JP2015010255A - 球状黒鉛鋳鉄 - Google Patents

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Abstract

【課題】強度と延性がいずれも高い球状黒鉛鋳鉄を提供する。
【解決手段】質量%で、C:3.3〜4.0%、Si:2.1〜2.7%、Mn:0.20〜0.50%、S:0.005〜0.030%、Cu:0.20〜0.50%、Mg:0.03〜0.06%、を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなり、引張強度が550MPa以上かつ伸びが12%以上である球状黒鉛鋳鉄である。
【選択図】図2

Description

本発明は、球状黒鉛鋳鉄に関し、特に自動車の足廻り部品やエンジン部品に好適に適用される球状黒鉛鋳鉄に関する。
自動車等の燃費向上を図るため、車両用部品の軽量化が益々要求されている。車両用部品の軽量化を図る方法として、従来から用いられていた球状黒鉛鋳鉄を、比重の小さいアルミニウム合金やマグネシウム合金などの軽合金へ変えることが挙げられる。しかしながら、軽合金のヤング率は球状黒鉛鋳鉄に比べて低いため、自動車の足廻り部品やエンジン部品等へ軽合金を適用する場合には、剛性を確保するために断面積を大きくする必要があり、比重に応じた軽量化を得ることは難しい。また、軽合金は球状黒鉛鋳鉄に比べて材料コストが高いことから、軽合金の適用は限定されている。
一方、金属板を板金加工して車両用部品を製造することで、薄肉化と軽量化を図る方法がある。しかしながら、板金加工は材料の加工性や成形性などの制限から形状自由度が小さく、複雑な形状の場合は一体成形が困難となる。このため、車両用部品を複数の部材に分割して各部材を板金加工した後、部材同士を接合する必要があり、接合部の強度低下、部品点数の増加、製造コストの上昇が生じるという問題がある。
ところで、従来から自動車の足廻り部品に用いる球状黒鉛鋳鉄として、引張強度が400〜450MPaのFCD400材やFCD450材(JIS G 5502に準拠)などが多用されている。そして、球状黒鉛鋳鉄を用いて部品の軽量化を図る方法として、上記のFCD400材やFCD450材よりも強度の高いFCD500材やFCD600材(JIS G 5502に準拠)などを用い、部品の断面積を小さくすることが挙げられる(特許文献1)。
特開平4−308018公報
しかしながら、上記したFCD500材やFCD600材は、引張強度は高くなるが伸びや衝撃値が著しく低下して脆くなるため、車両の衝突時の部品の破断を抑制するための伸びや衝撃値が十分とはいえない。特に、材料が脆くなると、塑性変形を伴わない突発的な破壊である脆性破壊を起こしやすくなる。そして、自動車の足廻り部品やエンジン部品は、短時間に大きな負荷が生じるような衝撃荷重が作用した場合でも破断(分離)しないことが必要であり、脆性破壊し難く、かつ強度、延性、靭性を有する材料が望まれる。
自動車の足廻り部品に一般に要求される機械的性質は、例えばFCD450材の場合、伸び10%以上、常温における衝撃値(Uノッチ付での評価)は10J/cm2以上、脆性破面率は50%以下である。
本発明は、上記問題を解決するものであり、強度と延性がいずれも高い球状黒鉛鋳鉄を提供することを目的とする。
本発明の球状黒鉛鋳鉄は、質量%で、C:3.3〜4.0%、Si:2.1〜2.7%、Mn:0.20〜0.50%、S:0.005〜0.030%、Cu:0.20〜0.50%、Mg:0.03〜0.06%、を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなり、引張強度が550MPa以上かつ伸びが12%以上である。
質量%で、MnとCuを合計0.45〜0.60%含有することが好ましい。
質量%で、Siの含有量と、MnとCuの合計含有量との比(Si/(Mn+Cu))が4.0〜5.5であることが好ましい。
黒鉛粒数が300個/mm2以上、且つ黒鉛の平均粒径が20μm以下であることが好ましい。
常温及び−30℃における衝撃値が10J/cm2以上であることが好ましい。
0℃における衝撃破断面の脆性破面率が50%以下であることが好ましい。
本発明によれば、強度と延性がいずれも高い球状黒鉛鋳鉄が得られる。
