JP2015006948A - 制振装置及び方法 - Google Patents

制振装置及び方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2015006948A
JP2015006948A JP2013133272A JP2013133272A JP2015006948A JP 2015006948 A JP2015006948 A JP 2015006948A JP 2013133272 A JP2013133272 A JP 2013133272A JP 2013133272 A JP2013133272 A JP 2013133272A JP 2015006948 A JP2015006948 A JP 2015006948A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
planar body
vibration
damping
damping plate
plate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2013133272A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6050187B2 (ja
Inventor
山川 達三朗
Tatsusaburo Yamakawa
達三朗 山川
和博 木南
Kazuhiro Kinami
和博 木南
昌宏 渡辺
Masahiro Watanabe
昌宏 渡辺
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sekisui Chemical Co Ltd filed Critical Sekisui Chemical Co Ltd
Priority to JP2013133272A priority Critical patent/JP6050187B2/ja
Publication of JP2015006948A publication Critical patent/JP2015006948A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6050187B2 publication Critical patent/JP6050187B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Vibration Prevention Devices (AREA)
  • Registering, Tensioning, Guiding Webs, And Rollers Therefor (AREA)

Abstract

【課題】フローティング搬送などの際の面状体を、簡素な構成で効率的に制振する。【解決手段】制振板21を面状体9と対向させ、かつ先端部が自由端になるように片持ち状に支持する。制振板21の基端部に駆動手段22を接続する。面状体9の振動を検出手段23にて検出する。検出手段23の検出情報に基づいて駆動手段22を駆動操作することによって制振板21の振動を制御する。【選択図】図1

