JP2015009536A - 気泡シートの製造方法、製造装置、気泡シート - Google Patents

気泡シートの製造方法、製造装置、気泡シート Download PDF

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Abstract

【課題】加圧ロール等により複数のフィルムの貼り合わせを行う場合に生じる温度管理、圧力管理、及び多数の筋状気泡の見栄えの良い気泡シートの製造方法と気泡シートを提供する。【解決手段】真空成形ロール23の外周面であってキャビティ232間に位置する部位に押上突部235を設けておき、バックフィルム12が静電気により前記真空成形ロール23に巻装されているキャップフィルム11に密着する際に、前記真空成形ロール23の前記押上突部235により押し上げられたキャップフィルム11の特定部分が、他の部分よりも先にバックフィルム12に融着することにより、筋状気泡15を形成する。【選択図】図7

Description

本発明は、緩衝材等に使用される気泡シートの製造方法、並びに、製造装置、及びこの製造方法によって製造される気泡シートに関するものである。
複数枚の合成樹脂製のフィルムによって製造される気泡シートとして、多数の突起を有するキャップフィルムと、このキャップフィルムの突起開放側に添設されるバックフィルムとを備えた2層構造のものが種々知られている。
気泡シートの製造方法の一例としては、真空成形ロールに熱可塑化状態にある合成樹脂製のフィルムを供給して多数の突起を有するキャップフィルムを形成するとともに、このキャップフィルムが前記真空成形ロール上にある間に熱可塑化状態にあるバックフィルムを前記キャップフィルムの突起開放側に接触させて融着するものが挙げられる。
従来、バックフィルムBFをキャップフィルムCFに接触させて融着する際に、例えば図8に示すように、加圧ロールZ1を用いた方法を採用していた。具体的には、バックフィルムBFがキャップフィルムCFに接触した直後の位置に配された加圧ロールZ1によってバックフィルムBFを加圧して、キャップフィルムCFに押し付けるようにするものである。
詳述すれば、加圧ロールZ1の温度は、バックフィルムBFが結晶化する温度よりも低く設定されており、バックフィルムBFを冷却しながら押圧して、当該バックフィルムBFをキャップフィルムCFに貼り合わせるという方法を採用していた。
ところが、加圧ロールZ1が過度に冷却されていた場合には、キャップフィルムCFに融着する前にバックフィルムBFの結晶化が過度に進行してしまい、バックフィルムBFがキャップフィルムCFと融着しなくなるという問題があった。
また、温度と同様に融着具合に影響を与える重要な要素として、加圧ロールZ1の押圧の際の圧力が挙げられる。前記圧力を高くすることで融着は促進される傾向にあるが、圧力が高すぎる場合には、溶融状態の樹脂が加圧ロールZ1に巻き付き、生産ラインの停止を招くトラブルの原因となっていた。
このように、気泡シートの生産時の加圧ロールの温度及び/または圧力管理は非常にシビアな問題であった。
また、バックフィルムをキャップフィルムに接触させて融着する際に、電極針を用いた方法も考えられている(例えば、下記特許文献1を参照)。具体的には、バックフィルムをキャップフィルムに接触させて融着する際に、電極針を備えた放電装置から放電を行ってバックフィルムに静電気を帯びさせ、この静電気により真空成形ロール上にあるキャップフィルムに密着するようにしている。この放電装置は、図9に模式的に示すように、放電基盤W1に多数の電極針W2が平行かつ等間隔に植えられたものであり、電極針W2の針先W3から金属体である真空成形ロールW4の一番近い箇所に向かって、約30度の範囲に広がりをもって放電が行われる。図9では、放電電流のイメージをパターンで示している。このように、所定の間隔で並んだ電極針W2から広がるように放電されると、バックフィルムの幅方向で電圧のムラが生じてしまう。そして、この電圧のムラに起因して、キャップフィルムとバックフィルムとの融着面には多数の筋状気泡が発生してしまい、気泡シートの見栄えを損ねるという問題があった。
