JP2018136252A - 超音波検査装置、それを備えた超音波検査システム、及び超音波検査方法並びにプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】探傷対象物の実形状を勘案し、狭隘部を容易に、かつ、高い信頼性で検査すること。
【解決手段】伝熱管12に対し入射角を異ならせた超音波を発信する複数の超音波探触子と、複数の超音波探触子が固定され、伝熱管12の表面と接触可能なウェッジ9と、を備え、超音波探触子は、伝熱管12の面に対する垂直方向に超音波を発信する垂直探触子5と、伝熱管12の面に対して斜めに超音波を発信する小屈折角探触子6と大屈折角探触子7斜角探触子とを含む。
【選択図】図1
【解決手段】伝熱管12に対し入射角を異ならせた超音波を発信する複数の超音波探触子と、複数の超音波探触子が固定され、伝熱管12の表面と接触可能なウェッジ9と、を備え、超音波探触子は、伝熱管12の面に対する垂直方向に超音波を発信する垂直探触子5と、伝熱管12の面に対して斜めに超音波を発信する小屈折角探触子6と大屈折角探触子7斜角探触子とを含む。
【選択図】図1
Description
本発明は、超音波検査装置、それを備えた超音波検査システム、及び超音波検査方法並びにプログラムに関するものである。
例えば、ボイラ等に用いられる火炉蒸発管や伝熱管は、小口径のチューブで構成されており、ボイラが設置される現地において突合せ溶接される。溶接継手の品質は管の強度に影響を与えることから溶接部の品質確保が必要とされており、品質の確認には放射線透過検査(以下「RT(Radiographic Testing)検査」という)が適用されている。
RT検査は、安全上の問題から放射線管理区域を設定することが定められており、作業中には放射線管理区域の立ち入りが規制される。このため、RT検査は夜間に行われることが多く、夜間にRT検査をするとなると工事期間中の夜間時間帯は他の作業ができず、工程上の制約が生じる。またRT検査は、ブローホール等の体積を有する傷の検出には有利であるが、き裂等の幅や体積が小さい傷の検出は困難であるため、構造物として有害な割れや開先面の融合不良を見逃すリスクがあった。
RT検査は、安全上の問題から放射線管理区域を設定することが定められており、作業中には放射線管理区域の立ち入りが規制される。このため、RT検査は夜間に行われることが多く、夜間にRT検査をするとなると工事期間中の夜間時間帯は他の作業ができず、工程上の制約が生じる。またRT検査は、ブローホール等の体積を有する傷の検出には有利であるが、き裂等の幅や体積が小さい傷の検出は困難であるため、構造物として有害な割れや開先面の融合不良を見逃すリスクがあった。
こうしたことから、昼夜問わず作業を行い工事期間を有効に活用し、かつ、構造物として有害な傷の見逃しを防ぎ、品質を向上を図るRT検査に代わる検査技術が望まれている。RT検査に代わる検査として、超音波探傷試験(以下「UT検査」(Ultrasonic Testing))の技術が挙げられる。
下記特許文献1には、検査する突合せ溶接部の管の外周に4個の超音波探触子を配置して、超音波探触子の底面を管の外周に接触させて超音波の送信と反射エコーの受信をする超音波探傷検査の技術が記載されている。
下記特許文献1には、検査する突合せ溶接部の管の外周に4個の超音波探触子を配置して、超音波探触子の底面を管の外周に接触させて超音波の送信と反射エコーの受信をする超音波探傷検査の技術が記載されている。
しかしながら、上記特許文献1の方法では、検査の対象となる対象部位が、管と管の間隔が狭い狭隘部である場合には、管周方向への探触子走査が困難となる。
また、伝熱管等の管内面はシニング加工されることがあり、シニング加工の精度次第では超音波を1回反射した際に想定と異なる角度で反射してしまい、反射波による判定結果に誤判定を招くおそれがある。そのため、高い精度で検査および判定を行うには、実形状を考慮した探傷が要求されるものの形状計測には手間がかかるという問題がある。
ビームスキャン範囲を広げるためにフェーズドアレイ(PA:Phased Arryay)探触子を利用することも考えられるが、一般的にフェーズドアレイ探触子から対象部位の面に入射される主屈折角は固定であるため、ビームスキャン範囲は限定されたものとなる。また、UT波形を分類することで欠陥性状を定性的に分類する試みはあるが、信頼性に欠ける。
