JP2015006034A - コア部材及びそれを用いた回転電機とその製造方法及び製造装置 - Google Patents

コア部材及びそれを用いた回転電機とその製造方法及び製造装置 Download PDF

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Abstract

【課題】コイルの放熱性の確保に好適なコア部材及びそれを用いた回転電機とその製造方法及び製造装置を提供する。
【解決手段】円周状の内周面若しくは外周面に複数のティース12が配置され、これらティース12間に、コイル線材14Aが配置されたスロット空間13を備える円筒状のコア部材10をモールド対象とし、コア部材10を収容するキャビティCが形成された一対の金型30,40内に樹脂52を注入して、樹脂52によりモールドする回転電機のコア部材10の製造装置である。そして、コイル線材14Aを、当該スロット空間13内においてコア部材10の外径側へ付勢し、コイル線材14Aを外径側に付勢した後若しくは外径側に付勢しつつ、キャビティCに樹脂52を充填するようにした。
【選択図】図5

Description

本発明は、モータやジェネレータ等の回転電機のコイルを巻回し樹脂によりモールドしたステータやロータ等のコア部材及びそれを用いた回転電機とその製造方法及び製造装置に関するものである。
従来からモータやジェネレータ等の回転電機において、コイルを巻回したステータやロータ等のコア部材の絶縁性や強度を確保するために、樹脂によるモールドが実施されている(特許文献1参照)。
特許文献1では、コイルを巻回したコア部材としてのステータを上金型と下金型とで形成したキャビティに収容し、樹脂のモールド時に放熱性の観点からボイドを発生させないように、上金型からキャビティ内の空気を排出しつつキャビティの下方から樹脂を注入する工法が実施されている。
特開2008−260190号公報
ところで、コア部材に巻回されるコイルは界磁電流によりそれ自身から発熱するため、この熱をコア部材(ステータ若しくはロータ)を経由させて外部へ逃がす構造が必要である。しかしながら、コア部材(ステータやロータ)のスロット空間に巻回されたコイル線材は、スロット空間内に隙間をもって分布され、夫々の線材同士が互いに密に接触していない状態となる。このような場合には、各コイル線材の熱は、最終的にワークを構成するステータ若しくはロータに伝達されるものであるが、その伝達経路に隙間があることにより、隣接するコイル線材に直接伝達される割合が減少することとなり、コイルの放熱性に課題があった。
そこで本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、コイルの放熱性の確保に好適なコア部材及びそれを用いた回転電機とその製造方法及び製造装置を提供することを目的とする。
本発明は、円周状の内周面若しくは外周面に複数のティースが配置されてこれらティース間に半径方向のスロット空間を備え、当該スロット空間内にコイル線材が配置された円筒状のコア部材をモールド対象とする。そして、当該円筒状のコア部材を収容するキャビティが形成された一対の金型内に樹脂を注入してコア部材を樹脂によりモールドする回転電機のコア部材の製造装置である。そして、スロット空間内に配置されたコイル線材を当該スロット空間内においてコア部材の外径側へ付勢する付勢手段と、付勢手段によりコイル線材を外径側に付勢した後若しくは外径側に付勢しつつ、キャビティに樹脂を充填する樹脂充填手段と、を備える。
したがって、本発明では、付勢手段によりコイル線材を外径側に付勢した後若しくは外径側に付勢しつつ、キャビティに樹脂を充填するため、コア部材のスロット空間に配置されているコイル線材同士を密に接触させることができる。このため、コイル線材の熱を密着する隣のコイル線材に順次伝達して最終的にコア部材を構成するステータコア若しくはロータコアを介して外部への放熱性を向上させることができる。
本発明の一実施形態のコア部材の製造方法及び製造装置によって、モールド成形するコア部材について、ステータを例として、説明する、断面図(A)及びA−A断面図(B)である。 同じくコア部材に対して樹脂をモールドするための前工程の状態を示す断面図である。 型開きされた状態における、ワークを含む、モールド成形装置の主要構成を示す断面図である。 型閉めされた状態におけるモールド成形装置の主要構成を示す断面図である。 キャビティに樹脂が注入され始めた状態を示す断面図である。 モールド成形後に実施される中子抜き工程を示す断面図である。 図6に続く、中子抜き工程を示す断面図である。 コア部材のスロット空間に挿入されたコイル線材の状態を説明する断面図(A)及びコイル線材の分布状態を説明する図(B)である。 コア部材のモールド成形後のスロット空間に挿入されたコイル線材の状態を説明する断面図(A)及びコイル線材の分布状態を説明する図(B)である。 コア部材として、回転電機のロータ(回転子、電機子)を対象として樹脂モールド成型をした要部断面図である。 本発明の第2実施形態における、ワークに対してモールド成形するための製造装置であるモールド成形装置の断面図(A)及びワークの断面図(B)である。 モールド成形中における動作状態を示すモールド成形装置の断面図(A)及びモールド成形後のワークの断面図(B)である。 本発明の第3実施形態における、ワークに対してモールド成形するための製造装置であるモールド成形装置の断面図である。 モールド成形中における動作状態を示すモールド成形装置の断面図である。
以下、本発明のコア部材及びそれを用いた回転電機とその製造方法及び製造装置を各実施形態に基づいて説明する。