Description

本発明は、連続フィルム、紙、シート等の面状体(シート状基材)を制振する装置及び方法に関し、特に面状体を流体によって浮かせて非接触搬送(フローティング搬送)する際に面状体の揺れを抑えるのに適した制振装置及び制振方法に関する。
連続フィルム、紙、シート等の面状体を非接触で搬送する手段として、フローティング搬送が知られている。フローティング搬送は、面状体をエア等の流体によって浮上させながら搬送する。このとき、面状体がはためくように振動する。すなわち、フラッター現象が起きる。特に、面状体に作用する張力又は面状体の剛性が比較的小さいのに対し、流体の流速が比較的大きい条件下では、振動(フラッター)が大きくなりやすい。このような振動によって面状体が吹き出しノズル等の構造体に接触すると、面状体が傷付いたり面状体に折り目が出来たりすることによって、製品の品質が損なわれるおそれがある。例えば、面状体がフラットパネルディスプレイ用光学フィルム、電池用フィルム、粘着テープ用フィルム等であり、かつ面状体の押出成型、延伸加工、機能性材料の塗布・乾燥等を処理を行なうためのフローティング搬送においては、上記の条件が成立しやすく、品質が損なわれやすい。
このような面状体の振動を抑制するために、種々の制振技術が提案されている。
特許文献1では、スピーカーから音エネルギー(カウンター力)を面状体に当てている。面状体の振動を打ち消すように、上記音エネルギーの出力(振動数、位相、振幅)を調節している。
非特許文献1では、面状体とその両側の壁との間に形成された隙間流路の入口と出口にそれぞれスライド突起を設け、各スライド突起を面状体の振動に合わせて進退させている。これによって、上記入口及び出口の開口度が変化し、隙間流路の内圧等が変動することで、面状体の振動を抑えている。
特開2011−52823号公報
流れ制御に基づくウェブフラッタの非接触アクティブ制御に関する数値シミュレーション(日本機械学会、機械力学・計測制御部門講演論文アブストラクト集(CD-ROM講演論文集823)、平成19年9月25日、広島)
特許文献1では、エア(流体)の流速によってはスピーカー出力をかなり大きくしないと制振効果が得られなかった。また、例えば、面状体をフローティング搬送しながら面状体に機能性塗液を塗布して乾燥させる工程において、面状体を制振するために、特許文献1のスピーカーを適用した場合、スピーカー出力によっては塗布面に風紋が生じて品質に影響を及ぼすことがあった。
一方、非特許文献1では、面状体の面積に応じた大きさの壁及び面状体の幅に応じた長さのスライド突起が必要であった。
本発明は、上記事情に鑑み、音エネルギー等のカウンター力によって振動を打消すことで制振するのではなく、面状体の表面を流れる流体の流れを制御することによって制振する制振装置及び制振方法において、簡素な構成で効率的に制振できるようにすることを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明装置は、表面上を流体が流れる面状体を制振する制振装置であって、
前記面状体と対向し、かつ先端部が自由端になった片持ち状の制振板と、
前記制振板の前記先端部とは反対側の基端部に接続され、前記制振板を前記面状体との対向方向に振動させる駆動手段と、
前記面状体の振動を検出する検出手段と、
前記検出手段の検出情報に基づいて前記駆動手段を駆動操作することによって前記制振板の振動を制御する制御手段と、
を備えたことを特徴とする。
また、本発明方法は、表面上を流体が流れる面状体を制振する制振方法であって、
前記面状体と対向するとともに先端部が自由端になった片持ち状の制振板を、前記制振板の前記先端部とは反対側の基端部に接続された駆動手段によって前記面状体との対向方向に振動させ、
かつ、前記面状体の振動を検出手段にて検出し、
かつ、前記検出手段の検出情報に基づいて前記駆動手段を駆動操作することによって前記振動を制御することを特徴とする。
制振板が振動することによって、面状体と制振板との間の流体の流れが変化する。制振板の振動の振幅(ゲイン)や位相を調節することによって、面状体の振動が抑えられるように、ないしは面状体の振動を増幅させないように、前記流体の流れを変化させることができる。これによって、面状体を制振できる。制振板を片持ち状にすることによって、制振板の先端部を基端部よりも大きく振動させることができ、制振効果を確実に発揮することができる。また、非特許文献1における壁及び突起は不要であり、かつ制振板を面状体の幅寸法に対応する大きさにする必要もないから、構造を簡素化でき、小さな駆動力で面状体を効率的に制振することができる。
前記制振板の基端部が、前記流体の流れ方向の相対的に上流側に配置され、前記制振板の先端部が、前記流れ方向の相対的に下流側に配置されていることが好ましい。これによって、面状体と制振板との間に流入した流体の流れの状態を、制振板の先端部の変位によって確実に変化させることができ、かつこの変化を流体の流れ方向の下流側に確実に伝播させることができる。これによって、制振効果を高めることができ、面状体を確実に制振できる。
本発明によれば、簡素な構成で面状体を効率的に制振することができる。
本発明の第1実施形態を示し、エアーフローティング乾燥炉の概略構成を示す斜視図である。 上記エアーフローティング乾燥炉の側面図である。 上記エアーフローティング乾燥炉の一部を示す正面図である。 本発明の第2実施形態を示し、エアーフローティング乾燥炉の概略構成を示す斜視図である。 本発明の実施例1に用いた制振装置の概略構成を示す側面図である。 実施例1において、位相差及びゲインに応じた制振度合を示すグラフである。 実施例1における面状体の非制振制御時及び制振制御時の振動状況を示す振動波形図である。 実施例1における面状体の非制振制御時及び制振制御時の周波数特性を示すスペクトル図である。