特開2010−58502号公報
本発明は、加圧ロール等により複数のフィルムの貼り合わせを行う場合に生じる温度管理、圧力管理の問題、及び、多数の筋状気泡が発生して気泡シートの見栄えを損ねるという問題を解決することができる気泡シートの製造方法、製造装置、及び、この製造方法によって製造された気泡シートを提供することを目的としている。
本発明は、以上のような課題を解決するために、次のような構成を採用したものである。すなわち、本発明に係る気泡シートの製造方法は、外周面に多数のキャビティを有した真空成形ロールに熱可塑化状態にある合成樹脂製のフィルムを供給して前記キャビティに対応した突起を有するキャップフィルムを形成するとともに、このキャップフィルムが前記真空成形ロール上にある間に熱可塑化状態にあり電極針により静電気を付与されたバックフィルムを前記キャップフィルムの突起開放側に接触させて融着させることにより気泡シートを製造する方法であって、前記真空成形ロールの外周面であってキャビティ間に位置する部位に押上突部を設けておき、前記バックフィルムが静電気により前記真空成形ロールに巻装されているキャップフィルムに密着する際に、前記真空成形ロールの前記押上突部により押し上げられたキャップフィルムの特定部分が、他の部分よりも先にバックフィルムに融着されるようにしたことを特徴とする。
このようなものであれば、温度管理、圧力管理の難しい加圧ロールを使わないため、複数のフィルムの貼り合わせを行う場合に生じる温度管理、圧力管理の問題を解消できる。そのうえ、前記押上突部でキャップフィルムをバックフィルム側に押し上げることによって、製造段階でキャップフィルムとバックフィルムとの間に入り込み筋状気泡を形成し得る空気をキャップフィルムの突起側へと送り出すことができる。したがって、キャップフィルムとバックフィルムとの間に比較的大きな多数の筋状気泡が発生することを抑制でき、気泡シートの見栄えを損ねるという問題を解決できる。
前記各押上突部の好適な一態様としては、三角錐形状をなすものが挙げられる。
また、本発明の気泡シートの製造装置は、外周面に多数のキャビティを有するとともにそれらキャビティ間に位置する部位に押上突部を有してなる真空成形ロールと、熱可塑化状態で下降してくるバックフィルムが真空成形ロール上のキャップフィルムと接触する直前の位置に配設された電極針と、この電極針と前記真空成形ロールとの間に高圧の直流電圧を印加してバックフィルムに静電気を帯びさせるための電圧印加手段とを具備してなることを特徴とする。
前記真空成形ロールの具体的な一態様としては、複数の円形のキャビティを軸方向に所定のピッチで直列配置した第1のキャビティ列と、この第1のキャビティ列に対して半ピッチずらした状態で複数の円形のキャビティを軸方向に所定のピッチで直列配置した第2のキャビティ列とが、円周方向に交互に配設されたものであり、前記各押上突部が、隣接する3つのキャビティ間に形成される領域にそれぞれ突設されたものが挙げられる。
前記製造方法によって製造される気泡シートとしては、前記キャップフィルムにおける前記突起が形成されていない平坦部分と前記バックフィルムとの間に筋状気泡が多数形成されており、各筋状気泡の大きさが、長さ寸法が1.3〜1.4mm以下で、かつ、幅寸法が0.4〜0.5mm以下であるものが好適な一態様として挙げられる。
本発明は、以上のような構成であるから、加圧ロール等により複数のフィルムの貼り合わせを行う場合に生じる温度管理、圧力管理の問題、及び、多数の筋状気泡が発生して気泡シートの見栄えを損ねるという問題を一挙に解消することができる。
本発明の一実施形態にかかる気泡シートを拡大して示す平面図。 図1のX−X線端面図。 同実施形態の気泡シートの製造装置を模式的に示す側面図。 同実施形態の気泡シートの製造装置の要部を模式的に示す平面図。 同実施形態の気泡シートの製造装置における成形ロールの一部を拡大して示す平面図。 図5のY−Y線断面図。 同実施形態の気泡シートの製造装置の要部を拡大して模式的に示す側面図。 従来の気泡シートの製造装置を模式的に示す側面図。 従来の気泡シートの製造装置を模式的に示す平面図。
