JP2015009211A - 遠心機 - Google Patents

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赤津 幸一
Koichi Akatsu
幸一 赤津
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Abstract

【課題】減圧時間の短縮や消費電力の低減といった相反する要求に柔軟に合わせることの可能な遠心機を提供する。【解決手段】第1予熱モードが選択されると、制御装置9は、直ちに油拡散ポンプ5のヒータ5cの動作を開始させ、ボイラ5aを拡散油5bが気化しない予熱温度に加熱保持する。第2予熱モードが選択されると、制御装置9は、使用者が入力した運転開始時刻に合わせて、使用者が選択した予熱温度までボイラ5aを加熱する。加熱開始のタイミングは、温度センサ5hにより検出したボイラ5aの現在温度により制御装置9が決定する。予熱なしモードが選択されると、制御装置9は、スタートボタン又は減圧ボタンが押されてからボイラ5aの加熱を開始する。【選択図】図1

Description

本発明は、試料の遠心分離や精製等を行う遠心機に関する。
遠心機では一般に、分離対象の試料(例えば培養液や血液など)を収容した遠心チューブやボトル等の試料容器をロータに保持し、ドアにより密閉された回転室内でモータ等の駆動装置によりロータを高速回転させ、試料容器内の試料に遠心力を働かせることで試料の分離や精製等を行う。
ロータの回転速度が40,000rpmを超える遠心機は、高速回転するロータと回転室内の空気との摩擦熱によるロータ及び試料の温度上昇を抑制するために、回転室内を高真空まで減圧する真空ポンプ装置を備えている(下記特許文献1)。この真空ポンプ装置は、油拡散ポンプ及び真空補助ポンプを含む。真空補助ポンプは、例えば油回転ポンプであり、油拡散ポンプの補助ポンプとして動作する。すなわち、真空補助ポンプは、回転室を大気圧から油拡散ポンプの排気動作が可能となる臨界背圧以下(約20Pa以下)の中真空まで減圧する。遠心機本体の回転室に油拡散ポンプの吸入口が接続され、油拡散ポンプの排気口に真空補助ポンプの吸入口が接続され、回転室から大気中に通じる減圧用排気路が形成される。
油拡散ポンプは、拡散油を貯留するボイラと、ボイラを加熱するヒータと、ボイラ内の拡散油の沸騰で気化した拡散油分子(油蒸気)を一方向に噴射するジェット部と、気化した拡散油分子を冷やして液化する冷却部とによって構成され、回転室が上記臨界背圧以下という条件下でボイラ内の拡散油の気化による排気動作により、回転室を高真空まで減圧する。このような、真空補助ポンプ及び油拡散ポンプから構成された真空ポンプ装置を備える遠心機では、下記特許文献1に開示されるように、温度センサにより油拡散ポンプのボイラの拡散油を沸騰させるヒータ温度を調整して油拡散ポンプの動作を制御している。また、下記特許文献2に開示されるように、回転室の真空度を真空センサで検出することにより油拡散ポンプの動作を制御することも行われている。
特開2001−104826号公報 特開2008−23477号公報
油拡散ポンプ内の拡散油を貯留するボイラは熱容量が大きいため、ボイラ内の拡散油を気化する温度に達するまで加熱するには長い時間を要する。このため、回転室内の減圧を開始してから、高回転数でも安定して回転できる高真空状態(例えば13Pa)になるまでには、例えば十数分の減圧時間が必要であった。ここで、減圧時間を短縮するために、ヒータを常時動作させてボイラ内の拡散油を気化する前の温度に加熱保持しておくことが考えられる。しかし、油拡散ポンプのヒータの消費電力は例えば350W程度であり、ヒータを常時動作させると、遠心機の待機電力が大きくなるという課題があった。
本発明はこうした状況を認識してなされたものであり、その目的は、例えば減圧時間の短縮や消費電力の低減といった相反する要求に柔軟に合わせることの可能な遠心機を提供することにある。
本発明のある態様は、遠心機であり、回転駆動されるロータと、前記ロータを収容する回転室と、前記回転室を減圧する油拡散ポンプと、前記油拡散ポンプの排気側に設けられた真空補助ポンプとを備え、前記油拡散ポンプのヒータを、前記拡散油が気化しない予熱温度で加熱保持する予熱モードを有する。
前記予熱モードの選択を受け付けるモード入力部を備えてもよい。
前記予熱温度を複数の異なる温度に変更可能であってもよい。
前記予熱温度の指定入力を受け付ける温度入力部を備えてもよい。
前記拡散油を前記予熱温度に向けて加熱し始めるタイミングを変更可能であってもよい。
前記拡散油を前記予熱温度に到達させる目標時刻の入力を受け付ける時刻入力部を備えてもよい。
前記拡散油を前記予熱温度に向けて加熱し始めるタイミングを、現在の前記油拡散ポンプのボイラ温度と前記目標時刻によって決定してもよい。
前記予熱モードは、当該モードが選択されると直ちに前記ヒータによる前記予熱温度への加熱を開始する第1予熱モードと、当該モードが選択されてから所定のタイミングを待って前記ヒータによる前記予熱温度への加熱を開始する第2予熱モードとを含んでもよい。
前記油拡散ポンプと前記真空補助ポンプを動作させる減圧ボタンと、前記ロータを駆動させると共に前記油拡散ポンプと前記真空補助ポンプを動作させるスタートボタンとを含んでもよい。
前記真空補助ポンプの動作にかかわらず、前記油拡散ポンプを前記予熱モードで制御可能であってもよい。
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法やシステムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
本発明によれば、例えば減圧時間の短縮や消費電力の低減といった相反する要求に柔軟に合わせることの可能な遠心機を提供できる。
本発明の実施形態に係る遠心機50の構成図。 遠心機50の操作入力部10aの表示例を示す説明図。 遠心機50の表示部10bに表示される減圧制御方式の選択画面説明図。 遠心機50の例示的な制御フローチャート。 予熱なしモードにおける遠心機50の動作の例示的なタイムチャート。 予熱ありモードにおける遠心機50の動作の例示的なタイムチャート。
以下、図面を参照しながら本発明の好適な実施の形態を詳述する。なお、各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理等には同一の符号を付し、適宜重複した説明は省略する。また、実施の形態は発明を限定するものではなく例示であり、実施の形態に記述されるすべての特徴やその組み合わせは必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。
図1は、本発明の実施形態に係る遠心機50の構成図である。遠心機50は、例えば、ロータ1の回転数を40,000rpm以上に制御できる超遠心機(超遠心分離機)である。遠心機50において、ロータ1は、ドア11によって密閉可能な回転室3に設置される。ロータ1には、分離対象の試料(例えば培養液や血液など)を収容した遠心チューブやボトル等の試料容器(図示せず)が保持される。電動モータ2は、ロータ1を高速に回転駆動する。油拡散ポンプ5及び真空補助ポンプ4から構成された真空ポンプ装置は、回転室3を減圧するために設けられる。制御装置9は、遠心機50の全体の動作を制御する。真空センサ8は、高真空度まで減圧される回転室3の真空度を検出する。
電動モータ2は、例えば3相ブラシレスモータから成り、図示されていないスター結線された固定子界磁巻線(U、V及びW巻線)を含んでいる。ロータ1は、電動モータ2の回転軸に脱着自在に接続されて回転力が与えられる。電動モータ2の固定子界磁巻線(図示せず)は、後述する制御装置9に設けられたインバータ回路(図示せず)などにより回転数が制御される。
油拡散ポンプ5は、拡散油5b(オイル)を貯留するためのボイラ5aと、ボイラ5aを加熱するヒータ5cと、ボイラ5aで気化した拡散油分子を下方向にジェット気流として噴射させるためのジェット部(図示せず)を内部に備えた円筒部5dと、気化した拡散油分子を冷やして液化するための放熱フィン(又は冷却パイプ)5eとから構成される。油拡散ポンプ5の吸気口5fは、真空ホース7を介して回転室3に接続される。吸気口5fから吸入された、ジェット部の周囲(円筒部5dの内周部)にある気体分子(空気)は、拡散油分子(油蒸気)に飛ばされて下の方に圧縮され、排気口5gから排出される。温度センサ5hは、拡散油5bを貯留するボイラ5aの温度を検出する。
真空補助ポンプ4は、真空ホース6を介して油拡散ポンプ5の排気口5gに接続された吸気口4aと、大気中に排気するための排気口4bとを有する。この真空補助ポンプ4の本体は、内部は図示されていないが、例えば周知の油回転ポンプによって構成され、油を貯留する油容器の中で偏心回転軸を有するロータを回転させ、ロータに設けられた溝内を往復動する固定翼と協働して吸気口4a側の空気を排気口4bより排気する。真空補助ポンプ4が1Pa程度の減圧能力限界を持つのに対して、油拡散ポンプ5は0.1〜0.01Paの高真空領域の排気能力を持つ。このため、真空補助ポンプ4は、油拡散ポンプ5の排気動作が可能となる臨界背圧以下(約13〜20Pa以下)の低真空に回転室3を減圧させる目的で付加される。
制御装置9は、ロータ1(電動モータ2)の回転駆動制御と、真空補助ポンプ4及び油拡散ポンプ5の駆動と、真空センサ8の検出等を制御する。制御装置9は、演算、制御プログラムを実行する処理装置であるCPU9a、CPU9aの制御プログラム等を格納するメモリであるROM9b(リードオンリーメモリ)、CPU9aの作業領域やデータの一時記憶領域等として利用されるメモリであるRAM9c(ランダムアクセスメモリ)等を含むマイクロコンピュータにより構成される。
操作部10は、操作入力部10aと、表示部10bとを有し、これら例えばタッチセンサー機能を持つLCD(Liquid Crystal Display)で実現できる。なお、操作入力部10a及び表示部10bは、単一のタッチパネルであってもよい。操作部10は、油拡散ポンプ5のヒータ制御のモードを入力するモード入力部、予熱温度を入力する温度入力部、並びに運転開始予定時刻(予熱完了目標時刻)を入力する時刻入力部としての機能を含む。操作入力部10aは、図2に示すように、スタートボタン12、ストップボタン13、減圧ボタン14等を表示する。なお、ここでいう「ボタン」は、GUI(グラフィカルユーザインタフェース)上のボタンであるが、機械的な押しボタンであってもよい。ロータ1の目標回転速度、チャンバ3内の目標温度、ロータ1の回転を継続する時間等の運転条件の設定も操作入力部10aによって行える。表示部10bは、図3に示す減圧制御方式の選択画面を表示することができる。
図3において、減圧優先ボタンL1は、減圧時間の短縮を優先して制御する第1予熱モードを選択するボタンである。第1予熱モードは予熱ありモードの1つである。第1予熱モードが選択されると(減圧優先ボタンL1が押されると)、制御装置9は、直ちに油拡散ポンプ5のヒータ5cの動作を開始させ、ボイラ5aを拡散油5bが気化しない予熱温度に加熱保持する。
省エネ減圧優先ボタンL2は、省エネルギーを図りながら減圧時間も短くするように制御する第2予熱モードを選択するボタンである。第2予熱モードは予熱ありモードの1つである。第2予熱モードが選択されると(省エネ減圧優先ボタンL2が選択されると)、制御装置9は、DP温度AボタンL21及びDP温度BボタンL22を点滅し、いずれかを選ぶよう促す。DP温度AボタンL21及びDP温度BボタンL22は、油拡散ポンプ5(DP:Diffusion Pump)のヒータ温度、すなわち予熱温度を選択するボタンである。運転開始時刻入力部L23は、省エネ減圧優先ボタンL2を選択した場合に、遠心機50の運転を開始する予定時刻、すなわち拡散油を予熱温度に到達させる目標時刻を入力する部分である。使用者が運転開始時刻入力部L23に触れると、0から9の数字からなる数値入力画面が開き、運転開始時刻の入力が可能となる。第2予熱モードでは、制御装置9は、使用者が入力した運転開始時刻に合わせて、使用者が選択した予熱温度までボイラ5aを加熱する。加熱開始のタイミングは、温度センサ5hにより検出したボイラ5aの現在温度により制御装置9が決定する。
省エネ優先ボタンL3は、省エネルギーを優先して制御する予熱なしモードを選択するボタンである。予熱なしモードが選択されると(省エネ優先ボタンL3が押されると)、制御装置9は、スタートボタン12又は減圧ボタン14(図2)が押されてから、真空補助ポンプ4と油拡散ポンプ5に通電する、すなわち真空補助ポンプ4と油拡散ポンプ5の動作を開始する。この場合、油拡散ポンプ5のヒータ5cは、スタートボタン12又は減圧ボタン14が押されてからボイラ5aの加熱を開始する。
図4は、遠心機50の例示的な制御フローチャートである。制御装置9は、使用者による油拡散ポンプ5のヒータ制御のモード選択入力を受け付ける(S1)。図3に示す減圧優先ボタンL1が押されると(S2のYes)、制御装置9は、第1予熱モードでの制御を実行する。すなわち、制御装置9は、予熱温度を「高」とし(S3)、直ちにボイラ5aの予熱を実施する(S4)。具体的には、油拡散ポンプ5のヒータ5cにより、ボイラ5a内の拡散油5bを気化しない予熱温度に加熱保持し、使用者によるスタートボタン12(又は減圧ボタン14)の操作を待つ(S5)。予熱温度「高」は、例えば約100℃である。ヒータ5cの制御は、温度センサ5hにより検出したボイラ5aの温度に基づいて行われる。
図3に示す省エネ減圧優先ボタンL2が押されると(S2のNoかつS11のYes)、制御装置9は、第2予熱モードでの制御を実行する。すなわち、制御装置9は、DP温度AボタンL21とDP温度BボタンP22の両方を点滅させ、いずれかを選択することを促がし、予熱温度の入力を受け付ける(S12)。DP温度AボタンL21が押された場合には、続く予熱温度設定処理(S13)において制御装置9は、ボイラ5aの予熱温度を「高」(約100℃)に設定する。DP温度BボタンL22が押された場合には、続く予熱温度設定処理(S13)において制御装置9は、ボイラ5aの予熱温度を「低」(約80℃)に設定する。続いて、制御装置9は、図3に示す運転開始時刻画面L23を点滅させ、運転開始時刻入力を促す。この運転開始時刻は、ロータ1の回転駆動制御を開始する予定時刻であり、また、油拡散ポンプ5の予熱完了目標時刻である。予熱完了目標時刻経過後は、予熱温度を維持するようにヒータを制御する。運転開始時刻画面L23に触れると、0から9の数字からなる数値入力画面が開き、運転開始時刻を入力することができる。制御装置9は、運転開始時刻の入力を受け付け(S14)、ヒータ5cによるボイラ5aの加熱を開始するまでの待機時間Txを算出する(S15)。すなわち、制御装置9は、入力された運転開始時刻までカウントして、運転開始時刻に合わせてボイラ5aの温度が設定温度(「高」又は「低」)になるような待機時間Txを算出(特定)する。待機時間Txは、温度センサ5hにより検出したボイラ5aの現在温度により変化する。現在温度が高ければ待機時間Txは短く、現在温度が低ければ待機時間Txは長くなる。待機時間Txは実験により求めることができる。制御装置9は、待機時間が経過するのを待って(S16のYes)、予熱を実行する(S4)。具体的には、油拡散ポンプ5のヒータ5cにより、ボイラ5a内の拡散油5bを気化しない予熱温度に加熱保持し、使用者によるスタートボタン12(又は減圧ボタン14)の操作を待つ(S5)。なお、ステップ14(S14)にて運転開始時刻が設定されない場合には、ステップ4(S4)に進み、ヒータへの通電を開始する。
