JP2015006315A - 中空ボールの内圧を高める方法及びその装置 - Google Patents

中空ボールの内圧を高める方法及びその装置 Download PDF

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Abstract

【課題】実用的な時間で、容易に中空ボールの内圧を高める方法の提供。【解決手段】本発明に係る中空ボールの内圧を高める方法は、(1)外殻とこの外殻に覆われたスペースとを有する中空ボール18を、収容部4に投入するステップ、(2)上記外殻に対する透過性が、上記外殻に対する酸素ガス及び窒素ガスの透過性よりも優れたガスを、上記収容部4に充填するステップ、及び(3)上記ガスに上記外殻を透過させるステップを含む。上記外殻が天然ゴムを含んでいるとき、好ましくは、上記ステップ(2)において、25℃における天然ゴムに対する透過係数が20?10−17m4/(N・s)以上であるガスが上記収容部に充填される。好ましくは、上記ステップ(2)において、二酸化炭素ガスが上記収容部に充填される。【選択図】図1

Description

本発明は、硬式テニスボール、ソフトテニスボール等の中空ボールの内圧を高める方法及びその装置に関する。
硬式テニスボール、ソフトテニスボール等の中空ボールは、適度な弾性を得るために、その内圧が大気圧より高く保たれている。例えば、硬式テニスボールでは、ボールの内圧は、大気圧の1.6倍から1.9倍程度にされている。使用者は、これより内圧が高いボールは硬すぎる又は飛びすぎると感じ、これより内圧が低いボールは柔らか過ぎる又は反発力が不足していると感じる。中空ボールは、その内圧が適切な値となるように製造され、製造されたボールの内圧は、適切な範囲で維持される必要がある。
ボールの内圧を高めるために、例えば硬式テニスボールの製造では、化学反応によりガスを発生させる方法が採られる場合と空気を圧縮して注入する場合がある。このボールはゴム製で中空球体であるコアと、このコアの表面を覆う2枚のフェルト部(「メルトン」とも称される)とを備えている。コアは、2つのハーフシェルが貼り合わされることで得られる。化学反応により内圧を高める場合は、貼り合わせ前に、コアに塩化アンモニウムのタブレット、亜硝酸ナトリウムのタブレット及び水(あるいは各々の水溶液)が投入される。コアの架橋時にはこれらが加熱され、塩化アンモニウムと亜硝酸ナトリウムとが化学反応を起こす。化学反応によって窒素ガスが発生する。この窒素ガスによってコアの内圧が高められる。
内圧が大気圧以上のボールでは、内圧と大気圧の圧力差に起因して、ボール内の気体が外殻を通過してボールの外に出て行く。すなわち、適切な内圧となるようにボールが製造されても、時間とともに内圧は低下していく。例えば、大気圧中に放置された硬式テニスボールは、二ヶ月程度で、使用者が分かる程度に内圧が低下する。
テニスボールの内圧の低下を抑えるための保存容器の検討結果が、特開平7−155406号公報、特開平7−187252号公報及び特開平8−89600号公報に開示されている。これらは、いずれも密閉容器である。これらの容器にテニスボールが格納された後、容器内の空気圧が大気圧以上に高められる。テニスボールの内圧と、テニスボールの外側の容器の空気圧の差を小さくすることで、ボール内の気体が外殻を通過する速度を遅くできる。テニスボールの内圧と、容器の空気圧の差をなくすことで、ボール内の気体は外に出ることはなくなる。換言すれば、テニスボールの内圧の低下がなくなる。テニスボールの内圧より、容器の空気圧を高くすることで、逆にテニスボールの内圧を高くすることができる。
特開平7−155406号公報 特開平7−187252号公報 特開平8−89600号公報
特開平7−155406号公報、特開平7−187252号公報及び特開平8−89600号公報の保存容器では、容器内にボールを保存している間は、ボールの内圧の低下を抑えることができる。しかし、これらのボールが使用のために容器から出されると、ボールは大気圧にさらされ、ボールの内圧は低下する。ボールが使用されると、さらに内圧は早く低下する。そして、一旦ボールの内圧が低下すると、これらの保存容器では、ボールの内圧を回復させるのは困難である。上述のとおり、理論上は、容器内の空気圧をボールの内圧以上にすれば、ボールの内圧は回復していく。しかし、例えば10%内圧が低下した硬式テニスボールを、大気圧の2.5倍程度に加圧された空気入りの容器に入れても、内圧が回復するのに一ヶ月から二ヶ月程度必要となる。容器内の空気圧を上げることで回復速度は速くされうるが、高価な圧力容器が必要となる。結局、内圧の低下した硬式テニスボールは、フェルト部が使用されうる状態でも廃棄されていた。
ソフトテニス用のボールは、低下した内圧を回復させるために、バルブを有している。専用の空気入れを用いて、このバルブを通して空気を補充することで内圧が回復される。しかし、このバルブは周囲のゴムに比べて厚く硬いため、使用中に破損することがある。このバルブは、ボールの耐久性を損ねる。また、ボールを打った際にバルブがラケットに当たると、打球が不安定となる。さらには、ボール一つずつ空気を補充する必要があるため、内圧を回復させるのに大きな手間が必要である。
本発明の目的は、実用的な時間で、容易に中空ボールの内圧を高める方法の提供にある。
本発明に係る中空ボールの内圧を高める方法は、
(1)外殻とこの外殻に覆われたスペースとを有する中空ボールを、収容部に投入するステップ、
(2)上記外殻に対する透過性が、上記外殻に対する酸素ガス及び窒素ガスの透過性よりも優れたガスを、上記収容部に充填するステップ、
及び
(3)上記ガスに上記外殻を透過させるステップ
を含む。
上記外殻が天然ゴムを含んでいるとき、好ましくは、上記ステップ(2)において、25℃における天然ゴムに対する透過係数が20×10−17/(N・s)以上であるガスが上記収容部に充填される。
好ましくは、上記ステップ(2)において、二酸化炭素ガス又は二酸化炭素ガスと空気との混合ガスが上記収容部に充填される。
好ましくは、この方法は、上記ステップ(1)と(2)との間に、
(4)上記収容部の中の空気を排出するステップ
をさらに含む。
好ましくは、上記ステップ(3)における収容部の内部の温度は35℃以上60℃以下である。
好ましくは、上記ステップ(2)が終了した直後における、収納部の内圧と大気圧との差は、1.84kgf/cm以下である。
好ましくは、上記ステップ(2)が終了した直後における、収納部の内圧と大気圧との差は、0.9kgf/cm以下である。
好ましくは、上記ステップ(2)が終了した直後の、収容部の内部における空気の分圧は、大気圧よりも大きい。
好ましくは、上記ステップ(2)が終了した直後における、収納部の内圧と大気圧との差は、0.1kgf/cm以下である。
好ましくは、上記収容部は、樹脂組成物から形成された袋である。
好ましくは、上記ステップ(1)において収容部に投入されるすべての中空ボールの容積の合計値Vbに対する、上記ステップ(2)において収容部に充填されるガスの体積Vgの比(Vg/Vb)は1.0以上である。
上記収容部が、金属から形成された容器でもよい。
本発明に係る中空ボールの内圧を高めるための装置は、外殻とこの外殻に覆われたスペースとを有する中空ボールが投入されうる収容部と、この収容部にガスを供給する供給部とを備えており、上記外殻に対する上記ガスの透過性は、上記外殻に対する酸素ガス及び窒素ガスの透過性よりも優れている。
本発明に係るソフトテニス用のボールは、
(1)ソフトテニス用のボールを、収容部に投入するステップ、
(2)上記ソフトテニス用のボールの外殻に対する透過性が、上記ソフトテニス用のボールの外殻に対する酸素ガス及び窒素ガスの透過性よりも優れたガスを、上記収容部に充填するステップ、
及び
(3)上記ガスに上記ソフトテニス用のボールの外殻を透過させるステップ
を含む内圧を高める方法により内圧を高められる。このボールはバルブを有さない。
本発明に係る中空ボールの内圧を高める方法のための収容容器は、本体と、この本体に取り付けられた開閉具とを備えている。上記本体は、その内部にガスを送り込むための吸気口と、その内部からガスを排出するための排気口とを備えている。上記本体の一部が上記開閉具により開閉可能になっている。上記本体の一部が開いたときは、その開口から中空ボールの出し入れが可能であり、上記本体の一部が閉じたときは、上記本体は密閉状態となる。
好ましくは、上記本体はナイロンより構成されている。
好ましくは、上記開閉具は気密ファスナーである。
好ましくは、上記吸気口は上記排気口よりも下に位置している。
好ましくは、上記本体の下端から上記排気口の中心までの高さがHoとされたとき、この高さHoの上記本体の高さHに対する比(Ho/H)は90%以上である。
好ましくは、上記本体の下端から上記吸気口の中心までの高さがHiとされたとき、この高さHiの上記本体の高さHに対する比(Hi/H)は10%以下である。
上記収容具はホースをさらに備えていてもよい。上記本体の内部において、このホースの第一端の開口と上記吸気口とが重なるように上記ホースは上記本体に取り付けられている。上記ホースの第二端は上記排気口よりも下に位置している。
好ましくは、上記本体の下端から上記ホースの第二端までの高さがHhとされたとき、この高さHhの上記本体の高さHに対する比(Hh/H)は10%以下である。
好ましくは、上記収容具は、上記本体の内部に上記本体を補強するためのフレームをさらに備えている。
