳化安定性を有しており、さらに耐水性に優れた塗膜を形成することができる水性樹脂組成物の提供。【解決手段】水性樹脂組成物は、エポキシ樹脂と反応性高分子乳化剤とを含有する。反応性高分子乳化剤は、グリシジル(メタ)アクリレート(A)および下記一般式(1)で示される単量体(B)を含有する単量体混合物を共重合して得られ、単量体混合物におけるグリシジル(メタ)アクリレート(A)の含有量が5〜60モル%、単量体(B)の含有量が40〜95モル%、グリシジル(メタ)アクリレート(A)と単量体(B)の総含有量が85モル%以上であり、重量平均分子量が3, 000〜30, 000である共重合体からなる。【化1】(式中、n=2〜90、XおよびYは、それぞれ独立してHまたはCH3を示す。)【選択図】なし

Description

本発明は、反応性高分子乳化剤およびこれを含有する水性樹脂組成物に関する。
近年、塗料分野では環境や安全性の問題から塗料の水性化の要求が高まっている。この要求に応えるべく、樹脂が水中で安定な分散状態を維持できることを目的に多量の界面活性剤を乳化剤として用い、水性エマルジョンの調製が行なわれている。しかし、塗膜形成後の塗膜中に残存した界面活性剤の影響により塗膜の耐水性が低下し、吸水によるふくれや白化、硬度の低下等の悪影響を及ぼすことが問題となっている。
この問題を解決するために、特許文献1には、エポキシ基を有する単量体とポリアルキレングリコールエーテル構造を有する単量体を重合することにより得られた重合体にカルボキシル基を有する単量体を反応させて、ビニル基を有する反応性高分子を得ることが開示され、さらに、この反応性高分子を自己乳化した水性樹脂組成物をUV照射により架橋させることで、硬度に優れた硬化膜を形成できることが開示されている。
しかし、この方法では、水性樹脂組成物の乳化安定性が十分ではない。また、エポキシ樹脂を用いた水性樹脂組成物は屋内だけでなく屋外で使用することも多くあるので、UV照射により架橋を行なうこの水性樹脂組成物は、厳しい環境下での保存が困難であり、屋外用や建材用の塗料としては不向きである。
また、特許文献2には、ポリ(N−アシルエチレンイミン)重合体をエポキシ樹脂の高分子乳化剤として含有する水性樹脂組成物が、乳化安定性に優れ、塗膜の耐水性や強度等の膜物性に優れることが開示されている。
しかし、エポキシ樹脂と高分子乳化剤は反応しておらず塗膜中に乳化剤が残存したままであるので、この水性樹脂組成物からなる塗膜は耐水性がまだ十分ではない。
特開2009−149875号公報 特開平10−46008号公報
本発明は、以上のような事情に基づいてなされたものであり、その目的は優れた乳化安定性を有しており、さらに耐水性に優れた塗膜を形成することができ、屋外用や建材用の塗料に適した水性樹脂組成物を提供することであり、またその水性樹脂組成物に適した反応性高分子乳化剤を提供することである。
本発明者らは、グリシジル(メタ)アクリレートと特定の単量体とを特定の割合で含有する単量体混合物を共重合して得られ、かつ重量平均分子量が所定範囲である共重合体を反応性高分子乳化剤として水性樹脂組成物に含有させることにより、上記目的を達成できることを見出した。
すなわち、本発明の反応性高分子乳化剤は、グリシジル(メタ)アクリレート(A)および下記一般式(1)で示される単量体(B)を含有する単量体混合物を共重合して得られ、単量体混合物におけるグリシジル(メタ)アクリレート(A)の含有量が5〜60モル%、単量体(B)の含有量が40〜95モル%、グリシジル(メタ)アクリレート(A)と単量体(B)の総含有量が85モル%以上であり、重量平均分子量が3, 000〜30, 000である共重合体からなる反応性高分子乳化剤である。
Figure 2015013271
(式中、n=2〜90、XおよびYは、それぞれ独立してHまたはCHを示す。)
また、本発明の水性樹脂組成物は、エポキシ樹脂と本発明の反応性高分子乳化剤とを含有する水性樹脂組成物である。
本発明の反応性高分子乳化剤を水性樹脂組成物に含有させることによって、乳化安定性と塗膜の耐水性に優れた本発明の水性樹脂組成物が得られる。本発明の水性樹脂組成物は、エポキシ樹脂と水を含有する水性エポキシ樹脂組成物であり、硬化剤をさらに含有させることにより、硬化膜を形成することができる。したがって、本発明の水性樹脂組成物は、厳しい環境下での保存が可能であり、屋外用や建材用の塗料として適している。