以下、本発明の一実施形態について図1〜図7を参照して説明する。
本実施形態の気泡シート1は、図1〜図3及び図7に示すように、柔軟性を有した中空シート状のもので、合成樹脂、例えばポリオレフィン樹脂により作られている。具体的には、気泡シート1は、多数のキャップ状の突起13を有するキャップフィルム11と、このキャップフィルム11の突起13開放側に添着したバックフィルム12とからなる。気泡シート1は、キャップフィルム11とバックフィルム12とを備えた2層構造を有する従来品と同様であり、材料としては、常用のポリエチレンをはじめ、ポリプロピレンのようなポリオレフィン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ナイロンそのほか多種類のプラスチックが使用できる。
キャップフィルム11は、図1〜図3及び図7に示すように、厚み寸法を例えば30μm程度に設定している。なお、キャップフィルム11の厚み寸法は、30μm〜90μmが好ましい。キャップフィルム11は、多数の円柱形状の突起13を有しており、各突起13は、図1に示すように、平面視円形状をなしている。
バックフィルム12は、図1〜図3及び図7に示すように、厚み寸法を例えば10μm程度に設定している。なお、バックフィルム12の厚み寸法は、10μm〜30μmが好ましい。バックフィルム12は、凹凸を有しない平坦なものであり、前記キャップフィルム11の突起13開放側に添着されることにより、多数の密閉された気泡14が形成される。
気泡14は、図1、図2及び図7に示すように、形状が低い円柱状のものであって、寸法は、直径が6mm〜50mm程度、高さが2mm〜30mm程度のものである。本実施形態では気泡14の直径を10mm程度とし、高さを4mm程度に設定してある。なお、気泡14の直径は6.5mm〜10mmが好ましく、気泡14の高さ寸法は2mm〜4mmが好ましい。この気泡14の配置は、流れ方向にはピッチが約11.5mmの千鳥状に配置されているが、幅方向には直線状に並んでいる。
しかして、本実施形態の気泡シート1は、図1、図2及び図7に示すように、前記キャップフィルム11における前記突起13が形成されていない平坦部分16と前記バックフィルム12との間に筋状気泡15が多数形成されている。各筋状気泡15は、気泡シート1の流れ方向に伸びる細長い形状をなすものであり、互いに大きさ及び形状が異なっている。各筋状気泡15は、キャップフィルム11の平坦部分16にバックフィルム12が波状に添着されることにより、多数の密閉された空間が形成されたものである。各筋状気泡15の大きさは、長さ寸法が2mm以下で、かつ、幅寸法が1mm以下である。本実施形態では特に、筋状気泡15の大きさは、長さ寸法が1.3〜1.4mm以下であり、かつ、幅寸法が0.4〜0.5mm以下である。なお、後述する押上突部235を備えない真空成形ロールと電極針とを用いた従来の製造方法によれば、各筋状気泡15の大きさが、これよりも大きな値となるものも存在することとなる。すなわち、比較的小さい筋状気泡15が形成された気泡シート1は、雨だれのような模様が表れてしまうものの、各筋状気泡15が小さいため、見た目にそれほど悪影響を与えない。
次に、このような気泡シート1の製造装置2及び製造方法について説明する。
2層構造の気泡シート1は、図3〜図7に示すように、溶融状態にある樹脂フィルムを連続的に供給するダイ21、22と、外周面231に複数のキャビティ232が形成された真空成形ロール23とを主体に構成される製造装置2を用いて作られる。詳述すれば、この製造装置2は、真空成形ロール23に熱可塑化状態にある合成樹脂製のフィルムを供給して多数の突起13を有するキャップフィルム11を形成するとともに、このキャップフィルム11が前記真空成形ロール23上にある間に熱可塑化状態にあるバックフィルム12を前記キャップフィルム11の突起13開放側に接触させて融着させることにより2層構造をなす気泡シート1を得るものである。