図3に示す省エネ優先ボタンL3が押されると(S2のNo、S11のNo、かつS21のYes)、制御装置9は、予熱なしモードでの制御を実行する。すなわち、制御装置9は、ボイラ5aの予熱を行わずに、使用者によるスタートボタン12(又は減圧ボタン14)の操作を待つ(S5)。スタートボタン12(又は減圧ボタン14)が押されると(S5のYes)、制御装置9は、真空補助ポンプ4及び油拡散ポンプ5による減圧を開始するとともに、電動モータ2の駆動を開始し、ロータ1を回転駆動する(S6)。以下、スタートボタン12が操作された後の動作を予熱なしモードと予熱ありモードの各々について説明する。
図5は、予熱なしモードにおける遠心機50の動作の例示的なタイムチャートである。予熱なしモードでは、制御装置9は、スタートボタン12がオンされてからロータ1の回転、並びに真空補助ポンプ4と油拡散ポンプ5の駆動を開始する。油拡散ポンプ5のヒータ5cに電圧を印加するのもスタートボタン12がオンされてからとなる。ヒータ5cに電圧を印加するとボイラ5aは加熱され、ボイラ5aの温度は上昇を開始する。ボイラ5aの熱容量が大きいため、ボイラ5aの温度は徐々に変化(上昇)する。一方、ロータ1の回転数は、高真空になるまで待機する低回転数、例えば4,000rpmに制御される。回転室圧力は、真空補助ポンプ4が駆動開始すると、大気圧P1から徐々に低下する。真空補助ポンプ4の減圧限界圧力P2付近(例えば20Pa程度)になると、圧力の変化度は小さくなる。これは、拡散油5bの温度がまだ低いため油拡散ポンプ5による減圧が始まらないためである。その後、ボイラ5aの温度は拡散油5bが気化する気化温度Temp1になると、油拡散ポンプ5の減圧効果が現れ、回転室圧力の変化度は大きくなり高真空領域P3(例えば0.1Pa程度)へと変化していく。スタートボタン12を押してから、拡散油5bが気化温度Temp1以上になるまでの時間T1は、例えば12〜13分程度と長い時間が掛かる。拡散油5bが気化温度Temp1以上になると、ロータ1の回転数は、4,000rpmから上昇し、最終的に設定回転数、例えば100,000rpmに制御される。予熱なしモードでは、スタートボタン12(又は減圧ボタン14)がオンされるまで油拡散ポンプ5のヒータ5cによる加熱を行わないので省エネルギーになるが、拡散油5bが気化温度Temp1以上になるまでの時間は長くなる(減圧時間が長くなる)。
図6は、予熱ありモードにおける遠心機50の動作の例示的なタイムチャートである。ここでは、スタートボタン12がオンされた時点でボイラ5aの温度が予熱温度Temp2(予熱温度「高」に対応に制御されている場合を説明する。スタートボタン12がオンされると、制御装置9は、油拡散ポンプ5のヒータ5cに印加する電圧を高める。すると、ボイラ5aは予熱時より強く加熱され、ボイラ5aの温度は予熱温度Temp2から更に上昇し始める。一方、回転室圧力は、真空補助ポンプ4が駆動開始すると、大気圧P1から徐々に低下する。ここで、本図に示す予熱ありモードの場合、真空補助ポンプ4の減圧限界圧力付近になる前に、油拡散ポンプ5のボイラ5aの温度が、拡散油5bが気化する気化温度Temp1まで上昇する。このため、真空補助ポンプ4による減圧から油拡散ポンプ5による減圧への移行が少ない待ち時間(又は待ち時間なし)でスムーズに進み、回転室圧力は高真空領域P3へと変化していく。スタートボタン12を押してから、拡散油5bが気化温度Temp1以上になるまでの時間T2は、例えば5〜6分程度まで短縮することができる。拡散油5bが気化温度Temp1以上になると、ロータ1の回転数は、4,000rpmから上昇し、最終的に設定回転数、例えば100,000rpmに制御される。なお、予熱温度を「低」にした場合、予熱温度が「高」である場合と比較して拡散油5bが気化温度Temp1以上になるまでの時間は長くなる(減圧時間が長くなる)が、予熱温度が低い分だけ油拡散ポンプ5の消費電力を低く抑えることができる。