また、伝熱管等の管内面はシニング加工されることがあり、シニング加工の精度次第では超音波を1回反射した際に想定と異なる角度で反射してしまい、反射波による判定結果に誤判定を招くおそれがある。そのため、高い精度で検査および判定を行うには、実形状を考慮した探傷が要求されるものの形状計測には手間がかかるという問題がある。
ビームスキャン範囲を広げるためにフェーズドアレイ(PA:Phased Arryay)探触子を利用することも考えられるが、一般的にフェーズドアレイ探触子から対象部位の面に入射される主屈折角は固定であるため、ビームスキャン範囲は限定されたものとなる。また、UT波形を分類することで欠陥性状を定性的に分類する試みはあるが、信頼性に欠ける。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、対象物の実形状を勘案し、狭隘部を容易に、かつ、高い信頼性で効率的に検査する超音波検査装置、それを備えた超音波検査システム、及び超音波検査方法並びにプログラムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を採用する。
本発明は、被検査体に対し入射角を異ならせた超音波を発信する複数の超音波探触子と、複数の前記超音波探触子が固定され、前記被検査体の表面と接触可能なウェッジと、を備え、前記超音波探触子は、前記被検査体の面に対する垂直方向に前記超音波を発信する垂直探触子と、前記被検査体の前記面に対して斜めに前記超音波を発信する斜角探触子とを含む超音波検査装置を提供する。
本発明は、被検査体に対し入射角を異ならせた超音波を発信する複数の超音波探触子と、複数の前記超音波探触子が固定され、前記被検査体の表面と接触可能なウェッジと、を備え、前記超音波探触子は、前記被検査体の面に対する垂直方向に前記超音波を発信する垂直探触子と、前記被検査体の前記面に対して斜めに前記超音波を発信する斜角探触子とを含む超音波検査装置を提供する。
本発明の構成によれば、被検査体に入射角が異なる複数の超音波が発信され、入射角が異なる超音波は、垂直探触子によって被検査体の垂直方向に入射されるものと、斜角探触子によって被検査体の面に対して斜めに入射されるものとされ、垂直探触子と斜角探触子は同一のウェッジに固定される。
垂直探触子は被検査体の垂直方向に超音波が入射されその反射波を検出することにより被検査体の内面の形状が計測でき、斜角探触子は被検査体の斜め方向から超音波が入射されその反射波を検出することにより、被検査体で傷や割れ等の不具合による想定外の反射があるかを計測できる。これにより、被検査体がシニング加工されることにより部分的に形状が異なっている場合や、経年劣化により被検査体の形状が導入当初と異なっていた場合(例えば、減肉現象)であっても、1つのウェッジを介した垂直探触子と斜角探触子とを用いて正しい形状を把握しつつ、傷や割れ等の不具合を検出できる。
垂直探触子は被検査体の垂直方向に超音波が入射されその反射波を検出することにより被検査体の内面の形状が計測でき、斜角探触子は被検査体の斜め方向から超音波が入射されその反射波を検出することにより、被検査体で傷や割れ等の不具合による想定外の反射があるかを計測できる。これにより、被検査体がシニング加工されることにより部分的に形状が異なっている場合や、経年劣化により被検査体の形状が導入当初と異なっていた場合(例えば、減肉現象)であっても、1つのウェッジを介した垂直探触子と斜角探触子とを用いて正しい形状を把握しつつ、傷や割れ等の不具合を検出できる。
上記超音波検査装置の前記斜角探触子は、前記被検査体の前記面に対して入射した超音波を、所定角度未満の屈折角とする小屈折角超音波探触子と、前記被検査体の前記面に対して入射した超音波を、所定角度以上の屈折角とする大屈折角超音波探触子とを備えていてもよい。
斜角探触子は、非検査体の面に対して屈折角を異ならせる複数の超音波探触子を設けることにより、垂直方向の肉厚方向の広域に渡って詳細に検査ができる。
上記超音波検査装置の検査対象は、配管の突合せ溶接部としてもよい。
配管の突合せ溶接部に傷があると管の強度に影響を与えるので、突合せ溶接部が検査されることにより、溶接部の品質確保ができる。
配管の突合せ溶接部に傷があると管の強度に影響を与えるので、突合せ溶接部が検査されることにより、溶接部の品質確保ができる。
