JP2015010935A - 欠陥検出装置及び欠陥検出方法 - Google Patents

欠陥検出装置及び欠陥検出方法 Download PDF

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【課題】垂直探傷法及び斜角探傷法の少なくとも一方で確実に欠陥を検出することができる欠陥検出装置及び欠陥検出方法を提供すること。【解決手段】欠陥検出装置1aに、鋼片Wの表面上に配置され、該表面に対して垂直となる方向に沿って、鋼片Wの内部に超音波を送出する送出部と、少なくとも鋼片Wの表層を含む内部に存在する欠陥で反射して戻った超音波を受波する受波部とを有する第1の探触子2を設ける。その上で、欠陥検出装置1aに、鋼片Wの表面上に配置され、該表面に対して第1の探触子2寄りに斜めとなる方向に沿って、鋼片Wの内部に超音波を送出する送出部と、少なくとも鋼片Wの表層を含む内部に存在する欠陥で反射して戻った超音波を受波する受波部とを有する第2の探触子3a及び第3の探触子4aと設ける。【選択図】図2

Description

本発明は、棒鋼や鋼片の表層や内部に存在する欠陥を検出する欠陥検出装置及び欠陥検出方法に関する。
金属材料である棒鋼や鋼片などの表面や表面皮下に存在する欠陥を非破壊で検出する方法として、超音波探傷法が広く用いられている。一般的に、超音波探傷法とは、垂直探傷法、斜角探傷法及び表面探傷法の3つの技術の総称である。
ここで、垂直探傷法とは、被検査体の表面に対して垂直に進行する超音波を用いて被検査体内を探傷する技術であり、斜角探傷法は、被検査体の表面に対して斜めに進行する超音波を用いて被検査体内又は被検査体表面を探傷する技術である。また、表面探傷法は、被検査体の表面を伝播する表面超音波を用いて被検査体表面を探傷する技術である。
具体的に、垂直探傷法は、超音波を鋼片の表面から垂直に内部に向かって入射させ、その超音波の反射波を受信することで探傷を行う垂直探触子を用いている。この垂直探触子を用いた垂直探傷法は、鋼片内部の中央近傍に存在する欠陥の検出が可能である。しかし、鋼片表面における垂直探触子との接触面の表皮下は、表面不感帯であるため探傷できないという問題がある。
このような背景をもとに、特許文献1は、角鋼片の表層欠陥探傷方法を開示している。 特許文献1の表層欠陥探傷方法は、角鋼片の表面下の所定深さ範囲の表層領域内にある内部欠陥を超音波探傷により検出する角鋼片の表層欠陥探傷方法であって、前記表層領域の相対する領域側の表面の外方に複数の超音波探触子を配置して角鋼片の内部欠陥を垂直法により検出し、前記表層領域の表面と直交する角鋼片の両側面の該領域の端部に隣接した位置の外方に探傷角度領域を限定して超音波探触子を配置して角鋼片の内部欠陥を斜角法により検出すると共に、これらの探触子によって検出される内部欠陥の有無に基づいて前記表層領域内における欠陥を評定することを特徴とするものである。
このように、特許文献1の表層欠陥探傷方法では、鋼片内部を垂直法による探傷(以下、垂直探傷法という)で探傷し、表層領域を斜角法による探傷法(以下、斜角探傷法という)で探傷する。つまり、鋼片内部の探傷領域を、垂直探傷法によって探傷する領域と、斜角探傷法によって探傷する領域とに分けるという工夫をしている。
特開平2−210257号公報
特許文献1に開示の表層欠陥探傷方法において、垂直探傷法で良好に検出できない欠陥は、斜角探傷法に用いる探触子(以下、斜角探触子)によって検出しなくてはならないが、斜角探傷法でも検出できなければ欠陥を見落としてしまうことになる。例えば、介在物のように球に近い形状の欠陥であれば、超音波がほぼ全方位にわたって反射することが期待できるので、垂直探傷法で検出できなくとも斜角探傷法による探傷で検知できる可能性がある。しかし、割れのような欠陥の場合には欠陥の進展に方向性があるので、超音波が斜角探触子とは別方向に反射され斜角探傷法では欠陥が検出できない場合がある。
従って、特許文献1に開示の表層欠陥探傷方法は、欠陥の方向性を考慮した技術とはいえず、垂直探傷法で検出できなかった欠陥を斜角探傷法でも検出できない可能性があるという問題を有している。
そこで本発明は、上記問題点に鑑み、垂直探傷法及び斜角探傷法の少なくとも一方で確実に欠陥を検出できる欠陥検出装置及び欠陥検出方法を提供することを目的とする。
上述の目的を達成するため、本発明においては以下の技術的手段を講じた。
本発明の欠陥検出装置は、被検査体の表層を含む内部に存在する欠陥を超音波を用いて検出する欠陥検出装置であって、前記被検査体の表面上に配置され、前記表面に対して垂直となる方向に沿って、前記被検査体の内部に超音波を送出する送出部と、少なくとも前記被検査体の表層を含む内部に存在する欠陥で反射して戻った超音波を受波する受波部とを有する第1の探触子と、前記被検査体の表面上に配置され、前記表面に対して前記第1の探触子寄りに斜めとなる方向に沿って、前記被検査体の内部に超音波を送出する送出部と、少なくとも前記被検査体の表層を含む内部に存在する欠陥で反射して戻った超音波を受波する受波部とを有する第2の探触子と、前記被検査体の表面上に配置され、前記表面に対して前記第1の探触子寄りに斜めとなる方向に沿って、前記被検査体の内部に超音波を送出する送出部と、少なくとも前記被検査体の表層を含む内部に存在する欠陥で反射して戻った超音波を受波する受波部とを有する第3の探触子と、を備えることを特徴とする。