以下、本発明の実施形態を図面にしたがって説明する。
図1〜図3は、本発明の第1実施形態を示したものである。第1実施形態は、エアーフローティング乾燥炉1に係る。乾燥対象の面状体9は、例えばフラットパネルディスプレイ用光学フィルム、電池用フィルム、粘着テープ用フィルム等であり、搬送方向aに長く連続している。面状体9には、用途に応じた機能液(例えば導電膜、絶縁膜、粘着剤等の原料液)が塗布されている。機能液は、面状体9の何れか片面だけに塗布されていてもよく、面状体9の両面に塗布されていてもよい。
なお、エアーフローティング乾燥炉1に上記機能液の塗布部が一体に組み込まれていてもよい。
エアーフローティング乾燥炉1は、面状体9をエア流fによって浮上させて搬送方向aにフローティング搬送しながら、面状体9の表面の機能液を乾燥させる。上記浮上用のエアは、機能液の乾燥促進用流体をも兼ねる。
なお、上記浮上用兼乾燥促進用流体として、エア(空気)に代えて、窒素、その他の不活性ガス等を用いてもよい。
また、エアーフローティング乾燥炉では機能液を塗布せず、アニール処理や延伸処理などのために面状体を加熱する目的でエアーフローティング乾燥炉を使用する場合もある。
図1及び図2に示すように、エアーフローティング乾燥炉1は、チャンバー10と、ノズル13と、制振装置2を備えている。チャンバー10における搬送方向aの上流側の搬入壁11には、搬入口11aが設けられている。チャンバー10における搬送方向aの下流側の搬出壁12には、搬出口12aが設けられている。搬入口11a及び搬出口12aは、面状体9の幅方向w(搬送方向aと直交する方向)の寸法に対応する開口幅を有している。面状体9が、搬入口11aからチャンバー10内に差し入れられ、チャンバー10の内部の搬送方向aの全域に張り渡され、搬出口12aから引き出されている。
チャンバー10の内部には、複数(図では3つ)のノズル13が設けられている。これらノズル13は、チャンバー10内における面状体9の配置高さを挟んで上下に分かれて、搬送方向aに千鳥状に並べられている。各ノズル13は、幅方向w(図2において紙面と直交する方向)に長く延びる容器状になっている。ノズル13の上面には吹き出し口13aが設けられている。吹き出し口13aは、例えば幅方向wに延びるスリット、又は幅方向wに並べられた小孔の列などにて構成されている。図示は省略するが、ノズル13には、エアの供給源が接続されている。供給源には、温調手段(加熱手段)が付設されている。温調手段は、エアを上記機能液の乾燥に適した温度や加熱処理したい温度になるよう調節(加温)する。
エアーフローティング乾燥炉1には、上記エアの流れfによる面状体9の揺れ(シートフラッタ)を抑えるために、制振装置2が組み込まれている。制振装置2は、複数の制振ユニット20を備えている。これら制振ユニット20は、それぞれ面状体9における制振したい部位(制振対象部位)と対応するように配置されている。第1実施形態における制振対象部位は、チャンバー10内における面状体9の幅方向wの両端部である。図1及び図2の実線にて示すように、制振ユニット20は、搬送方向aの上流側のノズル13と搬入壁11との間における、面状体9の幅方向wの両端部と対応するように配置されている。
なお、図2の二点鎖線にて示すように、制振ユニット20が、搬送方向aに隣接するノズル13,13どうしの間に配置されていてもよく、搬送方向aの下流側のノズル13と搬出壁12との間に配置されていてもよい。更には、制振ユニット20が、搬送方向aに離れた複数箇所に配置されていてもよい。
図1及び図2に示すように、各制振ユニット20は、制振板21と、駆動手段22(アクチュエータ)と、検出手段23を含む。制振板21は、細長い長方形の平板状になっている。制振板21の材質としては、面状体9の振動と同調して振動可能なものであれば特に限定は無く、例えば樹脂でもよく金属でもよく木材でもよい。制振板21の大きさは、面状体9と比べて十分に小さい。また、制振板21の大きさは、面状体9の制振対象範囲等に応じて適宜設定するとよい。例えば、制振板21の長手方向の寸法は、10cm〜40cm程度であり、制振板21の短手方向の寸法は5cm〜10cm程度であるが、これに限定されるものではない。制振板21の厚みは、面状体9の振動と同調して振動するのが阻害されることがなく、かつ制振板21がエア流fだけでは揺れない程度の剛性を確保できる大きさであることが好ましい。
図1及び図3に示すように、制振板21は、面状体9の幅方向wの端部(制振対象部位)の下側に配置され、かつ駆動手段22によって振動可能に支持されている。駆動手段22は、例えばバイモルフ型のピエゾ素子にて構成されている。以下、駆動手段22を「ピエゾ素子22」とも呼称する。ピエゾ素子22は、平板状になっている。このピエゾ素子22が、面状体9の下側において水平に向けられ、不図示の支持手段によって支持されている。ピエゾ素子22の振動駆動方向は、上下方向(面状体9との対向方向)に向けられている。ピエゾ素子22に制振板21の長手方向の基端部が接続されている。好ましくは、ピエゾ素子22と制振板21とは剛結合されている。したがって、制振板21は、ピエゾ素子22から片持ち状に延びている。制振板21の長手方向の先端部は、自由端になっている。
なお、制振板21自体が板状のピエゾ素子であってもよい。そうすると、制振板自身が駆動するため、駆動手段22と同一物となり、応答性がよい。また、制振板及び駆動手段を省スペースにできる等の利点がある。