実施例を作成するためのキャビティ形状のベータセット鋳型を示す上面図である。 実施例1の試験片の断面の組織写真を示す図である。 実施例2の試験片の断面の組織写真を示す図である。 比較例1の試験片の断面の組織写真を示す図である。 比較例2の試験片の断面の組織写真を示す図である。 実施例1の衝撃試験(RT:室温)後の試験片の破面写真を示す図である。 実施例2の衝撃試験(RT:室温)後の試験片の破面写真を示す図である。 比較例1の衝撃試験(RT:室温)後の試験片の破面写真を示す図である。 比較例2の衝撃試験(RT:室温)後の試験片の破面写真を示す図である。 各実施例(本発明材)および比較例の引張強度と伸びの関係を示す図である。 各実施例(本発明材)および比較例の衝撃値と温度の関係を示す図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。なお、本発明において%とは、特に断らない限り、質量%を示すものとする。
本発明の実施形態に係る球状黒鉛鋳鉄は、質量%で、C:3.3〜4.0%、Si:2.1〜2.7%、Mn:0.20〜0.50%、P:0.05%以下、S:0.005〜0.030%、Cr:0.1%以下、Cu:0.20〜0.50%、Mg:0.03〜0.06%を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなり、引張強度が550MPa以上かつ伸びが12%以上である。
<組成>
C(炭素)は、黒鉛組織となる元素である。Cの含有量が3.3%未満の場合、黒鉛粒数が減少してパーライトが多くなり、強度は向上するが、伸びおよび衝撃値が低下する。Cの含有量が4.0%を超えると、黒鉛粒径が大きくなり爆発状黒鉛となって球状化率が低下し、伸びおよび衝撃値が低下する。従って、Cの含有量を3.3〜4.0%とする。
Siは、黒鉛の晶出を促進させる元素である。Siの含有量が2.1%未満の場合、伸びは大きくなるが強度が低下することがある。Siの含有量が2.7%を超えると、シリコンフェライトの影響で衝撃値が低下することがある。従って、Siの含有量を2.1〜2.7%とすることが好ましい。なお、基地組織へ最適な量を固溶させるため、Siの含有量を2.1〜2.4%とするのがさらに好ましい。Siの含有量を2.7%以下とすると、基地組織へのSiの固溶量も減少し、低温下における脆化が軽減され、衝撃吸収エネルギーが大きくなるものと考えられる。
Mnは、パーライト組織の安定化元素である。Mnの含有量が0.20%未満の場合、強度が低下する。Mnの含有量が0.5%を超えるとパーライトが多くなり、伸びおよび衝撃値が低下する。従って、Mnの含有量を0.20〜0.5%とする。
Sの含有量が0.005%未満の場合、黒鉛粒数が300個/mm2 未満に減少し、パーライトが多くなり、伸びおよび衝撃値が低下する。Sの含有量が0.030%を超えると黒鉛化を阻害するとともに黒鉛の球状化率が低下するため、伸びおよび衝撃値が低下する。従って、Sの含有量を0.005〜0.030%とする。
Cuは、パーライト組織の安定化元素であり、Cu含有量が高くなると基地組織のパーライト率が高くなり、強度は上昇する。Cuの含有量が0.2%未満では強度が低下する。一方、Cuの含有量が0.5%を超えるとパーライトが多くなり過ぎ、伸びおよび衝撃値が低下する。従って、Cuの含有量を0.2〜0.5%とする。
Mgは、黒鉛の球状化に影響する元素であり、残留Mg量が黒鉛の球状化を判断する指標となる。Mgの残留量が0.03%未満であると黒鉛球状化率が低下し、強度および伸びが低下する。残留Mg量が0.06%を超えると、炭化物(チル組織)が析出しやすくなり、伸びおよび衝撃値が大幅に低下する。従って、Mgの含有量を0.03〜0.06%とする。
MnとCuを合計0.45〜0.60%含有するとよい。Mn及びCuの含有量が0.45%未満になると引張り強度が十分に向上せず、0.60%を超えると伸びおよび衝撃値が低下して所望の機械的性質が得られないことがある。
Siの含有量と、MnとCuの合計含有量との比(Si/(Mn+Cu))を4.0〜5.5とすることで、強度と伸びをバランス良く向上させ、かつMnとCuの添加量を最小限に抑えることができる。上記比が4.0未満の場合、伸び、衝撃値が著しく低下する。又、上記比が5.5を超えると、引張強度が低下することがある。
球状黒鉛鋳鉄中にMnとCuを一定量含有させることにより、基地組織のパーライトを増加させて引張強度を高くすることが必要である。しかし、MnとCuを多量に含有させるとパーライトが過剰となり、伸びと衝撃値が大幅に低下する。一方、基地組織のフェライトを増加させることで伸びと衝撃値を維持することができる。そして、フェライト化した基地組織にSiを固溶させると、引張強度を高めることができる。ただし、Siを過剰に固溶させると衝撃値が低下する。
このようなことから、基地組織のパーライトとフェライトとの割合を特定範囲にバランスさせるよう、上記比(Si/(Mn+Cu))を規定することで、引張強度を高め、かつ伸びと衝撃値を向上させることが可能となる。