以下、本発明の反応性高分子乳化剤およびこれを含有する水性樹脂組成物について説明する。なお、本明細書において(メタ)アクリレートはアクリレートまたはメタクリレートを、(メタ)アクリルはアクリルまたはメタクリルを、(メタ)アクリロはアクリロまたはメタクリロを、それぞれ表す。また、本明細書において記号「〜」を用いて規定された数値範囲は「〜」の両端(上限および下限)の数値を含むものとする。例えば「2〜5」は2以上5以下を表す。
〔反応性高分子乳化剤〕
本発明の反応性高分子乳化剤は、グリシジル(メタ)アクリレート(A)および上記一般式(1)で示される単量体(B)を含有する単量体混合物を共重合して得られる共重合体からなる。
グリシジル(メタ)アクリレート(A)は、グリシジルアクリレートまたはグリシジルメタクリレートである。工業的に入手しやすいことからグリシジルメタクリレートを用いることが好ましい。なお、グリシジルアクリレートとグリシジルメタクリレートを併用してもよい。
単量体(B)は上記一般式(1)で示される。式中、XはHまたはCH3、YはHまたはCH3であり、XとYは同じであっても異なっていてもよい。
nは2〜90であり、好ましくは3〜70、さらに好ましくは4〜60である。nが2未満であると、得られる共重合体の親水性が低くなり乳化性が低下するおそれがある。また、nが90を越えると水性樹脂組成物から形成される塗膜の耐水性が低下するおそれがある。単量体(B)は1種類を単独で用いても良く、2種類以上を併用しても良い。
単量体混合物におけるグリシジル(メタ)アクリレート(A)の含有量は5〜60モル%であり、好ましくは10〜50モル%であり、さらに好ましくは20〜40モル%である。
また、単量体混合物における単量体(B)の含有量は40〜95モル%であり、好ましくは50〜90モル%であり、さらに好ましくは60〜80モル%である。
したがって、単量体混合物におけるグリシジル(メタ)アクリレート(A)と単量体(B)との含有比率は、5/95〜60/40であり、好ましくは10/90〜50/50、さらに好ましくは20/80〜40/60である。
単量体混合物におけるグリシジル(メタ)アクリレート(A)および単量体(B)の含有量が上記の範囲から外れると、得られる共重合体の乳化性が低下するおそれがある。
本発明における単量体混合物は、グリシジル(メタ)アクリレート(A)および単量体(B)とともに、その他の単量体を含有していても良い。その他の単量体は、上記(A)および(B)の単量体以外の単量体であり、例えば、スチレン、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリルアミド、N,N‘−ジエチルアクリルアミド、N,N‘−ジメチルアクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロニトリル、メトキシポリプロピレングリコール(重合度2〜30)モノ(メタ)アクリレートなどを挙げることができる。その他の単量体は、1種類を単独で用いても良く、2種類以上を併用しても良い。
単量体混合物におけるその他の単量体の含有量は15モル%以下(0〜15モル%)であり、好ましくは10モル%以下(0〜10モル%)であり、さらに好ましくは5モル%以下(0〜5モル%)である。すなわち、アクリレート(A)と単量体(B)の総含有量は単量体混合物において85モル%以上(85〜100モル%)であり、好ましくは90モル%以上(90〜100モル%)であり、さらに好ましくは95モル%以上(95〜100モル%)である。
グリシジル(メタ)アクリレート(A)および単量体(B)を少なくとも含有する単量体混合物を共重合して得られる共重合体は、重量平均分子量が3, 000〜30, 000であり、好ましくは5,000〜25,000であり、さらに好ましくは7,000〜15,000である。重量平均分子量が3,000未満であれば、水性樹脂組成物から形成される塗膜の耐水性が低下するおそれがあり、30,000を越えると乳化性が低下するおそれがある。
なお、共重合体の重量平均分子量は、例えば、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて測定することができる。
次に、単量体混合物を共重合して共重合体を製造する方法について説明する。
本発明における共重合体は、グリシジル(メタ)アクリレート(A)および単量体(B)を少なくとも含有する単量体混合物をラジカル重合させることにより得られる。重合は公知の方法で行うことができる。例えば、溶液重合、懸濁重合、乳化重合が挙げられるが、重量平均分子量を上記範囲に調整し易いという面で、溶液重合が好ましい。