ここで、前記被検査体の表面は複数の面で構成され、前記第1の探触子が、前記被検査体の1つの面である第1の側面上に配置され、前記第2の探触子が、前記第1の側面の一方側に隣接する面である第2の側面上に配置されて、前記第1の側面へ向かう超音波を送出し、前記第3の探触子が、前記第1の側面の他方側に隣接する面である第3の側面上に配置されて、前記第1の側面へ向かう超音波を送出してもよい。
また、前記第2の探触子が、前記第1の探触子の送出部が送出した超音波が伝播する伝播領域へ向かう超音波を送出し、前記第3の探触子が、前記第1の探触子が送出した超音波の伝播領域と前記第2の探触子が送出した超音波の伝播領域とが交差する領域へ向かう超音波を送出してもよい。
また、前記第1の探触子、第2の探触子及び第3の探触子が、前記被検査体の表面上で移動可能であり、前記被検査体の表面上を移動することで当該3つの探触子から送出された超音波が交差する領域の位置を変更してもよい。
本発明の欠陥検出方法は、被検査体の表層を含む内部に存在する欠陥を超音波を用いて検出する欠陥検出方法であって、前記被検査体の表面上から、前記表面に対して垂直となる方向に沿って、前記被検査体の内部に超音波を送出し、少なくとも前記被検査体の表層を含む内部に存在する欠陥で反射して戻った超音波を受波する第1の探触工程と、前記被検査体の表面上から、前記表面に対して前記第1の探触工程で送出された超音波寄りに斜めとなる方向に沿って、前記被検査体の内部に超音波を送出し、少なくとも前記被検査体の表層を含む内部に存在する欠陥で反射して戻った超音波を受波する第2の探触工程と、前記被検査体の表面上から、前記表面に対して前記第1の探触工程で送出された超音波寄りに斜めとなる方向に沿って、前記被検査体の内部に超音波を送出し、少なくとも前記被検査体の表層を含む内部に存在する欠陥で反射して戻った超音波を受波する第3の探触工程と、前記第1の探触工程、第2の探触工程及び第3の探触工程のうち少なくとも1つの探触工程で受波した超音波に基づいて前記被検査体の表層を含む内部に存在する欠陥を検出する欠陥検出工程と、を備えることを特徴とする。
ここで、前記第2の探触工程が、前記第1の探触子の送出部が送出した超音波が伝播する伝播領域に向かう超音波を送出し、前記第3の探触工程が、前記第1の探触工程で送出した超音波の伝播領域と前記第2の探触工程で送出した超音波の伝播領域とが交差する領域に向かう超音波を送出してもよい。
さらに、前記第2の探触工程が、受波した超音波に基づいて前記被検査体の表層を含む内部に存在する欠陥までの距離を取得し、前記第3の探触工程が、受波した超音波に基づいて前記被検査体内部に存在する欠陥までの距離を取得し、前記表面皮下欠陥検出工程が、前記第2の探触工程で得られた欠陥までの距離と、前記第3の探触工程で得られた欠陥までの距離とを用いて、前記被検査体の表層を含む内部に存在する欠陥の位置を検出してもよい。
また、第1の探触工程で受波した超音波の第1の受波強度を取得し、第2の探触工程で受波した超音波の第2の受波強度を取得し、第3の探触工程で受波した超音波の第3の受波強度を取得し、前記取得した第1の受波強度、第2の受波強度及び第3の受波強度を用いて、前記被検査体の表層を含む内部に存在する欠陥の進展方向を検出する欠陥状態検出工程を備えてもよい。
本発明の欠陥検出装置及び欠陥検出方法によれば、垂直探傷法及び斜角探傷法の少なくとも一方で確実に欠陥を検出することができる。
本発明の実施形態による欠陥検出装置の外観を示す図である。 本実施形態による欠陥検出装置の概略構成を示す図である。 欠陥の角度と超音波のエコーレベルの関係を説明する図である。 本実施形態による欠陥検出装置の欠陥検出動作を類型化して示す図である。 本実施形態による欠陥検出装置の斜角探触子による欠陥検出動作を説明する図である。 本実施形態による欠陥検出装置の変形例の概略構成を示す図である。
以下、図面を参照し、本発明の実施形態を説明する。
[第1実施形態]
以下に、図1〜図5を参照しつつ、本発明の第1実施形態による欠陥検出装置1aについて説明すると共に、欠陥検出装置1aを用いた欠陥検出方法について説明する。
図1は、本実施形態による欠陥検出装置1aの外観を示す図である。欠陥検出装置1aは、例えば角柱形状の棒鋼や鋼片など、外表面が複数の面で構成された被検査体の表層を含む内部に存在する欠陥を、超音波を用いて検出(探傷)する装置である。本実施形態では、被検査体として鋼片Wを例示する。
欠陥検出装置1aは、後述する第1の探触子2、第2の探触子3a及び第3の探触子4aを備える。第1の探触子2は、被検査体である鋼片Wの表面上に配置され、該表面に対して垂直となる方向に沿って鋼片Wの内部に超音波を送出する送出部(図示せず)と、少なくとも鋼片Wの表層を含む内部に存在する欠陥で反射して戻った超音波を受波する受波部(図示せず)とを有する。第2の探触子3aは、鋼片Wの表面上に配置され、該表面に対して第1の探触子2寄りに斜めとなる方向に沿って鋼片Wの内部に超音波を送出する送出部(図示せず)と、少なくとも鋼片Wの表層を含む内部に存在する欠陥で反射して戻った超音波を受波する受波部(図示せず)とを有する。第3の探触子4aは、鋼片Wの表面上に配置され、該表面に対して第1の探触子2寄りに斜めとなる方向に沿って鋼片Wの内部に超音波を送出する送出部(図示せず)と、少なくとも鋼片Wの表層を含む内部に存在する欠陥で反射して戻った超音波を受波する受波部(図示せず)とを有する。