そして、本実施形態の製造装置2は、外周面231に多数のキャビティ232を有するとともにそれらキャビティ232間に位置する部位に押上突部235を有してなる真空成形ロール23と、熱可塑化状態で下降してくるバックフィルム12が真空成形ロール23上のキャップフィルム11と接触する直前の位置に配設された電極針25と、この電極針25と前記真空成形ロール23との間に高圧の直流電圧を印加してバックフィルム12に静電気を帯びさせるための電圧印加手段26とを具備してなる。
真空成形ロール23は、図3〜図7に示すように、ロール本体の外周面231に多数個凹設されたキャップ成形用のキャビティ232と、ロール本体の一端から他端に亘って形成され両端を開口した吸引用横孔(図示せず)と、各キャビティ232の底壁部に設けられ当該キャビティ232をそれぞれ前記吸引用横孔に連通させる真空通路(図示せず)とを具備してなる。
各キャビティ232は、図3〜図7に示すように、円柱形状のものであり、ロール本体の外周面231に巾方向(軸方向)に沿って直線上に配列されるとともに、ロール本体の外周面231に周方向に沿って千鳥状(非直線上)に配列されている。換言すれば、本実施形態の真空成形ロール23は、複数の円形のキャビティ232を軸方向に所定のピッチで直列配置した第1のキャビティ列233と、この第1のキャビティ列233に対して半ピッチずらした状態で複数の円形のキャビティ232を軸方向に所定のピッチで直列配置した第2のキャビティ列234とが、円周方向に交互に配設されたものである。
本実施形態の真空成形ロール23は、図4〜図7に示すように、隣接する3つのキャビティ232間に形成される三角形状をなす領域に押上突部235が1つずつ形成されている。前記各押上突部235は、前記領域にそれぞれ突設されたものであり、先端に向かって漸次縮小形状となる三角錐形状をなしている。
電極針25は、図3、図4及び図7に示すように、放電基盤24に平行かつ等間隔に植えられたものであり、当該電極針25の先端251から金属体である真空成形ロール23の一番近い箇所に向かって、約30度の範囲に広がりをもって放電が行われる。本実施形態では、内部に冷却水の流路を設けた直径300mmの真空成形ロール23を対象に、電極針25の先端251と真空成形ロール23の外周面231との距離が約75mmになるように電極針25を配している。また、電極針25は、真空成形ロール23の軸心A1の高さ位置、換言すれば、直流電圧を印加していない場合にキャップフィルム11とバックフィルム12とが接着される位置よりも少し上方に配されている。
電圧印加手段26は、図4に示すように、前記電極針25と前記真空成形ロール23との間に高圧の直流電圧を印加してバックフィルム12に静電気を帯びさせるためのものである。本実施形態では、電極針25の側をプラス、真空成形ロール23の側がマイナスとなるように、所定の直流電圧、例えば、30kVの直流電圧を印加する。
なお、図3における符号29は、エアーナイフであり、キャップフィルム11とバックフィルム12とからなる積層体を冷却するためのものである。冷却は、気泡シート1の透明化や、高いラインスピードの実現に役立つ。本実施形態のラインスピードは、毎分45m程度に設定している。
このような製造装置2を用いた気泡シート1の製造方法を説明する。
まず、真空成形ロール23に熱可塑化状態にある合成樹脂製のフィルムを供給して、多数の突起13を有するキャップフィルム11を形成する。すなわち、真空成形ロール23の外周面231にキャップフィルム用の第1のダイ21からの樹脂フィルムを接触させるとともに、キャビティ232において吸引を行い、キャビティ232形状に対応した突起13を真空成形してキャップフィルム11とする。
そして、このキャップフィルム11が前記真空成形ロール23上にある間に、熱可塑化状態にあるバックフィルム12を前記キャップフィルム11の突起13開放側に接触させて融着させる。すなわち、成形された突起13の開放端側に、バックフィルム用の第2のダイ22から供給される樹脂フィルムをバックフィルム12として対向させるとともに、バックフィルム12をキャップフィルム11に密着させて両者を互いに熱融着により積層させる。この際、キャップフィルム11の突起13開放側にバックフィルム12が接触して融着する直前の位置に配設された電極針25と前記真空成形ロール23との間に、電圧印加手段26により高圧の直流電圧を印加して、バックフィルム12に静電気を帯びさせる。具体的には、電極針25から放電される放電電流は、図4及び図7で模式的に示すように、電極針25の先端251から真空成形ロール23の外周面231に向かって磁力線を描くように放電される。なお、図4及び図7では、放電電流のイメージをパターンで示している。