本発明に係る中空ボールの内圧を高める方法のための圧力容器は、中空ボールを収容する収容部と、この収容部を暖めるヒーターとを備えている。上記収容部は、中空ボールを出し入れする投入口を有する胴部と、この投入口を塞ぐ蓋と、上記収容部内部にガスを送り込む吸気口とを備えている。
好ましくは、上記ヒーターは上記収容部の外側に取り付けられている。
上記ヒーターは上記収容部の内部に取り付けられてもよい。
好ましくは、上記胴部と蓋とは金属より形成されている。
本発明に係る中空ボールの内圧を高める方法では、中空ボールが収容された収容部に、中空ボールの外殻に対する透過性が、酸素ガス及び窒素ガスよりも高いガスを充填する。このガスが収容部からボール内部に入り込む速度は、空気がボール内部に入り込む速度より早い。これにより、従来の空気を容器に充填する方法に比べて、短時間で中空ボールの内圧を高くすることができる。この方法によると、容易に内圧が低下したボールの再利用が可能となる。
図1は、本発明の一実施形態に係る中空ボールの内圧を高める方法のための装置が示された概念図である。 図2は、本発明の第二の実施形態に係る中空ボールの内圧を高める方法のための装置が示された概念図である。 図3は、本発明の第三の実施形態に係る中空ボールの内圧を高める方法のための装置が示された概念図である。 図4は本発明の一実施形態における、中空ボールの内圧を高める方法のための収容容器の斜視図である。 図5は本発明の他の実施形態における、中空ボールの内圧を高める方法のための収容容器の斜視図である。 図6は図5の収容容器の使用状態が示された概念図である。 図7は本発明のさらに他の実施形態における、中空ボールの内圧を高める方法のための収容容器の使用状態が示された斜視図である。 図8は本発明のさらに他の実施形態における、中空ボールの内圧を高める方法のための収容容器の斜視図である。 図9は図8の収容容器の使用状態が示された概念図である。 図10は本発明の一実施形態における、中空ボールの内圧を高める方法のための圧力容器の正面図である。 図11は図10の圧力容器の右側面図である。 図12は図10の圧力容器の平面図である。 図13は図12のXIII−XIII線に沿った断面図の一部である。
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。
図1は、本発明の一実施形態における、中空ボールの内圧を高める方法のための装置2を示している。この装置2は、圧力容器4、真空ポンプ6、ガスボンベ10、排気管12及び吸気管14を備えている。
圧力容器4は、外殻とこの外殻に覆われたスペースとを有する中空ボール18を収容する。圧力容器4は、典型的には金属からなる。圧力容器4が樹脂組成物からできていてもよい。圧力容器4は、密閉性が保たれている。
圧力容器4は、本体20と蓋22とを備えている。本体20はその上部に中空ボール18を投入するための投入口24を備えている。蓋22には吸気用の孔26と排気用の孔28が設けられている。排気用の孔28は蓋22を貫通している。排気用の孔28には、排気管12の一方の端が通される。排気管12のもう一方の先は、真空ポンプ6に接続されている。圧力容器4と真空ポンプ6は、排気管12によって接続されている。
圧力容器4の吸気用の孔26は、蓋22を貫通している。吸気用の孔26には、吸気管14の一方の端が通される。吸気管14のもう一方の先は、ガスボンベ10に接続されている。圧力容器4とガスボンベ10は、吸気管14によって接続されている。
真空ポンプ6は、圧力容器4内の気体を、排気管12を通して吸引する。真空ポンプ6により、圧力容器4内は、ほぼ真空にされうる。
ガスボンベ10は、圧力容器4に送り込むガスを貯蔵している。このガスは、中空ボール18の外殻に対する透過性が、酸素ガス及び窒素ガスの透過性よりも優れている。ガスボンベ10は、貯蔵しているガスを、吸気管14を通して圧力容器4に送り込む。ガスボンベ10は、圧力容器4内のガスの圧力を、大気圧以上にすることができる。
ガスボンベ10と圧力容器4との間にコンプレッサが備えられていてもよい。コンプレッサは、ガスボンベ10の圧力が、圧力容器4の圧力を高めるのに充分でないときに使用される。コンプレッサは、ガスボンベ10からのガスの圧力を高めて、圧力容器4に送り込む。
本発明に係る中空ボール18の内圧を高める方法では、最初のステップで、中空ボール18が圧力容器4に投入され、併せて圧力容器4内の空気が排出される。このステップでは、吸気管14は閉じられており、圧力容器4の密閉性は保たれている。真空ポンプ6が稼働され、容器内の空気が排気管12を通して排出される。容器内がほぼ真空になると、真空ポンプ6の稼働が止められる。
次のステップで、圧力容器4内にガスが充填される。ガスボンベ10からのガスが吸気管14を通して圧力容器4に送り込まれる。圧力容器4内に、ガスが充填される。圧力容器4内が所定の気圧になると、ガスの充填が止められる。
最後のステップで、充填したガスが中空ボール18の外殻を通過させられる。このステップでは、中空ボール18は圧力容器4内で所定の時間放置される。充填されたガスの中空ボール18内の圧力と圧力容器4内の圧力との差に起因して、ガスが中空ボール18の外殻を通過して、中に入り込む。これにより、中空ボール18の内圧が高められる。
本発明に係る中空ボール18の内圧を高める方法では、圧力容器4内に、中空ボール18の外殻に対する透過性が、酸素ガス及び窒素ガスの透過性よりも優れたガスを充填している。このガスが圧力容器4内から中空ボール18内部に入り込む速度は、空気が中空ボール18内部に入り込む速度よりも早い。これにより、従来の空気を容器に充填する方法に比べて、短時間で中空ボール18の内圧を高くすることができる。また、この方法では、圧力容器4内に中空ボール18を放置するだけで、多数の中空ボール18の内圧を高めることができる。この方法によると、容易に効率よく、中空ボール18の内圧を高めることができる。
以下、圧力容器4に充填されるガスとして二酸化炭素を用い、硬式テニスボールの内圧を高める場合を例にとって、上述の効果が具体的に説明される。なお、以下の説明では、大気圧は1.0kgf/cmであるとして説明される。
気体が膜を透過するときの速度Vは、気体の膜に対する透過係数をCp、気体の膜を介した外側と内側の分圧差をP、膜の厚みをWとしたとき、
V = Cp×P/W
で表される。
硬式テニスボール18の外殻は、通常天然ゴムで作られている。硬式テニスボール18の内部の気体は、ここでは大気と同様、窒素ガス(N)が80%、酸素ガス(O)が20%で構成されているとして説明される。前述のとおり、製造時に内圧を高めるために、ボール18内部で窒素ガスを発生させる方法と空気を圧縮して注入する方法とがある。窒素ガスを発生させる方法が採られた場合、実際には大気より窒素ガスの割合が多いことが予想されるが、このことは、本発明の効果には大きな影響を及ぼさない。硬式テニスボール18の内部には、大気と同様に、二酸化炭素ガス(CO)も存在するが、無視できる程度に少ない。天然ゴムに対する窒素ガス、酸素ガス及び二酸化炭素ガスの透過係数Cpが表1に示されている。また、表1には、窒素ガスの25℃における透過係数を1としたときの、各透過係数の比Ccが記載されている。膜の厚みWは一定とできるので、速度Vは、比Ccと分圧差Pとに比例する。この比例定数をC0とすれば、速度Vは、以下の通り書き直すことができる。
V = C0×Cc×P
以下では、この式を使用して効果が説明される。
Figure 2015006315
使用により、内圧が1.60kgf/cmまで低下した硬式テニスボール18を、本発明に係る方法によって回復させることを考える。このため、圧力容器4を真空にした後に、二酸化炭素ガスが、圧力2.84kgf/cmとなるまで充填されるとする。圧力容器4内に窒素ガス、酸素ガスは存在しない。従って、圧力容器4内の窒素ガス、酸素ガス及び二酸化炭素ガスの分圧は以下の通りとなる。
窒素ガス : 0.00kgf/cm
酸素ガス : 0.00kgf/cm
二酸化炭素ガス : 2.84kgf/cm
硬式テニスボール18の内部の気体は、前述の通り、窒素ガスが80%、酸素ガスが20%で構成されている。硬式テニスボール18の内圧は、1.60kgf/cmであり、二酸化炭素ガスは無視できることから、硬式テニスボール18内部の窒素ガス、酸素ガス及び二酸化炭素ガスの分圧は以下の通りとなる。
窒素ガス : 1.60×0.8=1.28kgf/cm
酸素ガス : 1.60×0.2=0.32kgf/cm
二酸化炭素ガス : 0.0kgf/cm
硬式テニスボール18の外側及び内側の分圧の値と、表1の透過係数Ccの値より、天然ゴムでできた硬式テニスボール18の外殻を外部から内部に向かって、窒素ガスが通過する速度V(N)、酸素ガスが通過する速度V(O)及び二酸化炭素ガスが通過する速度V(CO)は以下の通りとなる。
V(N)=C0×1.0×(0.00−1.28)=−1.28×C0
V(O)=C0×2.9×(0.00−0.32)=−0.93×C0
V(CO)=C0×16.3×(2.84−0.00)=47.71×C0
硬式テニスボール18内での窒素ガスと酸素ガスは、ボール18内部から外部に出ていくが、その20倍以上の速度で二酸化炭素ガスがボール18内部に入り込む。本方法によれば、全体としてガスが硬式テニスボール18に入り込む速度Vproは、以下となる。
Vpro=(47.71−1.28−0.93)×C0=45.50×C0
これに対して、従来の空気を充填する方法で、圧力容器4内の空気の圧力を2.84kgf/cmとした場合の、ガスが硬式テニスボール18に入り込む速度を計算する。このとき、圧力容器4内の窒素ガス及び酸素ガスの分圧は以下の通りとなる。