(第1実施形態)
先ず、本発明のコア部材の製造方法及び製造装置によって、モールド成形するコア部材について、ステータを例として、図1を参照しながら説明する。図1は、ステータの断面図(A)及びA−A断面図(B)である。図1に示すように、コア部材10としてのステータ10Aには、内周に複数(24箇所)のティース12を備える積層鋼板から成るステータコア11と、各ティース12間のスロット空間13内に装着された複数のコイル14とを備える。
各ティース12に巻回されるコイル14は、絶縁シート16に包まれてスロット空間13内に収容される領域(コイル線材14Aという)を備える。また、コイル14は、スロット空間13の軸方向端部より出てティース12の軸方向端部を巻回する領域(コイルエンド14Bという)を備える。各コイル14は、U,V,Wの3相を形成するように、図示しないコイル14の線材端がバスバーによって接続され、バスバーのU,V,W相の各端部は、3本の端子14C(U,V,W)に接続されている。
このようにステータコア11にコイル14が装着されたステータ10Aは、図2に示すように、ハウジング15に圧入状態で装着される。ハウジング15は、冷却部材、例えば、内部が空洞に形成されて、冷却液を循環させるウォータジャケット15Aを備えている。これにより、コイル14で生じた熱は、ステータコア11を介してハウジング15に伝達され、ウォータジャケット15Aを循環する冷却液により冷却されるようにしている。以下では、ステータコア11にコイル14が装着された状態のステータ10Aをハウジング15に圧入装着したものを、単に「ワークW」という。
次いで、ワークWに対して樹脂52をモールドするための前工程として、ステータ10Aの内周に、中子20を挿入する。中子20は、その外周面がステータコア11の内周に係合することにより、モールド樹脂52が充填されるキャビティCの内周面を形成する。バスバーが配置される中子20の一方の軸方向端部は、ステータコア11の軸方向端部より突出され、同様に突出配置されるコイルエンド14Bと同等の長さに設定されている。これにより、中子20の一方の軸方向端部は、キャビティCの上側領域の内周面を形成する。
また、中子20の一方の軸方向端部の端面は、中央領域が平面状21に形成されると共にその外周縁領域は軸方向に突出する環状隆起部22に形成されている。平面状部分21及び環状隆起部22は、後述する上金型30との隙間により、キャビティCへ流入するモールド樹脂52のランナ35及びゲート36を形成するようにしている。また、中子20の他方の軸方向端部は、ステータコア11の他方の軸方向端部より突出し、その端面が後述する下金型40に接触して、キャビティCの下側領域の内周面を形成する。
中子20が装着されたワークWでは、コイル線材14Aが配置されているスロット空間13は、中子20により内周側の開口が閉じられる。このため、各スロット空間13は、ステータコア11の両端部に開口して軸方向に連なる夫々独立した軸方向空間となる。
次いで、ワークWに対して樹脂52をモールドするための前工程として、U,V,W相の各端子14C(U,V,W)に、端子14Cに対するモールド樹脂52を形成する端子用型材23が装着されて、ワークWに対するモールド成形のための前工程が完了する。
次に、ワークWに対してモールド成形するための製造装置であるモールド成形装置の第1実施形態について、図3を参照しながら説明する。図3は、図2に示す中子20及び端子用型材23が装着されたワークWに対して、モールド成形するモールド成形装置の主要構成を示す断面図である。モールド成形装置Mは、ワークWのハウジング15の上部に係合してキャビティCの上部領域を形成する上金型30と、同じくステータ10Aのハウジング15の下部に係合してキャビティCの下部領域を形成する下金型40と、を備える。上金型30はモールド成形装置Mのダイプレート31(固定側)に支持され、下金型40はモールド成形装置Mのダイプレート41(可動側)に支持され、下金型40が昇降することにより、互いに型閉めおよび型開きするよう構成されている。上金型30の背面(図中上部)には樹脂52を金型内に注入するための樹脂射出部50が設けられている。
上金型30の中央部には樹脂射出部50と連なって上下方向に貫通したスプルー32が設けられている。上金型30のワークWに対面する前面(図中下部)には、型閉め時にコイルエンド14B及び中子20を収容するよう凹み33が設けられている。そして、凹み33を囲んで下方に突出する円筒部34の先端は、型閉め時にワークWのハウジング15端面に当接する。これにより、凹み33・中子20・ハウジング15により、コイルエンド14Bを囲んでキャビティCの上部領域を形成する。また、円筒部34の一部には切り欠き34Aが設けられ、型閉め時に端子用型材23を切り欠き34A内に受入れて収容するよう構成している。
樹脂射出部50は、上金型30の背面に固定したポット51(シリンダ)と、ポット51内に投入された熱硬化性樹脂52を圧縮して、上金型30のスプルー32から押出すプランジャ53と、プランジャ53を下方へ加圧する図示しない加圧機と、から構成されている。なお、加圧機としては、例えば、油圧シリンダやエアシリンダ等が使用される。
なお、熱硬化性樹脂52は、不飽和ポリエステル樹脂成形材料やエポキシ樹脂成形材料等、硬化することで3次元架橋が行われ不溶不融の硬化物となる樹脂である。また、この熱硬化性樹脂52に、無機充填材や補強剤を混合するものであってもよい。無機充填材としては、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、シリカ、クレー、タルク等がある。また、補強剤としては、ガラス繊維、ビニロン繊維等がある。ポット51内には、流動状態の熱硬化性樹脂52が、モールド成形の開始にあわせて挿入される。以下では、熱硬化性樹脂52について、単に「樹脂52」という。