第1の探触子2、第2の探触子3a及び第3の探触子4aの詳細な構成は後述するが、欠陥検出装置1は、第1の探触子2、第2の探触子3a及び第3の探触子4aを鋼片Wの表面上に配置して、鋼片Wの表層を含む内部に存在する欠陥を検出する。ここで、表層とは、鋼片Wの表面下(表面皮下)所定の深さ範囲の領域であり、特に深さ数mm〜数十mmの範囲の領域のことである。表層とこの表層よりも深い部分とを含んで鋼片Wの内部という。
次に、図1及び図2を参照しながら、鋼片Wの表層を含む内部に存在する欠陥を検出する欠陥検出装置1について詳しく説明する。
図2は、欠陥検出装置1の概略構成を示す図であり、鋼片Wの外表面上に第1の探触子2、第2の探触子3a及び第3の探触子4aを配置した状態を示す。鋼片Wの外表面は複数の面で構成されており、図2に示すように、例えば4つの面を側面として有する。
このような形状の鋼片Wに対して、第1の探触子2が、鋼片Wの4つの側面の内の1つの側面である第1の側面5上に配置される。第1の探触子2は、第1の側面5に対してほぼ垂直に超音波を送出し、送出された超音波は、第1の側面5から鋼片Wの内部に伝播する。ここで、第1の側面5とは、欠陥を探傷する対象となる表層の直上の面である。
次に、第2の探触子3aが、第1の側面5の一方側に隣接する面である第2の側面6上に配置される。第2の探触子3aは、第1の側面5へ向かう方向に、つまり第2の側面6に対して斜めに超音波を送出し、送出された超音波は、第2の側面6から第1の側面5に向かって鋼片Wの内部を伝播する。
さらに、第3の探触子4aが、第1の側面5を挟んで第2の側面6とは反対側の面であって、第1の側面5の他方側に隣接する面である第3の側面7上に配置される。第3の探触子4aは、第1の側面5へ向かう方向に、つまり第3の側面7に対して斜めに超音波を送出し、送出された超音波は、第3の側面7から第1の側面5に向かって鋼片Wの内部を伝播する。
このように欠陥検出装置1は、第1の探触子2を配置した第1の側面5を挟む両隣の側面(第2の側面6及び第3の側面7)に、斜角探触子としての第2の探触子3a及び第3の探触子4aを配置する。
ここで、図2は、第1の探触子2から送出された超音波が鋼片Wの内部で伝播する領域を、伝播領域8として破線で示している。また、図2は、第2の探触子3aから送出された超音波の伝播領域9を点線で示し、第3の探触子4aから送出された超音波の伝播領域10を一点鎖線で示している。第1の探触子2から送出された超音波は、第1の側面5から拡散しながら第1の側面5の反対側に向かって伝播する。
第2の探触子3aから送出された超音波は、第2の側面6から拡散しながら第1の側面5に向かって伝播する。このとき、第2の探触子3aは、超音波を、第1の探触子2の送出部が送出した超音波の伝播領域8へ向かって伝播すると共に、第1の側面5のうち第3の側面7側に向かって伝播するように送出する。
また、第3の探触子4aから送出された超音波は、第3の側面7から拡散しながら第1の側面5に向かって伝播する。このとき、第3の探触子4aは、超音波を、第1の探触子2が送出した超音波の伝播領域8と第2の探触子3aが送出した超音波の伝播領域9とが交差する領域へ向かって伝播すると共に、第1の側面5のうち第2の側面6側に向かって伝播するように送出する。
図2に示すように、上述のような第1の探触子2、第2の探触子3a及び第3の探触子4aによる超音波の送出によって、第1の探触子2の下の表層を含む内部に、これら3つの探触子2,3a,4aからの超音波の伝播領域8,9,10が交差する(重なる)領域が形成され、この領域及びその周辺領域が探傷領域11となる。
第1の探触子2、第2の探触子3a及び第3の探触子4aは、例えば圧電素子によって構成された一般的な超音波プローブで構成することが可能であり、所定電圧のパルス電流が加えられると所定周波数の超音波を送出する送出部としての機能と、反射超音波を受波する受波部としての機能とを有するものである。なお、超音波を送出する方向(つまり、角度)は任意に設定することができ、第1の探触子2は、垂直探傷を行うために第1の側面5に対して垂直方向(つまり、90°)に超音波を送出し、第2の探触子3a及び第3の探触子4aは、斜角探傷を行うために第2の側面6及び第3の側面7に対して斜め方向に(つまり、所定の角度で)超音波を送出する。
図1及び図2に示すように、欠陥検出装置1は、鋼片Wの形状に沿って第2の側面6から第1の側面5を跨いで第3の側面7にわたるC字型のプローブ昇降機構12aを備える。プローブ昇降機構12aは、第1の側面5に沿って配置される第1の昇降機構13と、第2の側面6に沿って配置される第2の昇降機構14と、第3の側面7に沿って配置される第3の昇降機構15とをC字型に配置して構成されたものであり、第1の昇降機構13に第1の探触子2を、第2の昇降機構14に第2の探触子3aを、第3の昇降機構15に第3の探触子4aを保持し、鋼片Wの側面5,6,7に対して探触子2,3a,4aの各々を昇降させるものである。