窒素ガス : 2.84×0.8=2.27kgf/cm
酸素ガス : 2.84×0.2=0.57kgf/cm
硬式テニスボール18内部の窒素ガス及び酸素ガスの分圧は以下の通りとなる。
窒素ガス : 1.6×0.8=1.28kgf/cm
酸素ガス : 1.6×0.2=0.32kgf/cm
よって、硬式テニスボール18の外殻を、窒素ガスが通過する速度V(N)、酸素ガスが通過する速度V(O)及び全体としてガスが硬式テニスボール18に入り込む速度Vcovは、以下の通りとなる。
V(N)=C0×1.0×(2.27−1.28)=0.99×C0
V(O)=C0×2.9×(0.57−0.32)=0.72×C0
Vcov=C0×(0.99+0.72)=1.71×C0
本方法によるガスがボール18に入り込む速度Vproと、従来方法による空気がボール18に入り込む速度Vcovを比較すれば、本発明の効果は明らかである。即ち、
Vpro/Vcov=26.6
となる。圧力容器4に2.84kgf/cmの気体を充填した直後では、本方法によると、従来方法の26倍以上の速度でガスがボール18に入り込む。これは、ボール18の内圧を上げる速度を大幅に改善する。本方法によれば、内圧が低下した硬式テニスボール18の内圧を回復させて、再度利用することが可能となる。
上記では、圧力容器4にガスが充填された直後の状態で、ガスが中空ボール18に入り込む速度が計算されている。実際には、容器内の気体が中空ボール18に入り込むと、容器内のガスの圧力は低下する。さらに、中空ボール18内の気体の分圧も変化する。このため、ガスが中空ボール18に入り込む速度は、時間とともに変化する。本明細書では、時間経過を考慮した速度の計算結果は示されない。圧力容器4にガスが充填された直後のガスが中空ボール18に入り込む速度の比較により、本方法の有効性は明らかだからである。
前述のように、圧力容器4内のガスが中空ボール18内部に入り込むことにより、容器内部の圧力が低下する。これは、ガスが中空ボール18に入り込む速度の低下の要因となる。この低下を防止するために、ガスボンベ10からガスを補充する方法が採られうる。例えば、図には示されないが、圧力容器4の内圧を観測する圧力モニタを設置し、内圧が一定値以下に減少した場合に、ガスボンベ10からガスを補充する方法が採られうる。このようなガスを補填する方法は、用途に応じて適宜採用される。
上記説明された方法では、最初のステップで、圧力容器4は真空にされている。圧力容器4は、真空にされなくてもよい。一定の圧力の空気が残留していてもよい。空気が全く排出されず、大気圧と同じだけ残留していてもよい。この場合は、最初のステップにおいて、圧力容器4内から空気を排出する処理は不要である。図1において、真空ポンプ6は不要となる。さらに、ガスボンベ10に、二酸化炭素と空気を混合したガスを入れておくことにより、二酸化炭素を容器内に送り込むとともに、ガスを容器に充填した後の空気の分圧を大気圧以上にしてもよい。これは、中空ボール18内の空気が外に出るのを抑制しつつ、二酸化炭素を中空ボール18内に入れて中空ボール18の内圧を高めるのに有効である。
以下では、容器内の空気は排出せず、その上に二酸化炭素と空気を充填して圧力容器4の内圧を2.84kgf/cmにした場合の例を挙げて、本方法の有効性を説明する。以下の例では、ガスを充填した後は、容器内の空気の分圧は大気圧以上である1.84kgf/cmとされ、二酸化炭素の分圧は大気圧と同じ1.00kgf/cmとされている。ボール18内の内圧は、上記の例と同じ、1.60kgf/cmとされている。このとき、硬式テニスボール18の外殻を、窒素ガスが通過する速度V(N)、酸素ガスが通過する速度V(O)及び二酸化炭素ガスが通過する速度V(CO)は以下の通りとなる。
V(N)=C0×1.0×(1.84−1.60)×80%=0.19×C0
V(O)=C0×2.9×(1.84−1.60)×20%=0.14×C0
V(CO)=C0×16.3×(1.00−0.00)=16.3×C0
全体としてガスが硬式テニスボール18に入り込む速度Vproは、以下となる。
Vpro=(16.30+0.19+0.14)×C0=16.63×C0
従来方法によるガスがボール18に入り込む速度Vcov=1.71×C0と比較すれば、
Vpro/Vcov=9.7
となる。なお、従来方法の9.7倍の速度でガスがボール18に入り込むこととなる。
一方、窒素ガスと酸素ガスも(0.19+0.14)×C0=0.33×C0の速度でボール18の内部に入り込む。容器を真空にした場合は、前述の結果より、(−1.28−0.93)×C0=−2.21×C0の速度で窒素ガス及び酸素ガスがボール18から出て行く。この方法では、ボール18内から空気が外に出るのを抑えつつ、従来方法に比べて高速に中空ボール18の内圧を高めることができる。
表1には、25℃及び50℃における、天然ゴムに対する窒素ガス、酸素ガス及び二酸化炭素ガス透過係数が示されている。これらのガスの50℃における透過係数は、25℃における透過係数の2倍から3倍になっている。即ち、圧力容器4内部の温度を25℃から50℃に上げることで、ガスが中空ボール18に入り込む速度を2倍以上にすることができる。これは、例えば、圧力容器4がヒーターを内蔵することで容易に実現できる。バンドヒータを用いて圧力容器4内の温度を上げてもよい。気体の透過係数を上げて、中空ボール18の内圧を高める速度を上げるとの観点から、圧力容器4内の温度は35℃以上が好ましい。中空ボール18の外殻の材料として多く使用される天然ゴムの品質を保つという観点から、圧力容器4内の温度は60℃以下が好ましい。
本方法では、ガスが充填された後の圧力容器4の内圧と大気圧との差は、1.84kgf/cm以下とされるのが好ましい。このことは、大気圧が1.00kgf/cmされたとき、圧力容器4の内圧が2.84kgf/cm以下に相当する。大気圧との差が1.84kgf/cm以下の内圧で使用される圧力容器4は、取り扱い及び管理が容易である。また、圧力容器4は、金属からなるのが好ましい。金属からなる圧力容器4は、大気圧との差が1.84kgf/cmである内圧に耐える充分な強度を有する。この観点から、より好ましい金属として、ステンレス鋼及びアルミニウム合金が例示される。
圧力容器4に充填されるガスの25℃における天然ゴムに対する透過係数Cpは、20×10−17/(N・s)以上であることが好ましい。温度25℃における透過係数Cpが20×10−17/(N・s)以上のガスを本方法に使用すれば、従来方法より短い時間で中空ボール18の内圧を高くすることができる。この観点から透過係数Cpは、50×10−17/(N・s)以上がより好ましい。
図2は、本発明の第二の実施形態における、中空ボールの内圧を高める方法のための装置30を示している。この装置30は、格納容器32、ガスボンベ34及び吸気管38を備えている。
格納容器32は、中空ボール42を収容する。格納容器32は、典型的には樹脂組成物からなる。格納容器32が金属からできていてもよい。格納容器32は、密閉性が保たれている。
格納容器32は、本体44と蓋46とを備えている。本体44はその上部に中空ボール42を投入するための投入口を備えている。本体44はその下部に吸気用の孔48を備えている。吸気用の孔48には、吸気管38の一方の端が通される。吸気管38のもう一方の先は、ガスボンベ34に接続されている。格納容器32とガスボンベ34は、吸気管38によって接続されている。
ガスボンベ34は、格納容器32に送り込むガスを貯蔵している。このガスは、中空ボール42の外殻に対する透過性が、酸素ガス及び窒素ガスの透過性よりも優れている。ガスボンベ34は、貯蔵しているガスを、吸気管38を通して格納容器32に送り込む。ガスボンベ34は、格納容器32内のガスの圧力を、大気圧以上にすることができる。
本発明に係る中空ボール42の内圧を高める方法では、最初のステップで、蓋46が開けられて、中空ボール42が格納容器32に投入される。
次のステップで、格納容器32内にガスが充填される。まず、蓋46が開けられたまま、ガスボンベ34からのガスが、格納容器32に送り込まれる。本体44の下部から送り込まれたガスに押されて、格納容器32内の空気は、上部の蓋46が開けられたままの投入口より排出される。これにより、格納容器32内の空気がほとんど排出される。一定時間経過後に、蓋46が閉められる。格納容器32内に、ガスが引き続き充填される。格納容器32内が所定の気圧になると、ガスの充填が止められる。
最後のステップで、充填したガスが中空ボール42の外殻を通過させられる。このステップでは、中空ボール42は格納容器32内で所定の時間放置される。充填されたガスの中空ボール42内の圧力と格納容器32内の圧力との差に起因して、ガスが中空ボール42の外殻を通過して、中に入り込む。これにより、中空ボール42の内圧が高められる。
本発明に係る中空ボール42の内圧を高める方法では、格納容器32内に、中空ボール42の外殻に対する透過性が、酸素ガス及び窒素ガスの透過性よりも優れたガスを充填している。このガスが格納容器32から中空ボール42内部に入り込む速度は、空気が中空ボール42内部に入り込む速度よりも早い。これにより、従来の空気を容器に充填する方法に比べて、短時間で中空ボール42の内圧を高くすることができる。また、この方法では、格納容器32内に中空ボール42を放置するだけで、多数の中空ボール42の内圧を高めることができる。この方法によると、容易に効率よく、中空ボール42の内圧を高めることができる。