本発明は、上記いずれかに記載の超音波検査装置と、前記超音波検査装置から取得した前記被検査体による反射波に基づいて、前記被検査体の不具合を検出する制御装置とを具備する超音波検査システムを提供する。
本発明は、被検査体に対し入射角を異ならせた超音波を複数の超音波探触子により発信する第1工程と、前記被検査体の表面に、複数の前記超音波探触子が固定されたウェッジを接触させる第2工程と、を備え、前記被検査体の面に対して垂直方向に前記超音波を発信させる第3工程と、前記被検査体の前記面に対して斜めに前記超音波を発信させる第4工程とを含む超音波検査方法を提供する。
本発明は、被検査体の表面に接触させたウェッジに固定された複数の超音波探触子から、前記被検査体に対し入射角を異ならせた超音波を発信させる処理と、垂直探触子から前記被検査体の面に対して垂直方向に前記超音波を発信させる処理と、斜角探触子から前記被検査体の前記面に対して斜めに前記超音波を発信させる処理とを含む超音波検査プログラムを提供する。
本発明は、探傷対象物の実形状を勘案し、狭隘部を容易に、かつ、高い信頼性で検査することができるという効果を奏する。
以下に、本発明にかかる超音波検査装置、それを備えた超音波検査システム、及び超音波検査方法並びにプログラムの実施形態について、図面を参照して説明する。
以下、図面を参照して本発明に係る超音波検査装置がボイラの伝熱管の突合せ溶接部の探傷検査に適用される場合を例に挙げて説明をするが、本発明はこれに限定されず、例えば、利用中の配管の減肉の検査等に適用してもよい。
図1は、本実施形態に係る超音波検査装置20を検査対象となる伝熱管12に配置したときの縦断面図の一例を示しており、図2にはその上面図を示している。
図1の紙面左側のボイラの伝熱管11と紙面右側のボイラの伝熱管12とが、溶金で突合せ溶接され、突合せ溶接部2で接続されており、ボイラの伝熱管12の上部に超音波検査装置20が配置されている。ボイラの伝熱管11,12は、シリング加工部3が設けられており、他の伝熱管11,12の幅より内側に狭くなっている。
また、図2では、伝熱管11,12が紙面上下方向に1本のみ図示されているが、例えば、伝熱管11,12が複数並んで狭隘部(例えば、12ミリメートル間隔)を構成していてもよい。
図1の紙面左側のボイラの伝熱管11と紙面右側のボイラの伝熱管12とが、溶金で突合せ溶接され、突合せ溶接部2で接続されており、ボイラの伝熱管12の上部に超音波検査装置20が配置されている。ボイラの伝熱管11,12は、シリング加工部3が設けられており、他の伝熱管11,12の幅より内側に狭くなっている。
また、図2では、伝熱管11,12が紙面上下方向に1本のみ図示されているが、例えば、伝熱管11,12が複数並んで狭隘部(例えば、12ミリメートル間隔)を構成していてもよい。
超音波検査装置20は、6個の超音波探触子を有するフェーズドアレイ探触子を有しており、各探触子はそれぞれ用途が決められている。具体的には、超音波検査装置20は、垂直探触子5と、小屈折角探触子(小屈折角超音波探触子)6と、大屈折角探触子(大屈折角超音波探触子)7とを備え、ケース8内に収納されている。垂直探触子5と小屈折角探触子6と大屈折角探触子7とは1つのウェッジ9に配置されている。ウェッジ9、つまり、垂直探触子5と小屈折角探触子6と大屈折角探触子7のそれぞれは、被検査体となる伝熱管12(配管)の軸方向、及び伝熱管12の円周方向に走査される。
本実施形態においては、説明を簡略化するために超音波検査装置20は、伝熱管12側にのみ設けられているが、本発明はこれに限定されず、伝熱管11側のみに設けていてもよいし、伝熱管11側と伝熱管12側との両方に設けていてもよい。
垂直探触子5は、ボイラの伝熱管12(被検査体)の面に対する垂直方向に超音波5’を発信し、伝熱管12の内面形状を計測する。具体的には、垂直探触子5は、配置された位置から反射するまでの伝熱管12の肉厚と、シリング加工や減肉によって伝熱管12の形状が変化したときの形状部分の傾きを計測する。
垂直探触子5は、ボイラの伝熱管12(被検査体)の面に対する垂直方向に超音波5’を発信し、伝熱管12の内面形状を計測する。具体的には、垂直探触子5は、配置された位置から反射するまでの伝熱管12の肉厚と、シリング加工や減肉によって伝熱管12の形状が変化したときの形状部分の傾きを計測する。