制振板21は、面状体9と対向されている。言い換えると、制振板21は、面状体9に沿うように配置されている。制振板21の長手方向は、チャンバー10の幅方向wに向けられ、かつ制振板21の短手方向は、搬送方向aに向けられている。図3に示すように、面状体9の幅方向wの端部上におけるエア流fは幅方向wの外側へ向けて流れるから、制振板21の長手方向はエアfの流れ方向に沿っている。制振板21の基端部は、エア流fの流れ方向の相対的に上流側に配置され、制振板21の先端部は、エア流fの流れ方向の相対的に下流側に配置されている。
ピエゾ素子22の駆動によって制振板21が上下(面状体9との対向方向)に振動される。制振板21の振動の位相及び周波数は、ピエゾ素子22の振動の位相及び周波数と一致している。つまり、ピエゾ素子22が上側へ変位するときは、制振板21も上側に変位する。ピエゾ素子22が下側へ変位するときは、制振板21も下側に変位する。制振板21の先端部の振幅は、制振板21の長さ分だけ、ピエゾ素子22の振幅よりも増幅される。
なお、図2及び図3の二点鎖線にて示すように、制振板21が、面状体9の下側に代えて、面状体9の上側に配置されていてもよい。
或いは、制振板21が、面状体9を挟んで上下両側にそれぞれ配置されていてもよい。そうすると面状体9の制振効果をより高めることができる。要するに、より短時間で面状体9の振動を収束させることができる。または、面状体9の振幅を小さくできる。
制振板21の下方に検出手段23が配置されている。検出手段23は、レーザー変位計にて構成されている。以下、検出手段23を「レーザー変位計23」とも呼称する。レーザー変位計23のレーザー光L(検知光)の照射方向が、面状体9の幅方向wの端部(制振対象部位)に向けられている。レーザー変位計23は、面状体9の上記制振対象部位の振動(変位の経時変化)を非接触で検出する。
さらに、図3に示すように、制振装置2は、制御手段30を備えている。制御手段30は、センサアンプ31と、ローパスフィルタ32と、デジタル変換部33と、調節部34と、D/A変換部37と、ピエゾアンプ38(ピエゾ駆動回路)を含む。センサアンプ31は、レーザー変位計23からの検出信号を増幅する。ローパスフィルタ32は、上記検出信号のノイズ(面状体9のフラッタ以外の振動成分)をカットする。A/D変換部33は、上記増幅及びノイズカット後の検出信号をデジタル変換する。調節部34は、位相調節器35と、ゲイン調節器36を含む。位相調節器35は、上記デジタル変換された検知信号に基づいて出力信号の位相を調節する。出力信号の位相は、検出信号の位相に対して好ましくは±60°以内、より好ましくは±30°以内の範囲で設定し、検出信号となるべく同位相になるよう設定するのが一層好ましい。出力信号の振動数は検出信号の振動数と同期させることが好ましい。ゲイン調節器36は、上記検知信号に基づいて出力信号のゲイン(振幅)を好適な大きさに調節する。調節部34は、パーソナルコンピュータにて構成されていてもよい。パーソナルコンピュータに入力信号に対する出力信号の位相及びゲインを調節するプログラムを組み込み、このプログラムの作動時のパーソナルコンピュータが位相調節器35及びゲイン調節器36を構成するようにしてもよい。調節部34が、専用のマイクロコンピュータにて構成されていてもよい。或いは、調節部34が、アナログ回路にて構成されていてもよい。D/A変換部37は、上記調節部34からの出力信号をアナログ変換する。なお、調節部34がアナログ回路にて構成されている場合は、A/D変換部33及びD/A変換部37を省略できる。ピエゾアンプ38は、アナログ変換後の出力信号に基づいて、ピエゾ素子22を駆動する。
制御手段30は、制振ユニット20ごとに複数設けられていてもよく、1つの制御手段30が複数の制振ユニット20を制御するようにしてもよい。
上記のように構成されたエアーフローティング乾燥炉1の動作を、制振装置2の機能を中心に説明する。
図示しない塗布部によって面状体9の表面に機能液を塗布する。この面状体9に、ノズル13から温調されたエアを吹き付けることによって、面状体9を浮かせるとともに上記機能液を乾燥させる。同時に面状体9を搬送方向aに搬送する。
上記のエアの吹き付けによって面状体9がはためくように揺れる。さらに、上記エアが面状体9の表面に沿って流れる。さらに、このエア流fは、面状体9の揺れによって時間的及び空間的に変動する。これによって、構造体である面状体9とエア流fとが連成し、面状体9の揺れが増幅される。つまり、面状体9が励振され、シートフラッタが発生する。とりわけ、この種の面状体9(フラットパネルディスプレイ用光学フィルム、電池用フィルム、粘着テープ用フィルム等)のフローティング搬送においては、面状体9に作用する張力又は面状体9の剛性が比較的小さいのに対し、エアの流速を比較的大きくする必要又は傾向があるために、面状体9の励振(フラッター現象)が発生しやすい。面状体9の振幅は、特に面状体9の幅方向wの両端部(制振対象部位)において大きくなる。
この面状体9の揺れをレーザー変位計23によって検知する。具体的には、レーザー変位計23によって、面状体9における幅方向wの端部(制振対象部位)の変位をリアルタイムで検知する。この検知情報が制御手段30に送られる。制御手段30は、上記検出情報に基づいて、面状体9の揺れが減衰するように、ピエゾ素子22を駆動操作することによって、制振板21の振動をフィードバック制御する。詳細には、レーザー変位計23からの検知信号をセンサアンプ31によって増幅し、かつローパスフィルタ32によってノイズをカットし、更にA/D変換部33によってデジタル変換する。デジタル変換後の検知信号に基づいて、調節部34によって出力信号の位相及びゲイン(振幅)を調節する。この出力信号をD/A変換部37によってアナログ変換し、更にピエゾアンプ38によって増幅してピエゾ素子22に出力する。