前記バックフィルム12が静電気により前記真空成形ロール23に巻装されているキャップフィルム11に密着する際に、前記真空成形ロール23の前記押上突部235により押し上げられたキャップフィルム11の特定部分が、他の部分よりも先にバックフィルム12に融着される。詳述すれば、三角錐状の押上突部235に触れたキャップフィルム11は、真空成形ロール23の円周表面上の他の個所よりも外側に押し出されるため、三角錐状の押上突部235に触れたキャップフィルム11、すなわち、キャップフィルム11のうち前記キャビティ232間の領域に対応する部分が、前記押上突部235によって押し上げられて三角錐形状に凹む。そのため、前記三角錐の頂点部分に対応するキャップフィルム11の前記特定部分が、それ以外の他の部分よりも先にバックフィルム12と接触する。その後、キャップフィルム11の前記他の部分がバックフィルム12と接触することとなる。このようにして、従来多くの筋状気泡が形成されていた箇所において、キャップフィルム11の特定部分とバックフィルム12とを早い段階で接触させることにより、筋状気泡15の元となる空気がキャップフィルム11の突起13の内部、すなわちキャップ部分に押し出される。
このようにして、静電気により前記真空成形ロール23に吸引されたバックフィルム12は、キャップフィルム11の突起13開放側に密着される。密着されたキャップフィルム11とバックフィルム12とは、真空成形ロール23の下側に配されたエアーナイフ29により冷却された後、剥離ロール20で剥離されることで2層構造の気泡シート1が得られる。
以上に述べたように、本実施形態に係る気泡シート1の製造方法は、外周面231に多数のキャビティ232を有した真空成形ロール23に熱可塑化状態にある合成樹脂製のフィルムを供給して前記キャビティ232に対応した突起13を有するキャップフィルム11を形成するとともに、このキャップフィルム11が前記真空成形ロール23上にある間に熱可塑化状態にあり電極針25により静電気を付与されたバックフィルム12を前記キャップフィルム11の突起13開放側に接触させて融着させることにより気泡シート1を製造する方法であって、前記真空成形ロール23の外周面231であってキャビティ232間に位置する部位に押上突部235を設けておき、前記バックフィルム12が静電気により前記真空成形ロール23に巻装されているキャップフィルム11に密着する際に、前記真空成形ロール23の前記押上突部235により押し上げられたキャップフィルム11の特定部分が、他の部分よりも先にバックフィルム12に融着されるようにした。
このようなものであれば、温度管理、圧力管理の難しい加圧ロールを使わないため、キャップフィルム11とバックフィルム12との貼り合わせを行う場合に生じる温度管理、圧力管理の問題を解消できる。そのうえ、前記押上突部235でキャップフィルム11をバックフィルム12側に押し上げることによって、製造段階でキャップフィルム11とバックフィルム12との間に入り込み筋状気泡15を形成し得る空気をキャップフィルム11の突起13側へと送り出すことができる。詳述すれば、従来筋状気泡が発生しやすかった部分で、キャップフィルム11をバックフィルム12に点状に接触させた後、その接触位置から周囲へと向かって次々と接触させることにより、キャップフィルム11とバックフィルム12との間の空気の巻き込みを小さくすることができる。したがって、キャップフィルム11とバックフィルム12との間に比較的大きな筋状気泡が発生しなくなり、気泡シート1の見栄えを比較的良好なものとすることができる。