また、垂直探触子5は、伝熱管12とのカップリングを確認する。伝熱管12と垂直探触子5との間のカップリングが正しくない(例えば、垂直探触子5が伝熱管12に接していない)状態で超音波探傷を行うと、伝熱管12への超音波の入射や伝熱管12からの反射波の検出が正しく行われず、正しい探傷結果が得られない。そのため、カップリングチェックの処理を実行することにより、垂直探触子5が走査されている間に、伝熱管12と垂直探触子5とが正しくカップリングされた状態が維持されているか否かが判定される。
小屈折角探触子6と、大屈折角探触子7は、それぞれ伝熱管12(被検査体)の面に対して斜めに超音波を発信する斜角探触子である。小屈折角探触子6は、伝熱管12の面に対して入射した超音波を、所定角度未満の屈折角とする超音波6’を発し、大屈折角探触子7は、伝熱管12の面に対して入射した超音波を、所定角度以上の屈折角とする超音波7’を発する。
小屈折角探触子6から発信される超音波6’と、大屈折角探触子7から発信される超音波7’は、それぞれ異なる屈折角で斜め方向に入射されることにより突合せ溶接部2に存在する傷で反射し、該反射波を検出することにより、肉厚方向の全域(つまり、突合せ溶接部2の紙面上下方向)を探傷する。
なお、図1において示される超音波5’、6’、7’の向きは、超音波によるスキャンの一例である。
小屈折角探触子6から発信される超音波6’と、大屈折角探触子7から発信される超音波7’は、それぞれ異なる屈折角で斜め方向に入射されることにより突合せ溶接部2に存在する傷で反射し、該反射波を検出することにより、肉厚方向の全域(つまり、突合せ溶接部2の紙面上下方向)を探傷する。
なお、図1において示される超音波5’、6’、7’の向きは、超音波によるスキャンの一例である。
超音波検査装置20は、伝熱管12の被検査面に沿って、垂直探触子5と小屈折角探触子6と大屈折角探触子7が配置されたウェッジ9を移動させながら、垂直探触子5と小屈折角探触子6と大屈折角探触子7から伝熱管12の面に超音波を照射し、被検査面下の被検査体の内部を探傷し、検査する。具体的には、超音波検査装置20は、ボイラの伝熱管11,12の軸方向及び軸に対する周方向に被検査面に沿って被検査面下の被検査体の内部を探傷し、検査する。
なお、肉厚方向の全域を探傷可能にするために、本実施形態においては、屈折角が所定角度以上、或いは所定角度未満となる探触子を使い分けている。
なお、肉厚方向の全域を探傷可能にするために、本実施形態においては、屈折角が所定角度以上、或いは所定角度未満となる探触子を使い分けている。
このように、垂直探触子5によって伝熱管12の面に対する垂直方向に発信した超音波によって伝熱管12の形状を確認しながら斜めの超音波を送出し、伝熱管12の形状の情報から、その形状で斜めに発信された超音波が反射されたときの反射波を逆解析する。
垂直探触子5と小屈折角探触子6及び大屈折角探触子7との検査結果を勘案することにより、超音波を発信した近傍に傷があることを速やかに判断できる。
なお、垂直探触子5と小屈折角探触子6と大屈折角探触子7が制御されて移動された情報は、別途エンコーダ等で取得し、素子全体を動かしている位置情報と、超音波の伝搬情報から、伝熱管12の形状を検出することができる。
垂直探触子5と小屈折角探触子6及び大屈折角探触子7との検査結果を勘案することにより、超音波を発信した近傍に傷があることを速やかに判断できる。
なお、垂直探触子5と小屈折角探触子6と大屈折角探触子7が制御されて移動された情報は、別途エンコーダ等で取得し、素子全体を動かしている位置情報と、超音波の伝搬情報から、伝熱管12の形状を検出することができる。
本実施形態においては、図2に示されるように、超音波探触子5,6,7が伝熱管12の周方向にそれぞれ2つずつウェッジ9に設けられており、超音波探触子5a,5b,6a,6b,7a,7bが設けられている例を挙げて説明する。なお、超音波探触子の個数はこれに限定されず、超音波探触子5,6,7は少なくとも1つずつあればよく、3つ以上ずつ設けられていてもよい。なお、超音波探触子5,6,7がそれぞれ個数が多いほど、突合せ溶接部2の探傷をより正確に検査することができる。
図2に示される符号5a’は超音波探触子5aから伝熱管12の面の垂直方向に超音波を発信し、符号5b’は、超音波探触子5bから伝熱管12の面の垂直方向に超音波を発信している様子を示している。
図2に示される符号5a’は超音波探触子5aから伝熱管12の面の垂直方向に超音波を発信し、符号5b’は、超音波探触子5bから伝熱管12の面の垂直方向に超音波を発信している様子を示している。