下金型40は、上面にステータ10Aのコイルエンド14Bを収容する環状溝42を備える。また、環状溝42で囲まれた中央領域は上方へ突出して中子20の下面に当接してキャビティCの内周面を形成し、環状溝42の外周領域はハウジング15の端面に当接する。そして、ハウジング15の内面・下金型40(環状溝42・中央領域・外周領域)・中子20により、コイルエンド14Bを囲んでキャビティCの下部領域を形成する。環状溝42の底部には、イジェクトピン43が出没可能に配置されている。
以上の構成のモールド成形装置Mによるモールド成形方法について、図3〜図7に基づいて、以下に説明する。先ず、図3に示すように、下金型40がモールド成形装置Mの図示しないアクチュエータにより、下方へ移動されて上金型30から離間され、上金型30と下金型40とが型開きされる。この状態で、ハンドリング装置または作業者により、中子20及び端子用型材23が装着されたワークWが、下金型40にセットされ位置決めされる。
次いで、図4に示すように、下金型40が図示しないアクチュエータにより上昇される。これにより、下金型40にセッとされているワークWのハウジング15の上端が上金型30に当接し、ワークW側の端子用型材23が上金型30の円筒部34の切り欠き34Aに嵌合して型閉めされる。このとき、ワークWのコイルエンド14Bは上金型30の凹み33内に入り込み、中子20の上端面が上金型30の凹み33の底部と対面する。そして、下金型40をさらに上昇方向に付勢して、数十トンの押圧力がかかる状態とする。すなわち、金型が型締めされる。このように数十トンの荷重を加えることにより、ワークWのハウジング15の上下端面と下金型40及び上金型30とを密着させることができる。
この状態においては、上金型30と下金型40とがワークWを挟んで型閉めされることにより、上金型30の凹み33と中子20外周面とハウジング15内面とによりキャビティCの上部領域が形成される。また、下金型40の環状溝42及びその外周領域と中子20外周とハウジング15内面とによりキャビティCの下部領域が形成される。同時に、キャビティCの上下領域は、コイル線材14Aが配置され且つ中子20により内周側が閉じられているステータコア11のスロット空間13を介して連通した状態となる。
また、中子20の上端面(バスバーが配置される一方の軸方向端面)の平面状部分21は、上金型30の凹み33の底面との隙間空間により、スプルー32から射出されるモールド樹脂52のランナ35を形成する。また、中子20の上端面(軸方向端面)の外周縁領域の環状隆起部22は、上金型30の凹み33の底面との隙間との隙間を狭めた状態となり、ランナ35を介して供給されるモールド樹脂52のキャビティCへの流入に対するゲート36を形成する。
なお、モールド成形に当たっては、ポット51に投入される樹脂52は、安定流動しやすいように30℃〜80℃に予備加熱されており、また、上金型30、下金型40、およびワークWは、120〜160℃に温調されている。このように、上下金型30,40とワークWとの温度は等しくなるように設定しておくことが好ましい。このような状態において、ポット51に樹脂52が挿入される。
その状態で、樹脂射出部50の加圧機によりプランジャ53が下降され、ポット51内に投入されている樹脂52を加圧して、上金型30のスプルー32を経由させて注入を開始する。樹脂52は、スプルー32を通って、円盤状の隙間からなるランナ35を通って、360度全ての位置からゲート36を介してキャビティCの上部領域から進入する。ここで、ランナ35からキャビティCに入るゲート36の部分は、幅が狭くなり、モールド成形終了後に、ワークWとランナ35とを簡単に分離することができる。
ゲート36を通過した樹脂52は、図5に示すように、キャビティCの上部領域のコイルエンド14Bの内周側領域に充填される。次いで、コイルエンド14Bと上金型30との隙間を通ってコイルエンド14Bの外周側領域にも充填される。即ち、樹脂52はコイルエンド14Bの内周側に充填され、次いでコイルエンド14Bの外周側に充填される。このため、樹脂52はスロット空間13の内部に配置されているコイル線材14Aに対して、外径側から充填されることなく、内径側から充填される。キャビティCの上部領域において、コイルエンド14Bの軸方向端部と上金型30の凹み33底部との隙間を比較的小さく形成することにより、スロット空間13に対する内径側からの充填をより一層促進させることができる。
樹脂52のスロット空間13の内径側、即ち、コイル線材14Aよりも内径側への充填は、コイル線材14AをワークWの外径側に押圧付与しつつスロット空間13の上方から下方に向かって徐々に進行する。
コイル線材14Aは、スロット空間13において、図8に示すように、絶縁シート16に包まれた状態で配置されている。このため、スロット空間13のコイル線材14Aより内径側に樹脂が充填されると、樹脂52の充填に連れて、絶縁シート16に包まれたコイル線材14Aはスロット空間13の外径側に押付けられる。結果として、図9に示すように、コイル線材14Aは絶縁シート16に包まれた状態で、スロット空間13の外径側壁面に押付けられ、コイル線材14A同士は互いに密に接触した状態となる。