本発明に係る中空ボール42の内圧を高める方法では、送り込まれるガスにより、格納容器32内の空気が排出される。この方法では、真空ポンプ6が不要である。この方法では、安価な装置30で中空ボール42の内圧を高めることができる。
図2の装置30では、ガスを送り込む吸気用の孔48は本体44の下部に設けられている。空気が排出される投入口は、本体44の上部に位置している。これらの位置関係によると、二酸化炭素のように空気より重いガスを格納容器32内に充填する場合に、効率良く充填されたガスが空気を容器の外に押し出すことができる。空気より軽いガスを格納容器32に充填するときは、吸気用の孔を上部に設け、排気用の孔を下部に設けるのが好ましい。
以下、格納容器32に充填されるガスとして二酸化炭素を用い、硬式テニスボール42の内圧を高める場合を例にとって、上述の効果が具体的に説明される。
使用により、内圧が1.60kgf/cmまで低下した硬式テニスボール42を、本発明に係る方法によって回復させることを考える。二酸化炭素ガスは、圧力1.80kgf/cmとなるまで充填されるとする。格納容器32内の空気は全て排出されたとする。従って、格納容器32内の窒素ガス、酸素ガス及び二酸化炭素ガスの分圧は以下の通りとなる。
窒素ガス : 0.00kgf/cm
酸素ガス : 0.00kgf/cm
二酸化炭素ガス : 1.80kgf/cm
硬式テニスボール42の内部の気体は、大気とほぼ同じで窒素ガスが80%、酸素ガスが20%で構成されている。硬式テニスボール42の内圧は、1.60kgf/cmであり、二酸化炭素ガスは無視できることから、硬式テニスボール42内部の窒素ガス、酸素ガス及び二酸化炭素ガスの分圧は以下の通りとなる。
窒素ガス : 1.60×0.8=1.28kgf/cm
酸素ガス : 1.60×0.2=0.32kgf/cm
二酸化炭素ガス : 0.00kgf/cm
硬式テニスボール42の外側及び内側の分圧の値と、表1の透過係数Ccの値より、天然ゴムでできた硬式テニスボール42の外殻を、窒素ガスが通過する速度V(N)、酸素ガスが通過する速度V(O)及び二酸化炭素ガスが通過する速度V(CO)は以下の通りとなる。
V(N)=C0×1.0×(0.00−1.28)=−1.28×C0
V(O)=C0×2.9×(0.00−0.32)=−0.93×C0
V(CO)=C0×16.3×(1.80−0.0)=29.34×C0
全体としてガスが硬式テニスボール42に入り込む速度Vproは、以下となる。
Vpro=(29.34−1.28−0.93)×C0=27.13×C0
これに対して、従来の空気を充填する方法で、格納容器32内の空気の圧力を1.80kgf/cmとした場合の、ガスが硬式テニスボール42に入り込む速度を計算する。このとき、格納容器32内の窒素ガス及び酸素ガスの分圧は以下の通りとなる。
窒素ガス : 1.80×0.8=1.44kgf/cm
酸素ガス : 1.80×0.2=0.36kgf/cm
硬式テニスボール42内部の窒素ガス及び酸素ガスの分圧は以下の通りとなる。
窒素ガス : 1.6×0.8=1.28kgf/cm
酸素ガス : 1.6×0.2=0.32kgf/cm
よって、硬式テニスボール42の外殻を、窒素ガスが通過する速度V(N)、酸素ガスが通過する速度V(O)及び全体としてガスが硬式テニスボール42に入り込む速度Vcovは、以下の通りとなる。
V(N)=C0×1.0×(1.44−1.28)=0.16×C0
V(O)=C0×2.9×(0.36−0.32)=0.12×C0
Vcov=C0×(0.16+0.12)=0.28×C0
本方法によるガスが硬式テニスボール42に入り込む速度Vproと、従来方法によるガスが硬式テニスボール42に入り込む速度Vcovを比較すれば、本発明の効果は明らかである。即ち、
Vpro/Vcov=96.7
となる。格納容器32に1.80kgf/cmの気体を充填した直後には、本方法によると、従来方法の97倍の速度でガスが硬式テニスボール42に入り込む。これは、硬式テニスボール42の内圧を上げる速度を大幅に改善する。本方法によれば、内圧が低下した硬式テニスボール42の内圧を回復させて、再度利用することが可能となる。
ガスが充填された後の格納容器32の内圧と大気圧との差は、0.90kgf/cm以下とされるのが好ましい。大気圧との差が0.90kgf/cm以下の内圧とされた格納容器32では、その材料として樹脂組成物を使用することができる。この格納容器32は安価である。この格納容器32は、金属製の容器に比べて軽量である。樹脂組成物としては、ポリエチレンテレフタレートが好ましい。ポリエチレンテレフタレートからなる格納容器32は、大気圧との差が0.90kgf/cmである内圧に耐える充分な強度を有する。
格納容器32内部の温度を上げることで、ガスが中空ボール42に入り込む速度を早くすることができる。気体の透過係数を大きくして、中空ボール42の内圧を高める速度を上げるとの観点から、格納容器32内の温度は35℃以上が好ましい。中空ボール42の外殻の材料として多く使用される天然ゴムの品質を保つという観点から、格納容器32内の温度は60℃以下が好ましい。
図3は、本発明の第三の実施形態における、中空ボールの内圧を高める方法のための装置50を示している。この装置50は、収容袋52、ガスボンベ54及び吸気管56を備えている。
収容袋52は、中空ボール58を収容する。収容袋52は、典型的には樹脂組成物からなる。収容袋52は柔らかいため、外部又は内部からの圧力により容易に変形をする。収容袋52は、中空ボール58を投入するための投入口60を備えている。この投入口60は、チャック62を備えている。このチャック62を閉めることで、この収容袋52の密閉性が保たれる。
ガスボンベ54は、収容袋52に送り込むガスを貯蔵している。このガスは、中空ボール58の外殻に対する透過性が、酸素ガス及び窒素ガスの透過性よりも優れている。
本発明に係る中空ボール58の内圧を高める方法では、最初のステップで、収容袋52のチャック62が開けられて、中空ボール58が収容袋52に投入される。このとき、収容袋52を押さえつけて中空ボール58に密着させることで、収容袋52内の空気が外に排気される。チャック62を必要なだけ開け掃除機の吸引口を挿入し、掃除機を稼働させることで内部の空気が排気されてもよい。真空ポンプにより内部の空気が排気されてもよい。空気が排出されれば、収容袋52のチャック62は閉じられる。
次のステップで、収容袋52内にガスが充填される。収容袋52のチャック62が必要なだけ開けられガスボンベ54からの吸気管56が収容袋52に挿入される。ガスボンベ54から直接ガスが送り込まれる。収容袋52にガスが充填されると吸気管56を抜いてチャック62が閉じられる。収容袋52内部のガスの圧力は、大気圧とほぼ同じとなる。ガスボンベ54のガスを送り出す圧力を使って、収容袋52内部のガスの圧力が大気圧以上の圧力にされてもよい。
最後のステップで、充填したガスが中空ボール58の外殻を通過させられる。このステップでは、中空ボール58は収容袋52内で所定の時間放置される。充填されたガスの中空ボール58内の圧力と収容袋52の圧力との差に起因して、ガスが中空ボール58の外殻を通過して、中に入り込む。これにより、中空ボール58の内圧が高められる。
本発明に係る中空ボール58の内圧を高める方法では、収容袋52内に、中空ボール58の外殻に対する透過性が、酸素ガス及び窒素ガスの透過性よりも優れたガスを充填している。このガスが収容袋52から中空ボール58内部に入り込む速度は、空気が中空ボール58内部入り込む速度よりも早い。これにより、従来の空気を容器に充填する方法に比べて、短時間で中空ボール58の内圧を高くすることができる。また、この方法では、収容袋52内に中空ボール58を放置するだけで、多数の中空ボール58の内圧を高めることができる。この方法によると、容易に効率よく、中空ボール58の内圧を高めることができる。
本発明に係る中空ボール58の内圧を高める方法では、収容袋52を押さえつけて中空ボール58に密着させることで、収容袋52内の空気を外に排気することができる。この方法では、真空ポンプが不要である。この方法では、収容袋52の内圧は大気圧と同じ程度さとれているため、ガスの充填が容易である。この方法では、さらに安価な装置50で中空ボール58の内圧を高めることができる。
以下、収容袋52に充填されるガスとして二酸化炭素を用い、硬式テニスボール58の内圧を高める場合を例にとって、上述の効果が具体的に説明される。以下の説明では、袋の内部の空気は全て排出されるとしている。
使用により、内圧が1.60kgf/cmまで低下した硬式テニスボール58を、本発明に係る方法によって回復させることを考える。二酸化炭素ガスは、大気圧と同じ1.00kgf/cmに充填される。収容袋内の空気は全て排気されたとする。従って、格納容器内の窒素ガス、酸素ガス及び二酸化炭素ガスの分圧は以下の通りとなる。
窒素ガス : 0.00kgf/cm
酸素ガス : 0.00kgf/cm
二酸化炭素ガス : 1.00kgf/cm
硬式テニスボール58の内部の気体は、大気とほぼ同じで窒素ガスが80%、酸素ガスが20%で構成されている。硬式テニスボール58の内圧は、1.60kgf/cmであり、二酸化炭素ガスは存在しないことから、硬式テニスボール58内部の窒素ガス、酸素ガス及び二酸化炭素ガスの分圧は以下の通りとなる。
窒素ガス : 1.60×0.8=1.28kgf/cm
酸素ガス : 1.60×0.2=0.32kgf/cm