特に、本実施形態では、前記各押上突部235が、三角錐形状をなすものであるので、真空成形ロール23の外周面231から最も突出した先端部分を中心として、隣接する3つのキャップフィルム11の突起13側へと空気を押し出すことができる。
また、本実施形態の気泡シート1の製造装置2は、外周面231に多数のキャビティ232を有するとともにそれらキャビティ232間に位置する部位に押上突部235を有してなる真空成形ロール23と、熱可塑化状態で下降してくるバックフィルム12が真空成形ロール23上のキャップフィルム11と接触する直前の位置に配設された電極針25と、この電極針25と前記真空成形ロール23との間に高圧の直流電圧を印加してバックフィルム12に静電気を帯びさせるための電圧印加手段26とを具備してなるものである。そのため、従来の加圧ロール等により複数のフィルムの貼り合わせを行う場合に生じる温度管理、圧力管理の問題、及び、従来の真空成形ロールと電極針とを用いた場合に生じる多数の筋状気泡が発生して気泡シートの見栄えを損ねるという問題を一挙に解決することができる。
さらに、従来バックフィルムの融着用に配されていた加圧ロールが不要となったので、キャップフィルム11に密着させたバックフィルム12をエアーナイフ29で急冷することが容易になり、それによってバックフィルム12の透明性を高めることが可能になった。
また、前記真空成形ロール23は、複数の円形のキャビティ232を軸方向に所定のピッチで直列配置した第1のキャビティ列233と、この第1のキャビティ列233に対して半ピッチずらした状態で複数の円形のキャビティ232を軸方向に所定のピッチで直列配置した第2のキャビティ列234とが、円周方向に交互に配設されたものであり、前記各押上突部235が、隣接する3つのキャビティ232間に形成される領域にそれぞれ突設されたものであるので、筋状気泡15が発生する部分を効果的に押し上げて突起13側に空気を逃がす構造とすることができる。
さらに、本実施形態の気泡シート1は、前記キャップフィルム11における前記突起13が形成されていない平坦部分16と前記バックフィルム12との間に、筋状気泡15が多数形成されており、各筋状気泡15の大きさが、長さ寸法が1.3〜1.4mm以下で、かつ、幅寸法が0.4〜0.5mm以下である。
すなわち、本実施形態のようなものであれば、バックフィルム12を無理矢理キャップフィルム11に押し付けることなく、なおかつ、キャップフィルム11とバックフィルム12との接着面に入る空気を可及的に少なくして、各筋状気泡15の大きさを従来の真空成形ロールを用いた場合よりも小さくすることができる。換言すれば、従来生じていた比較的大きな筋状気泡の発生を抑制することができるため、気泡シート1の見た目を良好なものとすることができる。なお、従来の加圧ロールを用いた方法の場合では、バックフィルムが加圧ロールにより機械的に押し潰されるため、キャップフィルムの平坦部分とバックフィルムとの間に気泡が入り込む余地はほとんどなく、筋状気泡の発生という問題が生じることはなかった。
なお、本発明は以上に述べた実施形態に限られない。
例えば、押上突部は、上述した実施形態のものに限られず種々変更可能であり、キャビティ間に位置する部位に設けられるものであれば、その配設箇所や大きさ、形状はどのようなものであってもよい。
気泡シートは、2層構造のものに限られず、本発明の気泡シートの製造方法を使用したものにさらにライナーフィルムを備えた3層構造のものであってもよい。また、気泡シートには、製造にあたって、任意の添加剤、例えば、着色剤、充填剤、酸化防止剤、帯電防止剤、抗菌剤、燃焼補助剤等を添加してもよい。
気泡(突起、キャビティ)の形状は、円柱状に限られず、種々変更可能である。また、気泡(突起、キャビティ)の配置も、千鳥配置に限られず、種々変更可能である。