図2の符号x’とy’は、超音波探触子6a,6bからの超音波の発信タイミングの組み合わせによって発信された超音波を合成した超音波を例示している。発信タイミングは連続的に変化させることができるので、x’とy’との間(つまり、紙面上下方向)にも破線三角の頂点があるが、図2では省略して示している。また、発信タイミングの組み合わせによって、例えば、x’よりも紙面上側方向にさらに音波を振ることもできる。
制御装置30は、例えば、図示しないCPU(中央演算処理装置)、RAM(Random Access Memory)、及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体等から構成されている。後述の各種機能を実現するための一連の処理の過程は、プログラム(例えば、超音波検査プログラム)の形式で記録媒体等に記録されており、このプログラムをCPUがRAM等に読み出して、情報の加工・演算処理を実行することにより、後述の各種機能が実現される。
具体的には、図3に示されるように超音波検査システム10の機能ブロック図が示されている。図3に示されるように、超音波検査システム10は、超音波検査装置20と制御装置30とを備えている。
超音波検査装置20は、PA条件演算部21と、パルサ/レシーバ22と、フェーズドアレイ探触子23とを備えている。
PA条件演算部21は、フェーズドアレイ探触子23に対する超音波の送受信条件を演算する。
超音波検査装置20は、PA条件演算部21と、パルサ/レシーバ22と、フェーズドアレイ探触子23とを備えている。
PA条件演算部21は、フェーズドアレイ探触子23に対する超音波の送受信条件を演算する。
パルサ/レシーバ22は、対応付けられるフェーズドアレイ探触子23から超音波の送信と超音波の受信を制御する。パルサ/レシーバ22は、制御装置30に接続されている。
フェーズドアレイ探触子23は、本実施形態においては、垂直探触子5と小屈折角探触子6と大屈折角探触子7とする。フェーズドアレイ探触子23は、パルサ/レシーバ22から送信、受信の指令に基づいて伝熱管12の面に対する垂直方向、または伝熱管12の面に対する斜め方向に超音波を発信する。
フェーズドアレイ探触子23は、本実施形態においては、垂直探触子5と小屈折角探触子6と大屈折角探触子7とする。フェーズドアレイ探触子23は、パルサ/レシーバ22から送信、受信の指令に基づいて伝熱管12の面に対する垂直方向、または伝熱管12の面に対する斜め方向に超音波を発信する。
制御装置30は、シニング形状演算部31と、波形データ演算部32と、開口合成演算部33と、開先図・探傷結果出力部34とを備えている。
シニング形状演算部31は、垂直探触子5から送受信された超音波の情報に基づいて、伝熱管12のシニング加工された管の形状を演算する。
波形データ演算部32は、小屈折角探触子6及び大屈折角探触子7の位置及びそれぞれ屈折角毎に、探触子の受信信号を合成処理して、波形データを作成する。
開口合成演算部33は、波形データに基づいて、周知の開口合成演算処理を行うことにより、伝熱管12の表面形状判定を行う。
開先図・探傷結果出力部34は、表面形状判定の結果と波形データに基づいて、探傷及び開先形状の結果を出力装置(図示略)に出力する。
シニング形状演算部31は、垂直探触子5から送受信された超音波の情報に基づいて、伝熱管12のシニング加工された管の形状を演算する。
波形データ演算部32は、小屈折角探触子6及び大屈折角探触子7の位置及びそれぞれ屈折角毎に、探触子の受信信号を合成処理して、波形データを作成する。
開口合成演算部33は、波形データに基づいて、周知の開口合成演算処理を行うことにより、伝熱管12の表面形状判定を行う。
開先図・探傷結果出力部34は、表面形状判定の結果と波形データに基づいて、探傷及び開先形状の結果を出力装置(図示略)に出力する。
以下に、本実施形態に係る超音波検査システム10の作用について図1から図3を用いて説明する。
演算されたフェーズドアレイ探触子23の条件と一致するようにパルサ/レシーバ22が制御される。パルサ/レシーバ22からの送受信指令に基づいて、各フェーズドアレイ探触子23の役割に応じて垂直探触子5と小屈折角探触子6と大屈折角探触子7から超音波が発信され、反射波が受信される。
垂直探触子5から放出された超音波の反射波を検出することにより、シニング加工されたかどうかを演算し、シニング形状のデータからシニング部の形状が推定される。