その後、樹脂52はキャビティCの下部領域に到達し、下部領域のコイルエンド14Bの内周側領域を充填し、コイルエンド14Bの軸方向端部と下金型40との隙間を通って、コイルエンド14Bの外周側領域に充填される。そして、キャビティCの全領域に樹脂52が完全に充填されると、加圧機及びプランジャの下降が停止してスプルーからの樹脂52の注入が終了する。
そして、キャビティC内への樹脂52充填後、樹脂射出部50の加圧機によりプランジャ53が上方へ移動される。次いで、キャビティC内に充填された樹脂52が硬化すると、下金型40が、図示しないアクチュエータにより下方へ移動されて、型開きされる。
次いで、ワークWがハンドリング装置または作業者により、下金型40から上方へ移動される。次いで、図6に示すように、ワークWのハウジング15と下金型40を支持するダイプレート31,41との間、および、中子20と上金型30との間に、それぞれ中子抜き治具24が介装される。次いで、図7に示すように、下金型40を図示しないアクチュエータにより上昇させて上下金型30,40を接近させる型閉めが実行される。これにより、ワークWは下金型40の上昇に伴って上昇するが、中子20は中子抜き治具24を介して上金型30と共に停止しているため、中子20とワークWとの相対位置が変化して、中子20はワークWから下方へ抜き取られる。このようにして、中子20が抜き取られたワークWはモールド成形装置Mから搬出され、中子20及び端子用型材23が装着された新たなワークWが型開きされた上下金型30,40間に投入され、次のワークWに対するモールド成形が開始される。なお、モールド成形後のワークWから中子20を抜く方法としては、上記した方法に限定されるものではなく、他の方法や次工程で実行してもよい。
なお、上記実施形態において、コア部材10として、回転電機のステータ10Aを対象とするものについて説明したが、回転電機のロータ(回転子、電機子)を対象としてモールド成型を実施するものであってもよい。即ち、回転電機のロータ10B(回転子、電機子)においても、図10に示すように、ロータコア17の外周に複数のティース12が円周方向に配置され、これらティース12間には、絶縁シート16に包まれたコイル線材14Aを収容したスロット空間13を備える。このようなロータ10B(回転子、電機子)においても、コア部材10であるロータ10Bを収容するキャビティCが形成された一対の金型内に樹脂52を注入してロータ10B(コア部材10)を樹脂52によりモールドして、ステータ10Aと同様に、実施できる。
即ち、ロータ10Bを収容するキャビティCの内径側から樹脂52をキャビティCに注入して、ロータコア17の内径側から外径側に向かって樹脂52を流動させると、コイル線材14Aを当該スロット空間13内において、ロータコア17の外径側へ付勢できる。その結果、スロット空間13内のコイル線材14Aをロータコア17の外径側に片寄せて樹脂モールドすることができる。コイル線材14Aをロータコア17のスロット空間13内の外径側に偏って配置させるため、コイル線材14Aを外周に隣接して配置されるステータ10Aに近づけることができ、ロータ10Bの回転力を発生させるための磁界をより強くでき、回転電機の出力向上を実現することができる。
本実施形態においては、以下に記載する効果を奏することができる。
(ア)円周状の内周面若しくは外周面に複数のティース12が配置されてこれらティース12間に半径方向のスロット空間13を備え、当該スロット空間13内にコイル線材14Aが配置された円筒状のコア部材10をモールド対象とする。そして、当該円筒状のコア部材10を収容するキャビティCが形成された一対の金型30,40内に樹脂52を注入してコア部材10を樹脂52によりモールドする回転電機のコア部材10の製造装置である。そして、スロット空間13内に配置されたコイル線材14Aを、当該スロット空間13内においてコア部材10の外径側へ付勢する付勢手段(樹脂52のキャビティCの内径側へ注入するランナ35及びゲート36)と、付勢手段によりコイル線材14Aを外径側に付勢した後若しくは外径側に付勢しつつ、キャビティCに樹脂52を充填する樹脂充填手段(樹脂射出部50)と、を備える。
即ち、付勢手段によりコイル線材14Aを外径側に付勢した後若しくは外径側に付勢しつつ、キャビティCに樹脂52を充填するため、コア部材10のスロット空間13に配置されているコイル線材14A同士を密に接触させることができる。このため、コイル線材14Aの熱を密着する隣のコイル線材14Aに順次伝達して最終的にコア部材10を構成するステータコア11若しくはロータコア17を介して外部への放熱性を向上させることができる。そして、コア部材10がステータ10Aである場合には、コイル線材14Aをステータコア11のスロット空間13内の外径側に偏って配置させると、ステータ10Aの外周に嵌合されるハウジング15に近づけて配置でき、熱の伝達経路を短縮でき、放熱性を向上させることができる。そして、ハウジング15に、冷却機能として、例えば、ウォータジャケット15A等を備える構成とすれば、更に放熱性を向上させることができる。また、コア部材10がロータ10Bである場合には、コイル線材14Aをロータコア17のスロット空間13内の外径側に偏って配置させると、外周に隣接して配置されるステータ10Aにコイル線材14Aを近づけることができる。この結果、ロータ10Bの回転力を発生させるための磁界をより強くでき、回転電機の出力向上を実現することができる。