欠陥検出装置1は、プローブ昇降機構12aを介して探触子2,3a,4aの各々に接触媒質を供給する接触媒質供給部16を備える。接触媒質とは、水、グリセリンペースト、油など、超音波を伝達する物質のことであり、探触子2,3a,4aと鋼片Wの側面との間で超音波を伝達する媒質である。ただし、探触子2,3a,4aにおいて、圧電素子の代わりに電磁超音波センサなどを用いる場合は、接触媒質は不要である。
接触媒質供給部16は、プローブ昇降機構12aを介して接触媒質供給管(図示せず)によって探触子2,3a,4aの各々に接続され、接触媒質供給管を通じて探触子2,3a,4aの各々に接触媒質を供給する。接触媒質供給部16は、接触媒質回収管(図示せず)によっても探触子2,3a,4aの各々に接続されており、供給された接触媒質を接触媒質回収管を通じて探触子2,3a,4aの各々から回収する。
欠陥検出装置1は、プローブ昇降機構12aを介して探触子2,3a,4aの各々に接続された超音波探傷器17を備える。超音波探傷器17は、探触子2,3a,4aの各々の送出部として働く圧電素子へ所定電圧のパルス電流を出力して超音波を発生させると共に、当該圧電素子が反射超音波を受波して受波部として働いたときに発生したパルス電流を受け取って、後述する記録信号処理装置18に反射波信号として出力するものである。
欠陥検出装置1は、超音波探傷器17に接続された記録信号処理装置18を備える。記録信号処理装置18は、受波した反射超音波に基づいて超音波探傷器17から出力されたパルス電流を受信して、受信したパルス電流を基に、反射超音波(エコー)の到達時間、すなわち表層を含む内部における欠陥の位置などを算出する。
欠陥検出装置1は、上述した第1の探触子2、第2の探触子3a及び第3の探触子4a、プローブ昇降機構12a、接触媒質供給部16、超音波探傷器17及び記録信号処理装置18を備えて構成される。
ここで、第1の探触子2、第2の探触子3a及び第3の探触子4aは、それぞれが支持される第1の昇降機構13、第2の昇降機構14及び第3の昇降機構15の長手方向に沿って移動可能となっている。これによって第1の探触子2、第2の探触子3a及び第3の探触子4aは、鋼片Wの表面である第1の側面5、第2の側面6及び第3の側面7上で移動可能であり、これら側面上を移動することで該3つの探触子2,3a,4aから送出された超音波が交差する探傷領域11の位置を変更することができる。
上述の構成を有する欠陥検出装置1は、割れのように欠陥の進展に方向性がある場合でも欠陥の検出が可能である。
以下に、図3〜図5を参照して、その検出原理を説明する。
図3は、欠陥dの角度と超音波のエコーレベルの関係を説明する図であり、(a)は欠陥dの位置及び角度と超音波の入射方向との関係を模式的に示し、(b)は欠陥角度を変化させたときのエコーレベルの変化を示す。
図3(a)を参照して、一方向に進展した長さ1mmの欠陥dが、鋼片Wの表面Sに対して角度θ(deg)傾いた状態で存在している。このとき、鋼片Wの表面Sからの欠陥の深さDを、5mmと20mmの2通り想定する。鋼片Wの表面Sに対して角度θ(deg)傾いた欠陥dに対して、垂直探傷法によって鋼片Wの表面Sに垂直に超音波を送出し(入射させ)、斜角探傷法によって鋼片Wの表面Sの側方から超音波を送出す(入射させ)る。
図3(b)に示すように、垂直探傷法において欠陥dの角度θを変化させると、欠陥dの進展方向が超音波の伝播方向に対して垂直(θ=0°,180°)に近いときには、欠陥dでの超音波の反射(エコー)レベルは高いが、欠陥dの進展方向が超音波の伝播方向に対して平行(θ=90°)に近くなると、超音波の反射(エコー)レベルは低くなる。垂直探傷法におけるエコーレベルは、欠陥dの深さDが5mmであっても20mmであってもほぼ同じ変化を示す。
また、斜角探傷法において欠陥dの角度θを変化させると、欠陥dの進展方向が超音波の伝播方向に対して垂直(θ=90°〜120°)に近いときには、欠陥dでの超音波の反射(エコー)レベルは高いが、欠陥dの進展方向が超音波の伝播方向に対して平行(θ=0°,180°)に近くなると、超音波の反射(エコー)レベルは低くなる。斜角探傷法におけるエコーレベルも、欠陥dの深さDが5mmであっても20mmであってもほぼ同じ傾向の変化を示すが、欠陥dの深さDが5mmのときよりも20mmときの方がエコーレベルは総じて高い。
このように、欠陥角度θを変化させたときの垂直探傷法によって検出できるエコーレベルと斜角探傷法によって検出できるエコーレベルについては、一方が低下すれば他方が上昇し、一方が上昇すれば他方が低下するという関係が成立している。従って、いかなる欠陥角度θの欠陥dであっても垂直探傷法又は斜角探傷法によって検出可能である。
そこで、図4を参照して、上述の第1の探触子(垂直プローブ)2、第2の探触子(斜角1プローブ)3a及び第3の探触子(斜角2プローブ)4aを用いて垂直探傷法及び斜角探傷法を適用した場合における、欠陥角度θの相違、つまり欠陥dの方向性による探傷の成否を類型化して説明する。
図4は、欠陥検出装置の欠陥検出動作を類型化して示す図である。
次の表1は、図4に示す(a)〜(d)の4つの類型について、各プローブにおける欠陥検出の成否をまとめた表である。