演算されたフェーズドアレイ探触子23の条件と一致するようにパルサ/レシーバ22が制御される。パルサ/レシーバ22からの送受信指令に基づいて、各フェーズドアレイ探触子23の役割に応じて垂直探触子5と小屈折角探触子6と大屈折角探触子7から超音波が発信され、反射波が受信される。
垂直探触子5から放出された超音波の反射波を検出することにより、シニング加工されたかどうかを演算し、シニング形状のデータからシニング部の形状が推定される。
小屈折角探触子6と大屈折角探触子7から放出された超音波が反射されることにより得られる波形形状と、垂直探触子5から推定したシニング形状の情報から、超音波の伝播経路が算出され、エコー検出位置が判定される。
突合せ溶接部2の溶接線方向(例えば、図1の紙面上下)の波形情報の収集結果から、開口合成法により伝播経路を計算し、伝熱管12の表面形状が判定される。また、波形データと伝熱管12の表面形状に基づいて、突合せ溶接部2の開先図や探傷結果を判定し、傷位置を評価する。
突合せ溶接部2の溶接線方向(例えば、図1の紙面上下)の波形情報の収集結果から、開口合成法により伝播経路を計算し、伝熱管12の表面形状が判定される。また、波形データと伝熱管12の表面形状に基づいて、突合せ溶接部2の開先図や探傷結果を判定し、傷位置を評価する。
このように、垂直探触子5と斜角探触子(例えば、小屈折角探触子及び大屈折角探触子)6,7のそれぞれの探触子から放出される超音波によるスキャンを実行して伝熱管12の実際の形状を計測しつつ突合せ溶接部2を探傷するので、図面と異なる形状を有する継手部であったとしても、検査結果の信頼性が向上する。
また、傷の形状がより明確になり、真に対策が必要な面状傷に対する処理を行うことができる。
また、傷の形状がより明確になり、真に対策が必要な面状傷に対する処理を行うことができる。
以上説明してきたように、本実施形態に係る超音波検査装置20、それを備えた超音波検査システム10、及び超音波検査方法並びにプログラムによれば、ボイラの伝熱管12が異なる複数の超音波が発信され、入射角が異なる超音波は、垂直探触子5によって被検査体の垂直方向に入射されるものと、小屈折角探触子6及び大屈折角探触子7とによって被検査体の面に対して斜めに入射されるものとされ、垂直探触子と斜角探触子は同一のウェッジ9に固定される。
垂直探触子5は伝熱管12の垂直方向に超音波が入射されその反射波を検出することにより伝熱管12の内面の実形状が計測できる。斜角探触子(小屈折角探触子6及び大屈折角探触子7)によって伝熱管12の斜め方向から超音波が入射されると、屈折角が異なる超音波が伝熱管12内を伝播し、突合せ溶接部2に反射した反射波を検出することにより、伝熱管12(突合せ溶接部2)で傷や割れ等の不具合による想定外の反射があるかを計測できる。これにより、伝熱管12がシニング加工されることにより部分的に形状が異なっている場合や、経年劣化により被検査体の形状が導入当初と異なっている(例えば、減肉現象)場合であっても、1つのウェッジ9を介した垂直探触子5と斜角探触子6,7とを用いて正しい形状を把握しつつ、傷や割れ等の不具合を検出できる。
斜角探触子6,7は、被検査体に対して、屈折角を異ならせる複数の超音波探触子を設けることにより、垂直方向の肉厚方向の広域に渡って詳細に検査ができる。これにより、突合せ溶接部2の有害な傷も見逃すことなく、効率的な検査を実現できる。
また、管内面の融合不良等の面状の傷等を見逃すことなく、検出することができる。
斜角探触子6,7は、被検査体に対して、屈折角を異ならせる複数の超音波探触子を設けることにより、垂直方向の肉厚方向の広域に渡って詳細に検査ができる。これにより、突合せ溶接部2の有害な傷も見逃すことなく、効率的な検査を実現できる。
また、管内面の融合不良等の面状の傷等を見逃すことなく、検出することができる。
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。例えば、本実施形態においては、管の肉厚方向を広範囲に検査するために垂直探触子5と小屈折角探触子6と大屈折角探触子7とを1つのウェッジ9に配置することとして説明していたが、これに限定されず、小屈折角探触子6と大屈折角探触子7のうち少なくとも1つと、垂直探触子5とをウェッジ9に配置することとしてもよい。
2 突合せ溶接部
3 シリング加工部