二酸化炭素ガス : 0.00kgf/cm
硬式テニスボール58の外側及び内側の分圧の値と、表1の透過係数Ccの値より、天然ゴムでできた硬式テニスボール58の外殻を、窒素ガスが通過する速度V(N)、酸素ガスが通過する速度V(O)及び二酸化炭素ガスが通過する速度V(CO)は以下の通りとなる。
V(N)=C0×1.0×(0.00−1.28)=−1.28×C0
V(O)=C0×2.9×(0.00−0.32)=−0.93×C0
V(CO)=C0×16.3×(1.0−0.0)=16.30×C0
全体としてガスが硬式テニスボール58に入り込む速度Vproは、以下となる。
Vpro=(16.30−1.28−0.93)×C0=14.09×C0
これに対して、従来の空気を充填する方法では、収容袋52内の空気の圧力を硬式テニスボール58の内圧以上にしないと、硬式テニスボール58の内圧を回復することはできない。従来の方法では、図3で示される装置50では、硬式テニスボール58の内圧を回復させることは不可能である。また、先に述べた通り、従来方法では、圧力容器4を用いて、圧力容器4の空気を圧力2.84kgf/cmとなるようにしたときのガスが硬式テニスボール58に入り込む速度Vcovは1.71×C0であった。本方法では、図3に示される簡易な装置50を用いても、この方法の8倍以上の速度で、ガスが硬式テニスボール58に入り込む。本発明の効果は明らかである。
図3の例では、二酸化炭素を充填するためにガスボンベ54が使用されている。二酸化炭素を充填するために、ガスボンベ54を使う代わりに、袋の中にドライアイスが入れられてもよい。ドライアイスが溶けて気化することで、袋の内部に二酸化炭素が充填される。この方法では、ガスボンベ54が不要である。この場合、装置50がさらに安価にできる。
圧力容器4などの固定した形状の容器を用いて中空ボール58の内圧を高める場合は、容器内のガスが中空ボール58に入り込むと、容器内のガスの圧力は低下する。これは、中空ボール58の中にガスが入り込む速度の低下を招来する。図3に示される方法では、収容袋52内のガスが中空ボール58に吸収されたとき、外の大気圧に押されて収容袋52が変形し、内部の圧力が大気圧と同じになるまで、収容袋52の容積は小さくなる。即ち、収容袋52に充填されたガスが全て中空ボール58の内部に入り込まない限りは、袋の中のガスの圧力は大気圧と同じ1kgf/cmに保たれる。図3に示された方法では、外部からガスを補充することなく、ガスが中空ボール58に入り込む速度の低下を少なくできる。
大気中に放置された中空ボール58の内圧は、最も低くなったときは、大気圧まで低下する。硬式テニスボールをはじめ、現在使用されているほとんどの中空ボール58は、大気圧の2倍以下で使用されている。従って、大気圧と同じ内圧にガスが充填された収容袋52で、大気圧まで低下した中空ボール58の内圧を、大気圧の2倍まで上げる方法を提供することは有用である。
中空ボール58の内圧を2倍にするには、中空ボール58内の気体の量(モル量)が2倍にされる必要がある。これは、中空ボール58内の気体の量と同じ量だけ、二酸化炭素ガスを中空ボール58内に入れることを意味する。従って、収容袋52に充填されるガスのモル量は、収容袋52に格納された全ての中空ボール58内部の気体のモル量の合計値以上であるのが好ましい。中空ボール58内の気体と収容袋52内のガスの温度は同じであり、これらの圧力も上述の通り同じ大気圧であるため、中空ボール58内の気体と収容袋52内のガスとのモル量の比は、これらの気体の体積比に等しい。従って、収容部に投入されたすべての中空ボール58の容積(中空ボール58内部の空間の体積)の合計値Vbに対する収容袋52に充填されるガスの体積Vgの比(Vg/Vb)は、1.0以上が好ましい。比(Vg/Vb)が1.0以上となるまでガスを収容袋52に充填すれば、途中でガスが補填されることなく、大気圧まで内圧が低下した中空ボール58の内圧が大気圧の2倍にされうる。この方法では、途中でガスを補填する作業が不要とされる。
硬式テニスボール58では、典型的にはボール58の容積はボール58の体積の0.5倍である。換言すれば、硬式テニスボール58の内圧を2倍にするには、硬式テニスボール58の体積の0.5倍のガスが必要となる。従って、上記の条件は、「硬式テニスボール58を投入しガスを充填した後の収容袋52の容積VCの、収容部に投入されたすべての硬式テニスボール58の体積の合計値Vtに対する比(VC/Vt)は、1.5以上が好ましい」と言い換えることができる。使用者は、比(VC/Vt)が、1.5以上になるように、硬式テニスボール58とガスを収容袋52に入れることで、途中でガスを補填することなく、大気圧まで内圧が低下した硬式テニスボール58の内圧を大気圧の2倍にできる。
本方法では、ガスが充填された後の収容袋52の内圧の、大気圧との差は、0.1kgf/cm以下とされるのが好ましい。大気圧との差が0.1kgf/cm以下の内圧とされた収容袋52では、その材料として樹脂組成物を使用することができる。この収容袋52は安価で軽量である。また、この袋の窒素ガス、酸素ガス及び二酸化炭素ガスに対する透過係数は、ゴムに比べて無視できるほど小さい。この袋から気体が出て行く効果を考慮する必要はない。耐久性に優れ、安価で軽量であり、透過係数が充分小さいとの観点から、樹脂組成物の基材樹脂の主成分はナイロンが好ましい。この観点から、樹脂組成物の基材樹脂の主成分がポリエチレンでもよい。
収容袋52の温度を上げることで、ガスが中空ボール58に入り込む速度を早くすることができる。気体の透過係数を大きくして、中空ボール58の内圧を高める速度を上げるとの観点から、収容袋52内の温度は35℃以上が好ましい。中空ボール58の外殻の材料として多く使用される天然ゴムの品質を保つという観点から、収容袋52内の温度は60℃以下が好ましい。
ソフトテニス用のボールは、バルブを有している。空気入れを用いて、このバルブを通して空気を補充することで内圧が回復される。しかし、このバルブは周囲のゴムに比べて厚く硬いため、使用中に破損することがある。バルブは、ボールの耐久性を損ねる。また、ボールを打った際にバルブがラケットに当たると、打球が不安定となる。さらに、ボール一つずつ空気を補充する必要があるため、内圧を回復させるのに大きな手間が必要である。
本方法を用いて内圧を回復させれば、ソフトテニス用のボールは、バルブを有する必要がなくなる。バルブを有しないソフトテニス用のボールが実現できる。バルブを有しないソフトテニス用のボールは耐久性に優れる。このボールを使用すれば、ラケットがバルブに当たることはない。また、本方法を用いれば、収容部に複数のボールを投入することで、一度にこれらのボールの内圧の回復がされうる。この方法は、手間がかからない。
以上代表的な三種の実施形態で本発明に係る中空ボールの内圧を高める方法の効果が説明された。本発明の実施形態はここで示された三種に限られない。収容部として何を選択するのか、容器内の空気を排出する方法は何にするのか、あるいは空気の排出はしないのか、ボールを投入した後の収納部内の内圧はいくらにするのか等は、本方法の使用目的によって適宜選択され、組み合わされることができる。テニススクールで毎日半日程度ボールが使用される場合、学校のクラブ活動で放課後のみボールが使用される場合、一般家庭で休日のみにボールが使用される場合等で、適切な実施形態が実現されうる。本発明によれば、いずれの実施形態でも、従来方法に比べて、大幅に短い期間で容易に中空ボールの内圧が高められうる。以上より本発明の優位性は明らかである。
図4は本発明の一実施形態における、中空ボールの内圧を高める方法のための収容容器70の斜視図である。図4において、矢印Xが右方向であり、その逆が左方向である。矢印Yが上方向であり、その逆が下方向である。この収容容器70は、本体70と開閉具74とを備えている。
本体70は箱状である。本体70は、その内部に中空ボールを格納する。本体70は、その内部にガスを送り込むための吸気口76と、その内部からガスを排出するための排気口78とを備えている。吸気口76は本体70の側面の下側に取り付けられている。吸気口76は、キャップ80を備えている。このキャップ80により、吸気口76を塞ぐことができる。排気口78は本体70の上面に取り付けられている。排気口78はキャップ82を備えている。このキャップ82により、排気口78を塞ぐことができる。
開閉具74は、本体70の前面に位置している。この開閉具74は気密ファスナーである。この気密ファスナー74は、本体70の前面において、右辺、下辺及び左辺に沿って延びている。この気密ファスナー74を開くことで、本体70の前面を開くことができる。この開口から中空ボールの出し入れができる。気密ファスナー74を閉じることで、本体70は密閉状態となる。
この収容容器70を用いて中空ボールの内圧を高めるには、気密ファスナー74が開かれて、この開口から中空ボールが本体70の中に投入される。次に気密ファスナー74が閉じられる。吸気口76のキャップ80及び排気口78のキャップ82が開いた状態で、中空ボールの外殻に対する透過性が酸素ガス及び窒素ガスよりも優れたガスが、吸気口76から内部に送り込まれる。本体70の内部に存在していた空気は、このガスに押されて排気口78から排出される。このガスが収容容器70内に充填された後に、吸気口76及び排気口78が閉じられる。この収容容器70内の圧力は、外気圧と同じである。中空ボールは、この状態で一定の時間放置される。ガスが中空ボールの中に入り込み、中空ボールの内圧が高められる。