(イ)付勢手段は、コア部材10を収容するキャビティCの内径側から樹脂52をキャビティCに注入して、コア部材10の内径側から外径側に向かって樹脂52を流動させるものである。こうすることにより、コイル線材14Aを当該スロット空間13内においてコア部材10の外径側へ付勢することができる。このため、コイル線材14Aは絶縁シート16に包まれた状態で、内径側から外径側に向かって樹脂52を流動によって、スロット空間13の外径側壁面に押付けられ、コイル線材14A同士は互いに密に接触した状態とできる。結果として、コア部材10のスロット空間13に配置されているコイル線材14A同士を密に接触させることができる。結果として、コイル線材14Aの熱を密着する隣のコイル線材14Aに順次伝達して最終的にコア部材10を構成するステータコア11若しくはロータコア17を介して外部への放熱性を向上させることができる。
(ウ)上記した製造装置を用いて得られる回転電機のコア部材10であり、スロット空間13内のコイル線材14Aがコア部材10の外径側に偏って配置されていると共にスロット空間13内に充填された樹脂52によりモールドされている。即ち、スロット空間13内のコイル線材14Aがコア部材10の外径側に偏って配置され且つスロット空間13内に充填された樹脂52によりモールドされている。このため、コイル線材14Aの熱を密着する隣のコイル線材14Aに順次伝達して最終的にコア部材10を構成するステータコア11若しくはロータコア17を介して外部への放熱性を向上させることができる。
(エ)上記した製造装置を用いて得られるコア部材10を用いた回転電機であり、コア部材10は回転電機のステータ10Aを構成し、冷却部材を備えるハウジング15内に嵌合させて備えることを特徴とする。即ち、コア部材10がステータ10Aである場合には、コイル線材14Aをステータコア11のスロット空間13内の外径側に偏って配置させると、ステータ10Aの外周に嵌合されるハウジング15に近づけて配置でき、熱の伝達経路を短縮でき、放熱性を向上させることができる。そして、ハウジング15に、冷却機能として、例えば、ウォータジャケット15A等を備える構成とすれば、更に放熱性を向上させることができる。
(第2実施形態)
図11〜図12は、本発明を適用したコア部材及びそれを用いた回転電機とその製造方法及び製造装置の第2実施形態を示し、図11はワークに対してモールド成形するための製造装置であるモールド成形装置の断面図(A)及びワークの断面図(B)である。また、図12はモールド成形中における動作状態を示すモールド成形装置の断面図(A)及びモールド成形後のワークの断面図(B)である。本実施形態のモールド成形装置においては、コア部材のスロット空間に配置されたコイル線材を遠心力により外径側に付与する構成を第1実施形態に追加したものである。なお、第1実施形態と同一装置には同一符号を付してその説明を省略ないし簡略化する。
本実施形態においては、上下金型30,40及びその間に保持したワークWに対して遠心力を付与するために、これらを回転可能とする。即ち、上下金型30,40及びその間に保持したワークWを回転可能とするために、上下ダイプレート31,41を上下金型30,40と共に回転する部材と回転しない部材とに分離し、両者間に回転軸受31A,41Aを配置している。なお、上下金型30,40及びその間に保持したワークWを回転可能とする方法としては、上記構造に限定されるものでなく、例えば、上下のダイプレート31,41をモールド成形装置Mの装置本体に対して回転可能に支持させ、これらを図示しないアクチュエータにより回転駆動可能としてもよい。その他の構成は、第1実施形態と同様に構成している。
本実施形態においては、第1実施形態と同様に、上金型30と下金型40とでワークWを挟んで型閉めして、図11に示す状態とする。次いで、図示しないアクチュエータにより、上下金型30,40及びその間に保持したワークWを回転させる。この回転に伴い、ワークWのスロット空間13に配置されているコイル線材14Aは、図8に示す状態から、ワークWに加えられる回転に伴う遠心力により、図9に示すように、絶縁シート16に包まれた状態でスロット空間13の外径側に押付けられる。これにより、ステータコア11のコイル線材14Aが配置されたスロット空間13は、中子20により閉じられた内周側に大きい空間部が形成され、当該空間を介してキャビティCの上下領域は連通した状態となる。
その状態で、樹脂射出部50の加圧機によりプランジャ53が下降され、ポット51内に投入されている樹脂52を加圧して、上金型30のスプルー32を経由させて注入を開始する。樹脂52は、スプルー32を通って、円盤状の隙間からなるランナ35を通って、360度全ての位置からゲート36を介してキャビティCの上部領域に進入する。
ゲート36を通過した樹脂52は、図12に示すように、キャビティCの上部領域のコイルエンド14Bの内周側領域に充填される。次いで、コイルエンド14Bと上金型30との隙間を通ってコイルエンド14Bの外周側領域にも充填される。同時に、樹脂52は、ステータコア11のスロット空間13のコイル線材14Aが外径側に移動して空いた内径側に流入し、コイル線材14Aを更に外径側に押付けつつ、スロット空間13に充填される。
樹脂52のスロット空間13の内径側、即ち、コイル線材14Aよりも内径側への充填は、コイル線材14AをワークW外径側に押圧付与しつつスロット空間13の上方から下方に向かって徐々に進行する。
即ち、スロット空間13のコイル線材14Aより内径側に樹脂52が充填されると、樹脂52の充填に連れて、絶縁シート16に包まれたコイル線材14Aはスロット空間13の外径側に押付けられる。結果として、図12(B)に示すように、コイル線材14Aは絶縁シート16に包まれた状態で、スロット空間13の外径側壁面に押付けられ、コイル線材14A同士は互いに密に接触した状態となる。