本実施の形態によれば、油拡散ポンプ5のヒータ制御を異なる複数のモードの間で変更可能としているため、例えば減圧時間の短縮や消費電力の低減といった相反する要求にも柔軟に合わせることが可能となる。具体的には、早く遠心分離作業に着手したい場合には、第1予熱モードを選択して、油拡散ポンプ5のボイラ5aを拡散油5bが気化しない予熱温度に常時保持しておくことで、スタートボタン12(又は減圧ボタン14)を押してからの減圧時間を短くできる。また、減圧時間の短縮と消費電力の低減をバランス良く実現したい場合には、第2予熱モードを選択して、運転開始予定時刻に合わせて予熱を完了するようにすれば、予熱完了から運転開始までの予熱継続時間を短くすることができ、減圧時間短縮のための消費電力増大を抑えることができる。このとき、予熱温度を高めに設定すれば、減圧時間の短縮を相対的に優先でき、予熱温度を低めに設定すれば消費電力の低減を相対的に優先でき、柔軟性が高い。また、消費電力の低減を最優先にする場合には、予熱なしモードを選択して、スタートボタン12(又は減圧ボタン14)を押してから油拡散ポンプ5のヒータを作動させるようにすればよい。
以上、実施の形態を例に本発明を説明したが、実施の形態の各構成要素や各処理プロセスには請求項に記載の範囲で種々の変形が可能であることは当業者に理解されるところである。例えば、第1予熱モードにおいても、予熱温度を選択可能としてもよい。選択可能な予熱温度の種類は、2種類に限定されず、3種類以上であってもよい。また予熱温度は使用者が任意に設定可能であってもよい。
1 ロータ、2 電動モータ、3 回転室、4 真空補助ポンプ、5 油拡散ポンプ、6 真空ホース、7 真空ホース、8 真空センサ、9 制御装置、10 操作部、11 ドア、12 スタートボタン、13 ストップボタン、14 減圧ボタン、50 遠心機

Claims (10)

  1. 回転駆動されるロータと、前記ロータを収容する回転室と、前記回転室を減圧する油拡散ポンプと、前記油拡散ポンプの排気側に設けられた真空補助ポンプとを備え、前記油拡散ポンプのヒータを、前記拡散油が気化しない予熱温度で加熱保持する予熱モードを有する、遠心機。
  2. 前記予熱モードの選択を受け付けるモード入力部を備える請求項1に記載の遠心機。
  3. 前記予熱温度を複数の異なる温度に変更可能である請求項1又は2に記載の遠心機。
  4. 前記予熱温度の指定入力を受け付ける温度入力部を備える請求項3に記載の遠心機。
  5. 前記拡散油を前記予熱温度に向けて加熱し始めるタイミングを変更可能である、請求項1から4のいずれか一項に記載の遠心機。
  6. 前記拡散油を前記予熱温度に到達させる目標時刻の入力を受け付ける時刻入力部を備える請求項1から5のいずれか一項に記載の遠心機。
  7. 前記拡散油を前記予熱温度に向けて加熱し始めるタイミングを、現在の前記油拡散ポンプのボイラ温度と前記目標時刻によって決定する、請求項6に記載の遠心機。
  8. 前記予熱モードは、当該モードが選択されると直ちに前記ヒータによる前記予熱温度への加熱を開始する第1予熱モードと、当該モードが選択されてから所定のタイミングを待って前記ヒータによる前記予熱温度への加熱を開始する第2予熱モードとを含む、請求項1から7のいずれか一項に記載の遠心機。
  9. 前記油拡散ポンプと前記真空補助ポンプを動作させる減圧ボタンと、前記ロータを駆動させると共に前記油拡散ポンプと前記真空補助ポンプを動作させるスタートボタンとを含む、請求項1から8のいずれか一項に記載の遠心機。
  10. 前記真空補助ポンプの動作にかかわらず、前記油拡散ポンプを前記予熱モードで制御可能であることを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載の遠心機。
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