この収容容器70を用いて中空ボールの内圧を高める場合は、送り込まれるガスにより、収容容器70内の空気が排出される。この容器を用いて中空ボールの内圧を高めるときは、容器内の空気を排出する処理が不要である。また、この収容容器70では、容器内部の圧力は大気圧と同じである。この収容容器70は安価な材料で構成できる。この方法では、安価な装置で中空ボールの内圧を高めることができる。
前述のとおり、図4の収容容器70では、吸気口76は本体70の側面の下側に位置しており、排気口78は本体70の上面に位置している。排気口78は吸気口76より上に位置している。二酸化炭素のように空気より重いガスを収容容器70内に充填する場合には、このように排気口78は吸気口76よりも上に位置するのが好ましい。排気口78が吸気口76より上に位置することで、充填されたガスが空気を容器の外に効率良く押し出すことができる。
図4において、両矢印Hiは、本体70の下端から吸気口76の中心までの上下方向の高さである。両矢印Hは、本体70の高さである。高さHiの高さHに対する比(Hi/H)は10%以下が好ましい。比(Hi/H)を10%以下とすることで、送り込まれたガスが効率良く本体70内部に存在していた空気を押し出すことができる。
図示されないが、本体70の下端から排気口78の中心までの上下方向の高さは符号Hoで表される。図4の収容容器70では、高さHoは高さHと同じである。高さHoの高さHに対する比(Ho/H)は90%以上が好ましい。比(Ho/H)を90%以上とすることで、本体70内部に存在していた空気は、効率よく排気口78から排出される。
この収容容器70では、本体70は樹脂組成物からなるのが好ましい。樹脂組成物からなる本体70を有する収容容器70は安価で軽量である。樹脂組成物の袋の窒素ガス、酸素ガス及び二酸化炭素ガスに対する透過係数は、ゴムに比べて無視できるほど小さい。この容器は密閉性が保たれている。耐久性に優れ、安価で軽量であり、透過係数が充分小さいとの観点から、樹脂組成物の基材樹脂の主成分はナイロンが好ましい。この観点から、樹脂組成物の基材樹脂の主成分がポリエチレンでもよい。
開閉具74は、気密ファスナー74に限られない。開閉具がチャックシールでもよい。開閉が可能で気密性が保たれるものであれば、他の方式の開閉具でもよい。
図4の収容容器70は、吸気口76及び排気口78をそれぞれ一つずつ有している。この収容容器70が2以上の吸気口76又は排気口78を有していてもよい。この場合、収容容器70内の空気の排出又は収容容器70内へのガスの充填が効率良くできる。
吸気口76と排気口78との距離は、なるべく大きくするのが好ましい。これにより、吸気口76から注入したガスがそのまま排気口78から漏れ出ることが防止できる。これにより、効率よくガスの充填ができる。
図5は本発明の他の実施形態における、中空ボールの内圧を高める方法のための収容容器84の斜視図である。この収容容器84は、本体86と開閉具88とホース90とフレーム92とを備えている。
本体86は箱状である。本体86は、その内部に中空ボールを格納する。本体86はその内部にガスを送り込むための吸気口94と、その内部からガスを排出するための排気口96とを備えている。吸気口94及び排気口96は本体86の上面に取り付けられている。吸気口94は、バルブ98及びキャップ100を備えている。このバルブ98には、ガスボンベの送気管が接続される。また、このバルブ98にキャップ100を被せることにより、吸気口94を塞ぐことができる。排気口96はキャップ102を備えている。このキャップ102により、排気口96を塞ぐことができる。
開閉具88は、本体86の前面に位置している。この開閉具88は気密ファスナーである。気密このファスナー88は、本体86の前面の中央において、上下に延びている。この気密ファスナー88を開くことで、本体86の前面を開くことができる。この開口から中空ボールの出し入れができる。気密ファスナー88を閉じることで、本体86は密閉状態となる。
ホース90は、本体86の内部に位置している。このホース90は本体86に取り付けられている。このホース90の第一端の開口は、吸気口94と重なっている。吸気口94から送り込まれたガスは、このホース90を通過して本体86内部に充填される。ホース90の第二端104は、排気口96よりも下に位置している。
フレーム92は本体86の内部に位置する。フレーム92は本体86を支える。またこれは、中空ボールを入れたかごを置くためのラックともなりうる。フレーム92は典型的にはプラスチック又は金属からなる。
この収容容器84を用いて中空ボールの内圧を高めるには、気密ファスナー88が開かれて、この開口から中空ボールが本体86の中に投入される。次に気密ファスナー88が閉じられる。図6に示されるとおり、吸気口94のバルブ98にガスボンベ106が接続される。吸気口94のバルブ98及び排気口96のキャップ100を開けた状態で、中空ボールの外殻に対する透過性が酸素ガス及び窒素ガスよりも優れたガスが、吸気口94から内部に送り込まれる。吸気口94から送り込まれたガスは、ホース90を通して本体86の内部に充填される。本体86の内部に存在していた空気は、このガスに押されて排気口96から排出される。このガスが収容容器84内に充填された後に、吸気口94及び排気口96が閉じられる。この収容容器84内の圧力は、外気圧と同じである。中空ボールは、この状態で一定の時間放置される。ガスが中空ボールの中に入り込み、中空ボールの内圧が高められる。
この収容容器84を用いて中空ボールの内圧を高める場合は、送り込まれるガスにより、収容容器84内の空気が排出される。この容器を用いて中空ボールの内圧を高めるときは、容器内の空気を排出する処理が不要である。また、この収容容器84では、容器内部の圧力は大気圧と同じである。この収容容器84は安価な材料で構成できる。この方法では、安価な装置で中空ボールの内圧を高めることができる。
前述のとおり、図5の収容容器84ではホース90の第二端104は排気口96よりも下に位置している。これにより、二酸化炭素のように空気より重いガスを収容容器84内に充填する場合には、充填されたガスが空気を容器の外に効率良く押し出すことができる。この収容容器84では、吸気口94は、排気口96よりも上に位置していてもよい。吸気口94は、本体86のどこに位置していてもよい。この容器では、吸気口94は使用者が使い易いところに位置することができる。
図6において、両矢印Hhは、本体86の下端からホース90の第二端104までの上下方向の高さである。両矢印Hは、本体86の高さである。高さHhの高さHに対する比(Hh/H)は10%以下が好ましい。比(Hh/H)を10%以下とすることで、吸気されたガスが効率良く本体86内部に存在していた空気を押し出すことができる。
この収容容器84は内部にフレーム92を有している。フレーム92は本体86を補強する。本体86が軟質な樹脂組成物よりなる場合であっても、この収容容器84は安定して設置されうる。また、このフレーム92は中空ボールを入れたかごを格納するためのラックとして使用できる。これは、中空ボールの出し入れを容易にする。
図7はさらに他の実施形態における、中空ボールの内圧を高める方法のための収容容器110の使用状態が示された概念図である。この収容容器110の吸気口112は上面に位置している。この容器はホースを備えていない。この容器では、吸気口112の内径はガスボンベ114の管116の外径より大きくされている。ガスを供給するボンベの管116は、吸気口112から本体118の内部に挿入されている。この管116の先端は排気口150より下に位置している。これにより、二酸化炭素のように空気より重いガスを収容容器110内に充填する場合には、充填されたガスが空気を容器の外に効率良く押し出すことができる。
図8は本発明のさらに他の実施形態における、中空ボールの内圧を高める方法のための収容容器130の斜視図である。この収容容器130は、本体132と開閉具134とを備えている。
本体132は箱状である。本体132は、その内部に中空ボールを格納する。本体132はその内部にガスを送り込むための吸気口136と、その内部からガスを排出するための排気口138とを備えている。吸気口136及び排気口138は本体132の上面に取り付けられている。吸気口136は、キャップ137を備えている。このキャップ137により、吸気口136を塞ぐことができる。排気口138はキャップ139を備えている。このキャップ139により、排気口138を塞ぐことができる。
開閉具134は、本体132の前面、両側面及び背面に位置している。開閉具134は、前面、両側面及び背面の上辺の近くにて、本体132の周りを一周回っている。この開閉具134は気密ファスナー134である。図9に示されるとおり、この気密ファスナー134を開くことで、本体132の上側全体を開けることができる。この開口から中空ボールの出し入れができる。気密ファスナー134を閉じることで、本体132は密閉状態となる。
この収容容器130を用いて中空ボールの内圧を高めるには、気密ファスナー134が開かれて、この開口から中空ボールが本体132の中に投入される。次に気密ファスナー134が閉じられる。吸気口136のキャップ140及び排気口138のキャップ139を開けた状態で、中空ボールの外殻に対する透過性が酸素ガス及び窒素ガスよりも優れたガスが、吸気口136から内部に送り込まれる。本体132の内部に存在していた空気は、このガスに押されて排気口138から排出される。このガスが収容容器130内に充填された後に、吸気口136及び排気口138が閉じられる。中空ボールは、この状態で一定の時間放置される。ガスが中空ボールの中に入り込み、中空ボールの内圧が高められる。