図4(a)において、欠陥dは、垂直プローブ2からの超音波の伝播方向に対してほぼ平行に進展した面状であり、斜角1プローブ3a及び斜角2プローブ4aからの超音波の伝播方向に対して垂直に近い。このとき欠陥dは、垂直プローブ2からの超音波を垂直プローブ2に向かって反射することはほとんどなく、斜角1プローブ3aからの超音波を斜角1プローブ3aへ反射し、斜角2プローブ4aからの超音波を斜角2プローブ4aへ反射する。従って、表1の(a)に記号「×」で示すように、垂直プローブ2は欠陥dで反射された超音波(欠陥信号)を検出することはできず、また、記号「○」で示すように、斜角1プローブ3a及び斜角2プローブ4aが欠陥信号を検出する。
図4(b)において、欠陥dは、垂直プローブ2からの超音波の伝播方向に対してほぼ垂直に進展した面状であり、斜角1プローブ3a及び斜角2プローブ4aからの超音波の伝播方向に対して平行に近い。このとき欠陥dは、垂直プローブ2からの超音波をほぼ垂直プローブ2に向かって反射するが、斜角1プローブ3aからの超音波をほとんど斜角1プローブ3aへ反射しないだけでなく、斜角2プローブ4aからの超音波もほとんど斜角2プローブ4aへ反射しない。従って、表1の(b)に記号「○」で示すように、垂直プローブ2は欠陥信号を検出し、また、記号「×」で示すように、斜角1プローブ3a及び斜角2プローブ4aは欠陥信号を検出できない。
図4(c)において、欠陥dは、図4(c)の紙面に向かって右上から左下に向かって進展した面状であり、一方の面を垂直プローブ2と斜角2プローブ4aの間に向けると共に、他方の面を斜角1プローブ3aに向けている。つまり、垂直プローブ2及び斜角2プローブ4aからの超音波の伝播方向に対しては平行でも垂直でもないが、斜角1プローブ3aからの超音波の伝播方向に対してはほぼ垂直に近い。このとき欠陥dは、斜角1プローブ3aからの超音波をほぼ斜角1プローブ3aに向かって反射するが、垂直プローブ2からの超音波をほとんど垂直プローブ2へ反射しないだけでなく、斜角2プローブ4aからの超音波もほとんど斜角2プローブ4aへ反射しない。しかし、斜角2プローブ4aからの超音波は、欠陥dで反射した後、垂直プローブ2が配置された面で反射して大きく減衰しつつ斜角2プローブ4aへ戻る。従って、表1の(c)に記号「×」と示すように、垂直プローブ2は欠陥信号を検出できないが、記号「○」で示すように、斜角1プローブ3aは欠陥信号を検出する。また、斜角2プローブ4aは、記号「△」で示すように、減衰した反射波に基づいてわずかな欠陥信号を検出する。
図4(d)において、欠陥dは、図4(d)の紙面に向かって左上から右下に向かって進展した面状であり、一方の面を垂直プローブ2と斜角1プローブ3aの間に向けると共に、他方の面を斜角2プローブ4aに向けている。つまり、図4(c)に対して左右対称の配置となっている。従って、欠陥検出の成否も図4(c)に対して左右対称であり、表1の(d)に記号「×」と示すように、垂直プローブ2は欠陥信号を検出できないが、記号「○」で示すように、斜角2プローブ4aは欠陥信号を検出する。また、斜角1プローブ3aは、記号「△」で示すように、減衰した反射波に基づいてわずかな欠陥信号を検出する。
以上のとおり、本実施形態による欠陥検出装置1は、垂直探傷法及び斜角探傷法の少なくとも一方の探傷法によって確実に欠陥を検出することができる。従来の技術では、欠陥の進展方向を考慮した構成を備えていなかったので、垂直探傷法と斜角探傷法でともに欠陥を検出した場合には、欠陥は鋼片Wの皮下に存在すると判断し、斜角探傷法で検出されたものの垂直探傷法で検出されなかった場合には、欠陥は鋼片Wの内部に存在すると判断していた。しかし、欠陥が鋼片Wの皮下に存在しても、欠陥の方向によっては垂直探傷法で検出できない場合もあり、従来の技術は欠陥箇所を特定するのに十分な技術であるとは言えなかった。
これに対し、本実施形態による欠陥検出装置1は、欠陥検出装置1が欠陥dの進展方向を考慮した構成を備えているので、表1に示すように、欠陥dを検出したプローブ2,3a,4aの組み合わせと欠陥信号の強度とに基づいて、欠陥dの位置及び欠陥dの進展方向(傾き)を確実に特定することができる技術であるといえる。
欠陥検出装置1の構成によれば、図5に示すように、欠陥dの深さの検出精度を向上させることもできる。
図5は、欠陥検出装置1の斜角探触子3a,4aによる欠陥検出動作を説明する図であり、(a)は欠陥dが鋼片Wの内部に存在するときの動作を示し、(b)は欠陥dが鋼片Wの皮下に存在するときの動作を示す。
図5(a)に示すように、垂直プローブ2に検出されず、斜角1プローブ3aと斜角2プローブ4aによって検出された欠陥dに関して、斜角1プローブ3aが検出した欠陥信号(斜角1信号)19が超音波波形として超音波探傷器17に表示され、斜角2プローブが検出した欠陥信号(斜角2信号)20も超音波波形として超音波探傷器17に表示される。超音波の送出から超音波波形が得られるまでの時間に基づいて超音波の伝播距離を求めることができ、この伝播距離によってプローブ3a,4aの各々から欠陥dまでの距離を求めることができる。しかし、一方の超音波波形だけでは該超音波波形に対応するプローブ3a又はプローブ4aから欠陥dまでの距離しか分からないので、欠陥dが皮下に存在するのか、皮下よりも深い内部に存在するのかの判断ができず、欠陥dの深さを検出することはできない。