その後、樹脂52はキャビティCの下部領域に到達し、下部領域のコイルエンド14Bの内周側領域を充填し、コイルエンド14Bの軸方向端部と下金型40との隙間を通って、コイルエンド14Bの外周側領域に充填される。そして、キャビティCの全領域に樹脂52が完全に充填されると、加圧機及びプランジャ53の下降が停止してスプルー32からの樹脂52の注入が終了する。
スロット空間13に充填された樹脂52は、遠心力により外径側に付勢されるため、スロット空間13の内径側から離れ、内径側に配置されている中子20とステータコア11との嵌合部(隙間)から排除される。結果として、中子20を抜く際に中子20とステータコア11との嵌合部(隙間)に樹脂52が入り込むことにより生ずるステータコア11の内径側がかじって樹脂割れや変形することを防止できる。
キャビティC内への樹脂充填後、上下金型30,40及びその間に保持したワークWの回転が停止され、樹脂射出部50の加圧機によりプランジャ53が上方へ移動される。次いで、キャビティC内に充填された樹脂52が硬化すると、下金型40が、図示しないアクチュエータにより下方へ移動されて、型開きされる。次いで、第1実施形態と同様に、中子抜き工程及びその後の工程が実施される。
なお、本実施形態におけるコア部材10として、回転電機のステータ10Aを対象とするものについて説明したが、第1実施形態で説明した、回転電機のロータ10B(回転子、電機子)を対象としてモールド成型を実施するものであってもよい。この場合においては、ロータ10Bに作用する遠心力により、コイル線材14Aをロータコア17のスロット空間13内の外径側に偏って配置させることができる。このため、外周に隣接して配置されるステータ10Aにコイル線材14Aを近づけることができ、ロータ10Bの回転力を発生させるための磁界をより強くでき、回転電機の出力向上を実現することができる。
以上に説明した本実施形態により得られるコア部材10においては、コア部材10のスロット空間13に配置されているコイル線材14A同士を密に接触させることができる。このため、コイル線材14Aの熱を密着する隣のコイル線材14Aに順次伝達して最終的にコア部材10を構成するステータコア11若しくはロータコア17を介して外部への放熱性を向上させることができる。そして、コア部材10がステータ10Aである場合には、コイル線材14Aをステータコア11のスロット空間13内の外径側に偏って配置させると、ステータ10Aの外周に嵌合されるハウジング15に近づけて配置でき、熱の伝達経路を短縮でき、放熱性を向上させることができる。そして、ハウジング15に、冷却機能として、例えば、ウォータジャケット15A等を備える構成とすれば、更に放熱性を向上させることができる。また、コア部材10がロータ10Bである場合には、コイル線材14Aをロータコア17のスロット空間13内の外径側に偏って配置させると、外周に隣接して配置されるステータ10Aにコイル線材14Aを近づけることができる。この結果、ロータ10Bの回転力を発生させるための磁界をより強くでき、回転電機の出力向上を実現することができる。
本実施形態においては、第1実施形態における効果(ア)〜(エ)に加えて以下に記載した効果を奏することができる。
(オ)付勢手段は、回転軸受31A,41Aによりコア部材10を回転可能に支持し、当該コア部材を回転させて生ずる遠心力によりコイル線材14Aを当該スロット空間13内においてコア部材10の外径側へ付勢するものである。このため、樹脂52をキャビティCに注入する前にコイル線材14Aをコア部材10の外径側へ付勢することができ、確実にコイル線材14Aの位置決めができる。しかも、その後のキャビティCへの樹脂52の注入により、第1実施形態における樹脂52による外径方向への付勢作用と相まって、より一層確実にコイル線材14Aをコア部材10の外径側へ位置させてモールドすることができる。
(第3実施形態)
図13及び図14は、本発明を適用したコア部材及びそれを用いた回転電機とその製造方法及び製造装置の第3実施形態を示し、図13はワークに対してモールド成形するための製造装置であるモールド成形装置の断面図、図14はモールド成形中における動作状態を示すモールド成形装置の断面図である。本実施形態のモールド成形装置においては、コア部材のスロット空間に配置されたコイル線材を空気圧により外径側に付与する構成を第1実施形態に追加したものである。なお、第1実施形態と同一装置には同一符号を付してその説明を省略ないし簡略化する。
本実施形態においては、コア部材10であるステータコア11のスロット空間13に配置されたコイル線材14Aを空気圧により外径側に付与するために、中子20の中心部には空気圧を導入する軸方向の通路24Aを備える。中子20には、また、この軸方向の通路24Aに軸方向に隔たった複数の箇所(図では4箇所)で連通し、半径方向に配置されてスロット空間13の内径側開口と対面する複数の放射方向通路24Aを備える。また、ワークWのハウジング15の軸方向両端部の上下金型30,40と接触する領域には、上下金型30,40及びハウジング15で形成したキャビティC内の空気を排出する空気排出通路26Aを設けている。
そして、軸方向の通路24Aには空気供給装置25が接続され、空気排出通路26Aには空気排出装置26が接続されている。その他の構成は、第1実施形態と同様に構成している。
本実施形態においては、第1実施形態と同様に、上金型30と下金型40とでワークWを挟んで型閉めして、図13に示す状態とする。次いで、空気供給装置25及び空気排出装置26を作動させる。空気供給装置25より供給された空気は、軸方向通路24A及び放射方向通路24Bを介してキャビティC内のステータコア11のスロット空間13に供給され、スロット空間13の空気はスロット空間13の軸方向に流れて、キャビティCの上下領域に到達し、空気排出通路26Aを介して空気排出装置26に吸引される。