この収容容器130が本体132の内部にホースを備えていてもよい。若しくは、この吸気口136から、ガスボンベの管が内部に挿入できるようになっていてもよい。
前述のとおり、この収容容器130は、本体132の上側全体を開くことができる。これは、中空ボール136の出し入れを容易にする。使用者は、中空ボール136が入ったかご138全体を、そのままこの容器160に入れることができる。これは、中空ボール136の出し入れの手間を大きく削減する。
吸気口136と排気口138との距離は、なるべく大きくするのが好ましい。これにより、吸気口136から注入したガスがそのまま排気口138から漏れ出ることが防止できる。これにより、効率よくガスの充填ができる。
図10は本発明の一実施形態における、中空ボールの内圧を高める方法のための圧力容器140の正面図である。図10において、矢印Xが右方向であり、その逆が左方向である。矢印Yが上方向であり、その逆が下方向である。紙面に垂直な方向が前後方向である。図11はこの圧力容器140の右側面図であり、図12はこの圧力容器140の平面図である。図12において、矢印Zが前方向であり、その逆が後ろ方向である。この圧力容器140は、中空ボールを収容する収容部142と、この収容部142を暖めるヒーター144とを備えている。収容部142は、胴部146、蓋148、クランプ150、吸気口152、排気口154、温度計156及び圧力計158を備えている。
胴部146は、底160を有する円筒形である。胴部146の底160は、下方向に凸な丸みを帯びている。図示されていないが、胴部146は、その上部に中空ボールを投入するための投入口を備えている。投入された中空ボールは、胴部146の内部に格納される。
蓋148は、胴部146の上に被せられる。蓋148の上部は、上方向に凸な丸みを帯びている。蓋148の外径は、胴部146の外径と一致する。蓋148が胴部146に被せられたとき、蓋148は胴部146の投入口を塞ぐ。
クランプ150は、胴部146と蓋148との境界に位置している。クランプ150は、胴部146及び蓋148の周りを回っている。クランプ150は円弧部162、ボルト164及びナット166を備えている。図12に示されるように、円弧部162は、前方が開いた、ほぼ円に近い円弧状を呈している。円弧の二つの端168は前方に向けて折れ曲がっている。
図13には、図12のXIII−XIII線に沿った断面の一部が示されている。図に示されるように、円弧部162の断面はコの字状を呈している。胴部146の上端及び蓋148の下端は外側方向に折れ曲がり互いに重なっている。この重なり部分に円弧部162が嵌め込まれている。図12に示される通り、円弧部162の二つの端168には、ボルト164が通されている。ボルト164はさらにナット166に通されている。このボルト164とナット166とにより、この円弧部162は強力に胴部146と蓋148とを締め付ける。これにより、胴部146は蓋148と強固に密着する。胴部146及び蓋148は、円弧部162と強固に密着する。圧力容器140の内部のガスが、胴部146と蓋148との間から外に漏れることはない。この圧力容器140の密閉性が保たれている。
吸気口152は、蓋148に設けられている。吸気口152は開閉可能なバルブで構成されている。このバルブにガスボンベをつないでバルブを開けることにより、ガスが収容部142の内部に送り込まれる。
排気口154は、蓋148に設けられている。吸気口152は開閉可能なバルブで構成されている。バルブを開けることにより、ガスは収容部142から放出される。圧力容器140の内部の圧力が高くなり過ぎたときも、排気口154からガスが排出される。
温度計156は蓋148の上に位置している。温度計156は圧力容器140の内部の温度をモニタする。
圧力計158は蓋148の上に位置している。圧力計158は圧力容器140の内部の圧力をモニタする。
ヒーター144は、胴部146の周りに巻かれている。これはラバーヒーターである。このヒーター144は収容部142の外側に取り付けられている。このヒーター144は、収容部142の外部から収容部142の内部を加熱する。図示されないが、このヒーター144は温度調節用のつまみを有している。これにより、収容部142の内部の温度が所望の値に調節される。
この圧力容器140を用いて中空ボールの内圧を高めるには、まず胴部146の投入口から中空ボールが胴部146の中に投入される。胴部146の上に蓋148が被せられる。クランプ150が胴部146と蓋148の境界に取り付けられ、クランプ150のボルト164が締められる。これにより、圧力容器140が密閉状態となる。圧力容器140の排気口154から圧力容器140内の空気が排出される。中空ボールの外殻に対する透過性が酸素ガス及び窒素ガスよりも優れたガスが、吸気口152から圧力容器140の内部に送り込まれる。このガスは、圧力容器140内の圧力が所定の値となるまで送り込まれる。ヒーター144が稼働させられる。これにより、圧力容器140が、所定の温度になるまで加熱される。中空ボールは、この状態で一定の時間放置される。ガスが中空ボールの中に入り込み、中空ボールの内圧が高められる。
前述のとおり、天然ゴムに対する窒素ガス、酸素ガス及び二酸化炭素ガスの50℃における透過係数は、25℃における透過係数の2倍から3倍になっている。この圧力容器140はヒーター144を備えている。この圧力容器140では、内部の温度を容易に上げることができる。この圧力容器140に充填するガスとして二酸化炭素ガスを使用した場合、圧力容器140内部の温度を25℃から50℃に上げることで、ガスが中空ボールに入り込む速度がほぼ2.2倍になる。この圧力容器140によれば、容易により短時間で、中空ボールの内圧を高めることができる。
ヒーターは、収容部142の外部に取り付けるタイプでなくてもよい。収容部142の内部に取り付けるタイプでもよい。例えば、熱源となるカイロを収容部142の内部に設置してもよい。この場合は、熱源は直接中空ボールと接触しないように仕切りを設けるのが好ましい。
胴部146及び蓋148は金属からなるのが好ましい。胴部146及び蓋148が金属である圧力容器140は良好な耐熱性を有する。この容器は、ヒーター144で加熱しても損傷をすることはない。さらにこの圧力容器140は、良好な耐圧性を有する。この容器を用いれば、内部の圧力が大気よりも高くされうる。この容器では、さらに効率よく中空ボールの内圧を高めることができる。この観点から、好ましい金属として、アルミニウム合金が例示される。この容器がステンレス鋼からなってもよい。
図10の圧力容器140は、吸気口152及び排気口154をそれぞれ一つずつ有している。この圧力容器140が2以上の吸気口152又は排気口154を有していてもよい。この場合、圧力容器140内の空気の排出又は圧力容器140内へのガスの充填が効率良くできる。
以下、実施例によって本発明の効果が明らかにされるが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるべきではない。
[実施例1]
図1に示された装置を用意し、表1に示された仕様で中空ボールの内圧を高める方法を実施したのが実施例1である。表中のボールの種類で、「硬式TB」は硬式テニスボールを使用したことを意味する。充填するガスとして二酸化炭素が使用された。ボール内圧は、大気圧との差として計測された。使用された硬式テニスボールは、大気圧まで内圧が低下している。従って大気圧とボール内圧の差は、0.0kgf/cmである。このテニスボールの外殻は天然ゴムよりなっている。これらのボールは、ステンレス鋼よりなる圧力容器に投入された。表中で、脱気操作の欄の「真空」は、二酸化炭素を充填する前に、真空ポンプを使用して圧力容器内の空気が排出されたことを示している。従って圧力容器内の空気の分圧は、大気圧との差で−1.0kgf/cmである。二酸化炭素は、大気圧と同じ圧力になるまで充填された。従って二酸化炭素の圧力と大気圧との差は0.0kgf/cmである。圧力容器内の温度は25℃とされた。表中で「容器重量」は、投入されたボール1個に対する容器の重量を示している。表中でCO補給回数が「1」となっているのは、最初に二酸化炭素が充填された後は、二酸化炭素ガスの補充はされないことを意味している。
[実施例2−3]
充填する二酸化炭素の圧力を表2に示される通りとした他は実施例1と同様にしたのが、実施例2−3である。
[比較例1]
充填するガスを空気とした他は実施例3と同様にしたのが、比較例1である。
[実施例4]
圧力容器内の空気を排出せず、充填するガスとして二酸化炭素と空気の混合気体を使用し、ガス充填後における圧力容器内の空気の分圧の、大気圧との差が表3示される通りとした他は実施例1と同様にしたのが、実施例4である。
[実施例5−6]
圧力容器内の温度を表3に示される通りとした他は実施例1と同様にしたのが、実施例5−6である。
[実施例7]
比(Vg/Vb)を表3に示される通りとし、途中で二酸化炭素ガスが一度補充された他は実施例1と同様にしたのが、実施例7である。表中でCO補給回数が「2」となっているのは、最初に二酸化炭素が充填された後に、途中で一度二酸化炭素ガスが大気圧になるまで補充されることを意味している。
[実施例8]
表4中で、脱気操作の欄の「押し出し」は、真空ポンプによる脱気をせず、二酸化炭素ガスを入れることで空気を押し出したことを示す。脱気操作を押し出しとした他は実施例1と同様にしたのが、実施例8である。