重合開始剤は、公知のものを使用することができる。例えば、ジ(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエートなどの有機過酸化物、2,2’−アゾビスイソブチロニトリルなどのアゾ系重合開始剤などを挙げることができる。これらの重合開始剤は1種類のみを用いても2種以上を併用してもよい。
重合開始剤の使用量は、用いる単量体の組み合わせや、反応条件などに応じて適宜設定することができる。
なお、重合開始剤を投入するに際しては、例えば、全量一括仕込みしてもよいし、一部を一括仕込みして残りを滴下してもよく、全量を滴下してもよい。また、前記単量体とともに重合開始剤を滴下すると、反応の制御が容易となるので好ましく、さらに単量体滴下後も重合開始剤を添加すると、残存単量体を低減できるので好ましい。
溶液重合の際に使用する重合溶媒としては、単量体と重合開始剤が溶解するものを使用することができ、具体的には、メタノール、エタノール、1−プロパノール、アセトン、メチルエチルケトン、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどを挙げることができる。
重合溶媒に対する単量体混合物の濃度は、10〜60質量%が好ましく、より好ましくは20〜50質量%である。10質量%未満であると単量体が残存しやすく、得られる共重合体の分子量が低下するおそれがあり、60質量%を超えると発熱を制御し難くなるおそれがある。
単量体を投入するに際しては、例えば、全量一括仕込みしても良いし、一部を一括仕込みして残りを滴下しても良いし、全量を滴下しても良い。発熱の制御しやすさから、一部を一括仕込みして残りを滴下するか、または全量を滴下するのが好ましい。
重合温度は、重合溶媒に依存し、例えば、50℃〜110℃である。
重合時間は、重合開始剤の種類と重合温度に依存し、例えば、重合開始剤としてジ(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネートを使用した場合、重合温度を70℃として重合すると、重合時間は6時間が適している。
以上の重合反応を行なうことにより、本発明の反応性高分子乳化剤に係る共重合体が得られる。得られた反応性高分子乳化剤は、そのまま水性樹脂組成物の調製に用いてもよいし、重合反応後の反応液から、ろ取や精製を施して単離してもよい。
〔水性樹脂組成物〕
本発明の水性樹脂組成物は、エポキシ樹脂と本発明の反応性高分子乳化剤とを含有し、さらに水を含有する水性樹脂組成物であり、場合により、顔料、硬化剤、添加剤などのさらなる構成成分を含んでいてもよい。
エポキシ樹脂としては、公知のエポキシ樹脂を使用することができる。具体的には、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、臭素化ビスフェノールA型、水添ビスフェノールA型、ビスフェノールS型、ビスフェノールAF型、ビフェニル型などのビスフェニル基を有するエポキシ化合物,ポリアルキレングリコール型、アルキレングリコール型のエポキシ化合物,ナフタレン環を有するエポキシ化合物,フルオレン基を有するエポキシ化合物などの二官能型のグリシジルエーテル系エポキシ樹脂;フェノールノボラック型、オルソクレゾールノボラック型、トリスヒドロキシフェニルメタン型、テトラフェニロールエタン型などの多官能型のグリシジルエーテル系エポキシ樹脂;ダイマー酸などの合成脂肪酸のグリシジルエステル系エポキシ樹脂が挙げられ、これらエポキシ樹脂から選ばれる1種類を単独で、または2種類以上を混合して使用することができる。
本発明における水性樹脂組成物は、反応性高分子乳化剤と水を用いてエポキシ樹脂を乳化させることにより得られる。
エポキシ樹脂に対する反応性高分子乳化剤の含有量は、乳化安定性と塗膜の耐水性の面で、1〜30質量%が好ましく、より好ましくは3〜20質量%であり、さらに好ましくは5〜10重量%である。また、水性樹脂組成物における固形分濃度は、乳化安定性の面で、30〜90質量%が好ましく、より好ましくは40〜85質量%であり、さらに好ましくは50〜80質量%である。
顔料としては、例えば、酸化チタン、黄色酸化鉄、赤色酸化鉄、カーボンブラック、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、アゾレッド、キナクリドンレッド、ベンズイミダゾロンイエローなどの着色顔料、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、カオリン、クレー、タルクなどの体質顔料が挙げられる。
硬化剤としては、エポキシ樹脂の種類に応じて公知のエポキシ樹脂用硬化剤を使用することができる。具体的には、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、フェニレンジアミン、ペンタエチレンヘキサミン、テトラエチレンペンタミン、トリエチレンテトラミン、ジエチレントリアミン、メタキシレンジアミン、イソホロンジアミン、ノルボルネンジアミンなどのアミン類、ポリカルボン酸類、ポリカルボン酸無水物類、フェニルイミダゾールなどのイミダゾール類、ポリメルカプタン類、ポリアミド樹脂、ジシアンジアミド類、アジピン酸ジヒドラジドなどのジヒドラジド類などが挙げられる。
添加剤としては、例えば、分散剤、消泡剤、防錆剤、造膜助剤、粘度調整剤、硬化触媒、表面調整剤、可塑剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤などが挙げられる。
乳化法として、公知の方法を用いることができる。例えば、高圧乳化法、転相乳化法、D相乳化法などが挙げられる。
本発明の水性樹脂組成物は、例えば、建材に関わる広範な用途に使用することができ、具体的には、コンクリート、セメントモルタル、各種金属、皮革、ガラス等の材料に対する塗料またはこれら材料用の接着剤、シーリング材、セメント混和材、床材、防錆塗料、内装塗料、外装塗料などに使用することができる。本発明の水性樹脂組成物は、塗膜の耐水性に優れていることから、特に屋外用の塗料または接着剤として用いることが好ましい。
以下、実施例および比較例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。
実施例および比較例にて使用した単量体の略号と乳化剤を下記に示す。
GMA:グリシジルメタクリレート
MEM4:一般式(1)においてX=CH、Y=CH、n=4の単量体
AN:アクリロニトリル
乳化剤A:ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコール−ポリエチレングリコールブロックコポリマー
乳化剤B:ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(エチレングリコールの重合度:10)
(実施例1)
撹拌機、温度計、冷却器、滴下ロートおよび窒素導入管を取り付けた1Lセパラブルフラスコに1−プロパノール300gを仕込み、窒素雰囲気下にした。GMA(製品名:ブレンマーGMA(日油(株)製))46gとMEM4(製品名:ブレンマーPME−200(日油(株)製))354gを混合した単量体溶液、および1−プロパノール100gとジ(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート(製品名:パーロイルTCP(日油(株)製))26gを混合した重合開始剤溶液をそれぞれ調製した。
反応容器内を70℃まで昇温し、単量体溶液および重合開始剤溶液を同時にそれぞれ3時間かけて滴下した。その後、70℃で3時間反応させて、反応性高分子乳化剤としての共重合体を得た。
得られた反応性高分子乳化剤36.4部と、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(製品名:JER828(三菱化学(株)製))を363.6部混合し、イオン交換水100部を用いて転相乳化を行い、水性樹脂組成物を得た。
得られた反応性高分子乳化剤の重量平均分子量と水性樹脂組成物の乳化安定性、耐水性の評価を下記の条件で行った。
〔重量平均分子量の測定〕
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて以下の条件により反応性高分子乳化剤の重量平均分子量を求めた。
装置:東ソー(株)社製、HLC−8220
カラム:shodex社製、LF−804
標準物質:ポリエチレングリコール
溶離液:THF(テトラヒドロフラン)
流量:1.0ml/min
カラム温度:40℃
検出器:RI(示差屈折率検出器)
〔乳化安定性の評価〕
50mLスクリュー管に水性樹脂組成物を30g入れ、40℃の恒温槽で保存した。それを目視で確認し、以下の基準にて評価した。
◎:均一な乳化状態を1ヶ月間以上維持するもの
○:均一な乳化状態を1週間以上、1ヶ月未満維持するもの