5 垂直探触子(超音波探触子)
6 小屈折角探触子(小屈折角超音波探触子)
7 大屈折角探触子(大屈折角超音波探触子)
9 ウェッジ
10 超音波検査システム
11,12 伝熱管
20 超音波検査装置
30 制御装置
3 シリング加工部
5 垂直探触子(超音波探触子)
6 小屈折角探触子(小屈折角超音波探触子)
7 大屈折角探触子(大屈折角超音波探触子)
9 ウェッジ
10 超音波検査システム
11,12 伝熱管
20 超音波検査装置
30 制御装置
Claims (6)
- 被検査体に対し入射角を異ならせた超音波を発信する複数の超音波探触子と、
複数の前記超音波探触子が固定され、前記被検査体の表面と接触可能なウェッジと、を備え、
前記超音波探触子は、前記被検査体の面に対する垂直方向に前記超音波を発信する垂直探触子と、前記被検査体の前記面に対して斜めに前記超音波を発信する斜角探触子とを含む超音波検査装置。 - 前記斜角探触子は、前記被検査体の前記面に対して入射した前記超音波を、所定角度未満の屈折角とする小屈折角超音波探触子と、前記被検査体の前記面に対して入射した前記超音波を、所定角度以上の屈折角とする大屈折角超音波探触子とを備える請求項1に記載の超音波検査装置。
- 検査対象は、配管の突合せ溶接部とする請求項1または請求項2に記載の超音波検査装置。
- 請求項1から請求項3のいずれかに記載の超音波検査装置と、
前記超音波検査装置から取得した前記被検査体による反射波に基づいて、前記被検査体の不具合を検出する制御装置と
を具備する超音波検査システム。 - 被検査体に対し入射角を異ならせた超音波を複数の超音波探触子により発信する第1工程と、
前記被検査体の表面に、複数の前記超音波探触子が固定されたウェッジを接触させる第2工程と、を備え、
前記被検査体の面に対して垂直方向に前記超音波を発信させる第3工程と、
前記被検査体の前記面に対して斜めに前記超音波を発信させる第4工程とを含む超音波検査方法。 - 被検査体の表面に接触させたウェッジに固定された複数の超音波探触子から、前記被検査体に対し入射角を異ならせた超音波を発信させる処理と、
垂直探触子から前記被検査体の面に対して垂直方向に前記超音波を発信させる処理と、
斜角探触子から前記被検査体の前記面に対して斜めに前記超音波を発信させる処理とを含む超音波検査プログラム。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017032204A JP2018136252A (ja) | 2017-02-23 | 2017-02-23 | 超音波検査装置、それを備えた超音波検査システム、及び超音波検査方法並びにプログラム |
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JP (1) | JP2018136252A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP3712606A1 (en) * | 2019-03-19 | 2020-09-23 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Ultrasonic inspection device |
CN112098517A (zh) * | 2020-09-30 | 2020-12-18 | 吉林大学 | 复合式超声检测搅拌摩擦点焊的检测装置及方法 |
-
2017
- 2017-02-23 JP JP2017032204A patent/JP2018136252A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2020153770A (ja) * | 2019-03-19 | 2020-09-24 | 株式会社東芝 | 超音波検査装置 |
US11318497B2 (en) | 2019-03-19 | 2022-05-03 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Ultrasonic inspection device |
JP7145799B2 (ja) | 2019-03-19 | 2022-10-03 | 株式会社東芝 | 超音波検査装置 |
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