[実施例9]
比(Vg/Vb)を表4に示される通りとし、途中で一度二酸化炭素ガスが大気圧になるまで補充された他は実施例8と同様にしたのが、実施例9である。
[実施例10]
図2に示された装置を用意し、表4に示された仕様で中空ボールの内圧を高める方法を実施したのが実施例10である。表中の容器の欄で、「PET」は、格納容器がポリエチレンテレフタレートからできていることを示す。脱気操作は、「押し出し」で実施された。圧力容器内の二酸化炭素の分圧が、大気圧との差で0.9kgf/cmとなるように、二酸化炭素ガスは充填された。
[実施例11]
図3に示された装置を用意し、表5に示された仕様で中空ボールの内圧を高める方法を実施したのが実施例11である。表中の容器の欄で、「ナイロン」は、収容袋がナイロンからできていることを示す。脱気操作で、「掃除機」とされているのは、収容袋にボールが投入された後に、袋内の空気を掃除機で排出したことを示す。二酸化炭素は、大気圧と同じ圧力になるまで充填された。従って圧力容器内の二酸化炭素の分圧と大気圧との差は0.0kgf/cmである。
[実施例12]
比(Vg/Vb)を表5に示される通りとし、途中で二酸化炭素ガスが容量Vgになるまで補充された他は実施例11と同様にしたのが、実施例12である。
[実施例13]
収容袋の材質をポリエチレンとした他は実施例12と同様にしたのが、実施例13である。
[実施例14]
ソフトテニスボールの内圧を高めることとした他は実施例12と同様にしたのが、実施例14である。表中のボールの種類で、「ソフトTB」はソフトテニスボールを使用したことを意味する。
[内圧上昇速度の評価]
各々の実施例で示された方法でガスが収容部に充填された後、ボールが収容部内で24時間放置された。実施例7、9、12、13及び14については、12時間後に一度二酸化炭素ガスが補填された。その後ボールを収容部から取り出し、内圧が測定された。この内圧とガス充填前の内圧との差が、内圧上昇速度として表2−5に示されている。
Figure 2015006315
Figure 2015006315
Figure 2015006315
Figure 2015006315
表2−5に示されるように、実施例のボールの内圧を高める方法では、比較例のボールの内圧を高める方法に比べて、大幅に早い速度でボールの内圧が回復している。この評価結果から、本発明の優位性は明らかである。
以上説明された方法は、様々な中空ボールの内圧を高めるために利用できる。
2、30、50・・・中空ボールの内圧を高める方法のための装置
4、140・・・圧力容器
6・・・真空ポンプ
10、34、54、106、114・・・ガスボンベ
12・・・排気管
14、38、56・・・吸気管
16、40・・・送気管
18、42、58、136・・・ボール
20、44、72、86、118、132・・・本体
22、46、148・・・蓋
24、60・・・投入口
26、28、48・・・孔
32・・・格納容器
52・・・収容袋
62・・・チャック
76、94、112、136、152・・・吸気口
84、78、96、120、138、154・・・排気口
70、84、110、130・・・収容容器
74、88、134・・・開閉具(気密ファスナー)
80、82、100、102、137、139・・・キャップ
90・・・ホース
92・・・フレーム
98・・・バルブ
104・・・第二端
116・・・管
138・・・かご
142・・・収容部
144・・・ヒーター
146・・・胴部
150・・・クランプ
156・・・温度計
158・・・圧力計
160・・・底
162・・・円弧部
164・・・ボルト
166・・・ナット
168・・・端

Claims (29)

  1. (1)外殻とこの外殻に覆われたスペースとを有する中空ボールを、収容部に投入するステップ、
    (2)上記外殻に対する透過性が、上記外殻に対する酸素ガス及び窒素ガスの透過性よりも優れたガスを、上記収容部に充填するステップ、
    及び
    (3)上記ガスに上記外殻を透過させるステップ
    を含む中空ボールの内圧を高める方法。
  2. 上記外殻が天然ゴムを含んでおり、
    上記ステップ(2)において、25℃における天然ゴムに対する透過係数が20×10−17/(N・s)以上であるガスが上記収容部に充填される請求項1に記載の方法。
  3. 上記ステップ(2)において、二酸化炭素ガス又は二酸化炭素ガスと空気との混合ガスが上記収容部に充填される請求項1又は2に記載の方法。
  4. 上記ステップ(1)と(2)との間に、
    (4)上記収容部の中の空気を排出するステップ
    をさらに含む請求項1から3のいずれかに記載の方法。
  5. 上記ステップ(3)における収容部の内部の温度が35℃以上60℃以下である請求項1から4のいずれかに記載の方法。
  6. 上記ステップ(2)が終了した直後における、収納部の内圧と大気圧との差が、1.84kgf/cm以下である請求項1から5のいずれかに記載の方法。
  7. 上記ステップ(2)が終了した直後における、収納部の内圧と大気圧との差が、0.9kgf/cm以下である請求項6に記載の方法。
  8. 上記ステップ(2)が終了した直後の、収容部の内部における空気の分圧が、大気圧よりも大きい請求項1から7のいずれかに記載の方法。
  9. 上記ステップ(2)が終了した直後における、収納部の内圧と大気圧との差が、0.1kgf/cm以下である請求項7に記載の方法。
  10. 上記収容部が、樹脂組成物から形成された袋である請求項9に記載の方法。
  11. 上記樹脂組成物の基材樹脂の主成分がナイロンである請求項10に記載の方法。
  12. 上記ステップ(1)において収容部に投入されるすべての中空ボールの容積の合計値Vbに対する、上記ステップ(2)において収容部に充填されるガスの体積Vgの比(Vg/Vb)が1.0以上である請求項10又は11に記載の方法。
  13. 上記収容部が、金属から形成された容器である請求項1から9のいずれかに記載の方法。
  14. 外殻とこの外殻に覆われたスペースとを有する中空ボールが投入されうる収容部と、この収容部にガスを供給する供給部とを備えており、
    上記外殻に対する上記ガスの透過性が、上記外殻に対する酸素ガス及び窒素ガスの透過性よりも優れている、中空ボールの内圧を高めるための装置。
  15. (1)ソフトテニス用のボールを、収容部に投入するステップ、
    (2)上記ソフトテニス用のボールの外殻に対する透過性が、上記ソフトテニス用のボールの外殻に対する酸素ガス及び窒素ガスの透過性よりも優れたガスを、上記収容部に充填するステップ、
    及び
    (3)上記ガスに上記ソフトテニス用のボールの外殻を透過させるステップ
    を含む内圧を高める方法により内圧を高められた、バルブのないソフトテニス用のボール。
  16. 本体と、この本体に取り付けられた開閉具とを備えており、
    上記本体が、その内部にガスを送り込むための吸気口と、その内部からガスを排出するための排気口とを備えており、
    上記本体の一部が上記開閉具により開閉可能になっており、
    上記本体の一部が開いたときは、その開口から中空ボールの出し入れが可能であり、
    上記本体の一部が閉じたときは、上記本体が密閉状態となる中空ボール用の収容容器。
  17. 上記本体がナイロンより構成されている請求項16に記載の収容容器。
  18. 上記開閉具が気密ファスナーである請求項16又は17のいずれかに記載の収容容器。
  19. 上記吸気口が上記排気口よりも下に位置している請求項16から18のいずれかに記載の収容容器。
  20. 上記本体の下端から上記排気口の中心までの高さがHoとされたとき、この高さHoの上記本体の高さHに対する比(Ho/H)が90%以上である請求項16から19のいずれかに記載の収容容器。
  21. 上記本体の下端から上記吸気口の中心までの高さがHiとされたとき、この高さHiの上記本体の高さHに対する比(Hi/H)が10%以下である請求項16から20のいずれかに記載の収容容器。
  22. 上記収容具がホースをさらに備えており、
    上記本体の内部において、このホースの第一端の開口と上記吸気口とが重なるように
    上記ホースが上記本体に取り付けられている請求項16から21のいずれかに記載の収容容器。
  23. 上記ホースの第二端が上記排気口よりも下に位置している請求項22に記載の収容容器。
  24. 上記本体の下端から上記ホースの第二端までの高さがHhとされたとき、この高さHhの上記本体の高さHに対する比(Hh/H)が10%以下である請求項22又は23に記載の収容容器。
  25. 上記本体の内部に上記本体を補強するためのフレームをさらに備えている請求項16から24のいずれかに記載の収容容器。
  26. 中空ボールを収容する収容部と、この収容部を暖めるヒーターとを備えており、
    上記収容部が、中空ボールを出し入れする投入口を有する胴部と、この投入口を塞ぐ蓋と、上記収容部内部にガスを送り込む吸気口とを備えている圧力容器。
  27. 上記ヒーターが上記収容部の外側に取り付けられている請求項26に記載の圧力容器。
  28. 上記ヒーターが上記収容部の内部に取り付けられている請求項27に記載の圧力容器。
  29. 上記胴部と蓋とが金属より形成されている請求項26から28のいずれかに記載の圧力容器。
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