△:均一な乳化状態を3日以上、1週間未満維持するもの
×:3日までに分離または沈殿するもの
〔耐水性の評価〕
水性樹脂組成物を50質量部と、硬化剤としてジエチレントリアミンを3.6質量部とを配合し、バーコーターにて乾燥膜厚が60μmになるように10cm×10cmの鋼板に塗布し、100℃で3時間乾燥させて試験片を作製した。
得られた試験片を常温でイオン交換水に1時間浸漬し、浸漬前後の質量増加率を測定して、以下の基準にて評価した。
◎:0〜0.5質量%未満
○:0.5質量%以上、1質量%未満
△:1質量%以上、1.5質量%未満
×:1.5質量%以上
また、イオン交換水に浸漬後の塗膜を目視して、外観を以下の基準にて評価した。
○:塗膜に変化はない。
△:白化面積が塗膜の全面積に対して5%未満ある。
×:白化面積が塗膜の全面積に対して5%以上ある。
(実施例2、3)
実施例1における重合開始剤の量を変更した以外は実施例1と同様の操作を行なって、反応性高分子乳化剤としての共重合体を得た。
得られた反応性高分子乳化剤の重量平均分子量と水性樹脂組成物の乳化安定性、耐水性を実施例1と同様に評価した。
(実施例4)
実施例1における単量体の比率と重合開始剤の量を変更した以外は実施例1と同様の操作を行なって、反応性高分子乳化剤としての共重合体を得た。
得られた反応性高分子乳化剤の重量平均分子量と水性樹脂組成物の乳化安定性、耐水性を実施例1と同様に評価した。
(実施例5)
実施例1における単量体の種類および比率、重合開始剤の量を変更した以外は実施例1と同様の操作を行なって、反応性高分子乳化剤としての共重合体を得た。
得られた反応性高分子乳化剤の重量平均分子量と水性樹脂組成物の乳化安定性、耐水性を実施例1と同様に評価した。
(実施例6、7)
実施例2における反応性高分子乳化剤の添加量を変更した以外は実施例と同様の操作を行なって、水性樹脂組成物を得た。
得られた水性樹脂組成物の乳化安定性、耐水性を実施例1と同様に評価した。
(比較例1、2)
実施例1における反応性高分子乳化剤を変更した以外は実施例1と同様の操作を行なって、水性樹脂組成物を得た。
使用した乳化剤の重量平均分子量と水性樹脂組成物の乳化安定性、耐水性を実施例1と同様に評価した。
(比較例3〜5)
実施例1における単量体の比率と重合開始剤の量を変更した以外は実施例1と同様の操作を行なって、反応性高分子乳化剤としての共重合体を得た。
得られた反応性高分子乳化剤の重量平均分子量と水性樹脂組成物の乳化安定性、耐水性を実施例1と同様に評価した。
実施例1〜7の結果を表1に、比較例1および2の結果を表2に、比較例3〜5の結果を表3に、それぞれまとめた。
Figure 2015013271
Figure 2015013271
Figure 2015013271
本発明の反応性高分子乳化剤を用いた水性樹脂組成物に係る実施例1〜7では、いずれも乳化安定性と塗膜の耐水性に優れていた。
一方、従来の乳化剤を用いた比較例1および2では、水性樹脂組成物による塗膜を浸漬した後に、吸水によるふくれや白化が認められた。
また、グリシジル(メタ)アクリレート(A)および一般式(1)で示される単量体(B)の各含有量が本発明の規定範囲を超えて調製された反応性高分子乳化剤を用いた比較例3および4では、いずれも乳化安定性と塗膜の耐水性が劣っていた。なお、比較例4においては、水性樹脂組成物による塗膜が形成できなかったため、塗膜の耐水性を評価することはできなかった。
さらに、重量平均分子量が本発明の規定範囲を超えている反応性高分子乳化剤を用いた比較例5では、塗膜の耐水性は良好なものの、乳化安定性が十分ではなかった。

Claims (2)

  1. グリシジル(メタ)アクリレート(A)および下記一般式(1)で示される単量体(B)を含有する単量体混合物を共重合して得られ、単量体混合物におけるグリシジル(メタ)アクリレート(A)の含有量が5〜60モル%、単量体(B)の含有量が40〜95モル%、グリシジル(メタ)アクリレート(A)と単量体(B)の総含有量が85モル%以上であり、重量平均分子量が3, 000〜30, 000である共重合体からなる反応性高分子乳化剤。
    Figure 2015013271
    (式中、n=2〜90、XおよびYは、それぞれ独立してHまたはCHを示す。)
  2. エポキシ樹脂と請求項1に記載の反応性高分子乳化剤とを含有する水性樹脂組成物。
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