これによって、ピエゾ素子22が、上記出力信号に応じた位相及び振幅で振動するように駆動される。このピエゾ素子22と一体に制振板21が振動される。制振板21の振動に伴なって、面状体9の制振対象部位(幅方向wの端部)と制振板21との間のエア流fの流れ方向や圧力が変化する。これによって、面状体9の揺れ状態が変化される。さらに、この面状体9の揺れの変化をレーザー変位計23によって検知し、制御手段30にフィードバックすることによって、上記出力信号の位相及びゲイン(振幅)を随時調節する。
上記出力信号ひいては制振板21の振動と、面状体9の制振対象部位の振動との位相差Δφは、好ましくは−60°≦Δφ≦+60°程度とし、より好ましくは−30°≦Δφ≦+30°程度とする。一層好ましくは、制振板21の振動を、面状体9の制振対象部位の振動とほぼ同位相とする。制振板21の振動周波数は、面状体9の制振対象部位の振動周波数と好ましくは同期させる。したがって、面状体9の制振対象部位が上方へ変位したときは、制振板21が上方へ振れることが好ましい。面状体9の制振対象部位が下方へ変位したときは、制振板21が下方へ振れることが好ましい。これによって、面状体9と制振板21との間のエア流fの変動が安定化される。この結果、面状体9の励振(シートフラッタ)を抑えることができる。すなわち、面状体9を制振できる。制振板21はピエゾ素子22から片持ち状に延びているから、制振板21の先端部の振幅は制振板21の基端部の振幅よりも大きくなる。これによって、制振効果を確実に発揮することができる。しかも、制振板21の延び方向がエア流fの流れ方向にほぼ沿っているため、面状体9と制振板21との間に流入したエア流fの状態(向き、圧力等)を、制振板21の先端部の変位によって確実に変化させることができ、かつこのエア流fの変化を流れ方向の下流側に確実に伝播させることができる。これによって、面状体9を確実に制振できる。
複数の制振ユニット20が、それぞれ対応する制振対象部位を制振することによって、面状体9の揺れを全体的に抑えることができる。
非特許文献1における面状体の面積に対応する大きさの壁、及び面状体の幅に対応する長さの突起は、制振装置2においては不要であるから、構造を簡素化でき、小さな駆動力で面状体9を効率的に制振することができる。
次に、本発明の他の実施形態を説明する。以下の実施形態において、既述の実施形態と重複する内容に関しては、図面に同一符号を付して説明を省略する。
図4は、本発明の第2実施形態を示したものであり、エアーフローティング乾燥炉1を搬出側から見た斜視図である。チャンバー10の搬送方向aの下流側には、ガイドロール14が配置されている。チャンバー10の内部を通過した面状体9が、搬出口12aから引き出されるとともに、ガイドロール14に支持されている。チャンバー10内における面状体9の浮上及び乾燥用のエア流fは、面状体9の表面に沿って搬出口12aから流出する。このエア流fの流れ方向は、搬送方向aに沿っている。
図4に示すように、第2実施形態においては、面状体9における上記搬出口12aから引き出された部分を制振対象部位とする。制振ユニット20は、チャンバー20の搬出側の外部に配置されている。詳細には、制振ユニット20は、搬出壁12とガイドロール14との間に配置されている。複数の制振ユニット20が、幅方向wに間隔を置いて並べられている。各制振ユニット20のピエゾ素子22から制振板21が搬送方向aの下流側へ片持ち状に延びている。したがって、制振板21の長手方向の基端部は、エアfの流れ方向(搬送方向a)の上流側に向けられ、制振板21の長手方向の先端部は、上記エアfの流れ方向(搬送方向a)の下流側に向けられている。制振板21は、面状体9よりも下側に配置されているが、面状体9よりも上側に配置されていてもよく、面状体9を挟んで上下両側に配置されていてもよい。
レーザー変位計23が、対応する制振板21の先端部の近くの面状体9の振動を検出する点、及び制御手段30が、レーザー変位計23の検出情報に基づいてピエゾ素子22を駆動操作することによって、制振板21の振動をフィードバック制御する点は、第1実施形態と同様である。これによって、上記搬出口12aから流出するエアの流れfを面状体9の振動に合わせて変化させることができる。ひいては、面状体9におけるチャンバー10よりも搬送方向aの下流側の部分(制振対象部位)を制振することができる。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の改変をなすことができる。
例えば、本発明は、フローティング乾燥炉1に限られず、面状体の押出成形や延伸加工のためのフローティング搬送装置等にも適用可能である。さらに、本発明は、フローティング搬送装置に限られず、面状体の表面を流体が流れることで面状体が振動する種々の装置において上記面状体を制振するのに適用できる。
面状体は、ほぼ水平姿勢になっているのに限られず、ほぼ鉛直姿勢になっていてもよく、水平及び鉛直に対して斜めになっていてもよい。
面状体の表面を流れる流体は、気体に限られず、水等の液体であってもよい。
第1実施形態において、制振板21の搬送方向aに沿う寸法が、制振板21の幅方向wに沿う寸法よりも大きくてもよい。第2実施形態において、制振板21の幅方向wに沿う寸法が、制振板21の搬送方向aに沿う寸法よりも大きくてもよい。制振板21が正方形であってもよい。さらに、制振板21の形状は、長方形又は正方形に限られず、台形等の他の四角形状であってもよく、楕円形等の四角形以外の形状であってもよい。
駆動手段22としては、ピエゾ素子に限られず、面状体9の振動に追従して動作できるものであれば、電動モータ、油圧シリンダー、その他種々のアクチュエータを採用することができる。
検出手段23としては、面状体9の振動を好ましくは非接触で検知できるものであれば、レーザー変位計に限られず、超音波変位計を用いてもよい。