印加する直流電圧の値や、電極針と真空成形ロールとの間の距離は、バックフィルムに使用するプラスチックの特性と、バックフィルムの厚さに応じて適宜選択すればよい。また、高圧の直流電圧を印加する方向は、バックフィルムを構成するプラスチックの種類に応じて選択する。その選択とは、プラスチックが高圧の直流電場に置かれたとき、プラスに帯電しやすいかマイナスに帯電しやすいかによるのであって、前者であれば、真空成形ロールをプラス、電極針をマイナスとし、後者であれば、逆に、電極針がプラスであって、真空成形ロールがマイナスとなるようにすればよい。具体的には、ナイロンはプラスに帯電しやすく、ポリエチレンやポリプロピレンのようなポリオレフィンはマイナスに帯電しやすい。ポリエステルやポリスチレンもマイナスになる。
また、キャップフィルムの製造方法は、ダイから溶融押し出ししたフィルムを可塑化状態にある間に真空成形ロールに供給する、いわゆる「直接法」に限られず、一旦フィルムにしたプラスチック材料を使用し、真空成形ロールに至る間に加熱ロールと接触させる等の手段により加熱して可塑化状態として供給する、いわゆる「再加熱法」を採用してもよい。再加熱法で製造すれば、直接法によって製造したものとくらべて腰の強い製品を製造可能となる。
その他、本発明の趣旨を損ねない範囲で種々に変更してよい。
1…気泡シート
11…キャップフィルム
12…バックフィルム
13…突起
15…筋状気泡
16…平坦部分
2…製造装置
23…真空成形ロール
231…外周面
232…キャビティ
233…第1のキャビティ列
234…第2のキャビティ列
235…押上突部
25…電極針
26…電圧印加手段

Claims (5)

  1. 外周面に多数のキャビティを有した真空成形ロールに熱可塑化状態にある合成樹脂製のフィルムを供給して前記キャビティに対応した突起を有するキャップフィルムを形成するとともに、このキャップフィルムが前記真空成形ロール上にある間に熱可塑化状態にあり電極針により静電気を付与されたバックフィルムを前記キャップフィルムの突起開放側に接触させて融着させることにより気泡シートを製造する方法であって、
    前記真空成形ロールの外周面であってキャビティ間に位置する部位に押上突部を設けておき、前記バックフィルムが静電気により前記真空成形ロールに巻装されているキャップフィルムに密着する際に、前記真空成形ロールの前記押上突部により押し上げられたキャップフィルムの特定部分が、他の部分よりも先にバックフィルムに融着されるようにしたことを特徴とする気泡シートの製造方法。
  2. 前記各押上突部が、三角錐形状をなすものである請求項1記載の気泡シートの製造方法。
  3. 請求項1記載の気泡シートの製造方法の実施に使用される気泡シートの製造装置であって、外周面に多数のキャビティを有するとともにそれらキャビティ間に位置する部位に押上突部を有してなる真空成形ロールと、熱可塑化状態で下降してくるバックフィルムが真空成形ロール上のキャップフィルムと接触する直前の位置に配設された電極針と、この電極針と前記真空成形ロールとの間に高圧の直流電圧を印加してバックフィルムに静電気を帯びさせるための電圧印加手段とを具備してなることを特徴とする気泡シートの製造装置。
  4. 前記真空成形ロールが、複数の円形のキャビティを軸方向に所定のピッチで直列配置した第1のキャビティ列と、この第1のキャビティ列に対して半ピッチずらした状態で複数の円形のキャビティを軸方向に所定のピッチで直列配置した第2のキャビティ列とが、円周方向に交互に配設されたものであり、前記各押上突部が、隣接する3つのキャビティ間に形成される領域にそれぞれ突設されたものである請求項3記載の気泡シートの製造装置。
  5. 請求項1記載の製造方法によって製造される気泡シートであって、
    前記キャップフィルムにおける前記突起が形成されていない平坦部分と前記バックフィルムとの間に筋状気泡が多数形成されており、
    各筋状気泡の大きさが、長さ寸法が1.3〜1.4mm以下で、かつ、幅寸法が0.4〜0.5mm以下である気泡シート。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP6438160B1 (ja) * 2018-01-23 2018-12-12 日本ピラー工業株式会社 多層樹脂フィルム成形品の製造方法

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