なお、基地組織におけるパーライトの面積率(パーライト率)は、鋳鉄の断面の金属組織写真から画像処理によって、(1)黒鉛を除いた組織を抽出し、(2)黒鉛及びフェライトを除き、パーライト組織を抽出し、(パーライトの面積)/(パーライト+フェライトの面積)によって算出した。
パーライト率は30〜55%であることが好ましい。
不可避不純物としては、P、Crが挙げられる。Pの含有量が0.05%を超えるとステダイトが過剰に生じる影響で衝撃値および伸びが低下する。Crの含有量が0.1%を超えると炭化物が析出しやすくなり衝撃値および伸びが低下する。
球状黒鉛鋳鉄の黒鉛粒数が300個/mm2以上、且つ黒鉛の平均粒径が20μm以下であることが好ましい。上述のように、基地組織のパーライトとフェライトとの割合を特定範囲にバランスさせる際、フェライト化させるためにシリコンなどの黒鉛化元素を添加すると、黒鉛の粒数は増加し、黒鉛粒径は小さくなる。そして、黒鉛粒数が300個/mm2以上、且つ黒鉛の平均粒径が20μm以下であると、微小な黒鉛が多く分布し、衝撃値特性が向上する。一方、粗大な黒鉛が組織に存在すると、内部切り欠き効果が大きく亀裂長さも長く合体しやすくなるため、破断し易くなる。なお、黒鉛粒数が300個/mm2以上、且つ黒鉛の平均粒径が20μm以下となるような条件としては、Cの溶解度を増加させる元素の添加(MnやCr)を減らしたり、冷却速度を高くすることが挙げられる。
本発明の球状黒鉛鋳鉄は、鋳放し状態で引張強度が550MPa以上かつ伸びが12%以上、常温及び−30℃における衝撃値が10J/cm2以上、0℃における衝撃破断面の脆性破面率が50%以下となる。
このため、本発明の球状黒鉛鋳鉄は、より強靭性が求められる例えばステアリングナックル、ロアアーム、アッパーアーム、サスペンションなどの足回り部品や、シリンダーヘッド、クランクシャフト、ピストンなどのエンジン部品への適用が可能となる。
本発明の球状黒鉛鋳鉄を製造する場合、鋳造時にCa,Ba,Al,S及びREの群から選ばれる少なくとも2種以上を含んだFe−Si合金(フェロシリコン)等の接種剤を添加することが好ましい。接種方法は、製品形状や製品肉厚等により取鍋接種や注湯流接種、鋳型内接種を選択することができる。
鋳造時に、La、Ce及びNdの群から選択される1種または2種以上のREを添加すると、黒鉛粒数が増加するので好ましい。
接種剤として、REとSを添加する場合は、(RE/S)の配合比(質量比)が2.0〜4.0であることが望ましい。Sは、S単独でもFe−Sの形態のどちらで添加してもよい。
なお、黒鉛粒数を増やす方法として、ランタノイドの硫化物を黒鉛の核として生成させることが知られているが、溶湯中にあるSだけでは核の生成が不十分である。 また、特許文献1に記載されているように黒鉛球化処理直前に硫化物を添加すると、硫化物が過剰に添加された場合には球化不良の原因となる。このようなことから、球状化処理反応後に接種材を添加することが好ましい。
高周波電気炉を用いてFe−Si系溶湯を溶解し、さらに球状化剤(Fe−Si−Mg)を添加して球状化処理を施し、次いで接種剤としてBa、S,REを含んだFe−Si合金(Si:70〜75%)に対し、(RE/S)の配合比が2.0〜4.0となるようにFe−Sを加え、これらの接種剤の合計が、溶湯全体に対して約0.2質量%となるように調整し、表1に示す組成とした。
この溶湯を、図1に示すキャビティ形状のベータセット鋳型10に注湯し、常温まで鋳型内冷却した後、鋳型内より鋳造品を取り出した。ベータセット鋳型10キャビティ形状は、車両用部品のステアリングナックルの肉厚を想定し、断面の直径が25mm程度の丸棒3を複数本設置した形状としている。なお、図1の符号1は湯口を示し、符号2は押湯を示す。
なお、比較例1、2は、それぞれJIS G 5502に準拠するFCD400材、FCD550材である。
得られた鋳造品につき、以下の評価を行った。
黒鉛粒数及び黒鉛の平均粒径:光学顕微鏡の倍率を100倍として観察箇所を画像として取り込んだ後、画像解析システムにより2値化を行ない、マトリクスより暗い部分(黒鉛に相当)の個数及び平均粒径の測定を行なった。測定結果は5か所の観察箇所についての平均値とした。また対象とする黒鉛の測定条件は平均粒径10μm以上とした。なお、平均粒径は円相当径である。
球状化率は、JIS G 5502に準拠した方法で測定した。
図2〜図5は、それぞれ実施例1、実施例2、比較例1、比較例2の試験片の断面の組織写真を示す。
引張り強度と破断伸び:鋳造品の丸棒3を切断し、旋盤加工によりJIS Z 2241に準拠した引張試験片を作製し、アムスラー万能試験機(1000kN)を用いてJIS Z 2241に準拠して引張試験を行い、引張り強度と破断伸びを測定した。
衝撃値と脆性破面率:鋳造品の丸棒3からJIS Z 2241に準拠したUノッチ付衝撃試験片を作製し、シャルピー衝撃試験機(50J)を用いて衝撃試験を行い、衝撃値を測定した。さらに衝撃試験後の試験片の破面をマイクロスコープで画像として取り込んだ後、面積計算ソフトを用いて脆性部分(金属光沢のある部分)の面積割合を測定し、脆性破面率を求めた。
図6〜図9は、それぞれ実施例1、実施例2、比較例1、比較例2の衝撃試験(RT:室温)後の試験片の破面写真を示す。破面において、金属光沢を呈した白い部分が脆性破面である。但し、破面の上部の白い部分はUノッチ部であるので、Uノッチ部を除く。
表1、表2から明らかなように、MnとCuを合計0.45〜0.60%含有し、かつ比(Si/(Mn+Cu))が4.0〜5.5である各実施例の場合、引張強度が550MPa以上かつ伸びが12%以上となり、強度と延性がいずれも向上した。又、各実施例の場合、黒鉛粒数が300個/mm2以上、且つ黒鉛の平均粒径が20μm以下となり、常温及び−30℃における衝撃値が10J/cm2以上、0℃における衝撃破断面の脆性破面率が50%以下となって靱性も向上した。
一方、MnとCuの合計含有量が0.45%未満で、比(Si/(Mn+Cu))が5.5を超えた比較例1の場合、強度が低下した。
MnとCuの合計含有量が0.60%を超え、比(Si/(Mn+Cu))が4.0未満である比較例2の場合、延性が低下した。
図10は、各実施例(本発明材)および比較例の引張強度と伸びの関係を示す。比較例1は伸びが20%以上と高いものの、強度に対する伸びの感受性が高く(強度増加による伸びの低下が大きく)、僅かな強度増加で伸びが急激に低下するので材料の安定性に劣る。一方、各実施例の場合、強度に対する伸びの感受性は低く、安定している。
図11は、各実施例(本発明材)および比較例の衝撃値と温度の関係を示す。比較例2は低温(−30℃)における衝撃値が10J/cm2未満となった。
1 湯口
2 押湯
3 丸棒
10 ベータセット鋳型
本発明の球状黒鉛鋳鉄は、質量%で、C:3.3〜4.0%、Si:2.1〜2.4%、Mn:0.20〜0.50%、S:0.005〜0.030%、Cu:0.20〜0.50%、Mg:0.03〜0.06%、を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなり、質量%で、MnとCuを合計0.45〜0.60%含有し、Siの含有量と、MnとCuの合計含有量との比(Si/(Mn+Cu))が4.0〜5.5、パーライト率が30〜55%であり、引張強度が550MPa以上かつ伸びが12%以上、常温及び−30℃における衝撃値が10J/cm 2 以上である。
鉛粒数が300個/mm2以上、且つ黒鉛の平均粒径が20μm以下であることが好ましい
0℃における衝撃破断面の脆性破面率が50%以下であることが好ましい。


Claims (6)

  1. 質量%で、C:3.3〜4.0%、Si:2.1〜2.7%、Mn:0.20〜0.50%、S:0.005〜0.030%、Cu:0.20〜0.50%、Mg:0.03〜0.06%、を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなり、
    引張強度が550MPa以上かつ伸びが12%以上であることを特徴とする球状黒鉛鋳鉄。
  2. 質量%で、MnとCuを合計0.45〜0.60%含有することを特徴とする請求項1に記載の球状黒鉛鋳鉄。
  3. 質量%で、Siの含有量と、MnとCuの合計含有量との比(Si/(Mn+Cu))が4.0〜5.5であることを特徴とする請求項1又は2に記載の球状黒鉛鋳鉄。
  4. 黒鉛粒数が300個/mm2以上、且つ黒鉛の平均粒径が20μm以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の球状黒鉛鋳鉄。
  5. 常温及び−30℃における衝撃値が10J/cm2以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の球状黒鉛鋳鉄。
  6. 0℃における衝撃破断面の脆性破面率が50%以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の球状黒鉛鋳鉄。
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