面状体9に対する制振板21の位置等によっては、制振効果を得るために、制振板21の位相を面状体9の位相に対して±60°よりも大きくずらしてもよく、180°近くずらしてもよい。
第2実施形態では、面状体9におけるチャンバー10よりも搬出側の外側の部分を制振対象部位としていたが、面状体9におけるチャンバー10よりも搬入側の外側の部分を制振対象部位としてもよい。第2実施形態では、制振ユニット20がチャンバー20の搬出側の外部に配置されていたが、制振ユニット20がチャンバー20の搬入側(図2において右側)の外部に配置されていてもよい。制振ユニット20が、チャンバー20の搬入側の外部及び搬出側の外部に配置されていてもよい。
さらに、第1、第2実施形態を組み合わせることで、制振ユニット20がチャンバー20の内部及び外部に配置されていてもよい。
実施例を説明するが、本発明が以下の実施例に限定されるものではない。
図5に、実施例1に用いた制振装置2Xを示す。
面状体9の材質はポリエチレンテレフタレート(PET)であった。この面状体9を片持ち状に鉛直に垂らした。
面状体9の上端部を固定端とし、面状体9の下端部を自由端とした。
面状体9の上下方向の長さは、120〜200mmであった。
面状体9の幅(図5の紙面と直交する方向の寸法)は、20mmであった。
面状体9の厚みは、0.2mmであった。
面状体9と平行に制振板21を鉛直に配置した。
制振板21の材質はチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)であった。
制振板21の上下方向の長さは、60mmであった。
制振板21の幅(図5の紙面と直交する方向の寸法)は、20mmであった。
制振板21の厚みは、0.45mmであった。制振板21は、エア流fだけでは
振動しない剛性を有していた。
駆動手段22として、バイモルフ型ピエゾ素子を用いた。このピエゾ素子22を面状体9の上側部分とほぼ同じ高さに設置した。ピエゾ素子22の振動駆動方向は、図5において左右方向(面状体9との対向方向)に向けた。
このピエゾ素子22によって制振板21を片持ち状に支持させた。すなわち、ピエゾ素子22の下端部に制振板21の上端部(基端部)を接続した。制振板21の下端部(先端部)を自由端とした。
制振板21の上端部は、面状体9の上端部とほぼ同じ高さに位置させ、制振板21の下端部は面状体9の上下方向の中間部の高さに位置させた。
2つの制振板21を面状体9の幅方向の両端部とそれぞれ対向するように配置した。
非振動時における面状体9と各制振板21との離間距離は、20〜40mmであった。
面状体9と制振板21との間にエア(流体)を上から下へ流した。このエアの流れfによって面状体9がy方向(図5の左右方向)に振動した。特に、面状体9の下端部が大きな振幅で揺れた。
面状体9の下端部の高さにレーザー変位計23を設置した。このレーザー変位計23によって、面状体9の下端部(制振対象部位)の振動(変位の経時変化)を検出した。
レーザー変位計23の検出信号を制御手段30によって信号処理し、制振板21をフィードバック制御した。
詳細には、制御手段30の調節部34としてパーソナルコンピュータを用いた。このパーソナルコンピュータに組み込んだ位相調節器35及びゲイン調節器36の機能によって位相及びゲインをそれぞれ所定範囲内で調節して、出力信号(ピエゾ素子22に対する駆動電圧)を得た。この出力信号によってピエゾ素子22を振動駆動させた。
これによって、制振板21が振動した。制振板21の振動の周期は、ピエゾ素子22の振動の周期と同期し、ひいては面状体9の振動の周期と同期した。制振板21の振動の位相は、ピエゾ素子22の位相と同期した。制振板21の下端部(先端部)の振幅は、ピエゾ素子22の振幅よりも大きくなった。
さらに、制振板21の振動時(制振制御時)の面状体9の振動をレーザー変位計23によって測定した。
そして、非制振制御時(制振板21の非振動時)における面状体9の下端部のy方向の振幅yRMSと、制振制御時(制振板21の振動時)における面状体9の下端部のy方向の振幅yRMS-cとを算出した。
図6にその結果を示す。同図の縦軸が、非制振制御時の振幅yRMSに対する制振制御時の振幅yRMS-cの比(yRMS-c/yRMS)である。0≦(yRMS-c/yRMS)<1となる領域が制振効果が発現していることを示す。同図の横軸は、面状体9の振動に対する制振板21の振動の位相差Δφである。同図から明らかな通り、位相差が−60°≦Δφ≦+60°程度の範囲内では、面状体9の振動を抑えることができた。面状体9と制振板21の振動が同位相に近くなるほど、制振効果が高くなった。また、ゲインGを高くするほど、制振効果が高くなった。
図7は、位相差Δφ=0°、ゲインG=0.25としたときの、非制振制御時と制振制御時の面状体9の経時的な振動の状況を示したものであり、図8は、非制振制御時と制振制御時の面状体9の周波数分布を示したものである。図7及び図8から明らかな通り、位相差及びゲインを調節することによって顕著な制振効果が得られた。制振板21が面状体9の全面積又は全幅に対応する大きさでなくても、十分な制振効果が発現されることが確認された。
なお、面状体9に対する制振板21の配置高さ、面状体9と制振板21との間の間隔等によっては、位相差Δφを大きくしたほうが制振効果を発現できる場合もあると考えられる。
本発明は、例えばフラットパネルディスプレイ用光学フィルム、電池用フィルム、粘着テープ用フィルム等の面状体をフローティング搬送しながら機能液を塗布して乾燥させたり、面状体を加熱処理したりする装置に適用可能である。
1 エアーフローティング乾燥炉
2,2X 制振装置
9 面状体
20 制振ユニット
21 制振板
22 ピエゾ素子(駆動手段)
23 レーザー変位計(検出手段)
30 制御手段