そこで、欠陥検出装置1は、斜角1プローブ3aによって検出された欠陥信号19に基づく斜角1プローブ3aから欠陥dまでの距離と、斜角2プローブ4aによって検出された斜角2プローブ4aから欠陥dまでの距離とを同時に満たす位置を鋼片W内で特定し、その特定された位置を欠陥dの位置として検出する。
具体的には、斜角1プローブ3aを中心に検出された欠陥dまでの距離を半径とする円を描き、同時に、斜角2プローブ4aを中心に検出された欠陥dまでの距離を半径とする円を描く。このとき、描かれた2つの円の交点の位置を求め、求めた位置が、鋼片Wの内部で、斜角1プローブ3aからの超音波の伝播領域内にあり、且つ斜角2プローブ4aからの超音波の伝播領域内にあるとき、その求めた位置を検出された欠陥dの位置として検出する。このような幾何学的な計算を用いて欠陥dの位置を検出することができるが、この計算は、記録信号処理装置18によって行われる。
図5(a)は、斜角1プローブ3aによる欠陥信号19の超音波波形も、斜角2プローブ4aによる欠陥信号20の超音波波形もほぼ同じ伝播距離であった場合の一例を示し、図5(b)は、斜角1プローブ3aによる欠陥信号19の超音波波形が示す伝播距離よりも、斜角2プローブ4aによる欠陥信号20の超音波波形が示す伝播距離の方が大きかった場合の一例を示している。
なお、斜角探傷法による斜角1プローブ3a及び斜角2プローブ4aで検出できず、垂直探傷法による垂直プローブ2でしか検出できない欠陥dについては、垂直方向での伝播距離から欠陥dの深さ位置をほぼ正確に特定できる。
上述の構成を有する本実施形態による欠陥検出装置1の動作を、欠陥検出方法として以下に説明する。
欠陥検出装置1は、第1の昇降機構13を第1の側面5に沿わせ、且つ第2の昇降機構14を第2の側面6に沿わせると共に、第3の昇降機構15を第3の側面7に沿わせて、プローブ昇降機構12aを鋼片Wに対して配置する。
プローブ昇降機構12aが、第1の探触子2、第2の探触子3a及び第3の探触子4aを鋼片Wに当接させると共に、接触媒質供給部16が、プローブ昇降機構12aを介して探触子2,3a,4aの各々に接触媒質を供給する。このようにして、鋼片Wの第1の側面5下を探傷する準備が完了する。
探傷の準備が完了すると、超音波探傷器17は、探触子2,3a,4aの各々の送出部へ所定電圧のパルス電流を出力して、鋼片(被検査体)Wの表面上から、第1の探触子2を介して、該表面に対して垂直となる方向に沿って、鋼片Wの内部に超音波を送出し、鋼片Wの表層を含む内部に存在する欠陥で反射して戻った超音波を受波する。
その上で、超音波探傷器17は、第1の探触子2が受波した超音波の超音波パルスを取得し、記録信号処理装置18が、受波した超音波(つまり、超音波パルス)に基づいて、鋼片Wの表層を含む内部に存在する欠陥までの距離を取得する。ここまでが、第1の探触工程である。
次に、鋼片Wの表面上から、第2の探触子3aを介して、該表面に対して第1の探触工程で第1の探触子2から送出された超音波寄りに斜めとなる方向に沿って、鋼片Wの内部に超音波を送出し、少なくとも鋼片Wの表層を含む内部に存在する欠陥で反射して戻った超音波を受波する。このとき、第2の探触子3aは、第1の探触子2から送出された超音波が伝播する伝播領域に向かう超音波を送出する。
その上で、超音波探傷器17は、第2の探触子3aが受波した超音波の超音波パルスを取得し、記録信号処理装置18が、受波した超音波(つまり、超音波パルス)に基づいて、鋼片Wの表層を含む内部に存在する欠陥までの距離を取得する。ここまでが、第2の探触工程である。
また、鋼片Wの表面上から、第3の探触子4aを介して、該表面に対して第1の探触工程で第1の探触子2から送出された超音波寄りに斜めとなる方向に沿って、鋼片Wの内部に超音波を送出し、少なくとも鋼片Wの表層を含む内部に存在する欠陥で反射して戻った超音波を受波する。このとき、第3の探触子4aは、第1の探触子2から送出された超音波が伝播する伝播領域に向かう超音波を送出する。
その上で、超音波探傷器17は、第3の探触子4aが受波した超音波の超音波パルスを取得し、記録信号処理装置18が、受波した超音波(つまり、超音波パルス)に基づいて、鋼片Wの表層を含む内部に存在する欠陥までの距離を取得する。ここまでが、第3の探触工程である。
第1の探触工程〜第3の探触工程を経て、記録信号処理装置18は、第1の探触工程、第2の探触工程及び第3の探触工程のうち少なくとも1つの探触工程で受波した超音波に基づいて鋼片Wの表層を含む内部存在する欠陥の位置を検出する。
記録信号処理装置18は、第2の探触工程で得られた欠陥までの距離と、第3の探触工程で得られた欠陥までの距離とを用いて、第2の探触工程で得られた距離と、第3の探触工程で得られた欠陥までの距離とを同時に満たす位置を鋼片W内で特定し、その特定された位置を、鋼片Wの表層を含む内部に存在する欠陥の位置として検出する。この欠陥位置の検出が、欠陥検出工程である。