このため、コア部材10であるステータコア11のスロット空間13には、半径方向内方から半径方向外側に向かう空気流による付勢力が発生する。この付勢力により、ワークWのスロット空間13に配置されているコイル線材14Aは、図8に示す状態から、図9に示すように、スロット空間13の外径側に押付けられる。これにより、ステータコア11のコイル線材14Aが配置されたスロット空間13は、中子20により閉じられた内周側に大きい空間部が形成され、当該空間を介してキャビティCの上下領域は連通した状態とできる。
その状態で、空気供給装置25及び空気排出装置26を停止させ、樹脂射出部50の加圧機によりプランジャ53が下降され、ポット51内に投入されている樹脂52を加圧して、上金型30のスプルー32を経由させて注入を開始する。樹脂52は、スプルー32を通って、円盤状の隙間からなるランナ35を通って、360度全ての位置からゲート36を介してキャビティCの上部領域から進入する。
ゲート36を通過した樹脂52は、図14に示すように、キャビティCの上部領域のコイルエンド14Bの内周側領域に充填される。次いで、コイルエンド14Bと上金型30との隙間を通ってコイルエンド14Bの外周側領域にも充填される。同時に、樹脂52は、スロット空間13のコイル線材14Aが外径側に移動して空いた内径側に流入し、コイル線材14Aを更に外径側に押付けつつ、スロット空間13に充填される。
樹脂52のスロット空間13の内径側、即ち、コイル線材14Aよりも内径側への充填は、コイル線材14AをワークW外径側に押圧付与しつつスロット空間13の上方から下方に向かって徐々に進行する。
即ち、スロット空間13のコイル線材14Aより内径側に樹脂52が充填されると、樹脂52の充填に連れて、絶縁シート16に包まれたコイル線材14Aはスロット空間13の外径側に押付けられる。結果として、コイル線材14Aは絶縁シート16に包まれた状態で、スロット空間13の外径側壁面に押付けられ、コイル線材14A同士は互いに密に接触した状態となる。
その後、樹脂52はキャビティCの下部領域に到達し、下部領域のコイルエンド14Bの内周側領域を充填し、コイルエンド14Bの軸方向端部と下金型40との隙間を通って、コイルエンド14Bの外周側領域に充填される。そして、キャビティCの全領域に樹脂52が完全に充填されると、加圧機及びプランジャ53の下降が停止してスプルー32からの樹脂52の注入が終了する。
キャビティC内への樹脂充填後、樹脂射出部50の加圧機によりプランジャ53が上方へ移動される。次いで、キャビティC内に充填された樹脂52が硬化すると、下金型40が、図示しないアクチュエータにより下方へ移動されて、型開きされる。次いで、第1実施形態と同様に、中子抜き工程及びその後の工程が実施される。
なお、上記実施形態において、コイル線材14Aの外径側への付勢手段として、キャビティC内の内周側から外周に向かって吹出す空気流によりコイル線材14Aを当該スロット空間13内においてコア部材10の外径側へ付勢するものについて説明した。しかし、空気流による付勢に加えて、第2実施形態のワークWを回転させることによって生ずる遠心力による付勢手段を併用するものであってもよい。
また、本実施形態におけるコア部材10として、回転電機のステータ10Aを対象とするものについて説明したが、第1実施形態で説明した、回転電機のロータ10B(回転子、電機子)を対象としてモールド成型を実施するものであってもよい。この場合においても、ロータ10Bの内径側及び外径側に適宜通路が形成して、ロータ10Bの内径側から外径側に流れる空気流を生ずるようにすることで実施することができる。そして、ロータ10Bの内径側から外径側に作用する空気流により、コイル線材14Aをロータコア17のスロット空間13内の外径側に偏って配置させることができる。このため、外周に隣接して配置されるステータ10Aにコイル線材14Aを近づけることができ、ロータ10Bの回転力を発生させるための磁界をより強くでき、回転電機の出力向上を実現することができる。
以上に説明した本実施形態により得られるコア部材10においては、コア部材10のスロット空間13に配置されているコイル線材14A同士を密に接触させることができる。この結果、コイル線材14Aの熱を密着する隣のコイル線材14Aに順次伝達して最終的にコア部材10を構成するステータコア11若しくはロータコア17を介して外部への放熱性を向上させることができる。そして、コア部材10がステータ10Aである場合には、コイル線材14Aをステータコア11のスロット空間13内の外径側に偏って配置させると、ステータ10Aの外周に嵌合されるハウジング15に近づけて配置でき、熱の伝達経路を短縮でき、放熱性を向上させることができる。そして、ハウジング15に、冷却機能として、例えば、ウォータジャケット15A等を備える構成とすれば、更に放熱性を向上させることができる。また、コア部材10がロータ10Bである場合には、コイル線材14Aをロータコア17のスロット空間13内の外径側に偏って配置させると、外周に隣接して配置されるステータ10Aにコイル線材14Aを近づけることができる。この結果、ロータ10Bの回転力を発生させるための磁界をより強くでき、回転電機の出力向上を実現することができる。
本実施形態においては、第1実施形態における効果(ア)〜(エ)に加えて、以下に記載する効果を奏することができる。