Claims (3)

  1. 表面上を流体が流れる面状体を制振する制振装置であって、
    前記面状体と対向し、かつ先端部が自由端になった片持ち状の制振板と、
    前記制振板の前記先端部とは反対側の基端部に接続され、前記制振板を前記面状体との対向方向に振動させる駆動手段と、
    前記面状体の振動を検出する検出手段と、
    前記検出手段の検出情報に基づいて前記駆動手段を駆動操作することによって前記制振板の振動を制御する制御手段と、
    を備えたことを特徴とする制振装置。
  2. 前記制振板の基端部が、前記流体の流れ方向の相対的に上流側に配置され、前記制振板の先端部が、前記流れ方向の相対的に下流側に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の制振装置。
  3. 表面上を流体が流れる面状体を制振する制振方法であって、
    前記面状体と対向するとともに先端部が自由端になった片持ち状の制振板を、前記制振板の前記先端部とは反対側の基端部に接続された駆動手段によって前記面状体との対向方向に振動させ、
    かつ、前記面状体の振動を検出手段にて検出し、
    かつ、前記検出手段の検出情報に基づいて前記駆動手段を駆動操作することによって前記振動を制御することを特徴とする制振方法。
JP2013133272A 2013-06-26 2013-06-26 制振装置及び方法 Expired - Fee Related JP6050187B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013133272A JP6050187B2 (ja) 2013-06-26 2013-06-26 制振装置及び方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013133272A JP6050187B2 (ja) 2013-06-26 2013-06-26 制振装置及び方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015006948A true JP2015006948A (ja) 2015-01-15
JP6050187B2 JP6050187B2 (ja) 2016-12-21