さらに記録信号処理装置18は、第1の探触工程で超音波探傷器17が受波した超音波の強度である第1の受波強度を取得し、第2の探触工程で超音波探傷器17が受波した超音波の強度である第2の受波強度を取得し、第3の探触工程で超音波探傷器17が受波した超音波の強度である第3の受波強度を取得する。これら受波強度を取得した後、記録信号処理装置18は、取得した第1の受波強度、第2の受波強度及び第3の受波強度を用いて、鋼片Wの表層を含む内部に存在する欠陥の状態、例えば欠陥の傾きや進展方向を検出する。この欠陥の状態の検出が、欠陥状態検出工程である。
以上に説明したとおり、本実施形態による欠陥検出装置1及び欠陥検出方法によれば、鋼片Wの内部の1つの探傷領域に対して垂直探傷と2方向からの斜角探傷の計3方向からの探傷によって、欠陥の進展方向によらず欠陥を検出することができる。加えて、垂直探触子2が鋼片Wと接する接触面下の表層を含む内部を探傷する構成を有することで、垂直探触子2からの超音波ビームが拡散して広がる前の検出感度のよい伝播領域を用いて欠陥を検出できる。
ここで、垂直探傷法では垂直探触子と鋼片Wの接触面の表皮下は、表面不感帯により探傷が難しいという問題があった。しかし、鋼片Wの段階で存在する欠陥のうち棒鋼や線材に圧延したときに有害となる欠陥は、鋼片Wの表皮下ではなく表層を含む内部(例えば表面から5mm以上の深さ)にある欠陥であるということが、近年明らかになってきた。
従って、本実施形態による欠陥検出装置1は、欠陥をその進展方向に関係なく検出できて、さらに欠陥の深さも正確に検出することができるので、棒鋼や線材に圧延したときに有害となる欠陥を適切に検出することができる。
[第2実施形態]
以下に、図6を参照しつつ、本発明の第2実施形態による欠陥検出装置1bについて説明する。
図6は、本実施形態による欠陥検出装置1bの概略構成を示す図である。
欠陥検出装置1bは、第1実施形態による欠陥検出装置1aとほぼ同様の構成を有している。しかし、欠陥検出装置1bは、第1実施形態による欠陥検出装置1aの第2の探触子3a及び第3の探触子4aの代わりに、斜角探触子として第2の探触子3b及び第3の探触子4bを備える。
第2の探触子3b及び第3の探触子4bは、垂直探触子である第1の探触子2と同じ第1の側面5上に配置される。
第2の探触子3bは、第1の探触子2よりも第2の側面6寄りに配置され、第3の側面7へ向かう方向に、つまり第1の側面5に対して斜めに超音波を送出し、送出された超音波は、第1の側面5から第3の側面7に向かって鋼片Wの内部を伝播する。
第3の探触子4bは、第1の探触子2よりも第3の側面7寄りに配置され、第2の側面6へ向かう方向に、つまり第1の側面5に対して斜めに超音波を送出し、送出された超音波は、第1の側面5から第2の側面6に向かって鋼片Wの内部を伝播する。
図6に示すように、上述の構成の第2の探触子3b及び第3の探触子4bを有することによって、第1の探触子2、第2の探触子3b及び第3の探触子4bによる超音波の送出によって、第1の探触子2の下の表層を含む内部に、これら3つの探触子2,3b,4bからの超音波の伝播領域が交差する(重なる)領域が形成され、この領域及びその周辺領域が探傷領域となる。
つまり、本実施形態による欠陥検出装置1bによっても、第1実施形態による欠陥検出装置1aと同様の探傷領域を形成することができ、第1実施形態による欠陥検出装置1aと同様の動作及び効果を発揮する。また、本実施形態による欠陥検出装置1bよれば、プローブ昇降機構12bは、第1の側面5上にのみ設けられればよく、第2の側面6及び第3の側面7上に設けなくてもよい。従って、本実施形態による欠陥検出装置1bは、比較的小型の構成となるので、欠陥を検出するための装置の設置空間に制約がある場合に有効である。
なお、今回開示された各実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。特に、今回開示された各実施形態において、明示的に開示されていない事項、例えば、運転条件や操業条件、各種パラメータ、構成物の寸法、重量、体積などは、当業者が通常実施する範囲を逸脱するものではなく、通常の当業者であれば、容易に想定することが可能な値を採用している。
具体的には、上述の各実施形態において、第1の探触子2、第2の探触子3a又は3b及び第3の探触子4a又は4bを、それぞれ1つずつ用いて欠陥検出装置1a又は1bを構成したが、これら探触子を、それぞれ複数用いて欠陥検出装置1a又は1bを構成してもよい。例えば、第1の探触子2を複数用いて構成すると、表層領域内における探傷領域を拡大することができる。
また、上述の各実施形態では、鋼片Wの4つの側面のうち1つの側面である第1の側面5下の表層を含む内部のみを探傷する場合を例示して欠陥検出装置1a又は1bの構成を説明した。しかし、鋼片Wの各側面に第1の探触子2が接触するように、欠陥検出装置1a又は1bを複数用いてもよい。鋼片Wの4つの側面下の表層を含む内部を探傷するには、欠陥検出装置1a又は1bを4台用意して、欠陥検出装置1a又は1bの第1の探触子2がそれぞれ異なる側面に接触するように欠陥検出装置1a又は1bを配置すればよい。
1a,1b 欠陥検出装置
2 第1の探触子(垂直プローブ)
3a,3b 第2の探触子(斜角1プローブ)
4a,4b 第3の探触子(斜角2プローブ)
5 第1の側面
6 第2の側面
7 第3の側面
8,9,10 伝播領域
11 探傷領域
12a,12b プローブ昇降機構
13 第1の昇降機構
14 第2の昇降機構
15 第3の昇降機構
16 接触媒質供給部
17 超音波探傷器
18 記録信号処理装置
19 欠陥信号(斜角1信号)
20 欠陥信号(斜角2信号)
W 鋼片(被検査体)
d 欠陥

Claims (8)

  1. 被検査体の表層を含む内部に存在する欠陥を超音波を用いて検出する欠陥検出装置であって、
    前記被検査体の表面上に配置され、前記表面に対して垂直となる方向に沿って、前記被検査体の内部に超音波を送出する送出部と、少なくとも前記被検査体の表層を含む内部に存在する欠陥で反射して戻った超音波を受波する受波部とを有する第1の探触子と、
    前記被検査体の表面上に配置され、前記表面に対して前記第1の探触子寄りに斜めとなる方向に沿って、前記被検査体の内部に超音波を送出する送出部と、少なくとも前記被検査体の表層を含む内部に存在する欠陥で反射して戻った超音波を受波する受波部とを有する第2の探触子と、
    前記被検査体の表面上に配置され、前記表面に対して前記第1の探触子寄りに斜めとなる方向に沿って、前記被検査体の内部に超音波を送出する送出部と、少なくとも前記被検査体の表層を含む内部に存在する欠陥で反射して戻った超音波を受波する受波部とを有する第3の探触子と、を備えることを特徴とする欠陥検出装置。
  2. 前記被検査体の表面は複数の面で構成され、
    前記第1の探触子が、前記被検査体の1つの面である第1の側面上に配置され、
    前記第2の探触子が、前記第1の側面の一方側に隣接する面である第2の側面上に配置されて、前記第1の側面へ向かう超音波を送出し、
    前記第3の探触子が、前記第1の側面の他方側に隣接する面である第3の側面上に配置されて、前記第1の側面へ向かう超音波を送出することを特徴とする請求項1に記載の欠陥検出装置。
  3. 前記第2の探触子が、前記第1の探触子の送出部が送出した超音波が伝播する伝播領域へ向かう超音波を送出し、
    前記第3の探触子が、前記第1の探触子が送出した超音波の伝播領域と前記第2の探触子が送出した超音波の伝播領域とが交差する領域へ向かう超音波を送出することを特徴とする請求項1又は2に記載の欠陥検出装置。
  4. 前記第1の探触子、第2の探触子及び第3の探触子が、前記被検査体の表面上で移動可能であり、前記被検査体の表面上を移動することで当該3つの探触子から送出された超音波が交差する領域の位置を変更することを特徴とする請求項3に記載の欠陥検出装置。
  5. 被検査体の表層を含む内部に存在する欠陥を超音波を用いて検出する欠陥検出方法であって、
    前記被検査体の表面上から、前記表面に対して垂直となる方向に沿って、前記被検査体の内部に超音波を送出し、少なくとも前記被検査体の表層を含む内部に存在する欠陥で反射して戻った超音波を受波する第1の探触工程と、
    前記被検査体の表面上から、前記表面に対して前記第1の探触工程で送出された超音波寄りに斜めとなる方向に沿って、前記被検査体の内部に超音波を送出し、少なくとも前記被検査体の表層を含む内部に存在する欠陥で反射して戻った超音波を受波する第2の探触工程と、
    前記被検査体の表面上から、前記表面に対して前記第1の探触工程で送出された超音波寄りに斜めとなる方向に沿って、前記被検査体の内部に超音波を送出し、少なくとも前記被検査体の表層を含む内部に存在する欠陥で反射して戻った超音波を受波する第3の探触工程と、
    前記第1の探触工程、第2の探触工程及び第3の探触工程のうち少なくとも1つの探触工程で受波した超音波に基づいて前記被検査体の表層を含む内部に存在する欠陥を検出する欠陥検出工程と、を備えることを特徴とする欠陥検出方法。
  6. 前記第2の探触工程が、前記第1の探触子の送出部が送出した超音波が伝播する伝播領域に向かう超音波を送出し、
    前記第3の探触工程が、前記第1の探触工程で送出した超音波の伝播領域と前記第2の探触工程で送出した超音波の伝播領域とが交差する領域に向かう超音波を送出することを特徴とする請求項5に記載の欠陥検出方法。
  7. 前記第2の探触工程が、受波した超音波に基づいて前記被検査体の表層を含む内部に存在する欠陥までの距離を取得し、
    前記第3の探触工程が、受波した超音波に基づいて前記被検査体内部に存在する欠陥までの距離を取得し、
    前記表面皮下欠陥検出工程が、前記第2の探触工程で得られた欠陥までの距離と、前記第3の探触工程で得られた欠陥までの距離とを用いて、前記被検査体の表層を含む内部に存在する欠陥の位置を検出することを特徴とする請求項5又は6に記載の欠陥検出方法。
  8. 第1の探触工程で受波した超音波の第1の受波強度を取得し、第2の探触工程で受波した超音波の第2の受波強度を取得し、第3の探触工程で受波した超音波の第3の受波強度を取得し、前記取得した第1の受波強度、第2の受波強度及び第3の受波強度を用いて、前記被検査体の表層を含む内部に存在する欠陥の進展方向を検出する欠陥状態検出工程を備えることを特徴とする請求項5〜7のいずれかに記載の欠陥検出方法。
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