(カ)付勢手段は、コア部材10の内周に嵌合されてキャビティCの内周面を形成する中子20の軸方向通路24A及び放射方向通路24Bを通してキャビティC内の内周側から外周に向かって吹出す空気流である。これにより、コイル線材14Aを当該スロット空間13内においてコア部材10の外径側へ付勢することができる。このため、樹脂52をキャビティCに注入する前にコイル線材14Aをコア部材10の外径側へ付勢することができ、確実にコイル線材14Aの位置決めができる。しかも、その後のキャビティCへの樹脂52の注入により、第1実施形態における樹脂52による外径方向への付勢作用と相まって、より一層確実にコイル線材14Aをコア部材10の外径側へ位置させてモールドすることができる。
C キャビティ
M モールド成形装置
W ワーク
10 コア部材
10A ステータ
10B ロータ
11 ステータコア
12 ティース
13 スロット空間
14 コイル
14A コイル線材
14B コイルエンド
15 ハウジング
15A 冷却部材としてのウォータジャケット
16 絶縁シート
17 ロータコア
20 中子
23 端子用型材
24A 付勢手段としての軸方向通路
24B 付勢手段としての放射方向通路
30 上金型
31A,41A 付勢手段としての回転軸受
35 付勢手段としてのランナ
36 付勢手段としてのゲート
40 下金型
50 樹脂充填手段としての樹脂射出部
52 樹脂

Claims (10)

  1. 円周状の内周面若しくは外周面に複数のティースが配置されてこれらティース間に半径方向のスロット空間を備え、当該スロット空間内にコイル線材が配置された円筒状のコア部材をモールド対象とし、当該円筒状のコア部材を収容するキャビティが形成された一対の金型内に樹脂を注入して前記コア部材を樹脂によりモールドする回転電機のコア部材の製造装置において、
    前記スロット空間内に配置されたコイル線材を当該スロット空間内においてコア部材の外径側へ付勢する付勢手段と、
    前記付勢手段によりコイル線材を外径側に付勢した後若しくは外径側に付勢しつつ、前記キャビティに樹脂を充填する樹脂充填手段と、を備えることを特徴とする回転電機のコア部材の製造装置。
  2. 前記付勢手段は、コア部材を収容するキャビティの内径側から樹脂をキャビティに注入して、コア部材の内径側から外径側に向かって樹脂を流動させることによりコイル線材を当該スロット空間内においてコア部材の外径側へ付勢するものであることを特徴とする請求項1に記載の回転電機のコア部材の製造装置。
  3. 前記付勢手段は、前記コア部材を回転させて生ずる遠心力によりコイル線材を当該スロット空間内においてコア部材の外径側へ付勢するものであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の回転電機のコア部材の製造装置。
  4. 前記付勢手段は、前記コア部材の内周に嵌合されてキャビティの内周面を形成する中子を通してキャビティ内の内周側から外周に向かって吹出す空気流によりコイル線材を当該スロット空間内においてコア部材の外径側へ付勢するものであることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一つに記載の回転電機のコア部材の製造装置。
  5. 円周状の内周面若しくは外周面に複数のティースが配置されてこれらティース間に半径方向のスロット空間を備え、当該スロット空間内にコイル線材が配置された円筒状のコア部材をモールド対象とし、当該円筒状のコア部材を収容するキャビティが形成された一対の金型内に樹脂を注入して前記コア部材を樹脂によりモールドする回転電機のコア部材の製造方法において、
    前記スロット空間内に配置されたコイル線材を付勢手段により当該スロット空間内においてコア部材の外径側へ付勢し、
    前記コイル線材を外径側に付勢した後若しくは外径側に付勢しつつ、樹脂充填手段により前記キャビティに樹脂を充填するようにしたことを特徴とする回転電機のコア部材の製造方法。
  6. 前記付勢手段は、コア部材を収容するキャビティの内径側から樹脂をキャビティに注入して、コア部材の内径側から外径側に向かって樹脂を流動させることによりコイル線材を当該スロット空間内においてコア部材の外径側へ付勢するものであることを特徴とする請求項5に記載の回転電機のコア部材の製造方法。
  7. 前記付勢手段は、前記コア部材を回転させて生ずる遠心力によりコイル線材を当該スロット空間内においてコア部材の外径側へ付勢するものであることを特徴とする請求項5または請求項6に記載の回転電機のコア部材の製造方法。
  8. 前記付勢手段は、前記コア部材の内周に嵌合されてキャビティの内周面を形成する中子を通してキャビティ内の内周側から外周に向かって吹出す空気流によりコイル線材を当該スロット空間内においてコア部材の外径側へ付勢するものであることを特徴とする請求項5から請求項7のいずれか一つに記載の回転電機のコア部材の製造方法。
  9. 請求項5ないし請求項8のいずれかの製造方法を用いて得られるコア部材であり、
    前記スロット空間内のコイル線材がコア部材の外径側に偏って配置されていると共にスロット空間内に充填された樹脂によりモールドされていることを特徴とする回転電機のコア部材。
  10. 請求項5ないし請求項8のいずれかの製造方法を用いて得られるコア部材を用いた回転電機であり、
    前記コア部材は回転電機のステータを構成し、冷却部材を備えるハウジング内に嵌合させて備えることを特徴とする回転電機。
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