Family

ID=52337582

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013133272A Expired - Fee Related JP6050187B2 (ja) 2013-06-26 2013-06-26 制振装置及び方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6050187B2 (ja)

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62149158A (ja) * 1985-09-12 1987-07-03 Toshiba Corp 電子部品装置
JPH0724415A (ja) * 1993-07-12 1995-01-27 Kaijo Corp 物体浮揚装置及び該装置を具備した物体搬送装置並びに物体浮揚方法
JPH07187388A (ja) * 1993-12-24 1995-07-25 Kaijo Corp 物体浮揚装置及び該装置を具備した物体搬送装置並びに物体浮揚方法
JPH08120433A (ja) * 1994-08-24 1996-05-14 Nkk Corp 帯状体の制振方法及びその制振装置
JP2005119808A (ja) * 2003-10-16 2005-05-12 Toyota Industries Corp 板状部材搬送システム
JP2011052823A (ja) * 2009-08-07 2011-03-17 Sekisui Engineering Co Ltd 制振装置及び制振方法

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62149158A (ja) * 1985-09-12 1987-07-03 Toshiba Corp 電子部品装置
JPH0724415A (ja) * 1993-07-12 1995-01-27 Kaijo Corp 物体浮揚装置及び該装置を具備した物体搬送装置並びに物体浮揚方法
JPH07187388A (ja) * 1993-12-24 1995-07-25 Kaijo Corp 物体浮揚装置及び該装置を具備した物体搬送装置並びに物体浮揚方法
JPH08120433A (ja) * 1994-08-24 1996-05-14 Nkk Corp 帯状体の制振方法及びその制振装置
JP2005119808A (ja) * 2003-10-16 2005-05-12 Toyota Industries Corp 板状部材搬送システム
JP2011052823A (ja) * 2009-08-07 2011-03-17 Sekisui Engineering Co Ltd 制振装置及び制振方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP6050187B2 (ja) 2016-12-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5568080B2 (ja) シート材料を安定化させるための加熱装置、システムおよび方法
JP5583004B2 (ja) 無接触で物体または材料を輸送および保持する装置
KR101850359B1 (ko) 부상 반송 가열 장치
KR101429589B1 (ko) 도포 장치
JP2006205064A (ja) 乾燥装置
TW201607870A (zh) 懸浮搬送裝置
JP6050187B2 (ja) 制振装置及び方法
JP2014022538A (ja) 熱処理装置および熱処理方法
JP2020106080A (ja) 板状部材を制振する装置
JP6238438B2 (ja) 基板浮上装置
JP2015032656A (ja) 基板浮上装置
WO2015065147A1 (ko) 비접촉 진동 억제장치 및 대상물 가공방법
JP6053468B2 (ja) 浮上搬送熱処理装置
JP2014005113A (ja) 超音波振動浮上装置
JP3125640B2 (ja) 帯状体の制振方法及びその制振装置
JP2005350174A (ja) 搬送装置
JP5540253B2 (ja) 制振装置
JP2014103231A (ja) 冷却装置
JP2018074070A (ja) 熱処理装置および熱処理方法
JPH10314660A (ja) 連続走行ウェブ用塗布方法およびその装置
JP2018088327A (ja) 乾燥装置
JP2004089896A (ja) 塗布装置
Fukunishi et al. Flow Controlling Attemps against a Sound Genarating Cavity Flow and a Transitional Boundary Layer
JP5091053B2 (ja) 可撓性シートの外観検査装置
JP2017088267A (ja) シート状物の蛇行修正方法、蛇行修正装置及びターンバー

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160309

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20161027

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20161101

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20161124

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6050187

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees